説明

シート材搬送装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】記録媒体等のシート材が湾曲搬送箇所を通過する際の騒音を抑制することができるシート材搬送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写紙Pを湾曲させて搬送方向を変更するターン部(湾曲搬送箇所)に対し、転写紙Pの後端側部分に搬送力を付与することで転写紙Pの先端を突入させ、転写紙Pの先端をターン部の外側ガイド部材25に沿って移動させることで搬送方向を変更させ、ターン部に設けられた内側ガイド部材23と外側ガイド部材24,25とで転写紙Pを湾曲させた状態に規制しながら転写紙Pを搬送する搬送装置において、ターン部の外側ガイド部材24と内側ガイド部材23との間に電界を発生させることにより、転写紙Pをクーロン力をもって外側ガイド部材24側に引き付けるシート材引き付け手段たる電極26、電極用電源27、電極電源制御部28を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材を湾曲させてシート材搬送方向を変更する湾曲搬送箇所を通過させてシート材を搬送するシート材搬送装置、及び、これを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置、インクジェット記録装置、印刷機等の画像形成装置は、その装置全体の小型化を図るため、画像が形成されるシート状の記録媒体(シート材)の搬送機構の小型化が要求されている。特に、サイズや材質の異なる多様な種類の記録媒体への画像形成に対応した画像形成装置においては、複数種類の記録媒体を予め個別の記録媒体収容部に収容しておき、画像形成時にユーザーが適宜選択した種類の記録媒体を供給するものが多い。このような画像形成装置では、記録媒体収容部による画像形成装置内の占有スペースが多いので、搬送機構の小型化がより強く要求される。
【0003】
このような要求に応えるため、上記記録媒体収容部を記録媒体への画像形成を行う画像形成部の下方に配置し、記録媒体収容部の水平方向一端部から略水平方向へ送り出される記録媒体を上方に向けて搬送することで、画像形成部に記録媒体を送り込む画像形成装置が知られている。このような記録媒体の搬送を、画像形成装置を水平方向へ大型化させないように実現するためには、記録媒体収容部からの送り出された記録媒体の搬送方向を水平方向から上方へ変更する箇所において、記録媒体の搬送方向を急激に変更する必要がある。
【0004】
この箇所(湾曲搬送箇所)において記録媒体を通過させる場合、通常、その湾曲搬送箇所に対して記録媒体搬送方向上流側に位置する搬送ローラ等により記録媒体に搬送力を付与して、記録媒体の先端を当該湾曲搬送箇所に送り込む。これにより、その記録媒体の先端は、湾曲搬送箇所に突入し、当該湾曲搬送箇所の湾曲外側ガイド部材に衝突する。そして、その記録媒体の後端側部分が上記搬送ローラ等により更に送り出されることで、記録媒体の先端は、湾曲外側ガイド部材に摺動しながら記録媒体搬送方向下流側に向けて移動する。これにより、湾曲搬送箇所で記録媒体が湾曲して記録媒体の搬送方向が変更され、記録媒体が当該湾曲搬送箇所を通過する。
【0005】
上記湾曲搬送箇所では、記録媒体を湾曲外側ガイド部材に衝突させて記録媒体の搬送方向を急激に変更するため、記録媒体の搬送性が低下してしまう。そこで、例えば、特許文献1には、記録媒体の先端がこの湾曲搬送箇所を通過するときに、記録媒体を搬送経路に向けて給送する給送ローラと搬送経路中に設けられた搬送ローラの両方を回転させ、湾曲搬送箇所における記録媒体の搬送性の向上を図るシート給送装置が開示されている。また、例えば、特許文献2には、湾曲搬送箇所において、湾曲外側ガイド部材に対向するように湾曲内側に回転駆動されるターンローラを設け、湾曲搬送箇所における記録媒体の搬送性の向上を図るシート給送装置が開示されている。このシート給送装置では、記録媒体の先端が湾曲搬送箇所のある位置まで進入すると、記録媒体が自身のもつコシによってターンローラに押圧されてターンローラによる搬送力を得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、記録媒体の搬送方向を急激に変更する湾曲搬送箇所をもつシート給送装置では、記録媒体の先端が通過する際に大きな衝突音が発生し、耳障りな騒音が生じるという問題があった。従来は、記録媒体の先端が湾曲外側ガイド部材に衝突するときの衝突音さえ低減できれば、この騒音を抑制できると考えられていたが、本発明者による鋭意研究の結果、この衝突音を低減しても、その騒音抑制効果は不十分であることが判明した。そして、この騒音抑制効果が不十分である原因については検討したところ、記録媒体の先端が湾曲外側ガイド部材に衝突するときの衝突音だけでなく、湾曲搬送箇所に設けられた湾曲内側ガイド部材に記録媒体の湾曲内側面が衝突するときの衝突音も騒音の原因となることを突き止めた。
【0007】
上述した特許文献1においても、記録媒体が湾曲搬送箇所を通過するとき、記録媒体の湾曲内側面が湾曲内側ガイド部材に衝突して大きな衝突音が発生してしまう。また、特許文献2においても、同様に記録媒体が湾曲搬送箇所を通過するときに、記録媒体の湾曲内側面がターンローラに衝突して大きな衝突音が発生してしまう。
【0008】
なお、記録媒体以外であっても、可撓性のシート材であれば、そのシート材の搬送方向を急激に変更する湾曲搬送箇所をシート材の先端が通過する際には、シート材の先端が湾曲外側ガイド部材に衝突するときの衝突音とは別に、シート材の湾曲内側面が湾曲内側ガイド部材に衝突するときの衝突音を発生して騒音を生じさせる。よって、記録媒体以外のシート材であっても、同様の問題が生じ得る。
【0009】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、記録媒体等のシート材が湾曲搬送箇所を通過する際の騒音を抑制することができるシート材搬送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、シート材を湾曲させてシート材搬送方向を変更する湾曲搬送箇所に対し、該シート材の後端側部分に搬送力を付与することで該シート材の先端を突入させ、該シート材の先端を該湾曲搬送箇所の湾曲外側ガイド部材に沿って移動させることでシート材搬送方向を変更させ、該湾曲搬送箇所に設けられた湾曲内側ガイド部材と湾曲外側ガイド部材とで該シート材を湾曲させた状態に規制しながら該シート材を搬送するシート材搬送装置において、上記湾曲搬送箇所の湾曲外側ガイド部材と湾曲内側ガイド部材との間に電界を発生させることにより、該シート材をクーロン力をもって該湾曲外側ガイド部材側に引き付けるシート材引き付け手段を備えることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1のシート材搬送装置において、上記シート材引き付け手段は、上記湾曲外側ガイド部材に設置された電極と、該電極に電圧を印加する電極用電源と、該電極用電源が該電極に印加する電圧を制御する電極電圧制御手段とを備え、該電極電圧制御手段が該電極用電源から該電極に所定の電圧を印加するタイミングは、仮に電圧印加を行わなかった場合に該シート材の湾曲内側面が該湾曲内側ガイド部材に衝突するタイミングであることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2のシート材搬送装置において、上記シート材を上記湾曲外側ガイド部材に引き付ける前に該シート材を帯電させるシート材帯電手段を備えることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項3のシート材搬送装置において、上記シート材帯電手段は、上記湾曲外側ガイド部材のシート材搬送面に設置されたフッ素樹脂からなる帯電部材であることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項3のシート材搬送装置において、上記シート材帯電手段は、上記シート材と接触する帯電部材と、該帯電部材に電圧を印加する帯電用電源と、該帯電用電源が該帯電部材に印加する電圧を制御する帯電電圧制御手段とを備えることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5のシート材搬送装置において、上記電極電圧制御手段は、上記シート材の厚みに応じて上記電極に印加する電圧を制御することを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6のシート材搬送装置において、上記電極電圧制御手段は、上記シート材の搬送速度に応じて上記電極に印加する電圧を制御することを特徴とするものである。
請求項8の発明は、搬送手段により画像記録シートを搬送するとともに、画像形成手段により該画像記録シート上に画像を形成する画像形成装置において、上記搬送手段として、請求項1、2、3、4、5、6、又は7の何れかのシート材搬送装置を用いることを特徴とするものである。
【0011】
本発明においては、シート材引き付け手段により湾曲搬送箇所で湾曲外側ガイド部材と湾曲内側ガイド部材との間に電界を発生させ、湾曲内側ガイド部材から湾曲外側ガイド部材方向へのクーロン力がシート材に働くようにする。これにより、シート材は湾曲外側ガイド部材側へ引き付けられ、シート材の湾曲内側面が湾曲内側ガイド部材に衝突することを未然に防止、若しくは衝突する力を低減させることができ、この衝突音に対する低減方策がなされていない従来装置と比較して騒音を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、記録媒体等のシート材が湾曲搬送箇所を通過する際の騒音を抑制することができるシート材搬送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る複写機の主要部の概略構成を示す構成図。
【図2】同複写機の搬送部の鉛直搬送路と斜め搬送路との連結箇所であるターン部を説明する構成図。
【図3】シート材引き付け手段を備えない従来の搬送部において、転写紙がターン部を通過する間に生じる紙搬送音を測定した結果を示す特性図。
【図4】図3の第1衝突音が生じる時の様子を説明する構成図。
【図5】図3の第2衝突音が生じるときの様子を説明する構成図。
【図6】同搬送部の構成例1を説明する構成図。
【図7】同搬送部のシート材引き付け手段の構成を示す部分拡大構成図。
【図8】同搬送部のシート材引き付け手段の構成を示す模式断面図。
【図9】構成例1における電圧制御を説明するタイミングチャート。
【図10】本構成例1において、転写紙がターン部を通過する間に生じる紙搬送音を測定した結果を示す特性図。
【図11】同搬送部の構成例2を説明する構成図。
【図12】同搬送部の構成例3を説明する構成図。
【図13】構成例3における電圧制御を説明するタイミングチャート。
【図14】同搬送部の構成例4を説明する構成図。
【図15】同搬送部の構成例5を説明する構成図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式の複写機(以下、単に「複写機」という。)に適用した一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る複写機の主要部の概略構成を示す構成図である。この複写機は、主に、画像読取部と、画像形成部と、給紙部と、搬送部とから構成される。本実施形態の複写機は、給紙部、搬送部、画像形成部、画像読取部の順に下方から積み上げられた配置構成となっており、これにより水平方向のコンパクト化が図られている。
【0015】
画像読取部は、公知の画像読取装置で構成され、原稿の画像情報を読み取って画像形成部へと受け渡す。画像形成部は、画像読取部で読み取った画像情報あるいは外部装置から送信されてきた画像情報に基づいた画像を、シート材としての記録媒体である転写紙Pに形成する。給紙部は、多数の転写紙Pをそれぞれ収容する給紙カセット20を複数備え、いずれかの給紙カセット20から1枚ずつ転写紙Pを送り出し、搬送部へと受け渡す。搬送部は、給紙部から送り出された転写紙Pを画像形成部へと搬送し、画像形成部で画像が形成された転写紙Pを機外へ排紙する。
【0016】
画像形成部は、図中時計回り方向に回転駆動する潜像担持体としての感光体1を備えている。感光体1の周囲には、帯電装置2、クリーニング装置3、現像装置4、転写装置5などが配置されている。また、感光体1の上方には、画像情報に応じたレーザビームLを感光体1の表面に向けて照射するレーザ光学系を含む潜像形成手段としての光書込装置が設けられている。帯電装置2は、感光体1の表面を所定電位に一様帯電させるもので、帯電ローラや帯電チャージャなどを用いた公知の帯電装置を広く利用することができる。光書込装置は、帯電装置2によって一様帯電された感光体1表面に対して画像情報に応じたレーザビームLを照射して静電潜像を形成するものである。この光書込装置についても、公知のものを広く利用することができる。現像装置4は、現像剤担持体である現像ローラ4aの表面に現像剤を担持させて感光体1と対向する現像領域へ現像剤を搬送し、感光体1上の静電潜像にトナーを静電的に付着させることで、静電潜像を現像する。現像装置4の上部には、現像により消費した分のトナーを現像装置4へ補給するためのトナー補給装置14が設けてある。現像装置4についても、公知のものを広く利用することができる。転写装置5は、現像装置4により現像されて感光体上に形成されたトナー像を転写紙Pに転写するものである。この転写装置5についても、公知のものを広く利用することができる。
【0017】
コピー命令や画像印刷命令等の画像形成命令が入力されると、本複写機の図示しない制御部は、画像読取部で原稿の画像情報を読み取る動作を行ったり、外部装置から送信されてきた画像情報を受信したりすることで、画像情報を取得する。その後、制御部は、画像形成命令に係る種類の転写紙Pを収容した給紙カセット20の給紙ローラ9を回転駆動させる。これにより、その給紙カセット20内の最上位の転写紙Pは分離ローラ10によって重送を防止されながら送り出される。このようにして給紙された転写紙Pは、更に搬送ローラ対8からの搬送力を受けて、内側ガイド部材23及び外側ガイド部材24、25によって構成される搬送路102を搬送される。この搬送路102は、鉛直方向に沿って延びる、内側ガイド部材23及び外側ガイド部材24間に構成される鉛直搬送路103と、画像形成部に向けて図中左斜め上方へ延びる、内側ガイド部材23及び外側ガイド部材25間に構成される斜め搬送路104とから構成される。なお、本複写機において、内側ガイド部材23と外側ガイド部材24、25には、電気亜鉛メッキ鋼(SECC)を用いている。
【0018】
上記搬送路102において、鉛直搬送路103から斜め搬送路104へ転写紙Pの搬送方向を切り替える湾曲搬送箇所となるターン部では、内側ガイド部材23と外側ガイド部材24との間の鉛直搬送路103を搬送されてきた転写紙Pの先端が、斜め搬送路104を構成する外側ガイド部材25に衝突し、その外側ガイド部材25のガイド面(下方を向いている面)に沿って摺動することで、転写紙Pの先端が斜め搬送路104へと送り込まれる。そして、転写紙Pの先端がレジストローラ6、7に到達した時点で、その転写紙Pの搬送が一時的に停止される。
【0019】
一方、画像情報を取得した制御部は、感光体1等の駆動系を駆動し、帯電装置2によって一様帯電された感光体1の表面にレーザビームLを照射して当該画像情報に応じた静電潜像を形成する。そして、その静電潜像を現像装置4によって現像し、これにより得られるトナー像が感光体1の回転に伴って転写装置5へと搬送される。このトナー像の先端が転写装置5へ搬送されるタイミングに合わせて転写紙Pが転写装置5へと送り込まれるようにレジストローラ6、7が回転駆動する。そして、転写紙Pは、感光体1上のトナー像を転写紙Pに転写する。このようにしてトナー像が転写された転写紙Pは、その後、加熱定着装置11へ搬送され、その加熱処理によって未定着トナーが転写紙Pに定着される。その後、トナー像が定着された転写紙Pは、排紙ローラ21によって排紙口22より排紙トレイ部105上に排出載置される。
【0020】
図2は、鉛直搬送路と斜め搬送路との連結箇所であるターン部を示す構成図である。一般に、鉛直搬送路103から斜め搬送路104へ転写紙Pの搬送方向を切り替える際、湾曲搬送箇所となるターン部において、転写紙Pが大きな曲率で湾曲することになる。このとき、そのターン部の湾曲内側に位置する湾曲内側ガイド部材としての内側ガイド部材23が存在しないと、その箇所で湾曲する転写紙Pの曲率が小さくなり、転写紙Pの搬送経路が斜め搬送路104の下側を通るおそれがある。この場合、転写紙Pが斜め搬送路104の下側に存在する図示しない部材に接触してしまい、転写紙Pが汚れたり、ジャムが発生したりするなどの不具合を引き起こすおそれがある。そのため、本複写機では、ターン部を通過する転写紙Pが所望の大きな曲率で湾曲するように、内側ガイド部材23には、鉛直搬送路103の下流側端部が鉛直方向に対して所定の角度だけ開くようにエッジ部が形成されている。これにより、転写紙Pの湾曲内側面は、内側ガイド部材23のエッジ部に規制されて、それ以上は湾曲内側へ変位できなくなるので、転写紙Pが当該ターン部を通過する間は大きな曲率が維持される。
【0021】
ところが、このターン部においては、転写紙Pの先端が通過する際に大きな衝突音による騒音が発生する。本発明者は、この騒音の原因を突き止めるべく、転写紙Pがターン部を通過する間に生じる紙搬送音を測定した。その測定結果を図3に示す。
【0022】
図3は、シート材引き付け手段を備えない従来の搬送部において、転写紙Pがターン部を通過する間に生じる紙搬送音を測定した結果を示す特性図である。このグラフは、横軸に時間をとり、縦軸に音圧レベルをとったものである。この測定結果から、このターン部を通過する際に発生する大きな紙搬送音は、図中符号A1で示す衝突音に、図中符号B1で示す衝突音が重畳していることが判明した。第1衝突音A1は、図4中符号Xに示すように、外側ガイド部材24に転写紙Pの先端が衝突したときに発生する衝突音である。第2衝突音B1は、図5中符号Yに示すように、内側ガイド部材23のエッジ部に、転写紙Pの湾曲内側面(図中左側の面)が衝突したときに発生する衝突音である。これらの衝突音の発生レベルは、第1衝突音A1よりも第2衝突音B1の方が大きいことも判明した。そこで、本実施形態では、この第2衝突音B1を低減させるべく、ターン部を通過する転写紙Pを外側ガイド部材24側に引き付けるシート材引き付け手段を設置するものである。
【0023】
〔構成例1〕
次に、シート材引き付け手段を備えた搬送部の構成例1について具体的に説明する。図6は、搬送部の構成例1を説明する構成図である。図7は、シート材引き付け手段の構成を示す部分拡大構成図である。本構成例1においては、図6に示すように、内側ガイド部材23のエッジ部に対向する位置に、ステンレス鋼(SUS)からなる電極26が設置されている。この電極26は、図7に示すように、絶縁性の樹脂材料、例えば、ABS、ポリカーボネート等からなる電極ホルダ38に固設され、外側ガイド部材24に対して絶縁された状態で取り付けられている。そして、この電極26には、電極用電源27から電圧Va(V)が印加される。電極用電源27への電圧Va(V)は、中央演算装置(CPU)等を備えた電極電圧制御部28によって制御される。また、電極26よりも転写紙Pの搬送方向上流側の鉛直搬送路103には、転写紙Pの先端を検知する紙先端検知センサ29が設置されている。この紙先端検知センサ29は、転写紙Pの紙先端を検知すると、電極電圧制御部28に紙先端検知信号を出力する。
【0024】
本構成例1の搬送部を搬送される転写紙Pは、搬送路102を搬送されてくる過程において、搬送路102を形成する外側ガイド部材24(SECC)等の搬送ガイド部材と擦れ、摩擦帯電されてプラスの電荷を帯びる、よって、本構成例1の搬送部では、内側ガイド部材23を接地し、電極用電源27から電極26にマイナスの電圧Va(V)を印加する。これにより、図6中矢印で示すように、内側ガイド部材23側から外側ガイド部材24(電極26)側の向きに電界が生じる。その結果、プラスの電荷を帯びている転写紙Pはクーロン力により外側ガイド部材24(電極26)側へ引き付けられることになる。
【0025】
図8は、シート材引き付け手段の構成を示す模式断面図である。図8に示すように、電極26は、転写紙Pの搬送方向と直交する方向の全幅にわたって延設されているのが好ましい。これにより、転写紙Pを確実に外側ガイド部材24(電極26)側に引き付けることができる。
【0026】
図9は、構成例1における電圧制御を説明するタイミングチャートである。なお、図9では、紙先端検知センサ29が紙先端を検知した時間を基準の0秒とする。図9に示すように、本構成例1において電極電圧制御部28は、紙先端検知センサ29からの紙先端検知信号を受けて(基準)からt1秒後に、電極用電源27を介して電極26に電圧Va(V)を印加し、そのt2秒後に電圧印加を停止する。電極電圧制御部28には、t1、t2秒後の値が、転写紙Pの搬送速度、通紙サイズ、通紙方向、紙種によって予め設定されている。仮に電極26に電圧を印加しなかった場合において、紙先端検知信号を受けてから転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23のエッジ部に衝突するまでの時間をT秒とすると、t1秒<T秒であり、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23のエッジ部に衝突する前に電極26に電圧を印加するものである。本構成例1では、t1秒はT秒よりも0.2秒程度速くしている。
【0027】
ここで、転写紙Pの紙先端が電極26の設置位置を通過するときに、電極26に電圧を印加して紙先端を外側ガイド部材24(電極26)に引き付けると、紙搬送性が悪化して先端折れやジャムが発生してしまう。よって、転写紙Pの紙先端が電極26の設置位置を通過した後で、且つ転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23のエッジ部に衝突する直前に、電極26に電圧を印加し電界を形成して紙面を外側ガイド部材24側へクーロン力で引き付ける。その結果、紙搬送性を妨げることなく、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突する力を小さくすることができ、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突して発生する衝突音を低減することができる。
【0028】
また、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突した後は、転写紙Pを外側ガイド部材24(電極26)に引き付ける必要がなく、衝突発生後も転写紙Pを外側ガイド部材24(電極26)側に引き付け続けると、転写紙Pに余計な力がかかって紙搬送性が悪化してしまう。よって、本構成例では、t2秒は0.5秒程度とし、転写紙Pの紙面と内側ガイド部材23のエッジ部との衝突直後には、転写紙Pの紙面を外側ガイド部材24(電極26)側へ引き付けるクーロン力が生じなくなるようにしている。その結果、ターン部における紙搬送性を妨げることなく、良好な紙搬送性を保つことができる。
【0029】
また、上記電極電圧制御部28によって制御される、電極26への印加電圧は、転写紙Pの搬送速度、通紙サイズ、通紙方向、紙種等によって予め設定しておくとよい。転写紙Pの搬送速度が速くなると、紙面が内側ガイド部材23に衝突する力が大きくなるので、電極26への印加電圧の絶対値を大きくして、紙面を外側ガイド部材24の側へ引き付けるクーロン力を大きくするとよい。また同様に、転写紙Pの紙厚が厚くなると、紙面が内側ガイド部材23に衝突する力が大きくなるので、電極26への印加電圧の絶対値を大きくして、紙面を外側ガイド部材24の側へ引き付けるクーロン力を大きくするとよい。
【0030】
なお、電極26への印加電圧を強くして、転写紙Pを外側ガイド部材24(電極26)に吸着させたまま紙面が内側ガイド部材23に衝突しないようにすることもできるが、紙面が外側ガイド部材24又は電極26に衝突して衝突音が発生したり、転写紙Pの搬送性を悪化させたりしてしまうこともある。よって、転写紙Pの搬送性に影響を与えない範囲のクーロン力を発生させ、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突する力を低減できればよい。
【0031】
図10は、本構成例1において、転写紙Pがターン部を通過する間に生じる紙搬送音を測定した結果を示す特性図である。ここで、図10に示した本構成例1における紙搬送音の測定結果と、図3に示した従来構成(内側ガイド部材23のエッジ部に対向する位置に電極が設けられていない構成)における紙搬送音の測定結果とを比較する。図10において、符号A2で示す第1衝突音は、転写紙Pの先端が外側ガイド部材24に衝突したときに発生した衝突音であり、その音圧レベルは図3に示す従来構成の第1衝突音A1と同等である。これに対し、符号B2で示す第2衝突音は、転写紙Pの湾曲内側面が内側ガイド部材23のエッジ部に衝突したときに発生した衝突音である。この第2衝突音B2の音圧レベル(82.5dB)は、図3に示す従来構成の第2衝突音B1の音圧レベル(87.5dB)よりも大幅に低くなっている。
【0032】
この結果から、本構成例1によれば、ターン部の内側ガイド部材23のエッジ部に対向する位置に電極26を設けたことで、転写紙Pの紙面が当該エッジ部に衝突してしまう従来構成と比較して、最大の騒音原因である衝突音を大幅に低減できることがわかる。
【0033】
[構成例2]
次に、シート材引き付け手段及びシート材帯電手段を備えた搬送部の構成例2について説明する。図11は、搬送部の構成例2を説明する構成図である。本構成例2においては、図11に示すように、紙先端検知センサ29よりも搬送方向上流側の外側ガイド部材24の紙搬送面にシート材帯電手段たるフッソ樹脂部材30を設置している。なお、本構成例2では、図11中、構成例1で説明した部材と同一部材には同一符号を付し、その構成及び動作の説明を省略する。
【0034】
上記構成例1のように、外側ガイド部材24との摩擦帯電のみでは帯電が不安定で、電極26に電圧を印加して電界を形成しても、転写紙Pを外側ガイド部材24(電極26)側に安定して引き付けることが難しいことがある。これに対し、本構成例2の搬送部を搬送される転写紙Pは、搬送路102を搬送される過程でフッ素樹脂部材30と擦れ摩擦帯電されて、プラスの電荷を安定して帯びやすくなる。転写紙Pとフッ素樹脂部材30との摩擦帯電は、転写紙Pと電気亜鉛メッキ鋼(SECC)との摩擦帯電に比べ、帯電系列の関係で転写紙Pがプラスに帯電しやすいからである。その結果、構成例1で説明した転写紙Pの紙面を電外側ガイド部材24(電極26)側へ引き付けるクーロン力が安定して生じる。これにより、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突する力が確実に小さくなり、紙面が内側ガイド部材23に衝突して発生する衝突音を低減することができる。
【0035】
[構成例3]
次に、シート材帯電手段として、帯電ブラシ及び帯電用電源を備えた搬送部の構成例3について説明する。図12は、搬送部の構成例3を説明する構成図である。本構成例3においては、図12に示すように、電極26と紙先端検知センサ29の間に、シート材帯電手段たる帯電ブラシ31を設置し、転写紙Pに安定的に電荷を与える。帯電ブラシ31は、帯電用電源32から電圧Vbを印加され、転写紙Pに電荷を与える。帯電用電源32の印加電圧Vbは、CPU等を備えた電極・帯電電圧制御部33によって制御される。この電極・帯電電圧制御部33は、電極用電源27の印加電圧Vaも制御する。また、電極・帯電電圧制御部33には、紙先端検知センサ29から紙先端検知信号が送られる。なお、本構成例3では、図12中、構成例1で説明した部材と同一部材には同一符号を付し、その構成及び動作の説明を省略する。
【0036】
本構成例3では、帯電用電源32から帯電ブラシ31にプラスの電圧Vb(V)を印加し、紙にプラスの電荷を与える。そして構成例1と同様に、電極用電源27から電極26にマイナスの電圧Va(V)を印加し、図12矢印で示すように、内側ガイド部材23側から外側ガイド部材24(電極26)側の向きに電界が生じさせる。転写紙Pはプラスの電荷を帯びているので、転写紙Pはクーロン力により外側ガイド部材24(電極26)側へ引き付けられる。タイミングチャートで説明したように、紙面が内側ガイド部材23のエッジ部に衝突する直前に電極26に電圧を印加して電界を形成すれば、紙面が内側ガイド部材23のエッジ部に衝突する直前に、紙面を外側ガイド部材24(電極26)側へクーロン力で引き付けることができる。
【0037】
図13は、構成例3における電圧制御を説明するタイミングチャートである。なお、図13では、紙先端検知センサ29が紙先端を検知した時間を基準の0秒とする。図13に示すように、本構成例3において電極・帯電電圧制御部33は、紙先端検知センサ29からの紙先端検知信号を受けて(基準)からt3秒後に、帯電用電源32から帯電ブラシ31に電圧Vb(V)の印加を開始し、その開始からt4秒後に電極用電源27から電極26に電圧Va(V)の印加を開始する。そして、電極・帯電電圧制御部33は、その電圧Va(V)の印加開始からt5秒後に、帯電用電源32と電極用電源27の印加電圧を停止する。電極・帯電電圧制御部33には、紙の搬送速度、通紙サイズ、通紙方向、紙種等によって、t3、t4、t5の値が予め設定されている。仮に電極26に電圧を印加しなかった場合において、紙先端検知信号を受けてから紙面が内側ガイド部材23のターン部に衝突するまでの時間をT秒とすると、(t3+t4)秒<T秒であり、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23のエッジ部に衝突する直前に電圧を印加すると良い。本構成例では、帯電ブラシ31を用いて転写紙Pに安定的に電荷を与えているので、クーロン力により紙面が確実に外側ガイド部材24(電極26)側へ引き付けられ、紙面が内側ガイド部材23に衝突する力が確実に小さくなる。その結果、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突して発生する衝突音を確実に低減することができる。
【0038】
本構成例3では(t3+t4)秒はT秒より0.2秒程度早くしている。また、本構成例3では、t5は0.5秒程度とし、転写紙Pの紙面と内側ガイド部材23のエッジ部との衝突直後には、転写紙Pの紙面を外側ガイド部材24(電極26)側へ引き付けるクーロン力が生じなくなるようにしている。その結果、ターン部における紙搬送性を妨げず、良好な紙搬送性を保つことができる。
【0039】
[構成例4]
次に、シート材引き付け手段、シート材帯電手段、シート材厚検知手段を備えた搬送部の構成例4について説明する。図14は、搬送部の構成例4を説明する構成図である。本構成例4においては、図14に示すように、搬送ローラ対8よりも搬送方向下流側に、シート材厚検知手段たる紙厚検知センサ35が設置されている。なお、本構成例4では、図14中、構成例3で説明した部材と同一部材には同一符号を付し、その構成及び動作の説明を省略する。
【0040】
本構成例4では、紙厚検知センサ35からの紙厚検知情報が、電極・帯電電圧制御部34に送られる。電極・帯電電圧制御部34は、紙の搬送速度、通紙サイズ、通紙方向、紙種によって予め設定されているt3、t4、t5の設定値に基づき、電極用電源27と帯電用電源32による印加電圧を制御する。転写紙Pの紙厚が厚いほど、内側ガイド部材23のエッジ部に衝突する力が大きく、大きな衝突音が発生する。そのため、転写紙Pの紙厚が厚いほど、外側ガイド部材24(電極26)側に転写紙Pを引き付ける力を大きくする必要がある。そこで、本構成例5では、転写紙Pの紙厚が厚い場合は、電極26に印加する印加電圧を制御して、転写紙Pを外側ガイド部材24(電極26)側へ引き付ける力を大きくする。このように、本構成例4では、電極26に紙厚に応じた電圧を印加することができるので、いかなる紙厚においても、紙面を外側ガイド部材24(電極26)側へクーロン力で引き付けることができる。その結果、紙面が内側ガイド部材23に衝突する力が確実に小さくなり、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突して発生する衝突音をより確実に低減することができる。
【0041】
なお、本構成例5では、紙厚の違いによって転写紙Pの種類を判別する場合に説明したが、例えば転写紙Pの材質(例えば、紙材とOHPシート材)の違い等で判別し、材質の違いで電極26に印加する印加電圧を制御してもよい。また、本構成例5では、紙厚の違いを紙厚検知センサ35の検知結果から取得する場合に説明したが、例えば、各給紙カセット20にセットされている転写紙Pの種類をユーザーによる操作パネルへの入力操作等によって入力された情報に基づいて特定、保持しておき、画像形成時に使用する給紙カセット20の種類で転写紙Pの紙厚を判別するようにしてもよい。
【0042】
[構成例5]
次に、シート材引き付け手段、シート材帯電手段、シート材厚検知手段を備えた搬送部の構成例5について説明する。図15は、搬送部の構成例5を説明する構成図である。本構成例5においては、図15に示すように、電極に対向する位置に対向電極が設置されている。なお、本構成例5では、図15中、構成例4で説明した部材と同一部材には同一符号を付し、その構成及び動作の説明を省略する。
【0043】
本構成例5では、電極26に対向する位置に対向電極37を設けたことにより、内側ガイド部材23(対向電極37)側から外側ガイド部材24(電極26)側の向きに安定した電界を生じさせることができる。これにより、転写紙Pの紙面を外側ガイド部材24(電極26)側へクーロン力で安定して引き付けることができる。その結果、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突する力が確実に小さくなり、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突して発生する衝突音を確実に低減することができる。
【0044】
以上、本実施形態に係る複写機は、搬送手段としての搬送部によりシート材としての記録媒体である画像記録シート(転写紙P)を搬送するとともに、画像形成手段としての画像形成部により転写紙P上に画像を形成する画像形成装置である。この複写機に設けられる搬送部は、転写紙Pを湾曲させて転写紙搬送方向を変更する湾曲搬送箇所であるターン部に対し、転写紙Pの後端側部分に搬送ローラ対8によって搬送力を付与することで転写紙Pの先端を突入させ、転写紙Pの先端をターン部の湾曲外側ガイド部材である外側ガイド部材25に沿って移動させることで転写紙搬送方向を変更させるシート材搬送装置である。そして、搬送部には、ターン部に湾曲内側ガイド部材である内側ガイド部材23を設けるとともに、内側ガイド部材23と外側ガイド部材24との間に電界を形成して、転写紙Pをクーロン力により外側ガイド部材24に引き付けるべく、シート材引き付け手段たる電極26を設けている。これにより、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突する力が小さくなり、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突して発生する衝突音を低減することができる。
また、本実施形態に係る搬送部(構成例1乃至5)は、電極電圧制御部28、33、34によって、転写紙Pの紙面が内側ガイド部材23に衝突する瞬間のみ電極用電源27から電極26に電圧を印加するよう制御するよう、シート材引き付け手段が構成されている。これにより、搬送部のターン部における転写紙Pの紙搬送性を妨げることなく、転写紙Pを外側ガイド部材24側へクーロン力で引き付けることができ、転写紙Pが内側ガイド部材23に衝突する力を低減させることができる。
また、本実施形態に係る搬送部(構成例2乃至5)は、転写紙Pを外側ガイド部材24(電極26)側に引き付ける前に、転写紙Pを帯電させるシート材帯電手段たるフッ素樹脂部材30や帯電ブラシ31を備えている。シート材帯電手段によって、転写紙Pを安定的に帯電させることができるので、転写紙Pを外側ガイド部材24側へクーロン力で確実に引き付けることができ、転写紙Pが内側ガイド部材23に衝突する力を確実に低減させることができる。
また、本実施形態に係る搬送部(構成例4、5)は、転写紙Pの厚みを検知するべく紙厚検知センサ35を備え、帯電・電極電圧制御部34は紙厚検知センサ35からの検知結果を基に電極26への電圧を制御する。これにより、いかなる紙厚においても、転写紙Pを外側ガイド部材24(電極26)側へクーロン力で引き付けることが可能となり、転写紙Pが内側ガイド部材23に衝突する力を低減させることが可能となる。
また、本実施形態に係る搬送部(構成例1乃至5)は、転写紙Pの搬送速度に応じて、電極26への印加電圧を制御する。これにより、いかなる搬送速度においても、転写紙Pを外側ガイド部材24(電極26)側へクーロン力で引き付けることが可能となり、転写紙Pが内側ガイド部材23に衝突する力を低減させることが可能となる。
なお、本実施形態に複写機では、白黒画像形成装置に適用した紙搬送装置を用いて説明したが、本発明は、カラー画像形成装置の紙搬送装置に適用することももちろん可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 感光体
2 帯電装置
3 クリーニング装置
4 現像装置
5 転写装置
8 搬送ローラ
11 加熱定着装置
20 給紙カセット
23 内側ガイド部材
24、25 外側ガイド部材
26 電極
27 電極用電源
28 電極電圧制御部
29 紙先端検知センサ
30 フッ素樹脂部材
31 帯電ブラシ
32 帯電用電源
33、34 電極・帯電電圧制御部
35 紙厚検知センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】特開2007−91425号公報
【特許文献2】特開2007−302475号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材を湾曲させてシート材搬送方向を変更する湾曲搬送箇所に対し、該シート材の後端側部分に搬送力を付与することで該シート材の先端を突入させ、該シート材の先端を該湾曲搬送箇所の湾曲外側ガイド部材に沿って移動させることでシート材搬送方向を変更させ、該湾曲搬送箇所に設けられた湾曲内側ガイド部材と湾曲外側ガイド部材とで該シート材を湾曲させた状態に規制しながら該シート材を搬送するシート材搬送装置において、
上記湾曲搬送箇所の湾曲外側ガイド部材と湾曲内側ガイド部材との間に電界を発生させることにより、該シート材をクーロン力をもって該湾曲外側ガイド部材側に引き付けるシート材引き付け手段を備えることを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項2】
請求項1のシート材搬送装置において、
上記シート材引き付け手段は、上記湾曲外側ガイド部材に設置された電極と、該電極に電圧を印加する電極用電源と、該電極用電源が該電極に印加する電圧を制御する電極電圧制御手段とを備え、
該電極電圧制御手段が該電極用電源から該電極に所定の電圧を印加するタイミングは、仮に電圧印加を行わなかった場合に該シート材の湾曲内側面が該湾曲内側ガイド部材に衝突するタイミングであることを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項3】
請求項1又は2のシート材搬送装置において、
上記シート材を上記湾曲外側ガイド部材に引き付ける前に該シート材を帯電させるシート材帯電手段を備えることを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項4】
請求項3のシート材搬送装置において、
上記シート材帯電手段は、上記湾曲外側ガイド部材のシート材搬送面に設置されたフッ素樹脂からなる帯電部材であることを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項5】
請求項3のシート材搬送装置において、
上記シート材帯電手段は、上記シート材と接触する帯電部材と、該帯電部材に電圧を印加する帯電用電源と、該帯電用電源が該帯電部材に印加する電圧を制御する帯電電圧制御手段とを備えることを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5のシート材搬送装置において、
上記電極電圧制御手段は、上記シート材の厚みに応じて上記電極に印加する電圧を制御することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6のシート材搬送装置において、
上記電極電圧制御手段は、上記シート材の搬送速度に応じて上記電極に印加する電圧を制御することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項8】
搬送手段により画像記録シートを搬送するとともに、画像形成手段により該画像記録シート上に画像を形成する画像形成装置において、
上記搬送手段として、請求項1、2、3、4、5、6、又は7の何れかのシート材搬送装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−241072(P2011−241072A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116195(P2010−116195)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】