シート状物品収納容器
【課題】シートを容易に取り出せ製造簡易なシート状物品収納容器を提供。
【解決手段】板状体を折り曲げ箱状に組立て、積層された複数のシート状物品３００を内部に収納する容器であって、板状の２つの片１０１、１０５が重ね合わせ部を形成して固定され、下側片１０５のうち、板状体を折り曲げた角部に対向する第１端縁から角部へ向かって延びる第１切込み線と、第１端縁のうち、第１切込み線に至る部分に形成され角部へ向かって凹む２つの第１湾曲縁と、下側片のうち第１端縁より内側に形成され第１湾曲縁とほぼ平行でかつ第１切込み線に至る湾曲した２つの第２切込み線とを備え、第１切込み線、第１湾曲部、及び第２切込み線によって２つのフラップ１０、１１が画成され、フラップは第１切込み線側を自由端として回動可能であり、上側片１０１を開封して開口２１０が形成され、開口から突出したシート状物品がフラップ間に係止可能にした。
【解決手段】板状体を折り曲げ箱状に組立て、積層された複数のシート状物品３００を内部に収納する容器であって、板状の２つの片１０１、１０５が重ね合わせ部を形成して固定され、下側片１０５のうち、板状体を折り曲げた角部に対向する第１端縁から角部へ向かって延びる第１切込み線と、第１端縁のうち、第１切込み線に至る部分に形成され角部へ向かって凹む２つの第１湾曲縁と、下側片のうち第１端縁より内側に形成され第１湾曲縁とほぼ平行でかつ第１切込み線に至る湾曲した２つの第２切込み線とを備え、第１切込み線、第１湾曲部、及び第２切込み線によって２つのフラップ１０、１１が画成され、フラップは第１切込み線側を自由端として回動可能であり、上側片１０１を開封して開口２１０が形成され、開口から突出したシート状物品がフラップ間に係止可能にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、家庭用、産業用又は業務用で使用されるペーパーナプキン、ティッシュペーパー等のシート状物品の収納容器に関する。
【背景技術】
【０００２】
紙や不織布等をシート状にした掃除用ワイパーやタオルを積層し、取出し易いように収容した容器が種々知られている。このような容器としては、容器の開口にプラスチックフィルム製のスリットを設けてティッシュペーパーを取出すティッシュボックスがある。
又、プラスチックフィルムを用いず、紙製の取出口舌片を設けたティッシュペーパー収納容器が開示されている（特許文献１参照）。一方、ティッシュのように折り畳まずフラットな吸収性ペーパシートの容器が開示されている（特許文献２参照）。さらに、使用しない時に、次回使用するシートの汚れ付着を防止する蓋を設け、蓋を閉じた時に次シートに伴って移動する中台紙を有する収納箱が開示されている（特許文献３参照）。この中台紙はシートを取出す開口部を有し、箱に固定されていないため、蓋を閉じた時に次シートが開口部の下に脱落することを防止する。
【０００３】
【特許文献１】特開平8-244863号公報
【特許文献２】特開平8-53170号公報
【特許文献３】特開2002-179163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の容器の場合、取出し口が単なる開口やスリットであるため、シートが軽量でポップアップ式のティッシュペーパーであればスリットから次ティッシュが飛び出した状態で形状を保持するが、比較的厚く大型の吸収性シート等の場合、次シートを取出し易い位置に保持することが難しい。例えば、特許文献２記載の技術の場合、単に長尺の開口が形成されているだけであるので、取出し時にシートが容器内に落ち込み、その都度、容器内に手をいれて引き出す手間を要することが想定される。又、特許文献３記載の技術の場合、中台紙はシートを取出す開口部を有するが、中台紙を容器本体と別体で作成する必要があり、コストアップとなる。
【０００５】
さらに、シートが折り畳まれたままの状態で取出されるのでなく、使用に便利なように広がった状態で次シートを取出すことができれば、使用の度にシートを広げる手間が不要で都合がよいが、このような技術は開発されていない。
又、衛生面を重視する場合には、容器内への埃等の混入や取出し口から突出した次シートへの汚れ等を防ぐため蓋を設けることが好ましいが、突出し次シートに干渉して蓋の閉鎖が不十分となることがある。特に、ティッシュペーパーに比較して厚く大型の吸収性シート等の場合にこの問題が顕著になる。
すなわち、本発明は、シートを容易に取り出せるとともに製造が簡易なシート状物品収納容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決するため、本発明のシート状物品収納容器は、板状体を折り曲げて箱状に組立ててなり、積層された複数のシート状物品を内部に収納する容器であって、前記板状体の２つの片が重ね合わせ部を形成して固定され、前記重ね合わせ部の下側片のうち、前記板状体を折り曲げた角部に対向する第１端縁から前記角部へ向かって延びる第１切込み線と、前記第１端縁のうち、前記第１切込み線に至る部分に形成され前記角部へ向かって凹む２つの第１湾曲縁と、前記下側片のうち前記第１端縁より内側に形成され、前記第１湾曲縁とほぼ平行でかつ前記第１切込み線に至る湾曲した２つの第２切込み線とを備え、前記第１切込み線、前記第１湾曲部、及び前記第２切込み線によって１対のフラップが画成され、該フラップは前記第１切込み線側を自由端として回動可能であり、前記重ね合わせ部のうち上側片を開封することにより、前記シート状物品を取出す開口が形成され、前記開口から突出した前記シート状物品が前記フラップの間に係止可能であり、前記開口に保護フィルムが設けられていない。
このような構成とすると、開口付近に形成された１対のフラップにより、次シートを取出し易い位置に保持することができる。又、各フラップ間に保持された次シートを取出す際、シートがフラップ間を通過することにより、使用に便利なように広がった状態となるので、使用の度にシートを広げる手間が不要となり、拭き取り等の作業がしやすくなる。
そして、各フラップの前縁部分が第１湾曲部で湾曲し、各フラップの合わさる部分が第１切込み線に向かって最も凹んでいるため、シートを第１切込み線（保持位置）に誘導しやすい。また、各フラップの後縁部分となる第２切込み線が第１湾曲部に平行であるため、フラップの幅が一定となり、フラップの撓みが均一になる。その結果、フラップがシートを確実に保持すると共に、シートのスムーズな取出しが可能となり、シートへのダメージも少ない。
さらに、各フラップは容器本体を構成する下側片に形成されているので、フラップを容器本体と別体で作成する必要がなく、生産が容易でコストを低減できる。又、容器をリサイクルする際も容器本体と一体で回収できる。
又、開口に保護フィルムを設けないので、容器とフィルムを分別リサイクルする必要がない。
【０００７】
前記前記上側片は、前記開口及び前記下側片を覆って開閉可能な蓋をなすことができる。
このような構成とすると、容器内への埃等の混入や取出し口から突出した次シートへの汚れ等を防ぐことができる
【０００８】
前記開口は、前記下側片が配置された面及び該面の隣接面に連通して形成されていることが好ましい。
このような構成とすると、開口が大きく、初回のシート状物品の取出しや、容器の中身の確認に都合がよく、一度に数枚のシート状物品を取出す場合にも便利である。
【０００９】
前記角部のうち、前記第１切込み線の延長線との交点から角部終端までの長さをＷとし、前記角部に平行でかつ前記第２切込み線のうち前記第１端縁に最も近い部分を通る直線が前記第１端縁に隣接する前記下側片の第２端縁と交わる点を第２交点とし、前記直線が前記第１切込み線及び前記第２交点と交わる部分の長さをＦａとしたとき、０．４Ｗ＜Ｆａ≦Ｗを満たし、前記角部から該角部に対向する角部までの距離をＤとし、前記角部から前記第１端縁までの距離をＦｂとしたとき、０．２Ｄ≦Ｆｂ≦Ｄを満たし、前記第１切込み線の長さをＦｃとしたとき、０．１Ｄ≦Ｆｃ≦０．５Ｄを満たすことが好ましい。
【００１０】
前記第１切込み線の間における前記下側片に、前記第１切込み線に接する第１切り欠き部が形成され、前記第１切り欠き部によって前記１対のフラップが前記第１端縁側の前段フラップ対と、前記角部側の後段フラップ対とに分けられることが好ましい。
このような構成とすると、シートが開口側（前段フラップ対の第１湾曲部側）と異なる位置、つまり第１切り欠き部内にポップアップされても、第１切り欠き部からシート状物品を後段フラップ対に係止可能となり、ポップアップ式シート積層体から次シートを確実に保持することができる。
【００１１】
前記第１切込み線より前記角部側における前記下側片に、前記第１切込み線及び前記第２切込み線に接する第２切り欠き部が形成されていることが好ましい。
このような構成とすると、シートが開口側（第１湾曲部側）と異なる位置、つまり第２切り欠き部内にポップアップされても、第２切り欠き部からシート状物品をフラップに係止可能となり、ポップアップ式シート積層体から次シートを確実に保持することができる。
【００１２】
前記第１切り欠き部が前記第１切込み線に接する部分の縁部が前記第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁を形成することが好ましい。
前記第２切込み線が前記第１切込み線に接する部分の縁部が前記第１湾曲縁と平行でなく、前記第１湾曲縁と反対向きに湾曲した第３湾曲縁を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【００１３】
この発明によれば、シートを容易に取り出せるとともに製造が簡易なシート状物品収納容器が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図１は、本発明の第１の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図を示す。シート状物品収納容器２００は、１枚の板紙を折り曲げて概ね箱状に組立ててなり、矩形状の天面１０１、前面（長側面）１０２、短側面１０８を備えている。又、天面１０１からこれに隣接する長側面１０２に連通してミシン目１０９ａが形成され、ミシン目１０９ａで囲まれた領域が切り開かれて蓋１０９となる。蓋１０９は、ミシン目１０９ａが形成されていない折線１０９ｂを軸に開閉可能になっている。
【００１５】
図２は、図１のミシン目１０９ａを切り開いて蓋１０９を開いた状態を示す。蓋１０９を開いた部分には、収納されたシート状物品３００を取出す開口２１０が形成され、開口２１０は天面１０１及びこれに隣接する長側面１０２に連通している。蓋１０９は、開口２１０及び後述する下側片１０５を覆っている。又、下側片１０５の一部はシート状物品３００を係止可能な１対のフラップ１０，１１を形成している。なお、下側片１０５の面方向は、シート状物品３００の面方向に平行である。
開口２１０の大きさは、後述するフラップの作用を妨げない範囲で任意に設定することができる。さらに、蓋１０９の先端に、開封がしやすい様に凸部（摘み部）１０９ｃを設けることが好ましい。なお、図２に示すように、開口２１０を天面１０１と長側面１０２にまたがって大きく設けると、初回のシート状物品の取出しや、容器の中身の確認に都合がよく、一度に数枚のシート状物品を取出す場合にも便利である。
なお、開口２１０には、従来のティッシュボックスの開口に設置されるスリット付きのプラスチックフィルムのような保護フィルムが覆われておらず、容器とフィルムを分別リサイクルする必要がない。
【００１６】
本発明では、シート状物品収納容器２００に収納されるシート状物品（の積層体）３００として、各シート状物品を交互に折り込んでポップアップ可能にしたものを用いる。ポップアップ可能なシート状物品としては、シートをＶ字折りやＺ字折りして交互に折り込んだものが例示できるがこれに限定されず、公知のあらゆるポップアップ式シート積層体を用いることができる。
シート状物品としては、特に限定されないが、例えばペーパーナプキン、ティッシュペーパー、紙タオル、掃除用シート等を用いることができる。
【００１７】
図３は、シート状物品収納容器２００を組立てるための板紙（板状体）１００の展開図を示す。板紙１００は所定形状に切り抜かれ、天面１０１の上下端縁にそれぞれ短側面１０６、１０８が連設し、天面１０１の左端縁に長側面１０２が連設し、天面１０１の右端縁には他の面が連設していない。短側面１０６、１０８は天面１０１以外の面と連設されない自由端となっている。又、天面１０１から長側面１０２につながってミシン目１０９ａが形成されている。
【００１８】
又、長側面１０２の左端縁に底面１０３が連設し、底面１０３の左端縁に長側面１０４が連設し、長側面１０４の左端縁に下側片１０５が連設している。下側片１０５は長側面１０４以外の面と連設されない自由端となっていて、長側面１０４との接続部分を９０度折り曲げることで、容器の角部１２０を構成する。
さらに、長側面１０２、底面１０３、長側面１０４の上端縁にそれぞれ片１０２ａ〜１０４ａが連設し、長側面１０２、底面１０３、長側面１０４の下端縁にそれぞれ片１０２ｂ〜１０４ｂが連設している。片１０２ａ〜１０４ａ及び片１０２ｂ〜１０４ｂは、それぞれ長側面１０２、底面１０３、長側面１０４以外の面と接続されない自由端となっている。
【００１９】
そして、天面１０１、長側面１０２、底面１０３、長側面１０４、下側片１０５の各面の接続部分をそれぞれ９０度折り曲げる。この際、天面１０１の先端部と下側片１０５とが天面１０１を上にして重ね合わせられ、重ね合わせ部を糊付け固定することで、容器の胴部が形成される。
さらに、片１０２ａ〜１０４ａを接続部分でそれぞれ９０度折り曲げて重ね合わせ、その上に短側面１０６を重ね合わせ、糊付け固定することで、容器の一方の短側面が形成される。そいて、適宜シート状物品を容器内に収納した後、片１０２ｂ〜１０４ｂを接続部分でそれぞれ９０度折り曲げて重ね合わせ、その上に短側面１０８を重ね合わせ、糊付け固定することで、容器の他の短側面が形成され、直方体（箱）状の容器が組み立てられる。
なお、板状体１００は特に限定されず、紙の他、例えば可撓性のプラスチック板等を用いることができる。
【００２０】
図４は、下側片１０５近傍の構成を示す部分拡大図である。下側片１０５は角部１２０側を底辺とし、角部１２０に対向する下側片１０５の先端（上辺）が第１端縁４を形成する等脚台形状をなし、第１端縁４に隣接する辺（第２端縁）３０、３１の長さが等しい。下側片１０５は、角部１２０側が固定された自由端をなし、第１端縁４の中央から角部１２０に向かい、第１端縁４と垂直に第１切込み線２が延びている。又、第１端縁４のうち、終端部４ｅから第１切込み線２に至る部分の長さの約１／２までの部分は角部１２０に水平であるが、それより第１切込み線２寄りの部分は角部１２０へ向かって凹む第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２を形成する。そして、第１切込み線２によって分けられた２つの第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２は第１切込み線２の始点２ｓで接し、第１切込み線２の始点２ｓで第１端縁４が角部１２０へ向かって最も凹んでいる。
【００２１】
下側片１０５のうち第１端縁４より内側には、それぞれ第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２とほぼ平行でかつ第１切込み線２に至る湾曲した第２切込み線６ｃ１、６ｃ２がそれぞれ形成されている。第２切込み線６ｃ１、６ｃ２はより詳しくは、第１切込み線２から角部１２０に平行な方向に外側へ向かってそれぞれ第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２とほぼ平行に切込まれ、第１端縁４に最も接近した凸部６Ｌ１、６Ｌ２に至った後、凸部６Ｌ１、６Ｌ２から第１端縁４と離間するように湾曲して切込まれ、終端６ｅ１、６ｅ２に至る。
第２切込み線６ｃ１、６ｃ２は第１切込み線２の終点２ｅで接し、第１切込み線２はその始点２ｓから終点２ｅまで切込まれている。
【００２２】
第１切込み線２、第１湾曲部４ｃ１、及び第２切込み線６ｃ１によって左フラップ１０が画成され、同様に第１切込み線２、第１湾曲部４ｃ２、及び第２切込み線６ｃ２によって右フラップ１１が画成される。各フラップ１０、１１は第１切込み線２側を自由端として回動可能である。
そして、天面１０１と下側片１０５との重ね合わせ部のうち上側片となる天面１０１をミシン目１０９ａで開封することにより、下側片１０５の第１端縁４と、角部１２０に対向する角部１３０との間に、シート状物品を取出す開口２１０が形成される。使用時には、開口２１０からシート状物品を取出し、開口２１０から突出した次のシート状物品をフラップ１０、１１の間（第１切込み線２内）に係止することができる。
【００２３】
以上のように、本発明の第１の実施形態に係るシート状物品収納容器においては、開口２１０付近に１対のフラップが形成されているので、次シートを取出し易い位置に保持することができる。特に、比較的厚く大型の吸収性シート等の場合にフラップが有効となる。
又、各フラップ間に保持された次シートを取出す際、シートがフラップ間を通過することにより、使用に便利なように広がった状態となるので、使用の度にシートを広げる手間が不要となり、拭き取り等の作業がしやすくなる。
【００２４】
そして、各フラップの前縁部分が第１湾曲部で湾曲し、各フラップの合わさる部分が第１切込み線２へ向かって最も凹んでいるため、シートを第１切込み線２（保持位置）に誘導しやすい。また、各フラップの後縁部分となる第２切込み線が第１湾曲部に平行であるため、フラップの幅が一定となり、フラップの撓みが均一になる。その結果、フラップがシートを確実に保持すると共に、シートのスムーズな取出しが可能となり、シートへのダメージも少ない。
さらに、各フラップは容器本体を構成する下側片に形成されているので、フラップを容器本体と別体で作成する必要がなく、生産が容易でコストを低減できる。又、容器をリサイクルする際も容器本体と一体で回収できる。
【００２５】
又、衛生面を重視する場合には、容器内への埃等の混入や取出し口から突出した次シートへの汚れ等を防ぐため蓋を設けることができるが、蓋の閉鎖時に各フラップが適度に撓んで下方に変形することで、蓋とフラップ間に空間が確保され、蓋が閉まりやすくなると共に保持したシートが落下しない。
【００２６】
角部１２０のうち、第１切込み線２の延長線との交点１２０ｐから角部終端１２０ｅ１（又は１２０ｅ２）までの長さをＷとする（交点１２０ｐから角部の左側終端１２０ｅまでの長さをＷ１とし、右側終端１２０ｅ２までの長さをＷ２とするが、便宜上、Ｗ１とＷ２を総称してＷとする）。また、角部１２０に平行でかつ第２切込み線の凸部６Ｌ１、６Ｌ２を通る直線Ｌが第２端縁３０と交わる点を第２交点３０ｐとし、直線Ｌが第１切込み線２及び第２交点３０ｐと交わる部分の長さをＦａとしたとき、０．４Ｗ＜Ｆａ≦Ｗを満たすことが好ましい。
これは、０．４Ｗ≧Ｆａであると、フラップの長さがＷの４０％以下と短くなるため、フラップが充分に回動したり撓むことができず、シートの保持効果が低下するからである。又、Ｆａ≦Ｗとするのは、Ｆａが最大とりうる長さがＷであるからである。
なお、第１切込み線２が第１端縁４の中央からずれた位置に形成されている場合、第１切込み線２の延長線との交点１２０ｐから角部終端１２０ｅまでの長さは左右でそれぞれ異なるが（Ｗ１，Ｗ２）、この場合は、左右の長さＦａについてそれぞれ０．４Ｗ＜Ｆａ≦Ｗを満たせばよい。
【００２７】
又、角部１２０から角部１２０に対向する角部１３０までの距離をＤとし、角部１２０から第１端縁４までの距離をＦｂとしたとき、０．２Ｄ≦Ｆｂ≦Ｄを満たすことが好ましい。
これは、０．２Ｄ＞Ｆｂであると、フラップの幅が狭くなるため、フラップの強度が低くなって、シートの保持効果が低下するからである。又、Ｆｂ≦Ｄとするのは、Ｆｂが最大とりうる長さがＤであるからである。
なお、Ｄは容器の天面１０１の短手方向の長さである。
【００２８】
さらに、第１切込み線２の長さをＦｃとしたとき、０．１Ｄ≦Ｆｃ≦０．５Ｄを満たすことが好ましい。
これは、０．１Ｄ＞Ｆｃであると、フラップの幅が狭くなるため、フラップの強度が低くなって、シートの保持効果が低下するからである。又、Ｆｃ≦０．５Ｄとするのは、Ｆｂが最大とりうる長さをＤとした場合、ＦｃをＦｂの１／２以下としないと、フラップを支える部分の幅が狭くなってフラップが撓み過ぎるからである。
【００２９】
より好ましくは、０．８Ｗ＜Ｆａ≦Ｗ、０．４Ｄ≦Ｆｂ≦０．７Ｄ、０．２Ｄ≦Ｆｃ≦０．４Ｄ、とすることで、シートの保持性が良好になり、シートが引き出し易く、又、開口が大きくなって容器内部の視認性が良好となる。
【００３０】
図５は、各フラップ１０，１１に次シート３００が保持された状態で、容器２００の蓋１０９を閉じた状態を示す断面図である。蓋を下げて閉鎖すると、蓋に接触した各フラップ１０，１１が適度に撓んで下方に変形することがわかる。
【００３１】
図６は、各フラップ１０，１１に次シート３００が保持された状態を容器の前面から見たときの断面図である。シート状物品（積層体）３００は、所定間隔でミシン目が付与され、ジグザグ状に折り畳まれ、ミシン目で分離されて個々のシートとなる。
【００３２】
図７は、本発明の第２の実施形態に係るシート状物品収納容器の下側片１０５ｘの構成を示す部分図である。第２の実施形態に係るシート状物品収納容器は、下側片１０５ｘ以外の構成は第１の実施形態に係るシート状物品収納容器と同一であるので、同一部分の説明を省略する。又、第１の実施形態の下側片と同一の構成部分は同一符号を付す。
本発明で用いるポップアップ式シート積層体は、各シート状物品を交互に折り込む（又は折り畳む）ため、次シートが１枚毎にずれて突出する。そのため、第１の実施形態のように開口２１０側から第１湾曲部４ｃ１，４ｃ２を通ってシートを第１切込み線２に誘導しようとしても、シートが開口２１０と異なる位置にポップアップされ、シートの誘導が難しくなる場合がある。そこで、第２の実施形態においては、異なる位置からシートを第１切込み線に誘導し、フラップ間に保持できるようにしている。
【００３３】
図７において、第１切込み線２１，２２の間における下側片１０５ｘに、第１切込み線２１−２２に接する第１切り欠き部５０が形成されている。なお、この実施形態では、第１切込み線の始点２１ｓと終点２２ｅの間を結ぶ線分を第１切込み線とする。
第１切り欠き部５０は、第１切込み線２１−２２を中心に左右対称形をなし、第１切込み線２１−２２に接する部分の前縁部が第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁５０ｃ１、５０ｃ２を形成し、同様に第１切込み線２１−２２に接する部分の後縁部（角部１２０側）が第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁５０ｄ１、５０ｄ２を形成する。
又、第１切り欠き部５０は、第１切込み線２１−２２から角部１２０に沿う方向に向かって平行に延びた後、半円形の終端縁に至っている。
【００３４】
第１切り欠き部５０は、第１切込み線２１−２２を２つに分けるように形成されるため、第１切り欠き部５０によって、（第１の実施形態の１対の）フラップが第１端縁４側の前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１と、角部１２０側の後段フラップ対１０ｘ２、１１ｘ２とに分けられる。
このようにすると、シートが開口側（前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１の第１湾曲部４ｃ１，４ｃ２側）と異なる位置、つまり第１切り欠き部５０内にポップアップされても、第１切り欠き部５０から第２湾曲縁５０ｄ１、５０ｄ２を通してシート状物品を後段フラップ対１０ｘ２、１１ｘ２に係止可能となり、ポップアップ式シート積層体から次シートを確実に保持することができる。勿論、次シートの位置に応じて、前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１でシートを保持することもできる。
【００３５】
なお、第１切り欠き部５０側から前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１にシートを誘導し易くする観点から、第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁５０ｃ１、５０ｃ２を形成することが好ましい。又、第１切り欠き部５０側から後段フラップ対１０ｘ２、１１ｘ２にシートを誘導し易くする観点から、第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁５０ｄ１、５０ｄ２を形成することが好ましい。
又、第２の実施形態においては、第２切込み線６ｘ１、６ｘ２が第１切込み線２２に接する部分の縁部が第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２と平行でなく、第１湾曲縁と反対向きに湾曲した第３湾曲縁を形成してもよい。これは、後段フラップ対１０ｘ２、１１ｘ２が前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１と分離しているため、前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１の形状に合わせる必要がないためである。
【００３６】
図８は、本発明の第３の実施形態に係るシート状物品収納容器の下側片１０５ｙの構成を示す部分図である。第２の実施形態に係るシート状物品収納容器は、下側片１０５ｙ以外の構成は第１の実施形態に係るシート状物品収納容器と同一であるので、同一部分の説明を省略する。又、第１の実施形態の下側片と同一の構成部分は同一符号を付す。
第３の実施形態においても、異なる位置からシートを第１切込み線に誘導し、フラップ間に保持できる。
【００３７】
図８において、第１切込み線２より角部１２０側における下側片１０５ｙに、第１切込み線２及び第２切込み線６ｙ１、６ｙ２に接する第２切り欠き部５１が形成されている。
第２切り欠き部５１は、第１切込み線２を中心に左右対称形をなし、第２切込み線６ｙ１、６ｙ２が第１切込み線２に接する部分の縁部が、第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２と反対向きに湾曲した第３湾曲縁を形成する。
又、第２切り欠き部５１は、ほぼ円形の開口をなしている。
【００３８】
このようにすると、シートが開口側（第１湾曲部４ｃ１，４ｃ２側）と異なる位置、つまり第２切り欠き部５１内にポップアップされても、第２切り欠き部５１から第３湾曲縁６ｙ１、６ｙ２を通してシート状物品をフラップ１０、１１に係止可能となり、ポップアップ式シート積層体から次シートを確実に保持することができる。勿論、次シートの位置に応じて、第１湾曲部４ｃ１，４ｃ２側からシートを保持することもできる。
なお、第２切り欠き部５１側からフラップ対１０ｘ１、１１ｘ１にシートを誘導し易くする観点から、第１切込み線に向かって拡がる第３湾曲縁６ｙ１、６ｙ２を形成することが好ましい。
【００３９】
図９は、本発明の第４の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図を示す。シート状物品収納容器２００Ｂは、蓋を設けないこと以外は第１の実施形態に係るシート状物品収納容器と同様の構成を有する。
シート状物品収納容器２００Ｂは１枚の板紙を折り曲げて概ね箱状に組立ててなり、矩形状の天面１０１Ｂ、前面（長側面）１０２Ｂ、短側面１０８Ｂを備えている。又、天面１０１に所定のミシン目（図示しない）が形成され、ミシン目で囲まれた領域が切り開かれて開口２１０Ｂとなる。
第４の実施形態においても、各フラップ１０，１１間にシート３００を保持することができる。
【００４０】
図１０は、本発明の第５の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図を示す。第５の実施形態においては、シート状物品収納容器２００Ｃは縦置き（シート状物品の面が縦方向）され、第１の実施形態における天面に相当する面１０１Ｃが前面を向いている。又、この実施形態では蓋を設けず、ミシン目（図の破線）で開封してシートを取出すようになっている。
縦置きの場合、シートの取出し時には、第１端縁から角部へ向かう方向（上向き）にシートを引き出すことから、横置きの場合に比べて、より一層第１切込み線にシートが誘導され易くなるという利点がある。
なお、この実施形態では、第１の実施形態と同一の下側片１０５が用いられ、図１０（ａ）が正面図を示し、図１０（ｂ）が側面図を示す。
【００４１】
図１１は、本発明の第６の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図を示す。第６の実施形態においても、シート状物品収納容器２００Ｄは縦置き（シート状物品の面が縦方向）され、第１の実施形態における天面に相当する面１０１Ｄが前面を向いている。又、この実施形態では蓋を設けず、ミシン目（図の破線）で開封してシートを取出すようになっている。
なお、この実施形態では、第３の実施形態と同一の下側片１０５ｙが用いられ、図１１（ａ）が正面図を示し、図１１（ｂ）が側面図を示す。
【００４２】
本発明は上記実施形態に限定されず、例えば第１及び第２切り欠き部の形状も制限はない。又、第１湾曲縁は第１端縁に対して斜めの直線であってもよく、この場合、第１端縁と第１湾曲縁との接続部分の角を丸めてシートが引っかからないようにすることが好ましい。又、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【００４３】
【図１】本発明の第１の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図である。
【図２】図１のミシン目１０９ａを切り開いて蓋１０９を開いた状態を示す図である。
【図３】シート状物品収納容器２００を組立てるための板紙（板状体）１００の展開図である。
【図４】下側片１０５近傍の構成を示す部分拡大図である。
【図５】容器２００の蓋１０９を閉じた状態を示す断面図である。
【図６】各フラップ１０，１１に次シート３００が保持された状態を容器の前面から見たときの断面図である。
【図７】本発明の第２の実施形態に係るシート状物品収納容器の下側片１０５ｘの構成を示す部分図である。
【図８】本発明の第３の実施形態に係るシート状物品収納容器の下側片１０５ｙの構成を示す部分図である。
【図９】本発明の第４の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図である。
【図１０】本発明の第５の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図である。
【図１１】本発明の第６の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図である。
【符号の説明】
【００４４】
２、２１、２２ 第１切込み線
４ 第１端縁
４ｃ１、４ｃ２ 第１湾曲縁
６ｃ１、６ｃ２ 第２切込み線
６ｘ１、６ｘ２、６ｙ１、６ｙ２ 第３湾曲縁
８、８ｘ、８ｙ 底面壁
１０、１１ フラップ
１０ｘ１、１１ｘ１ 前段フラップ対
１０ｘ２、１１ｘ２ 後段フラップ対
５０ 第１切り欠き部
５０ｃ１〜５０ｄ２ 第２湾曲縁
５１ 第２切り欠き部
１００ 板状体
１０１〜１０１Ｄ （重ね合わせ部の）上側片
１０５、１０５ｘ、１０５ｙ （重ね合わせ部の）下側片
１０９ 蓋
１２０ 板状体を折り曲げた角部
２００〜２００Ｄ シート状物品収納容器
２１０、２１０Ｂ 開口
３００ シート状物品
３００ａ （シート状物品の）１枚のシート
【技術分野】
【０００１】
本発明は、家庭用、産業用又は業務用で使用されるペーパーナプキン、ティッシュペーパー等のシート状物品の収納容器に関する。
【背景技術】
【０００２】
紙や不織布等をシート状にした掃除用ワイパーやタオルを積層し、取出し易いように収容した容器が種々知られている。このような容器としては、容器の開口にプラスチックフィルム製のスリットを設けてティッシュペーパーを取出すティッシュボックスがある。
又、プラスチックフィルムを用いず、紙製の取出口舌片を設けたティッシュペーパー収納容器が開示されている（特許文献１参照）。一方、ティッシュのように折り畳まずフラットな吸収性ペーパシートの容器が開示されている（特許文献２参照）。さらに、使用しない時に、次回使用するシートの汚れ付着を防止する蓋を設け、蓋を閉じた時に次シートに伴って移動する中台紙を有する収納箱が開示されている（特許文献３参照）。この中台紙はシートを取出す開口部を有し、箱に固定されていないため、蓋を閉じた時に次シートが開口部の下に脱落することを防止する。
【０００３】
【特許文献１】特開平8-244863号公報
【特許文献２】特開平8-53170号公報
【特許文献３】特開2002-179163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の容器の場合、取出し口が単なる開口やスリットであるため、シートが軽量でポップアップ式のティッシュペーパーであればスリットから次ティッシュが飛び出した状態で形状を保持するが、比較的厚く大型の吸収性シート等の場合、次シートを取出し易い位置に保持することが難しい。例えば、特許文献２記載の技術の場合、単に長尺の開口が形成されているだけであるので、取出し時にシートが容器内に落ち込み、その都度、容器内に手をいれて引き出す手間を要することが想定される。又、特許文献３記載の技術の場合、中台紙はシートを取出す開口部を有するが、中台紙を容器本体と別体で作成する必要があり、コストアップとなる。
【０００５】
さらに、シートが折り畳まれたままの状態で取出されるのでなく、使用に便利なように広がった状態で次シートを取出すことができれば、使用の度にシートを広げる手間が不要で都合がよいが、このような技術は開発されていない。
又、衛生面を重視する場合には、容器内への埃等の混入や取出し口から突出した次シートへの汚れ等を防ぐため蓋を設けることが好ましいが、突出し次シートに干渉して蓋の閉鎖が不十分となることがある。特に、ティッシュペーパーに比較して厚く大型の吸収性シート等の場合にこの問題が顕著になる。
すなわち、本発明は、シートを容易に取り出せるとともに製造が簡易なシート状物品収納容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決するため、本発明のシート状物品収納容器は、板状体を折り曲げて箱状に組立ててなり、積層された複数のシート状物品を内部に収納する容器であって、前記板状体の２つの片が重ね合わせ部を形成して固定され、前記重ね合わせ部の下側片のうち、前記板状体を折り曲げた角部に対向する第１端縁から前記角部へ向かって延びる第１切込み線と、前記第１端縁のうち、前記第１切込み線に至る部分に形成され前記角部へ向かって凹む２つの第１湾曲縁と、前記下側片のうち前記第１端縁より内側に形成され、前記第１湾曲縁とほぼ平行でかつ前記第１切込み線に至る湾曲した２つの第２切込み線とを備え、前記第１切込み線、前記第１湾曲部、及び前記第２切込み線によって１対のフラップが画成され、該フラップは前記第１切込み線側を自由端として回動可能であり、前記重ね合わせ部のうち上側片を開封することにより、前記シート状物品を取出す開口が形成され、前記開口から突出した前記シート状物品が前記フラップの間に係止可能であり、前記開口に保護フィルムが設けられていない。
このような構成とすると、開口付近に形成された１対のフラップにより、次シートを取出し易い位置に保持することができる。又、各フラップ間に保持された次シートを取出す際、シートがフラップ間を通過することにより、使用に便利なように広がった状態となるので、使用の度にシートを広げる手間が不要となり、拭き取り等の作業がしやすくなる。
そして、各フラップの前縁部分が第１湾曲部で湾曲し、各フラップの合わさる部分が第１切込み線に向かって最も凹んでいるため、シートを第１切込み線（保持位置）に誘導しやすい。また、各フラップの後縁部分となる第２切込み線が第１湾曲部に平行であるため、フラップの幅が一定となり、フラップの撓みが均一になる。その結果、フラップがシートを確実に保持すると共に、シートのスムーズな取出しが可能となり、シートへのダメージも少ない。
さらに、各フラップは容器本体を構成する下側片に形成されているので、フラップを容器本体と別体で作成する必要がなく、生産が容易でコストを低減できる。又、容器をリサイクルする際も容器本体と一体で回収できる。
又、開口に保護フィルムを設けないので、容器とフィルムを分別リサイクルする必要がない。
【０００７】
前記前記上側片は、前記開口及び前記下側片を覆って開閉可能な蓋をなすことができる。
このような構成とすると、容器内への埃等の混入や取出し口から突出した次シートへの汚れ等を防ぐことができる
【０００８】
前記開口は、前記下側片が配置された面及び該面の隣接面に連通して形成されていることが好ましい。
このような構成とすると、開口が大きく、初回のシート状物品の取出しや、容器の中身の確認に都合がよく、一度に数枚のシート状物品を取出す場合にも便利である。
【０００９】
前記角部のうち、前記第１切込み線の延長線との交点から角部終端までの長さをＷとし、前記角部に平行でかつ前記第２切込み線のうち前記第１端縁に最も近い部分を通る直線が前記第１端縁に隣接する前記下側片の第２端縁と交わる点を第２交点とし、前記直線が前記第１切込み線及び前記第２交点と交わる部分の長さをＦａとしたとき、０．４Ｗ＜Ｆａ≦Ｗを満たし、前記角部から該角部に対向する角部までの距離をＤとし、前記角部から前記第１端縁までの距離をＦｂとしたとき、０．２Ｄ≦Ｆｂ≦Ｄを満たし、前記第１切込み線の長さをＦｃとしたとき、０．１Ｄ≦Ｆｃ≦０．５Ｄを満たすことが好ましい。
【００１０】
前記第１切込み線の間における前記下側片に、前記第１切込み線に接する第１切り欠き部が形成され、前記第１切り欠き部によって前記１対のフラップが前記第１端縁側の前段フラップ対と、前記角部側の後段フラップ対とに分けられることが好ましい。
このような構成とすると、シートが開口側（前段フラップ対の第１湾曲部側）と異なる位置、つまり第１切り欠き部内にポップアップされても、第１切り欠き部からシート状物品を後段フラップ対に係止可能となり、ポップアップ式シート積層体から次シートを確実に保持することができる。
【００１１】
前記第１切込み線より前記角部側における前記下側片に、前記第１切込み線及び前記第２切込み線に接する第２切り欠き部が形成されていることが好ましい。
このような構成とすると、シートが開口側（第１湾曲部側）と異なる位置、つまり第２切り欠き部内にポップアップされても、第２切り欠き部からシート状物品をフラップに係止可能となり、ポップアップ式シート積層体から次シートを確実に保持することができる。
【００１２】
前記第１切り欠き部が前記第１切込み線に接する部分の縁部が前記第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁を形成することが好ましい。
前記第２切込み線が前記第１切込み線に接する部分の縁部が前記第１湾曲縁と平行でなく、前記第１湾曲縁と反対向きに湾曲した第３湾曲縁を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【００１３】
この発明によれば、シートを容易に取り出せるとともに製造が簡易なシート状物品収納容器が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図１は、本発明の第１の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図を示す。シート状物品収納容器２００は、１枚の板紙を折り曲げて概ね箱状に組立ててなり、矩形状の天面１０１、前面（長側面）１０２、短側面１０８を備えている。又、天面１０１からこれに隣接する長側面１０２に連通してミシン目１０９ａが形成され、ミシン目１０９ａで囲まれた領域が切り開かれて蓋１０９となる。蓋１０９は、ミシン目１０９ａが形成されていない折線１０９ｂを軸に開閉可能になっている。
【００１５】
図２は、図１のミシン目１０９ａを切り開いて蓋１０９を開いた状態を示す。蓋１０９を開いた部分には、収納されたシート状物品３００を取出す開口２１０が形成され、開口２１０は天面１０１及びこれに隣接する長側面１０２に連通している。蓋１０９は、開口２１０及び後述する下側片１０５を覆っている。又、下側片１０５の一部はシート状物品３００を係止可能な１対のフラップ１０，１１を形成している。なお、下側片１０５の面方向は、シート状物品３００の面方向に平行である。
開口２１０の大きさは、後述するフラップの作用を妨げない範囲で任意に設定することができる。さらに、蓋１０９の先端に、開封がしやすい様に凸部（摘み部）１０９ｃを設けることが好ましい。なお、図２に示すように、開口２１０を天面１０１と長側面１０２にまたがって大きく設けると、初回のシート状物品の取出しや、容器の中身の確認に都合がよく、一度に数枚のシート状物品を取出す場合にも便利である。
なお、開口２１０には、従来のティッシュボックスの開口に設置されるスリット付きのプラスチックフィルムのような保護フィルムが覆われておらず、容器とフィルムを分別リサイクルする必要がない。
【００１６】
本発明では、シート状物品収納容器２００に収納されるシート状物品（の積層体）３００として、各シート状物品を交互に折り込んでポップアップ可能にしたものを用いる。ポップアップ可能なシート状物品としては、シートをＶ字折りやＺ字折りして交互に折り込んだものが例示できるがこれに限定されず、公知のあらゆるポップアップ式シート積層体を用いることができる。
シート状物品としては、特に限定されないが、例えばペーパーナプキン、ティッシュペーパー、紙タオル、掃除用シート等を用いることができる。
【００１７】
図３は、シート状物品収納容器２００を組立てるための板紙（板状体）１００の展開図を示す。板紙１００は所定形状に切り抜かれ、天面１０１の上下端縁にそれぞれ短側面１０６、１０８が連設し、天面１０１の左端縁に長側面１０２が連設し、天面１０１の右端縁には他の面が連設していない。短側面１０６、１０８は天面１０１以外の面と連設されない自由端となっている。又、天面１０１から長側面１０２につながってミシン目１０９ａが形成されている。
【００１８】
又、長側面１０２の左端縁に底面１０３が連設し、底面１０３の左端縁に長側面１０４が連設し、長側面１０４の左端縁に下側片１０５が連設している。下側片１０５は長側面１０４以外の面と連設されない自由端となっていて、長側面１０４との接続部分を９０度折り曲げることで、容器の角部１２０を構成する。
さらに、長側面１０２、底面１０３、長側面１０４の上端縁にそれぞれ片１０２ａ〜１０４ａが連設し、長側面１０２、底面１０３、長側面１０４の下端縁にそれぞれ片１０２ｂ〜１０４ｂが連設している。片１０２ａ〜１０４ａ及び片１０２ｂ〜１０４ｂは、それぞれ長側面１０２、底面１０３、長側面１０４以外の面と接続されない自由端となっている。
【００１９】
そして、天面１０１、長側面１０２、底面１０３、長側面１０４、下側片１０５の各面の接続部分をそれぞれ９０度折り曲げる。この際、天面１０１の先端部と下側片１０５とが天面１０１を上にして重ね合わせられ、重ね合わせ部を糊付け固定することで、容器の胴部が形成される。
さらに、片１０２ａ〜１０４ａを接続部分でそれぞれ９０度折り曲げて重ね合わせ、その上に短側面１０６を重ね合わせ、糊付け固定することで、容器の一方の短側面が形成される。そいて、適宜シート状物品を容器内に収納した後、片１０２ｂ〜１０４ｂを接続部分でそれぞれ９０度折り曲げて重ね合わせ、その上に短側面１０８を重ね合わせ、糊付け固定することで、容器の他の短側面が形成され、直方体（箱）状の容器が組み立てられる。
なお、板状体１００は特に限定されず、紙の他、例えば可撓性のプラスチック板等を用いることができる。
【００２０】
図４は、下側片１０５近傍の構成を示す部分拡大図である。下側片１０５は角部１２０側を底辺とし、角部１２０に対向する下側片１０５の先端（上辺）が第１端縁４を形成する等脚台形状をなし、第１端縁４に隣接する辺（第２端縁）３０、３１の長さが等しい。下側片１０５は、角部１２０側が固定された自由端をなし、第１端縁４の中央から角部１２０に向かい、第１端縁４と垂直に第１切込み線２が延びている。又、第１端縁４のうち、終端部４ｅから第１切込み線２に至る部分の長さの約１／２までの部分は角部１２０に水平であるが、それより第１切込み線２寄りの部分は角部１２０へ向かって凹む第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２を形成する。そして、第１切込み線２によって分けられた２つの第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２は第１切込み線２の始点２ｓで接し、第１切込み線２の始点２ｓで第１端縁４が角部１２０へ向かって最も凹んでいる。
【００２１】
下側片１０５のうち第１端縁４より内側には、それぞれ第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２とほぼ平行でかつ第１切込み線２に至る湾曲した第２切込み線６ｃ１、６ｃ２がそれぞれ形成されている。第２切込み線６ｃ１、６ｃ２はより詳しくは、第１切込み線２から角部１２０に平行な方向に外側へ向かってそれぞれ第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２とほぼ平行に切込まれ、第１端縁４に最も接近した凸部６Ｌ１、６Ｌ２に至った後、凸部６Ｌ１、６Ｌ２から第１端縁４と離間するように湾曲して切込まれ、終端６ｅ１、６ｅ２に至る。
第２切込み線６ｃ１、６ｃ２は第１切込み線２の終点２ｅで接し、第１切込み線２はその始点２ｓから終点２ｅまで切込まれている。
【００２２】
第１切込み線２、第１湾曲部４ｃ１、及び第２切込み線６ｃ１によって左フラップ１０が画成され、同様に第１切込み線２、第１湾曲部４ｃ２、及び第２切込み線６ｃ２によって右フラップ１１が画成される。各フラップ１０、１１は第１切込み線２側を自由端として回動可能である。
そして、天面１０１と下側片１０５との重ね合わせ部のうち上側片となる天面１０１をミシン目１０９ａで開封することにより、下側片１０５の第１端縁４と、角部１２０に対向する角部１３０との間に、シート状物品を取出す開口２１０が形成される。使用時には、開口２１０からシート状物品を取出し、開口２１０から突出した次のシート状物品をフラップ１０、１１の間（第１切込み線２内）に係止することができる。
【００２３】
以上のように、本発明の第１の実施形態に係るシート状物品収納容器においては、開口２１０付近に１対のフラップが形成されているので、次シートを取出し易い位置に保持することができる。特に、比較的厚く大型の吸収性シート等の場合にフラップが有効となる。
又、各フラップ間に保持された次シートを取出す際、シートがフラップ間を通過することにより、使用に便利なように広がった状態となるので、使用の度にシートを広げる手間が不要となり、拭き取り等の作業がしやすくなる。
【００２４】
そして、各フラップの前縁部分が第１湾曲部で湾曲し、各フラップの合わさる部分が第１切込み線２へ向かって最も凹んでいるため、シートを第１切込み線２（保持位置）に誘導しやすい。また、各フラップの後縁部分となる第２切込み線が第１湾曲部に平行であるため、フラップの幅が一定となり、フラップの撓みが均一になる。その結果、フラップがシートを確実に保持すると共に、シートのスムーズな取出しが可能となり、シートへのダメージも少ない。
さらに、各フラップは容器本体を構成する下側片に形成されているので、フラップを容器本体と別体で作成する必要がなく、生産が容易でコストを低減できる。又、容器をリサイクルする際も容器本体と一体で回収できる。
【００２５】
又、衛生面を重視する場合には、容器内への埃等の混入や取出し口から突出した次シートへの汚れ等を防ぐため蓋を設けることができるが、蓋の閉鎖時に各フラップが適度に撓んで下方に変形することで、蓋とフラップ間に空間が確保され、蓋が閉まりやすくなると共に保持したシートが落下しない。
【００２６】
角部１２０のうち、第１切込み線２の延長線との交点１２０ｐから角部終端１２０ｅ１（又は１２０ｅ２）までの長さをＷとする（交点１２０ｐから角部の左側終端１２０ｅまでの長さをＷ１とし、右側終端１２０ｅ２までの長さをＷ２とするが、便宜上、Ｗ１とＷ２を総称してＷとする）。また、角部１２０に平行でかつ第２切込み線の凸部６Ｌ１、６Ｌ２を通る直線Ｌが第２端縁３０と交わる点を第２交点３０ｐとし、直線Ｌが第１切込み線２及び第２交点３０ｐと交わる部分の長さをＦａとしたとき、０．４Ｗ＜Ｆａ≦Ｗを満たすことが好ましい。
これは、０．４Ｗ≧Ｆａであると、フラップの長さがＷの４０％以下と短くなるため、フラップが充分に回動したり撓むことができず、シートの保持効果が低下するからである。又、Ｆａ≦Ｗとするのは、Ｆａが最大とりうる長さがＷであるからである。
なお、第１切込み線２が第１端縁４の中央からずれた位置に形成されている場合、第１切込み線２の延長線との交点１２０ｐから角部終端１２０ｅまでの長さは左右でそれぞれ異なるが（Ｗ１，Ｗ２）、この場合は、左右の長さＦａについてそれぞれ０．４Ｗ＜Ｆａ≦Ｗを満たせばよい。
【００２７】
又、角部１２０から角部１２０に対向する角部１３０までの距離をＤとし、角部１２０から第１端縁４までの距離をＦｂとしたとき、０．２Ｄ≦Ｆｂ≦Ｄを満たすことが好ましい。
これは、０．２Ｄ＞Ｆｂであると、フラップの幅が狭くなるため、フラップの強度が低くなって、シートの保持効果が低下するからである。又、Ｆｂ≦Ｄとするのは、Ｆｂが最大とりうる長さがＤであるからである。
なお、Ｄは容器の天面１０１の短手方向の長さである。
【００２８】
さらに、第１切込み線２の長さをＦｃとしたとき、０．１Ｄ≦Ｆｃ≦０．５Ｄを満たすことが好ましい。
これは、０．１Ｄ＞Ｆｃであると、フラップの幅が狭くなるため、フラップの強度が低くなって、シートの保持効果が低下するからである。又、Ｆｃ≦０．５Ｄとするのは、Ｆｂが最大とりうる長さをＤとした場合、ＦｃをＦｂの１／２以下としないと、フラップを支える部分の幅が狭くなってフラップが撓み過ぎるからである。
【００２９】
より好ましくは、０．８Ｗ＜Ｆａ≦Ｗ、０．４Ｄ≦Ｆｂ≦０．７Ｄ、０．２Ｄ≦Ｆｃ≦０．４Ｄ、とすることで、シートの保持性が良好になり、シートが引き出し易く、又、開口が大きくなって容器内部の視認性が良好となる。
【００３０】
図５は、各フラップ１０，１１に次シート３００が保持された状態で、容器２００の蓋１０９を閉じた状態を示す断面図である。蓋を下げて閉鎖すると、蓋に接触した各フラップ１０，１１が適度に撓んで下方に変形することがわかる。
【００３１】
図６は、各フラップ１０，１１に次シート３００が保持された状態を容器の前面から見たときの断面図である。シート状物品（積層体）３００は、所定間隔でミシン目が付与され、ジグザグ状に折り畳まれ、ミシン目で分離されて個々のシートとなる。
【００３２】
図７は、本発明の第２の実施形態に係るシート状物品収納容器の下側片１０５ｘの構成を示す部分図である。第２の実施形態に係るシート状物品収納容器は、下側片１０５ｘ以外の構成は第１の実施形態に係るシート状物品収納容器と同一であるので、同一部分の説明を省略する。又、第１の実施形態の下側片と同一の構成部分は同一符号を付す。
本発明で用いるポップアップ式シート積層体は、各シート状物品を交互に折り込む（又は折り畳む）ため、次シートが１枚毎にずれて突出する。そのため、第１の実施形態のように開口２１０側から第１湾曲部４ｃ１，４ｃ２を通ってシートを第１切込み線２に誘導しようとしても、シートが開口２１０と異なる位置にポップアップされ、シートの誘導が難しくなる場合がある。そこで、第２の実施形態においては、異なる位置からシートを第１切込み線に誘導し、フラップ間に保持できるようにしている。
【００３３】
図７において、第１切込み線２１，２２の間における下側片１０５ｘに、第１切込み線２１−２２に接する第１切り欠き部５０が形成されている。なお、この実施形態では、第１切込み線の始点２１ｓと終点２２ｅの間を結ぶ線分を第１切込み線とする。
第１切り欠き部５０は、第１切込み線２１−２２を中心に左右対称形をなし、第１切込み線２１−２２に接する部分の前縁部が第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁５０ｃ１、５０ｃ２を形成し、同様に第１切込み線２１−２２に接する部分の後縁部（角部１２０側）が第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁５０ｄ１、５０ｄ２を形成する。
又、第１切り欠き部５０は、第１切込み線２１−２２から角部１２０に沿う方向に向かって平行に延びた後、半円形の終端縁に至っている。
【００３４】
第１切り欠き部５０は、第１切込み線２１−２２を２つに分けるように形成されるため、第１切り欠き部５０によって、（第１の実施形態の１対の）フラップが第１端縁４側の前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１と、角部１２０側の後段フラップ対１０ｘ２、１１ｘ２とに分けられる。
このようにすると、シートが開口側（前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１の第１湾曲部４ｃ１，４ｃ２側）と異なる位置、つまり第１切り欠き部５０内にポップアップされても、第１切り欠き部５０から第２湾曲縁５０ｄ１、５０ｄ２を通してシート状物品を後段フラップ対１０ｘ２、１１ｘ２に係止可能となり、ポップアップ式シート積層体から次シートを確実に保持することができる。勿論、次シートの位置に応じて、前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１でシートを保持することもできる。
【００３５】
なお、第１切り欠き部５０側から前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１にシートを誘導し易くする観点から、第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁５０ｃ１、５０ｃ２を形成することが好ましい。又、第１切り欠き部５０側から後段フラップ対１０ｘ２、１１ｘ２にシートを誘導し易くする観点から、第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁５０ｄ１、５０ｄ２を形成することが好ましい。
又、第２の実施形態においては、第２切込み線６ｘ１、６ｘ２が第１切込み線２２に接する部分の縁部が第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２と平行でなく、第１湾曲縁と反対向きに湾曲した第３湾曲縁を形成してもよい。これは、後段フラップ対１０ｘ２、１１ｘ２が前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１と分離しているため、前段フラップ対１０ｘ１、１１ｘ１の形状に合わせる必要がないためである。
【００３６】
図８は、本発明の第３の実施形態に係るシート状物品収納容器の下側片１０５ｙの構成を示す部分図である。第２の実施形態に係るシート状物品収納容器は、下側片１０５ｙ以外の構成は第１の実施形態に係るシート状物品収納容器と同一であるので、同一部分の説明を省略する。又、第１の実施形態の下側片と同一の構成部分は同一符号を付す。
第３の実施形態においても、異なる位置からシートを第１切込み線に誘導し、フラップ間に保持できる。
【００３７】
図８において、第１切込み線２より角部１２０側における下側片１０５ｙに、第１切込み線２及び第２切込み線６ｙ１、６ｙ２に接する第２切り欠き部５１が形成されている。
第２切り欠き部５１は、第１切込み線２を中心に左右対称形をなし、第２切込み線６ｙ１、６ｙ２が第１切込み線２に接する部分の縁部が、第１湾曲縁４ｃ１、４ｃ２と反対向きに湾曲した第３湾曲縁を形成する。
又、第２切り欠き部５１は、ほぼ円形の開口をなしている。
【００３８】
このようにすると、シートが開口側（第１湾曲部４ｃ１，４ｃ２側）と異なる位置、つまり第２切り欠き部５１内にポップアップされても、第２切り欠き部５１から第３湾曲縁６ｙ１、６ｙ２を通してシート状物品をフラップ１０、１１に係止可能となり、ポップアップ式シート積層体から次シートを確実に保持することができる。勿論、次シートの位置に応じて、第１湾曲部４ｃ１，４ｃ２側からシートを保持することもできる。
なお、第２切り欠き部５１側からフラップ対１０ｘ１、１１ｘ１にシートを誘導し易くする観点から、第１切込み線に向かって拡がる第３湾曲縁６ｙ１、６ｙ２を形成することが好ましい。
【００３９】
図９は、本発明の第４の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図を示す。シート状物品収納容器２００Ｂは、蓋を設けないこと以外は第１の実施形態に係るシート状物品収納容器と同様の構成を有する。
シート状物品収納容器２００Ｂは１枚の板紙を折り曲げて概ね箱状に組立ててなり、矩形状の天面１０１Ｂ、前面（長側面）１０２Ｂ、短側面１０８Ｂを備えている。又、天面１０１に所定のミシン目（図示しない）が形成され、ミシン目で囲まれた領域が切り開かれて開口２１０Ｂとなる。
第４の実施形態においても、各フラップ１０，１１間にシート３００を保持することができる。
【００４０】
図１０は、本発明の第５の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図を示す。第５の実施形態においては、シート状物品収納容器２００Ｃは縦置き（シート状物品の面が縦方向）され、第１の実施形態における天面に相当する面１０１Ｃが前面を向いている。又、この実施形態では蓋を設けず、ミシン目（図の破線）で開封してシートを取出すようになっている。
縦置きの場合、シートの取出し時には、第１端縁から角部へ向かう方向（上向き）にシートを引き出すことから、横置きの場合に比べて、より一層第１切込み線にシートが誘導され易くなるという利点がある。
なお、この実施形態では、第１の実施形態と同一の下側片１０５が用いられ、図１０（ａ）が正面図を示し、図１０（ｂ）が側面図を示す。
【００４１】
図１１は、本発明の第６の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図を示す。第６の実施形態においても、シート状物品収納容器２００Ｄは縦置き（シート状物品の面が縦方向）され、第１の実施形態における天面に相当する面１０１Ｄが前面を向いている。又、この実施形態では蓋を設けず、ミシン目（図の破線）で開封してシートを取出すようになっている。
なお、この実施形態では、第３の実施形態と同一の下側片１０５ｙが用いられ、図１１（ａ）が正面図を示し、図１１（ｂ）が側面図を示す。
【００４２】
本発明は上記実施形態に限定されず、例えば第１及び第２切り欠き部の形状も制限はない。又、第１湾曲縁は第１端縁に対して斜めの直線であってもよく、この場合、第１端縁と第１湾曲縁との接続部分の角を丸めてシートが引っかからないようにすることが好ましい。又、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【００４３】
【図１】本発明の第１の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図である。
【図２】図１のミシン目１０９ａを切り開いて蓋１０９を開いた状態を示す図である。
【図３】シート状物品収納容器２００を組立てるための板紙（板状体）１００の展開図である。
【図４】下側片１０５近傍の構成を示す部分拡大図である。
【図５】容器２００の蓋１０９を閉じた状態を示す断面図である。
【図６】各フラップ１０，１１に次シート３００が保持された状態を容器の前面から見たときの断面図である。
【図７】本発明の第２の実施形態に係るシート状物品収納容器の下側片１０５ｘの構成を示す部分図である。
【図８】本発明の第３の実施形態に係るシート状物品収納容器の下側片１０５ｙの構成を示す部分図である。
【図９】本発明の第４の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図である。
【図１０】本発明の第５の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図である。
【図１１】本発明の第６の実施形態に係るシート状物品収納容器の斜視図である。
【符号の説明】
【００４４】
２、２１、２２ 第１切込み線
４ 第１端縁
４ｃ１、４ｃ２ 第１湾曲縁
６ｃ１、６ｃ２ 第２切込み線
６ｘ１、６ｘ２、６ｙ１、６ｙ２ 第３湾曲縁
８、８ｘ、８ｙ 底面壁
１０、１１ フラップ
１０ｘ１、１１ｘ１ 前段フラップ対
１０ｘ２、１１ｘ２ 後段フラップ対
５０ 第１切り欠き部
５０ｃ１〜５０ｄ２ 第２湾曲縁
５１ 第２切り欠き部
１００ 板状体
１０１〜１０１Ｄ （重ね合わせ部の）上側片
１０５、１０５ｘ、１０５ｙ （重ね合わせ部の）下側片
１０９ 蓋
１２０ 板状体を折り曲げた角部
２００〜２００Ｄ シート状物品収納容器
２１０、２１０Ｂ 開口
３００ シート状物品
３００ａ （シート状物品の）１枚のシート
【特許請求の範囲】
【請求項１】
板状体を折り曲げて箱状に組立ててなり、ポップアップ式に積層された複数のシート状物品を内部に収納する容器であって、
前記板状体の２つの片が重ね合わせ部を形成して固定され、
前記重ね合わせ部の下側片のうち、前記板状体を折り曲げた角部に対向する第１端縁から前記角部へ向かって延びる第１切込み線と、
前記第１端縁のうち、前記第１切込み線に至る部分に形成され前記角部へ向かって凹む２つの第１湾曲縁と、
前記下側片のうち前記第１端縁より内側に形成され、前記第１湾曲縁とほぼ平行でかつ前記第１切込み線に至る湾曲した２つの第２切込み線とを備え、
前記第１切込み線、前記第１湾曲部、及び前記第２切込み線によって１対のフラップが画成され、該フラップは前記第１切込み線側を自由端として回動可能であり、
前記重ね合わせ部のうち上側片を開封することにより、前記シート状物品を取出す開口が形成され、前記開口から突出した前記シート状物品が前記フラップの間に係止可能であり、前記開口に保護フィルムが設けられていないシート状物品収納容器。
【請求項２】
前記上側片は、前記開口及び前記下側片を覆って開閉可能な蓋をなす請求項１記載のシート状物品収納容器。
【請求項３】
前記開口は、前記下側片が配置された面及び該面の隣接面に連通して形成されている請求項１又は２記載のシート状物品収納容器。
【請求項４】
前記角部のうち、前記第１切込み線の延長線との交点から角部終端までの長さをＷとし、前記角部に平行でかつ前記第２切込み線のうち前記第１端縁に最も近い部分を通る直線が前記第１端縁に隣接する前記下側片の第２端縁と交わる点を第２交点とし、前記直線が前記第１切込み線及び前記第２交点と交わる部分の長さをＦａとしたとき、０．４Ｗ＜Ｆａ≦Ｗを満たし、
前記角部から該角部に対向する角部までの距離をＤとし、前記角部から前記第１端縁までの距離をＦｂとしたとき、０．２Ｄ≦Ｆｂ≦Ｄを満たし、
前記第１切込み線の長さをＦｃとしたとき、０．１Ｄ≦Ｆｃ≦０．５Ｄを満たす請求項１〜３のいずれかに記載のシート状物品収納容器。
【請求項５】
前記第１切込み線の間における前記下側片に、前記第１切込み線に接する第１切り欠き部が形成され、前記第１切り欠き部によって前記１対のフラップが前記第１端縁側の前段フラップ対と、前記角部側の後段フラップ対とに分けられる請求項１〜４のいずれかに記載のシート状物品収納容器。
【請求項６】
前記第１切込み線より前記角部側における前記下側片に、前記第１切込み線及び前記第２切込み線に接する第２切り欠き部が形成されている請求項１〜４のいずれかに記載のシート状物品収納容器。
【請求項７】
前記第１切り欠き部が前記第１切込み線に接する部分の縁部が前記第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁を形成する請求項５記載のシート状物品収納容器。
【請求項８】
前記第２切込み線が前記第１切込み線に接する部分の縁部が前記第１湾曲縁と平行でなく、前記第１湾曲縁と反対向きに湾曲した第３湾曲縁を形成する請求項５〜７のいずれかに記載のシート状物品収納容器。
【請求項１】
板状体を折り曲げて箱状に組立ててなり、ポップアップ式に積層された複数のシート状物品を内部に収納する容器であって、
前記板状体の２つの片が重ね合わせ部を形成して固定され、
前記重ね合わせ部の下側片のうち、前記板状体を折り曲げた角部に対向する第１端縁から前記角部へ向かって延びる第１切込み線と、
前記第１端縁のうち、前記第１切込み線に至る部分に形成され前記角部へ向かって凹む２つの第１湾曲縁と、
前記下側片のうち前記第１端縁より内側に形成され、前記第１湾曲縁とほぼ平行でかつ前記第１切込み線に至る湾曲した２つの第２切込み線とを備え、
前記第１切込み線、前記第１湾曲部、及び前記第２切込み線によって１対のフラップが画成され、該フラップは前記第１切込み線側を自由端として回動可能であり、
前記重ね合わせ部のうち上側片を開封することにより、前記シート状物品を取出す開口が形成され、前記開口から突出した前記シート状物品が前記フラップの間に係止可能であり、前記開口に保護フィルムが設けられていないシート状物品収納容器。
【請求項２】
前記上側片は、前記開口及び前記下側片を覆って開閉可能な蓋をなす請求項１記載のシート状物品収納容器。
【請求項３】
前記開口は、前記下側片が配置された面及び該面の隣接面に連通して形成されている請求項１又は２記載のシート状物品収納容器。
【請求項４】
前記角部のうち、前記第１切込み線の延長線との交点から角部終端までの長さをＷとし、前記角部に平行でかつ前記第２切込み線のうち前記第１端縁に最も近い部分を通る直線が前記第１端縁に隣接する前記下側片の第２端縁と交わる点を第２交点とし、前記直線が前記第１切込み線及び前記第２交点と交わる部分の長さをＦａとしたとき、０．４Ｗ＜Ｆａ≦Ｗを満たし、
前記角部から該角部に対向する角部までの距離をＤとし、前記角部から前記第１端縁までの距離をＦｂとしたとき、０．２Ｄ≦Ｆｂ≦Ｄを満たし、
前記第１切込み線の長さをＦｃとしたとき、０．１Ｄ≦Ｆｃ≦０．５Ｄを満たす請求項１〜３のいずれかに記載のシート状物品収納容器。
【請求項５】
前記第１切込み線の間における前記下側片に、前記第１切込み線に接する第１切り欠き部が形成され、前記第１切り欠き部によって前記１対のフラップが前記第１端縁側の前段フラップ対と、前記角部側の後段フラップ対とに分けられる請求項１〜４のいずれかに記載のシート状物品収納容器。
【請求項６】
前記第１切込み線より前記角部側における前記下側片に、前記第１切込み線及び前記第２切込み線に接する第２切り欠き部が形成されている請求項１〜４のいずれかに記載のシート状物品収納容器。
【請求項７】
前記第１切り欠き部が前記第１切込み線に接する部分の縁部が前記第１切込み線に向かって拡がる第２湾曲縁を形成する請求項５記載のシート状物品収納容器。
【請求項８】
前記第２切込み線が前記第１切込み線に接する部分の縁部が前記第１湾曲縁と平行でなく、前記第１湾曲縁と反対向きに湾曲した第３湾曲縁を形成する請求項５〜７のいずれかに記載のシート状物品収納容器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２００９−１０７６６０（Ｐ２００９−１０７６６０Ａ）
【公開日】平成２１年５月２１日（２００９．５．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２８１２０６（Ｐ２００７−２８１２０６）
【出願日】平成１９年１０月３０日（２００７．１０．３０）
【出願人】（０００１８３４６２）日本製紙クレシア株式会社 (112)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年５月２１日（２００９．５．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年１０月３０日（２００７．１０．３０）
【出願人】（０００１８３４６２）日本製紙クレシア株式会社 (112)
【Ｆターム（参考）】
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