説明

シート処理装置

【課題】オフラインで簡易にシートを複数の束に仕分けて出力すること。
【解決手段】第1給紙トレイ20Aに集積された第1のシート束を給紙ローラにより給送する際に、第1のシート束におけるシートの枚数をカウンタで計測して、その計測した値をRAM203に記憶する。次に第1給紙トレイ20Aに集積された第2のシート束を給紙ローラで給送する際に、カウンタにより計測したシートの枚数がRAM203に記憶された第1のシート束と同じ枚数に達した場合、第2のシート束のうち給送されたシートを一つの束として仕分ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに対して綴じ処理等の処理を実行するシート処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタ等の画像形成装置に、綴じ処理や穿孔処理等の処理を実行するシート処理装置が接続された画像形成システムが従来から知られている。この画像形成システムでは、画像が形成されたシートを画像形成装置からシート処理装置に搬送し、綴じ処理等の処理を実行した上で装置外に排出する動作が実行可能である。つまり、シートに対してオンラインで綴じ処理等の処理を実行することが出来る。
【0003】
しかし、シート処理装置における処理内容をユーザーが間違えて設定し、シート処理装置において綴じ処理等の処理を実行してしまった場合、その出力したシートに対して改めてシート処理装置において処理を実行したい場合がある。また画像形成装置において画像を形成したシート以外のシートに対してシート処理装置において綴じ処理等の処理を実行したい場合がある(画像形成装置からシートを搬送せず、シート処理装置において綴じ処理等の処理を実行する動作を「オフライン」の動作と呼ぶ)。
【0004】
このような点に着目し、特許文献1では、綴じ処理や折り処理等の処理をオフラインで実行するシート処理装置(後処理装置)が提案されている。このシート処理装置によれば、画像形成装置から搬送されるシート以外のシートに対して綴じ処理等の処理を実行することが出来るため、ユーザーにとって利便性がよい。
【特許文献1】特開2003−146532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、シート処理装置においてオフラインで綴じ処理等の処理を実行する場合、シート処理装置から出力されるシートを複数の束に仕分けて出力させたい場合がある。例えば、3部の枚数に相当する複数枚のシートを積み重ねてシート処理装置にセットし、オフラインで穿孔処理を実行し、出力する際に3部のシート束に仕分けたい場合などである。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術では、シートを複数の束に仕分けて出力するということは考慮されていなかった。
【0007】
従って、本発明の目的は、オフラインで簡易にシートを複数の束に仕分けて出力することが出来るシート処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明に係るシート処理装置は、
シートに対して処理を実行するシート処置装置であって、
シートを集積する給紙トレイと、
当該給紙トレイに集積されたシートを給送する給送部と、
当該給送部により給送されたシートに対して処理を実行するシート処理部と、
当該シート処理部により処理されたシートをシート束として仕分けるシート仕分け部と、
前記給送部により給送されたシートの枚数を計測する計測部と、
当該計測部によって計測されたシートの枚数を記憶する記憶部と、
前記給紙トレイに集積された第1のシート束を前記給送部により給送する際に、前記第1のシート束におけるシートの枚数を前記計測部により計測してその計測した値を前記記憶部に記憶し、前記給紙トレイに集積された第2のシート束を前記給送部により給送する際に、前記計測部により計測されたシートの枚数が前記計測した値に達すると、前記第2のシート束のうち給送されたシートを一つの束として前記シート仕分け部により仕分けるべく、シート処理装置の動作を制御する制御部と、
を有することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明に係るシート処理装置は、
シートに対して処理を実行するシート処置装置であって、
シートを集積する第1の給紙トレイと、
シートを集積する第2の給紙トレイと、
前記第1の給紙トレイ又は前記第2の給紙トレイに集積されたシートを給送する給送部と、
当該給送部により給送されたシートに対して処理を実行するシート処理部と、
当該シート処理部により処理されたシートをシート束として仕分けるシート仕分け部と、
前記給送部により給送されたシートの枚数を計測する計測部と、
当該計測部によって計測されたシートの枚数を記憶する記憶部と、
前記第1の給紙トレイに集積された第1のシート束を前記給送部により給送する際に、前記第1のシート束におけるシートの枚数を前記計測部により計測してその計測した値を前記記憶部に記憶し、前記第2の給紙トレイに集積された第2のシート束を前記給送部により給送する際に、前記計測部により計測されたシートの枚数が前記計測した値に達すると、前記第2のシート束のうち給送されたシートを一つの束として前記シート仕分け部により仕分けるべく、前記シート処理装置の動作を制御する制御部と、
を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るシート処理装置によれば、オフラインで簡易にシートを複数の束に仕分けて出力することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、画像形成装置A、画像読取装置B、シート処理装置FS、断裁装置Cから成る画像形成システムの全体構成図である。図2は、画像形成システムの外観斜視図である。
【0012】
画像形成装置Aは、回転する像担持体1の周囲に、帯電部2、像露光部3、現像部4、転写部5A、除電部5B、及びクリーニング部6を配置した画像形成部を有する。帯電部2によって像担持体1の表面に一様帯電を行った後に、像露光部3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を行って潜像を形成し、該潜像を現像部4により反転現像して像担持体1の表面にトナー像を形成する。
【0013】
記録紙収納部7Aに収容されたシートSは、給紙部7Bにより給送され転写位置へ搬送される。転写位置において転写部5Aによりトナー像がシートS上に転写される。その後、シートSは除電部5Bにより裏面の電荷が消去され、像担持体1から分離され、中間搬送部7Cにより搬送され、引き続き定着部8により加熱定着され、排紙部7Dから排出される。
【0014】
シートSの両面に画像形成を行う場合は、定着部8により加熱定着されたシートSを、搬送路切り換え板7Eにより通常の排紙通路から分岐させ、反転搬送部7Fにおいてスイッチバックして表裏反転させた後、排紙部7Dにより装置外に排出させる。排紙部7Dから排出されたシートSは、シート処理装置FSに送り込まれる。
【0015】
像担持体1の画像処理後の表面は、クリーニング部6により表面に残留している現像剤が除去され、次の画像形成に備える。
【0016】
画像形成装置Aの上部前面側には、画像形成の種類等を設定する本体操作表示部9が配置されている。
【0017】
画像形成装置Aの上部には、原稿移動型読み取り方式の自動原稿送り装置を備えた画像読取装置Bが設置されている。
【0018】
画像形成装置Aから排出されたシートSは、シート処理装置FSにおいて、穿孔部40による穿孔処理、シフト部50によるシフト処理、集積部70の綴じ部700による綴じ処理、折り処理部80における折り処理等の処理がおこなわれた後、固定排紙台33、昇降排紙台62、断裁装置Cの何れかに送り込まれる。本願におけるシート処理部とは、穿孔部40、綴じ部700、折り処理部80など、シートに対して処理を実行する部分をいう。
【0019】
シート処理装置FSの上部には、オフラインで穿孔処理や、綴じ処理等を行うためのシートを集積する第1給紙トレイ20A(給紙トレイ、第1の給紙トレイ)、第2給紙トレイ20B(第2の給紙トレイ)が配置されている。
【0020】
断裁装置Cは、第1搬送部C1、第2搬送部C2、断裁部C3、冊子収納部C4から構成されている。断裁装置Cは、中綴じ処理、中折り処理されて作製されたシート束を第1搬送部C1により搬送し、断裁部C3により小口近傍を切断して小口を揃えて冊子を作製し、断裁処理後の冊子を第2搬送部C2により搬送し、冊子収納部C4において冊子を整列収納させる。
【0021】
図3は、シート処理装置FS内におけるシートSの搬送経路を示す全体構成図である。
【0022】
シート処理装置FSは画像形成装置Aから搬出されたシートSの受入部11が、画像形成装置Aの排紙部7Dと合致するような位置と高さに設置されている。
【0023】
受入部11には、画像形成装置Aにおいて画像を形成されたシートSが導入される。
【0024】
また受入部11には、第1給紙トレイ20Aや第2給紙トレイ20Bに集積されたシートSも導入される。第1給紙トレイ20Aや第2給紙トレイ20Bに集積されたシートSは給送部として機能する給紙ローラ21、22等により受入部11に向けて搬送される。第1給紙トレイ20A等から搬送されるシートSの搬送経路には光センサSSが設置されており、シートSが光センサSSの間を通過することにより、シートSの搬送が検知される。この検知信号をもとに搬送されたシートSの枚数が計測部として機能するカウンタによりカウントされる。
【0025】
受入部11のシート搬送方向下流側に配置された穿孔部40は、送り込まれたシートSに穿孔処理を行う。穿孔部40は、駆動部により昇降駆動されるパンチ41と、パンチ41の刃部に嵌合するダイス42から構成される。
【0026】
図4は、穿孔部40により穿孔処理されたシートSの各種例を示す平面図である。図4(a)はシートSの側縁辺aの近傍2箇所に孔hを穿孔した例(2穴パンチ)を示す。図4(b)はシートSの側縁辺aの近傍3箇所に孔hを穿孔した例(3穴パンチ)を示す。図4(c)はシートSの側縁辺aの近傍4箇所に孔hを穿孔した例(4穴パンチ)を示す。
【0027】
これらの複数の孔hの間隔は規格化されている。また、シートSの側縁辺aから孔hの中心までの穿孔端面距離bは任意に設定できるが、一般には9〜11mmである。
【0028】
穿孔部40のシート搬送方向下流側には、切換部G1、G2から成るシート分岐部が設けられている。切換部G1、G2は図示しないソレノイドの駆動により三方のシート搬送路、即ち、上段排紙用の第1搬送路X、中段の第2搬送路Y、下段の第3搬送路Zの何れかに選択的に分岐される。
【0029】
シート処理装置FSにおいてシートSを単に排出する場合、切換部G1は第2搬送路Y、第3搬送路Zを遮断し、第1搬送路Xのみを開放する。
【0030】
第1搬送路Xを通過するシートSは、搬送ローラ31に挟持されて上昇し、排出ローラ32により排出され、固定排紙台33上に載置され、順次積載される。固定排紙台33には最大約200枚のシートSを積載することができる。
【0031】
シート処理装置FSにおいてシートSをシフトして排出する場合、切換部G1は上方に退避し、切換部G2は第3搬送路Zを遮断し、第2搬送路Yを開放しシートSの通過を可能にする。シートSは切換部G1、G2の間に形成された通紙路を通過する。
【0032】
画像形成装置Aより排出された画像形成済みのシートSは、切換部G1、G2の中間通紙路を通過して、シフト部50によりシート搬送方向に直交する方向に所定量移動されるようにシフト処理され、排紙方向に搬送される。
【0033】
シフト部50は所定の枚数毎に、搬送幅方向にシートSの排紙位置を変えるシフト処理を行う。シフト処理されたシートSは、排紙部60の排出ローラ61により挟持されて機外の昇降排紙台62に排出され、順次載置される。この昇降排紙台62は多数枚のシートSを排紙するときには、順次下降するように構成されており、最大約3000枚(A4,B5)のシートSを収容することが可能である。
【0034】
図5は、集積部70と折り処理部80から成る処理ユニットの断面図である。
【0035】
本体操作表示部9や操作部として機能する処理操作表示部90(図2参照)において綴じ処理または折り処理が設定された場合、シート処理装置FSの受入部11に送り込まれたシートSは、穿孔部40(図3参照)を通過して切換部G2の下方の第3搬送路Zに送り込まれ、搬送ローラ12に挟持されて下方に搬送される。
【0036】
第3搬送路Zにおいて、A4、B5判より大きいサイズのシートSが搬送されるとき、ソレノイドSD1が駆動され、シートSは切換部G3の図示左側の通紙路13Aを通過して、搬送ローラ14に挟持されて下方に搬送される。シートSは、更に下流の入口搬送ローラ対15により挟持されて送り出され、集積部70において傾斜配置されたシート載置台71に排出される。シートSがシート載置台71に排出されると、シートSは打釘機構701と受針機構702とから成る綴じ部近傍のシート先端突き当て部材(以下、第1突き当て部材とも称す)72に当接して停止する。16は、シートSの先端部に摺接し、シートSを第1突き当て部材72に送り込むベルト状のシート案内部材である。なお、シート案内部材16は、回転可能な羽根車でもよい。
【0037】
A4、B5判等の小サイズのシートSを効率よく搬送するため、第3搬送路Zには通紙路13Aに平行する通紙路13Bが設けられている。
【0038】
切換部G3に接続するソレノイドSD1を駆動すると、通紙路13Aが閉止され、通紙路13Bが開放される。そして、搬送ローラ12から送り出された1枚目の小サイズのシートSは、通紙路13Bを通過して、回転停止状態の入口搬送ローラ対15に当接して停止する。
【0039】
次に、ソレノイドSD1への通電をOFFすると、通紙路13Bを閉止され、通紙路13Aが開放される。そして、搬送ローラ12から送り出された2枚目のシートSは、通紙路13Aを通過して、回転停止状態の入口搬送ローラ対15に当接して停止する。つまり、入口搬送ローラ対15の挟持位置付近には、1枚目のシートSと2枚目のシートSが重なって停止し、待機状態となる。
【0040】
その後所定のタイミングにより入口搬送ローラ対15が回転し、挟持された2枚のシートSが同時に搬送され、シート載置台71上に排出される。3枚目以降は、入口搬送ローラ対15がシートSを1枚ずつ排出する。
【0041】
幅整合部材73はシートSの搬送方向と直交する方向に移動可能であり、シートSがシート載置台71上に搬送される時にはシートSの幅より広く開放されている。シートSがシート載置台71上を搬送され、第1突き当て部材72に当接して停止すると、幅整合部材73はシートSの側縁を軽打してシート束Saの幅揃え(幅整合)を行う。シート載置台71上に所定枚数のシートSが積載、整合されると、打針機構701と受針機構702とから成る綴じ部により綴じ処理が実行される。
【0042】
排出ベルト75は綴じ処理が実行されたシート束Saを排出部60へ搬送するものである。排出ベルト75は駆動プーリ74Aと従動プーリ74Bに巻回されており、図5に示すα方向に回動する。また排出ベルト75の一部には排出爪76が一体に形成されている。シート載置台71の一部には、排出ベルト75が回動した際に排出爪76がシート束Saを保持するよう、切欠き部が形成されている。
【0043】
シート束Saに対して綴じ処理が実行されると、排出ベルト75が回動して排出爪76によりシート束Saをシート載置台71の上方に押し上げ、シート束Saを排紙部60における排出ローラ61(図3参照)の挟持位置へ搬送する。排出ローラ61に挟持されたシート束Saは、昇降排紙台62上に排出、積載される(図3参照)。
【0044】
集積部70、折り処理部80は処理ユニットの架台上に配置され、スライドレールR1、R2に案内されてシート処理装置FSの前面側に引き出し可能である。
【0045】
図6は、各種綴じ処理を実行する場合の、打針機構701、受針機構702から成る綴じ部700と、シート束Saとの配置を示す平面図である。図6(a)は、シート束Saの側縁近傍で中央部2箇所に綴じ針SPを打針する平綴じ処理を示す平面図、図6(b)は、シート束Saのコーナ部近傍の1箇所に綴じ針SPを打針する端綴じ処理を示す平面図、図6(c)はシート束Saの中央部2箇所に綴じ針SPを打針する中綴じ処理を示す平面図である。
【0046】
図5に示す集積部70に配置された綴じ部700は打針機構701と受針機構702から構成されており、打針機構701と受針機構702との間にはシートSが通過可能な通紙路77Aが形成されている。
【0047】
綴じ部700は、シート搬送方向に直交するシート幅方向に2組配置され、図示しない駆動部により、シート幅方向に移動可能である。
【0048】
本体操作表示部9等において中綴じ処理が設定されると、綴じ部700の綴じ処理位置(綴じ針の打針位置)近傍に設置されている第1突き当て部材72が通紙路77Aから待避し、中綴じ中折り兼用の第2突き当て部材78が上方に移動して、通紙路77Bを遮断する。
【0049】
画像形成装置Aから搬出されたシートSは、シート処理装置FSの受入部11から第3搬送路Zを通過してシート載置台71上に順次積載され、シートSが第2突き当て部材78に当接して位置決めされる。
【0050】
最終頁のシートSがシート載置台71上に載置された後、シート束Saに綴じ部700による中綴じ処理を行う。この中綴じ処理では、シートSの搬送方向の中央部に綴じ針SPが打ち込まれる。綴じ針SPは綴じ針駆動側の打針機構701から、綴じ針クリンチ側の受針機構702に向けて打ち込まれる。
【0051】
図7は、折り処理部80の正面図である。
【0052】
集積部70の斜め下方には、折り処理部80が配置されている。中綴じ処理後、シートSaを保持する第2突き当て部材78は、綴じ部700の綴じ処理位置から下方に移動する。移動可能な第2突き当て部材78は、上方位置において中綴じ処理時のシート束Saの停止位置を規制するとともに、下方位置において中折り処理時のシート束Saの停止位置を規制する。
【0053】
中綴じ処理されたシート束Saは、案内板81により形成される通紙路81A内を搬送され、第2突き当て部材78にシート束Saの搬送方向の端部が当接して、所定位置に停止する。第2突き当て部材78はシートサイズ等により所定位置に移動して停止する。
【0054】
折り処理部80は、折り板82、第1折り上ローラ(以下、上ローラと称す)83、第1折り下ローラ(以下、下ローラと称す)84、第2折りローラ(以下、第2ローラと称す)85、搬送路切換部材87、案内板88、シート先端停止部材89等から成り、シート束Saを二つ折り処理又は三つ折り処理する。
【0055】
上ローラ83と下ローラ84とは、ほぼ対称形をなす左右一対の押圧部により支持されている。一方の押圧部は、上ローラ83と、この上ローラ83を回転可能に支持し、支軸831を中心に揺動可能な支持板832と、この支持板832の一端に係止され、上ローラ83を挟持位置方向に付勢するバネ833とから成る。もう一方の押圧部は、下ローラ84と、支軸841、支持板842、バネ843から成る。上ローラ83、下ローラ84は、後述の折りローラ駆動部801により駆動回転される。上ローラ83、下ローラ84の各外周面は、高摩擦抵抗材により形成されている。
【0056】
搬送路切換部材87はソレノイドSD2により駆動されて揺動可能であり、二つ折り処理時には、排出されるシートSを二つ折り排紙出口E1に案内し、三つ折り処理時には、シートSを案内板88内に案内し、排紙出口E2から排出する。
【0057】
図8は折り処理部80による二つ折り処理の工程を示す断面図であり、図8(a)は、折り板82がシート束Saを押圧して上ローラ83、下ローラ84に圧接させる状態を示す。図8(b)は、折り板82が上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nを越えた位置に進入してシート束Saを二つ折り処理した状態を示す。図8(c)は、折り板82が上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nから退避して初期位置に戻るとともに、二つ折り処理されたシート束Saが上ローラ83、下ローラ84により排出される状態を示す。
【0058】
二つ折り処理を実行する場合、駆動源に接続する折り板82は、シート載置面より図示の左方向に突出する。折り板82は本実施の形態では厚さ約0.3mmの薄型のナイフ状をなし、その先端部は鋭角をなす。
【0059】
図示の左方向に直進して突出した折り板82はシート束Saの中央部を押し込み、シート束Saを介して上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nを押し広げて離間させる。
【0060】
折り板82の先端部が上ローラ83、下ローラ84の挟持位置Nを通過後、折り板82が後退し、シート束Saの中央部には、上ローラ83、下ローラ84により挟圧されて、折り目部cが形成される。この折り目部cは、中綴じ処理によるシート束Saへの綴じ針SPの打ち込み位置とほぼ一致する(図9参照)。
【0061】
挟圧されて折り目部cを形成されたシート束Saは、駆動回転する上ローラ83、下ローラ84により搬出され、機外の固定排紙台800上に載置される。
【0062】
図9(a)は中綴じ処理と二つ折り処理を施したシート束Saの斜視図、図9(b)は処理済みのシート束Saを両開きした状態を示す斜視図、図9(c)はシート束Saの模式断面図である。
【0063】
中綴じ処理と二つ折り処理により作成されたシート束Saは、シートSの第1面(p1、p8)を外側に向け、その裏面側に第2面(p2、p7)、更にその内側にシートSの第1面(p3、p6)、その内側にシートSの第2面(p4、p5)が配置され、図示のように8頁(p1〜p8)から成る冊子Saの頁揃えができる。
【0064】
図7に示す折り処理部80は、二つ折り処理と三つ折り処理との二つのモードを実行可能である。折り処理部80は、シート束Saを二つ折り処理する第1折り畳み部と、シート束Saを三つ折り処理する第2折り畳み部とを有する。
【0065】
第1折り畳み部は、上ローラ83、下ローラ84と、折り板82とから成る。第2折り畳み部は、第2ローラ85、搬送路切換部材87、案内板88、シート先端停止部材89から成る。
【0066】
上ローラ83、下ローラ84の挟持位置N(図8参照)からシート先端停止部材89のシート当接面までのシート搬送距離は、シートSの搬送方向長さの三分の一になるように、シート先端停止部材89の位置が設定されている。
【0067】
図10(a)は、三つ折り処理されるシートSの展開平面図、図10(b)は三つ折り処理されたシートSの斜視図である。シートSの長手方向の長さをほぼ三等分する折り目部d、eは、シートSをA面、B面、C面の3面に折り畳む。三つ折り処理されるシートSは、先ず、折り目部dにより折り畳まれ、次に折り目部eにより内側に折り畳まれる。なお、三つ折り処理は、同時に少数枚のシート、例えば約3枚のシートSを折り畳む事ができる。三つ折り処理されたシートSは、小サイズに折り畳まれ、通常郵便の封筒内に収容可能である。
【0068】
図11は、三つ折り処理工程を示す断面図である。なお、この三つ折り処理工程では、図10(b)に示す内側折り畳みを形成する。
【0069】
図11(a)において、折り板82の先端部はシートSに形成される折り目部dの位置を押圧して上ローラ83、下ローラ84の挟持位置N(図8参照)に挿入する。上ローラ83、下ローラ84は実線で示す矢印方向に回転して、シートSの折り目部dを形成しながらシートSを挟み込む。折り板82は、上ローラ83、下ローラ84により折り目部dが形成された後、挟持位置Nから退避して初期位置に復帰する。
【0070】
図11(b)に示すように、折り目部dが形成されたシートSは、回転する上ローラ83、下ローラ84により実線矢印方向に搬送され、搬送路切換部材87の上面に沿って進行する。そして対向する一対の案内板88内を通過し、シートSの折り目部dがシート先端停止部材89に当接する。
【0071】
図11(c)に示すように、上ローラ83、下ローラ84が引き続き回転することにより、シートSの後端の長さ三分の一の部分は、下ローラ84の外周面に巻き込まれて、下ローラ84と第2ローラ85とが圧接する挟持位置に搬送され、シートSに折り目部eが形成される。
【0072】
図11(d)に示すように、先端部と後端部とが折り返されて三つ折り処理されたシートSは、案内板86に沿って機外の固定排紙台800上に載置される。
【0073】
図12は、画像形成装置Aとシート処理装置FSの制御系のブロック図であり、代表的な制御構成を示している。
【0074】
画像形成装置Aとシート処理装置FSは通信部107、通信部205を介して電気的に接続されており、制御信号の授受が相互に行われる。
【0075】
CPU(Central Processing Unit)101は画像形成装置A全体の動作を制御するものであり、ROM(Read Only Memory)102やRAM(Random Access Memory)103等に接続されている。このCPU101は、ROM102に格納されている各種制御プログラムを読み出してRAM103に展開し、各部の動作を制御する。また、CPU101は、RAM103に展開したプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM103に格納する。そして、RAM103に格納した処理結果を所定の保存先に保存させる。
【0076】
シート処理装置FSにおけるCPU201(制御部)はシート処理装置FS全体の動作を制御するものであり、画像形成装置Aにおける本体操作表示部9や処理操作表示部90によって設定された処理内容により、綴じ処理や穿孔処理等の処理をシートに対して実行する。また、CPU201は第1給紙トレイや第2給紙トレイからシートを給紙ローラによって搬送する動作や、穿孔部40やシフト部50等の動作を所定のプログラムに従って実行する。
【0077】
図13はシート処理装置FSに設置された処理操作表示部90の詳細図である。
【0078】
図1で示した画像形成システムにおいてオンラインでシートに綴じ処理等の処理を行う場合、画像形成装置Aの本体操作表示部9においてその設定を行うが、シート処理装置FSにおいてオフラインでシートに綴じ処理等の処理を行う場合は、図13に示す処理操作表示部90においてその設定を行う。
【0079】
図13に示すように処理操作表示部90は簡易な構成になっており、処理操作表示部90においてプルーフ設定、穿孔処理の設定、綴じ処理の設定、折り処理の設定が可能である。
【0080】
プルーフ設定とはオフラインで穿孔処理等の処理を実行したシート束を仕分ける動作に関する設定である。例えばオフラインで100枚のシートに対して穿孔処理をし、1部10枚のシート束を10部に仕分けて出力させたい場合、まず最初に1部10枚のシート束(第1のシート束)をシート処理装置FSにセットして穿孔処理をする。その後で90枚のシート(第2のシート束)を重ねてシート処理装置FSにセットし、穿孔処理後に1部10枚ずつ9部に仕分けて出力させる場合にこのプルーフ設定を行う。プルーフ設定を行った場合のシート処理装置FSの動作については図15〜図18に示すフローチャート図で詳しく説明する。
【0081】
プルーフ設定は、プルーフ設定ボタン901Aを押圧することにより設定可能であり、プルーフ設定が行われると表示灯901Bが点灯する。
【0082】
穿孔処理の設定は、穿孔設定ボタン902Aを図13に示す矢印方向に回転することにより設定することが出来る。穿孔設定ボタン902Aを矢印方向に回転させると表示灯902B、902C、902Dが順々に点灯し、希望する穿孔処理の種類の横の表示灯を点灯させると(例えば2孔パンチであれば表示灯902Bを点灯させる)、その穿孔処理がシート処理装置FSにおいて実行される。
【0083】
綴じ処理の設定、折り処理の設定も穿孔処理の設定と同様に行われ、綴じ処理ボタン903A、折り処理ボタン904Aを矢印方向に回動させることにより綴じ処理の設定、折り処理の設定が可能である。
【0084】
処理操作表示部90における一連の設定が終了しスタートボタン905を押圧すると、オフラインでシートに対する処理が実行される。
【0085】
処理操作表示部90における設定内容が不適切な場合は警告ランプ906が点灯し、クリアボタン907を押圧すると、警告ランプ906の点灯が解除され、再度処理操作表示部90における設定が可能となる。
【0086】
まず、処理操作表示部90においてプルーフ設定を行わず、穿孔処理、綴じ処置等の設定を行い、シート処理装置FSにおいてオフラインでシートに処理を実行する動作について説明する。
【0087】
図14はプルーフ設定を行わずオフラインでシートに処理を実行する動作を示すフローチャート図である。
【0088】
まず第1給紙トレイ20Aに綴じ処理等の処理を実行するシートがセットされ(ステップS1)、シートに対する処理内容の設定が処理操作表示部90を通じて行われる(ステップS2)。ステップS2では図13で説明したプルーフ設定は行われず、穿孔処理、綴じ処理、折り処理の何れかの設定が行われたものとする。
【0089】
そして処理操作表示部90におけるスタートボタンが押圧されたか否かを判断し(ステップS3)、スタートボタンが押圧されたと判断すると(ステップS3;Yes)、まず設定された処理内容を確認する(ステップS4)。この確認動作は所定のプログラムによりCPU201が実行する。
【0090】
ユーザーは処理操作表示部90を通じて基本的に自由に処理内容を設定することが可能であるが、設定された処理内容によっては相応しくない処理の組み合わせがある。例えば、綴じ処理で「平綴じ」を設定し、折り処理で「三折り」を設定した場合、平綴じは折り処理がない状態で実行される処理であるため、処理内容の組み合わせとして相応しくない。処理内容の組み合わせとして相応しくない組み合わせに関するデータがROM202に記憶されており、記憶されているデータと設定された処理内容を所定のプログラムによりCPU201が比較し、設定された処理がシート処理装置FSにおいて実行可能か否か判断する(ステップS5)。
【0091】
処理が実行可能ではないと判断すると(ステップS5;No)、処理操作表示部90における警告ランプ906を点灯し(ステップS9)、ユーザーにシートに対する綴じ処理等の処理が実行できない旨を知らせる。処理操作表示部90におけるクリアボタン907が押され、ユーザーが処理内容を再設定すると判断した場合(ステップS10;Yes)、ステップS2に戻り、処理内容が再度設定される。
【0092】
ステップS5において処理が実行可能であると判断すると(ステップS5;Yes)、第1給紙トレイ内のシートを給送する動作を実行するとともに(ステップS6)、穿孔処理等の処理を給送されたシートに対して実行する(ステップS7)。
【0093】
そして第1給紙トレイ20Aにシートがまだ有るかどうかを判断する(ステップS8)。この判断は光センサ等を使用したセンサにより第1給紙トレイ20Aにおけるシートの残量を検知する。第1給紙トレイ20Aにシートがまだ有ると判断した場合は(ステップS8;Yes)、ステップS6、S7の動作を繰り返し実行する。そして第1給紙トレイ20A内にシートがないと判断した場合(ステップS8;No)、一連の動作を終了する。
【0094】
なお、ステップS6、S7においてシートを給送し、穿孔処理等の処理を給送されたシートに対して実行すると述べたが、第1給紙トレイ20Aにセットされたシート束に綴じ処理を実行する場合は、給送したシートを集積部70で集積しておき、第1給紙トレイ20A内のシートがなくなった場合に、綴じ処理を実行する。
【0095】
以上図14で説明した動作を実行することにより、第1給紙トレイ20Aにセットされたシートに対してオフラインで綴じ処理等の処理を実行することが出来る。
【0096】
次に、処理操作表示部90においてプルーフ設定を行い、シート処理装置FSにおいてオフラインで処理を実行する動作について説明する。プルーフ設定に関する動作では、出力する複数部のうち1部を第1のシート束とし、出力する残りの部数相当のシートを重ねたものを第2のシート束とする。
【0097】
図15はプルーフ設定を行い、第1のシート束に対してオフラインで処理を実行する動作を示すフローチャート図である。
【0098】
まず第1給紙トレイ20Aに綴じ処理等の処理を実行する第1のシート束がセットされ(ステップS20)、処理操作表示部90におけるプルーフ設定ボタン901Aがユーザーによって押圧される(ステップS21)。プルーフ設定ボタン901Aを押した上でシートの処理を実行すると、後ほど説明するように第1のシート束におけるシート枚数が計測され、計測された値が記憶部として機能するRAM203に記憶される。そして記憶したデータに基づき第2のシート束の仕分け動作が実行される。
【0099】
図15に示すステップS22〜S25、及びS32、S33の動作は図14で示したステップS2〜S5、及びS9、S10の動作と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0100】
ステップS25においてシートに対する処理が実行可能であると判断すると(ステップS25;Yes)、第1給紙トレイ20Aにセットされたシートを給送する動作を実行する(ステップS26)。そして給送されたシートを搬送経路に設置した光センサSSで検知し、その検知信号に基づいて第1のシート束のシート枚数をカウントする(ステップS27)。給送されたシートは光センサSSでカウントされた後、穿孔処理等の処理がなされる(ステップS27)。
【0101】
そして第1給紙トレイ20Aにシートがまだ有るかどうかを判断し(ステップS29)、第1給紙トレイ20Aにシートがまだ有ると判断した場合は(ステップS29;Yes)、ステップS26〜S28の動作を繰り返し実行する。一方、第1給紙トレイ20A内にシートがないと判断した場合(ステップS29;No)、カウントしたカウント値(第1のシート束のシート枚数に相当するカウント値であり、以下、このカウント値を「プルーフカウント値」と呼ぶ)をRAM203に記憶する(ステップS30)。
【0102】
次に第1のシート束に続けて第2のシート束に対してオフラインで綴じ処置等の処理を実行し、第2のシート束を仕分けて出力する動作について説明する。
【0103】
図16は第2のシート束に対してオフラインで処理を実行し、第2のシート束を仕分けて出力する動作を示すフローチャート図である。
【0104】
図16に示す動作は図15に示す動作の継続動作である。
【0105】
第1のシート束に関するシート枚数に基づいて第2のシート束に対して処理を実行するために、第1給紙トレイ20Aに第2のシート束をセットする(ステップS41)。第2のシート束に対してシート処理装置FSが実行する綴じ処理等の処理と、第1のシート束に対してシート処理装置FSが実行する処理は同じ種類の処理であり、処理内容はRAM203に記憶されている。
【0106】
そして処理操作表示部90におけるスタートボタンが押圧されたか否か判断する(ステップS42)。スタートボタンが押圧されたと判断すると(ステップS42;Yes)、第1給紙トレイ20Aにセットされた第2のシート束に対して給送する動作を実行するとともに(ステップS43)、第1給紙トレイ20Aから給送されたシート枚数をカウントし(ステップS44)、穿孔処理等の処理を給送されたシートに対して実行する(ステップS45)。
【0107】
次にシート枚数のカウント値がRAM203に記憶されたプルーフカウント値に達したか否か判断する(ステップS46)。給送されたシート枚数のカウント値がプルーフカウント値に達したと判断すると(ステップS46;Yes)、第2のシート束のなかで第1のシート束に相当する枚数のシートが給送されたものと判断できるため、この段階でシートを一つの束として仕分けるべく、仕分け処理の動作を実行する(ステップS47)。
【0108】
具体的には、例えばシフト部50を作動させ、それ以降昇降排紙台62に排出されるシートの排紙位置を排紙済みのシートに対して変えるようにし、排紙済みのシート束を他のシートと区別できるように仕分ける(この場合、シフト部50がシート仕分け部として機能する)。また他の例としては綴じ処理の設定がなされている場合、ステップS44では設定された穿孔処理等の他の処理を実行し、ステップS47の段階で集積部70に集積されたシートに対して綴じ処理を実行し、給送されたシートを一つの束として仕分けるようにする(この場合、綴じ部700がシート仕分け部として機能する)。
【0109】
仕分け処理の実行を完了すると、カウンタより計測したカウント値をリセットし(ステップS48)、第1給紙トレイ20Aにシートがまだ有るかどうかを判断する(ステップS49)。第1給紙トレイ20Aにシートがまだ有ると判断した場合は(ステップS49;Yes)、ステップS43〜S48の動作を繰り返し実行する。第1給紙トレイ20A内にシートがないと判断した場合(ステップS49;No)は、一連の動作を終了する。
【0110】
以上図15〜図16で説明したように、第1のシート束のシート枚数をカウントしてRAM203に記憶し、その記憶したデータに基づき第2のシート束を第1のシート束の枚数で仕分けるようにすれば、詳細な処理内容が設定できるような操作部をシート処理装置FSに設ける必要はなく、オフラインで簡易にシートを複数の束に仕分けて出力することが出来る。
【0111】
次に第1のシート束に続けて連続的に第2のシート束に対してオフラインで綴じ処理等の処理を実行する図16とは異なる動作について説明する。
【0112】
図17は第2のシート束を第2給紙トレイにセットしてオフラインで処理を実行し、第2のシート束を仕分けて出力する動作を示すフローチャート図である。
【0113】
図17に示す動作は図15に示す動作の継続動作である。しかし図17に示す動作は図15に示すステップS20で第1給紙トレイ20Aに第1のシート束をセットするとともに、第2給紙トレイ20Bに第2のシート束をセットした場合の動作である。
【0114】
図16で示す態様は第1給紙トレイ20Aにセットした第1のシート束に対して処理を実行した後、同じ第1給紙トレイ20Aに第2のシート束をセットする態様である。一方、図17で示す態様は第1のシート束と第2のシート束を別々の給紙トレイにセットし、第1のシート束の処理が完了すると連続して第2のシート束の処理を実施する態様である。
【0115】
図17におけるフローチャート図を詳しく説明すると、第1のシート束に関するシート枚数に基づいて第2のシート束に対して処理を実行するために、第2給紙トレイ20Bにセットされた第2のシート束の給送を実行する(ステップS51)。そして第2給紙トレイ20Bから給送されたシート枚数をカウントし(ステップS52)、穿孔処理等の処理を給送されたシートに対して実行する(ステップS53)。
【0116】
次にシート枚数のカウント値がRAM203に記憶されたプルーフカウント値に達したか否か判断する(ステップS54)。給送されたシート枚数のカウント値がプルーフカウント値に達したと判断すると(ステップS54)、第2のシート束のなかで第1のシート束に相当する枚数のシートが給送されたものと判断できるため、この段階でシートを一つの束として仕分けるべく、仕分け処理の動作を実行する(ステップS55)。
【0117】
この仕分け処理は前述したように、例えばシフト部50を作動して、排紙済みのシート束を他のシートと区別できるように仕分ける。また他の例としては綴じ処理の設定がなされている場合、ステップS55の段階で集積部70に集積されたシートに対して綴じ処理を実行し、給送されたシートを一つの束として仕分けるようにする。
【0118】
仕分け処理の実行を完了すると、カウンタより計測したカウント値をリセットし(ステップS56)、第2給紙トレイ20Bにシートがまだ有るかどうかを判断する(ステップS57)。第2給紙トレイ20Bにシートがまだ有ると判断した場合は(ステップS57;Yes)、ステップS51〜S56の動作を繰り返し実行する。第2給紙トレイ20B内にシートがないと判断した場合(ステップS57;No)は、一連の動作を終了する。
【0119】
以上図15及び図17で説明したように、第1のシート束のシート枚数をカウントしてRAM203に記憶し、その記憶したデータに基づき第2のシート束を第1のシート束の枚数で仕分けるようにすれば、詳細な処理内容が設定できるような操作部をシート処理装置FSに設ける必要はなく、オフラインで簡易にシートを複数の束に仕分けて出力することが出来る。また、第1のシート束と第2のシート束を別々の給紙トレイにセットして処理を実行するため、高速で第2のシート束を仕分けて出力することが出来る。
【0120】
図16及び図17で説明したフローチャート図では、第2のシート束に対してシート処理装置FSが実行する綴じ処理等の処理と、第1のシート束に対してシート処理装置FSが実行する処理は同じ種類の処理である。しかし、別の態様として、第2のシート束に対してシート処理装置FSが実行する綴じ処理等の処理と、第1のシート束に対してシート処理装置FSが実行する処理を異ならせる態様も考えられる。この点について図18を用いて説明する。
【0121】
図18は第1のシート束に実行した処理と異なる処理を第2のシート束に対して実行し、第2のシート束を仕分けて出力する動作を示すフローチャート図である。
【0122】
図18に示す動作は図15に示す動作の継続動作である。
【0123】
図18におけるフローチャート図を詳しく説明すると、まず第1のシート束に関するシート枚数に基づいて第2のシート束に対して処理を実行するために、第1給紙トレイ20Aに第2のシート束をセットする(ステップS61)。
【0124】
そして第1のシート束に対して実行した処理(綴じ処理等)と異なる処理を第2のシート束に対して実行すべく処理操作表示部90において処理内容を設定する(ステップS62)。例えば第1のシート束に対しては穿孔処理において2穴パンチを実行したが、第2のシート束に対しては3穴パンチを行うように設定する。
【0125】
図18に示すステップS63〜S65、及びS73、S74の動作は図14で説明したステップS3〜S5、及びS9、S10の動作と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0126】
ステップS65において第2のシート束に対する処理が実行可能であると判断すると(ステップS65;Yes)、第1給紙トレイ20Aにセットされた第2のシート束の給送する動作を実行するとともに(ステップS66)、第1給紙トレイ20Aから給送されたシート枚数をカウントし(ステップS67)、穿孔処理等の処理を給送されたシートに対して実行する(ステップS68)。
【0127】
次にシート枚数のカウント値がRAM203に記憶されたプルーフカウント値に達したか否か判断される(ステップS69)。給送されたシート枚数のカウント値がプルーフカウント値に達したと判断すると(ステップS69;Yes)、第2のシート束のなかで第1のシート束に相当する枚数のシートが給送されたものと判断できるため、この段階でシートを一つの束として仕分けるべく、仕分処理の動作を実行する(ステップS70)。
【0128】
この仕分け処理は前述したように、例えばシフト部50を作動して、排紙済みのシート束を他のシートと区別できるように仕分ける。また他の例としては綴じ処理の設定がなされている場合、ステップS55の段階で集積部70に集積されたシートに対して綴じ処理を実行し、給送されたシートを一つの束として仕分けるようにする。
【0129】
仕分け処理の実行を完了すると、カウンタより計測したカウント値をリセットし(ステップS71)、第1給紙トレイ20Aにシートがまだ有るかどうかを判断する(ステップS72)。第1給紙トレイ20Aにシートがまだ有ると判断した場合は(ステップS72;Yes)、ステップS66〜S71の動作を繰り返し実行する。第1給紙トレイ20A内にシートがないと判断した場合(ステップS72;No)は、一連の動作を終了する。
【0130】
以上図15及び図18で説明したように、第1のシート束のシート枚数をカウントしてRAM203に記憶し、その記憶したデータに基づき第2のシート束を第1のシート束の枚数で仕分けるようにすれば、シート処理装置FSに詳細な処理内容が設定できるような操作部を設ける必要はなく、オフラインで簡易にシートを複数の束に仕分けて出力することが出来る。また、第1のシート束と第2のシート束に対して異なる処理を行うことも可能である。
【0131】
なお、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、本発明は当該実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0132】
シート処理装置FSにおいて実行される処理として、「2穴」「3穴」「4穴」の穿孔処理と、「平綴じ」「中綴じ」の綴じ処理と、「二折り」「三折り」の折り処理を処理の種類として図面を用いて具体的に説明した。しかし、本発明に係るシート処理装置における処理の種類はこれに限定されるものではなく、シートに対して処理を行うものであれば、穴の数、綴じ方、折り方の種類はどのようなものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】画像形成システムの中央断面図である。
【図2】画像形成システムの外観斜視図である。
【図3】シート処理装置の中央断面図である。
【図4】穿孔部により穿孔処理された各種シートを示す平面図である。
【図5】集積部と折り処理部から成る処理ユニットの拡大断面図である。
【図6】各種綴じ処理を実施する場合の綴じ部とシート束の位置関係を示す平面図である。
【図7】折り処理部を示す正面図である。
【図8】折り処理部による二つ折り処理の工程を示す断面図である。
【図9】中綴じと二つ折りの処理を施したシート束の斜視図である。
【図10】三つ折り処理されるシートの展開平面図と三つ折り処理されたシートの斜視図である。
【図11】三つ折り処理の工程を示す断面図である。
【図12】画像形成装置とシート処理装置の制御系のブロック図である。
【図13】シート処理装置に設置された処理操作表示部の平面図である。
【図14】プルーフ設定を行わずオフラインでシートに処理を実行する動作を示すフローチャート図である。
【図15】プルーフ設定を行い、第1のシート束に対してオフラインで処理を実行する動作を示すフローチャート図である。
【図16】第2のシート束に対してオフラインで処理を実行し、第2のシート束を仕分けて出力する動作を示すフローチャート図である。
【図17】第2のシート束を第2給紙トレイにセットしてオフラインで処理を実行し、第2のシート束を仕分けて出力する動作を示すフローチャート図である。
【図18】第1のシート束に実行した処理と異なる処理を第2のシート束に対して実行し、第2のシート束を仕分けて出力する動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0134】
A 画像形成装置
FS シート処理装置
20A 第1給紙トレイ
20B 第2給紙トレイ
40 穿孔部
50 シフト部
60 排紙部
70 集積部
80 折り処理部
101、201 CPU
102、202 ROM
103、203 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに対して処理を実行するシート処置装置であって、
シートを集積する給紙トレイと、
当該給紙トレイに集積されたシートを給送する給送部と、
当該給送部により給送されたシートに対して処理を実行するシート処理部と、
当該シート処理部により処理されたシートをシート束として仕分けるシート仕分け部と、
前記給送部により給送されたシートの枚数を計測する計測部と、
当該計測部によって計測されたシートの枚数を記憶する記憶部と、
前記給紙トレイに集積された第1のシート束を前記給送部により給送する際に、前記第1のシート束におけるシートの枚数を前記計測部により計測してその計測した値を前記記憶部に記憶し、前記給紙トレイに集積された第2のシート束を前記給送部により給送する際に、前記計測部により計測されたシートの枚数が前記計測した値に達すると、前記第2のシート束のうち給送されたシートを一つの束として前記シート仕分け部により仕分けるべく、シート処理装置の動作を制御する制御部と、
を有することを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
シートに対して処理を実行するシート処置装置であって、
シートを集積する第1の給紙トレイと、
シートを集積する第2の給紙トレイと、
前記第1の給紙トレイ又は前記第2の給紙トレイに集積されたシートを給送する給送部と、
当該給送部により給送されたシートに対して処理を実行するシート処理部と、
当該シート処理部により処理されたシートをシート束として仕分けるシート仕分け部と、
前記給送部により給送されたシートの枚数を計測する計測部と、
当該計測部によって計測されたシートの枚数を記憶する記憶部と、
前記第1の給紙トレイに集積された第1のシート束を前記給送部により給送する際に、前記第1のシート束におけるシートの枚数を前記計測部により計測してその計測した値を前記記憶部に記憶し、前記第2の給紙トレイに集積された第2のシート束を前記給送部により給送する際に、前記計測部により計測されたシートの枚数が前記計測した値に達すると、前記第2のシート束のうち給送されたシートを一つの束として前記シート仕分け部により仕分けるべく、前記シート処理装置の動作を制御する制御部と、
を有することを特徴とするシート処理装置。
【請求項3】
前記第1のシート束に対してシート処理装置が実行する処理と、前記第2のシート束に対してシート処理装置が実行する処理は、同じ種類の処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記第1のシート束に対してシート処理装置が実行する処理と、前記第2のシート束に対してシート処理装置が実行する処理は、異なる種類の処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート処理装置。
【請求項5】
シート処理装置において実行する処理の内容を設定する操作部を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のシート処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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