説明

シート折り装置及び画像形成装置

【課題】各種の条件下においても搬送リブによるシートにおけるスジ状の擦れ跡の発生を防止する。
【解決手段】画像形成部410からのシートを搬送する搬送手段430と、シートに折り処理を行う折り手段440とを具備し、搬送手段430の搬送路にシートの搬送方向に延設された搬送リブ252を備えた搬送ガイド板250を具備したシート折り装置において、搬送ガイド板250の搬送リブ252の突出量を変更するソレノイド261を備え、制御部420は、シートの折り状態及びシートの厚さに応じて搬送リブ252の突出量を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート折り装置及び画像形成装置に係り、特にシートを搬送する搬送路を備えた搬送手段と、前記シートに折り処理を行う折り処理部材を備えた折り手段とを具備し、前記搬送路にシートの搬送方向に延設された搬送リブを備えた搬送ガイド板を具備したシート折り装置及びこのシート折り装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、印刷を行った大きなサイズの用紙を製本するに際して、用紙であるシートの折りたた処理を行うシート折り装置を備えたものがある。
【0003】
特許文献1には、用紙を搬送する搬送路を有する用紙搬送装置と、搬送路の途中で用紙に画像を形成する作像部を備え、搬送路を形成したガイド面に搬送方向に延びるガイドリブを搬送幅方向に複数並設した画像形成装置において、ガイドリブの近傍のガイド面上に、用紙に対し前記ガイドリブよりも搬送幅方向に接触範囲が大きい補助リブを配設したものが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、用紙を搬送するための搬送ベルトと、この搬送ベルトの用紙搬送面を上方に変位させる押動部材と、押動部材により変位された搬送ベルト上の用紙に圧設して走向するVベルトとを有してなる製本機能を備えたシート折り装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、シート折り装置は、用途の多様化により機能の充実が求められ、シート部材の折りの種類やサイズが複雑になってきており、そのため折り高さが高い等の条件によってはシート部材の印刷面に搬送リブによるスジ状の擦れ跡が発生するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は各種の条件下においても搬送リブによるスジ状の擦れ跡発生を防止することができるシート折り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、シートを搬送する搬送路を備えた搬送手段と、前記シートに折り処理を行う折り処理部材を備えた折り手段とを具備し、前記搬送路にシートの搬送方向に延設された搬送リブを備えた搬送ガイド板を具備したシート折り装置において、前記搬送ガイド板の搬送リブの突出量を変更するリブ突出量調整機構を備えることを特徴とするシート折り装置である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載シート折り装置において、前記シート折りの種類、シートのサイズ、シートの材質のうち少なくとも1つの条件に基づいて前記搬送リブの突出量を設定する制御手段を備えることをと特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のシート折り装置において、前記ガイド板は、前記折り処理部のシート材搬送方向下流側に配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2乃又は請求項3に記載のシート折り装置でシート折り装置において、前記制御手段は、シートの観音折りモード、四つ折りモードでは、搬送リブの突出量を他のモードより小さくすることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2又は請求項3に記載のシート折り装置において、前記制御手段は、重ね折りモードでは、搬送リブの突出量を他のモードより小さくすることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項2又は請求項3に記載のシート折り装置において、前記制御手段は、シート材の厚さ寸法の大きさに基づいて前記搬送リブの突出量を設定することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のシート折り装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るシート折り装置によれば、シート及び折り条件に基づいて搬送リブの突出量を調整することができるので、様々な条件下でのシート折り処理においてスジ擦れ跡が付くのを防止することできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例に係るシート折り装置の全体レイアウトを示す模式図である。
【図2】用紙の折り状態を示す模式図である。
【図3】シート折り装置の2つの折りの動作を説明する模式図である。
【図4】シート折り装置の2つの折りの動作を説明する模式図である。
【図5】シート折り装置の2つの折りの動作を説明する模式図である。
【図6】シート折り装置の2つの折りの動作を説明する模式図である。
【図7】シート折り装置のZ折り処理の動作を説明する模式図である。
【図8】シート折り装置のZ折り処理の動作を説明する模式図である。
【図9】シート折り装置のZ折り処理の動作を説明する模式図である。
【図10】シート折り装置のZ折り処理の動作を説明する模式図である。
【図11】搬送ガイド板を示す斜視図である。
【図12】他の例に係る搬送ガイド板を示す斜視図である。
【図13】実施例に係るガイド板の構成を示す模式図である。
【図14】他の例に係るガイド板の構成を示す模式図である。
【図15】シート折り装置を備える画像形成装置を示すブロック図である。
【図16】実施例に係るシート折り装置の作動を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るシート折り装置は、シートを搬送する搬送路を備えた搬送手段と、前記シートに折り処理を行う折り処理部材を備えた折り手段とを具備し、前記搬送路にシートの搬送方向に延設された搬送リブを備えた搬送ガイド板を具備してなり、搬送ガイド板の搬送リブの突出量を変更するリブ突出量調整機構を備えるものである。本例によれば、ガイド板の搬送リブの突出量を変更できるので、搬送リブの突出量をシートの各折り条件に適したものとでき、搬送リブによるスジ状の擦れ跡の発生を防止することができる。
【0017】
また、本発明に係るシート折り装置は、シート折りの種類、シートのサイズ、シートの材質のうち少なくとも1つの条件に基づいて前記搬送リブの突出量を設定する制御手段を備えるものである。本例によれば、制御手段で各種条件に基づいてガイド板の搬送リブの突出量を設定できるので、搬送リブによるスジ状の擦れ跡の発生を確実に防止することができる。
【0018】
また、本発明に係るシート折り装置のガイド板は、前記折り処理部のシート材搬送方向下流側に配置されているものである。本例によれば、ガイド板をシート材搬送方向に対し折り処理部の下流に配置しているので、シート材の搬送リブによるスジ上の擦れ跡を防止することができる。
【0019】
また、本発明に係るシート折り装置の制御手段は、シートの観音折りモード、四つ折りモードでは、搬送リブの突出量を他のモードより小さくすることができる。本例によれば、シートに擦れ跡が発生し易い観音折りモード、四つ折りモードでは搬送リブの突出量を他のモードより小さくしたので、前記モードにおけるシートの搬送リブによる擦れ跡を確実に防止することができる。
【0020】
また、本発明に係るシート折り装置の制御手段は、重ね折りモードでは、搬送リブの突出量を他のモードより小さくすることができる。本例によれば、シートに擦れ跡が重ね折りモードでは搬送リブの突出量を小さくしたので、前記モードにおけるシートの搬送リブによる擦れ跡を確実に防止することができる。
【0021】
また、本発明に係るシート折り装置の制御手段は、シート材の厚さ寸法の大きさに基づいて前記搬送リブの突出量を設定することができる。本例では厚さ寸法が大きい例えば重ね折りの場合には搬送リブの突出量を小さくしたので、厚さ寸法が大きい場合であってもシート材の搬送リブによる擦れ跡を防止することができる。
【0022】
そして、本発明に係る画像形成装置は前記シート折り装置を備えるものである。本例によれば、画像形成装置のシート材の搬送リブによる擦れ跡を防止することができる。
【実施例】
【0023】
以下実施例に係る画像形成装置について説明する。以下、本発明の基本的な構成及び動作を図面に基づいて説明する。図1は実施例に係るシート折り装置の全体レイアウトを示す模式図である。本例に係るシート折り装置100は、ケース内にシートである用紙を搬送する第1搬送路101、第2搬送路102、第3搬送路103、第4搬送路104、第5搬送路105、第6搬送路106及び用紙を案内するガイド107及びスタッカー700を備える。またシート折り装置100は、第1スキューローラ108、第2スキューローラ109、第1折りローラ201、第2折りローラ202、第3折りローラ203、第4折りローラ204を備える。更にシート折り装置100は、近接して配置される第1折りローラ201、第2折りローラ202、第3折りローラ203、第4折りローラ204を備え、第1折りローラ201と第2折りローラ202で第1ニップ205を、第2折りローラ202と第3折りローラ203とで第2ニップ206を、第3折りローラ203と第4折りローラ204とで第3ニップ207を形成している。
【0024】
また、シート折り装置100は、用紙を排出するか搬入するかを切り替える第1切替爪301、用紙の搬送を第1搬送路101又は第2搬送路102に切り替える第2切替爪302、第5搬送路105から用紙の搬送を第5搬送路105又は第4搬送路104に切り替える第3切替爪303、用紙の搬送を第5搬送路105又は第6搬送路106に切り替える第4切替爪304を備える。更にシート折り装置100は、進退動して用紙に折目を付つつ前記第1ニップ205に挿入させる折りブレード401、叩きコロ501及びジョガー502を備える他、移動自在でシートを撓ませることにより撓み部をローラに挟持させ搬送方向の折り位置を決定する先端ストッパ手段である第1ストッパ601、第2ストッパ602、第3ストッパ603を備える。
【0025】
このような構成を備えるシート折り装置100は、用紙を次に示す各状態に折りたたむ。図2は用紙の折り状態を示す模式図である。シート折り装置100は用紙を、図2に示すように、(a)2つ折り、(b)Z折り、(c)外2つ折り、(d)内三つ折り、(e)単純四つ折り、(f)観音四つ折り、の各折り処理を行う。
【0026】
次に各折り方におけるシート折り装置100の動作について説明する。まず2つ折り処理について説明する。図3乃至図6はシート折り装置の2つの折りの動作を説明する模式図である。まずシート折り装置100は図3に示した状態となり、用紙Pは、第1切替爪301によって第2搬送路102へ用紙を案内され、用紙先端が第3搬送路103に搬送される。第3搬送路103には移動自在な第1ストッパ601が構成されており、この第1ストッパ601は紙サイズ別で折り位置が適正になるように位置停止制御される。これにより、図4に示すように、用紙Pの先端が第1ストッパ601に突き当たり、継続して搬送されることで、第1折りローラ201と第2折りローラ202付近で撓みが生じる。この状態で折りブレード401が用紙を押し、図5に示すように、第1折りローラ201と第2折りローラ202によって1回目の折りを行い、2つ折り処理は完了する。その2つ折りにされた用紙Pは、図6に示すように、第4搬送路104を経て排出される。
【0027】
次にZ折り処理について説明する。図7乃至図10はシート折り装置のZ折り処理の動作を説明する模式図である。搬入された用紙Pは、図7に示すように、第1切替爪301、及び第2切替爪302によって、第1搬送路101に案内される。次いで、図8に示すように、用紙Pの先端が第1折りローラ201と第2折りローラ202の挟持を通過する。更に、用紙Pの先端が第4搬送路104に搬送されるが、第4搬送路104には移動自在な第2ストッパ602が構成されており、第2ストッパ602は紙サイズ別で折り位置が適正になるように位置停止制御される。図9に示すように、用紙先端が第2ストッパ602に突き当たり、継続して搬送されることで、第2折りローラ202と第3折りローラ203付近で撓みが生じる。この状態で第2折りローラ202と第3折りローラ203によって1回目の折りを行う。
【0028】
そして、1回目の折部分を先端として第5搬送路105の折り位置まで進入させる。第5搬送路105には移動自在な第3ストッパ603が構成されている。第3ストッパ603は紙サイズ別で折り位置が適正になるように位置停止制御される。すると、図10に示すように、用紙先端が第3ストッパ603に突き当たり、継続して搬送されることで、第3折りローラ203と第4折りローラ204付近で撓みが生じる。第3折りローラ203と第4折りローラ204によって2回目の折りを行い、Z折り処理を完了し、Z折りされた用紙Pは、第5搬送路105から排出される。
【0029】
以下、その他の折り処理について簡単に説明する。シート折り装置100での用紙の外三つ折り、内三つ折り、単純四つ折り処理は以下のようになされる。用紙Pは、第1切替爪301によって第2搬送路102へ用紙を案内され、次いで用紙Pの先端が第3搬送路103に搬送される。第3搬送路103には移動自在な第1ストッパ601が構成されており、第1ストッパ601は紙サイズ別で折り位置が適正になるように位置停止制御されている。用紙Pの先端が第1ストッパ601に突き当たり、継続して搬送されることで、第1折りローラ201と第2折りローラ202付近で撓みが生じる。次いで第1折りローラ201と第2折りローラ202によって1回目の折りを行う。
【0030】
更に1回目の折部分を先端として用紙Pの先端を第4搬送路104の折り位置まで進入させる。第4搬送路104には移動自在な第2ストッパ602が配置されており、第2ストッパ602は紙サイズ別で折り位置が適正になるように位置に停止させる。ここで、1回目の折部分先端が第2ストッパ602に突き当たり、継続して搬送されることで、第2折りローラ202と第3折りローラ203付近で撓みが生じる。第2折りローラ202と第3折りローラ203によって2回目の折りを行い、折り処理は完了する。
【0031】
用紙Pの観音四つ折り処理は以下の通りの処理がなされる。用紙Pは、第1切替爪301によって第2搬送路102へ案内され、用紙Pの先端が第3搬送路103に搬送される。第3搬送路103には移動自在な第1ストッパ601が構成されており、第1ストッパ601は紙サイズ別で折り位置が適正になるように位置停止制御される。用紙Pの先端が第1ストッパ601に突き当たり、継続して搬送されることで、第1折りローラ201と第2折りローラ202付近で撓みが生じ、第1折りローラ201と第2折りローラ202によって1回目の折りを行う。
【0032】
そして、1回目の折部分を先端として用紙先端は第4搬送路104の折り位置まで進入させる。ここで、第4搬送路104には移動自在な第2ストッパ602が配置されており、第2ストッパ602は紙サイズ別で折り位置が適正になる位置に配置されている。1回目の折部分先端が第2ストッパ602に突き当たり、継続して搬送されることで、第2折りローラ202と第3折りローラ203付近で撓みが生じる。この状態で第2折りローラ202と第3折りローラ203によって2回目の折りを行う。
【0033】
次いで、用紙Pの2回目の折部分を先端として第5搬送路105の折り位置まで進入させる。第5搬送路105には移動自在な第3ストッパ603が配置されており、この
第3ストッパ603は紙サイズ別で折り位置が適正になるように配置されている。この状態で、用紙Pは2回目の折部分先端が第3ストッパ603に突き当たり、継続して搬送されることで、第3折りローラ203と第4折りローラ204付近で撓みが生じる。そして、第3折りローラ203と第4折りローラ204によって3回目の折りを行い、折り処理を完了する。
【0034】
以上のように折り処理がなされた用紙は後処理装置へ排紙される。図1において、折り処理が完了した後、後処理装置へ搬送されるとき、第4切替爪304は実線の位置に配置され、折り処理がされた用紙Pは、第5搬送路105によって後処理装置へ搬出される。
【0035】
例えば、Z折りを指定した場合、Z折り完了後、第5搬送路105から後処理装置に導かれ、指定された処理を行い、後処理装置のトレイに排紙されることとなる。
【0036】
また、用紙をスタッカー700に排紙する場合は以下のように処理される。図1において、折り処理が完了後、第4切替爪304が破線の位置に配置され、用紙Pは、第6搬送路106を経由してスタッカー700へ導かれる。

【0037】
このような構成を備えるシート折り装置100には、搬送抵抗軽減のため、搬送ガイド板が配置される。搬送ガイド板には、シート材の抵抗を低減するため、延設方向を搬送方向に沿って形成した搬送リブが並設されている。図11は搬送ガイド板を示す斜視図、図12は他の例に係る搬送ガイド板を示す斜視図である。図11に示す例では、搬送ガイド板210は合成樹脂性の成型品であり、凹状基板211の表面に4本の搬送リブ212が長手方向を搬送方向に沿うように並設されて構成されている。図12に示す例では、搬送ガイド板220は合成樹脂性の成型品であり、板状基板221の表面に6本の搬送リブ222が長手方向を搬送方向に沿うように並設されて構成されている。これら搬送ガイド板210,220の搬送リブ212,222の各基板211,221からの突出量は変化しない。
【0038】
このような搬送ガイド板を使用するとき、シートの折り状態や、シートの材質によっては、この搬送リブがシート表面に接触して擦れ、シート表面にスジ状の擦れ跡が発生してしまう。本例では、擦れ跡の発生を防止するため搬送リブの突出量を可変とした搬送ガイド板を使用している。
【0039】
図13は実施例に係るガイド板の構成を示す模式図である。以下、シート折り装置100の第5搬送路105に配置される搬送ガイド板230について説明するが、本例に係る搬送ガイド板はどの搬送路に配置してもよい。
【0040】
図13に示すように、第5搬送路105は、搬送ローラ311,312の間に配置され、第5搬送路105は、搬送リブの突出量を可変とした搬送ガイド板230と、搬送リブの突出量が固定された搬送ガイド板230(図12参照)とで形成される。本例ではシートは搬送ローラ311,312で第5搬送路105内を搬送される。また、搬送ガイド板230は、板状基板231と、この板状基板231進退動可能に配置された搬送リブ232と、この搬送リブ232を駆動して板状基板231からの搬送リブ232の突出量を変更するリブ突出量調整機構240とを備える。前記リブ突出量調整機構240は、図示しないモータと、このモータで駆動される円板241と、この円板241と前記搬送リブ232とを連結する連結棒243とからなるリンク機構で構成される。リブ突出量調整機構240は、モータを駆動して前記円板241を回転させることで搬送リブ232を図中左右方向(図中矢印a)に駆動して前記板状基板231の搬送面231aからの搬送リブ232の突出量hを変更する。本例では、シートの折りモードやシート材質によってリブ突出量調整機構240を駆動して搬送リブ232の搬送面231aからの突出量hを変更してシートへのスジ状擦れ跡を防止することができる。この例では、突出量調整機構としてはリンク機構としたがこれをカム機構とすることができる。
【0041】
図14は他の例に係るガイド板の構成を示す模式図である。本例に係る搬送ガイド板250は、板状基板251と、この板状基板251進退動可能に配置された搬送リブ252と、この搬送リブ252を駆動して板状基板251からの搬送リブ252の突出量を変更するリブ突出量調整機構260とを備える。この例では、リブ突出量調整機構260はソレノイド261及び連結棒262から構成する。本例では、シートの折りモードやシート材質によってリブ突出量調整機構260のソレノイド261を駆動して搬送リブ232の搬送面231aからの突出量hを変更してシートへのスジ状擦れ跡を防止することができる。
【0042】
次に実施例に係るシート折り装置100を画像形成装置400に適用した例について説明する。図15はシート折り装置を備える画像形成装置を示すブロック図、図16は実施例に係るシート折り装置の作動を示すブロック図である。画像形成装置400は画像形成部410とシート折り装置100とを備えている。また、シート折り装置100は前記搬送ガイド板250が配置され、搬送ガイド板250にはソレノイド261を備えたリブ突出量調整機構260が設けられている。また、シート折り装置100には、シートである用紙の搬送を行う搬送路を備えた搬送手段430、用紙の折り処理を行う折り手段440、搬送経路中で用紙の検知を行う用紙検知手段450を備えている。また、搬送ガイド板250、搬送手段430、折り手段440、用紙検知手段450は制御部420で制御されている。制御部420は、上位装置である画像形成部410からの指示、搬送手段430、用紙折り手段440、用紙検知手段450の状態に基づいて搬送ガイド板250のソレノイド261の駆動制御を行う。
【0043】
本例では、オペレータが画像形成部410に入力する折りモード、シート材質の指定に基づいてシート折り装置100の制御部420がソレノイド261を駆動制御し、搬送リブ252の突出量hの制御を行い、各入力された条件に応じた搬送リブの突出量とすることができる。
【0044】
まず、制御部420は、画像形成部410が折りモードを指定しているかを判定する(ステップST1)。折りモードが指定されている場合(ステップST1のYES)には、折りモードが観音折り、四つ折り、重ね折りであるかを判定し(ステップST2)、観音折り、四つ折り、重ね折りであるとき(ステップST2のYES)、ソレノイド261を駆動して搬送リブ252を引きその突出量を小さく(低く)する(ステップST3)。観音折り、四つ折り、重ね折りでないとき(ステップST2のNO)には、ソレノイド261を駆動して搬送リブ252を押し出しその突出量を大きく(高く)する(ステップST4)。
【0045】
折りモードが指定されないとき(ステップST1のNO)、制御部420はシートの厚さを判定し(ステップST5)、シート厚が所定の値より大きいときソレノイド261を駆動して搬送リブ252を引きその突出量を小さく(低く)する(ステップST6)。一方シート厚が所定の値以下のとき(ステップST5のNO)ソレノイド261を駆動して搬送リブ252を押し出しその突出量を大きく(高く)する(ステップST7)。
【0046】
なお、本発明に係るシート折り装置100が適用される折り処理の機構は、上述した実施例に示した例に限らず他の機構を採用したものであってもよい。また、搬送リブの具体的な突出量は実験等によって定めることが望ましく、突出量は大小の2種類に限らず折り条件、厚さの条件に基づいて3種類以上に設定することができる。
【符号の説明】
【0047】
100 シート折り装置
101 第1搬送路
102 第2搬送路
103 第3搬送路
104 第4搬送路
105 第5搬送路
106 第6搬送路
107 ガイド
108 第1スキューローラ
109 第2スキューローラ
201 第1折りローラ
202 第2折りローラ
203 第3折りローラ
204 第4折りローラ
205 第1ニップ
206 第2ニップ
207 第3ニップ
210 搬送ガイド板
211 凹状基板
212 搬送リブ
212,222 搬送リブ
220 搬送ガイド板
221 板状基板
222 搬送リブ
230 搬送ガイド板
231 板状基板
231a 搬送面
232 搬送リブ
240 リブ突出量調整機構
241 回転盤
243 連結棒
250 搬送ガイド板
251 板状基板
252 搬送リブ
260 リブ突出量調整機構
261 ソレノイド
262 連結棒
301 第1切替爪
302 第2切替爪
303 第3切替爪
304 第4切替爪
311,312 搬送ローラ
400 画像形成装置
401 折りブレード
410 画像形成部
420 制御部
430 搬送手段
440 折り手段
450 用紙検知手段
501 叩きコロ
502 ジョガー
601 第1ストッパ
602 第2ストッパ
603 第3ストッパ
700 スタッカー
P 用紙

【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開2008−189393公報
【特許文献2】特開昭60−262771号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送路を備えた搬送手段と、前記シートに折り処理を行う折り処理部材を備えた折り手段とを具備し、前記搬送路にシートの搬送方向に延設された搬送リブを備えた搬送ガイド板を具備したシート折り装置において、
前記搬送ガイド板の搬送リブの突出量を変更するリブ突出量調整機構を備えることを特徴とするシート折り装置。
【請求項2】
前記シート折りの種類、シートのサイズ、シートの材質のうち少なくとも1つの条件に基づいて搬送リブの突出量を設定する制御手段を備えることをと特徴とする請求項1に記載のシート折り装置。
【請求項3】
前記ガイド板は、前記折り処理部のシート材搬送方向下流側に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート折り装置。
【請求項4】
前記制御手段は、シートの観音折りモード、四つ折りモードでは、搬送リブの突出量を他のモードより小さくすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のシート折り装置。
【請求項5】
前記制御手段は、重ね折りモードでは、搬送リブの突出量を他のモードより小さくすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のシート折り装置。
【請求項6】
前記制御手段は、シート材の厚さ寸法の大きさに基づいて前記搬送リブの突出量を設定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のシート折り装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のシート折り装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−121758(P2011−121758A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282488(P2009−282488)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】