説明

シート洗浄機

【課題】シート状の被搬送物の搬送および洗浄を適切に行なう。
【解決手段】シート洗浄機10は、シート状の被搬送物1に接触して回転可能な送りローラ12と、送りローラ12の回転軸12aに平行な回転軸16a,17aを有し、互いに接触可能かつ被搬送物1を狭持可能な1対の第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17と、第2洗浄ローラ17を回転駆動する洗浄ローラ駆動モータ18と、第2洗浄ローラ17から第1洗浄ローラ16へ動力を伝達する洗浄ローラ用アイドルギヤユニット20と、第2洗浄ローラ17の表面に洗浄液を供給する洗浄液タンク19と、を備え、第1洗浄ローラ16は、送りローラ12に接触して回転可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば1対のローラ(供給ローラおよび洗浄ローラ)間で板状部材を洗浄する洗浄機において、洗浄液に浸された供給ローラから、この供給ローラに接触する洗浄ローラへと洗浄液を供給すると共に、各ローラの回転軸両端に設けられた仕切り板によって軸受けに洗浄液が漏れることを防止した洗浄機が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−72914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る洗浄機において、1対のローラ間に板状部材を搬送するための搬送ローラを備える場合には、この搬送ローラが、1対のローラによる洗浄前の板状部材に接触することで汚れてしまい、板状部材の搬送および洗浄が困難になる虞がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、シート状の被搬送物の搬送および洗浄を適切に行なうことが可能なシート洗浄機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明のシート洗浄機は、シート状の被搬送物に接触して回転可能な送りローラと、該送りローラの回転軸に平行な回転軸を有し、互いに接触可能かつ前記被搬送物を狭持可能な1対の第1洗浄ローラおよび第2洗浄ローラと、前記第1洗浄ローラおよび前記第2洗浄ローラの一方を回転駆動する回転駆動装置と、前記第1洗浄ローラおよび前記第2洗浄ローラの一方から他方へ動力を伝達する動力伝達機構と、前記第1洗浄ローラまたは前記第2洗浄ローラの表面に洗浄液を供給する供給手段と、を備え、前記第1洗浄ローラまたは前記第2洗浄ローラは、前記送りローラに接触して回転可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のシート洗浄機によれば、シート状の被搬送物を洗浄する第1洗浄ローラおよび第2洗浄ローラの何れかによって送りローラを洗浄することができ、例えば送りローラを洗浄するための専用の構成を追加することに比べて、構成が複雑になって構成に要する費用が嵩むことを防止しつつ、シート状の被搬送物の搬送および洗浄を適切に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート洗浄機の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシート洗浄機の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシート洗浄機の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係るシート洗浄機について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態によるシート洗浄機10は、シート状の被搬送物1、例えば生産、物流ラインなどにおいて用いられ、内蔵のタグ情報および表面の印刷情報の書き換えが可能な電子シート化された作業指示書または伝票などの電子かんばんなど、を洗浄するものである。
【0010】
この実施の形態のシート洗浄機10は、例えば図1に示すように、ホッパー11と、送りローラ12と、送りローラ駆動モータ13と、1対の第1搬送ローラ14,14と、1対の第2搬送ローラ15,15と、1対の第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17と、洗浄ローラ駆動モータ18と、洗浄液タンク19と、洗浄ローラ用アイドルギヤユニット20と、洗浄ローラ支持アーム21と、アーム用弾性部材22と、アーム駆動アクチュエータ23と、送りローラ用アイドルギヤユニット24と、制御装置25と、シート枚数センサ26と、ホームポジションセンサ27と、を備えて構成されている。
【0011】
ホッパー11は、シート状の被搬送物1を収容し、例えば送りローラ12よりも鉛直方向下方側に配置され、制御装置25の制御により上下動可能であって、上昇することによってシート状の被搬送物1を送りローラ12に接触させ、下降することによってシート状の被搬送物1と送りローラ12との接触を解消する。
【0012】
送りローラ12は、例えばゴムローラーなどであって、制御装置25により駆動制御される送りローラ駆動モータ13に連結された回転軸12aを備え、この回転軸12aの軸周りに回転可能である。
送りローラ12は、ホッパー11から供給されたシート状の被搬送物1に接触した状態で回転することで摩擦力によって、表面の所定接線方向(例えば、水平方向など)に被搬送物1を送る。
【0013】
1対の第1搬送ローラ14,14は、例えば送りローラ12と1対の第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17との間に配置され、シート状の被搬送物1を厚さ方向(例えば、鉛直方向など)の両側から挟み込んだ状態で制御装置25の制御により回転駆動されることで、被搬送物1を所定の搬送方向(例えば、水平方向など)に搬送する。
【0014】
1対の第2搬送ローラ15,15は、例えば1対の第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17よりも搬送方向の下流側に配置され、シート状の被搬送物1を厚さ方向(例えば、鉛直方向など)の両側から挟み込んだ状態で制御装置25の制御により回転駆動されることで、被搬送物1を所定の搬送方向(例えば、水平方向など)に搬送する。
【0015】
1対の第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17は、例えば硬質フェルトローラなどであって、鉛直方向の位置がずれて上下に配置され、互いに接触可能、かつ互いの接触状態あるいはシート状の被搬送物1を厚さ方向(例えば、鉛直方向など)の両側から挟み込んだ状態で送りローラ12の回転軸12aに平行な各回転軸16a,17aの軸周りに回転可能である。
第2洗浄ローラ17は、例えば制御装置25により駆動制御される洗浄ローラ駆動モータ18に連結された回転軸17aを備え、この回転軸17aの軸周りに回転駆動される。
【0016】
洗浄液タンク19は、例えば第2洗浄ローラ17よりも鉛直方向下方側に配置されて、洗浄液を貯留しており、第2洗浄ローラ17の下部が洗浄液に浸漬されている。
これにより、第2洗浄ローラ17が回転軸17aの軸周りに回転すると、第2洗浄ローラ17の表面全体が洗浄液によって濡らされ、さらに、第2洗浄ローラ17に接触する第1洗浄ローラ16の表面全体が洗浄液によって濡らされ、1対の第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17間に挟み込まれるシート状の被搬送物1の両表面が洗浄液により洗浄される。
【0017】
洗浄ローラ用アイドルギヤユニット20は、洗浄ローラ駆動モータ18により回転駆動される第2洗浄ローラ17から第1洗浄ローラ16へ動力を伝達するものであって、例えば第2洗浄ローラ17に設けられたギヤ17bに常時噛合するアイドルギヤ20aと、このアイドルギヤ20aおよび第1洗浄ローラ16に設けられたギヤ16bに常時噛合するアイドルギヤ20bとを備えている。
洗浄ローラ用アイドルギヤユニット20は、例えば第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17を同一の周速度で回転駆動する。
【0018】
洗浄ローラ支持アーム21は、例えば、第1洗浄ローラ16の回転軸16aを回転可能に支持する一方の端部と、制御装置25により駆動制御されるアーム駆動アクチュエータ23に接続された他方の端部と、両端部の間に設けられた各ローラ12,16,17の回転軸12a,16a,17aに平行な回転軸21aとを備えている。
洗浄ローラ支持アーム21は、回転軸21aの軸周りに回転可能に固定され、他方の端部がアーム駆動アクチュエータ23によって回転軸21aの軸周りの所定回転方向に変位させられることで第1洗浄ローラ16を回転軸21aの軸周りの所定回転方向(例えば、送りローラ12に近接する方向)に変位させる。
【0019】
アーム用弾性部材22は、例えば洗浄ローラ支持アーム21の一方の端部に接続された一端と、シート洗浄機本体に固定された他端とを備えている。
アーム用弾性部材22は、例えば、洗浄ローラ支持アーム21の一方の端部に支持された第1洗浄ローラ16を回転軸21aの軸周りの所定回転方向(例えば、送りローラ12に近接する方向)の逆方向(例えば、送りローラ12から離間する方向であって、第2洗浄ローラ17に近接する方向)に変位させるような弾性力を洗浄ローラ支持アーム21に作用させる。
【0020】
アーム駆動アクチュエータ23は、例えばソレノイドアクチュエータであって、制御装置25の駆動制御に応じて洗浄ローラ支持アーム21の他方の端部に対する吸引実行および吸引停止を切替えることによって、洗浄ローラ支持アーム21の他方の端部を回転軸21aの軸周りの所定回転方向(例えば、送りローラ12に近接する方向)に変位させる。
【0021】
送りローラ用アイドルギヤユニット24は、送りローラ駆動モータ13により回転駆動される送りローラ12から第1洗浄ローラ16へ動力を伝達するものであって、例えば送りローラ12に設けられたギヤ12bに常時噛合するアイドルギヤ24aと、このアイドルギヤ24aに常時噛合すると共に第1洗浄ローラ16に設けられたギヤ16bに噛合可能なアイドルギヤ24bと、弾性力によってアイドルギヤ24aを送りローラ12のギヤ12bに向かい付勢してアイドルギヤ24aとギヤ12bとを常時噛合させる弾性部材24cとを備えている。
【0022】
送りローラ用アイドルギヤユニット24は、第1洗浄ローラ16を送りローラ12とは異なる周速度で回転駆動し、例えば第1洗浄ローラ16の周速度を送りローラ12の周速度よりも遅くする。
これにより、第1洗浄ローラ16と送りローラ12とが接触して回転するローラ洗浄時において、第1洗浄ローラ16と送りローラ12との間に摩擦が生じ、この摩擦によって送りローラ12が洗浄される。
なお、送りローラ12および第1洗浄ローラ16は、送りローラ用アイドルギヤユニット24のアイドルギヤ24bが第1洗浄ローラ16のギヤ16bに噛合した状態で互いに接触状態になる。
【0023】
制御装置25は、例えば、シート枚数センサ26から出力される検出結果の信号と、ホームポジションセンサ27から出力される検出結果の信号となどに基づき、ホッパー11と、各モータ13,18と、各搬送ローラ14,15と、アーム駆動アクチュエータ23とを駆動制御する。
【0024】
なお、シート枚数センサ26は、送りローラ12によってホッパー11から第1搬送ローラ14,14に吸入され、1対の第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17によって洗浄された被搬送物1の枚数(つまり、シート洗浄枚数)を検出し、検出結果の信号を出力する。
【0025】
また、ホームポジションセンサ27は、洗浄ローラ支持アーム21が所定のホームポジション(例えば、送りローラ用アイドルギヤユニット24のアイドルギヤ24bと第1洗浄ローラ16のギヤ16bとが離間して、1対の第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17が、互いに接触した状態あるいはシート状の被搬送物1を厚さ方向(例えば、鉛直方向)の両側から挟み込んだ状態になる位置)に位置しているか否かを検出し、検出結果の信号を出力する。
【0026】
制御装置25は、例えば1対の第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17によってシート状の被搬送物1を洗浄するシート洗浄時においては、各モータ13,18および各搬送ローラ14,15を回転駆動かつアーム駆動アクチュエータ23を吸引停止に制御する。
また、例えば図2に示すような第1洗浄ローラ16によって送りローラ12を洗浄するローラ洗浄時においては、各モータ13,18を回転駆動かつアーム駆動アクチュエータ23を吸引実行に制御する。
【0027】
本実施の形態によるシート洗浄機10は上記構成を備えており、次に、このシート洗浄機10の動作、例えば制御装置25の制御に応じた洗浄動作について説明する。
【0028】
先ず、例えば図3に示すステップS01においては、ホッパー11を上昇させてシート状の被搬送物1を送りローラ12に接触させ、各モータ13,18および各搬送ローラ14,15を回転駆動させることによってシート洗浄を開始する。
そして、シート枚数センサ26によるシート洗浄枚数の検出を開始し、検出結果を取得する。
【0029】
なお、このとき、アーム駆動アクチュエータ23を吸引停止に制御することによって、アーム用弾性部材22の弾性力によって、第1洗浄ローラ16を送りローラ12から離間させつつ第2洗浄ローラ17に近接させる。
これにより、被搬送物1が存在する場合には、1対の第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17は被搬送物1を厚さ方向の両側から挟み込み、被搬送物1が存在しない場合には、第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17は接触する。
【0030】
次に、ステップS02においては、送りローラ12による被搬送物1の搬送時間に係る搬送パラメータであるシート洗浄枚数は所定枚数よりも多いか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS02の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進む。
【0031】
そして、ステップS03においては、各モータ13,18および各搬送ローラ14,15の回転駆動を停止し、送りローラ12によるホッパー11から第1搬送ローラ14,14への被搬送物1の吸入を停止し、シート枚数センサ26によるシート洗浄枚数の検出を停止する。
次に、ステップS04においては、ホッパー11を下降させて被搬送物1と送りローラ12との接触を解消する。
【0032】
次に、ステップS05においては、アーム駆動アクチュエータ23を吸引実行に制御することによって、アーム用弾性部材22の弾性力に抗う動力により第1洗浄ローラ16を送りローラ12に近接させ、第1洗浄ローラ16および送りローラ12を互いに接触させると共に送りローラ用アイドルギヤユニット24のアイドルギヤ24bと第1洗浄ローラ16のギヤ16bとを噛合させる。
【0033】
次に、ステップS06においては、送りローラ駆動モータ13の回転駆動を開始し、送りローラ12から第1洗浄ローラ16へ異なる周速度で動力を伝達することによってローラ洗浄を開始する。
次に、ステップS07においては、送りローラ12の回転時間が所定時間よりも長くなったか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS07の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
【0034】
そして、ステップS08においては、送りローラ駆動モータ13の回転駆動を停止し、ローラ洗浄を停止する。
次に、ステップS09においては、アーム駆動アクチュエータ23を吸引停止に制御することによって、アーム用弾性部材22の弾性力によって、第1洗浄ローラ16を送りローラ12から離間させつつ第2洗浄ローラ17に近接させ、送りローラ用アイドルギヤユニット24のアイドルギヤ24bと第1洗浄ローラ16のギヤ16bとの噛合を解消する。
【0035】
次に、ステップS10においては、ホームポジションセンサ27から出力される検出結果の信号に基づき、洗浄ローラ支持アーム21が所定のホームポジションに復帰したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS10の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS11に進む。
【0036】
そして、ステップS11においては、この時点でのシート洗浄枚数をゼロに初期化する。
次に、ステップS12においては、洗浄動作の停止を指示する信号が出力されているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、エンドに進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS13に進む。
【0037】
そして、ステップS13においては、ホッパー11を上昇させてシート状の被搬送物1を送りローラ12に接触させる。
次に、ステップS14においては、各モータ13,18および各搬送ローラ14,15を回転駆動させることによって、送りローラ12によるホッパー11から第1搬送ローラ14,14への被搬送物1の吸入を開始し、シート枚数センサ26によるシート洗浄枚数の検出を開始し、検出結果を取得し、上述したステップS02に戻る。
【0038】
上述したように、本実施の形態によるシート洗浄機10によれば、シート状の被搬送物1を洗浄する第1洗浄ローラ16および第2洗浄ローラ17のうち、第1洗浄ローラ16によって送りローラ12を洗浄することができ、例えば送りローラ12を洗浄するための専用の構成を追加することに比べて、構成が複雑になって構成に要する費用が嵩むことを防止しつつ、シート状の被搬送物1の搬送および洗浄を適切に行なうことができる。
【0039】
なお、上述した実施の形態においては、送りローラ12による被搬送物1の搬送時間に係る搬送パラメータの値としてシート洗浄枚数を採用したが、これに限定されず、例えば送りローラ12による被搬送物1の搬送時間や、第1洗浄ローラ16に接触せずかつ被搬送物1に接触した状態での送りローラ12の回転時間などを採用してもよい。
【0040】
なお、上述した実施の形態においては、シート洗浄時とローラ洗浄時とにおいて第1洗浄ローラ16を送りローラ12に対して移動させるとしたが、これに限定されず、例えば送りローラ12を第1洗浄ローラ16に対して移動させる構成としてもよい。
【0041】
なお、上述した実施の形態においては、ローラ洗浄時に送りローラ12から第1洗浄ローラ16へ動力を伝達するとしたが、これに限定されず、例えばローラ洗浄時に第1洗浄ローラ16を回転駆動するモータなどを備えて、ローラ洗浄時に第1洗浄ローラ16から送りローラ12へ動力を伝達する構成としてもよい。
【0042】
なお、上述した実施の形態においては、シート洗浄時に第2洗浄ローラ17から第1洗浄ローラ16へ動力を伝達するとしたが、これに限定されず、例えばシート洗浄時に第1洗浄ローラ16を回転駆動するモータなどを備えて、シート浄時に第1洗浄ローラ16から第2洗浄ローラ17へ動力を伝達する構成としてもよい。
【0043】
なお、上述した実施の形態においては、送りローラ12による被搬送物1の搬送時間に係る搬送パラメータの値に応じて送りローラ12と第1洗浄ローラ16とを接触させてローラ洗浄を行なうとしたが、これに限定されず、搬送パラメータの値にかかわらずにシート洗浄時を含む常時においてローラ12と第1洗浄ローラ16とを接触させる構成としてもよい。
【0044】
なお、上述した実施の形態においては、送りローラ12を第1洗浄ローラ16により洗浄するとしたが、これに限定されず、送りローラ12を第2洗浄ローラ17により洗浄する構成としてもよい。
【0045】
なお、上述した実施の形態においては、アーム駆動アクチュエータ23の動力を第1洗浄ローラ16と送りローラ12との接触回転時間に係るパラメータの値(例えば、ローラ洗浄回数、ローラ洗浄時の継続時間や第1洗浄ローラ16の回転回数や接触回転時間など)に応じて可変とし、送りローラ12と第1洗浄ローラ16との接触圧を変更してもよい。
この場合には、例えば第1洗浄ローラ16による送りローラ12の洗浄に伴い、第1洗浄ローラ16の磨耗などによって洗浄能力が低下する可能性がある場合であっても、第1洗浄ローラ16と送りローラ12との接触回転時間に係るパラメータの値に応じて送りローラ12と第1洗浄ローラ16との接触圧を増大させることにより、所望の洗浄能力を確保することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 シート洗浄機
11 ホッパー
12 送りローラ
13 送りローラ駆動モータ
14 第1搬送ローラ
15 第2搬送ローラ
16 第1洗浄ローラ
17 第2洗浄ローラ
18 洗浄ローラ駆動モータ
19 洗浄液タンク
20 洗浄ローラ用アイドルギヤユニット
21 洗浄ローラ支持アーム
22 アーム用弾性部材
23 アーム駆動アクチュエータ
24 送りローラ用アイドルギヤユニット
25 制御装置
26 シート枚数センサ
27 ホームポジションセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の被搬送物に接触して回転可能な送りローラと、
該送りローラの回転軸に平行な回転軸を有し、互いに接触可能かつ前記被搬送物を狭持可能な1対の第1洗浄ローラおよび第2洗浄ローラと、
前記第1洗浄ローラおよび前記第2洗浄ローラの一方を回転駆動する回転駆動装置と、
前記第1洗浄ローラおよび前記第2洗浄ローラの一方から他方へ動力を伝達する動力伝達機構と、
前記第1洗浄ローラまたは前記第2洗浄ローラの表面に洗浄液を供給する供給手段と、を備え、
前記第1洗浄ローラまたは前記第2洗浄ローラは、前記送りローラに接触して回転可能であることを特徴とするシート洗浄機。
【請求項2】
前記第1洗浄ローラと前記第2洗浄ローラとは、鉛直方向の位置がずれて配置され、
前記供給手段は、前記第1洗浄ローラおよび前記第2洗浄ローラのうち何れか下方側に位置する洗浄ローラの下部を前記洗浄液に浸すことを特徴とする請求項1に記載のシート洗浄機。
【請求項3】
前記送りローラと、前記第1洗浄ローラまたは前記第2洗浄ローラとを相対移動させる駆動装置と、
前記駆動装置により相対移動する前記送りローラと、前記第1洗浄ローラまたは前記第2洗浄ローラとを接触させる制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート洗浄機。
【請求項4】
前記送りローラと、前記送りローラに接触する前記第1洗浄ローラまたは前記第2洗浄ローラとのうち、一方から他方へ異なる周速度で動力を伝達する第2動力伝達機構を備えることを特徴とする請求項3に記載のシート洗浄機。
【請求項5】
前記第2動力伝達機構は、前記洗浄ローラの周速度を前記送りローラの周速度よりも遅くすることを特徴とする請求項4に記載のシート洗浄機。
【請求項6】
前記送りローラによる前記被搬送物の搬送時間に係る搬送パラメータの値を取得する搬送パラメータ値取得手段を備え、
前記制御手段は、前記駆動装置により相対移動する前記送りローラと、前記第1洗浄ローラまたは前記第2洗浄ローラとの接触有無を前記搬送パラメータの値に応じて制御することを特徴とする請求項3から請求項5の何れか1つに記載のシート洗浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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