説明

ジアルコキシチオフェンおよびアルキレンジオキシチオフェンの製造方法

【課題】ジアルコキシチオフェンおよびアルキレンジオキシチオフェンを、安全且つ効率よく、工業的に有利に製造する方法の提供。
【解決手段】一般式(1);


(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数1〜15の1価の炭化水素基を示す。)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸を、アルキルピリジンおよび銅化合物の存在下で脱カルボキシル化することを特徴とする3,4−ジアルコキシチオフェンの製造方法。この方法はアルキレンジオキシチオフェンの製造にも適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高純度のジアルコキシチオフェンおよびアルキレンジオキシチオフェンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジアルコキシチオフェン、アルキレンジオキシチオフェンおよびそれらの誘導体は、導電性ポリマーの製造のためのモノマーとして非常に有用な材料であることが知られている。
【0003】
従来、ジアルコキシチオフェン−2,5−ジカルボン酸およびアルキレンジオキシチオフェン−2,5−ジカルボン酸を脱カルボキシル化して、ジアルコキシチオフェンおよびアルキレンジオキシチオフェンを製造する方法としては、種々の方法が知られている。例えば、(1)銅触媒存在下、高沸点溶媒を用いて脱カルボキシル化を行う方法(特許文献1参照)、(2)酸素雰囲気下、水溶性の高沸点溶媒中で、銅触媒を用いて脱カルボキシル化を行う方法(特許文献2参照)、(3)銅触媒存在下、キノリン中で脱カルボキシル化を行う方法(非特許文献1参照)が挙げられる。
【0004】
しかしながら、(1)の方法では、高純度のジアルコキシチオフェンおよびアルキレンジオキシチオフェンを得るために精密蒸留が必要である。しかも、反応溶媒としてジアルコキシチオフェンおよびアルキレンジオキシチオフェンよりも沸点の高いスルホラン(沸点285℃)またはポリエチレングリコール300等を用いているので、それらを回収して再利用する場合、スルホランでは沸点が高いことから相当量の熱エネルギーが必要であり、ポリエチレングリコール300では蒸留回収が困難であることから再利用に限度がある。(2)の方法では、高温で反応溶液に酸素もしくは空気を通気するため、発火の危険性がある。(3)の方法では、反応溶媒に毒性の高いキノリンを用いており、しかも、収率が54%と低く、さらに、反応温度が200℃であるために多くの熱エネルギーを必要とする。
【0005】
従って、上記(1)〜(3)のジアルコキシチオフェンおよびアルキレンジオキシチオフェンの製造方法は、工業的に好ましいとは言えない。
【特許文献1】特開2001−288182号公報
【特許文献2】米国特許第7202369号明細書
【非特許文献1】シンセティック コミュニケーションズ(Synthetic Communications),第26巻,1996年,p.2205−2212
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、ジアルコキシチオフェンおよびアルキレンジオキシチオフェンを、安全且つ効率よく、工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を重ねた結果、ジアルコキシチオフェンおよびアルキレンジオキシチオフェンを効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記に示すとおりのジアルコキシチオフェンおよびアルキレンジオキシチオフェンの製造方法を提供するものである。
項1. 一般式(1);
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数1〜15の1価の炭化水素基を示す。)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸を、アルキルピリジンおよび銅化合物の存在下で脱カルボキシル化することを特徴とする一般式(2);
【0011】
【化2】

【0012】
(式中、RおよびRは前記と同様である。)で表されるジアルコキシチオフェンの製造方法。
項2. アルキルピリジンの沸点が、120〜180℃である項1に記載の方法。
項3. アルキルピリジンが、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジンおよび2,4,6−トリメチルピリジンからなる群より選択される少なくとも1種である項1または2に記載の方法。
項4. 銅化合物が、銅、塩基性炭酸銅、酸化銅(I)および酸化銅(II)からなる群より選択される少なくとも1種である項1〜3のいずれかに記載の方法。
項5. 脱カルボキシル化の反応温度が、100〜180℃である項1〜4のいずれかに記載の方法。
項6. 一般式(3);
【0013】
【化3】

【0014】
(式中、Aは炭素数1〜15の2価の炭化水素基を示す。)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸を、アルキルピリジンおよび銅化合物の存在下で脱カルボキシル化することを特徴とする一般式(4);
【0015】
【化4】

【0016】
(式中、Aは前記と同様である。)で表されるアルキレンジオキシチオフェンの製造方法。
項7. アルキルピリジンの沸点が、120〜180℃である項6に記載の方法。
項8. アルキルピリジンが、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジンおよび2,4,6−トリメチルピリジンからなる群より選択される少なくとも1種である項6または7に記載の方法。
項9. 銅化合物が、銅、塩基性炭酸銅、酸化銅(I)および酸化銅(II)からなる群より選択される少なくとも1種である項6〜8のいずれかに記載の方法。
項10. 脱カルボキシル化の反応温度が、100〜180℃である項6〜9のいずれかに記載の方法。
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
[ジアルコキシチオフェンの製造]
上記一般式(2) で表されるジアルコキシチオフェンは、上記一般式(1)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸を、アルキルピリジンおよび銅化合物の存在下で脱カルボキシル化することにより製造される。
【0019】
上記一般式(1)においてRおよびRで示される炭素数1〜15の1価の炭化水素基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロブチル基、2−メチルシクロブチル基、3−メチルシクロブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−フェニルメチル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2−メチル−3−エチルフェニル基、2−メチル−4−エチルフェニル基、2−メチル−5−エチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基、ベンジル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基等が挙げられる。
【0020】
アルキルピリジンとしては特に制限はないが、2−メチルピリジン(沸点129℃)、3−メチルピリジン(沸点144℃)、4−メチルピリジン(沸点143℃)、2,3−ジメチルピリジン(沸点163℃)、2,4−ジメチルピリジン(沸点157−158℃)、2,5−ジメチルピリジン(沸点152−155℃)、2,6−ジメチルピリジン(沸点139−141℃)、3,4−ジメチルピリジン(沸点164−165℃)、3,5−ジメチルピリジン(沸点168−171℃)、2,4,6−トリメチルピリジン(沸点175−178℃)、2,4,5−トリメチルピリジン(沸点165−168℃)、2,3,6−トリメチルピリジン(沸点176−178℃)、2−エチルピリジン(沸点149℃)、3−エチルピリジン(沸点162−165℃)、4−エチルピリジン(沸点170℃)、2,6−ジエチルピリジン(沸点174−175℃)、2−エチル−6−メチルピリジン(沸点160−162℃)、2−エチル−4−メチルピリジン(沸点173−175℃)、4−エチル−2−メチルピリジン(沸点179−180℃)、5−エチル−2−メチルピリジン(沸点174−176℃)、2−プロピルピリジン(沸点170℃)、2−イソプロピルピリジン(沸点159℃)、3−イソプロピルピリジン(沸点177−178℃)、4−イソプロピルピリジン(沸点173℃)、2−t−ブチルピリジン(沸点169℃)等が挙げられる。好ましくは、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジンであり、より好ましくは、3−メチルピリジン、4−メチルピリジンである。アルキルピリジンの使用量としては、チオフェン−2,5−ジカルボン酸1gに対して0.1〜20mlであるのが好ましく、0.5〜10mlであるのがより好ましい。
【0021】
銅化合物としては、銅粉、酸化銅(I)、酸化銅(II)、クロム酸銅、塩基性炭酸銅(II)、硫酸銅(II)、水酸化銅(II)、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、ヨウ化銅(II)、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、アセチルアセトナート銅(II)等が挙げられ、水和物が存在するものは水和物の状態でもよい。好ましくは、銅、酸化銅(I)、酸化銅(II)、塩基性炭酸銅(II)であり、より好ましくは、酸化銅(I)、酸化銅(II)である。銅化合物の使用量としては、チオフェン−2,5−ジカルボン酸1gに対して0.001〜2gであるのが好ましく、0.01〜1gであるのがより好ましい。
【0022】
反応に使用する上記一般式(1)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸は、水和物でも、水で湿っていてもよい。脱カルボキシル化の反応温度は、100〜180℃であるのが好ましく、120〜180℃であるのがより好ましい。反応時間は、チオフェン−2,5−ジカルボン酸が消失するまで行えばよいが、通常1〜24時間行えば十分である。
【0023】
反応後、酸添加、溶媒抽出、洗浄、脱湿などの常法により得られた粗生成物を、蒸留またはカラムクロマトグラフィーを用いた精製を行うことにより、高純度のジアルコキシチオフェンが得られる。また、アルキルピリジンをリサイクル使用することも可能である。リサイクルの方法としては、反応後、酸添加した後に溶媒抽出によって生じた分液水層(酸性)を、アルカリで中和した後、有機溶媒で抽出し、有機層を蒸留する方法が挙げられる。
【0024】
アルキルピリジンの酸塩(例えば、塩酸塩)は、キノリンの酸塩(例えば、塩酸塩)よりも水に溶解し易いため、反応後の後処理において、酸添加(酸洗浄)、溶媒抽出を行うことによって、アルキルピリジンを酸塩(水層に溶解)として容易に取り除くことができ、反応生成物との分離が容易である。また、アルキルピリジンの沸点はキノリンの沸点(237℃)よりも低いことから、溶媒のリサイクル使用を考慮した場合、蒸留等によって精製し易いために、コスト的にも有利である。
【0025】
[アルキレンジオキシチオフェンの製造]
上記一般式(4)で表されるアルキレンジオキシチオフェンは、上記一般式(3)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸を、アルキルピリジンおよび銅化合物の存在下で脱カルボキシル化することにより製造される。
【0026】
上記一般式(3)においてAで示される炭素数1〜15の2価の炭化水素基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、1−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、1−ヘキシルエチレン基、1−オクチルエチレン基、1−デシルエチレン基、1−テトラデシルエチレン基、1−フェニルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルプロピレン基、2−メチルプロピレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1,3−ジメチルプロピレン基、1−エチルエチレン基、シクロブチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられる。
【0027】
また、反応に使用する上記一般式(3)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸は、水和物でも、水で湿っていてもよい。
【0028】
なお、アルキルピリジンの種類と使用量、銅化合物の種類と使用量、脱カルボキシル化の反応温度、反応時間、反応後の後処理、精製、アルキルピリジンのリサイクル等については、上記の[ジアルコキシチオフェンの製造]で説明したのと同様である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ジアルコキシチオフェンおよびアルキレンジオキシチオフェンを、安全且つ効率よく、工業的に有利に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
【0031】
実施例1 (4−メチルピリジンを用いた3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造)
100mlフラスコに、3,4−エチレンジオキシチオフェン−2,5−ジカルボン酸1水和物15g(0.06モル)、酸化銅(II)349.3mg(4.39ミリモル)、および4−メチルピリジン(沸点143℃)56mlを加えて、130℃で3時間反応させた。反応終了後、氷浴で冷却し、18%塩酸を150ml加え、トルエン150mlで2回抽出し、有機層を18%塩酸150mlで2回、8%水酸化ナトリウム水溶液150mlで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、得られた粗生成物を単蒸留することにより、無色澄明の3,4−エチレンジオキシチオフェンを収率72%(含量99.9%以上、HPLC分析)で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):6.31(s,2H,チオフェン環),4.18(s,4H,−CHCH−)。
【0032】
実施例2〜5
下記表1のアルキルピリジンを用いて、実施例1と同様に反応を行い、実施例2〜5の結果を得た。
【0033】
【表1】

【0034】
実施例6 (4−メチルピリジンの回収)
実施例1のトルエン抽出によって生じた分液水層に、24%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した後に、ジエチルエーテル50mlで2回抽出した。得られた有機層を濃縮し、次いで蒸留することにより、4−メチルピリジン50mlを回収した。
【0035】
実施例7 (回収4−メチルピリジンを用いた3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造)
100mlフラスコに、3,4−エチレンジオキシチオフェン−2,5−ジカルボン酸1水和物10g(0.04モル)、酸化銅(II)232.3mg(2.91ミリモル)、および実施例6で回収した4−メチルピリジン37.5mlを加えて、130℃で3時間反応させた。反応終了後、氷浴で冷却し、18%塩酸を100ml加え、トルエン100mlで2回抽出し、有機層を18%塩酸100mlで2回、8%水酸化ナトリウム水溶液100mlで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、得られた粗生成物を単蒸留することにより、無色澄明の3,4−エチレンジオキシチオフェンを収率70.4%(含量99.9%以上、HPLC分析)で得た。
【0036】
実施例8 (2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンの製造)
100mlフラスコに、2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5,7−ジカルボン酸5g(0.02モル)、酸化銅(II)124.1mg(1.56ミリモル)、および4−メチルピリジン19mlを加えて、130℃で3時間反応させた。反応終了後、氷浴で冷却し、18%塩酸を50ml加え、トルエン50mlで2回抽出し、有機層を18%塩酸50mlで2回、8%水酸化ナトリウム水溶液50mlで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、得られた粗生成物を単蒸留することにより、無色澄明の2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシンを収率28%(含量99.9%以上、HPLC分析)で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):6.31(s,2H,チオフェン環),4.30(t,1H,−CH−),4.25(dd,2H,−CH−),1.38(d,3H,−CH)。
【0037】
実施例9 (3,4−ジメトキシチオフェンの製造)
10mlフラスコに、3,4−ジメトキシチオフェン−2,5−ジカルボン酸10g(0.043モル)、酸化銅(II)239.8mg(3.014ミリモル)、および4−メチルピリジン(沸点143℃)37.5mlを加えて、130℃で3時間反応させた。反応終了後、氷浴で冷却し、18%塩酸を100ml加え、トルエン100mlで2回抽出し、有機層を18%塩酸100mlで2回、8%水酸化ナトリウム水溶液100mlで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、得られた粗生成物を単蒸留することにより、3,4−ジメトキシチオフェンを収率51%(含量99.9%以上、HPLC分析)で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):6.36(s,2H,チオフェン環),3.78(s,6H,−CH)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1);
【化1】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数1〜15の1価の炭化水素基を示す。)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸を、アルキルピリジンおよび銅化合物の存在下で脱カルボキシル化することを特徴とする一般式(2);
【化2】

(式中、RおよびRは前記と同様である。)で表されるジアルコキシチオフェンの製造方法。
【請求項2】
アルキルピリジンの沸点が、120〜180℃である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルキルピリジンが、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジンおよび2,4,6−トリメチルピリジンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
銅化合物が、銅、塩基性炭酸銅、酸化銅(I)および酸化銅(II)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
脱カルボキシル化の反応温度が、100〜180℃である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
一般式(3);
【化3】

(式中、Aは炭素数1〜15の2価の炭化水素基を示す。)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸を、アルキルピリジンおよび銅化合物の存在下で脱カルボキシル化することを特徴とする一般式(4);
【化4】

(式中、Aは前記と同様である。)で表されるアルキレンジオキシチオフェンの製造方法。
【請求項7】
アルキルピリジンの沸点が、120〜180℃である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
アルキルピリジンが、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジンおよび2,4,6−トリメチルピリジンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
銅化合物が、銅、塩基性炭酸銅、酸化銅(I)および酸化銅(II)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
脱カルボキシル化の反応温度が、100〜180℃である請求項6〜9のいずれかに記載の方法。

【公開番号】特開2009−298722(P2009−298722A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154321(P2008−154321)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【特許番号】特許第4239038号(P4239038)
【特許公報発行日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000222554)東洋化成工業株式会社 (52)
【Fターム(参考)】