説明

シール構造を備えるフィルタエレメントおよびその製造方法

【課題】シール性に優れたエアクリーナ用フィルタエレメントを提供する。
【解決手段】フィルタエレメント1は、シール構成3から反対側となるZ型濾過媒体2の端部においてオプションのエンドピースまたはスライドスカート30を備えている。シール構成3が先行成型部と、成型されるシール部品とから構成されており、先行成型部がシール部品の成型前に予め成型される。シール部品は、発泡ポリウレタンが望ましい。先行成型部と共に媒体梱包体が金型内で位置決めされ、硬化前の発泡ウレタンが媒体梱包体と先行成型部との境界を覆うように、硬化してシールを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参考文献
本出願は、2003年12月22日に出願された米国予備出願番号60/532,783号の開示内容の見直しと、補助的な内容を含むものである。この米国予備出願に対して適切な優先権を主張する。米国予備出願番号60/532,783号の完全な開示内容を、本明細書に合体する。
【0002】
本発明は、取り外し可能または交換可能な、すなわち点検整備可能なエアクリーナのフィルタエレメントまたはカートリッジ部品に関する。他の用途にも可能であるが、以下に記述される発明は、エンジン(例えば、乗り物、建設機器、農業機器、採鉱装置及び発電機系)の吸気濾過に使用されるエアクリーナに特に有効である。本発明は、エアクリーナ用として点検整備可能な点検整備可能なフィルタエレメントまたはカートリッジに提供されるシール構造に特に関係する。本発明は、組立方法および使用方法にも関係する。
【背景技術】
【0003】
空気流中に含まれた汚染物質は、空気流中で移動される。多くの事例では、空気流中の汚染物質の幾分か、あるいは全てを濾過することが望まれる。例えば、エンジン駆動される乗り物、発電設備、建設設備または他の設備のエンジンへの気流、またはガスタービンシステムでのガス流と様々な燃焼炉への空気流中には微粒子状の汚染物質が含まれる。このようなシステムでは、空気または気体から特定の汚染物質が取り除かれる(または、そのレベルを減少させる)ことが望まれる。汚染物質の減少目的のために様々なエアフィルタ構造が開発されている。しかしながら、一般的にはさらなる改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,820,646号、
【特許文献2】米国特許第5,772,883号、
【特許文献3】米国特許第5,902,364号、
【特許文献4】米国特許第5,792,247号、
【特許文献5】米国特許第6,190,432号、
【特許文献6】米国特許第6,350,291号
【特許文献7】PCT出願番号第WO97/40918号
【特許文献8】PCT公表番号第WO03/47722号
【特許文献9】PCT公表番号WO03/095068号
【特許文献10】米国予備出願番号第60/467,521号
【特許文献11】米国特許第5,895,574号、
【特許文献12】米国特許第6,210,469号、
【特許文献13】米国特許第6,350,296号、
【特許文献14】米国特許第6,179,890号、
【特許文献15】米国特許第6,235,195号、
【特許文献16】米国公開特許第6,235,195号
【特許文献17】米国公開特許第6,179,890号
【特許文献18】米国特許第6,348,085号、
【特許文献19】米国特許第6,368,374号
【特許文献20】米国公開特許第2002/0185007A1号
【特許文献21】米国予備出願番号第60/457,255号
【特許文献22】PCT公表番号WO03/095068号
【特許文献23】米国公開第399,944号、
【特許文献24】米国公開第428,128号、
【特許文献25】米国公開第396,098号、
【特許文献26】米国公開第398,046号、
【特許文献27】米国公開第437,401号
【特許文献28】米国予備出願番号第60/543,804号
【特許文献29】米国特許第5,613,992号
【特許文献30】米国特許第5,562,825号
【特許文献31】米国特許第5,049,326号
【特許文献32】PCT公表番号WO97/40918号
【特許文献33】米国特許第6,673,136号
【発明の概要】
【0005】
本発明によると、空気濾過で使用されるフィルタエレメントまたはカートリッジが提供される。一般に、フィルタエレメントまたはカートリッジは、互いに対向する入口および出口を有する媒体梱包体を備える。媒体梱包体は、濾過されるべき空気の通路に開口するように媒体梱包体の入口端に設けられる1セットの入口縦溝流路であって、媒体梱包体の出口端から全長の10%の距離分が望ましくは閉じられて形成される入口縦溝流路と、媒体梱包体の入口端から全長の10%の距離分が望ましくは閉じられて形成される出口縦溝流路であって、濾過されるべき空気の通路に開口するように媒体梱包体の出口端に設けられる1セットの出口縦溝流路とから形成される。フィルタエレメントまたはカートリッジは、媒体梱包体の第1の入口端および出口端に隣接して配置される先行成型部と、先行成型部が位置する媒体梱包体の第1端部との間の接続部または境界をシールする第1部位とフィルタエレメントが使用のためにインストールされると、フィルタエレメント(または、カートリッジ)との間でエアクリーナのシールを形成する位置に設けられる第2部位とを形成するシール材料の追加成型部とをさらに備える。追加成型部の第1部位と第2部位は互いに一体成型され、使用上で便利な構成となる。
【0006】
特定の望ましい応用事例によれば、媒体梱包体はコイル状のZ型濾過材構造を備え、追加成型部は発泡ポリウレタン樹脂製である。媒体梱包体は、さまざまな形状と構成を備えることができる。図示される2つの事例は以下の通りである。例えば競馬場の走路形状の長円形の横断面形状、円形の横断面形状がある。さまざまな代替形状も可能である。
【0007】
先行成型部と追加成型部の組み合わせによって、フィルタエレメントの好適なシール構造が形成される。また、フィルタエレメントの準備と使用方法も提供される。さらに、一般的な使用のための構成も記述される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】は、本発明の第1の実施形態になるフィルタエレメントの側面図である。
【図2】は、図1のフィルタエレメント部品の平面図である。
【図3】は、図2の破断線3-3に沿って切り取られた横断面図である。
【図4】は、図3の一部を拡大して図示した断面図である。
【図5】は、図1のフィルタエレメントで使用される部品を拡大して図示した外観斜視図である。
【図6】は、図5の部品の破断線6-6に沿って切り取られた横断面図である。
【図7】は、本発明の第2の実施形態になるフィルタエレメントの側面図である。
【図8】は、図7に図示されたフィルタエレメントの平面図である。
【図9】は、図8に図示された構造の破断線9-9に沿って切り取られた横断面図である。
【図10】は、図9の一部を拡大して図示した断面図である。
【図11】は、図1または図7のいずれかに図示された構成で使用されるシール部品を形成するための成型金型を一部模式的に図示した横断面図である。
【図12】は、図11の成型金型にキュア前の高分子シール材料を溜めた様子を図示した概要の横断面図である。
【図13】は、先行成型部品のフィルタエレメント部品が図12の成型金型内に配置された様子を図示した横断面図である。
【図14】は、図13において媒体部品が配置された横断面図である。
【図15】は、図14において、シール素材が発泡され実質的にキュアした様子を図示した横断面図である。
【図16】は、図11〜図15の工程の成型金型中に配置される先行成型部と媒体梱包体の横断面図である。
【図17】は、図1の部品として使用可能なオプションのエンドピースである。
【図18】は、図1のオプション部品の横断面図である。
【図19】は、本発明に従う構成で使用可能なZ型濾過材について一部を断片して図示した外観斜視図である。
【図20】は、図19に図示された媒体の一部の横断面図である。
【図21】は、様々な波形の媒体に関する模式図である。
【図22】は、本発明で使用可能な媒体を製造するための工程の模式図である。
【図23】は、本発明で使用可能な媒体の縦溝流路の端部に形成されるオプションの折り目の横断面図である。
【図24】は、図1と図7のフィルタエレメントで使用可能な媒体素材であって、図19に類似しており、流れの向きが正反対である外観斜視図である。
【図25】は、本発明による濾過材部品を有するエアクリーナが使用されるシステムの模式図である。
【図26】は、図9の濾過材の中央芯材のプラグの一部を図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
I.一般的事項
本発明は、エアクリーナ組立体で使用可能なフィルタエレメント(あるいは、カートリッジとも呼ばれる)に関連する。一般に、好適なフィルタエレメントは以下の構成を備える。(a)フィルタエレメントの媒体は、第1の波形シート媒体を第2のシート媒体(通常、平坦な媒体または完全に平坦な媒体)に固定されたシングルフェーサと、(b)このシングルフェーサが組合せられて巻き上げられるか、積み重ねられることで媒体構造が作られ、濾過媒体の入口端部面で開口し、濾過媒体の出口端部面またはその近く(典型的には、縦溝流路の全長の10%の距離分が望ましくは閉じられた)で閉じられた複数の入口縦溝流路と、濾過媒体の出口端部面で開口し、濾過媒体の入口端部面またはその近く(典型的には、縦溝流路の全長の10%の距離分が望ましくは閉じられた)で閉じられた複数の出口縦溝流路とを備える。これらの媒体構造は、周知であり、例えば米国特許第5,820,646号、第5,772,883号、第5,902,364号、第5,792,247号、第6,190,432号、第6,350,291号に記載されているのでここに参考のために記載する。上記の構成の媒体は、Z型濾過媒体と呼ばれ、媒体梱包体は、このZ型濾過媒体から形成される。このようなZ型濾過媒体梱包体およびここに記載する媒体の特徴は、対向する端面の間では濾過前の空気が閉じ込められる閉じた流路が形成されることである。
【0010】
本発明によれば、このような媒体の多くの変形構成を使用することができる。例えば、縦溝流路(縦溝流路のシール)の端部を閉塞させるための構成は、シール材を連続棒状にしたものを用いること、押し潰すこと、折り畳むこと、あるいは縦溝流路の形状を歪めることで縦溝流路の端部を閉じてシールすること、またはこれの組合せを使用できる。すべての縦溝流路が、同じ閉塞状態でシールされる必要はない。一般に、シールのための特定の手法は、選択の問題であり、点検整備可能な点検整備可能なフィルタエレメントとハウジングまたはハウジングの部品の間に関連するシールは(以下に記載することは除き)縦溝流路のシールとは特に関係していない。
【0011】
別の設計要因として、縦溝流路の特定の形状が挙げられる。PCT出願番号第WO97/40918号およびPCT公表番号第WO03/47722号によるテーパ状の縦溝流路および他の形状を有する縦溝流路を使用することができる。もちろん、直線的な(非テーパ形状)縦溝流路もしばしば使用される。
【0012】
媒体構造に関する他の設計要因は、媒体がコイル状に「巻き付けられる」構成であるか、または「積層」構成であるかである。ここに記載される原理は、以下の議論から次第に分かるように媒体がコイル状に「巻き付けられる」構成に対して主に適用されることになる。しかしながら、積層構造に対しても本発明の特定の原理を適用することができる。
【0013】
ここで、「巻き付けられる」構成とその変形構成構成が使用される場合には、Z型濾過媒体から構成される媒体梱包体が、シングルフェーサをシングルに巻きつけられることで形成されることを意味し、シングルフェーサは波形の媒体のシートと平らなシートから形成され(これらの組み合わせがシングルフェーサであり)、さまざまな形状のコイル状媒体を作ることができ、円形または筒状の楕円形である、例えば競馬場のトラック形状、矩形、円錐か同様の構成にできる。これらの特定の事例は、米国特許第6,350,291号と、2003年5月2日に出願された米国予備出願番号第60/467,521号があるので、これらを引用して本明細書に合体する。
【0014】
ここで、「積層」構成と、その変形構成の媒体梱包体は、一般に媒体梱包体を巻き付けて構成するのではなく、むしろ媒体かシングルフェーサ(平坦かまたは略平らな媒体に固定された波形の媒体)の複数の片を積み重ね互いに固定されることで形成される。このように積み重ねられた構成としては米国特許第5,820,646号の図3を参照して記載されているので、これを引用して本明細書に合体する。
【0015】
一般にZ型濾過媒体の梱包体の構成は、上述したように点検整備可能なフィルタエレメント(またはカートリッジ)であり、それらが使用されるエアクリーナに対して脱着可能かつ取替え可能なフィルタエレメント(またはカートリッジ)として使用される。一般に、シール構成は使用中において、ハウジングなどのエアクリーナ部分の一部と係合できるようにZ型濾過媒体の梱包体に設けられる。このようなシール構成については、「エアクリーナシール」または「ハウジングシール」および変形構成と呼ばれる。このようなエアクリーナシールの種々の構成が周知である。外か外面的に指示された半径方向シールの1つのタイプが、米国特許第6,350,291号で図5を参照して「250」として記載されている。
【0016】
Z型濾過媒体の梱包体構成で使用可能なシール構成として、米国特許第6,348,085号、第6,368,374号および米国公開特許第2002/0185007A1号に記載されている軸方向に挟持されるシール構成があるのでこれらを引用して本明細書に合体する。また、内部的に指示された半径方向のシール構成が、2003年3月25日に出願された米国予備出願番号第60/457,255において、図12を参照して記載されているのでここに合体する。
【0017】
一般に、Z型濾過媒体梱包体とその準備工程は、セクションVIIで詳細に述べる。
【0018】
II.図1から図6に図示されるフィルタエレメントの事例
一般に、参照数字の1(図1)は、本発明による点検整備可能なフィルタエレメント(時としてカートリッジとも呼ぶ)を指している。図示されたフィルタエレメント1は、エアクリーナシール構成3をその上に置いたZ型濾過梱包体2を有している。
【0019】
ここで、再度確認すると、この文脈で「エアクリーナシール構成」とその変形構成の構成の意味は、点検整備可能なフィルタエレメント1が使用のためにエアクリーナ内にインストールされるとシール構成3によって、エアクリーナとの間、通常はエアクリーナハウジングとの間において適切な空気シールが提供されることを意味する。この文脈で、「点検整備可能なフィルタエレメント」は、フィルタエレメント1であり、エアクリーナの他の部分に対して取り外しおよび取替え可能に設けられるフィルタエレメントのことを意味する。
【0020】
図示される特定のエアクリーナのシール構成3は、外側の半径方向シール部材を備えている。この文脈で「外側の半径方向シール部材」とは、使用時において、点検整備可能なフィルタエレメント1がエアクリーナの部品との間でシールが形成されると表面6が半径方向外側に指示されることを意味し、点検整備可能なフィルタエレメント1の半径方向内側にシールが指示されないことを意味する。代替の配置構成とタイプによるシール構成も、ここに記載した原理を適用することができるが、上記のように特徴付けされた特定のシール構成は便利かつ有利な事例である。
【0021】
一般に、動作中において、Z型濾過梱包体2を通る気流が入口矢印9と出口矢印10で図示されている。Z型濾過材梱包体によれば、一般に入口の流れと出口流れとが互いに平行になる特徴がある。すなわち、気流の入口縦溝流路と出口縦溝流路が並行であるので気流の入口流動と出口流動とが並行になるが、フィルタエレメント1を通して唯一回転する流れとして媒体梱包体2中を通る流れがある。ここで、図示の矢印9と矢印10によって示される気流の逆方向の流れとなる特定の空気の流れを備える構成も可能であり、この場合にも同様に有利となる。使用のために、このようにして組み立てられ、配置されると媒体梱包体2は、入口端または流れ表面15と、対向する出口端または流れ表面16とを有することとなる。
【0022】
図示される事例では、入口の流れ表面15と出口の流れ表面16は各々が実質的に平面であり、かつ実質的に並行となる。代替構成も可能であるが、ここに記載される原理ではこの構成に対して好適に適用されうる。
【0023】
図2はフィルタエレメント構成1の平面図である。図2を参照すると、Z型濾過梱包体2とシール構成3は、長円形状の外周面を備えており、この場合では直線的な側面22、23と、これらから連続される2つの湾曲面20、21を備えた長円形の外側の周辺を備えている。
【0024】
一般にこのような長円形の構成を「競技場のトラック形状」と呼ばれる。例えば、競馬場のZ型濾過媒体梱包体については米国特許第6,350,291号で図10を参照して従来技術として記載されている。以下に記述されるように代替の周囲の形状として、例えば円形の媒体梱包体を有するフィルタエレメントでも本発明の原理の多くを適用できることが分かるであろう。また、他の構成として長円形に代えて並行な側面ではない上記の湾曲面より小さい湾曲面を備えた楕円形状もある。他の構成として、2つの対向する略直線的な側面であって、わずかな反りを有するかまたは反りのない側面と、4つの実質的に曲がったコーナとを有する形状のものがある。これらのタイプのフィルタエレメントに関する事例は、米国特許予備出願番号60/457,255号において図22を参照して記載されているのでここに合体する。
【0025】
上記の段落で確認された種々の形状は、ここに図示される形状以外にもコイル状形に適用することができることを意味する。
【0026】
図1を参照すると、フィルタエレメント1は、シール構成3から反対側となるZ型濾過媒体2の端部においてオプションのエンドピースまたはスライドスカート30を備えている。このオプションのエンドピースまたはスライドスカート30は、フィルタエレメント1の設置を容易にするためにハウジングとの間の係合を提供する。このような端部片の事例は、2003年11月20日に発行されたPCT公開番号WO03/095068号において図4と図8で記述されているので、ここに合体する。このオプションのエンドピース30については、セクションVで図17と図18の説明と関連して再び記載する。
【0027】
図2を参照すると、シール構成3が剛体の部品または先行成型部35と、成型されるシール部品36とから構成されている。ここで、この文脈において「先行成型部」とこの変形構成は、先行成型部35がシール構成3を形成するためのシール部品36の成型前に予め成型されることを意味する。もちろん、上述したように通常のフィルタエレメント1の製造工程によれば、媒体梱包体2が前もって形成され、先行成型部35が前もって成型され、これらの2つの部品(2,35)が成型金型内に一緒に配置されてからシール部品36が成型されるであろう。ここで、シール部品36は、「追加成型部」およびその変形構成と呼ぶ。とりわけ、後述する内容から分かるように、「追加成型部」はこの文脈では媒体梱包体2が前もって形成され、先行成型部35が媒体梱包体2上の所定位置に置かれた状態で成型されることを意味し、シール部品36それ自体が前もって成型されることを意味していない。
【0028】
次に、図3に着目する。図3は、図2中の破断線3-3に沿って切り取られた横断面図を図示したものである。図3においてフィルタエレメント1は図1よりも短いかより狭い寸法を備える横断面となる。しかしながら、図2の破断線Y-Yであるより長い軸に沿って切り取られた横断面図も、図3と同様の特徴点を備えている。
【0029】
図3に図示されるように、媒体梱包体2は、コイル状に構成される。一般に、媒体梱包体2は、面シートに固定された波形媒体シートであって、通常は平坦な片またはシングルフェーサを用い、それ自体に巻き付けられることで図示のように構成される。したがって、媒体は図示されるシートまたはシングルフェーサに面する(通常、平坦または非波形の)波形シートを含み、これを巻きつけることで媒体梱包体2が形成される。図2において、媒体梱包体2は、模式的に図示されているが、外側の3層分のコイル部分のみが断面図として図示されている。図1を参照して、最も外側のコイル端部の末端が参照番号の37で図示されている。図示の実施形態において、末端37は所定の位置でホットメルトシール材片38によってシールされるが、代替手段の使用も可能である。
【0030】
再度、図3を参照して、図示される媒体梱包体2はそれ自体に巻き付けられるのでセンター板部材、センター間隙、センタピースまたはセンターシールも不要となる。この媒体梱包体2は、この構成について単に図式的に図示されている。例えば、参照目的でここに記載した米国特許第6,348,084号に記述されたセンターボードを使用しても良い。また、例えば2003年5月2日に出願された米国予備出願番号第60/467,521号に記載されている指を組み合わせるような部材を使用することができる。また、2003年5月2日に出願された米国予備出願番号第60/467,521号に記載されているようにセンターシールを使用することができる。図3について言えば、これらの部材および変形構成も採用できることになり、単なる選択の問題である。しかしながら、媒体梱包体2の中心部分は何らかの方法で閉じられた状態でシールされることで、濾過前の空気の流れを防ぐようにして対向する端面15、16の間で濾過前の空気が流れないようにすることは言うまでもない。
【0031】
図3を参照すると、図示の先行成型部35は一般にハウジングシールサポート部40と、媒体係合周囲部またはスカート41と、媒体面クロスピース構成43とを含む。
【0032】
次に、図4に着目する。図4は図3の一部を拡大して図示した断面図である。図4において、先行成型部35は、媒体梱包体2の外側の周囲側面2aからは、そのいかなる部分も拡張していない様子が分かる。ここで、この代替構成も可能であるが、本発明によれば図示される構成が望ましい。図3で表現される特定の構成以外にも代替手段が可能であるが、媒体係合部41はZ型濾過媒体梱包体2の流れ表面16と係合されるエッジ45を含み、図示の事例では流れ表面16の外側の周辺エッジ16aを超えて突出形成されていない。図6において特定の先行成型部35は小さい尾根45aを含んでおり、媒体にわずかに突出するように構成されている。望ましくは、この尾根45aは追加成型部36を成型する間、ウレタンの流れを抑えることができるように1mm以下に設定され流れ表面16を覆うようにされる。
【0033】
図3に関して上述したように、Z型濾過媒体梱包体2はコイル状媒体構造を備える。図4では、外側の3枚分のコイルの46a、46bおよび46cが形成されている。これらのコイル46a、46bおよび46cの端(隣接している表面16)は折り重ねられるかまたは楔形状に押し潰されることで閉じられる様子が参照番号の47で図示されている。このように折り重ねるかまたは楔形状に押し潰すことは、例えば2003年5月2日に出願された米国予備出願番号第60/467,521号に記載されているのでここに合体する。
【0034】
引き続き図4を参照して、先行成型部35が媒体梱包体2の流れ表面16に対して係合する接続部49をシールして一部48が重なる状態で成型されるシール部品36が配置されている。望ましくは、成型されるシール部品36は、流れ表面16(図3の対向する流れ表面15に向かって)から離れるように接続部49から望ましくは少なくとも8mm、通常約9mmから18mmの範囲、あるいは少なくとも5mmの距離分伸びる部位51を含む。
【0035】
一般に、成型されたシール部分36の部位48と51は、媒体梱包体2と先行成型部35との間でシール部位を形成するとともに、媒体梱包体2の表面16の近くの周囲でシール部分を形成して、この領域から汚染された空気流が流入しないように構成されている。もし仮に、媒体梱包体に所定のコーティング層が設けられない場合には、部位48と51は直接媒体のシングルフェーサシートに接触することになるだろう。また、他の場合には媒体と部位48と51の間に媒体梱包体上の素材が存在することになるだろう。いずれの場合も、部位48と51は媒体梱包体2と係合する。
【0036】
図1を参照して、特にホットメルトシール片38は、望ましくは連続形成され、表面16から少なくとも4mm離れたところで終え、図4の追加成型部36の領域51の下で終えるように構成される。通常、この片38の6〜12mmの拡張部分が追加成型部36の下に形成されるであろう。このように表面16から少なくとも4mm分の距離にわたって片38が設けられるので、追加成型部36のシール素材が直接媒体梱包体2の端面16に隣接した状態でシールされる。このように構成することで、この位置での追加成型部36と媒体梱包体2間の漏れを防止することができる。
【0037】
図4を参照して、成型されるシール部品または追加成型部36はエアクリーナシール部54をさらに含む。このエアクリーナシール部54は、エアクリーナ部品との間でシール部分を構成するために望ましい方法で構成される半径方向の外側の表面56を含む。図示されるシール表面の部分の形状と同じ形が、米国特許第6,350,291号の図7において参照番号250でステップ面の表面部位56aとして特定の表面56が図示されているので、ここに合体する。
【0038】
図3を見ると、先行成型部35の部位40が、成型されたシール構成または追加成型部36のシール56と成型されたシール部品の段差部56aをバックアップする位置に設けられることが分かる。したがって、エアクリーナシール部54がエアクリーナ中に設置されるときに、先行成型部35の部位40は、表面56が圧縮で厚み方向(望ましくは圧縮の一部で厚みが少なくとも10%)に圧縮される状態になると、シール強度を確保するための剛体バックアップ機能を果たす。望ましくは、圧縮される距離は、シール56の最も厚い部位56bの1.5〜2.8mmの範囲、より望ましくは1.9〜2.5mmに設定される。図3から分かるように、部位40は流れ表面15、16の1つから外面的(軸方向)に突出形成されているので、バックアップ部材としてシール用に使用される。
【0039】
表面16を横切るように媒体梱包体2の外周面2aから引っ込むようにして表面40が形成されているので。米国特許第6,350,291号の図15で参照番号450として記載されているフィルタエレメントと同様にエアクリーナにフィルタエレメント1をインストールすることができる。もちろん、代替構成も可能である。望ましくは表面40が媒体梱包体の外側の周辺から突出形成されて、ハウジングシール56が外面的に配置されても良い。
【0040】
媒体係合部分41は、部位40とエッジ57の間で放射状に拡張されて構成されている。この媒体係合部分41は、放射状に外面的に指示されるスカートとして領域40から構成される。この外へ向かう拡張構成とは、Z型濾過材梱包体2が領域60において出口縦溝流路の端面(図3)が閉じられず濾過動作のために送られる空気通路を開口させることを意味する。もしも領域41が拡張された対角線状のスカート部として形成されないと領域60の縦溝流路は塞がれてしまい気流が部分41を通過できなくなるであろう。この結果、媒体が制限され、効率的でなくなる。図6において、望ましくは必要となるスカートを収容するために角度範囲の20から70度の範囲中に角度X(図6)が設定される。この角度Xは、スカート41の内面の表面と媒体表面16の間の角度である。
【0041】
図4を参照して、図示される特定の構成では、スカート41は、表面16の領域64を残す(媒体梱包体2の縦溝流路の出口縦溝流路の開口端となる外側層46aを包む)ようにして、成型されたシール部品36の一部を受ける大きさにされて、成型されるシール構成36の一部を参照番号66で示すように残すように形成される。この構成は利点になる。特に、この構成によれば成型途中で追加成型部 36が媒体梱包体2の中に後述するように進入できるようになる。
【0042】
図4に図示される好適なフィルタエレメント1において成型されるシール部品36のいかなる部分も部分40の内部の表面40aに沿って成型されないことになる。さらに望ましくは、成型されるシール部品36のいかなる部分もエッジ45を除き内部表面41aに沿う領域41には形成されないことになる。後者の構成によれば、表面16上に望ましくないシール部の噴出がされることが防止でき製造上では有利となる。以上のようにして部分40が構成され、追加成型部36は領域40aに対してシール材を許容することになるがこれは望ましくない。
【0043】
引き続き図4を参照して、媒体表面16を横切る先行成型部品35の媒体クロスピース構成43の領域41との係合により、媒体と係合される。この媒体クロスピース構成43は、図1の矢印10の向きに媒体表面が使用中において望遠鏡のように伸ばされることを防止できる。
【0044】
このクロスピース構成は、種々の構成が使用可能である。図2では、図示された特定のクロスピース構成43は、反対側22、23の間で平行に形成される複数の拡張部43aと、対角線状の格子部43bとから接続構成されている。
【0045】
図5において、先行成型部35の外観斜視図が図示されている。この先行成型部35は例えば射出成形または他の成型方法で一体成型することができる。望ましくは先行成型部は(例えば、33%)ガラス入りのナイロン素材などの高分子から形成されると良い。
【0046】
再度、図4を参照して、成型された追加成型部またはシール部品36について言及すると、この先行成型部35の端部71の一部に重なるオーバラッピング部位70を備えている。この部位70は、後述する望ましい成型工程から得られる。
【0047】
図4を参照して、媒体クロスピース構成43がスカート41を係合する部分において、表面16に対するスカート41の角度部分は幾分か影響を受ける。しかしながら、一般に他の位置ではスカート41は上記のような望ましい角度Xを有するであろう。
【0048】
ここで、種々の要素構成とサイズで、ここに記載した技術を適用することができることが理解されよう。以下の寸法は単なる一例であるが、本発明の応用分野を理解する助けとなるであろう。追加成型部36のその最も厚い位置で厚さが例えば約11.5mm、約10〜12mmとなる。また、媒体梱包体が競馬場のトラック形状の場合には、横断面の長軸寸法は約300〜320mmの範囲であり、例えば約308mmである。また、媒体梱包体の横断面の短軸寸法は約115〜125mmの範囲であり、例えば約121mmにすることができた。また長手方向の寸法は、約175〜195mmの範囲、例えば約188mmとなる。
【0049】
上記のような構成に関連する利点を述べる前に、図7〜図10に図示される代替構成における原理について述べる。
【0050】
III.図7〜図10の構成
先ず、図7に着目する。図7は、点検整備可能なフィルタエレメント(またはカートリッジ)101の側面図である。フィルタエレメント101はZ型濾過媒体梱包体102と、シール構成103を備える。フィルタエレメント101は、さらにオプションのエンドピース104をシール構成103が位置する端部102aに対向する媒体梱包体の端部102bに備えている。
【0051】
媒体梱包体102は、第1の流れ面105とこれに対向する第2の流れ面105aを有するコイル状シングルフェーサから構成される。また、上記のシール材片38を用いて不図示の外側の末端が固定される。
【0052】
一般に、図7を参照してシール構成103の表面106は、ハウジングまたはエアクリーナの部品とともに使用中において外面的に指示された半径方向シールとして機能する(もちろん、代替手段も可能である)。この表面106は、図4の表面56の断面形状と類似した形状に構成されるであろう。
【0053】
ここで、図8に着目する。図8において、フィルタエレメント101の平面図が図示されている。図7からフィルタエレメント101がシール構成103および媒体梱包体102の外側の円周面で定義される一般に円形の外側周辺108を備えることが分かる。図8では流れ表面105に達する格子構造109が図示されており、望ましくは表面105は出口流れ表面である。
【0054】
次に、図9のフィルタエレメント101の横断面図に着目する。図9からシール構成103が先行成型部110と追加成型部または成型されるシール部分111とを備えることが分かる。先行成型部110と成型されるシール部分111は、図1から図5を参照して述べた先行成型部35と成型されるシール部品36と円形である以外は略類似した構成を備える。
【0055】
ここで、フィルタエレメント101はコア113を含み、このコア周りに媒体梱包体102が巻き付けられる。このコア113は先行成型部110の部位114とのスナップ嵌合させることができる。種々の嵌合構成を使用することができ、例えば米国特許第6,517,598号で図5を参照して記載されているので参照目的でここに記載する。コア113は模式図で図示されている。コアは栓体を通常備えるであろう。栓体はコア113の残り部分と一体的に設けられるか、後付けすることができる。一般にコア113の栓体により表面150、105aからの流れが濾過されないことになる。
【0056】
図10は図9の一部を拡大して図示した断面図である。先行成型部110は、ハウジングシールサポート116と、媒体係合部位117と半径方向の外面的に指示されたスカート118と、媒体面に直面するクロスピース構成109(図8)を備える。(領域114では、内面の外へ向かうスカート118は満たされた状態で図示されているが、これはクロスピース格子構造109が図8でこれを通過する断面図として図示されているためである)一般に、フィルタエレメント101の各部品は上記の図1のフィルタエレメント1の各部品に類似した機能を果たす。
【0057】
IV.図1〜図10におけるフィルタエレメント組立体の工程
一般に図1のフィルタエレメント1に対応する図6のフィルタエレメント101にかかわる組立工程は以下の通りである。
【0058】
1.媒体梱包体(2、102)の部品を予め形成する。
【0059】
2.シール構造(35、110)の部品を先行成型する。
【0060】
3.先行成型部(35、110)と媒体梱包体部品(2,102)とを互いに成型金型内で位置決めして配置する。
【0061】
4.シール構成を成型するためにシール素材で追加成型する。
【0062】
5.成型金型から取り出す。
【0063】
6.シールの反対側のスキッド部材(30、104)をフィルタエレメントの端部にオプションとして配置する。
【0064】
この文脈で「追加成型」とその変形構成の意味することは、成型されたシール成形部分36、111が所定位置に成型されることで、(a)媒体梱包体の部品(2、102)と先行成型部(35,110)との間の接続部が外側から成型されるシール部品36でシールされる状態にされ、(b)エアクリーナシールを形成するために配置される部分36、111(すなわち、望ましくは追加成型部の残りの一体成型部分)によりエアクリーナに対するシール構成が提供されることになる。典型的な好適な工程によれば成型されるシールの部分として以下で記述されるような発泡ポリウレタンが使用されると良い。ここで、シール部品36は追加成型部と呼ばれて定義される。追加成型部のシール部分は望ましくは一体成型されると良く、上記の追加成型部分36、111は望ましくは共通の容器から提供される高分子から成形される。
【0065】
シール表面の領域は、通常望ましくは成型されたシール部品の厚みとして構成されるので、フィルタエレメント(1、101)のこの領域は、成型後にシールの最も厚い部分が通常少なくとも10%、または少なくとも15%の厚み分圧縮できるようにしてエアクリーナにインストールされる。この構成は、後述する素材を使用して構成することができる。
【0066】
典型的な工程が、図11〜図16を参照して記載される。
【0067】
先ず、図11に着目する。図11において、参照数字の180は、本発明の追加成型部シール構成を形成するために使用可能な成型金型の構成を図示している。金型構成180は要部を破断した断面図で図示されている。図示される構成によっていかに追加成型部シール構成が成型されるかについて理解できるであろう。この金型の残りの部分は長円形または円形など特定の事例にしたがうように形成される。
【0068】
図11を参照すると、金型構成180として図示された特定の金型は複数分割型181である。すなわち、金型180は、追加成型工程を可能にするために1個以上のピースが互いに組み合わせられる構成である。図示の金型構成180では特定の複数のパートは金型を形成するために3つの適任のパート183、184と185とを備える。金型を一緒に固定するためにピンまたは同様の部材を受け入れるための図11の開口189であって、各パートが適切に並べられるとき3つのパート183、184、185を通して拡張する開口が設けられている。
【0069】
一般に、パート183は基本的な金型構造を形成する。この金型の内側の貯液部の部分192では硬化前の液状の樹脂が追加成型工程のために流入され、また内壁193に対しては先行成型部が突き当てられ、棚194は先行成型部のエッジから離れて成型工程の間は静止されており、中央の壁195と棚196とは追加成型される部分を支え、そして外側の壁197は金型180の全体の外側支持部材となる。
【0070】
第2パート184は、表面201を備えた拡張部200を有する成型金型の差込み部を形成しており、シール構造の成型部品の外側の表面の一部を成型する。この事例ではパート202を有した表面201を含み、中央の壁195と組み合わせることで、シール部のシール面の特定の部分をアンダー部203として成型し、図15で後述するように特定のシール構造部分を成型する。第2パート184は、肩196上に載置される上方の拡張部205をさらに形成している。
【0071】
最後に、第3パート185は内壁215と上フランジ218を含む。このフランジ218はセンターパート184の一部205に伸びる。内壁215は、成型工程の間においてシール部材の選択された部分を成型するための表面216を含む、これについては図15で述べる。セクション217は成型工程の間において金型全体を蓋をすることで媒体にシール成型部が入るようにしている。
【0072】
次に図12に着目すると、本図において金型構成180は貯液部192の中に硬化前の樹脂素材225が液面226まで注入されている。一般に素材225は硬化工程でシール部品を形成するために発泡して体積が増えて上昇する樹脂が含まれる。通常、素材225は成型時において少なくとも80%、または約100%の体積分増加するであろう。
【0073】
図13において、先行成型部230が樹脂225を溜めた金型構成180に置かれた様子が図示されている。この先行成型部230は、例えば図1の先行成型部35に対応する。また、先行成型部230は図7の先行成型部110にも対応する。しかしながら、図7の構成と共に先行成型部110が使用される場合には、予め媒体梱包体に取り付けられるだろう。
【0074】
次に、図14に着目すると、金型構成180において先行成型部230と媒体梱包体231とが適所に配置されている様子が図示されている。ここで、媒体梱包体231の外側の表面232が金型のパート185の一部217を保持する寸法に設定されている。
【0075】
次に、図15に着目する。図15において、樹脂素材235が発泡および上昇されて実質的に硬化され、(図1の追加成型部36または図7の追加成型部103に夫々対応する)追加成型部が成型されている。ここで、実質的に「硬化する(キュアする)」とは、樹脂がその形状を維持できるように硬化されることを意味する。図15から成型動作時に関連する以下の重要な特徴点を理解することができる。
【0076】
1.領域240では、追加成型されたシール部材235の一部を最も外面的に突出成型される。続いて、この領域240の大部分は外面的に指示された半径方向シール部材となる外側を形成し、エアクリーナシールとして使用中に圧縮される部分となる。
【0077】
2.表面241は、金型のアンダ部分であって、領域240の一部を成型するために使用される。
【0078】
3.領域245では、媒体梱包体231が金型の片185の領域216の近傍のピース185で蓋をされるかまたは止められることで、媒体の外の表面232の周りの素材235の上昇により成型が行われる。
【0079】
位置247では、追加成型部235の樹脂の一部が媒体中に上昇して、媒体梱包体231の外側の媒体の大部分の層248の下部に進入する。この上昇によって開口しいている縦溝流路も閉塞されるようになる。一般に、この成型によれば媒体梱包体231の外側の層(例えば、図4で層46aとして図示されている)を、空気の濾過用に使用するために次の中間層に空気が入らなければならないように構成できる。この構成は、外側の層が取り扱い時および設置時に破損を受けても、媒体からの漏出が防止できることを意味する。したがって、好適な構成では両端が閉じられた3番目の1セット分の縦溝流路が媒体梱包体に存在していると良い。この3番目のセットの縦溝流路は最も外側の包装体中のみに存在する。これらの縦溝流路は出口縦溝流路であり、またはこのように呼ばれるであろう。
【0080】
図11〜図16に図示される工程では、媒体梱包体は出口流れ表面に隣接して入口縦溝流路が閉じた端部を有しており、端部が図示される楔形状になるように押し潰されている。まったく押し潰されない構成を含む、この代替構成ももちろん可能である。図示される追加成型部素材は247で示される領域の媒体の出口縦溝流路の開端中にまで充填される。
【0081】
領域249、250に沿う適所で樹脂材料236は硬化されることで、先行成型部230の外側の表面を完全に裏打ちする。
【0082】
特に、図15に図示されるように、領域255では樹脂素材235は先行成型部230の端部256上の部分で一体成型される。
【0083】
金型構成180から駆動式工程よりフィルタエレメントを強制的に取り出すことで工程を 終了することができる。この強制的に引き出す設備は先行成型部230のクロスピースに対して噛み合せて行うことができる。一般に、追加成型部235は十分に圧縮するのでアンダーカット部を通過できるように引き出すことができる。ここで、金型構成180から駆動式工程でフィルタエレメントを強制的に取り出す工程は、通常は110ポンドまたはこれ以下の力、または約100ポンドの力で達成できる。(金型からの取り出し工程の力は、通常先行成型部35、110の格子部に対して直接加えられる。)
一般に、フィルタエレメントの対向する端部に設けられるオプションのスキッドスカートは、成型前または成型後に設けられる。一般に、センタープラグが媒体中で使用される場合には、上記の成型工程の前に先行成型されるであろう。しかしながら、いくつかの事例では追加成型部と同時にセンタープラグを成型することができる。この後者の場合には、ウレタンが適切に配分されるように金型または他の構成の部分が提供されることが必要となるであろう。
【0084】
ここで、いくつかの事例では先行成型部230を媒体梱包体231に対してスナップ嵌合で取り付け可能となる。
【0085】
図16に図示される金型構成180では成型時において先行成型部230と媒体梱包体231とが配置されることが図示されている。この事例では媒体梱包体231はそこにオプションのスキッドスカートを取り付けていない。
【0086】
V.オプションのスキッドスカート
図1に関する上記の記載ではスキッドスカート30がオプション部品であると述べた。この部品は図17と図18に図示されている。
【0087】
先ず、図17においてスキッドスカート30の平面図が図示されている。また、図18には、スキッドスカート30の横断面図が図示されている。図18を参照すると、媒体梱包体を受け入れる範囲30aと、エアクリーナハウジングに設置するときに、ハウジング内を滑るように外側に形成される表面30bが図示されている。図17と図18に記述される原理に基づき、円形構成の場合にはこれに類似した円形の部品を使用できることが理解されよう。スキッドスカート30はガラスの満たされた(例えばガラスが33%充填された)ナイロンから通常形成され、所定の位置に粘着剤で固定される。
【0088】
VI.硬化可能なシール樹脂
上記のような構成では、ポリウレタン樹脂から高い発泡性と、非常に軟質の成型端部キャップシール構成が提供される。一般に、主要な条件としてはキャップシール構成により強健なシールが提供できるようになり、取り付けおよび取り外し時の耐久性を確保できる化学物質であるが挙げられる。一般に、このような特性は、素材の有するシール範囲が低密度であり、比較的に低い圧縮負荷で圧縮され、かつ圧縮永久ひずみが最適であることを意味する。
【0089】
代替手段も可能であり、望ましくはキャップシール構成は、28ポンド/立方フィート(0.45g/立方cm)以下の成型密度、より望ましくは22ポンド/立方フィート(0.35g/立方cm)以下、または18ポンド/立方フィート(0.29g/立方cm)以下、または12〜17ポンド/立方フィート(0.19〜0.27g/立方cm)の範囲である。
【0090】
ここで、「成型密度」は、体積で割られる重さから通常定義される。成型後の発泡サンプルの体積を測定するためには、水置換性試験か同様のテストを利用できる。この体積試験を行うときには、多孔質材の穴中に吸水を行い穴を空気を置き換える必要はない。すなわち、長時間に渡り穴中の空気を置き換える必要のないサンプルボリュームを測定するのに使用される水置換試験が使用される。換言すると、必要なサンプルの外側の周辺によって使用した状態で表される体積分だけの密度計算を行えば良い。
【0091】
一般に、圧縮負荷変位は硬さの度合いであって、すなわち圧縮への抵抗値で示される物理的特性である。一般に、圧縮負荷変位はその厚みを25%の偏向させるために必要となる圧力として測定される。この圧縮負荷変位試験は、ASTM3574規格で行うことができる。一般に、この圧縮負荷変位試験は、使用済みサンプルが評価される。典型的な試験では、温度華氏75度F(24度C)で、72時間経過して硬化したサンプルまたは華氏190F(88度C)で5時間経過して硬化したサンプルである。
【0092】
望ましい素材は成形後にASTM 3574規格下で、158度F(70度C)で7日間経過後に、平均で14psi(0.96バー)またはそれ以下、または通常6〜14psi(0.41〜0.96バー)の範囲、あるいは7〜10psi(0.48〜0.69バー)の範囲の圧縮負荷変位となる。
【0093】
また、圧縮永久ひずみは、圧縮力が素材サンプル(すなわち所定条件下で所定タイプの圧縮力)に対して印加されると圧縮後に圧縮前の厚みまたは高さに戻る度合いの評定である。ウレタン素材において、この圧縮永久ひずみを評価するための条件はASTM3574規格に記載されている。
【0094】
典型的な望ましい素材は、サンプルの厚さの50%を圧縮して180度F(82度C)で22時間経過後に、圧縮を解除した後に、約18%、通常は約8〜13%の圧縮永久ひずみを有する素材となるであろう。
【0095】
一般に、端部キャップを形成するのに使用されるものと同じ樹脂から準備されるサンプルプラグの上またはキャップから切り取られるサンプルから圧縮負荷変位と圧縮永久ひずみの特性を測定することができる。通常は、製造工程で成型された成型キャップの部位を切り取り直接試験を行うのではなく、樹脂材料から作られた試料を定期的に試験することになる。
【0096】
使用可能なウレタン樹脂システムによれば成型後の成型密度、圧縮永久ひずみ、圧縮負荷変位などの物理的性質が素材に提供されるが、これらはBASF社、ワイアンドットMI,48192のような製造業者を含むポリウレタン樹脂製造会社から入手可能である。
【0097】
一般に、工業工程で素材の適切な物理的特性を選択する場合において、フィルタエレメントを取り付け、また取り出すこと、および種々の条件下でシールを維持することを考慮の上で、必要となる事項は、必要な特性の品質管理と最終製品になるであろう。上記の物理的特性は使用可能なものであるが、他にも実施可能な製品ではこれらの制限はない。これに加えて、使用環境に応じて様々なエレメント製造業者は、温度条件の華氏-40度F(-40度C)で使用可能となるように、例えばASTM試験条件下で圧縮を引き起こして最大100psi(6.9バー)の圧縮変位をできるものが望まれるであろう。
【0098】
使用可能な1つの素材例は、以下のポリウレタンを含み、14〜22ポンド/立方フィート(0.22〜0.35g/立方cm)の「成型」密度を有する最終製品がある。ポリウレタンは、I36070R樹脂で作られた素材とI3050Uイソシアナトを含み、これらはワイアンドットのBASF社から、ミシガン48192として指定代理人のドナルドソン社から販売されている。
【0099】
素材は、重量比で100のI36070R樹脂対45.5のI3050Uイソシアナトの混合比で通常混ぜられる。樹脂の比重は1.04(8.7ポンド/ガロン)であり、イソシアナトに関しては1.20(10ポンド/ガロン)である。素材は高い動的せん断ミキサーで通常混ぜられる。部品温度は華氏70〜95度Fに設定される。また、金型温度は、華氏115〜135度Fに設定される。
【0100】
樹脂材料I36070Rは以下の特性を備える。
【0101】
(a)平均分子量
1)ベースポリエーテル ポリヨル(polyol)=500〜15,000
2)デオロス(Diols)=0〜10,000
3)トリオロス(Triols)=500-15,000
(b) 平均機能
1)全体系=1.5〜3.2
(c)ヒロドキシル(Hydroxyl)番号
1)全体系=100-300
(d) 触媒
1)アミン=空気製品0.1〜3.0PPH
(e)界面活性剤
1)全体系=0.1〜2.0PPH
(f)水分
1)全体系=0.2〜0.5%
(g) 顔料/染料
1)全体系=1〜5%のカーボンブラック
(h)発泡剤
1)水
I3050Uイソシアナトは以下の通りである。
【0102】
(a) 一酸化窒素含有率22.4〜23.4重量%
(b)粘性、25度Cで600〜800CPS
(c)濃度、25度Cで1.5g/立方cm
(d)初期沸騰点、5mmHgで-190度C
(e)蒸気圧 25度Cで0.0002Hg
(f)外観、無色の液体
(g) フラッシュポイント(デンスキー マーチン(Densky-Martins)閉じたカップ) 200度C
ここで、一般的な事項としてハウジングシールをその一部に成型できる樹脂としては、少なくとも10ポンド/立方フィート(0.16グラム/cc)の成型密度で硬化する素材が望ましく、また軽負荷用途には5ポンド/立方フィート(0.08グラム/cc)の素材が良い。一方で、素材は上記のように約22ポンド/立方フィート(0.35グラム/cc)以下の密度、望ましくはこの値よりも以下で硬化する素材が良いであろう。
【0103】
VII.一般的なZ型濾過材について
一般に、上記構成で使用可能な媒体梱包体は、Z型濾過材梱包体から形成される媒体2、102である。このような媒体梱包体は、さまざまな交互の縦溝流路の形状とシールタイプが使用できることを図示した。
【0104】
A.一般的なZ型濾過材構成について
縦溝流路を有した媒体を、種々の流体濾過構成で使用することができる。良く知られた一つが、Z型濾過構造である。ここで、「Z型濾過構造」とは、個々の波形または溝形に折り重ねられるかまたは別の方法で形成されたフィルタ縦溝流路を有する媒体を備え、流体の流れのために縦溝流路を入口および出口に交互に形成したものを意味する。このような媒体の対向する入口および出口に縦溝流路を長手方向に形成したZ型濾過材に関するいくつかの事例は、米国特許第5,820,646号、第5,772,883号、第5,902,364号、第5,792,247号、第5,895,574号、第6,210,469号、第6,190,432号、第6,350,296号、第6,179,890号、米国公開第6,235,195号、米国公開第399,944号、米国公開第428,128号、米国公開第396,098号、米国公開第398,046号、米国公開第437,401号の以上の15つの公報に記載されているので、ここにこれらを合体する。1つのタイプのZ型濾過材であって、結合する2つの特定の媒体の部品を利用する媒体構造の2つの部品は以下の通りである。
【0105】
(1)縦溝を形成した(通常、波形の)媒体シートと、(2)この媒体シートに面する面媒体シートである。この面媒体シートは、通常非波形であるが、それが波形である場合もあり、例えば2004年2月11日に出願された米国予備出願番号第60/543,804号に記載されるように縦溝流路の方向に垂直に溝を付けた媒体シートが設けられるので、ここに合体する。
【0106】
縦溝流路(通常波形の)媒体シートと面している面媒体シートとともに、平行な入口および出口縦溝流路を有する媒体が形成される。いくつかの事例では、縦溝を付けたシートと面している面シートは一緒に固定され、Z型濾過材構造を形成するように巻き付けられる。例えば、このような構成は米国特許第6,235,195号および第6,179,890号に記述されているので、参照目的でここに記載する。また、他の構成では面している媒体シートに固定された溝を付けた媒体シートを非コイル状部分として準備し、フィルタ構成を作成するために互いに積み重ねられる。この事例は、米国特許第5,820,646の図11で記述されているので、ここに合体する。
【0107】
また、特定の用途ではZ型濾過媒体を用いたコイル状構成が望ましい。通常、溝を付けた媒体シート/面の媒体シートの組合せがそれ自体に巻き付けられてコイル状濾過構造を構成されるが、このとき面媒体シートが外面的に向けられている状態で製造される。このようにコイル状に製造するためのいくつかの技術が2003年5月2日に出願された米国予備出願番号60/467,521と2004年3月17日に出願されたPCT出願番号US04/07927号として記載されているので、引用することで一部を合体する。このようなコイル状構成では、面シートの一部が媒体梱包体の外側の表面として存在する。
【0108】
ここで、媒体構造に関連して「波形」として用いた用語は、媒体の構造の媒体シートが2つのロールの間を通過することで縦溝流路が形成されることを意味しており、すなわち2個のロールの表面に形成された溝部で媒体シートが噛み付かれて媒体が形成されることを意味する。この「波形」はロールの間で媒体が通過されて形成される縦溝流路についてのみ意味するものではない。この「波形」は、例えば2004年1月22日に発行されたPCT公表第WO04/007054で記述された折りたたみ技術からも製造できるので、これを引用して合体する。
【0109】
波形の媒体は、縦溝流路を備えた媒体の特定の形状を規定する。溝を付けた媒体は個々の縦溝流路(例えば、溝付け工程のような技術で形成されるかまたは折り重ねられる)を長手方向に形成した媒体である。
【0110】
この変形構成による流れ構成としてZ型濾過材構造を利用する点検整備可能なフィルタエレメントでは直線的な流れとなる。一般に、この文脈で意味されることは、点検整備可能なフィルタエレメントが入口の流れ端部(または、入口面)と、対向する出口の流れ面(または、出口面)とを備え、入口からの流れが対向する出口流れ端部から同じ方向に流れる構成を備えることを言う。媒体梱包体は濾過前の空気についての通路は閉じられている。ここで、「点検整備可能」として、この文脈で述べた意味は濾過媒体が、エアクリーナから定期的に取り除かれて取り替えられることを言う。いくつかの事例では、それぞれの入口の流れ端部と出口流れ端部は平行かつ互いに平たんまたは平面状に設けられるであろう。しかしながら、これからの変形構成である、非平面の表面を備えたフィルタエレメントも当然可能である。
【0111】
直線的な流れ構成(特に媒体梱包体がコイル状の場合)は、例えば米国特許第6,039,778号に図示されるような点検整備可能な筒状タイプの濾過媒体と比較して、その流れは点検整備可能なカートリッジを通して逆流して濾過されることになる。すなわち、この米国特許第6,039,778号では、筒状の側を通って筒状の濾過材に入り、次に端面で逆流し、また戻るようにして濾過されるようにして点検整備可能なカートリッジを通過する。このような逆流システムに関する米国特許第6,039,778号を引用することでこの明細書に合体する。すなわち、米国特許第6,039,778号のフィルターでは、濾過前の流れが円筒形の側面を介して円筒形のフィルターカートリッジ内に入り、端部面を介して出るように(直線的な流れシステムとなり)一度逆流する。このような典型的な逆流システムでは、濾過前の流れが点検整備可能な円筒形のフィルターカートリッジ内に端部面を介して入り、円筒形のフィルターカートリッジの端部面を介して出るように一度逆流することとなる。このような逆流システムは米国特許第5,613,992号に図示されているのでその一部を引用することで本明細書に合体する。
【0112】
また、「Z型濾過媒体構造」とその変形構成の意味は、入口および出口縦溝流路を形成するために適切なシール材を用いて縦溝流路を形成するように加工された波形媒体に面シート媒体が固定された波形媒体のウエブを準備し、巻きつけるようにして組み立てられることで3次元的な入口および出口縦溝流路を備えるように形成された縦溝流路を形成した構造全体のことを言う。
【0113】
図19において、Z型濾過媒体で使用可能な媒体401に関する事例が図示されている。媒体401は、波形(縦溝流路を形成した)のシート403と、これに面している面シート404から形成されている。
【0114】
一般に図19において、波形シート403は規則的に曲げられた波形または皺を有する縦溝流路407を有することを特徴としている。ここで、「波形の形状」とは、縦溝流路を形成する谷溝407bと尾根407aを交互に設けることを意味する。また、「規則的」とは、谷溝407bと尾根407aの組が一般に同じ間隔で繰り返し形成されること、または同じサイズで定期的に形成され(さらに、通常各々の谷溝407bは実質的に尾根407aを逆にした形状である)ことを意味する。
【0115】
このように「規則的」に、縦溝流路の隣接している谷溝と尾根のパターンの各組が繰り返し形成されることで、縦溝流路の長手方向に沿う長さの少なくとも70%に沿って波形形状とサイズの変更なしで実質的に繰り返し形成される。ここで、「実質的」とは、波形の縦溝流路シートを形成するために使用される工程または金型に起因する変化から生じる変更を示すものであり、媒体403がフレキシブルであることに起因する変化に比べてごく僅かなものである。繰り返えし形成される波形パターンに関して言えば、あらゆるフィルタ構成において必ずしも等しい数の谷溝と尾根とが存在するわけではない。例えば、媒体401を尾根と谷溝の組の間、または尾根と谷溝の間で終えることもできる。(例えば、図19において一部を破断して図示したように、媒体401は8個の完全な尾根407aと7個の完全な谷溝407bを有している。)また、反対側の縦溝流路の端部(谷溝と尾根の端部)は、互いに異なる形状となるかもしれない。ここで特に述べない限り、端部の変形構成は無視される。すなわち、縦溝流路の端部の変形構成は上記の定義で規定される。
【0116】
ここで、「曲げられた」形状の縦溝流路とは、曲げられた形状が折り重ねられるかまたは折り目を付けられて得られる結果ではなく、それぞれの尾根の頂点407aとそれぞれの谷溝の谷407bが湾曲したカーブに沿って形成されることを意味する。代替構成も可能であるが、Z型濾過材のための典型的な曲率半径は少なくとも0.25mm、通常は3mmとなるであろう。(また、上記の定義による曲げられない媒体も使用可能となる。)
図19に図示された波形縦溝流路シート403用の規則的に曲げられて形成される波形パターンの追加的な特性として、互いに隣接した谷溝と尾根との間の中間点430で、各縦溝流路407の長さの大部分に沿って反りが逆転することがある。図19に図示されるように、谷溝407bは凹形の領域であり尾根407aは凸状領域である。もちろん、前側または面403bからに向かって見ると、谷溝407bの側面403aが尾根を形成し、尾根407aの表面403aが谷溝を形成する。(また別の事例では、領域430は、点ではなく、直線的な部分430が逆転する逆点端部となるかもしれない。)
図19に図示された波形の縦溝流路シート403用の規則的に曲げられて形成される波形パターンの追加的な特性として、個々の流路が直線的であることがある。ここで、「直線的」の流路とは、尾根407aと谷溝407bが断面形状が長手方向に少なくとも70%(通常、少なくとも80%)に端部408と409の間で実質的に変化しないことを意味する。図19において、「直線的」とは、国際公開番号WO97/40918と2003年6月12日に公開されたPCT公開WO03/47722の図1で記述される波形の媒体のテーパ状の縦溝流路と一部識別可能であるのでこれらを引用することでここに合体する。
【0117】
例えば、上記公報のWO97/40918の図1のテーパ状な縦溝流路は「規則的」なパターンでなく曲がった波のパターンであるだろう。
【0118】
本明細書の図19を参照して、媒体401は1番目と2番目の端部408と409を対向配置している。この媒体401が巻き付けられて媒体梱包体に形成されるときに、一般に媒体の端部409が入口流路を、また端部409が出口流路を形成するが、この反対の構成も可能となる。
【0119】
縦溝流路シート403と面シート404の隣接する端部408は、シール材で固定されるが、図示の事例では接着剤の棒状シール材410で固定されて、縦溝流路シート403と面シート404とが固定される。この棒状材410をシングルフェーサで形成するために、波形シート403と面シート404の間で棒状シール材として適用される場合には、この棒状シール材410は「シングルフェーサ用」棒状シール材と呼ばれるであろう。棒状シール材410は、そこから端部408に隣接して塗布されて、端部408において個々の縦溝流路411を閉じる空気の通路を形成する。
【0120】
端部409に隣接して棒状シール材414として提供されるシール材が、この事例では設けられる。一般に、棒状シール材414は、端部409に隣接して濾過前の流体が通路に入らないように縦溝流路415を閉じるように設けられる。この棒状シール材414は通常、媒体401が内部に向けられて波形シート403自体に巻き付けられるときに塗布されるであろう。したがって棒状シール材414は面シート404の背面417と波形シート403の側面418との間でのシール構造を形成することになるであろう。ここで、棒状シール材414が「巻き付けシール構造」を構成するとして述べる意味は、片401が媒体梱包体にコイル状に巻き付けられることを言う。媒体401が細長く切断され積層され、コイル状に巻きつける代わりに積み重ねられる場合には、棒状シール材414は「積層シール材」になるだろう。
【0121】
また、別の事例では、波形シート403は線404aに示されるように横方向に沿って様々な個所で互いに面シートに留められることになる。
【0122】
図19を参照すると、媒体401が例えば巻き付けまたは積層で媒体梱包体として一体化されると、以下の動作を行うことができる。第1に、矢印412の向きの空気は、端部409に隣接して開口されている縦溝流路411に入るであろう。棒状シール材410によって閉じられた端部408により、空気は矢印413で図示されるように媒体を通り抜けるであろう。次に、空気は縦溝流路415の開端415aを通り隣接している媒体梱包体の端部408を通り抜ける。もちろん、気流が逆方向であっても例えば図24に基づき述べるように同様に動作させることができる。典型的な空気濾過用途によれば、濾過前の気流は媒体梱包体の一方の表面から流入し、媒体内で濾過され、他方の媒体梱包体の表面から出るようにして、確実に濾過が行われることとなる。
【0123】
一般に、図19に図示される特定の構成によれば、平行な谷溝407a、407bは端部708から端部709まで一直線である。このように直線的な谷溝である場合には、特定の端部位置を変形ないし折り畳むことで閉塞させることができる。縦溝流路の端部をこのように変更することは、一般に上記の「規則的」、「曲げられた」、「波形パターン」とは無関係となる。
【0124】
以上の規則的に曲げられた波形パターンを有する一直線的な縦溝流路を用いないZ型濾過媒体構造が知られている。例えば、部分的に半円(断面において)の入口の縦溝流路を利用する発明者、山田他の米国特許第5,562,825号による溝パターンでは隣接している細長いV字形(曲がった側を備える)の出口縦溝流路が図1、図3で図示されている。また、縦溝流路は発明者、松本による米国特許第5,049,326号では、円形(断面)か管状の縦溝流路であって、半分のチューブを平たんな領域を有する面シートに取り付けることが図2を参照して記載されている。発明者、石井他による米国特許第4,925,561(図1)では四角形の断面を有するように折り重ねられた縦溝流路(縦溝流路はそれらの長さに沿ってそこで先細りになる)が図示されている。国際公開番号WO97/40918公報(図1)では、曲がった波のパターン(隣接している曲がった凸状で凹形の谷溝)を有し、それらの長さ(そしの結果直線的ではない)に沿って先細りになる縦溝流路が図示されている。また国際公開番号WO97/40918公報によれば、波形パターンを曲がらせるが、尾根と谷溝を異なる大きさとした縦溝流路が図示されている。
【0125】
一般に、濾過媒体は比較的に可撓性であり、通常は樹脂を含む非織の繊維質材料(セルロース繊維、合成繊維または両方)を素材とし、添加物を使用して用いられる。したがって、これら素材は様々な波形のパターンに媒体への損傷なしで加工または構成することができる。また、素材を容易に巻き付けるかまたは使用目的のために容認できない媒体への損傷なしで構成することができる。使用中において自然状態で素材は必要な波形の構成を維持できる特性を備えなけらばならない。
【0126】
溝付け工程では元に戻ることのない弾性変形加工が媒体に施される。この工程は、媒体が戻るように反り返ることを防ぐ。しかしながら、張力がいったん解除されると完全に引き起こされた伸びと曲がり部分の一部だけを回復して縦溝流路または溝付け部がスプング・バックで元の状態に戻る傾向があるだろう。面シートが波形シートに対してこのスプング・バックを防止するために溝付シートに接着材で固定される。
【0127】
また、 通常、媒体は樹脂を含んでいる。そこで、溝付け工程の間において、媒体を樹脂のガラス転移点以上に加熱することで、樹脂が冷えるときに溝付け形状を維持できるようになる。
【0128】
面シート404または波形シート403あるいは双方を目の細かい繊維体を用いて形成でき、これについては例えば米国特許第6,673,136号に記載されているので、これを引用してここに合体する。
【0129】
Z形濾過媒体構成に関する問題点は、個々の縦溝流路の端部を閉じる構成がある。通常、シール材または粘着剤が閉塞を行うために提供される。上記の記載から明らかなように、典型的なZ型濾過材であって特にテーパ状の縦溝流路とは対照的に直線状の縦溝を使用すると上流端部と下流端部の両方に大きな開口が形成されるのでシール材の表面積が大きくなりその分のシール材(の体積)が必要となる。これらの位置で高品質のシール構成を確保することは、結果として生じる媒体構造の適切な動作にとって重要なことである。広い範囲に大量にシール材を使用することは、信頼性のあるシール構成にとっては問題が多い。
【0130】
次に、図20に着目すると、規則的に曲げられた波形パターンの波形シート443と、面シート444を使用するZ型濾過媒体構造440が図示されている。本図において、点450と点452の間の距離D1は、波形の縦溝流路453の下方で面する媒体444の拡張領域452を示している。距離D2は、波形のアーチ形の媒体に沿う距離であり縦溝流路を形成するとともに、波形の縦溝流路453に沿うことから距離D2は、距離D1よりも大きい。一般に、溝付けされた濾過用で使用される典型的な規則的な媒体によれば、点450と451の間の媒体453の距離D2は、距離D1の少なくとも1.2倍に設定されるであろう。従来からの特定のエアフィルタ構成によれば、距離D1の1.2〜2.0倍の範囲内に通常距離D2が設定され、距離D2が1.25〜1.35×距離D1になるであろう。このような媒体はドナルドソン社の商標登録名「パワーフィルター」としてZ型媒体構成として販売されている。この特徴は、縦溝/平坦比または媒体が波形(縦溝流路)である比率であるD2/D1比として特徴付けられるであろう。
【0131】
一方、段ボール製造業によれば、様々な標準の縦溝流路が定義されている。例えば、標準のE段縦溝、標準のX縦溝、標準のB縦溝、標準のC縦溝および標準のA段縦溝である。添付の図21には、表Aと付属してこれらの縦溝に関する定義が規定されている。
【0132】
本発明の出願人であるドナルドソン(DCI) 株式会社では、種々のタイプのZ型フィルタ構成において、標準のA段縦溝、標準のB縦溝の変形構成を使用している。これらの縦溝(流路)は表Aと図21に規定されている。
【0133】
【表A】

【0134】
もちろん、段ボール箱業界では、縦溝を他の方法で定義することも知られている。
【0135】
一般に、波形の媒体を得るために溝付け形状に加工するために、段ボール箱業界で用いられている標準の縦溝形成工程をそのまま使用することができる。上記のDCIのB段の縦溝とDCIのA段の縦溝と、ダンボール業界での業界基準Aおよび標準Bとの間では共通する特徴がある。
【0136】
B. 溝付け媒体を使用するコイル状媒体構成の製造方法一般
図22において、図19で使用される媒体片401に対応する媒体ストリップを製造するための製造工程に関する1つの事例が図示されている。一般に、面シート464と、縦溝流路468を有するように溝付けされた(波形)シート466が互いに合体され、それらの間に粘着性の棒状シール材470が配置されてから、媒体ウエブ469が形成される。この粘着性の棒状シール材470により、図19のシングルフェーサ用の棒状シール材410が形成される。オプションの潰し工程は、ステーション471で行われ、ウエブの中間において潰された中心部位472を形成する。Z型濾過材またはZ媒体片474を棒状シール材470に沿って475の部位で切断または切り裂かれることで、Z型濾過媒体の二枚のZ型濾過媒体片476、477が得られるが、各片はそれぞれシール材(シングルフェーサ棒状シール材)の片が波形シートと面シートとの間で拡張した縁部を備える。もしも、オプションの押し潰し(ダート)工程が使用される場合には、シール材(シングルフェーサ棒状シール材)の片となる縁部において押し潰された縦溝流路の組が存在することになるだろう。
【0137】
また、図19で図示した棒状シール材または他の留め部材404aが使用される場合には、これらはシート464、466が合体される工程で塗布または配置させることができる。
【0138】
図22に図示した工程に関連して特徴付けられる技術は、2004年1月22日にPCT公開番号WO04/007054号として公開されているので、これを引用することで本明細書に合体する。
【0139】
引き続き、図22を参照して、Z型濾過媒体474が押し潰しステーション471を通過し、スリット475を通過する前に、溝付けを行わなければならない。図22で図示された模式図によれば、この溝付け加工は1組の溝付けロール494、495の間に媒体492を通過させることで行われる。図22の模式図では、次に媒体492のシートはロール496から送り出され、テンションローラ498に一部が巻き付かれて方向転換され、溝付けロール494、495の間のニップ502に噛み付くように供給される。溝付けロール494、495には、媒体シート492がニップ502を通り抜けた後に波形の溝付け形状に加工するための歯504が設けられている。ニップ502を通り抜けた後に、媒体シート492は縦方向の長手方向に沿う波形に加工され波形シート466となる。そして、波形シート466は面シート464に固定される。(溝付け工程は、いくつかの事例では、媒体を加熱する加熱工程を伴う場合がある。)
依然として図22を参照して、図示の工程によれば、面シート464が押し潰し工程のステーション471に送り出される様子が図示されている。面シートは、ロール506として格納されており、次にZ型濾過媒体474を形成するように波形シート466に指示される。波形シート466と面シート464は粘着剤または他の方法(例えば、超音波溶着による)によって互いに固定される。
【0140】
図22を参照すると、波形シート466と面シート464を固定するために図中において接着線470として図示された棒状シール材が設けられる。この代わりに、一点鎖線で470aとして示される棒状シール材を形成するようにしても良い。もしも接着材が、線470aで適用されることが望ましい場合には、溝付けロール495、あるいは両方の溝付けロール494、495において棒状シール材470aを適用すると良い。
【0141】
波形の媒体に提供される溝付けタイプは選択の問題であり、溝付けロール494、495の歯部の形状から決定されるであろう。1つの望ましい溝付けパターンが上記のように定義された直線的な規則的に曲がった波形パターンとなるでろう。上記の距離D2は、上記の距離Dlの少なくとも1.2倍となるように定義される波形パターンが典型的なものである。1つの望ましい事例では、通常、D2=1.25〜1.35×D1である。また、いくつかの事例では波形パターンが「規則的」でないものが適用され、さらに例えば直線的でない縦溝流路となる場合もある。
【0142】
図22に図示されたように、上記の中間部分に押し潰した部分472を形成するための工程を使用することができる。図23は、縦溝流路468の一つが潰され切断された後の様子を図示した断面図である。
【0143】
4つの折り目521a、521b、521c、521dを有する押し潰された縦溝流路520を形成する折り目構成518が図示されている。この折り目構成518は、面シート464に対して固定される平坦な第1の層または部分522を含む。第2の層または部分524は、この第1の層または部分522に対して押し付けられている様子が図示されている。この第2の層または部分524は、第1の層または部分522の外側の端部526、527に対向して折り曲げられると良い。
【0144】
引き続き図23において、2つの皺または折り目521a、521bはここでは、「上方の内側に指向された」皺または折り目と呼ばれる。この「上方」とは、図23に示したように折り目を見たときに、折り目が全体の折り目520の上方に位置することを意味する。また、「内側に指向された」は、折り目521a、521bの各折り目線または皺線が互いに向き合うことを意味する。
【0145】
図23において、折り目521c、521dは、ここでは一般に「下方の、外側に指向された」折り目と呼ぶ。この「下方」とは、図23に示したように折り目を見たときに、折り目521c、521dが折り目521a、521bのように上面に位置しないことを意味する。また、「外側に指向された」は、折り目521c、521dの各折り目線または皺線が互いに離れていることを意味する。
【0146】
「上方」、「下方」とは、特に図23に示したように折り目520を見た場合について意味している。すなわち、これらの文言は、折り目520が実使用のために配置されるときの方向を意味している分けではない。
【0147】
上記の特徴点および図23に図示された好適な構成によると、図23の規則的な折り目構成518は、少なくとも2つの「上方で内側に指向された」皺または折り目を含む。これらの上方で内側に指向された折り目によれば、隣接する縦溝流路を大きく侵害しないようにできる独創的な全体構成を提供できる。
【0148】
また、第3の層または部分528が、第2の層または部分524に対して押し付けられていることが分かる。この第3の層または部分528は、第3の層528の対向する内側の端部530、531を折り曲げることで形成される。
【0149】
この折り目構造518を、別の視点から見ると波形シート566の交互の尾根と谷溝の幾何的配置として見ることができる。第1の層または部分522は、逆さの尾根から形成される。第2の層または部分524は、尾根が折り重なった二重の頂上部分(尾根を逆にした後に)に対応し、望ましい構成では逆にされた尾根に対して折り目を付けて固定される。
【0150】
図23に関連して折り目をつけるための任意の加工は、PCT公表番号第 WO04/007054に記載されているので、これを引用することで本明細書に合体する。
【0151】
棒状シール材の塗布を行い媒体を巻き付けるための技術は、 米国を指定して2004年3月17日に出願されたPCT米国出願番号US04/07927に記載されているので、これを引用することで本明細書に合体する。
【0152】
この出願に記述された技術は、波形シート/面シートを組み合わせたすなわちシングルフェーサの片を巻き付けて得られる媒体梱包体に特に好適に適合させることができる。巻き付けにより形成する代わりに、別構成による技術で、複数のシングルフェーサの片から形成することもできる。
【0153】
種々の周囲の構成を備えるように巻き付けられる媒体梱包体の構成を提供することができる。ここで、「周囲の構成」とその変形構成とは、媒体梱包体の入口の端部と出口の端部から見たときの外周形状を意味する。典型的な外周形状は、国際公開特許PCTWO04/007054および出願番号PCT US04/07927に記載されている円形である。他の使用可能な形状は、長円形、小判形である長円形である。一般に、楕円形は1組の対向する曲面部分と、対向するなだらかな部分を備える。また、競馬場形と呼ばれる他の楕円形では対向する部分は直線とある。この競馬場の形状は、例えばPCT公表番号第WO04/007054またはPCT米国出願番号US04/07927に記載されている。
【0154】
周囲の形状を定義する他の方法は、巻き付けられた巻線軸と直交した方向に横断面をとり、これにより周囲の形状を規定することである。
【0155】
媒体梱包体の対向する流れ面または流れ端部は、種々の異なる方法で規定することができる。多くの構成によれば、端部は夫々互いに一般に平坦であり垂直に設けられる。他の構成であって、巻き付け後に先細りとなるテーパ状の端面を有する場合には、媒体梱包体は側壁から軸方向に外面的に突出するように形成される。あるいは、媒体梱包体の端部から軸方向に内部で突出形成するように構成できる。このような媒体梱包体構成に関する事例は、2004年6月8日に出願された米国予備出願番号60/578,482に記載されているので、引用して本明細書に合体する。
【0156】
さまざまな素材を用いて縦溝流路のシール(例えば、シングルフェーサ用の棒状シール材、積層される棒状シール材)を形成することができる。例えば、ホットメルトまたはポリウレタン系樹脂材料などの様々なものからシールを構成することが可能である。これらの素材も、ここで上記のように特徴付けられた構成で使用可能となる。
【0157】
媒体が巻き付けられるときに、一般に巻き付けの中心部が、流れ表面間で媒体梱包体を通る濾過前の空気の通路とならないように閉口する必要がある。このためのいくつかの手法は、2004年6月8日に出願された米国予備出願番号60/578,482と、2004年7月26日に出願された米国予備出願番号60/591,280とがある。
【0158】
波形シートと面シートに使用される媒体は同じものか、あるいは異なる場合がある。セルロース繊維、合成繊維または混合された媒体繊維素材を選ぶことができる。1つに適用されるファインファイバ層を媒体に提供することができ、例えば2004年1月6日に発行された米国特許6,673,136に記載されている一つ以上の表面上にファインファイバ層を形成することができるので、これを本明細書に合体する。以上のような素材がシートの片側の上で使用される場合に、通常は入口縦溝流路の上流の側面を形成するために設けられる。
【0159】
この場合には、上記の図19で示される構成における流れ方向と反対側の流れ方向の構成となるであろう。
【0160】
図24において、Z型濾過材梱包体で使用可能な媒体の概要構成の模式図が図示されている。この図24の概要の描写は、概念図であり縦溝流路のシール構造を図示したものではない。
【0161】
図24を参照して、一般に参照数字の300は、平シート302に固定される波形シート301を含むシングルフェーサを指している。この平シート302は完壁に平らである必要はなく、 それ自体が非常に小さいしわまたは他の構成を有する場合がある。
【0162】
図示される特定のシングルフェーサ300によれば、それ自体の周りに巻き付けるか、または芯材の周りに巻き付けて、通常外側に平シート302が位置するように巻き付けることができる。図示される構成では、縁部310は最後に媒体梱包体の表面となる入口を形成して、端部または縁部311が出口流れ表面を形成するようになるだろう。したがって、矢印312は入口の流れ方向を表し、矢印313は出口流れ方向を夫々表すこととなる。シート315は次に巻き付けられたときにシート302に対応する平シートとなることが図式的に示されている。
【0163】
シングルフェーサのシール構成320に隣接して縁部311が形成される。この事例では、シングルフェーサのシール構造320は、波形シート301と平シート302の間で縦溝流路の全長となる、入口の端部310と出口の端部311の間の距離に対して10%分のシール材321の棒状シール材が内側に塗布される。このシール構成320用に、種々の素材と構成を使用することができる。このシール構造または他の方法によって波形シートが閉口でき、また上記のように折り重ねられた部分を完全にシールすることができる。図示の特定のシール構成320では、ホットメルトシール材の棒状シール材を使用できるが、代替手段も使用可能であることは言うまでもない。シール構造320は、図4と図10に図示した押し潰して折り重ねる構成にも採用できる。
【0164】
また、端部310に隣接した巻付けシール330が図示されている。この巻付けシール330はシングルフェーサ300が巻き付けられるときに、各層の間において縁部311に隣接して塗布される。望ましくは巻付けシール330は、縦溝流路の縁部310から(すなわち、縁部311と310の間の距離)の10%以内の範囲に塗布または配置される。
【0165】
シングルフェーサの末端(リードまたは尾)は、波形シートと平シートの間でシールされることが必要性となるので、間にシール材が塗布または配置される。
【0166】
VIII. 一般のエアクリーナシステムに関する背景技術
ここに記述される原理と構成は。さまざまなシステムで使用可能である。一つの特定のシステムが、図25で参照番号の650で図式的に表現されている。図25において、例えば50〜2000cfm(すなわち、1.4〜57立方メートル/分)の気流が必要となるエンジン653を備えた乗り物652aなどの設備652が図式的に図示されている。代替手段も可能であるが、例えば設備652は、バス、高速道路走行用トラック、オフロード車、トラクタ、軽負荷または普通トラック、ボートなどの船舶が含まれる。エンジン653は燃料を燃焼して設備652を駆動する。図25において、気流は領域655からエアホーンを介してエンジン653に引き込まれた状態が図示されている。オプションのターボ656はエンジン653のエアホーンに加給を行うためのものであり二点鎖線で図示されている。この代替構成も可能であるが、ターボ656はエアクリーナ660の下流側に位置している。
【0167】
このエアクリーナ660は濾過材662を備えており、エンジン653に空気入口流を提供する様子が図示されている。一般に、動作としては空気はエアクリーナ660中の濾過材662を通るように矢印664方向に引き込まれる。エアクリーナ660の通路では、所定の粒子と汚染物質が空気流中から取り除かれる。そして、浄化後の空気は矢印666方向に流れ空気取入口655に流入する。そこからは、空気はエンジン653に向けられる。
【0168】
典型的なエアクリーナ660構成によれば、濾過材662は点検整備可能な部品として設けられる。すなわち、カートリッジ662は、エアクリーナ660から脱着可能かつ取替え可能である。このカートリッジ662がほこりまたは他の汚染物質などで目詰まりすると、カートリッジ662がエアクリーナ660の残りの部分から取り外され、新品と置換される。
【0169】
IX. 巻き付けられる媒体梱包体で使用可能な中心芯材の一構成例
使用可能な中心芯材113は、図9に関連して述べたように栓体で充満される。これは、図26において図示されている。図26において、図9の媒体梱包体102の断片的な部分が図示されている。図26を参照して媒体梱包体102が巻き付けられるときに芯材113が中心に置かれる。この中心芯材113は、濾過前の気流が通過しないようにシールを施す必要がある。このシールは芯材自体または栓体721によって行われる。栓体721に対して、媒体梱包体102を形成するために巻き付けられるシングルフェーサ片のリード端部を固定するためのシール材が置かれる。
【0170】
より詳細には、図中の破線図示のリード端部722が位置している。図示される構成では、領域727と領域725の間となる中心位置113となる成型位置に栓体721が配置される。したがって、栓体は、少なくとも媒体片の末端724をシールする部分となる。
【0171】
引き続き図26を参照して、一般に望ましい栓体721は、注入後に硬化されるコアを形成するものが良い。このことは、中心位置113に流体の樹脂を注ぎ込んで、樹脂が硬化することで栓体721が結果として形成されることを意味する。この栓体721の、種々の形とサイズが可能である。
【0172】
末端エンドシールとして使用される場合には、通常栓体721は末端のシールの長さの少なくとも80%、通常その長さの少なくとも90%分に渡り構成されるだろう。いくつかの事例では、例えば図26に図示されるように栓体721は末端722全体を覆うか、またはシールするように構成されるであろう。
【0173】
栓体721は、図示されるように凹部を形成するか、または逆に外面的に拡張される突起部を有するように構成することができる。
【0174】
図示されるように凹部が栓体721に提供される場合には、通常領域727は端面105から少なくとも2mm、また領域725は端部105aから少なくとも2mm分離間されて形成されるであろう。
【0175】
領域727は、領域724から表面105に向かって拡張され、図示のように表面105で終わるか、または好適な距離分の範囲に渡り形成される。この領域は、空洞中心部729を有する外側のシール壁728を形成する。シール壁728は、媒体梱包体102の末端シールまで連続形成される。領域727は、栓体721をふさぐために凹形の領域727とみなすことができる。この 領域727は、軸方向に外面的に突出した末端スカート728の凹部とも呼ばれる。
【0176】
このようなスカートの構成は図26で図示されているが、スカート728は端面105で終わる必要はない。スカートは、例えばこの領域でシールするか棒状シール材かシングルフェーサシールに隣接して終わることにで末端722のシールを行うことができる。
【0177】
これに類似して、領域725と表面105aの間では、領域734は外側のシール部735と内側のセンター凹部736において提供される。シール部735は領域725と表面105aの間で媒体102の末端722のシール用として特に提供される。栓体721の凹形の端をシール部735を見ることができる。ここで、領域725はスカート735の末端から軸方向に外面的に突出した凹形の端部として見ることができる。他の事例では、端部スカート735が、図示のように面150aに隣接して終える必要はない。むしろスカート735は、端面105aで終え、この位置で棒状シール材とともに末端102の適切なシールを行うように構成することができる。
【0178】
依然として図26を参照して、栓体721の中に構造体を埋め込むことができる。例えば、成型動作によって、コア721の中の領域113である中空コアを充填する構造にすることができる。
【0179】
この栓体721は、コア113中に開口を介して樹脂を注入して成型することができる。事例として、適切な形を有する端面105からコア113中に樹脂を注入して栓体を成型できた。適所から樹脂を注ぐことができ、2番目の栓体として端面105aからコア113に樹脂を注入して成型できる。例えば、樹脂として発泡ウレタンを使用することができ上記のように発泡して上昇して所定形状にすることができた。これは、図11〜図16で上述した成型動作の前にこの成型を行うことができる。他の代替手段によれば、梱包体が適切な栓体によって形成されるときに、反対側の端部から媒体の中央芯材113として形成される構成180が提供されるであろう。
【0180】
芯材に関して、ウレタンは1立方フィートあたり15lbs (0.24グラム/cc)、または10lb以上(0.16グラム/cc)以上の密度となるように成型されるが、変形構成も可能である。典型的な密度は、少なくとも5lb/立方フィート(0.08グラム/cc)であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタエレメントであって、
(a)前記フィルタエレメントは、入口およびこれに対向する出口の端部を含む媒体梱包体を備え、前記媒体梱包体は、
(i)濾過されるべき空気の通路となるように前記媒体梱包体の入口の端部で開口し、前記媒体梱包体の出口の端部または端部近傍で閉口した入口縦溝流路の組と、
(ii)濾過されるべき空気の通路を、前記媒体梱包体の入口の端部または端部近傍で閉口し、濾過後の空気を前記媒体梱包体の出口の端部から出すように開口した出口縦溝流路の組と、を備え、
(iii)前記媒体梱包体は、濾過前の空気が前記入口の端部の中に入り、その後、前記対向する出口の端部から濾過されずに外部へ流れないように閉じられ、
(b)前記フィルタエレメントは、前記媒体梱包体の前記入口および前記出口の第1の端部に隣接して配置される先行成型部を備え、
(i)前記先行成型部は、前記媒体梱包体の前記入口および前記出口の前記第1の端部から外方へ突出するハウジングシール支持部を有し、
(c)前記フィルタエレメントは、気密材料から成型される追加成型部を備え、前記追加成型部は、
(i)前記先行成型部が位置する前記媒体梱包体の前記第1の端部と、前記先行成型部との間の境界のシールを行う第1の部分と、
(ii)フィルタエレメントとエアクリーナとの間で半径方向シールが提供されるように、半径方向に指向されるシール部位を有したエアクリーナシールとなる位置に設けられる第2の部分と、を備え、
(iii)前記追加成型部の前記第1の部分と前記第2の部分とは互いに一体成型される、
ことを特徴とするフィルタエレメント。
【請求項2】
(a)前記媒体梱包体は外側の側壁を有するコイル状梱包体であり、
(b)前記先行成型部のいかなる一部も前記媒体梱包体の外側の側壁から拡張せず、
(c)前記追加成型部は、前記媒体梱包体の第1の端部から少なくとも5mmの距離分に渡り前記側壁に拡張されることを特徴とする請求項1に記載のフィルタエレメント。
【請求項3】
(a)前記追加成型部は、発泡ポリウレタンを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタエレメント。
【請求項4】
(a)前記先行成型部は、前記媒体梱包体の前記出口の端部に隣接して配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項5】
(a)前記先行成型部は、前記ハウジングシール支持部から半径方向に外方に向けられたスカート部分を含み、
(i)前記ハウジングシール支持部と前記スカート部分は互いに一体成型され、
(ii)前記ハウジングシール支持部から半径方向に外方に突出する前記スカート部分は、前記先行成型部と前記媒体梱包体との境界において、最も外側に位置する外側縁部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項6】
(a)半径方向に外方に向けられた前記スカート部分は、角度20〜70度の範囲で前記媒体梱包体から拡張されることを特徴とする請求項5に記載のフィルタエレメント。
【請求項7】
(a)前記先行成型部は、一体成型される媒体表面クロス部材をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項8】
(a)前記先行成型部は、成型されるナイロン製部品を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項9】
(a)前記媒体梱包体は、楕円形の横断面形状を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項10】
(a)前記媒体梱包体は、2つの対向する湾曲面と、2つの対向する直線面とを有する競技場走路の横断面形状を備えることを特徴とする請求項9に記載のフィルタエレメント。
【請求項11】
(a)媒体梱包体は、円形の横断面を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項12】
(a)前記媒体梱包体は、シール材片で外側の末端が固定されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項13】
(a)前記シール材片は、前記媒体梱包体の前記出口の前記端部から少なくとも4mm分離れて、前記追加成型部の下方の位置で終わることを特徴とする請求項12に記載のフィルタエレメント。
【請求項14】
(a)前記媒体梱包体の前記出口の前記端部に隣接して、前記入口縦溝流路の端部が棒状シール材によって閉口されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項15】
(a)前記媒体梱包体の前記出口の前記端部に隣接して、前記入口縦溝流路の端部がシングルフェーサの棒状シール材によって閉口されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項16】
(a)前記媒体梱包体の前記出口の前記端部に隣接して、前記入口縦溝流路の端部が折り畳みによって閉口されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項17】
(a)前記媒体梱包体の前記入口の前記端部に隣接して、前記出口縦溝流路はワインダー棒状シール材によって閉口されることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項18】
(a)前記媒体梱包体は、シングルフェーサの最も外側の包装部を含み、
(b)前記追加成型部の残り部分と一体成型される発泡ウレタンの成型部分は、前記出口表面に隣接してシングルフェーサの最も外側の前記包装部中、または開口された前記出口縦溝流路の前記出口端を閉じるように位置決めされることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項19】
(a)前記先行成型部は、前記媒体梱包体の前記出口表面に向けられるリブ構成をその上に形成したことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれか1項に記載のフィルタエレメントを成型する方法であって、前記方法は、
(a)金型の貯液部の中に、硬化前の発泡ウレタンを配置する工程と、
(b)前記金型において、前記媒体梱包体の端部と前記先行成型部との位置決めを行い、前記金型の一部が、前記媒体梱包体の端から少なくとも5mm分離れた位置で押し付けられる工程と、
(c)前記硬化前の発泡ウレタンが、前記先行成型部の周りで前記追加成型部を形成するように上昇され、硬化され前記媒体梱包体と前記先行成型部との境界を覆う工程と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項21】
(a)前記媒体梱包体の前記出口縦溝流路まで、前記追加成型部を成型するように前記発泡ウレタンの一部の上昇を許可することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
(a)エアクリーナハウジングと、
(b)点検整備可能なフィルタエレメントとを備えたエアクリーナであって、
(i)前記フィルタエレメントは、入口およびこれに対向する出口の端部とを含む媒体梱包体を備え、前記媒体梱包体は、
(A)濾過されるべき空気の通路となるように前記媒体梱包体の入口の端部で開口し、前記媒体梱包体の出口の端部または端部近傍で閉じた入口縦溝流路の組と、
(B)濾過されるべき空気の通路を、前記媒体梱包体の入口の端部または端部近傍で閉口し、濾過後の空気を前記媒体梱包体の出口の端部から出すように開口した出口縦溝流路の組と、を備え、
(C)前記媒体梱包体は、濾過前の空気が前記入口の端部の中に入り、その後、前記対向する出口の端部から濾過されずに外部へ流れないように閉じられ、
(ii)前記フィルタエレメントは、前記媒体梱包体の前記入口および前記出口の第1の端部に隣接して配置される先行成型部を備え、
(A)前記先行成型部は、前記媒体梱包体の前記入口および前記出口の前記第1の端部から外方へ突出すれるハウジングシール支持部を有し、
(iii)前記フィルタエレメントは、気密材料から成型される追加成型部を備え、前記追加成型部は、
(A)前記先行成型部が位置する前記媒体梱包体の前記第1の端部と、前記先行成型部との間の境界のシールを行う第1の部分と、
(B)フィルタエレメントとエアクリーナとの間で半径方向シールが提供されるように、半径方向に指向されるシール部位を有したエアクリーナシールとなる位置に設けられる第2の部分と、を備え、
(C)前記追加成型部の前記第1の部分と前記第2の部分とは互いに一体成型され、
(c)前記追加成型部の前記第2の部分と前記エアクリーナの間の半径のシールによって取り外し可能に前記エアクリーナにシールされる
ことを特徴とするエアクリーナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−188343(P2010−188343A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−86447(P2010−86447)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【分割の表示】特願2006−547290(P2006−547290)の分割
【原出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(591163214)ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド (96)
【Fターム(参考)】