説明

シンバルホルダ及びシンバルスタンド

【課題】シンバルスタンドにシンバルを確実に保持することのできるシンバルホルダ、及びそのシンバルホルダを備えたシンバルスタンドを提供することにある。
【解決手段】シンバルホルダ10は、挿通孔13を有するホルダ本体11と、一対の第1及び第2係合部材20a,20bと、一対の第1及び第2圧縮コイルばね40a,40bとを備えている。第1及び第2係合部材20a,20bは、第1及び第2圧縮コイルばね40a,40bにより、第1及び第2ナット部21a,21bを接近させてそれらをボルトに係合させる向きに付勢されている。一方、第1及び第2圧縮コイルばね40a,40bの付勢力に抗して、第1及び第2ボタン部22a,22bを押圧操作することにより、第1及び第2ナット部21a,21bとボルトとの係合は解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンバルスタンドにシンバルを保持するためのシンバルホルダ、及びシンバルホルダを備えたシンバルスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
シンバルスタンドは、スタンド本体と、スタンド本体の上端にシンバルを保持するためのシンバルホルダとを備えている。シンバルホルダとして、例えば、特許文献1に開示されるようなものが知られている。同文献に開示のシンバルホルダは、スタンド本体の上端に取着される支持部材と、支持部材のボルトに取着されるリテーナと、ボルトに螺着されるナットとを備えている。このシンバルホルダの場合、スタンド本体にシンバルを着脱するため、ボルトに螺着されたナットを締め付けたり、ナットを緩めたりする等の操作が必要となる。こうしたナットの着脱を容易にするため、以下のような構成が提案されている。
【0003】
特許文献2は、ボルトに係合する一対のスリーブ部材と、両スリーブ部材を付勢するコイルスプリングとを備えたシンバルホルダを開示している。特許文献3は、ホルダ本体と、ナット及び操作ボタンを一体形成したナット部材と、ナット部材を付勢する圧縮コイルばねとを備えたシンバルホルダを開示している。また、特許文献4は、ロック孔を有するホルダ本体と、ホルダ本体に取着された一対の回動部材とを備えた打楽器用ホルダを開示している。この打楽器用ホルダでは、各回動部材のカム面により、ロック孔の内周面がロック孔の軸線に対し接近するように変形させられる。これにより、ロック孔の内周面のネジがボルトの外周面のネジに係合されるため、打楽器用ホルダがボルトに装着される。
【0004】
しかしながら、特許文献2に開示のシンバルホルダは、シンバルが叩打されて揺動すると、スリーブ部材がシンバルと共に揺動してボルトから外れ、シンバルスタンドにシンバルを保持できなくなる。また、特許文献3に開示のシンバルホルダによれば、ボルトに係合するナット部材を一つしか備えていないため、演奏中にスティックがボタンに触れると、ボルトに対するナット部材の係合が解除されてしまい、シンバルスタンドにシンバルを保持できなくなる。また、特許文献2と同様に、シンバルが叩打されて揺動すると、シンバルホルダがシンバルと共に揺動してボルトから外れる虞もある。更には、ボルトに対する締付強度を確保するために金属製のナット部材を用いる必要があり、そのため、部品コストが上昇し、安価に製造できないといった問題もある。また、特許文献4に開示の打楽器用ホルダによれば、ホルダ本体に回動部材をロックする必要となり、その分、ボルトに対してホルダを着脱するための操作が面倒になる。また、ボルトとロック孔のねじとが正しく係合されていなくても、回動部材は、強制的に回動させることでホルダ本体にロックされてしまう。これにより、ロック孔のねじが潰れてしまい、製品寿命が短くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3069348号公報
【特許文献2】米国特許第4960028号明細書
【特許文献3】米国特許第5785480号明細書
【特許文献4】米国特許第6884015号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、シンバルスタンドにシンバルを確実に保持することのできるシンバルホルダ、及びそのシンバルホルダを備えたシンバルスタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シンバルを支持するリテーナとの間にシンバルを締め付けて保持するためのシンバルホルダであって、リテーナの上端から突出したボルトに螺着されて締め付けられることによりシンバルが保持されるシンバルホルダにおいて、ボルトが挿通される挿通孔を有するホルダ本体と、ホルダ本体に設けられ、シンバルを着脱するときに操作される一対の第1及び第2操作ボタンと、ホルダ本体内に移動可能に支持され、ボルトと係合する一対の第1及び第2分割ナットと、両分割ナットを付勢する少なくとも一つの付勢手段とを備え、付勢手段の付勢力により両分割ナットが接近してボルトに係合され、両操作ボタンの操作により両分割ナットが離間してボルトに対する係合が解除されることを要旨とする。
【0008】
この構成によれば、ボルトがホルダ本体の挿通孔に挿通されると共に、ホルダ本体内においては、付勢手段の付勢力により両分割ナットが接近してボルトに係合される。このため、シンバルが叩打されて揺動しても、両分割ナットが開きボルトから外れることを防止することができる。また、両操作ボタンの操作により、両分割ナットが離間してボルトとの係合が解除される。このため、演奏中にスティックが一方の操作ボタンに触れたとしても、両方の操作ボタンが操作されない限り、両分割ナットがボルトから外れることもない。よって、ボルトからシンバルホルダが外れ難くなり、シンバルスタンドにシンバルを確実に保持することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、挿通孔の内径は、ボルトの外径の1〜11/10の範囲に設定されていることを要旨とする。
この構成によれば、ボルトの挿通を許容する範囲内で、挿通孔の内面とボルトとの間のクリアランスを極力小さくすることができる。これにより、シンバルが叩打されて揺動しても、ホルダ本体に生じるがたを抑制することができ、ひいては、両分割ナットが開きボルトから外れることを一層防止することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、第1及び第2分割ナットは、両分割ナットの分割面を接触させることなくボルトに係合されることを要旨とする。
【0011】
この構成によれば、第1及び第2分割ナットによるボルトへの係合が、相手側の分割ナットにより規制されることはない。これにより、両分割ナットとボルトとの係合力を高めることができ、ボルトに対する締付強度を向上させることができる。よって、演奏時にシンバルがボルトを中心に回転しても、シンバルと共にシンバルホルダが回転しないため、ボルトに締め付けられた状態から緩まないようにシンバルホルダを保持することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、ホルダ本体は上面及び下面を含み、上面及び下面のうち少なくとも一方には、ボルトが挿通される筒状の突出部が設けられていることを要旨とする。
【0013】
この構成によれば、シンバルホルダは、筒状の突出部にボルトを挿通させた状態で締め付けることができる。この状態で、ボルトの外周面は突出部により隠蔽されているため、シンバルが叩打されて揺動したときに、シンバルの取付孔の内周面とボルトの外周面とが互いに擦れ合うこともない。このため、シンバルの取付孔の内周面がボルトのネジ山によって削られることもない。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明において、シンバルホルダは、リテーナとの間に緩衝部材を介装させてボルトに締め付けられ、ホルダ本体の上面を上向きにして締め付けたときと、上面を下向きにして締め付けたときとで、シンバルの締付圧力が異なることを要旨とする。
【0015】
この構成によれば、ホルダ本体の上面を上向きにして締め付けたときと、上面を下向きにして締め付けたときとで、シンバルホルダ及びリテーナにより緩衝部材が押し潰される量を異ならせることができ、それに応じて、シンバルの締付圧力を異ならせることができる。従って、演奏者の好みに応じて、シンバルの締付圧力を選択することにより、2種類のシンバルの音色を選択することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の発明において、ホルダ本体の上面及び下面の一方にのみ突出部が設けられ、突出部が設けられた面を下向きにして締め付けることにより、リテーナの上端に突出部の先端が当接されて、ボルトに対するシンバルホルダの締付量が規制されることを要旨とする。
【0017】
この構成によれば、突出部が設けられた面を下向きにして締め付けることにより、リテーナの上端に突出部の先端が当接されて、ボルトに対するシンバルホルダの締付量が規制される。一方、突出部が設けられていない面を下向きにして締め付けることにより、シンバルホルダは、ホルダ本体の上面又は下面をリテーナの上端に当接させるまで締め付けられる。このようにして、演奏者は、シンバルホルダを上下逆に締め付けることにより、シンバルの締付圧力を選択することができ、シンバルの音色を選択することができる。また、この構成によれば、シンバルの締付圧力を選択可能にするための構成として、ホルダ本体に設けられた突出部を利用しているため、新たに別の部品を追加することもない。よって、部品点数を増加させずに、シンバルの締付圧力を選択可能なシンバルホルダを実現することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、第1分割ナットは、第1操作ボタンに一体形成されることにより第1係合部材として形成され、第2分割ナットは、第2操作ボタンに一体形成されることにより第2係合部材として形成されていることを要旨とする。
【0019】
この構成によれば、第1分割ナットと第1操作ボタンとを一体形成し、第2分割ナットと第2操作ボタンとを一体形成することにより、シンバルホルダの部品点数を一層少なくすることができる。よって、製造コストの低減に寄与することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項7記載の発明において、第1及び第2係合部材は、第1分割ナットと第2操作ボタンとの間及び第2分割ナットと第1操作ボタンとの間の少なくともいずれか一方に付勢手段を配置した状態で互いに組み付けられていることを要旨とする。
【0021】
この構成によれば、1つ又は2つの付勢手段を用いて両分割ナットをボルトに係合させる構成を実現することができる。例えば、1つの付勢手段を用いる構成によれば、2つの付勢手段を用いる構成と比較して部品点数が少ないため、製造コストの低減に一層寄与することもできる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の発明において、第1及び第2係合部材はいずれも同一形状及び同一寸法を有していることを要旨とする。
この構成によれば、第1及び第2係合部材を成形するための型を共通化することができ、また、第1係合部材と第2係合部材とを間違えて組み付けることもない。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか一項に記載の発明において、ホルダ本体から抜けないように第1及び第2係合部材を保持するための抜け防止部材を備えることを要旨とする。
【0024】
この構成によれば、抜け防止部材によって、ホルダ本体から抜けないように第1及び第2係合部材を保持することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発明において、ホルダ本体、第1及び第2分割ナット、及び第1及び第2操作ボタンはいずれも樹脂からなることを要旨とする。
【0025】
この構成によれば、シンバルホルダを構成する多くの部品が樹脂からなるため、シンバルホルダの軽量化や製造コストの低減等に寄与することができる。
請求項12に記載の発明は、先端にボルトを有するスタンド本体と、スタンド本体の上端にシンバルを保持するためのシンバルホルダとを備え、ボルトに螺着されたシンバルホルダを締め付けることによりシンバルがスタンド本体に保持されるシンバルスタンドにおいて、シンバルホルダは、ボルトが挿通される挿通孔を有するホルダ本体と、ホルダ本体に設けられ、シンバルを着脱するときに操作される一対の第1及び第2操作ボタンと、ホルダ本体内に移動可能に支持され、ボルトと係合する一対の第1及び第2分割ナットと、両分割ナットを付勢する少なくとも一つの付勢手段とを備え、付勢手段の付勢力により両分割ナットが接近してボルトに係合され、両操作ボタンの操作により両分割ナットが離間してボルトに対する係合が解除されることを要旨とする。
【0026】
この構成によれば、請求項1と同等の作用効果が得られるシンバルスタンドを提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、シンバルスタンドにシンバルを確実に保持することのできるシンバルホルダ、及びそのシンバルホルダを備えたシンバルスタンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係るシンバルスタンドの斜視図。
【図2】本発明の一実施形態に係るシンバルホルダの斜視図。
【図3】図2の3−3線に沿った断面図。
【図4】(a)は図2の4−4線に沿った断面図、(b)は(a)の状態から第1及び第2ボタン部を押圧操作したときの断面図。
【図5】シンバルホルダの分解斜視図。
【図6】(a)はシンバルホルダがボルトに装着される直前の状態を示す部分断面図、(b)はシンバルホルダがボルトに螺着された状態を示す部分断面図、(c)はシンバルホルダがボルトに締め付けられた状態を示す部分断面図。
【図7】(a)は突出部を上向きしてボルトに締め付けられたシンバルホルダの部分側面図、(b)は突出部を下向きにしてボルトに締め付けられたシンバルホルダの部分側面図。
【図8】別例のシンバルホルダの縦断面図。
【図9】別例のシンバルホルダの斜視図。
【図10】別例のシンバルホルダの横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係るシンバルホルダ及びシンバルスタンドの一実施形態について図1〜図7を参照して説明する。
図1に示すように、シンバルスタンド1は、三脚を含むスタンド本体2、ティルタ3、及びシンバルホルダ10を備えている。ティルタ3は、スタンド本体2の上端に回動可能に支持されている。ティルタ3の上端には、シンバルホルダ10が螺着されるボルト5が設けられている。また、ティルタ3には、シンバル4を下方から支持するためのリテーナ6が装着されている。シンバル4は、ボルト5に螺着されたシンバルホルダ10を締め付けることによりスタンド本体2の上端に保持される。尚、シンバル4の振動を緩衝するため、シンバル4とリテーナ6との間、及びシンバル4とシンバルホルダ10との間には、フェルト等からなる緩衝部材7がそれぞれ介装されている。
【0030】
図2、図3及び図5に示すように、シンバルホルダ10は、ホルダ本体11と、一対の第1及び第2係合部材20a,20bと、一対の第1及び第2付勢手段としての第1及び第2圧縮コイルばね40a,40bと、抜け防止部材としてのリング50とを備えている。ホルダ本体11、第1及び第2係合部材20a,20b、及びリング50は、いずれも樹脂材料により形成されている。樹脂材料として、具体的には、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリアセタール樹脂等が挙げられる。
【0031】
ホルダ本体11は、上下一対の面12a,12bを含む円筒部12と、円筒部12の周面から横方向に突出した一対の四角筒部14とを備えている。円筒部12の中央には、ボルト5が挿通される挿通孔13が設けられている。挿通孔13の内径は、ボルト5の外径の1〜11/10の範囲に設定されている。
【0032】
円筒部12の下面12bには、ボルト5が挿通される筒状の突出部15が設けられている。突出部15は、挿通孔13と同軸の円筒状に形成されている。突出部15は、円筒部12よりも小さい径を有している。また、円筒部12の下面12bには、円環状の溝17が形成されている。溝17は、突出部15の基端の外周縁に沿って延びている。
【0033】
各四角筒部14には、断面長方形状の開口がそれぞれ設けられている。各四角筒部14の開口は、挿通孔13の軸線C1に対して対称にそれぞれ配置されている。ホルダ本体11内には、両四角筒部14の開口を連通すると共に挿通孔13の軸線C1と直交する連通孔18が設けられている。連通孔18は、四角筒部14の開口と同形状の断面を有する長孔からなる。
【0034】
本実施形態において、第1係合部材20aは、第1分割ナットを第1操作ボタンと一体形成したものであり、第1分割ナットを第1ナット部21aとして含み、第1操作ボタンを第1ボタン部22aとして含む。また、第2係合部材20bは、第2分割ナットを第2操作ボタンと一体形成したものであり、第2分割ナットを第2ナット部21bとして含み、第2操作ボタンを第2ボタン部22bとして含む。第1及び第2係合部材20a,20bはいずれも同一形状及び同一寸法を有している。
【0035】
第1ナット部21aは、第1ボタン部22aと対向する面に、ボルト5に係合されるネジを有している。第1ナット部21aは、第1ボタン部22aと反対側の面に、第1圧縮コイルばね40aを収容するための第1収容穴23aを有している。また、第1ナット部21aの上面と下面とには、リング50との係合に用いられる第1嵌合孔24aがそれぞれ設けられている。第1ボタン部22aは、第1ナット部21aと対向する面に、第2圧縮コイルばね40bの端部を支持する第1支持凹部25aを有している。
【0036】
同様に、第2ナット部21bは、第2ボタン部22bと対向する面に、ボルト5に係合されるネジを有している。第2ナット部21bは、第2ボタン部22bと反対側の面に、第2圧縮コイルばね40bを収容するための第2収容穴23bを有している。また、第2ナット部21bの上面と下面とには、リング50との係合に用いられる第2嵌合孔24bがそれぞれ設けられている。第2ボタン部22bは、第2ナット部21bと対向する面に、第2圧縮コイルばね40bの端部を支持する第2支持凹部25bを有している。第1及び第2ナット部21a,21bの各ネジは、雌ネジをその軸線に沿って分割した分割ネジからなる。
【0037】
第1ナット部21aと第1ボタン部22aとの間には、それらを繋ぐ一対の第1フレーム28aが設けられている。第1係合部材20aは、第1ナット部21a、第1ボタン部22a,及び一対の第1フレーム28aにより包囲された第1収納空間29aを有している。同様に、第2ナット部21bと第2ボタン部22bとの間には、それらを繋ぐ一対の第2フレーム28bが設けられている。第2係合部材20bは、第2ナット部21b、第2ボタン部22b,及び一対の第2フレーム28bにより包囲された第2収納空間29bを有している。第1係合部材20aの第1収納空間29aには、第2ナット部21b及び第2圧縮コイルばね40bが収納される。また、第2係合部材20bの第2収納空間29bには、第1ナット部21a及び第1圧縮コイルばね40aが収納される。
【0038】
図3〜図5に示すように、第1及び第2係合部材20a,20bは、互いに対向する向きに配置されて一体に組み付けられている。両係合部材20a,20bを組み付けた状態で、第1圧縮コイルばね40aの第1端は第1収容穴23aに収容され、第1圧縮コイルばね40aの第2端は第2ボタン部22bの第2支持凹部25bに嵌合されている。また、第2圧縮コイルばね40bの第1端は第2収容穴23bに収容され、第2圧縮コイルばね40bの第2端は第1ボタン部22aの第1支持凹部25aに嵌合されている。そして、第1圧縮コイルばね40aは、第1ナット部21aと第2ボタン部22bとの間に圧縮されて支持され、第2圧縮コイルばね40bは、第2ナット部21bと第1ボタン部22aとの間に圧縮されて支持されている。即ち、第1圧縮コイルばね40aは、付勢力を蓄えた状態で第1ナット部21aと第2ボタン部22bとによって支持され、第2圧縮コイルばね40bは、付勢力を蓄えた状態で第2ナット部21bと第1ボタン部22aとによって支持されている。
【0039】
第1及び第2圧縮コイルばね40a,40bは、第1及び第2ナット部21a,21bを接近させる向き、即ち、両ナット部21a,21bをボルト5に係合させる向きに第1及び第2係合部材20a,20bを付勢している。一方、第1及び第2圧縮コイルばね40a,40bの付勢力に抗して、第1及び第2ボタン部22a,22bを押圧操作することにより、第1及び第2係合部材20a,20bは、第1及び第2ナット部21a,21bを離間させる向きにそれぞれ摺動する。これにより、第1及び第2ナット部21a,21b間の空間26が、両ナット部21a,21bが係合するボルト5の径よりも大きくなるまで拡げられる。
【0040】
第1及び第2係合部材20a,20bは、上述したように組み付けられた状態でホルダ本体11の連通孔18に収容されている。第1及び第2係合部材20a,20bは、第1及び第2ナット部21a,21b間の空間26を挿通孔13に一致させるようにして配置されている。ホルダ本体11の溝17には、リング50が装着されている。リング50の内周面には、一対のフック51が設けられている。各フック51は、リング50の軸線に対して対称にそれぞれ配置されている。一対のフック51は、第1及び第2ナット部21a,21bの各嵌合孔24a,24bにそれぞれ嵌合されている。これにより、第1及び第2係合部材20a,20bは、ホルダ本体11内の所定の位置に組み付けられると共に、ホルダ本体11から外へ抜け出ないように保持されている。
【0041】
次に、上記のシンバルホルダ10の使用方法について図4(a),(b)、図6(a)〜(c)、及び図7(a),(b)を参照して説明する。
図6(a)に示すように、まず、ボルト5にシンバル4と緩衝部材7とを取り付けた後、シンバルホルダ10をボルト5の上方に配置する。このとき、第1及び第2係合部材20a,20bは、第1及び第2圧縮コイルばね40a,40bにより、第1及び第2ナット部21a,21bを接近させる向きに付勢されている。このため、図4(a)に示すように、第1及び第2係合部材20a,20bは、第1及び第2ナット部21a,21bの各分割面27a,27bを接触させた状態でホルダ本体11内に支持されている。
【0042】
次に、図6(b)に示すように、第1及び第2ボタン部22a,22bを指で摘みながら押圧操作する。これにより、第1及び第2係合部材20a,20bは、第1及び第2ナット部21a,21bを離間させる向きにホルダ本体11内をそれぞれ摺動する。そして、図4(b)に示すように、第1及び第2ナット部21a,21b間の空間26は、ボルト5の径よりも大きくなるまで拡げられる。なお、第1及び第2嵌合孔24a,24bの寸法は、リング50のフック51により第1及び第2係合部材20a,20bの摺動が規制されない寸法に設定されている。
【0043】
続いて、第1及び第2ボタン部22a,22bを押圧操作したまま、ホルダ本体11の挿通孔13にボルト5を挿通し、適切な位置で、第1及び第2ボタン部22a,22bの押圧操作を解除する。これにより、ボルト5に第1及び第2ナット部21a,21bが係合されて、ボルト5にシンバルホルダ10が螺着される。このとき、図4(b)に示すように、第1及び第2ナット部21a,21bは、両ナット部21a,21bの分割面27a,27bを接触させることなくボルト5に係合される。
【0044】
次に、図6(c)に示すように、演奏者は、ボルト5に螺着されたシンバルホルダ10を締め付ける。このとき、図7(b)に示すように、シンバルホルダ10は、突出部15をリテーナ6の上端に当接させるまで締め付けられる。このように、円筒部12の下面12bを下向きにして締め付けた場合、突出部15によって、ボルト5に対するシンバルホルダ10の締付量が規制される。この場合、シンバルホルダ10により緩衝部材7が押し潰される量は小さいため、シンバル4の締付圧力を比較的小さく設定することができる。
【0045】
一方、図7(a)に示すように、円筒部12の上面12aを下向きにして締め付けた場合、シンバルホルダ10は、円筒部12の上面12aを緩衝部材7に押圧させながら、上面12aがリテーナ6の上端に当接するまで締め付けられる。このため、シンバルホルダ10は、図7(b)に示す場合よりもシンバル4に近い位置にまで締め付けられる。この場合、シンバルホルダ10により緩衝部材7が押し潰される量は大きいため、シンバル4の締付圧力を比較的高く設定することができる。尚、このとき、シンバル4を挟む一対の緩衝部材7はいずれも均等に、ほぼ同じ量だけ押し潰される。こうしてシンバルホルダ10がボルト5に締め付けられることによって、シンバル4は、図1に示すように、スタンド本体2の上端に装着されて、保持される。
【0046】
尚、上述した手順と逆の手順を行うことにより、スタンド本体2からシンバル4を取り外すことができる。具体的には、まず、ボルト5に締め付けられたシンバルホルダ10の第1及び第2ボタン部22a,22bを指で摘みながら押圧操作する。これにより、第1及び第2ナット部21a,21bとボルト5との係合が解除される。そして、第1及び第2ボタン部22a,22bを押圧操作したまま、ボルト5からシンバルホルダ10を引き抜くように取り外す。シンバルホルダ10を取り外した後、緩衝部材7と共にスタンド本体2からシンバル4が取り外される。
【0047】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)シンバルホルダ10は、挿通孔13を有するホルダ本体11と、一対の第1及び第2係合部材20a,20bと、一対の第1及び第2圧縮コイルばね40a,40bとを備えている。第1係合部材20aは、第1分割ナットを第1ナット部21aとして含み、第1操作ボタンを第1ボタン部22aとして含む。また、第2係合部材20bは、第2分割ナットを第2ナット部21bとして含み、第2操作ボタンを第2ボタン部22bとして含む。
【0048】
この構成によれば、ボルト5がホルダ本体11の挿通孔13に挿通されると共に、ホルダ本体11内においては、第1及び第2圧縮コイルばね40a,40bの付勢力により両ナット部21a,21bが接近してボルト5に係合される。このため、シンバル4が叩打されて揺動しても、両ナット部21a,21bが開きボルト5から外れることを防止することができる。また、両ボタン部22a,22bの押圧操作により、両ナット部21a,21bが離間してボルト5との係合が解除される。このため、演奏中にスティックが一方のボタン部に触れたとしても、両方のボタン部22a,22bが押圧操作されない限り、両ナット部21a,21bがボルト5から外れることもない。よって、ボルト5からシンバルホルダ10が外れ難くなり、シンバルスタンド1にシンバル4を確実に保持することができる。
【0049】
(2)挿通孔13の内径は、ボルト5の外径の1〜11/10の範囲に設定されている。この構成によれば、ボルト5の挿通を許容する範囲内で、挿通孔13の内面とボルト5との間のクリアランスを極力小さくすることができる。これにより、シンバル4が叩打されて揺動しても、シンバルホルダ10に生じるがたを抑制することができる。よって、両ナット部21a,21bが開きボルト5から外れることを一層防止することができる。
【0050】
(3)第1及び第2ナット部21a,21bは、両ナット部21a,21bの分割面27a,27bを接触させることなくボルト5に係合される。この構成によれば、第1及び第2ナット部21a,21bによるボルト5への係合が、相手側のナット部により規制されることはない。これにより、両ナット部21a,21bとボルト5との係合力を高めることができ、ボルト5に対する締付強度を向上させることができる。よって、演奏時にシンバル4がボルト5を中心に回転しても、シンバル4と共にシンバルホルダ10が回転しないため、ボルト5に締め付けられた状態から緩まないようにシンバルホルダ10を保持することができる。
【0051】
(4)円筒部12の下面12bには、ボルト5が挿通される筒状の突出部15が設けられている。この構成によれば、シンバルホルダ10は、筒状の突出部15にボルトを挿通させた状態で締め付けることができる。この状態で、ボルト5の外周面は突出部15により隠蔽されているため、シンバル4が叩打されて揺動したときに、シンバル4の取付孔の内周面とボルト5の外周面とが互いに擦れ合うこともない。このため、シンバル4の取付孔の内周面がボルト5のネジ山によって削られることもない。
【0052】
(5)突出部15が設けられた円筒部12の下面12bを下向きにして締め付けることにより、リテーナ6の上端に突出部15の先端が当接されて、ボルト5に対するシンバルホルダ10の締付量が規制される。一方、突出部15が設けられていない円筒部12の上面12aを下向きにして締め付けることにより、シンバルホルダ10は、円筒部12の上面12aをリテーナ6の上端に当接させるまで締め付けられる。このようにして、演奏者は、シンバルホルダ10を上下逆に締め付けることにより、シンバル4の締付圧力を選択することができ、2種類のシンバルの音色を選択することができる。また、この構成によれば、シンバル4の締付圧力を選択可能にするための構成として、シンバル4の取付孔を保護する突出部15を利用しているため、新たに別の部品を追加することもない。よって、部品点数を増加させずに、シンバル4の締付圧力を選択可能なシンバルホルダ10を実現することができる。
【0053】
(6)第1係合部材20aは、第1分割ナットを第1操作ボタンと一体形成したものであり、第2係合部材20bは、第2分割ナットを第2操作ボタンと一体形成したものである。この構成によれば、シンバルホルダ10の部品点数を一層少なくすることができる。よって、製造コストの低減に寄与することができる。
【0054】
(7)第1及び第2係合部材20a,20bはいずれも同一形状及び同一寸法を有している。この構成によれば、第1及び第2係合部材20a,20bを成形するための型を共通化することができ、また、第1係合部材20aと第2係合部材20bとを間違えて組み付けることもない。
【0055】
(8)シンバルホルダ10は、抜け防止部材としてのリング50を備えている。この構成によれば、リング50によって、ホルダ本体11から抜けないように両係合部材20a,20bを保持することができる。
【0056】
(9)ホルダ本体11、第1及び第2係合部材20a,20b、及びリング50は、いずれも樹脂材料により形成されている。この構成によれば、シンバルホルダ10を構成する多くの部品が樹脂からなるため、シンバルホルダ10の軽量化や製造コストの低減等に寄与することができる。
【0057】
(10)シンバルスタンド1は、三脚を含むスタンド本体2、ティルタ3、及びシンバルホルダ10を備えている。この構成によれば、上記の作用効果が得られるシンバルスタンド1を提供することができる。
【0058】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態において、第1及び第2ナット部21a,21bは、両ナット部21a,21bの分割面27a,27bを接触させてボルト5に係合されてもよい。
【0059】
・本実施形態において、円筒部12の上面12a及び下面12bの両方に突出部15を設けてもよい。この場合、上面12a及び下面12bの各面に設けられる突出部15の高さを異ならせることにより、シンバルホルダを上下逆に締め付けることによって、シンバルの締付圧力を選択することができ、シンバルの音色を選択することができる。
【0060】
また、ホルダ本体11の円筒部12から突出部15を省略してもよい。この場合、シンバルホルダ10の締め付けられる向きに関係なく、シンバルホルダ10は、円筒部12の上面12aをリテーナ6の上端に当接させるまで締め付けられる。
【0061】
・本実施形態において、付勢手段として一対の第1及び第2圧縮コイルばね40a,40bを備えていたが、図8に示すシンバルホルダ80のように、両圧縮コイルばね40a,40bのうちのいずれか一方を省略してもよい。この場合、図3に示す構成と比較して部品点数が少ないため、製造コストの低減に寄与することもできる。
【0062】
・本実施形態において、リング50を装着するための溝17を、円筒部12の上面12aに設けてもよく、また、円筒部12の上面12a及び下面12bの両方に設けてもよい。
【0063】
・本実施形態において、ホルダ本体11、第1及び第2係合部材20a,20b、及びリング50を、必要に応じて、樹脂材料以外の材料、例えば金属や木材やセラミックス等により形成してもよい。
【0064】
・本実施形態において、第1及び第2係合部材20a,20bに代えて、第1分割ナットと第1操作ボタンとを別々に形成し、第2分割ナットと第2操作ボタンとを別々に形成してもよい。例えば、図9及び図10に示すシンバルホルダ90によれば、第1分割ナット91aとホルダ本体92との間に第1圧縮コイルばね93aが配置され、第2分割ナット91bとホルダ本体92との間に第2圧縮コイルばね93bが配置されている。また、第1及び第2ボタン部94a,94bは、ホルダ本体92の周壁における対向する位置にそれぞれ支持されている。第1及び第2分割ナット91a,91bの分割面95a,95bは、テーパ状に形成されている。そして、第1分割ナット91aの分割面95aと第2分割ナット91bの分割面95bとによってV溝が形成されている。第1及び第2ボタン部94a,94bは、V溝と略同じテーパ角度の先端を有する基部97をそれぞれ有している。第1及び第2ボタン部94a,94bは、基部97の先端をV溝に挿入した状態でそれぞれ支持されている。このシンバルホルダ90によれば、第1及び第2ボタン部94a,94bを押圧操作すると、両ボタン部94a,94bの基部97はV溝の内奥へと移動すると共に、第1及び第2分割ナット91a,91bは離間する向きにそれぞれ移動する。その結果、第1及び第2分割ナット91a,91b間の空間96が拡げられる。
【0065】
・本実施形態において、シンバルホルダ10は、シンバル4をシンバルスタンドに保持するものとして具体化されていたが、シンバル4をシンバルラックやシンバルアタッチメントに保持するものとして具体化してもよい。
【符号の説明】
【0066】
C1…軸線、1…シンバルスタンド、2…スタンド本体、4…シンバル、5…ボルト、6…リテーナ、7…緩衝部材、10…シンバルホルダ、11…ホルダ本体、12a…上面、12b…下面、13…挿通孔、15…突出部、20a…第1係合部材、20b…第2係合部材、21a…第1ナット部(第1分割ナット)、21b…第2ナット部(第2分割ナット)、22a…第1ボタン部(第1操作ボタン)、22b…第2ボタン部(第2操作ボタン)、27a,27b…分割面、40a…第1圧縮コイルばね(第1付勢手段)、40b…第2圧縮コイルばね(第2付勢手段)、50…リング(抜け防止部材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンバルを支持するリテーナとの間にシンバルを締め付けて保持するためのシンバルホルダであって、前記リテーナの上端から突出したボルトに螺着されて締め付けられることにより前記シンバルが保持されるシンバルホルダにおいて、
前記ボルトが挿通される挿通孔を有するホルダ本体と、
前記ホルダ本体に設けられ、前記シンバルを着脱するときに操作される一対の第1及び第2操作ボタンと、
前記ホルダ本体内に移動可能に支持され、前記ボルトと係合する一対の第1及び第2分割ナットと、
前記両分割ナットを付勢する少なくとも一つの付勢手段とを備え、
前記付勢手段の付勢力により前記両分割ナットが接近して前記ボルトに係合され、前記両操作ボタンの操作により前記両分割ナットが離間して前記ボルトに対する係合が解除されることを特徴とするシンバルホルダ。
【請求項2】
請求項1記載のシンバルホルダにおいて、
前記挿通孔の内径は、前記ボルトの外径の1〜11/10の範囲に設定されていることを特徴とするシンバルホルダ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のシンバルホルダにおいて、
前記第1及び第2分割ナットは、前記両分割ナットの分割面を接触させることなく前記ボルトに係合されることを特徴とするシンバルホルダ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のシンバルホルダは、更に、
前記ホルダ本体は上面及び下面を含み、前記上面及び前記下面のうち少なくとも一方には、前記ボルトが挿通される筒状の突出部が設けられているを特徴とするシンバルホルダ。
【請求項5】
請求項4記載のシンバルホルダにおいて、
前記シンバルホルダは、前記リテーナとの間に緩衝部材を介装させて前記ボルトに締め付けられ、前記ホルダ本体の上面を上向きにして締め付けたときと、前記上面を下向きにして締め付けたときとで、前記シンバルの締付圧力が異なることを特徴とするシンバルホルダ。
【請求項6】
請求項5記載のシンバルホルダにおいて、
前記ホルダ本体の上面及び下面の一方にのみ突出部が設けられ、前記突出部が設けられた面を下向きにして締め付けることにより、前記リテーナの上端に前記突出部の先端が当接されて、前記ボルトに対するシンバルホルダの締付量が規制されることを特徴とするシンバルホルダ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のシンバルホルダにおいて、
前記第1分割ナットは、前記第1操作ボタンに一体形成されることにより第1係合部材として形成され、前記第2分割ナットは、前記第2操作ボタンに一体形成されることにより第2係合部材として形成されていることを特徴とするシンバルホルダ。
【請求項8】
請求項7記載のシンバルホルダにおいて、
前記第1及び第2係合部材は、前記第1分割ナットと前記第2操作ボタンとの間及び前記第2分割ナットと前記第1操作ボタンとの間の少なくともいずれか一方に付勢手段を配置した状態で互いに組み付けられていることを特徴とするシンバルホルダ。
【請求項9】
請求項7又は8記載のシンバルホルダにおいて、
前記第1及び第2係合部材はいずれも同一形状及び同一寸法を有していることを特徴とするシンバルホルダ。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一項に記載のシンバルホルダは、更に、
前記ホルダ本体から抜けないように前記第1及び第2係合部材を保持するための抜け防止部材を備えることを特徴とするシンバルホルダ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載のシンバルホルダにおいて、
前記ホルダ本体、前記第1及び第2分割ナット、前記第1及び第2操作ボタンはいずれも樹脂からなることを特徴とするシンバルホルダ。
【請求項12】
先端にボルトを有するスタンド本体と、前記スタンド本体の上端にシンバルを保持するためのシンバルホルダとを備え、前記ボルトに螺着されたシンバルホルダを締め付けることにより前記シンバルが前記スタンド本体に保持されるシンバルスタンドにおいて、
前記シンバルホルダは、
前記ボルトが挿通される挿通孔を有するホルダ本体と、
前記ホルダ本体に設けられ、前記シンバルを着脱するときに操作される一対の第1及び第2操作ボタンと、
前記ホルダ本体内に移動可能に支持され、前記ボルトと係合する一対の第1及び第2分割ナットと、
前記両分割ナットを付勢する少なくとも一つの付勢手段とを備え、
前記付勢手段の付勢力により前記両分割ナットが接近して前記ボルトに係合され、前記両操作ボタンの操作により前記両分割ナットが離間して前記ボルトに対する係合が解除されることを特徴とするシンバルスタンド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−276786(P2010−276786A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127937(P2009−127937)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000195018)星野楽器株式会社 (13)
【Fターム(参考)】