シート振り分け装置
【課題】シート振り分け装置を小型化する技術を提供すること。
【解決手段】
第1搬送路は、読取部から第1排出部まで延びる。第2搬送路は、第1搬送路の分岐点から分岐して第2排出部まで延びる。搬送部材は、第1排出部と分岐部材との間に配置され、シートの排出先が第1排出部である場合には、シートを第1排出部へ排出し、シートの排出先が第2排出部である場合には、シートの一部を第1搬送路から第1排出部に突出させ、シートの読取部側から第1排出部側へのシート搬送方向の上流端を分岐点よりシート搬送方向の下流側に位置づけた後、分岐部材を介してシートを第2搬送路にスイッチバック搬送する。
【解決手段】
第1搬送路は、読取部から第1排出部まで延びる。第2搬送路は、第1搬送路の分岐点から分岐して第2排出部まで延びる。搬送部材は、第1排出部と分岐部材との間に配置され、シートの排出先が第1排出部である場合には、シートを第1排出部へ排出し、シートの排出先が第2排出部である場合には、シートの一部を第1搬送路から第1排出部に突出させ、シートの読取部側から第1排出部側へのシート搬送方向の上流端を分岐点よりシート搬送方向の下流側に位置づけた後、分岐部材を介してシートを第2搬送路にスイッチバック搬送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、シート振り分け装置を小型化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート上の画像を消去する消去装置が知られる(例えば、特許文献1)。消去装置では、画像消去後に読取部によりシートの消去処理面を読み取る。読取部のシート搬送方向下流の搬送路は分岐する。一方の分岐路は第1排出部に接続し、他方の分岐路は第2排出部に接続する。消去装置は、消去処理面に消去残りが無いと判定する場合、読取部からのシートを一方の分岐路に振り分け、シートを第1排出部に排出する。消去装置は、消去処理面に消去残りが有ると判定する場合、読取部からのシートを他方の分岐路に振り分け、シートを第2排出部に排出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような消去装置は、オフィス等におかれる装置であるため、小型化が求められる。
【0004】
この明細書は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、シート振り分け装置を小型化する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般に、実施形態によれば、シート振り分け装置は、給紙部と、読取部と、第2排出部と、第2排出部と、第1搬送路と、第2搬送路と、分岐部材と、搬送部材と、を備える。給紙部は、シートを給紙する。読取部は、シート上の画像を読み取る。第1排出部および第2排出部は、シートが排出される。第1搬送路は、読取部から第1排出部まで延びる。第2搬送路は、第1搬送路の分岐点から分岐して第2排出部まで延びる。分岐部材は、分岐点に配置され、第1排出部側から分岐点に進行するシートを第2搬送路に振り分ける。搬送部材は、第1排出部と分岐部材との間に配置され、シートの排出先が第1排出部である場合には、シートを第1排出部へ排出し、シートの排出先が第2排出部である場合には、シートの一部を第1搬送路から第1排出部に突出させ、シートの読取部側から第1排出部側へのシート搬送方向の上流端を分岐点よりシート搬送方向の下流側に位置づけた後、分岐部材を介してシートを第2搬送路にスイッチバック搬送する。
【発明の効果】
【0006】
以上に詳述したように、この明細書によれば、シート振り分け装置を小型化する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態の消去装置の構成を示す図である。
【図2】消去装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】制御部の機能ブロック図である
【図4】消去装置による消去処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】消去処理時の各シートの位置を示す図である。
【図6】第1排出ローラおよび分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図7】分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図8】分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図9】他の分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図10】分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図11】分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図12】第2実施形態の消去装置の構成を示す図である。
【図13】消去装置による消去処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】第3実施形態の消去装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、消去装置100(シート振り分け装置)の構成を示す図である。
消去装置100は、画像が形成されたシートに消去処理を施すことによりシート上の画像を消去する。本実施形態では、シート上の画像は、加熱すると消色する粉末状の消色トナーまたは液体状の消色インクにより形成されているものとする。本実施形態では、シートを加熱することによりシート上の画像を消去する。しかしながら、シートに近赤外線等の光を照射し、シート上の画像を消色することにより画像を消去してもよい。また、シートに処理液を浸漬させ、シート上から非消色トナーを剥離することによりシート上の画像を消去してもよい。
【0009】
消去装置100は、給紙部11(給紙手段)、消去部12(消去手段)、読取部13(読取手段)、第1搬送路2、第2搬送路3、搬送ローラ4、分岐部材14(分岐手段)、第1排出部15、第2排出部16、センサ17、第1駆動源61、および第2駆動源62を備える。
【0010】
給紙部11は、給紙トレイ111、ピックアップローラ112、供給ローラ113、および分離ローラ114を備える。給紙カセット111は、消色可能色材により画像が形成されたシートを収容する。シートのサイズは、A4−R、A4、LTR等様々であってよい。本実施形態では、消去対象のシートのうち、シート搬送方向の長さが最大となるシートのサイズはA4−Rであるものとする。本実施形態では、給紙部11は、A4サイズのシートを搬送するものとする。ピックアップローラ112は、給紙トレイ111内のシートを第1搬送路2に送る。供給ローラ113および分離ローラ114は、対になっており、ピックアップローラ112が第1搬送路2へ複数枚のシートを送る場合、複数枚のシートからシートを1枚分離してシートを第1搬送路2へ送る。
【0011】
消去部12は、第1搬送路2に沿って2つ設けられた消去ユニット121,122を備える。消去部12は、消去ユニット121,122がシートの両面に当接して両面を加熱することにより、シートの両面上の画像を1度に消去する。
読取部13は、第1搬送路2に沿って2つ設けられた読取ユニット131,132を備える。 各読取ユニット131,132は、シートと対向する読み取り領域A1から読取ユニット131,132内に進行した光をミラー133およびレンズ134を介して撮像素子135により受光する。撮像素子135は、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)であってよい。読取部13は、消去処理後のシートの両面上の画像を1度に読み取る。読み取られた画像データは、メモリ53あるいはHDD54(Hard Disk Drive)(図2)に格納され、シートに消去残りがあるか否かの判定に用いられる。また、本実施形態では、消去処理前の画像データをメモリ53に格納することで、消去処理後でもシートに記録された画像を復元できる。
【0012】
第1搬送路2は、給紙部11から第1排出部15まで延び、途中に分岐点21がある。第1搬送路2における給紙部11と分岐点21との間には、シート搬送方向上流側から消去部12、読取部13がある。第1搬送路2は、読取部13側から下方に直線状に進行した後、下方かつ図1中左方に傾斜し、第1排出部15に至る。第1搬送路2の下方かつ左方に傾斜した部分に分岐点21がある。
第2搬送路3は、分岐点21から第2排出部16まで延びる。第2搬送路3は、分岐点21から上方かつ右方に湾曲した後、下方かつ左方に傾斜し、第2排出部16に至る。
【0013】
読取部13の読み取り領域A1から分岐点21までのシート搬送方向の距離は、消去対象のシートのうち、シート搬送方向の長さが最大となるA4−Rサイズ(297mm×210mm)のシートのシート搬送方向の長さ(297mm)よりも短い。分岐点21から第1排出ローラ41までのシート搬送方向の距離も、消去対象のシートのうちシート搬送方向の長さが最大となるA4−Rサイズのシートのシート搬送方向の長さよりも短い。
【0014】
搬送ローラ4は、第1搬送路2および第2搬送路3に沿って複数設けられる。以下、搬送ローラ4のうち、シートを第1排出部15に排出する搬送ローラ4を第1排出ローラ41(スイッチバックローラ、搬送部材、搬送手段)と称し、シートを第2排出部16に排出する搬送ローラ4を第2排出ローラ42と称する。第1排出ローラ41は、第1搬送路2における分岐点21と第1排出部15との間にあり、第1排出部15側から分岐点21側にシートをスイッチバック搬送する。第1、第2排出ローラ41、42は、2つのローラが対になっており、シートを狭持搬送する。読取部12のシート搬送方向前後にある搬送ローラ4には符号43を付し、該搬送ローラ12を搬送ローラ43(読取ローラ)と記載する。
【0015】
第1駆動源61は、読取部12のシート搬送方向前後にある搬送ローラ43を駆動する。
第2駆動源62は、第1排出ローラ41を駆動する。
分岐部材14は、分岐点21にあり、フラッパ141を備える。フラッパ141は、第1搬送路2において読取部13側から分岐点21にシートが進行する際に、シートを自動で第1搬送路2における分岐点21の下流側に案内する。フラッパ141は、第1搬送路2において第1排出部15側から分岐点21にシートがスイッチバックする際に、シートを自動で第2搬送路3側に案内する。
【0016】
第1排出部15は、シートを収容するトレイである。第1排出部15には、第1搬送路2からシートが排出される。第1排出部15は、デフォルトの状態においては、消去残り等が無く再利用可能なシートが排出される。
第2排出部16は、シートを収容するトレイである。第2排出部16には、第2搬送路3からシートが排出される。第2排出部16は、デフォルトの状態においては、消去残りや角折れ等が有り再利用不可なシートが排出される。操作入力部18を操作することにより、デフォルトの設定とは逆に、第1排出部15に再利用不可なシートを排出し、第2排出部16に再利用可能なシートを排出するように設定できる。
【0017】
センサ17は、接触式または非接触式であり、第1搬送路2や第2搬送路3の適宜の場所に設けられ、シートを検出する。センサ17は、例えば第1搬送路2における消去部12や読取部13のシート搬送方向前後に設けられる。以下、センサ17のうち、第1搬送路2における読取部13と分岐点21の間のセンサ17を第1センサ171と称する。第1搬送路2における分岐点21と第1排出部15との間のセンサ17を第2センサ172と称する。
【0018】
図2は、消去装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
消去装置100は、前述した各要素の他、制御部5(制御手段)、操作入力部18、表示部19、および通信部10を備える。各要素はバスBを介して接続する。
制御部5は、プロセッサ51、ASIC52(Application Specific Integrated Circuit)、メモリ53、およびHDD54を備え、消去装置100全体を制御する。
操作入力部18は、例えばタッチパネルや操作キーを備え、ユーザの操作入力を受け付ける。操作入力部18は、消色の開始あるいは消色するシートの画像の読み込み等の消去装置100の機能動作を指示する。
【0019】
表示部19は、例えばタッチパネルであり、消去装置100の設定情報や動作ステータス、ログ情報、ユーザへの通知を表示する。なお、操作入力部18あるいは表示部19は、消去装置100の本体に配置されるものに限定されない。例えばネットワークを介して消去装置100と接続される外部装置200の操作入力部から操作できる構成であっても良い。あるいは、操作入力部18あるいは表示部19は、消去装置100から独立した形態であり、有線あるいは無線通信によって消去装置100を操作する構成であっても良い。本実施形態の操作入力部18あるいは表示部19は、消去装置100に対して処理の指示や情報の閲覧等ができるものであれば良い。
通信部10は、外部の機器と接続するインターフェースである。通信部10は、無線または有線によりネットワーク上の外部装置200と通信する。
【0020】
図3は、制御部5の機能ブロック図である。
制御部5は、機能部として判定部55、送信部56、受信部57、および搬送制御部58を備える。
判定部55は、画像データに基づき所定の判定処理を行う。本実施形態では、判定部55は、シートの少なくとも一面に消去残りや角折れがある場合、シートを再利用不可(再利用シートとして不適合)と判定し、シートの両面共に消去残りや角折れが無い場合、シートを再利用可能(再利用シートとして適合)と判定する。
【0021】
送信部56は、読取部13にて画像を読み取られたシートに対する所定の判定処理を行う所定の送信先(判定部55)に対して画像データを送信する。本実施形態では、判定部55および送信部56は、例えばそれぞれ基板上に実装された別々の素子により実現される。受信部57は、送信先(判定部55)から判定情報を受信する。本実施形態では、受信部57は、判定部55から受信する判定情報をメモリ53あるいはHDD54に記憶させる。受信部57は、基板上に実装された素子であって、例えば判定部55および送信部56の機能を実行する素子とは異なる素子により実現される。
搬送制御部58は、消去装置100の各部を制御する。搬送制御部58は、搬送ローラ4を制御し、シートを搬送する。搬送制御部58は、例えば基板上に実装された素子であって、受信部57の機能を実行する素子と同一の素子により実現される。
【0022】
図4は、消去装置100による消去処理を説明するためフローチャートである。図5は、消去処理時の各シートの位置を示す図である。
制御部5は、操作入力部18が受け付けるユーザの操作入力により、第1モードまたは第2モードに設定される(Act1)。第1モードでは、シートは再利用可能との判定情報に第1排出部15が対応付けられ、シートは再利用不可との判定情報に第2排出部16が対応付けられる。これにより、第1モードでは、第1排出部15に再利用可能なシートが排出され、第2排出部16に再利用不可なシートが排出される。第2モードでは、第1モードとは逆に、シートの再利用不可との判定情報に対して第1排出部15が対応付けられ、シートの再利用可能との判定情報に対して第2排出部16が対応付けられる。第2モードでは、第1排出部15に再利用不可なシートが排出され、第2排出部16に再利用可能なシートが排出される。制御部5は、デフォルトでは第1モードに設定される。
【0023】
制御部5(搬送制御部58)は、給紙部11からシートを給紙し(Act2、図5の(i))、消去部12によりシートの両面の画像を消去する(Act3、図5の(ii))。制御部5は、画像消去済みのシートの両面を読取部13により読み取る(Act4)。
制御部5は、画像データに基づいてシートが再利用可能か否かの判定処理を開始する(Act5)。具体的に、制御部5は、読取部13からの画像データをHDD54に格納する。制御部5は、HDD54内の画像データに基づき、シートが再利用可能か否かの判定処理を開始する。制御部5(判定部55)は、両面共に消去残りが無ければ当該シートを再利用可能と判定する。制御部5は、少なくとも一面に消去残りや折れがある場合、当該シートを再利用不可と判定する。
【0024】
制御部5(搬送制御部58)は、シートを読み取った後、シートを分岐点21を経て第1排出部15側まで搬送する。第1排出部15側まで搬送されたシートは、第1排出ローラ41により第1排出部15に向けて搬送される(Act6、図5の(iii)、(iv))。判定部55による判定処理は、遅くとも、シートが第1排出ローラ41によって第1排出部15に排出しきらないうちに終了する。
制御部5は、判定情報が第1排出部15に対応付けられている場合、すなわち判定情報がシートは再利用可能との判定である場合(Act7:YES、Act8:YES)、シートを第1排出部15に排出する(Act9)。
【0025】
制御部5は、判定情報が第2排出部16に対応付けられている場合、すなわち判定情報がシートは再利用不可との判定である場合(Act8:NO)、シートをスイッチバック搬送する。具体的に、制御部5は、シートの一部を第1搬送路2から第1排出部15に排出し、シートの読取部13側から第1排出部15側へのシート搬送方向の上流端を分岐点21より前記シート搬送方向の下流側に位置づけた後(図5の(iv))、シートを第2搬送路3にスイッチバック搬送する(Act10、図5の(v))。制御部5は、第2搬送路3内のシートを第2排出部16に排出する(Act11、図5の(vi))。
【0026】
ここで、シートをスイッチバックせず、分岐点にてシートを振り分ける消去装置を考える。この装置では、分岐点にて搬送路が2股に別れており、一方の搬送路は第1排出部まで延び、他方の搬送路は第2排出部まで延びる。この消去装置では、読取部から分岐点までのシート搬送方向の長さが、判定処理完了までにかかる時間の間にシートが搬送される距離より長くなっている。従って、この消去装置では、読取部13から分岐点までシートを搬送する間に判定処理が完了する。そして、この消去装置では、判定処理の結果に基づいて、分岐点にてシートを第1排出部側または第2排出部側に振り分ける。
【0027】
一方、本実施形態では、第1搬送路2のシート搬送方向下流側をスイッチバックに用いる。そして、制御部5は、判定情報によっては、シートの一部が第1排出部15に排出されるまでシートを第1排出部15側に搬送し、シートのシート搬送方向上流端を分岐点21より下流側に位置づけた後、シートを第2搬送路3側にスイッチバックする。
【0028】
すなわち、本実施形態では、シートを第2排出部16に排出する際には、シートは、シートの一部が第1排出部15に排出される経路を経ることとなる。読取部13から第1排出部15の上方までのシート搬送方向の距離が、前述した比較例の消去装置の読取部から分岐点(分岐位置)までの距離に相当するのである。このように、本実施形態では、第1排出部15の上方あるいは内部の空間を、読取部13から分岐位置までの第1搬送路2の一部として用いるため、その分、読取部13から分岐位置までの第1搬送路2の長さを短縮できる。これにより、本実施形態では、消去装置100の高さを抑制できる。
【0029】
制御部5は、第2モードに設定されている場合において(Act7:NO)、判定情報がシートは再利用可能との判定である場合(Act12:YES)、シートを第1排出部15に一部が排出される位置まで搬送した後、シートを第2搬送路3側にスイッチバック搬送する(Act13)。そして、制御部5は、シートを第2排出部16に排出する(Act14)。制御部5は、判定情報がシートは再利用不可との判定である場合(Act12:NO)、シートを第1排出部15に排出する(Act15)。
【0030】
なお、制御部5は、先行シートを第1排出部15に排出する処理(図5の(iv))、後続シートを読取部13に搬送する処理(図5の(ii))、給紙部11からシートを第1搬送路2内に搬送する処理(シートを消去部12に搬送する処理、図5の(i))を同時に行う。また、本実施形態では、第1搬送路2内の先行シートを第2搬送路2内にスイッチバック搬送する間に、後続シートを読取部13に搬送する処理(図5の(ii))と、給紙部11からシートを第1搬送路2内に搬送する処理(図5の(i))とを同時に行う。本実施形態では、消去装置100内で同時に3枚のシートが処理される。
【0031】
図6は、第1排出ローラ41および分岐部材14の構成を示す拡大図である。
第1排出ローラ41の駆動軸と第2駆動源62の駆動軸とにはベルト521が巻き回されている。ベルト521は、第2駆動源62の回転駆動力を第1排出ローラ41に伝達する。
分岐部材14は、フラッパ141と、バネ142(弾性部材)と、ストッパ部143とを備える。
【0032】
フラッパ141は、中央部分に回転軸144を備え、回転軸144を中心に回転する。フラッパ141は、先端を第1排出部15側に向けて配置される。フラッパ141の一端は、バネ142により図6中下方に引っ張り力をうける。これにより、フラッパ141は、図6中時計回りに回動し、フラッパ141の他端である先端が第1搬送路2内に突出する第1位置に変位する。第1位置では、フラッパ141は、先端が第1搬送路2内に突出して読取部13側から分岐点21に進行するシートの進行を妨げる位置に位置づけられる。フラッパ141の一端の図6中下方にストッパ部143がある。ストッパ部143は、フラッパ141の第1位置となる方向への時計回りの回転を所定の位置で静止する。
【0033】
バネ142による弾性力は非常に弱い。そのため、フラッパ141は、シートが読取部13側から第1排出部15側へ搬送される際に、図7に示されるように、シートに押されて反時計方向に回動する。そして、フラッパ141は、先端が第1位置より第2搬送路3側に位置しシートの搬送を妨げない第2位置に第1位置から切り替わる。バネ142は、シートがフラッパ141を押す力よりも小さい弾性力でフラッパ141を付勢する。
【0034】
フラッパ141は、シートが分岐点21を通過すると、図8に示すように、バネ142による弾性力により第2位置から再び第1位置に変位する。制御部5は、シートを再利用不可と判定すると、第2駆動源62を逆回転させてシートを第1排出部15側から分岐点21側に向けてスイッチバック搬送する。この際、フラッパ141は、先端が第1搬送路2内に突出する第1位置となっているので、第1排出部15側から分岐点21にスイッチバックするシートを第2搬送路3側へ案内する。
【0035】
ここで、従来、搬送装置の分岐部材では、フラッパを駆動するのにソレノイド等の専用の装置を用いる。従って、コストアップの原因となるソレノイド等の専用の装置を不要とする技術が求められる。
このような課題に対し、本実施形態では、シートを読取部13側から第1排出部15側へ搬送するだけで、フラッパ141は、シートの力により押されてシートの進行を妨げない第2位置となる。また、フラッパ141は、シートが通過した後にはバネの弾性力により先端が第1搬送路2内に突出する第1位置に戻るため、シートが分岐点21にスイッチバック搬送される際には、シートを第2搬送路3側に振り分けることができる。従って、本実施形態では、ソレノイド等の専用の装置無しにフラッパ141を自動で適切に駆動でき、コストを低減できる。
【0036】
ところで、従来の搬送ローラの駆動技術を本実施形態に適用する場合、排出ローラと読取部側の搬送ローラとは同一の駆動源により駆動され、同一方向に駆動されることとなる。従来の搬送ローラの駆動技術では、先行シートを第1排出部15側から分岐点21側へスイッチバック搬送する間に後続シートを読取部13へ搬送することはできない。従来の搬送ローラの駆動技術では、一旦、先行シートを第1排出部15側から分岐点21側へスイッチバック搬送した後に、後続シートを読取部13へ搬送する必要がある。従って、従来の搬送ローラの駆動技術を本実施形態に適用する場合、処理時間が長くなるという問題がある。
【0037】
このような課題に対し、本実施形態では、読取部13側の搬送ローラ43を駆動する第1駆動源61(図1)と、第1排出ローラ41を駆動する第2駆動源62とが別に設けられている。そのため、本実施形態では、読取部13側の搬送ローラ43と第1排出ローラ41とを同時に逆方向に駆動できる。そのため、先行シートを第1排出部15側から分岐点21側へスイッチバックする間に、後続シートを読取部13へ搬送でき、処理時間を短縮できる。
【0038】
なお、フラッパ141を、重力を用いて先端が第1搬送路2内に突出する第1位置となるように構成してもよい。例えば、図8のフラッパ141の回転軸144より右側が、フラッパ141の回転軸144より左側よりも重く構成されていてもよい。この場合、シートが読取部13側から分岐点21に進行する際には、フラッパ141はシートに押されて反時計回りに回動し、シートの進行を妨げない第1位置となる。フラッパ141は、シートが分岐点21を通過すると、再び自重により時計回りに回動し、先端が第1搬送路2内に突出する第1位置に戻る。これにより、フラッパ141は、シートが第1排出部15側から分岐点21にスイッチバック搬送される際にシートを第2搬送路3側に案内する。
【0039】
図9は、他の分岐部材14Aの構成を示す拡大図である。
分岐部材14Aでは、フラッパ141の回転軸144に設けられたプーリ145と、第1排出ローラ41の駆動軸とにベルト522が巻き回されている点が図8の分岐部材14と異なる。フラッパ141は、向きの異なる回転駆動力がベルト522を介して伝達されることにより、第1搬送路2内における読取部13側から分岐点21に進行するシートの進行を妨げない位置に先端が位置づけられる第3位置(図10)と、第1排出部15側から分岐点21に進行するシートを第2搬送路3側へ案内する図9の第4位置とに位置が切り替わる。
【0040】
ストッパ部146,147は、フラッパ141の一端の図9中上方および下方にある。
フラッパ141は、図9中反時計方向に回動して読取部13側から進行するシートの進行を妨げない第3位置に変位する際に、ストッパ部146(第1ストッパ部)によりその回動が止められる。また、フラッパ141は、図9中時計方向に回動して第1排出部15側から進行するシートを第2搬送路3側へ案内する第4位置に変位する際に、ストッパ部147(第2ストッパ部)によりその回動が止められる。
【0041】
フラッパ141と第1排出ローラ41の駆動軸との間には、フラッパ141がストッパ部146,147により回転が止められている際に、フラッパ141に伝達される回転駆動力を切断するクラッチがある。例えば、プーリ145は、クラッチを内蔵する。プーリ145は、フラッパ141の回転が止められている際には、フラッパ141の回転軸144上を滑り、フラッパ141に所定以上の力を付与しない。
【0042】
図10に示すように、シートが読取部13側から分岐点21側に搬送される際、制御部5により第2駆動源62の駆動軸は、図10中反時計方向に回転駆動する。フラッパ141は、第2駆動源62からベルト521,522を介して伝達される駆動力により、図10中反時計方向に回転して、読取部13側から進行するシートの進行を妨げない第3位置となる。これにより、シートは、フラッパ141に妨げられることなく分岐点21を通過する。
【0043】
図11に示すように、制御部5は、シートを再利用不可と判定し、かつシートのシート搬送方向上流端が分岐点21を通過したことをセンサ172により検知すると、第2駆動源62を図12中時計方向に回転し、シートを第1排出ローラ41により分岐点21に向けてスイッチバック搬送する。この際、フラッパ141は、ベルト521,522を介して伝達される駆動力により図11中時計方向に回動し、第1排出部15側から進行するシートを第2搬送路3側へ案内する第4位置となる。フラッパ141は、第1排出部15側から分岐点21にスイッチバックするシートを第2搬送路3側に案内する。
【0044】
(第2実施形態)
図12は、消去装置100Aの構成を示す図である。
本実施形態では、消去装置100Aは、PC(Personal Computer)等の外部装置200と通信し、外部装置200の処理能力を用いて消去処理を行う。外部装置200は、プロセッサ、ASIC、メモリ、およびHDDを備える。外部装置200は、消去装置100から所定のシートの両面の画像データを受信し、画像データに基づきシートが再利用可能か否かを判定する。本実施形態では、外部装置200が、シートが再利用可能か否かを判定する判定部として機能する。また、外部装置200に画像データを送受信する消去装置100Aの通信部10が、判定部に画像データを送信する送信部として機能する。消去装置100Aの通信部10が、外部装置200からシートが再利用可能か否かの判定情報を受信する受信部として機能する。
【0045】
第1搬送路2は、読取部13側から下方に進んだ後、図12において側方(左方)に曲がって第1排出部15に至る。分岐部材14は、フラッパ141、およびフラッパ141を回転駆動するソレノイドを備える。シート搬送方向において読取部13の読み取り領域A1と分岐部材14との距離は、消去対象のシートのうち、シート搬送方向の長さが最大となるA4−Rサイズのシート搬送方向の長さより長い。
【0046】
以下、消去装置100Aによる消去処理を図13のフローチャートを用いて簡略に説明する。
制御部5は、本実施形態では、第1排出部15に再利用可能なシートが排出される第1モードに設定される(Act1)。
制御部5は、給紙部11からシートを給紙し(Act2、図12の(i))、消去部12によりシートの両面の画像を消去する(Act3、図12の(ii))。制御部5は、画像消去済みのシートの両面を読取部13により読み取り、読み取った画像データをメモリ53に記憶する(Act4、図12の(iii))。制御部5は、通信部10を介して外部装置200にメモリ53内の画像データを送信する(Act41)。
【0047】
画像データを受信した外部装置200は、画像データに基づいてシートが再利用可能か否かの判定処理を開始し(Act5)、再利用可否の判定が完了すると、判定情報を消去装置100Aに送信する。
制御部5は、シートを読み取った後、シートを分岐点21を経て第1排出部15側まで搬送する(Act6)。制御部5は、排出ローラ41により、シートを一部が第1排出部15側に排出した状態で一時停止させる(Act61:図12の(iv))。
【0048】
制御部5は、第1排出部15側でシートを一時停止させる際、同時に後続シートの両面を読取部13により読み取り、後続シートを分岐点21の手前で一時停止状態とする(図12の(iii))。
後続シートを分岐点21の手前で一時停止させるのは、先行シートを第2排出部16に排出する必要がある場合、先行シートを第1排出部15側から第2搬送路3側へスイッチバック搬送させるまで、後続シートを分岐点21より第1排出部15側に移動させることができないからである。
【0049】
各シートの処理工程を一時停止とした状態で通信部10が外部装置200から再利用可否の判定情報を受信し(Act62:YES)、判定情報がシートは再利用可能との判定である場合(Act7:YES、Act8:YES)、制御部5は、先行シートを第1排出部15にそのまま排出する(Act9:YES。図12の(v))。この際、制御部5は、先行シートを第1排出部15に排出するのと同時に、分岐点21の手前で一時停止となっている後続シート(図12の(iii))を第1排出部15側に進め、当該後続シートの判定情報を受信するまで一時停止とする(図12の(iv))。また、制御部5は、各処理部12,13の手前で一時停止となっている各シート(図12の(i)、(ii))を次工程(読み取り処理、消去処理)に進める。
【0050】
このように、本実施形態では、排出割合の多い第1排出部15のすぐ手前でシートを一時停止させるので、判定情報を受信すると、多くの場合すぐにシートを第1排出部15側に排出できる。そのため、毎回、分岐点21のシート搬送方向上流側で先頭シートを一時停止させる場合に比べ、シートの判定情報を得てからの処理時間を短縮でき、その分、消去処理に係る全体の時間を短縮できる。
【0051】
判定情報がシートは再利用不可との判定である場合(Act8:NO)、制御部5は、第1排出部15側の一時停止位置からシートを第2搬送路3側にスイッチバック搬送した後(Act10、図12の(vi))、シートを第2排出部16に排出する(Act11、図4の(vii))。制御部5は、シートを第2排出部16に排出する同時に、一時停止となっていた各後続シートを次工程に進める。
【0052】
消去装置100は、消去品質、安全性、および読み取り品質の観点から、消去中および読み取り中にシートの搬送を停止できない。このため、消去装置100では、上述したように、消去部12および読取部13の前後にシートの一時停止スペースが設けられている。各一時停止スペースで一時停止するシートは、先行するシートがいずれかの排出先15,16に排出される毎に、次の一時停止スペースに進む。
本実施形態では、消去装置100内で同時に4枚のシート(図12の(i)〜(vi))が処理される。
【0053】
(第3実施形態)
図14は、消去装置100Bの構成を示す図である。
給紙部11から第1排出部15に至る第1搬送路2は、環状搬送路201と、給紙部11から環状第1搬送路201に至る第3搬送路202と、環状搬送路201から第1排出部15に至る第4搬送路203とを備える。環状搬送路201には、読取部13および消去部12が設けられる。環状搬送路201には、第3搬送路202との接続点204と、第4搬送路202との接続点205とがある。
【0054】
制御部5は、給紙部11からシートを給紙して環状搬送路201に搬送し、読取部13にてシートの両面を読み取る。読取部13が取得する画像データはメモリ43が記憶する。制御部5は、読取部13にてシートに読み取り処理した後、シートの両面を消去部12にて消色処理する。その後、制御部5は、再度読取部13にてシートの両面を読み取り処理する。制御部5は、画像データに基づいて再利用の可否判定を開始する。制御部5は、シートを第1排出部15側に搬送する。
【0055】
制御部5は、シートは再利用可能と判定する場合、シートを第1排出部15に排出する。制御部5は、シートは再利用不可と判定する場合、シートを第2搬送路3側にスイッチバック搬送し、第2排出部16に排出する。
ところで、第4搬送路202において、分岐点21側には第1曲がり部206がある。また、第2搬送路3において分岐点21側には第2曲がり部31があり、第2排出部16側には第3曲がり部32がある。
【0056】
分岐点21では、第1搬送路2における分岐点21の読取部13側から第1排出部15側へのシート搬送方向の上流側にある第1曲がり部206と、第2搬送路3における分岐点21のシート搬送方向下流側にある第2曲がり部31とが合流する。
第2曲がり部31の曲率半径R2は、第1曲がり部206の曲率半径R1よりも大きい。第1曲がり部206の曲率半径R1を小さくしたのは、第1曲がり部206では、消去時に加熱されたシートはまだ高温状態を保っているため、ある程度曲率半径R1が小さくてもシート詰まりが生じにくいからである。また、曲率半径R1をある程度小さくすることは、装置の高さを抑え、省スペース化に寄与する。
【0057】
一方、第2曲がり部31は、スイッチバック搬送後の経路であり、第1曲がり部206の通過時に比べ時間が経過しているので、第2曲がり部31を通過するシートは冷却されてカールしている場合がある。そのため、第2曲がり部31では第1曲がり部206よりもシート詰まりが生じやすいと言えるため、第2曲がり部31の曲率半径R2は、第1曲がり部206の曲率半径R1よりも大きくされている。
【0058】
第3曲がり部32の曲率半径R3は、第1曲がり部206の曲率半径R1よりも大きく、好ましくは第2曲がり部31の曲率半径R2以上とされる。シートが第3曲がり部32に至る頃には、シートは第2曲がり部31にいる際よりもより冷却されカールが進む可能性があるので、第3曲がり部32の曲率半径R3は、第2曲がり部31以上とされ、少なくとも第1曲がり部206よりも大きくされる。
【0059】
また、排出ローラ41は、対向する1対のローラを備え、シートを第2曲がり部31において一点支持によりスイッチバック搬送する。このようにすることにより、複数点でシートを支持する場合に比べ、搬送中のシートのこしを弱めることができる。これにより、本実施形態では、シートがたとえカールしていたとしても、シートを第2曲がり部31内の壁面に沿って湾曲させやすくでき、第2曲がり部31内においてシート詰まりが生じることを抑制できる。
【0060】
ここで、シート上の画像の読み取りだけを行う読み取りモードに消去装置100Bを設定できるように消去装置100Bを構成することを考える。単にそのように消去装置100Bを構成する場合、読み取りモードに設定する際には、読み取ったシートを第1排出部15および第2排出部16のうちのいずれかの排出部15,16に排出するのかをユーザが設定する必要があり、設定が煩わしいという問題がある。
【0061】
このような課題に対し、本実施形態では、操作入力部18に対する操作入力により、制御部5は、読み取り処理だけを行う読み取りモードに設定できる。制御部5は、読み取りモードに設定されると、読み取り処理したシートを第1排出部15、または第2排出部16のいずれかに排出するように予め設定される。以下、読み取り処理したシートの排出先の設定方法を、図14を参照して説明する。
【0062】
まず、第1搬送路2における分岐点21から第1排出部15までにある湾曲部分の曲率半径の合計と、第2搬送路3にある湾曲部分の曲率半径の合計とを比較する。そして、第1搬送路2における分岐点21から第1排出部15までにある湾曲部分の曲率半径の合計の方が小さければ、第1排出部15を、読み取り処理したシートの排出先に設定する。第2搬送路3にある湾曲部分の曲率半径の合計の方が小さければ、第2排出部16を読み取り処理したシートの排出先に設定する。
【0063】
本実施形態では、図14に示されるように、第1搬送路2における分岐点21から第1排出部15までにある湾曲部分の曲率半径の合計は0であり、第2搬送路3にある湾曲部分の曲率半径の合計はいくらかあるので、第1排出部15を読み取り処理したシートの排出先に設定する。これにより、カーブの緩い経路を経る排出部側にシートを排出でき、シート詰まりを抑制できる。
【0064】
なお、読取部13から第1排出部15までの経路にある湾曲部分の曲率半径の合計の方が、読取部13から第2排出部16までの経路にある湾曲部分の曲率半径の合計よりも小さい場合に、第1排出部15をシートの排出先に設定してもよい。読取部13から第1排出部15までの経路にある湾曲部分の曲率半径の合計の方が、読取部13から第2排出部16までの経路にある湾曲部分の曲率半径の合計よりも大きい場合に、第2排出部16をシートの排出先に設定してもよい。
【0065】
記録媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であってもよい。具体的に、記録媒体としては、例えば、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体、コンピュータプログラムを保持するデータベース、あるいは他のコンピュータ並びにそのデータベースなどが挙げられる。インストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。プログラムは、その一部または全部が、動的に生成される実行モジュールであってもよい。
前記各実施形態における各処理の順序は、前記各実施形態で例示した順序と異なっていてもよい。
【0066】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0067】
第1搬送路 2、第2搬送路 3、給紙部 11、読取部 13、分岐部材 14、第1排出部 15、第2排出部 16、搬送部材(第1排出ローラ) 41、シート振り分け装置(消去装置) 100。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開特開2011−207225号公報
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、シート振り分け装置を小型化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート上の画像を消去する消去装置が知られる(例えば、特許文献1)。消去装置では、画像消去後に読取部によりシートの消去処理面を読み取る。読取部のシート搬送方向下流の搬送路は分岐する。一方の分岐路は第1排出部に接続し、他方の分岐路は第2排出部に接続する。消去装置は、消去処理面に消去残りが無いと判定する場合、読取部からのシートを一方の分岐路に振り分け、シートを第1排出部に排出する。消去装置は、消去処理面に消去残りが有ると判定する場合、読取部からのシートを他方の分岐路に振り分け、シートを第2排出部に排出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような消去装置は、オフィス等におかれる装置であるため、小型化が求められる。
【0004】
この明細書は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、シート振り分け装置を小型化する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般に、実施形態によれば、シート振り分け装置は、給紙部と、読取部と、第2排出部と、第2排出部と、第1搬送路と、第2搬送路と、分岐部材と、搬送部材と、を備える。給紙部は、シートを給紙する。読取部は、シート上の画像を読み取る。第1排出部および第2排出部は、シートが排出される。第1搬送路は、読取部から第1排出部まで延びる。第2搬送路は、第1搬送路の分岐点から分岐して第2排出部まで延びる。分岐部材は、分岐点に配置され、第1排出部側から分岐点に進行するシートを第2搬送路に振り分ける。搬送部材は、第1排出部と分岐部材との間に配置され、シートの排出先が第1排出部である場合には、シートを第1排出部へ排出し、シートの排出先が第2排出部である場合には、シートの一部を第1搬送路から第1排出部に突出させ、シートの読取部側から第1排出部側へのシート搬送方向の上流端を分岐点よりシート搬送方向の下流側に位置づけた後、分岐部材を介してシートを第2搬送路にスイッチバック搬送する。
【発明の効果】
【0006】
以上に詳述したように、この明細書によれば、シート振り分け装置を小型化する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態の消去装置の構成を示す図である。
【図2】消去装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】制御部の機能ブロック図である
【図4】消去装置による消去処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】消去処理時の各シートの位置を示す図である。
【図6】第1排出ローラおよび分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図7】分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図8】分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図9】他の分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図10】分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図11】分岐部材の構成を示す拡大図である。
【図12】第2実施形態の消去装置の構成を示す図である。
【図13】消去装置による消去処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】第3実施形態の消去装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、消去装置100(シート振り分け装置)の構成を示す図である。
消去装置100は、画像が形成されたシートに消去処理を施すことによりシート上の画像を消去する。本実施形態では、シート上の画像は、加熱すると消色する粉末状の消色トナーまたは液体状の消色インクにより形成されているものとする。本実施形態では、シートを加熱することによりシート上の画像を消去する。しかしながら、シートに近赤外線等の光を照射し、シート上の画像を消色することにより画像を消去してもよい。また、シートに処理液を浸漬させ、シート上から非消色トナーを剥離することによりシート上の画像を消去してもよい。
【0009】
消去装置100は、給紙部11(給紙手段)、消去部12(消去手段)、読取部13(読取手段)、第1搬送路2、第2搬送路3、搬送ローラ4、分岐部材14(分岐手段)、第1排出部15、第2排出部16、センサ17、第1駆動源61、および第2駆動源62を備える。
【0010】
給紙部11は、給紙トレイ111、ピックアップローラ112、供給ローラ113、および分離ローラ114を備える。給紙カセット111は、消色可能色材により画像が形成されたシートを収容する。シートのサイズは、A4−R、A4、LTR等様々であってよい。本実施形態では、消去対象のシートのうち、シート搬送方向の長さが最大となるシートのサイズはA4−Rであるものとする。本実施形態では、給紙部11は、A4サイズのシートを搬送するものとする。ピックアップローラ112は、給紙トレイ111内のシートを第1搬送路2に送る。供給ローラ113および分離ローラ114は、対になっており、ピックアップローラ112が第1搬送路2へ複数枚のシートを送る場合、複数枚のシートからシートを1枚分離してシートを第1搬送路2へ送る。
【0011】
消去部12は、第1搬送路2に沿って2つ設けられた消去ユニット121,122を備える。消去部12は、消去ユニット121,122がシートの両面に当接して両面を加熱することにより、シートの両面上の画像を1度に消去する。
読取部13は、第1搬送路2に沿って2つ設けられた読取ユニット131,132を備える。 各読取ユニット131,132は、シートと対向する読み取り領域A1から読取ユニット131,132内に進行した光をミラー133およびレンズ134を介して撮像素子135により受光する。撮像素子135は、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)であってよい。読取部13は、消去処理後のシートの両面上の画像を1度に読み取る。読み取られた画像データは、メモリ53あるいはHDD54(Hard Disk Drive)(図2)に格納され、シートに消去残りがあるか否かの判定に用いられる。また、本実施形態では、消去処理前の画像データをメモリ53に格納することで、消去処理後でもシートに記録された画像を復元できる。
【0012】
第1搬送路2は、給紙部11から第1排出部15まで延び、途中に分岐点21がある。第1搬送路2における給紙部11と分岐点21との間には、シート搬送方向上流側から消去部12、読取部13がある。第1搬送路2は、読取部13側から下方に直線状に進行した後、下方かつ図1中左方に傾斜し、第1排出部15に至る。第1搬送路2の下方かつ左方に傾斜した部分に分岐点21がある。
第2搬送路3は、分岐点21から第2排出部16まで延びる。第2搬送路3は、分岐点21から上方かつ右方に湾曲した後、下方かつ左方に傾斜し、第2排出部16に至る。
【0013】
読取部13の読み取り領域A1から分岐点21までのシート搬送方向の距離は、消去対象のシートのうち、シート搬送方向の長さが最大となるA4−Rサイズ(297mm×210mm)のシートのシート搬送方向の長さ(297mm)よりも短い。分岐点21から第1排出ローラ41までのシート搬送方向の距離も、消去対象のシートのうちシート搬送方向の長さが最大となるA4−Rサイズのシートのシート搬送方向の長さよりも短い。
【0014】
搬送ローラ4は、第1搬送路2および第2搬送路3に沿って複数設けられる。以下、搬送ローラ4のうち、シートを第1排出部15に排出する搬送ローラ4を第1排出ローラ41(スイッチバックローラ、搬送部材、搬送手段)と称し、シートを第2排出部16に排出する搬送ローラ4を第2排出ローラ42と称する。第1排出ローラ41は、第1搬送路2における分岐点21と第1排出部15との間にあり、第1排出部15側から分岐点21側にシートをスイッチバック搬送する。第1、第2排出ローラ41、42は、2つのローラが対になっており、シートを狭持搬送する。読取部12のシート搬送方向前後にある搬送ローラ4には符号43を付し、該搬送ローラ12を搬送ローラ43(読取ローラ)と記載する。
【0015】
第1駆動源61は、読取部12のシート搬送方向前後にある搬送ローラ43を駆動する。
第2駆動源62は、第1排出ローラ41を駆動する。
分岐部材14は、分岐点21にあり、フラッパ141を備える。フラッパ141は、第1搬送路2において読取部13側から分岐点21にシートが進行する際に、シートを自動で第1搬送路2における分岐点21の下流側に案内する。フラッパ141は、第1搬送路2において第1排出部15側から分岐点21にシートがスイッチバックする際に、シートを自動で第2搬送路3側に案内する。
【0016】
第1排出部15は、シートを収容するトレイである。第1排出部15には、第1搬送路2からシートが排出される。第1排出部15は、デフォルトの状態においては、消去残り等が無く再利用可能なシートが排出される。
第2排出部16は、シートを収容するトレイである。第2排出部16には、第2搬送路3からシートが排出される。第2排出部16は、デフォルトの状態においては、消去残りや角折れ等が有り再利用不可なシートが排出される。操作入力部18を操作することにより、デフォルトの設定とは逆に、第1排出部15に再利用不可なシートを排出し、第2排出部16に再利用可能なシートを排出するように設定できる。
【0017】
センサ17は、接触式または非接触式であり、第1搬送路2や第2搬送路3の適宜の場所に設けられ、シートを検出する。センサ17は、例えば第1搬送路2における消去部12や読取部13のシート搬送方向前後に設けられる。以下、センサ17のうち、第1搬送路2における読取部13と分岐点21の間のセンサ17を第1センサ171と称する。第1搬送路2における分岐点21と第1排出部15との間のセンサ17を第2センサ172と称する。
【0018】
図2は、消去装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
消去装置100は、前述した各要素の他、制御部5(制御手段)、操作入力部18、表示部19、および通信部10を備える。各要素はバスBを介して接続する。
制御部5は、プロセッサ51、ASIC52(Application Specific Integrated Circuit)、メモリ53、およびHDD54を備え、消去装置100全体を制御する。
操作入力部18は、例えばタッチパネルや操作キーを備え、ユーザの操作入力を受け付ける。操作入力部18は、消色の開始あるいは消色するシートの画像の読み込み等の消去装置100の機能動作を指示する。
【0019】
表示部19は、例えばタッチパネルであり、消去装置100の設定情報や動作ステータス、ログ情報、ユーザへの通知を表示する。なお、操作入力部18あるいは表示部19は、消去装置100の本体に配置されるものに限定されない。例えばネットワークを介して消去装置100と接続される外部装置200の操作入力部から操作できる構成であっても良い。あるいは、操作入力部18あるいは表示部19は、消去装置100から独立した形態であり、有線あるいは無線通信によって消去装置100を操作する構成であっても良い。本実施形態の操作入力部18あるいは表示部19は、消去装置100に対して処理の指示や情報の閲覧等ができるものであれば良い。
通信部10は、外部の機器と接続するインターフェースである。通信部10は、無線または有線によりネットワーク上の外部装置200と通信する。
【0020】
図3は、制御部5の機能ブロック図である。
制御部5は、機能部として判定部55、送信部56、受信部57、および搬送制御部58を備える。
判定部55は、画像データに基づき所定の判定処理を行う。本実施形態では、判定部55は、シートの少なくとも一面に消去残りや角折れがある場合、シートを再利用不可(再利用シートとして不適合)と判定し、シートの両面共に消去残りや角折れが無い場合、シートを再利用可能(再利用シートとして適合)と判定する。
【0021】
送信部56は、読取部13にて画像を読み取られたシートに対する所定の判定処理を行う所定の送信先(判定部55)に対して画像データを送信する。本実施形態では、判定部55および送信部56は、例えばそれぞれ基板上に実装された別々の素子により実現される。受信部57は、送信先(判定部55)から判定情報を受信する。本実施形態では、受信部57は、判定部55から受信する判定情報をメモリ53あるいはHDD54に記憶させる。受信部57は、基板上に実装された素子であって、例えば判定部55および送信部56の機能を実行する素子とは異なる素子により実現される。
搬送制御部58は、消去装置100の各部を制御する。搬送制御部58は、搬送ローラ4を制御し、シートを搬送する。搬送制御部58は、例えば基板上に実装された素子であって、受信部57の機能を実行する素子と同一の素子により実現される。
【0022】
図4は、消去装置100による消去処理を説明するためフローチャートである。図5は、消去処理時の各シートの位置を示す図である。
制御部5は、操作入力部18が受け付けるユーザの操作入力により、第1モードまたは第2モードに設定される(Act1)。第1モードでは、シートは再利用可能との判定情報に第1排出部15が対応付けられ、シートは再利用不可との判定情報に第2排出部16が対応付けられる。これにより、第1モードでは、第1排出部15に再利用可能なシートが排出され、第2排出部16に再利用不可なシートが排出される。第2モードでは、第1モードとは逆に、シートの再利用不可との判定情報に対して第1排出部15が対応付けられ、シートの再利用可能との判定情報に対して第2排出部16が対応付けられる。第2モードでは、第1排出部15に再利用不可なシートが排出され、第2排出部16に再利用可能なシートが排出される。制御部5は、デフォルトでは第1モードに設定される。
【0023】
制御部5(搬送制御部58)は、給紙部11からシートを給紙し(Act2、図5の(i))、消去部12によりシートの両面の画像を消去する(Act3、図5の(ii))。制御部5は、画像消去済みのシートの両面を読取部13により読み取る(Act4)。
制御部5は、画像データに基づいてシートが再利用可能か否かの判定処理を開始する(Act5)。具体的に、制御部5は、読取部13からの画像データをHDD54に格納する。制御部5は、HDD54内の画像データに基づき、シートが再利用可能か否かの判定処理を開始する。制御部5(判定部55)は、両面共に消去残りが無ければ当該シートを再利用可能と判定する。制御部5は、少なくとも一面に消去残りや折れがある場合、当該シートを再利用不可と判定する。
【0024】
制御部5(搬送制御部58)は、シートを読み取った後、シートを分岐点21を経て第1排出部15側まで搬送する。第1排出部15側まで搬送されたシートは、第1排出ローラ41により第1排出部15に向けて搬送される(Act6、図5の(iii)、(iv))。判定部55による判定処理は、遅くとも、シートが第1排出ローラ41によって第1排出部15に排出しきらないうちに終了する。
制御部5は、判定情報が第1排出部15に対応付けられている場合、すなわち判定情報がシートは再利用可能との判定である場合(Act7:YES、Act8:YES)、シートを第1排出部15に排出する(Act9)。
【0025】
制御部5は、判定情報が第2排出部16に対応付けられている場合、すなわち判定情報がシートは再利用不可との判定である場合(Act8:NO)、シートをスイッチバック搬送する。具体的に、制御部5は、シートの一部を第1搬送路2から第1排出部15に排出し、シートの読取部13側から第1排出部15側へのシート搬送方向の上流端を分岐点21より前記シート搬送方向の下流側に位置づけた後(図5の(iv))、シートを第2搬送路3にスイッチバック搬送する(Act10、図5の(v))。制御部5は、第2搬送路3内のシートを第2排出部16に排出する(Act11、図5の(vi))。
【0026】
ここで、シートをスイッチバックせず、分岐点にてシートを振り分ける消去装置を考える。この装置では、分岐点にて搬送路が2股に別れており、一方の搬送路は第1排出部まで延び、他方の搬送路は第2排出部まで延びる。この消去装置では、読取部から分岐点までのシート搬送方向の長さが、判定処理完了までにかかる時間の間にシートが搬送される距離より長くなっている。従って、この消去装置では、読取部13から分岐点までシートを搬送する間に判定処理が完了する。そして、この消去装置では、判定処理の結果に基づいて、分岐点にてシートを第1排出部側または第2排出部側に振り分ける。
【0027】
一方、本実施形態では、第1搬送路2のシート搬送方向下流側をスイッチバックに用いる。そして、制御部5は、判定情報によっては、シートの一部が第1排出部15に排出されるまでシートを第1排出部15側に搬送し、シートのシート搬送方向上流端を分岐点21より下流側に位置づけた後、シートを第2搬送路3側にスイッチバックする。
【0028】
すなわち、本実施形態では、シートを第2排出部16に排出する際には、シートは、シートの一部が第1排出部15に排出される経路を経ることとなる。読取部13から第1排出部15の上方までのシート搬送方向の距離が、前述した比較例の消去装置の読取部から分岐点(分岐位置)までの距離に相当するのである。このように、本実施形態では、第1排出部15の上方あるいは内部の空間を、読取部13から分岐位置までの第1搬送路2の一部として用いるため、その分、読取部13から分岐位置までの第1搬送路2の長さを短縮できる。これにより、本実施形態では、消去装置100の高さを抑制できる。
【0029】
制御部5は、第2モードに設定されている場合において(Act7:NO)、判定情報がシートは再利用可能との判定である場合(Act12:YES)、シートを第1排出部15に一部が排出される位置まで搬送した後、シートを第2搬送路3側にスイッチバック搬送する(Act13)。そして、制御部5は、シートを第2排出部16に排出する(Act14)。制御部5は、判定情報がシートは再利用不可との判定である場合(Act12:NO)、シートを第1排出部15に排出する(Act15)。
【0030】
なお、制御部5は、先行シートを第1排出部15に排出する処理(図5の(iv))、後続シートを読取部13に搬送する処理(図5の(ii))、給紙部11からシートを第1搬送路2内に搬送する処理(シートを消去部12に搬送する処理、図5の(i))を同時に行う。また、本実施形態では、第1搬送路2内の先行シートを第2搬送路2内にスイッチバック搬送する間に、後続シートを読取部13に搬送する処理(図5の(ii))と、給紙部11からシートを第1搬送路2内に搬送する処理(図5の(i))とを同時に行う。本実施形態では、消去装置100内で同時に3枚のシートが処理される。
【0031】
図6は、第1排出ローラ41および分岐部材14の構成を示す拡大図である。
第1排出ローラ41の駆動軸と第2駆動源62の駆動軸とにはベルト521が巻き回されている。ベルト521は、第2駆動源62の回転駆動力を第1排出ローラ41に伝達する。
分岐部材14は、フラッパ141と、バネ142(弾性部材)と、ストッパ部143とを備える。
【0032】
フラッパ141は、中央部分に回転軸144を備え、回転軸144を中心に回転する。フラッパ141は、先端を第1排出部15側に向けて配置される。フラッパ141の一端は、バネ142により図6中下方に引っ張り力をうける。これにより、フラッパ141は、図6中時計回りに回動し、フラッパ141の他端である先端が第1搬送路2内に突出する第1位置に変位する。第1位置では、フラッパ141は、先端が第1搬送路2内に突出して読取部13側から分岐点21に進行するシートの進行を妨げる位置に位置づけられる。フラッパ141の一端の図6中下方にストッパ部143がある。ストッパ部143は、フラッパ141の第1位置となる方向への時計回りの回転を所定の位置で静止する。
【0033】
バネ142による弾性力は非常に弱い。そのため、フラッパ141は、シートが読取部13側から第1排出部15側へ搬送される際に、図7に示されるように、シートに押されて反時計方向に回動する。そして、フラッパ141は、先端が第1位置より第2搬送路3側に位置しシートの搬送を妨げない第2位置に第1位置から切り替わる。バネ142は、シートがフラッパ141を押す力よりも小さい弾性力でフラッパ141を付勢する。
【0034】
フラッパ141は、シートが分岐点21を通過すると、図8に示すように、バネ142による弾性力により第2位置から再び第1位置に変位する。制御部5は、シートを再利用不可と判定すると、第2駆動源62を逆回転させてシートを第1排出部15側から分岐点21側に向けてスイッチバック搬送する。この際、フラッパ141は、先端が第1搬送路2内に突出する第1位置となっているので、第1排出部15側から分岐点21にスイッチバックするシートを第2搬送路3側へ案内する。
【0035】
ここで、従来、搬送装置の分岐部材では、フラッパを駆動するのにソレノイド等の専用の装置を用いる。従って、コストアップの原因となるソレノイド等の専用の装置を不要とする技術が求められる。
このような課題に対し、本実施形態では、シートを読取部13側から第1排出部15側へ搬送するだけで、フラッパ141は、シートの力により押されてシートの進行を妨げない第2位置となる。また、フラッパ141は、シートが通過した後にはバネの弾性力により先端が第1搬送路2内に突出する第1位置に戻るため、シートが分岐点21にスイッチバック搬送される際には、シートを第2搬送路3側に振り分けることができる。従って、本実施形態では、ソレノイド等の専用の装置無しにフラッパ141を自動で適切に駆動でき、コストを低減できる。
【0036】
ところで、従来の搬送ローラの駆動技術を本実施形態に適用する場合、排出ローラと読取部側の搬送ローラとは同一の駆動源により駆動され、同一方向に駆動されることとなる。従来の搬送ローラの駆動技術では、先行シートを第1排出部15側から分岐点21側へスイッチバック搬送する間に後続シートを読取部13へ搬送することはできない。従来の搬送ローラの駆動技術では、一旦、先行シートを第1排出部15側から分岐点21側へスイッチバック搬送した後に、後続シートを読取部13へ搬送する必要がある。従って、従来の搬送ローラの駆動技術を本実施形態に適用する場合、処理時間が長くなるという問題がある。
【0037】
このような課題に対し、本実施形態では、読取部13側の搬送ローラ43を駆動する第1駆動源61(図1)と、第1排出ローラ41を駆動する第2駆動源62とが別に設けられている。そのため、本実施形態では、読取部13側の搬送ローラ43と第1排出ローラ41とを同時に逆方向に駆動できる。そのため、先行シートを第1排出部15側から分岐点21側へスイッチバックする間に、後続シートを読取部13へ搬送でき、処理時間を短縮できる。
【0038】
なお、フラッパ141を、重力を用いて先端が第1搬送路2内に突出する第1位置となるように構成してもよい。例えば、図8のフラッパ141の回転軸144より右側が、フラッパ141の回転軸144より左側よりも重く構成されていてもよい。この場合、シートが読取部13側から分岐点21に進行する際には、フラッパ141はシートに押されて反時計回りに回動し、シートの進行を妨げない第1位置となる。フラッパ141は、シートが分岐点21を通過すると、再び自重により時計回りに回動し、先端が第1搬送路2内に突出する第1位置に戻る。これにより、フラッパ141は、シートが第1排出部15側から分岐点21にスイッチバック搬送される際にシートを第2搬送路3側に案内する。
【0039】
図9は、他の分岐部材14Aの構成を示す拡大図である。
分岐部材14Aでは、フラッパ141の回転軸144に設けられたプーリ145と、第1排出ローラ41の駆動軸とにベルト522が巻き回されている点が図8の分岐部材14と異なる。フラッパ141は、向きの異なる回転駆動力がベルト522を介して伝達されることにより、第1搬送路2内における読取部13側から分岐点21に進行するシートの進行を妨げない位置に先端が位置づけられる第3位置(図10)と、第1排出部15側から分岐点21に進行するシートを第2搬送路3側へ案内する図9の第4位置とに位置が切り替わる。
【0040】
ストッパ部146,147は、フラッパ141の一端の図9中上方および下方にある。
フラッパ141は、図9中反時計方向に回動して読取部13側から進行するシートの進行を妨げない第3位置に変位する際に、ストッパ部146(第1ストッパ部)によりその回動が止められる。また、フラッパ141は、図9中時計方向に回動して第1排出部15側から進行するシートを第2搬送路3側へ案内する第4位置に変位する際に、ストッパ部147(第2ストッパ部)によりその回動が止められる。
【0041】
フラッパ141と第1排出ローラ41の駆動軸との間には、フラッパ141がストッパ部146,147により回転が止められている際に、フラッパ141に伝達される回転駆動力を切断するクラッチがある。例えば、プーリ145は、クラッチを内蔵する。プーリ145は、フラッパ141の回転が止められている際には、フラッパ141の回転軸144上を滑り、フラッパ141に所定以上の力を付与しない。
【0042】
図10に示すように、シートが読取部13側から分岐点21側に搬送される際、制御部5により第2駆動源62の駆動軸は、図10中反時計方向に回転駆動する。フラッパ141は、第2駆動源62からベルト521,522を介して伝達される駆動力により、図10中反時計方向に回転して、読取部13側から進行するシートの進行を妨げない第3位置となる。これにより、シートは、フラッパ141に妨げられることなく分岐点21を通過する。
【0043】
図11に示すように、制御部5は、シートを再利用不可と判定し、かつシートのシート搬送方向上流端が分岐点21を通過したことをセンサ172により検知すると、第2駆動源62を図12中時計方向に回転し、シートを第1排出ローラ41により分岐点21に向けてスイッチバック搬送する。この際、フラッパ141は、ベルト521,522を介して伝達される駆動力により図11中時計方向に回動し、第1排出部15側から進行するシートを第2搬送路3側へ案内する第4位置となる。フラッパ141は、第1排出部15側から分岐点21にスイッチバックするシートを第2搬送路3側に案内する。
【0044】
(第2実施形態)
図12は、消去装置100Aの構成を示す図である。
本実施形態では、消去装置100Aは、PC(Personal Computer)等の外部装置200と通信し、外部装置200の処理能力を用いて消去処理を行う。外部装置200は、プロセッサ、ASIC、メモリ、およびHDDを備える。外部装置200は、消去装置100から所定のシートの両面の画像データを受信し、画像データに基づきシートが再利用可能か否かを判定する。本実施形態では、外部装置200が、シートが再利用可能か否かを判定する判定部として機能する。また、外部装置200に画像データを送受信する消去装置100Aの通信部10が、判定部に画像データを送信する送信部として機能する。消去装置100Aの通信部10が、外部装置200からシートが再利用可能か否かの判定情報を受信する受信部として機能する。
【0045】
第1搬送路2は、読取部13側から下方に進んだ後、図12において側方(左方)に曲がって第1排出部15に至る。分岐部材14は、フラッパ141、およびフラッパ141を回転駆動するソレノイドを備える。シート搬送方向において読取部13の読み取り領域A1と分岐部材14との距離は、消去対象のシートのうち、シート搬送方向の長さが最大となるA4−Rサイズのシート搬送方向の長さより長い。
【0046】
以下、消去装置100Aによる消去処理を図13のフローチャートを用いて簡略に説明する。
制御部5は、本実施形態では、第1排出部15に再利用可能なシートが排出される第1モードに設定される(Act1)。
制御部5は、給紙部11からシートを給紙し(Act2、図12の(i))、消去部12によりシートの両面の画像を消去する(Act3、図12の(ii))。制御部5は、画像消去済みのシートの両面を読取部13により読み取り、読み取った画像データをメモリ53に記憶する(Act4、図12の(iii))。制御部5は、通信部10を介して外部装置200にメモリ53内の画像データを送信する(Act41)。
【0047】
画像データを受信した外部装置200は、画像データに基づいてシートが再利用可能か否かの判定処理を開始し(Act5)、再利用可否の判定が完了すると、判定情報を消去装置100Aに送信する。
制御部5は、シートを読み取った後、シートを分岐点21を経て第1排出部15側まで搬送する(Act6)。制御部5は、排出ローラ41により、シートを一部が第1排出部15側に排出した状態で一時停止させる(Act61:図12の(iv))。
【0048】
制御部5は、第1排出部15側でシートを一時停止させる際、同時に後続シートの両面を読取部13により読み取り、後続シートを分岐点21の手前で一時停止状態とする(図12の(iii))。
後続シートを分岐点21の手前で一時停止させるのは、先行シートを第2排出部16に排出する必要がある場合、先行シートを第1排出部15側から第2搬送路3側へスイッチバック搬送させるまで、後続シートを分岐点21より第1排出部15側に移動させることができないからである。
【0049】
各シートの処理工程を一時停止とした状態で通信部10が外部装置200から再利用可否の判定情報を受信し(Act62:YES)、判定情報がシートは再利用可能との判定である場合(Act7:YES、Act8:YES)、制御部5は、先行シートを第1排出部15にそのまま排出する(Act9:YES。図12の(v))。この際、制御部5は、先行シートを第1排出部15に排出するのと同時に、分岐点21の手前で一時停止となっている後続シート(図12の(iii))を第1排出部15側に進め、当該後続シートの判定情報を受信するまで一時停止とする(図12の(iv))。また、制御部5は、各処理部12,13の手前で一時停止となっている各シート(図12の(i)、(ii))を次工程(読み取り処理、消去処理)に進める。
【0050】
このように、本実施形態では、排出割合の多い第1排出部15のすぐ手前でシートを一時停止させるので、判定情報を受信すると、多くの場合すぐにシートを第1排出部15側に排出できる。そのため、毎回、分岐点21のシート搬送方向上流側で先頭シートを一時停止させる場合に比べ、シートの判定情報を得てからの処理時間を短縮でき、その分、消去処理に係る全体の時間を短縮できる。
【0051】
判定情報がシートは再利用不可との判定である場合(Act8:NO)、制御部5は、第1排出部15側の一時停止位置からシートを第2搬送路3側にスイッチバック搬送した後(Act10、図12の(vi))、シートを第2排出部16に排出する(Act11、図4の(vii))。制御部5は、シートを第2排出部16に排出する同時に、一時停止となっていた各後続シートを次工程に進める。
【0052】
消去装置100は、消去品質、安全性、および読み取り品質の観点から、消去中および読み取り中にシートの搬送を停止できない。このため、消去装置100では、上述したように、消去部12および読取部13の前後にシートの一時停止スペースが設けられている。各一時停止スペースで一時停止するシートは、先行するシートがいずれかの排出先15,16に排出される毎に、次の一時停止スペースに進む。
本実施形態では、消去装置100内で同時に4枚のシート(図12の(i)〜(vi))が処理される。
【0053】
(第3実施形態)
図14は、消去装置100Bの構成を示す図である。
給紙部11から第1排出部15に至る第1搬送路2は、環状搬送路201と、給紙部11から環状第1搬送路201に至る第3搬送路202と、環状搬送路201から第1排出部15に至る第4搬送路203とを備える。環状搬送路201には、読取部13および消去部12が設けられる。環状搬送路201には、第3搬送路202との接続点204と、第4搬送路202との接続点205とがある。
【0054】
制御部5は、給紙部11からシートを給紙して環状搬送路201に搬送し、読取部13にてシートの両面を読み取る。読取部13が取得する画像データはメモリ43が記憶する。制御部5は、読取部13にてシートに読み取り処理した後、シートの両面を消去部12にて消色処理する。その後、制御部5は、再度読取部13にてシートの両面を読み取り処理する。制御部5は、画像データに基づいて再利用の可否判定を開始する。制御部5は、シートを第1排出部15側に搬送する。
【0055】
制御部5は、シートは再利用可能と判定する場合、シートを第1排出部15に排出する。制御部5は、シートは再利用不可と判定する場合、シートを第2搬送路3側にスイッチバック搬送し、第2排出部16に排出する。
ところで、第4搬送路202において、分岐点21側には第1曲がり部206がある。また、第2搬送路3において分岐点21側には第2曲がり部31があり、第2排出部16側には第3曲がり部32がある。
【0056】
分岐点21では、第1搬送路2における分岐点21の読取部13側から第1排出部15側へのシート搬送方向の上流側にある第1曲がり部206と、第2搬送路3における分岐点21のシート搬送方向下流側にある第2曲がり部31とが合流する。
第2曲がり部31の曲率半径R2は、第1曲がり部206の曲率半径R1よりも大きい。第1曲がり部206の曲率半径R1を小さくしたのは、第1曲がり部206では、消去時に加熱されたシートはまだ高温状態を保っているため、ある程度曲率半径R1が小さくてもシート詰まりが生じにくいからである。また、曲率半径R1をある程度小さくすることは、装置の高さを抑え、省スペース化に寄与する。
【0057】
一方、第2曲がり部31は、スイッチバック搬送後の経路であり、第1曲がり部206の通過時に比べ時間が経過しているので、第2曲がり部31を通過するシートは冷却されてカールしている場合がある。そのため、第2曲がり部31では第1曲がり部206よりもシート詰まりが生じやすいと言えるため、第2曲がり部31の曲率半径R2は、第1曲がり部206の曲率半径R1よりも大きくされている。
【0058】
第3曲がり部32の曲率半径R3は、第1曲がり部206の曲率半径R1よりも大きく、好ましくは第2曲がり部31の曲率半径R2以上とされる。シートが第3曲がり部32に至る頃には、シートは第2曲がり部31にいる際よりもより冷却されカールが進む可能性があるので、第3曲がり部32の曲率半径R3は、第2曲がり部31以上とされ、少なくとも第1曲がり部206よりも大きくされる。
【0059】
また、排出ローラ41は、対向する1対のローラを備え、シートを第2曲がり部31において一点支持によりスイッチバック搬送する。このようにすることにより、複数点でシートを支持する場合に比べ、搬送中のシートのこしを弱めることができる。これにより、本実施形態では、シートがたとえカールしていたとしても、シートを第2曲がり部31内の壁面に沿って湾曲させやすくでき、第2曲がり部31内においてシート詰まりが生じることを抑制できる。
【0060】
ここで、シート上の画像の読み取りだけを行う読み取りモードに消去装置100Bを設定できるように消去装置100Bを構成することを考える。単にそのように消去装置100Bを構成する場合、読み取りモードに設定する際には、読み取ったシートを第1排出部15および第2排出部16のうちのいずれかの排出部15,16に排出するのかをユーザが設定する必要があり、設定が煩わしいという問題がある。
【0061】
このような課題に対し、本実施形態では、操作入力部18に対する操作入力により、制御部5は、読み取り処理だけを行う読み取りモードに設定できる。制御部5は、読み取りモードに設定されると、読み取り処理したシートを第1排出部15、または第2排出部16のいずれかに排出するように予め設定される。以下、読み取り処理したシートの排出先の設定方法を、図14を参照して説明する。
【0062】
まず、第1搬送路2における分岐点21から第1排出部15までにある湾曲部分の曲率半径の合計と、第2搬送路3にある湾曲部分の曲率半径の合計とを比較する。そして、第1搬送路2における分岐点21から第1排出部15までにある湾曲部分の曲率半径の合計の方が小さければ、第1排出部15を、読み取り処理したシートの排出先に設定する。第2搬送路3にある湾曲部分の曲率半径の合計の方が小さければ、第2排出部16を読み取り処理したシートの排出先に設定する。
【0063】
本実施形態では、図14に示されるように、第1搬送路2における分岐点21から第1排出部15までにある湾曲部分の曲率半径の合計は0であり、第2搬送路3にある湾曲部分の曲率半径の合計はいくらかあるので、第1排出部15を読み取り処理したシートの排出先に設定する。これにより、カーブの緩い経路を経る排出部側にシートを排出でき、シート詰まりを抑制できる。
【0064】
なお、読取部13から第1排出部15までの経路にある湾曲部分の曲率半径の合計の方が、読取部13から第2排出部16までの経路にある湾曲部分の曲率半径の合計よりも小さい場合に、第1排出部15をシートの排出先に設定してもよい。読取部13から第1排出部15までの経路にある湾曲部分の曲率半径の合計の方が、読取部13から第2排出部16までの経路にある湾曲部分の曲率半径の合計よりも大きい場合に、第2排出部16をシートの排出先に設定してもよい。
【0065】
記録媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であってもよい。具体的に、記録媒体としては、例えば、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体、コンピュータプログラムを保持するデータベース、あるいは他のコンピュータ並びにそのデータベースなどが挙げられる。インストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。プログラムは、その一部または全部が、動的に生成される実行モジュールであってもよい。
前記各実施形態における各処理の順序は、前記各実施形態で例示した順序と異なっていてもよい。
【0066】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0067】
第1搬送路 2、第2搬送路 3、給紙部 11、読取部 13、分岐部材 14、第1排出部 15、第2排出部 16、搬送部材(第1排出ローラ) 41、シート振り分け装置(消去装置) 100。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開特開2011−207225号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを給紙する給紙部と、
シート上の画像を読み取る読取部と、
シートが排出される第1排出部および第2排出部と、
前記読取部から前記第1排出部まで延びる第1搬送路と、
前記第1搬送路の分岐点から分岐して前記第2排出部まで延びる第2搬送路と、
前記分岐点に配置され、前記第1排出部側から前記分岐点に進行するシートを前記第2搬送路に振り分ける分岐部材と、
前記第1排出部と前記分岐部材との間に配置され、シートの排出先が前記第1排出部である場合には、シートを前記第1排出部へ排出し、シートの排出先が前記第2排出部である場合には、シートの一部を前記第1搬送路から前記第1排出部に突出させ、シートの前記読取部側から前記第1排出部側へのシート搬送方向の上流端を前記分岐点より前記シート搬送方向の下流側に位置づけた後、前記分岐部材を介してシートを前記第2搬送路にスイッチバック搬送する搬送部材と、
を備えるシート振り分け装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記読取部で読み取った前記画像データに基づいてシートが再利用可能か否かを判定し、シートの排紙先を前記第1排出部あるいは前記第2排出部のいずれかとすることを特徴とする請求項1に記載のシート振り分け装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記読取部で画像を読み取られたシートが前記判定情報を取得する前に前記分岐点を通過する場合には、前記搬送部材によって、シートの一部を前記第1搬送路から前記第1排出部に突出させ、前記判定情報を取得してシートの排紙先を判断するまで前記搬送部材によるシートの搬送を一時停止させることを特徴とする請求項1あるいは請求項2のいずれか1項に記載のシート振り分け装置。
【請求項4】
前記分岐部材は、フラッパと弾性部材を有し、
前記フラッパは、先端を前記第1排出部側に向けて配置され前記先端が前記第1搬送路内に突出した第1位置と、前記先端が前記第1位置より前記第2搬送路側に位置し、前記読取部から前記分岐点へ向かって前記第1搬送路を搬送されるシートの搬送を妨げない第2位置と、の間で回動し、前記第1位置において、前記読取部から搬送されるシートに押されて前記第2位置に切り替わり、前記搬送部材によって前記第1排出部側から前記分岐点にスイッチバック搬送されるシートを前記第2搬送路へ案内し、
前記弾性部材は、シートが前記フラッパを押す力よりも小さい弾性力で前記フラッパを付勢し、前記読取部から搬送されるシートが前記フラッパを通過した場合に、前記フラッパを前記第2位置から前記第1位置へ変位させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシート振り分け装置。
【請求項5】
シート上の画像を消去する消去部を備え、
前記読取部は、前記消去部が消去したシート上の画像を読み取ることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のシート振り分け装置。
【請求項1】
シートを給紙する給紙部と、
シート上の画像を読み取る読取部と、
シートが排出される第1排出部および第2排出部と、
前記読取部から前記第1排出部まで延びる第1搬送路と、
前記第1搬送路の分岐点から分岐して前記第2排出部まで延びる第2搬送路と、
前記分岐点に配置され、前記第1排出部側から前記分岐点に進行するシートを前記第2搬送路に振り分ける分岐部材と、
前記第1排出部と前記分岐部材との間に配置され、シートの排出先が前記第1排出部である場合には、シートを前記第1排出部へ排出し、シートの排出先が前記第2排出部である場合には、シートの一部を前記第1搬送路から前記第1排出部に突出させ、シートの前記読取部側から前記第1排出部側へのシート搬送方向の上流端を前記分岐点より前記シート搬送方向の下流側に位置づけた後、前記分岐部材を介してシートを前記第2搬送路にスイッチバック搬送する搬送部材と、
を備えるシート振り分け装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記読取部で読み取った前記画像データに基づいてシートが再利用可能か否かを判定し、シートの排紙先を前記第1排出部あるいは前記第2排出部のいずれかとすることを特徴とする請求項1に記載のシート振り分け装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記読取部で画像を読み取られたシートが前記判定情報を取得する前に前記分岐点を通過する場合には、前記搬送部材によって、シートの一部を前記第1搬送路から前記第1排出部に突出させ、前記判定情報を取得してシートの排紙先を判断するまで前記搬送部材によるシートの搬送を一時停止させることを特徴とする請求項1あるいは請求項2のいずれか1項に記載のシート振り分け装置。
【請求項4】
前記分岐部材は、フラッパと弾性部材を有し、
前記フラッパは、先端を前記第1排出部側に向けて配置され前記先端が前記第1搬送路内に突出した第1位置と、前記先端が前記第1位置より前記第2搬送路側に位置し、前記読取部から前記分岐点へ向かって前記第1搬送路を搬送されるシートの搬送を妨げない第2位置と、の間で回動し、前記第1位置において、前記読取部から搬送されるシートに押されて前記第2位置に切り替わり、前記搬送部材によって前記第1排出部側から前記分岐点にスイッチバック搬送されるシートを前記第2搬送路へ案内し、
前記弾性部材は、シートが前記フラッパを押す力よりも小さい弾性力で前記フラッパを付勢し、前記読取部から搬送されるシートが前記フラッパを通過した場合に、前記フラッパを前記第2位置から前記第1位置へ変位させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシート振り分け装置。
【請求項5】
シート上の画像を消去する消去部を備え、
前記読取部は、前記消去部が消去したシート上の画像を読み取ることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のシート振り分け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−250851(P2012−250851A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−125372(P2012−125372)
【出願日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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