説明

シールドケース

【課題】少ない部品で、より早くシールドケースを組み立てることができるシールドケースの構造を提供する。
【解決手段】電子回路を有する基板2と、前記基板2を収納するケース1と、前記ケース1を覆う蓋7からなるシールドケースであって、前記蓋7は、ケース上部を覆うカバー部8と、前記基板側の面に設けた前記電子回路を仕切る仕切り部9を一体として設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器内の所要回路を外部からの電磁波や磁気からシールドするシールドケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器、例えば通信機の通信回路等では、電磁波や磁気が進入するとノイズの原因となる。またそれら電磁はや磁気により、電子機器が誤動作する等の弊害が起こるため、電子機器を保護するよう、それら電磁波や磁気から電子機器をシールドする構造となっている。
【0003】
図3に電磁波や磁気から電子機器をシールドする従来のシールドケースを示す。
1は電子機器を設けた基板を収納するケース、2は電子機器を設けた基板、3は各電子機器を遮る仕切り部、4は蓋部、5は蓋部と仕切り部3やケース1を固着させるための固着用螺子挿入部、6は電子機器間の電磁波や磁気を遮断するシールド部材である。固着用螺子挿入部5は、蓋部4とケース1、仕切り部3を固着する螺子を挿入する箇所であるため、図示されているように、ケース1と蓋部4が接触する箇所、仕切り部3と蓋部4が接触する箇所に設けることが望ましい。
【0004】
シールド部材6について図4を用いて説明する。シールド部材6は、仕切り部3やケース2と蓋部4が接触する箇所に例えば図3のように設けられている。これにより、電磁波や磁気を遮断する。このシールド部材6は弾力性のある材質であり、蓋部4を固着する際にシールド部材6が変形し、蓋部4を螺子で固着させた際に、蓋部4とケース1、仕切り部3との隙間を埋める。
【0005】
ここで、従来のシールドケースの組み立てについて説明する。
従来は、基板2をケース1に収納し、仕切り部3をケースに収納し、基板2及びケース1に固着させる。続いてケース1に蓋部4をかぶせる。ここで、シールド部材6等により、蓋部4が浮かないようにするために、仕切り部3と蓋部4、さらにケース1と蓋部4を、固着用螺子挿入部5を通じて図示しない螺子により螺子止めを行い、固着させる。
【0006】
シールドケースの構造については、例えば特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2000-277966号公報 (第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子機器、例えば携帯電話の基地局等に用いる増幅器などは、量産化のために組み立て工程の短縮が常々求められている。さらに、コストの削減が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上述した課題を達成するために、従来より少ない工程でシールドケースを組み立てることができるシールドケースを提供する。さらに、部品点数削減によるコストの低減が可能なシールドケースを提供する。
【0009】
即ち、電子回路を有する基板と、前記基板を収納するケースと、前記ケースを覆う蓋からなるシールドケースであって、前記蓋は、ケース上部を覆うカバー部と、前記基板側の面に設けた前記電子回路を仕切る仕切り部を一体として設けたことを特徴とするシールドケースを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来より少ない工程でシールドケースを組み立てることができる。さらに、従来より少ない部品点数によりシールドケースを組み立てることができ、結果的にコストの削減が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について図1、図2を参照しつつ説明する。図1、図2において図3及び図4と同符号のものは同様の構成であり、説明を省略する。
【0012】
図1は本発明のシールドケースである。図3のシールドケースとは蓋部7が異なる。
【0013】
蓋部7について図2を用いて説明する。図4は、図1の蓋部7の底面斜視図である。
蓋部7は、カバー部8、仕切り部9から構成されており、カバー部8及び仕切り部9は一体型となっている。
r尚、仕切り部9には、従来と同様シールド部材6が設けられている。
【0014】
蓋部7は、前述したとおりカバー部8及び仕切り部9が一体型となったものである。例えば、一つの型により製造するものである。
蓋部7の固着用螺子挿入部5は図1の通り、ケース1との接触箇所のみに設けられている。
【0015】
続いて、本発明のシールドケースの組み立てについて説明する。
本発明では、基板2をケース1に収納し、基板2をケース1に固着させる。続いてケース1に蓋部7をかぶせる。ここで、シールド部材6等により、蓋部5が浮かないようにするために、蓋部7とケース1を固着用螺子挿入部5を通じて螺子止めを行う。
【0016】
以上のように、本発明のシールドケースにより、組み立て工程の削減、具体的には仕切り部と蓋部を予め一体化としておくことにより、仕切り部をケースに固着させる肯定を省略することができる。
さらに、仕切り部が蓋に一体化されているため、仕切り部と蓋を固着させる螺子が必要なくなり、結果的に部品点数削減となり、コストダウンを測ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のシールドケース。
【図2】本発明のシールドケースの蓋部。
【図3】従来のシールドケース。
【図4】シールド部材。
【符号の説明】
【0018】
1…ケース
2…基板
3…仕切り部
4…従来の蓋部
5…固着用螺子挿入部
6…シールド部材
7…本発明の蓋部
8…蓋部7のカバー部
9…蓋部7の仕切り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路を有する基板と、前記基板を収納するケースと、前記ケースを覆う蓋からなるシールドケースであって、前記蓋は、ケース上部を覆うカバー部と、前記基板側の面に設けた前記電子回路を仕切る仕切り部を一体として設けたことを特徴とするシールドケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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