説明

シール構造およびシール方法

【課題】ダブルブロック・ブリード構成における仕切り弁のシート性能がいかなる状態においてもシートリークを防止または抑制できるようにする。
【解決手段】シール構造は、高圧ガス配管1の下流側端部に接続された第1の仕切り弁2と、第1の仕切り弁2の下流側端部に接続されたキャビティ配管3と、キャビティ配管3の下流側に接続された第2の仕切り弁4と、キャビティ配管3から分岐して先端が大気に開放されたベント配管5と、ベント配管5に接続された逃し弁6と、キャビティ配管3に接続されて圧縮空気を供給可能なエア配管7と、エア配管7の途中に配置された調節弁8と、第1の仕切り弁2および第2の仕切り弁4ならびに逃し弁6が閉じた状態でキャビティ配管3内の圧力と高圧ガス配管1内の圧力との差が所定の範囲内に入るように調節弁8の開度を調節する制御装置12と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の弁を利用してガスの漏れを抑制するシール構造およびシール方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインドサイクル発電プラントにおいて、燃料ガスをエアパージする目的でガスタービンの燃焼モードに合わせて仕切り弁の切替え(開/閉)を行ない、燃料ガスラインへのパージエアの供給(全開)および燃料ガスの遮断(全閉)を行なっている(特許文献1参照)。一般的にこうした重要なプロセスラインにおいては、弁の安定したシール性を長期に渡って維持/確認することが重要であることから、仕切り弁は一般的にダブルブロック・ブリード方式による系統構成がとられている。ここで、ダブルブロック・ブリード方式とは、直列2台の仕切り弁の中間(キャビティライン)に外部放出用の小口径バルブ(ブリード弁)が設けられており、ブリード弁を「開」にして仕切り弁のシートリークの有無を確認できる系統構成をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−213208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでの運用においては、安定したプラント操業のため、ブリードラインからの漏洩が確認されるたびプラント停止を行ない、仕切り弁のシート性能の復旧(弁分解・再組立)が必要であり、プラントの運転を継続する上で阻害要因となっていた。
【0005】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、ダブルブロック・ブリード構成における仕切り弁のシート性能がいかなる状態においてもシートリークを防止または抑制できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るシール構造の一つの態様は、大気圧よりも高い圧力のガスが内部に存在する高圧ガス配管の下流側端部に接続された第1の仕切り弁と、前記第1の仕切り弁の下流側端部に接続されたキャビティ配管と、前記キャビティ配管の下流側に接続された第2の仕切り弁と、前記キャビティ配管から分岐して先端が大気に開放されたベント配管と、前記ベント配管に接続された逃し弁と、前記キャビティ配管および前記ベント配管のいずれかに接続されて前記キャビティ配管内に圧縮空気を供給可能なエア配管と、前記エア配管の途中に配置された調節弁と、前記第1および第2の仕切り弁ならびに前記逃し弁が閉じた状態で前記キャビティ配管内の圧力と前記高圧ガス配管内の圧力との差が所定の範囲内に入るように前記調節弁の開度を調節する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るシール構造の他の一つの態様は、大気圧よりも高い圧力のガスが内部に存在する高圧ガス配管の端部に接続された第1の仕切り弁と、前記第1の仕切り弁の前記高圧ガス配管と反対側に接続されたキャビティ配管と、前記キャビティ配管の前記第1の仕切り弁と反対側の端部に接続されて開度調節が可能な第2の仕切り弁と、前記第2の仕切り弁の前記キャビティ配管と反対側に接続されて圧縮空気を供給可能な空気供給配管と、前記キャビティ配管から分岐して先端が大気に開放されたベント配管と、前記ベント配管に接続された逃し弁と、前記第1の仕切り弁および前記逃し弁が閉じた状態で前記キャビティ配管内の圧力と前記高圧ガス配管内の圧力との差が所定の範囲内に入るように前記第2の仕切り弁の開度を調節する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るシール方法の一つの態様は、大気圧よりも高い圧力のガスが内部に存在する高圧ガス配管の下流側端部に第1の仕切り弁を接続し、前記第1の仕切り弁の下流側端部にキャビティ配管を接続し、前記キャビティ配管の下流側に第2の仕切り弁を接続し、先端が大気に開放されたベント配管を前記キャビティ配管から分岐し、前記ベント配管に逃し弁を接続し、前記キャビティ配管にエア配管を接続し、前記エア配管の途中に調節弁を配置し、前記第1および第2の仕切り弁ならびに前記逃し弁を閉じた状態で、前記エア配管および調節弁を介して圧縮空気を前記キャビティ配管内に供給し、前記キャビティ配管内の圧力と前記高圧ガス配管内の圧力との差が所定の範囲内に入るように前記調節弁の開度を調節すること、を特徴とするシール方法。
【0009】
また、本発明に係るシール方法の他の一つの態様は、大気圧よりも高い圧力のガスが内部に存在する高圧ガス配管の端部に第1の仕切り弁を接続し、前記第1の仕切り弁の前記高圧ガス配管と反対側にキャビティ配管を接続し、前記キャビティ配管の前記第1の仕切り弁と反対側の端部に開度調節が可能な第2の仕切り弁を接続し、前記第2の仕切り弁の前記キャビティ配管と反対側に空気供給配管を接続し、先端が大気に開放されたベント配管を前記キャビティ配管から分岐し、前記ベント配管に逃し弁を接続し、前記第1の仕切り弁ならびに前記逃し弁が閉じた状態で、前記空気供給配管および第2の仕切り弁を介して圧縮空気を前記キャビティ配管内に供給し、前記キャビティ配管内の圧力と前記高圧ガス配管内の圧力との差が所定の範囲内に入るように前記第2の仕切り弁の開度を調節すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、ダブルブロック・ブリード構成における仕切り弁のシート性能がいかなる状態においてもシートリークを防止または抑制できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るシール構造の第1の実施形態を示す概略系統図。
【図2】本発明に係るシール構造の第2の実施形態を示す概略系統図。
【図3】本発明に係るシール構造の第3の実施形態を示す概略系統図。
【図4】本発明に係るシール構造の第4の実施形態を示す概略系統図。
【図5】本発明に係るシール構造の第5の実施形態を示す概略系統図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るダブルブロック・ブリード構成のシール構造の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は本発明に係るシール構造の第1の実施形態を示す概略系統図である。このシール構造は、たとえばコンバインドサイクル発電プラントにおいて、燃料ガスをエアパージするためにガスタービンの燃焼モードに合わせて仕切り弁の切り替えを行ない、燃料ガスラインへのパージエアの供給および燃料ガスの遮断を行なうための仕切り弁のシール構造として用いられるものである。
【0014】
図1で、高圧ガス配管1の一端は第1の仕切り弁2に接続され、高圧ガス配管1の他端(図1の右側)は、図示しないガスタービン燃焼器に接続されている。第1の仕切り弁2の高圧ガス配管1の反対側にはキャビティ配管3の一端が接続され、キャビティ配管3の他端は第2の仕切り弁4が接続されている。第2の仕切り弁4のキャビティ配管3の反対側(図1の左側)は図示しない圧縮空気供給源に接続されている。
【0015】
キャビティ配管3からベント配管5が分岐しており、ベント配管5は逃し弁6を経て大気に開放している。さらに、キャビティ配管3にはエア配管7の一端が接続され、エア配管7の他端は、調節弁8を経て図示しない圧縮空気供給源に接続されている。
【0016】
高圧ガス配管1内のガス圧力Pgを測定するために第1の圧力計10が取り付けられ、キャビティ配管3内のキャビティ圧力Pcを測定するために第2の圧力計11が取り付けられている。
【0017】
上記構成で、燃料ガスラインである高圧ガス配管1のエアパージを行なうときは、逃し弁6および調節弁8を閉じ、第1の仕切り弁2および第2の仕切り弁4を開いて、第2の仕切り弁4および第1の仕切り弁2を通じて圧縮空気を高圧ガス配管1に送り込む。
【0018】
コンバインドサイクル発電プラント運転時で、対応する燃料ラインを通じて燃焼器に燃料が送られているときは、通常、第1の仕切り弁2、第2の仕切り弁4、逃し弁6、調節弁8が閉じている。このとき、高圧ガス配管2内には、大気圧よりも圧力が高く、環境温度よりも温度が高い燃料ガスが滞留している。また、このとき、キャビティ配管3内には、大気圧または高圧ガス配管2内のガス圧力Pgと大気圧の中間程度のキャビティ圧力Pcで、環境温度または高圧ガス配管2内と環境温度の中間程度の温度の空気が滞留している。
【0019】
長期運転による第1の仕切り弁2のシール部の劣化などにより、第1の仕切り弁2の漏洩が生じうる。この漏洩の発生は、たとえば、キャビティ配管3内の圧力を検出する第2の圧力計3の出力が、漏洩発生前に比べて高くなることから判断できる。このように漏洩が発生した場合、調節弁8を開いてエア配管7からキャビティ配管3内に圧縮空気を導入する。そのとき、第1の圧力計10によって測定された高圧ガス配管1内のガス圧力Pgと第2の圧力計11によって測定されたキャビティ配管3内のキャビティ圧力Pcとがほぼ等しくなるように、制御装置12によって調節弁8の開度を制御する。具体的には、たとえばガス圧力Pgとキャビティ圧力Pcとの差があらかじめ定めた値よりも小さくなるように制御する。
【0020】
この実施形態によれば、ガス圧力Pgとキャビティ圧力Pcとが互いにほぼ等しくなるように維持されるので、第1の仕切り弁2のシールが劣化していても、高圧ガス配管1内の燃料ガスの大気中への漏洩を抑制できる。そのため、従来技術のように、仕切り弁のシール不良が生じた場合にそのつどプラントを停止させて仕切り弁のシート性能の復旧(弁分解・再組立)を行なう必要がなくなる。
【0021】
[第2の実施形態]
図2は本発明に係るシール構造の第2の実施形態を示す概略系統図である。この図2に示す実施形態では、ベント配管5に流量計14が取り付けられている点が、図1に示す第1の実施形態と異なる。
【0022】
この第2の実施形態で、第1の実施形態と同様に、コンバインドサイクル発電プラント運転時で、対応する燃料ラインを通じて燃焼器に燃料が送られているときは、通常、第1の仕切り弁2、第2の仕切り弁4、逃し弁6、調節弁8が閉じている。このとき、キャビティ配管3内には、大気圧または高圧ガス配管2内のガス圧力Pgと大気圧の中間程度のキャビティ圧力Pcで、環境温度または高圧ガス配管2内と環境温度の中間程度の温度の空気が滞留している。
【0023】
第1の仕切り弁2のシール部の性能低下により、第1の仕切り弁2の漏洩が生じた場合、この実施形態では、この漏洩の発生を流量計14の出力増大によって判断することができる。すなわち、流量計14の出力が所定の値を超えたときには第1の仕切り弁2の漏洩が相当程度大きいと判断し、その後は、第1の実施形態と同様に、高圧ガス配管1内のガス圧力Pgとキャビティ配管3内のキャビティ圧力Pcとがほぼ等しくなるように、制御装置12によって調節弁8の開度を制御する。
【0024】
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られるとともに、流量計14の出力により、第1の仕切り弁1のシール性能の低下を判断することができ、より確実に、ガス漏洩を抑制できる。
【0025】
[第3の実施形態]
図3は本発明に係るシール構造の第3の実施形態を示す概略系統図である。この図3に示す実施形態では、ベント配管5内のガス濃度(燃料ガスが空気に混ざっている割合)を測定する濃度計16がベント配管5に取り付けられている点が、図1に示す第1の実施形態と異なる。
【0026】
この第3の実施形態で、第1および第2の実施形態と同様に、コンバインドサイクル発電プラント運転時で、対応する燃料ラインを通じて燃焼器に燃料が送られているときは、通常、第1の仕切り弁2、第2の仕切り弁4、逃し弁6、調節弁8が閉じている。このとき、キャビティ配管3内には、大気圧または高圧ガス配管2内のガス圧力Pgと大気圧の中間程度のキャビティ圧力Pcで、環境温度または高圧ガス配管2内と環境温度の中間程度の温度の空気が滞留している。
【0027】
第1の仕切り弁2のシール部の性能低下により、第1の仕切り弁2の漏洩が生じた場合、この実施形態では、この漏洩の発生を濃度計16の出力増大によって判断することができる。すなわち、濃度計16の出力が所定の値を超えたときには第1の仕切り弁2の漏洩が相当程度大きいと判断し、その後は、第1および第2の実施形態と同様に、第1の圧力計10によって測定された高圧ガス配管1内のガス圧力Pgと第2の圧力計11によって測定されたキャビティ配管3内のキャビティ圧力Pcとがほぼ等しくなるように、制御装置12によって調節弁8の開度を制御する。
【0028】
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られるとともに、濃度計16の出力により、第1の仕切り弁1のシール性能の低下を判断することができ、より確実に、ガス漏洩の抑制ができる。
【0029】
[第4の実施形態]
図4は本発明に係るシール構造の第4の実施形態を示す概略系統図である。この図4に示す実施形態では、ベント配管5内のガス温度を測定する温度計18がベント配管5に取り付けられている点が、図1に示す第1の実施形態と異なる。
【0030】
この第4の実施形態で、第1ないし第3の実施形態と同様に、コンバインドサイクル発電プラント運転時で、対応する燃料ラインを通じて燃焼器に燃料が送られているときは、通常、第1の仕切り弁2、第2の仕切り弁4、逃し弁6、調節弁8が閉じている。このとき、キャビティ配管3内には、大気圧または高圧ガス配管2内のガス圧力Pgと大気圧の中間程度のキャビティ圧力Pcで、環境温度または高圧ガス配管2内と環境温度の中間程度の温度の空気が滞留している。
【0031】
第1の仕切り弁2のシール部の性能低下により、第1の仕切り弁2の漏洩が生じた場合、この実施形態では、この漏洩の発生を温度計18の出力増大によって判断することができる。すなわち、温度計18の出力が所定の値を超えたときには第1の仕切り弁2の漏洩が相当程度大きいと判断し、その後は、第1および第2の実施形態と同様に、第1の圧力計10によって測定された高圧ガス配管1内のガス圧力Pgと第2の圧力計11によって測定されたキャビティ配管3内のキャビティ圧力Pcとがほぼ等しくなるように、制御装置12によって調節弁8の開度を制御する。
【0032】
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られるとともに、温度計18の出力により、第1の仕切り弁1のシール性能の低下を判断することができ、より確実に、ガス漏洩の抑制ができる。
【0033】
[第5の実施形態]
図5は本発明に係るシール構造の第5の実施形態を示す概略系統図である。この図5に示す実施形態では、第1の実施形態(図1)のエア配管7および調節弁8に相当するものがない。また、第2の仕切り弁4aは単なる開閉弁ではなく、開度調整が可能な弁となっている。
【0034】
この第5の実施形態で、燃料ガスラインである高圧ガス配管1のエアパージを行なうときは、第1の実施形態と同様に、逃し弁6を閉じ、第1の仕切り弁2および第2の仕切り弁4を開いて、第2の仕切り弁4aおよび第1の仕切り弁2を通じて圧縮空気を高圧ガス配管1に送り込む。
【0035】
また、コンバインドサイクル発電プラント運転時で、対応する燃料ラインを通じて燃焼器に燃料が送られているときは、通常、第1の仕切り弁2、第2の仕切り弁4aが閉じている。このとき、キャビティ配管3内には、大気圧または高圧ガス配管1内のガス圧力Pgと大気圧の中間程度のキャビティ圧力Pcで、環境温度または高圧ガス配管1内と環境温度の中間程度の温度の空気が滞留している。
【0036】
第1の仕切り弁2のシール部の性能低下により、第1の仕切り弁2の漏洩が生じた場合、この実施形態では、第2の仕切り弁4aを開いてキャビティ配管3内に圧縮空気を供給する。そして、高圧ガス配管1内のガス圧力Pgとキャビティ配管3内のキャビティ圧力Pcとがほぼ等しくなるように、制御装置12によって第2の仕切り弁4aの開度を制御する。
【0037】
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られるとともに、第1の実施形態におけるエア配管7および調節弁8を省略できるので、構造を単純化することができる。
【0038】
[他の実施形態]
以上説明した各実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。たとえば、各実施形態の特徴を組み合わせることも可能である。
【0039】
たとえば、第5の実施形態の構成に、第2の実施形態の流量計14、第3の実施形態の濃度計16、第4の実施形態の温度計18を追加することもできる。
【0040】
さらに、上記第2の実施形態の流量計14、第3の実施形態の濃度計16、第4の実施形態の温度計18はいずれもベント配管5に取り付けるものとしたが、これらはいずれもキャビティ配管3に取り付けてもよい。
【0041】
このほか、第1から第4の実施形態においてはキャビティ配管3にエア配管7の一端が接続される構成としたが、エア配管7はベント配管5に接続されてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、コンバインドサイクル発電プラントの燃料ガスラインでのシール構造の例を示したが、この発明は、かかる燃料ガスラインへの適用に限定されるものではなく、また、かかるプラントへの適用に限定されるものでもない。
【符号の説明】
【0043】
1 : 高圧ガス配管
2 : 第1の仕切り弁
3 : キャビティ配管
4,4a : 第2の仕切り弁
5 : ベント配管
6 : 逃し弁
7 : エア配管
8 : 調節弁
10 : 第1の圧力計
11 : 第2の圧力計
12 : 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧よりも高い圧力のガスが内部に存在する高圧ガス配管の下流側端部に接続された第1の仕切り弁と、
前記第1の仕切り弁の下流側端部に接続されたキャビティ配管と、
前記キャビティ配管の下流側に接続された第2の仕切り弁と、
前記キャビティ配管から分岐して先端が大気に開放されたベント配管と、
前記ベント配管に接続された逃し弁と、
前記キャビティ配管および前記ベント配管のいずれかに接続されて前記キャビティ配管内に圧縮空気を供給可能なエア配管と、
前記エア配管の途中に配置された調節弁と、
前記第1および第2の仕切り弁ならびに前記逃し弁が閉じた状態で前記キャビティ配管内の圧力と前記高圧ガス配管内の圧力との差が所定の範囲内に入るように前記調節弁の開度を調節する制御手段と、
を有することを特徴とするシール構造。
【請求項2】
前記ベント配管を通って前記逃し弁から排出されるガス流量を検出する流量検出器と、
前記第1および第2の仕切り弁ならびに前記逃し弁が閉じていて前記キャビティ配管内に圧縮空気を供給していない状態で、前記流量検出器で測定されたガス流量が所定値を越えた後に、前記キャビティ配管内への圧縮空気の供給および前記調節弁の開度調節を始める制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項3】
前記高圧ガス配管内に存在する高圧のガスは空気以外の異種ガスであって、
前記キャビティ配管またはベント配管の内部における前記異種ガスの濃度を検出する濃度検出器と、
前記第1および第2の仕切り弁ならびに前記逃し弁が閉じていて前記キャビティ配管内に圧縮空気を供給していない状態で、前記濃度検出器で測定された異種ガスの濃度が所定値を越えた後に、前記キャビティ配管内への圧縮空気の供給および前記調節弁の開度調節を始める制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項4】
前記高圧ガス配管内に存在する高圧のガスの温度は環境温度と異なり、
前記キャビティ配管またはベント配管の前記逃し弁の上流側における配管内温度を検出する温度検出器と、
前記第1および第2の仕切り弁ならびに前記逃し弁が閉じていて前記キャビティ配管内に圧縮空気を供給していない状態で、前記温度検出器で測定された温度が、環境温度よりも前記高圧のガスの温度に近い方向にあらかじめ定めた所定値を越えた後に、前記キャビティ配管内への圧縮空気の供給および前記調節弁の開度調節を始める制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項5】
大気圧よりも高い圧力のガスが内部に存在する高圧ガス配管の端部に接続された第1の仕切り弁と、
前記第1の仕切り弁の前記高圧ガス配管と反対側に接続されたキャビティ配管と、
前記キャビティ配管の前記第1の仕切り弁と反対側の端部に接続されて開度調節が可能な第2の仕切り弁と、
前記第2の仕切り弁の前記キャビティ配管と反対側に接続されて圧縮空気を供給可能な空気供給配管と、
前記キャビティ配管から分岐して先端が大気に開放されたベント配管と、
前記ベント配管に接続された逃し弁と、
前記第1の仕切り弁および前記逃し弁が閉じた状態で前記キャビティ配管内の圧力と前記高圧ガス配管内の圧力との差が所定の範囲内に入るように前記第2の仕切り弁の開度を調節する制御手段と、
を有することを特徴とするシール構造。
【請求項6】
前記ベント配管を通って前記逃し弁から排出されるガス流量を検出する流量検出器と、
前記第1および第2の仕切り弁ならびに前記逃し弁が閉じている状態で、前記流量検出器で測定されたガス流量が所定値を越えた後に、前記第2の仕切り弁の開度調節を始める制御手段と、
を有することを特徴とする請求項5に記載のシール構造。
【請求項7】
前記高圧ガス配管内に存在する高圧のガスは空気以外の異種ガスであって、
前記キャビティ配管またはベント配管の内部における前記異種ガスの濃度を検出する濃度検出器と、
前記第1および第2の仕切り弁ならびに前記逃し弁が閉じている状態で、前記濃度検出器で測定された異種ガスの濃度が所定値を越えた後に、前記第2の仕切り弁の開度調節を始める制御手段と、
を有することを特徴とする請求項5に記載のシール構造。
【請求項8】
前記高圧ガス配管内に存在する高圧のガスの温度は環境温度と異なり、
前記キャビティ配管またはベント配管の前記逃し弁の上流側における配管内温度を検出する温度検出器と、
前記第1および第2の仕切り弁ならびに前記逃し弁が閉じている状態で、前記温度検出器で測定された温度が、環境温度よりも前記高圧のガスの温度に近い方向にあらかじめ定めた所定値を越えた後に、前記第2の仕切り弁の開度調節を始める制御手段と、
を有することを特徴とする請求項5に記載のシール構造。
【請求項9】
大気圧よりも高い圧力のガスが内部に存在する高圧ガス配管の下流側端部に第1の仕切り弁を接続し、
前記第1の仕切り弁の下流側端部にキャビティ配管を接続し、
前記キャビティ配管の下流側に第2の仕切り弁を接続し、
先端が大気に開放されたベント配管を前記キャビティ配管から分岐し、
前記ベント配管に逃し弁を接続し、
前記キャビティ配管にエア配管を接続し、
前記エア配管の途中に調節弁を配置し、
前記第1および第2の仕切り弁ならびに前記逃し弁を閉じた状態で、前記エア配管および調節弁を介して圧縮空気を前記キャビティ配管内に供給し、前記キャビティ配管内の圧力と前記高圧ガス配管内の圧力との差が所定の範囲内に入るように前記調節弁の開度を調節すること、を特徴とするシール方法。
【請求項10】
大気圧よりも高い圧力のガスが内部に存在する高圧ガス配管の端部に第1の仕切り弁を接続し、
前記第1の仕切り弁の前記高圧ガス配管と反対側にキャビティ配管を接続し、
前記キャビティ配管の前記第1の仕切り弁と反対側の端部に開度調節が可能な第2の仕切り弁を接続し、
前記第2の仕切り弁の前記キャビティ配管と反対側に空気供給配管を接続し、
先端が大気に開放されたベント配管を前記キャビティ配管から分岐し、
前記ベント配管に逃し弁を接続し、
前記第1の仕切り弁ならびに前記逃し弁が閉じた状態で、前記空気供給配管および第2の仕切り弁を介して圧縮空気を前記キャビティ配管内に供給し、前記キャビティ配管内の圧力と前記高圧ガス配管内の圧力との差が所定の範囲内に入るように前記第2の仕切り弁の開度を調節すること、を特徴とするシール方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−159806(P2010−159806A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1803(P2009−1803)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】