説明

ジェットミルの作動方法及びジェットミル

【課題】作動効率のよいジェットミルの作動方法、及びこの作動方法を実施するジェットミルを得る。
【解決手段】動的エア分離機を組み込んだジェットミル1であって、粉末化チャンバ5内に粉末化原料導入装置3によって、粉末化原料Mとしての粒子を導入するとともに、作動媒体としての過熱蒸気又は工業用ガス(He,H)を作動媒体導入装置13によって導入し、作動媒体内で粉末化原料Mを粉砕することにより微粒子に粉末化する、該ジェットミル1において、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤用の表面活性添加剤導入装置14a〜14cを設ける。この表面活性添加剤が粉末化された微粒子の凝集を阻止し、従来脱凝集に費やしていたエネルギー消費が不要となり、コスト軽減につながる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載のジェットミルの作動方法、及び請求項10の前段に記載のジェットミルに関する。
【背景技術】
【0002】
粉末化によって微細粒子を生成する際に、粉末化された固体の表面積は粒径のほぼ2乗で増大する。同時に、粒子質量は、粒径の3乗で減少する。このような物理的条件によって、表面に作用する力、例えばファンデルワールス力又は静電気力は、粒径が小さくなるにつれて過剰に大きく作用する。
【0003】
この傾向は、とくに、有効粒径d50<2μmの領域で粒子が小さくなればなるほど増大することが観測される。この結果、生じた微粒子の再凝集を招く。流動床並びに濃密床ジェットミルに組み込んだエア分離機は粒子境界面に対して、最も微細な粒子の凝集体(粗大粒子としても認識される)がミル装置から産出することを阻止するが、このことは新たな付加物を必要とする。すでに生じていた微細粒子に再度微粒子化するよう脱凝集するには、多量のエネルギーを余分に消費することにもなり、しかしこれもやはり新たな再凝集を生ずるおそれがある。したがって、微粉末化にはエネルギー消費量が増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、ジェットミルにおける作動を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載されたジェットミルの作動方法、及び請求項10に記載されたジェットミルによって達成することができる。
【0006】
本発明は、動的エア分離機を組み込んだジェットミルであって、粉末化チャンバ内で粉末化原料としての粒子を導入し、前記粉末化チャンバで作動媒体としてプロセス蒸気若しくは粉末化蒸気として称される過熱蒸気、又はプロセスガス若しくは粉末化ガスと称される工業用ガス(He,H)を使用して粉砕することにより微粒子に粉末化する、該ジェットミルの作動方法を提供する。本発明によれば、前記粉末化原料に対して、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤を導入する。
【0007】
生じた微粒子を安定化させるこのような添加剤は、好適な実施形態において、
・粉砕前に粉末化原料に混合させる、
・粉末化チャンバ内に直接送給する、及び
・作動媒体と一緒にジェットミルに導入する
のうち少なくとも一つの形態で行う。
【0008】
好適には、前記作動媒体は前記工業用ガス(He,H)を含み、流入温度は少なくとも50゜Cとする。
【0009】
代案として、好適には、前記作動媒体を過熱蒸気とし、前記過熱蒸気の流入温度は少なくとも、前記ジェットミルを乾燥状態に維持する温度とする。
【0010】
他の好適な実施形態においては、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤は、
・疎水性の安定化を生ずるため、ステアリン酸、又は
・親水性の安定化を生ずるため、ジオール、ポリオール、若しくは他の長鎖アルコール
を含むものとする。
【0011】
さらに好適には、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤は、
・シラン、及び/又は
・ナフタレンスルフォン酸若しくはフェノールスルフォン酸の縮合物
を含むものとする。
【0012】
さらに好適には、添加剤の添加量は、ジェットミル1の粉末化原料粒子投入量の約0.1%〜約4%とする。
【0013】
さらに、本発明は、本発明方法を実施する、動的エア分離機を組み込んだジェットミルを提供し、本発明によるジェットミルは、前記粉末化チャンバを設け、この粉末化チャンバ内に粉末化原料導入装置によって、粉末化原料としての粒子を導入するとともに、作動媒体としての過熱蒸気又は工業用ガス(He,H)を作動媒体導入装置によって導入し、前記作動媒体内で前記粉末化原料を粉砕することにより微粒子に粉末化する、該ジェットミルにおいて、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤用の表面活性添加剤導入装置を設ける。
【0014】
好適な実施形態においては、前記表面活性添加剤導入装置を、前記粉末化原料導入装置、前記粉末化チャンバ、及び前記作動媒体導入装置のうち少なくとも1つに開口させる。
【0015】
さらに好適な実施形態において、前記ジェットミルは流動床ジェットミル又は濃密床ジェットミルとする。
【0016】
さらに好適な実施形態において、前記作動媒体導入装置は、少なくとも1個の作動媒体噴射ノズルを有し、これら作動媒体噴射ノズルを、少なくとも1種類の表面活性添加剤用の中心流入口の周りに配置する。この場合、前記少なくとも1個の作動媒体噴射ノズルは、I型ノズルとして構成するとよい。
【0017】
本発明の他の好適な実施形態及び/又は上述した個々の実施形態は、従属請求項の組み合せから並びに本明細書の記載から得ることができる。
【0018】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面につき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による流動床ジェットミル装置の第1実施形態の略図的断面図である。
【図2】本発明による流動床ジェットミル装置の第2実施形態の略図的断面図である。
【図3】本発明装置の作動手段としての、少なくとも1種類の添加物を噴出する中心噴射口を有する噴射ノズルの略図的部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を、以下に図面につき詳細に説明するが、本発明はこれら実施形態に限定するものではない。本発明方法及び装置の特徴は、それぞれ装置及び方法の説明に類似している。
【0021】
特定の具体的な実施形態に記載される個別の特徴は、この実施形態又は他の特徴との組み合せに限定されるものではなく、本明細書で個別に記載されていなくとも、技術的には他のいかなる変更例との組み合せも可能である。
【0022】
図面における同一の参照符号は、同一若しくは類似の構成部分、又は同一若しくは類似に作用する構成部分を示す。このような特徴部分に関して記載の有無に無関係に、図面で参照符号を付していない場合もある。一方、本明細書に記載されているが図示されていない特徴は、当業者にとって容易に理解できるであろう。
【0023】
図1は、ジェットミルの代表例である流動床ジェットミル装置1を示す、概略的断面図である。粉末化原料Mを導入装置3のフィードロック(閘門)空間2からミルハウジング4に供給し、このミルハウジング4は空間又は粉末化チャンバ5を包囲する。粉末化チャンバ5において、生成流動床6を形成し、この流動床6は、作動媒体噴射ノズル7から噴射される粉末化ガスジェット又は粉末化蒸気ジェットによって流動床化される。プロセスガス若しくは粉末化ガス、又はプロセス蒸気若しくは粉末化蒸気は、作動媒体と称される。
【0024】
この生成流動床6から、粉末化ガスジェット又は粉末化蒸気ジェット8内における粉末化原料粒子(以下単に「粒子」と称する)を生じ、高速に加速される。粉末化ガスジェット又は粉末化蒸気ジェット8に沿って、また粉末化チャンバ5の中心において、加速された粒子は互いに衝突し、これにより、より微細化される。
【0025】
粉末化原料粒子又は粒子が懸濁する飛散した作動媒体は、ジェットミル1の中心で一体に組み込んだ動的エア分離機10の分粒ホイール9に上昇する。この分粒ホイール9は、ベルトドライブ11により回転数調整可能モータ12により駆動される。粗大な部分又は粗大粒子は、分粒ホイール9によって跳ね返され、生成流動床6に直接戻される。微細な粒子及び超微粒子は作動媒体と一緒にジェットミル1を通過し、適当な分離器又は微粉フィルタ内で作動媒体から分離する。
【0026】
作動媒体、すなわちプロセスガス若しくは粉末化ガス、又はプロセス蒸気若しくは粉末化蒸気は、作動媒体導入装置13によって作動媒体噴射ノズル7に送給する。作動媒体としては、過熱水蒸気、又は例えば、He若しくはH のような工業用ガスを使用することができる。
【0027】
望ましく得られた超微粒子、例えば有効粒径d50<2μmの粒子の場合、通常生ずる、上述したような再凝集を回避するため、生じた超微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤を導入する他の添加剤導入装置14a,14bを設けるだけでよい。
【0028】
添加剤導入装置14aは、粉末化原料粒子Mがミルハウジング4又は粉末化チャンバ5に進入する前に貯蔵庫内に開口させる、又は粉末化原料粒子Mの材料流れに開口させる、すなわち、いずれにせよ粉末化原料粒子Mが粉末化チャンバ5に進入する前に開口させ、これにより、生成流動床6ではすでに表面活性添加剤が投入されることになる。このとき、粉末化原料Mと表面活性添加剤の混合物は、粉末化ガスジェット又は粉末化蒸気ジェット8に巻き込まれ、そして粉末化される。
【0029】
添加剤導入装置14bは、ミルハウジング4又は粉末化チャンバ5内に個別に開口させ、これにより、少なくとも1種類の表面活性点添加剤を粉末化原料粒子及び作動媒体からなる生成流動床6に目標を定め、送給することができる。添加剤導入装置14bは、必ずしも粉末化チャンバ5におけるミルハウジング4の下側領域から生成流動床6に送給する必要はない。作動条件及び作動に関与する材料/物質に基づいて、代替的に、又は付加的に添加剤導入装置14bを生成流動床6の上方から分粒ホイール9の下側に送給することができる。
【0030】
添加剤導入装置14cは、最終的に、作動媒体導入装置13内又は作動媒体導入装置13とともに、粉末化チャンバ5に開口させ、いずれにせよ作動媒体を少なくとも1種類の表面活性添加剤とともに投入させ、表面活性添加剤を搬送/流入させる。少なくとも1種類の表面活性添加剤のミルハウジング4における流入口15は、作動媒体噴射ノズル7に密接に関連して局部的に配置する。とくに、作動媒体導入装置13は少なくとも1個の作動媒体噴射ノズル7が中心の周りに環状に包囲する構成とすることができ、この作動媒体噴射ノズル7を個別に拡大してまた部分的に図3に示す。とくに、作動媒体噴射ノズル7を添加剤の流入口15に組み合せ、いわゆるI型ノズルとすると好適である。I型ノズルの形態及び機能に関しては、単なる反復を回避するため、独国特許出願公開第19513035号を参照されたく、この参照により、I型ノズルの形態及び機能に関して全体的に本明細書に組み込まれるものとする。
【0031】
以下に、一体に組み込んだ動的エア分離機10を有するこのようなジェットミル1の作動を、異なる実施形態につき説明する。
【0032】
ジェットミル1の粉末化チャンバ5内に粉末化原料粒子として粒子が導入され、粉末化チャンバ5内で微粒子に粉末化される。このとき、過熱水蒸気又は工業用ガス、例えばHe若しくはH を作動媒体として使用する。さらに、粉末化原料粒子に対して少なくとも1種類の表面活性添加剤を、生ずる微粒子を安定化させるために導入する。
【0033】
粉末化原料粒子導入は、
・生じた微粒子を安定化させるための少なくとも1種類の添加剤を粉砕する前に粉末化原料粒子に混合させて導入する、
・生じた微粒子を安定化させるための少なくとも1種類の添加剤を直接粉末化チャンバに導入する、及び
・生じた微粒子を安定化させるための少なくとも1種類の添加剤を、作動媒体と一緒にジェットミルに導入する
のうち少なくとも一つとすることができる。
【0034】
作動媒体として工業用ガス、例えばHe若しくはH を使用する場合、その導入温度は好適には少なくとも50゜Cとする。
【0035】
作動媒体として工業用ガス、例えばHe若しくはH を使用する場合、その導入温度は、ジェットミルを乾燥状態に維持する温度とする。
【0036】
生じた微粒子を安定化させるための少なくとも1種類の添加剤としては、
・疎水性の安定化を生ずるため、ステアリン酸、又は
・親水性の安定化を生ずるため、ジオール、ポリオール、若しくは他の長鎖アルコール
を使用する。
【0037】
生じた微粒子を安定化させるための少なくとも1種類の添加剤としては、
・シラン、及び/又は
・ナフタレンスルフォン酸若しくはフェノールスルフォン酸の縮合物
を使用しても有利である。
【0038】
さらに、添加剤の添加量は、ジェットミル1の粉末化原料粒子投入量の約0.1%〜約4%とすると好適である。
【0039】
濃密床ジェットミルの形式としたジェットミル1の第2実施形態を図2に概略的部分断面図として示す。この場合、添加剤導入は、流動床ジェットミル及び濃密床ジェットミルの構造上の特別な仕様によらず、流動床ジェットミルのコンポーネント並びに流動床ジェットミルによる機能に関する上述の説明は、濃密床ジェットミルに流用でき、上述した説明又は個別の実施例について反復する必要はなく、当然図1に示す実施形態による生成流動床6を省いて示す。濃密床ジェットミルは、生成流動床に対応するものを含む。濃密床ジェットミルの形態及び機能に関して、単なる反復説明を回避するため、独国特許出願公開第4431534号を参照されたく、この参照により濃密床ジェットミルの形態及び機能に関する全体的な内容は本明細書に取り込まれるものとする。
【0040】
以下、少なくとも1種類の表面活性添加剤の投入による効果を詳細に説明する。
【0041】
表面活性剤は、塗布中に理想的には単分子状の層として生成された粉末化粒子表面に堆積し、また表面に対する界面を生じ、この界面が、例えば、表面における同一極性であるために、再凝集を効果的に阻止する。この場合、粉末化された粒子物質に応じて、疎水性系又は親水性系を使用する。さらに、「理想的」添加剤は、粉末化原料粒子及びその物質的組成に基づいて決定することができる。試行により、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、又は金属窒化物では、長鎖アルコールの効果が実証されており、他方、炭素化合物では、ナフタレンスルフォン酸又はフェノールスルフォン酸の縮合物の有効性が示されている。
【0042】
添加剤投入は、様々な技術又は手法で行うことかでき、粉末化原料粒子に対する添加、又は粉末化蒸気若しくは粉末化ガスに対する添加が実証されている。双方の技術において、添加剤導入は粉末化原料粒子に対して添加剤を一様に分布させる。
【0043】
実験例 I:
例えば、蒸気ジェットミルであるネッチュ−コンダックス社のs-Jet500による黄色顔料の粉末化では、他のパラメータ(粉末化蒸気圧力、温度、分離機回転数、蒸気質量流量)を同一にして、同時の微粉最終生成の際に2.6倍もの特定エネルギー消費量節約を生じた。
【0044】
【表1】

【0045】
実験例II:
青色顔料の粉末化では、その効果が一層明らかであった。有意な微粉最終生成の際に3.3倍もの特定エネルギー消費量節約を生じた
【0046】
【表2】

【0047】
実験例III:
第3の最終実験例では、粗い粒度のマグネシウム化合物の粉末化を行った。実用的な変動のない粒度生成の際に、それでも1.9倍の特定エネルギー消費量節約を生じた
【0048】
【表3】

【0049】
本発明の実施形態を図面につき説明したが、これら実施形態は例示に過ぎず、本発明は、これら実施形態に限定するものではなく、当業者が特許請求の範囲に記載された事項、本明細書に記載の実施形態から行うことができる、すべての改変、変更、代替、組み合せも含むものである。とくに、本発明の個々の特徴及び実施形態は組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 ジェットミル
2 フィードロック(閘門)空間
3 粉末化原料導入装置
4 ミルハウジング
5 粉末化チャンバ
6 生成流動床
7 作動媒体噴射ノズル
8 粉末化ガスジェット又は粉末化蒸気ジェット
9 分粒ホイール
10 動的エア分離機
11 ベルトドライブ
12 回転数調整可能モータ
13 作動媒体導入装置
14a (粉末化原料入口への)添加剤導入装置
14b (ミルハウジングへの)添加剤導入装置
14c (作動媒体への)添加剤導入装置
15 流入口
M 粉末化原料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的エア分離機を組み込んだジェットミル(1)であって、粉末化チャンバ(5)内で粉末化原料(M)としての粒子を導入し、前記粉末化チャンバ(5)で作動媒体として過熱蒸気又は工業用ガス(He,H)を使用して粉砕することにより微粒子に粉末化する、該ジェットミルの作動方法において、前記粉末化原料(M)に対して、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤を導入することを特徴とする、ジェットミルの作動方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤を、粉砕前に前記粉末化原料(M)に混合させる、ジェットミルの作動方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の方法において、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤を、前記粉末化チャンバ(5)に直接送給する、ジェットミルの作動方法。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の方法において、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤を、前記作動媒体と一緒に前記ジェットミル(1)に導入する、ジェットミルの作動方法。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の方法において、前記作動媒体は前記工業用ガス(He,H)を含み、流入温度は少なくとも50゜Cとした、ジェットミルの作動方法。
【請求項6】
請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の方法において、前記作動媒体を過熱蒸気とし、前記過熱蒸気の流入温度は少なくとも、前記ジェットミル(1)を乾燥状態に維持する温度とする、ジェットミルの作動方法。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の方法において、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤は、
・疎水性の安定化を生ずるため、ステアリン酸、又は
・親水性の安定化を生ずるため、ジオール、ポリオール、若しくは他の長鎖アルコール
を含むものとする、ジェットミルの作動方法。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の方法において、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤は、
・シラン、及び/又は
・ナフタレンスルフォン酸若しくはフェノールスルフォン酸の縮合物
を含むものとする、ジェットミルの作動方法。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の方法において、添加剤の添加量は、ジェットミル1の粉末化原料粒子投入量の約0.1%〜約4%とする、ジェットミルの作動方法。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の方法を実施する、動的エア分離機を組み込んだジェットミル(1)であって、粉末化チャンバ(5)を設け、この粉末化チャンバ(5)内に粉末化原料導入装置(3)によって、粉末化原料(M)としての粒子を導入するとともに、作動媒体としての過熱蒸気又は工業用ガス(He,H)を作動媒体導入装置(13)によって導入し、前記作動媒体内で前記粉末化原料(M)を粉砕することにより微粒子に粉末化する、該ジェットミルにおいて、生ずる微粒子を安定化させる少なくとも1種類の表面活性添加剤用の表面活性添加剤導入装置(14a,14b,14c)を設けた、ことを特徴とするジェットミル。
【請求項11】
請求項10記載のジェットミルにおいて、前記表面活性添加剤導入装置(14a,14b,14c)を、前記粉末化原料導入装置(3)、前記粉末化チャンバ(5)、及び前記作動媒体導入装置(13)のうち少なくとも1つに開口させた、ジェットミル。
【請求項12】
請求項10又は11記載のジェットミルにおいて、前記ジェットミルは流動床ジェットミルとした、ジェットミル。
【請求項13】
請求項10又は11記載のジェットミルにおいて、前記ジェットミルは濃密床ジェットミルとした、ジェットミル。
【請求項14】
請求項10〜13のうちいずれか一項に記載のジェットミルにおいて、前記作動媒体導入装置(13)は、少なくとも1個の作動媒体噴射ノズル(7)を有し、これら作動媒体噴射ノズルを、少なくとも1種類の表面活性添加剤用の中心流入口(15)の周りに配置した、ジェットミル。
【請求項15】
請求項14記載のジェットミルにおいて、前記少なくとも1個の作動媒体噴射ノズル(7)は、I型ノズルとした、ジェットミル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−245516(P2012−245516A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−118958(P2012−118958)
【出願日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【出願人】(509107781)ネッチュ−コンダックス マールテヒニク ゲーエムベーハー (3)
【出願人】(591166857)
【Fターム(参考)】