説明

シート貼付装置および貼付方法

【課題】装置の大型化を招くことなく、貼付速度を高めることができるとともに、シートの材質等に関わらずに確実に立ち上げることができるシート貼付装置および貼付方法を提供すること。
【解決手段】剥離手段3および押圧手段4によって被着体Wに接着シートSを貼付した後に、搬送手段7による被着体Wの搬送に伴って接着シートSの起立部S2が立上板51を通過することで、受動的かつ自動的に案内傾斜端縁54に沿って案内された起立部S2が立ち上げられる。従って、起立部S2を立ち上げるための別途の駆動部が不要にでき、シート貼付装置1の構造を簡単化することができるとともに、装置の大型化を防止することができる。また、起立部S2を立ち上げるための別途の工程も不要にできることから、貼付サイクルを短縮して複数の接着シートSを効率よく連続的に貼付することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置および貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POPラベル等の接着シートを容器等の被着体に貼付する貼付装置が提案されており(例えば、特許文献1参照)、この貼付装置で貼付する接着シートは、基材シートの片側略半分の領域に設けられて糊部(接着剤層)を有した接着部と、他の半分の領域に設けられた糊殺し部(非接着部)とを備え、接着部の接着剤層が剥離シートに仮着された原反として供給され、容器の天面(被着体の被着面)に貼付されるようになっている。
特許文献1に記載の貼付装置は、ラベル起し部の立上げ板によって非接着部を立ち上げ、ラベル二つ折り癖付け部の折曲げ板によって非接着部を接着部に向かって二つ折りにして癖付けしてから、剥離板によって剥離シートから接着シートを剥離し、剥離した接着シートを二つ折り状態のままで被着体の被着面に押圧して貼付する。このようにして被着面に貼付された接着シートは、折り曲げ部分の切れ目によって形成された支持脚片が接着部と反対側に突出し、基材シートの弾性によって初期状態に戻ろうとする非接着部の起き上がりに伴って支持脚片が被着面に当接することで、非接着部が接着部および被着面から立ち上がった状態が維持されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−222029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来の貼付装置では、接着シートを被着体へ貼付する前に非接着部と接着部とを二つ折りにして癖付けを行うため、接着シートが剥離シート上で位置ずれし、位置ずれした状態のまま当該接着シートが被着体に貼付されてしまったり、ラベル起し部の立上げ板と剥離版との間に接着シートが詰まってしまったりするなどの不都合が発生する。特にこのような不都合は、貼付速度(時間当たりの貼付枚数)を上げると顕著化するので、貼付速度を高めることができないという不都合もある。さらに、従来の貼付装置では、二つ折りの状態で貼付した後に基材シートの弾性によって非接着部が起き上がる接着シートを対象としているため、塑性変形するような材質や厚み等の基材シートを有した接着シートを対象とした場合には、非接着部を起き上がらせることができないという問題もある。
【0005】
本発明の目的は、装置の大型化を招くことなく、貼付速度を高めることができるとともに、シートの材質等に関わらずに確実に立ち上げることができるシート貼付装置および貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明のシート貼付装置は、接着部と起立部とを有する基材シートの一方の面に接着剤層を備えた接着シートが当該接着剤層を介して帯状の剥離シートに仮着された原反から、当該接着シートを剥離して被着体に貼付するシート貼付装置であって、前記原反を繰り出す繰出手段と、前記剥離シートから前記接着シートを剥離する剥離手段と、前記剥離された接着シートの接着部を搬送される前記被着体の被着面に押圧して貼付する押圧手段と、前記接着シートが貼付された前記被着体の搬送に伴って当該接着シートの前記起立部を当該被着体の表面から所定角度まで立ち上げる立上手段とを備え、前記立上手段は、前記被着体の搬送方向に延びて前記接着シートの起立部における一方の面側に挿入される立上先端部と、この立上先端部から前記被着体の搬送方向下流側に連設されて前記起立部を前記被着面から離間する立上方向に案内する立上案内部とを有して構成されていることを特徴とする。
【0007】
この際、本発明のシート貼付装置は、前記搬送方向、前記搬送方向および前記被着面に直交する方向、前記搬送方向に直交する前記被着面の面方向、前記搬送方向を軸芯とする回転方向、前記搬送方向および前記被着面に直交する方向を軸芯とする回転方向、および前記搬送方向に直交する前記被着面の面方向を軸芯とする回転方向、のうちの少なくとも一つの方向に前記立上手段を変位させる変位手段を備えることが好ましい。
また、本発明のシート貼付装置では、前記立上案内部は、前記搬送方向上流側から下流側に向かって前記被着面から離隔する方向、および当該搬送方向に直交する当該剥離シートの面方向、の各方向に傾斜した案内傾斜端縁を有して構成されていることが好ましい。
【0008】
一方、本発明のシート貼付方法は、接着部と起立部とを有する基材シートの一方の面に接着剤層を備えた接着シートが当該接着剤層を介して帯状の剥離シートに仮着された原反から、当該接着シートを剥離して被着体に貼付するシート貼付方法であって、前記原反を繰り出し、前記剥離シートから前記接着シートを剥離し、剥離された接着シートの接着部を搬送される前記被着体の被着面に押圧して貼付し、前記搬送方向に延びて前記搬送手段と前記接着シートの起立部との間に挿入される立上先端部と、この立上先端部から前記被着体の搬送方向下流側に連設されて前記起立部を前記被着面から離間する立上方向に案内する立上案内部とを有する立上手段を用いて、前記接着シートが貼付された前記被着体の搬送に伴って前記接着シートの前記起立部を前記被着面から所定角度まで立ち上げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のような本発明によれば、接着シートを折り曲げるための折曲装置等を設ける必要もないことから、装置の大型化を防止することができる。また、接着シートを立ち上げる前に被着体に貼付することから、通常の接着シートと同様の貼付速度で貼付することができるとともに、被着体の搬送に伴って起立部を立ち上げることから、接着シートを立ち上げたり折り曲げたりする工程のために繰り出しを停止させなくてもよいので、一連の貼付工程を迅速に実施することができる。さらに、接着シートを二つ折りにしないことから、基材シートが塑性変形するような材質の接着シートであっても、起立部を立ち上げた状態のままで被着体を搬送することで、起立部の立上げ状態を維持させることができる。
【0010】
この際、シート貼付装置が立上手段を変位させる変位手段を備えていれば、接着シートや被着体の平面サイズや厚み等に応じて立上手段を適切な状態で位置させて起立部を確実に立ち上げることができる。
また、所定の傾斜を有した案内傾斜端縁で起立部を案内するようにすれば、被着体の搬送に伴って円滑に起立部を立ち上げることができ、接着シートの破損や位置ずれを防止することができる。特に、案内傾斜端縁が被着面から離隔する方向に傾斜していることで、起立部の所定の位置に接しながら起立部を立ち上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の側面図。
【図2】図1のシート貼付装置の部分斜視図。
【図3】図1のシート貼付装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3において、本実施形態のシート貼付装置1は、接着部S1と起立部S2とを有する基材シートBSの当該接着部S1における一方の面の一部領域に、接着剤層ADを備えた接着シートSを被着体Wに貼付する貼付装置であって、接着剤層ADを介して帯状の剥離シートRLに仮着された原反Rから接着シートSを剥離し、剥離した接着シートSの起立部S2を立ち上げた状態で被着体Wに貼付するように構成されている。このシート貼付装置1は、原反Rを繰り出す繰出手段2と、繰り出された原反Rの剥離シートRLから接着シートSを剥離する剥離手段3と、剥離シートRLから剥離した接着シートSの接着部S1を被着体Wの被着面ASに押圧して貼付する押圧手段4と、被着体Wに貼付された接着シートSの起立部S2を被着面ASから立ち上げる立上手段5と、この立上手段5の姿勢を変位可能な変位手段6とを備えて構成され、被着体Wを搬送方向A(図1中左方向)に移動させるベルトコンベアCV等の搬送手段7の上方に図示しないフレームを介して据え付けられている。
【0013】
ここで、接着シートSは、図2に示すように、繰出方向Xの上流側から下流側に向かって(以下「下流側に向かって」という)左側の略半分の領域に接着剤層ADが積層され、当該接着剤層ADを介して剥離シートRLに仮着されている。また、接着シートSには、基材シートBSの略中央部であって、繰出方向Xに沿う方向に設けられた折曲線S3と、折曲線S3の両端側にそれぞれ設けられた略L字状の切り込みS5とが形成されている。折曲線S3としては、基材シートBSを型押しして形成した凹みや、ミシン目等によって折り曲げやすくしたものが例示できる。このような接着シートSにおいて、下流側に向かって右側の略半分の外縁と、折曲線S3と、折曲線S3の繰出方向Xへの延長線とで囲まれる領域が起立部S2とされ、折曲線S3の繰出方向Xへの各延長線と、各切り込みS5とで囲まれる領域が起立部S2の立ち上げ状態を維持させるための立上維持部S4とされ、それ以外の領域が接着部S1とされる。
【0014】
繰出手段2は、その全体がベースフレーム20に支持され、このベースフレーム20には、原反Rをロール状に巻回して支持する支持ローラ21と、原反Rを案内する複数のガイドローラ22,23と、駆動機器である回動モータ25Aによって駆動される駆動ローラ25と、駆動ローラ25との間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ26と、図示しない駆動機器によって剥離シートRLを回収する回収ローラ27とが設けられている。
【0015】
剥離手段3は、ベースフレーム20によって図1中左下方に傾斜した姿勢で支持された剥離板31を備えて構成され、この剥離板31は、剥離シートRLの側から案内した原反Rの繰出方向X下流側に位置する剥離端縁32を有し、剥離シートRLを剥離端縁32で駆動ローラ25に向かって折り曲げることで、接着シートSを剥離シートRLから剥離するようになっている。
【0016】
押圧手段4は、ゴムや樹脂等の弾性変形可能な押圧ローラ41を備えて構成され、押圧ローラ41は、剥離板31先端から図1中左下方に突出した接着シートSを被着体Wの被着面ASに向かって押圧するように構成されている。
【0017】
立上手段5は、変位手段6に支持されて搬送方向Aに沿って延びる曲面板状の立上板51を備えて構成され、この立上板51は、搬送手段7と接着シートSの起立部S2との間に挿入される立上先端部52と、この立上先端部52から搬送方向A下流側に連設して起立部S2を被着面ASから離間する立上方向に案内する立上案内部53と、を有して形成されている。さらに、立上板51は、搬送方向A上流側の立上先端部52から立上案内部53にかけて被着面ASから上方に離れる方向に傾斜し、起立部S2を立ち上がらせる案内傾斜端縁54を有して形成されている。この案内傾斜端縁54は、平面視で下流側に向かって接着シートSの起立部S2側から接着部S1側に所定の角度で傾斜して形成されており、図3(B)〜(D)に示すように、被着体Wの搬送に伴って起立部S2を徐々に立ち上がらせ、被着面ASから略90°の立上角度まで立ち上げ可能に構成されている。
【0018】
変位手段6は、図2に示すように、立上板51の上方に取り付けられたシャフトサポータ61と、シャフト62と、シャフト62をシャフトサポータ61の反対側で支持する駆動機器としての多関節ロボット63とを備える。多関節ロボット63は、搬送方向A、搬送方向Aおよび被着面ASに直交する方向B、搬送方向Aに直交する被着面ASの面方向C、搬送方向Aを軸芯とする回転方向D、前記方向Bを軸芯とする回転方向Eおよび、前記方向Cを軸芯とする回転方向Fに立上板51を変位可能に設けられている。多関節ロボット63としては公知の6軸ロボット等が例示できる。これにより、接着シートSの形状やA、BおよびC方向に沿う寸法、起立部S2を被着面ASから上方に離間する方向に立ち上がらせる角度、付着体Wの幅、高さおよび長さ等に応じて立上板51の姿勢や位置を変位させることができる。
【0019】
以上のシート貼付装置1で被着体Wに接着シートSを貼付する手順としては、繰出手段2によって原反Rを繰り出させることによって、剥離シートRLおよび接着シートSが剥離板31で案内されて繰出方向X下流側に送られる。このように接着シートSを剥離板31の先端位置まで送り、剥離端縁32で折り返した剥離シートRLから接着シートSが部分的に剥離した状態において、繰出手段2による原反Rの繰り出しを一旦停止して待機状態となる。次に、搬送手段7で搬送されてきた被着体Wが押圧ローラ41の下方所定位置に達すると、図示しないセンサによって検知され、繰出手段2が回動モータ25Aを駆動して原反Rを被着体Wの搬送速度と同じ速度で繰り出し、かつ回収ローラ27で剥離シートRLを回収する。これにより、剥離端縁32で部分的に剥離シートRLから剥離した状態で停止していた接着シートSは、当該剥離シートRLから剥離され、接着部S1が押圧ローラ41で被着体Wの被着面ASに押圧され、図3(A)に示すように、起立部S2を被着体Wの交差面W1側に突出させた状態で接着シートSが被着体Wに貼付される。このように接着シートSが被着体Wに貼付されると、原反Rの繰り出し動作が再度停止されて待機状態となり、次に搬送されてくる被着体Wに対して同様の動作を繰り返す。
【0020】
次に、接着シートSが貼付された被着体Wは、搬送手段7によって搬送方向Aへ搬送され、図3(B)に示すように、立上板51の立上先端部52が起立部S2における一方の面側に挿入され、この立上先端部52で起立部S2を被着面ASから上方に離間する方向に立ち上がらせる。この際、立上板51は、搬送方向A上流側から下流側に向かって徐々に上方に傾斜し、かつ搬送方向A下流側に向かって案内傾斜端縁54右側から左側に傾斜する(徐々に交差面W1側に接近する)ように、変位手段6によってその姿勢が維持される。なお、立上先端部52の先端縁を滑らかな円弧形状としたり、回転可能なローラやベアリング等で構成したり、樹脂等の摩擦抵抗の少ない部材で構成したりして、剥離シートRLとの摩擦を低減する低摩擦手段を設けてもよい。このような状態で、接着シートSとともに被着体Wを搬送方向A下流側に搬送することで、図3(C)に示すように、起立部S2が立上案内部53の案内傾斜端縁54に沿って立ち上がる。
【0021】
さらに、図3(D)に示すように、案内傾斜端縁54に沿って起立部S2が被着面ASから略90°の立上角度まで立ち上がると、基材シートBSの剛性で立上維持部S4が被着面ASよりも下方に突出し、この立上維持部S4が被着体Wの交差面W1に当接することで起立部S2の立上角度が維持される。ここで、図3(B)〜(D)に示すように、案内傾斜端縁54は、起立部S2における所定の位置、つまり、搬送方向Aの上流側から下流側に向かって起立部S2の右端縁から距離Lの位置に接しながら起立部S2を立ち上げて案内する。これは、距離Lが短い場合、基材シートBSの剛性が立ち上げ応力に耐えられず、折曲線S3以外の位置で折り曲がってしまうことを防止することができる上、距離Lが長い場合、起立部S2が急激に立ち上げられて、例えば、接着シートSが被着面ASから剥離されてしまうようなことをも防止することができる。なお、距離Lは、接着シートS特に基材シートBSの構成や性質によって適宜変更することができる。このようにして接着シートSが被着体Wに貼付されて起立部S2が立ち上げられると、接着シートSが貼付された被着体Wは次工程に搬送され、以降上記同様の動作を繰り返す。
【0022】
本実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、被着体Wに接着シートSを貼付した後に起立部S2を立ち上げるので、接着シートSを被着体Wへ貼付する前に二つ折りにすることで、接着シートSが位置ずれして被着体Wに貼付されたり、接着シートSが詰まってしまったりするといった不都合を抑制することができ、貼付速度を上げることにも難なく対応することができる。
【0023】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は前記記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され且つ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状などの詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は本発明に含まれるものである。
【0024】
例えば、前記実施形態では、立上手段5として、1枚の板状部材である立上板51で構成したものを例示したが、これに限られない。すなわち、例えば、立上先端部52および立上案内部53をそれぞれ別部材で構成してもよいし、それぞれを適宜に組み合わせて構成してもよい。その場合には、各部材が板状部材でもよいし線状部材でもよいし、その他の適宜な形状を有した部材でもよい。
また、立上手段5で起立部S2を立ち上げる際に接着部S1が被着面ASから剥がれたりずれたりするのを防止するために、立上手段5に対応した位置に接着部S1を被着面ASに押圧するなどして接着を維持する接着維持手段を設けておいてもよい。
【0025】
また、接着部S1および起立部S2の配置は前記実施形態に限定されない。すなわち、接着部S1と起立部S2とが前記実施形態に対して左右逆に配置されてもよいし、幅方向の中央側に接着部S1が設けられて、その左右両側に起立部S2が設けられていてもよい。そして、左右両側に起立部S2が設けられた場合には、これに対応して立上手段5も左右に一対で設けられていればよい。また、接着シートとしては、折曲線S3および立上維持部S4は必須ではなく、いずれか1つまたは両方が省略されていてもよい。
さらに、接着シートSは、接着部S1における一方の面の全領域に接着剤層ADを備えた構成であってもよい。
また、接着シートSは、起立部S2や立上維持部S4における一方の面の一部領域に接着剤層ADを備えた構成であってもよいし、基材シートBSにおける一方の面の全領域に接着剤層ADを備えた構成であってもよい。これらの場合、立上手段5における少なくとも接着剤層ADが接触する領域に、接着剤層ADが接着しないフッ素樹脂やシリコン樹脂等の不接着処理を施せばよい。
【0026】
また、前記実施形態では、原反Rは、帯状の剥離シートRLに枚葉の接着シートSを適宜な間隔で仮着したものであったが、原反としては、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シートが仮着されたものでもよく、この場合、原反を繰り出す途中で帯状の接着シートに所定の閉ループ形状の切り込みを設け、当該切り込みの内側を接着シートSとするような構成であってもよい。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0027】
1 シート貼付装置
2 繰出手段
3 剥離手段
4 押圧手段
5 立上手段
6 変位手段
52 立上先端部
53 立上案内部
54 案内傾斜端縁
AD 接着剤層
BS 基材シート
R 原反
RL 剥離シート
S 接着シート
S1 接着部
S2 起立部
W 被着体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着部と起立部とを有する基材シートの一方の面に接着剤層を備えた接着シートが当該接着剤層を介して帯状の剥離シートに仮着された原反から、当該接着シートを剥離して被着体に貼付するシート貼付装置であって、
前記原反を繰り出す繰出手段と、
前記剥離シートから前記接着シートを剥離する剥離手段と、
前記剥離された接着シートの接着部を搬送される前記被着体の被着面に押圧して貼付する押圧手段と、
前記接着シートが貼付された前記被着体の搬送に伴って当該接着シートの前記起立部を当該被着体の表面から所定角度まで立ち上げる立上手段とを備え、
前記立上手段は、前記被着体の搬送方向に延びて前記接着シートの起立部における一方の面側に挿入される立上先端部と、この立上先端部から前記被着体の搬送方向下流側に連設されて前記起立部を前記被着面から離間する立上方向に案内する立上案内部とを有して構成されていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記搬送方向、前記搬送方向および前記被着面に直交する方向、前記搬送方向に直交する前記被着面の面方向、前記搬送方向を軸芯とする回転方向、前記搬送方向および前記被着面に直交する方向を軸芯とする回転方向、および前記搬送方向に直交する前記被着面の面方向を軸芯とする回転方向、のうちの少なくとも一つの方向に前記立上手段を変位させる変位手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
前記立上案内部は、前記搬送方向上流側から下流側に向かって前記被着面から離隔する方向、および当該搬送方向に直交する当該剥離シートの面方向、の各方向に傾斜した案内傾斜端縁を有して構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項4】
接着部と起立部とを有する基材シートの一方の面に接着剤層を備えた接着シートが当該接着剤層を介して帯状の剥離シートに仮着された原反から、当該接着シートを剥離して被着体に貼付するシート貼付方法であって、
前記原反を繰り出し、前記剥離シートから前記接着シートを剥離し、剥離された接着シートの接着部を搬送される前記被着体の被着面に押圧して貼付し、
前記搬送方向に延びて前記搬送手段と前記接着シートの起立部との間に挿入される立上先端部と、この立上先端部から前記被着体の搬送方向下流側に連設されて前記起立部を前記被着面から離間する立上方向に案内する立上案内部とを有する立上手段を用いて、前記接着シートが貼付された前記被着体の搬送に伴って前記接着シートの前記起立部を前記被着面から所定角度まで立ち上げることを特徴とするシート貼付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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