説明

ジヒドロキシトリアルキルアンモニウムハライドを調製するためのプロセス及びその生成物

第四級トリアルキルアンモニウムハライド化合物を含む組成物、及び第四級トリアルキルアンモニウムハライド化合物を含む組成物を製造するための方法が記載される。組成物は、式(I)(式中、R1基はそれぞれが個々に、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より選択される;R2基、R3基及びR4基はそれぞれが個々に、水素、ヒドロキシド、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基、及び1個〜12個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基からなる群より選択される;yは0〜12の範囲である;X-は、フルオリド、クロリド、ブロミド及びヨージドからなる群より選択される)に従い、この場合、第四級トリアルキルアンモニウム化合物が少なくとも90重量パーセントの量で存在し、かつ、組成物は4000ppm以下のトリアルキルアミン又はそのプロトン化形態を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第四級トリアルキルアンモニウムハライド組成物、及びそのような組成物を製造するための方法に関する。具体的には、本発明の実施形態により、下記の式に従う第四級トリアルキルアンモニウムハライド化合物を含む組成物が提供される。
【化3】

【0002】
先行関連出願
本出願は米国仮特許出願第60/773,536号(2006年2月15日出願、発明の名称「ジヒドロキシトリアルキルアンモニウムハライドを調製するためのプロセス及びその製造物」、これはその全体が参照により本明細書中に組み込まれる)の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
第四級トリアルキルアンモニウム化合物は繊維産業及びパーソナケア領域において様々な商業的適用を有する。これらの化合物の一部はまた、抗菌剤として、また、フィラー、繊維及び表面を改変することにおいて、また、増粘剤として、また、コンディショニング剤として使用することができる。
【0004】
これらの適用及び使用の多くにおいては、第四級トリアルキルアンモニウム化合物を、不純物の望ましくない影響を最小限に抑えることを保証するために高純度の形態で提供することが望ましい。従来の組成物は、不純物はおおよそ無害な程度ではあるが、第四級トリアルキルアンモニウム化合物が許容できるほどの濃度を有さず、あるいは、他の製造物は、より高濃度の第四級トリアルキルアンモニウムハライド化合物を有するが、同時に、望ましくない量のより顕著な不純物もまた有する。そのような不純物の1つが残存トリアルキルアミンである。残存トリアルキルアミンは特徴的に不快な臭気を有するためである。例えば、ヒトの鼻は、1つのそのようなアミンであるトリメチルアミンが約0.0023ppmもの低い濃度で存在するとき、魚臭さに気づくことができる。従って、そのようなトリアルキルアミン前駆体から調製される第四級トリアルキルアンモニウムハライドは、配合物において希釈されたときでさえ、不快な臭気を有することが多い。したがって、より高濃度の第四級トリアルキルアンモニウムハライド及び低下したレベルの不純物を有する組成物、ならびに、そのような化合物をより効率的な方法によって調製するためのプロセスは有用である。
【発明の開示】
【0005】
いくつかの実施形態において、本発明は、下記の式に従った第四級トリアルキルアンモニウムハライド化合物、
【化4】

(式中、R1基はそれぞれが個々に、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より選択される;R2基、R3基及びR4基はそれぞれが個々に、水素、ヒドロキシド、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基、及び1個〜12個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基からなる群より選択される;yは0〜12の範囲である;X-は、フルオリド、クロリド、ブロミド及びヨージドからなる群より選択される)
を含む組成物であって、第四級トリアルキルアンモニウム化合物が少なくとも90重量パーセントの量で存在し、かつ、4000ppm以下のトリアルキルアミン又はそのプロトン化形態を含む組成物を提供する。
【0006】
具体的な組成物は少なくとも99.5重量パーセントの2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及び25ppm以下のトリメチルアミンを有し、この場合、これらの濃度は組成物における2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びトリメチルアミンの量に基づいて決定される。
【0007】
他の実施形態により、第四級トリアルキルアンモニウムハライド組成物を製造する方法が提供される。いくつかの実施形態において、本方法は、第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンと、第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンに対して化学量論的過剰でのトリアルキルアミンとを、中間反応混合物を提供するための反応条件の下で提供すること;中間反応混合物のpHを低下させること;及び、第四級トリアルキルアンモニウムハライド組成物を単離することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、本方法には、2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド組成物を製造する方法が含まれる。2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド組成物を製造する方法では、3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンと、3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンに対して1モル〜約3モルのモル比でのトリメチルアミンとを、中間反応混合物を提供するための反応条件の下で提供すること;残留するトリメチルアミンの少なくとも一部分を中間反応混合物から除くこと;及び、2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド組成物を単離することが含まれる。
【0009】
本明細書中に記載される方法の特定の実施形態において、本方法は、1又はそれ以上の揮発性成分を除くために中間反応混合物を加熱することを含まない。いくつかの実施形態において、本方法は、反応混合物が8以上のpHを有するとき、揮発性成分を除くために中間反応混合物を加熱することを含まない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
下記の記載において、本明細書中に開示される全ての数字は、「約」又は「およそ」の語句が数字に関連して使用されるかどうかにかかわらず、概略値である。本明細書中に開示される数字は、1%、2%、5%、及び時には10%〜20%変化する場合がある。下限RL及び上限RUを伴う数値範囲が開示されるときは常に、その範囲に含まれる任意の数字が具体的に開示される。具体的には、範囲に含まれる下記の数字が具体的に開示される。R=RL+k*(RU−RL)、式中、kは、1%刻みで1%から100%に及ぶ変数であり、すなわち、kは、1%、2%、3%、4%、5%、...50%、51%、52%、...95%、96%、97%、98%、99%又は100%である。その上、上記で定義されるような2つのR数字によって規定される任意の数値範囲もまた、具体的に開示される。
【0011】
本発明のプロセスは広範囲に適用可能であり、3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンと反応させられるトリメチルアミンから3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを調製するために特に有用である。本明細書は、部分的には、明確化のためにその具体例に関してなされるが、本発明はそのように限定されない。
【0012】
従って、本発明の実施形態により、下記の式に従った第四級トリアルキルアンモニウムハライド化合物、
【化5】

(式中、R1基はそれぞれが個々に、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より選択される;R2基、R3基及びR4基はそれぞれが個々に、水素、ヒドロキシド、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基、及び1個〜12個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基からなる群より選択される;yは0〜12の範囲であり、好ましくは、yは0〜6の範囲であり、より好ましくは、yは0〜3の範囲であり、最も好ましくは、yは1である;X-は、フルオリド、クロリド、ブロミド及びヨージドからなる群より選択され、好ましくは、X-はクロリドである)
を含む組成物であって、第四級トリアルキルアンモニウム化合物が少なくとも90重量パーセントの量で存在し、かつ、4000ppm以下のトリアルキルアミンを含む組成物が提供される。
【0013】
具体的な実施形態において、第四級トリアルキルアンモニウム化合物は組成物の少なくとも90重量パーセントから100パーセントを含む。他の実施形態の組成物はより高濃度の第四級トリアルキルアンモニウム化合物を有し、例えば、92.5重量パーセント、95重量パーセント、97.5重量パーセント、99重量パーセント、99.5重量パーセント、99.95重量パーセント、99.99重量パーセント又は99.995重量パーセントなどの第四級トリアルキルアンモニウム化合物を組成物において有する。
【0014】
組成物におけるトリアルキルアミンの濃度は典型的には約4000ppm以下であるが、他の組成物はより低い濃度のトリアルキルアミンを有する。いくつかの実施形態において、トリアルキルアミンの濃度は、約4000ppm未満、約3000ppm未満、約2500ppm未満、約2000ppm未満、約1000ppm未満、約500ppm未満、約400ppm未満、約300ppm未満、約200ppm未満、約100ppm未満、約50ppm未満、約25ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、約1ppm未満、約0.1ppm未満、約0.01ppm未満、約0.002ppm未満又は約0.001ppm未満である。具体的な実施形態において、トリアルキルアミン又はアミンのプロトン化形態の濃度は約1ppm〜約100ppmの範囲の量で存在する。他の実施形態において、トリアルキルアミン又はアミンのプロトン化形態の濃度は約10ppm〜約25ppmの範囲の量で存在し、好ましくは、約1ppm〜約10ppmの範囲の量で存在する。
【0015】
いくつかの組成物において、第四級トリアルキルアンモニウム化合物が少なくとも95重量パーセントの量で存在し、この場合、組成物は1000ppm以下のトリアルキルアミン又はそのプロトン化形態を含む。他の実施形態において、第四級トリアルキルアンモニウム化合物が少なくとも99.5重量パーセントの量で存在し、組成物は500ppm以下のトリアルキルアミン又はそのプロトン化形態を含む。さらに他の実施形態において、第四級トリアルキルアンモニウム化合物が少なくとも99.5重量パーセントの量で存在し、組成物は500ppm以下のトリアルキルアミン又はトリアルキルアミンのプロトン化形態を含む。さらに他の実施形態において、第四級トリアルキルアンモニウム化合物が少なくとも99.5重量パーセントの量で存在し、組成物は、100ppm以下、25ppm以下又は10ppm以下のトリアルキルアミン又はそのプロトン化形態を含む。具体的な実施形態において、組成物は、少なくとも99.9重量パーセントの第四級トリアルキルアンモニウム化合物と、1ppm以下のトリアルキルアミン又はそのプロトン化形態とを含む。
【0016】
本発明の実施形態の組成物は、パーソナルケア用途のための好適な組成物を提供するために他の成分と組み合わせられ得ることが想定される。従って、組成物における第四級トリアルキルアンモニウム化合物及びトリアルキルアミン化合物の量又は濃度は、組成物における絶対値として、又は、組成物における第四級トリアルキルアンモニウム化合物及びトリアルキルアミン化合物の量のみに対して決定される場合がある。
【0017】
本明細書中で使用される用語「アルキル基」は、アルキル基、置換されたアルキル基又は分岐したアルキル基、置換されたアリール基又は分岐したアリール基を含む、1個〜12個の炭素原子を有する炭化水素含有基、具体的には、1個〜6個の炭素原子を有する基(例えば、メチル基及びエチル基など)を含むことが意図される。従って、いくつかの実施形態において、それぞれのR1基は個々に、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは、1個〜約6個の炭素原子を有するアルキル基、より好ましくは、1個〜3個の炭素原子を有するアルキル基、最も好ましくは、1個の炭素原子を有するアルキル基から選択される。同様に、R2基、R3基及びR4基がアルキル基である場合、それらは、それぞれが個々に、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基、1個〜約6個の炭素原子を有するアルキル基、1個〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又は、1個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より選択される。従って、そのようなアルキル基には、置換されたアルキル基又はアリール基、具体的には、約1個〜約6個の炭素原子を有する基が含まれ得る。いくつかの実施形態において、R2、R3及びR4は、水素、ヒドロキシド、又は、1個〜12個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基であり得る。具体的な他の実施形態において、R2基、R3基又はR4基のうちの1又はそれ以上が、1個〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基(好ましくは、ヒドロキシメチル基又はヒドロキシエチル基)、水素又はヒドロキシル基であり得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、アルキル基の任意の組合せがR1基として含まれる一方で、具体的な実施形態では、それぞれのR1基が同じアルキル基であり、これにより、例えば、トリメチルアンモニウム化合物、トリエチルアンモニウム化合物又はトリ−n−プロピルアンモニウム化合物を含む組成物が提供される。具体的な組成物において、四級トリアルキルアンモニウム化合物は2,3−ジヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムクロリド又は3,4−ジヒドロキシブチルトリアルキルアンモニウムクロリドである。2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを含むいくつかの組成物が好ましい。
【0019】
具体的な組成物では、2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが提供され、この場合、2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが少なくとも95重量パーセントの量で存在し、また、組成物は1000ppm以下のトリメチルアミン又はそのプロトン化形態を含む。他の組成物において、2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが少なくとも99.5重量パーセントの量で存在し、組成物は500ppm以下のトリメチルアミン又はそのプロトン化形態を含む。さらに他の組成物において、2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが少なくとも99.5重量パーセントの量で存在し、組成物は、約250ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約25ppm以下、約10ppm以下、約5ppm以下、約1ppm以下、約0.1ppm以下、約0.002ppm以下、約0.001ppm以下のトリメチルアミン又はそのプロトン化形態(具体的にはトリメチルアミン)を含む。いくつかの組成物は、少なくとも99.9重量パーセント、99.95重量パーセント、99.99重量パーセント又は99.995重量パーセントの2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドと、1ppm以下のトリメチルアミン又はそのプロトン化形態(具体的にはトリメチルアミン)とを含む。
【0020】
トリアルキルアミン濃度の分析は下記のように行うことができる。30m×0.32mm×5μmのCP Volamine(Varian)カラムを備えるHewlett Packard Agilent 6890ガスクロマトグラフィーが、一定圧モード及び1.9mL/分の初期流量を使用して、18分の総分析時間について、50℃(5分の保持)、その後、20℃/分での260℃への加熱(2.5分の保持)の加熱プロフィルを提供するように設定された。ヘリウムをキャリアガスとして使用して、見かけの初期圧力が10psiであり、線速度が33cm/秒である。21.3:1のスプリット比及び40mL/分のスプリット流量を用いたスプリットインレットモードが270℃の注入口温度及び44.3mL/分の総注入口流量で使用される。15psiのヘッドスペース圧力、75℃のプラテン温度で操作されるTekmarヘッドスペースオートサンプラーが、230μLのサンプルを提供するために使用される。サンプル平衡時間が5分に設定される。移送配管温度、ニードル温度及び注入バルブ/ループ温度が200℃で設定される。250℃で操作される水素炎イオン化検出器、40mL/分の水素流量、450mL/分の空気流量、及び45mL/分の流量での窒素のメークアップガスが検出のために使用される。
【0021】
サンプルは、およそ1グラムのサンプルをヘッドスペースバイアルに入れて重量測定し、その重量を記録することによって調製される。それぞれのサンプルが二連で調製され、1つが直接分析のためであり、1つが校正標準混合物の標準物添加のためである。およそ0.5グラムのリン酸三ナトリウムが、アミン不純物の揮発化を容易にするためにそれぞれのサンプルに加えられる。5mLの水がそれぞれのサンプルに加えられ、バイアルには、圧着上部キャップがかぶせられる。
【0022】
第四級トリアルキルアンモニウム化合物の分析を下記の手順に従って高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって行うことができる。AgilentモデルG1310Aポンプ、AgilentモデルG1322A脱気装置及びVICI ACU1050手動注入装置を含むHPLC装置が使用される。カラムは、Waters Nova−pak C−18(8mm×10cm)Radial−PACカートリッジである。検出がAgilentモデルG1362A RID(屈折率)によって達成される。HP Chemstationが積分のために使用される。典型的なサンプルサイズは75μLである。流量が0.8mL/分で設定される。移動相は、71.50gの過塩素酸ナトリウム(無水物)、3.98gのオクタンスルホン酸(ナトリウム塩)、1800gの蒸留水及び200gのメタノールとして調製される1/2 PIC(ペアードイオンクロマトグラフィー)を含む。サンプルは注入前に移動相で1重量パーセントに希釈された。濃度が検出のために好適であるならば、他の濃度を使用することができる。
【0023】
他の実施形態において、本発明は、第四級トリアルキルアンモニウムハライド組成物を製造する方法を提供する。具体的な実施形態において、本方法は、第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンと、第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンに対して化学量論的過剰でのトリアルキルアミンとを、中間反応混合物を提供するための反応条件の下で提供すること;中間反応混合物のpHを低下させること;及び、第四級トリアルキルアンモニウムハライド組成物を極性有機溶媒による結晶化によって単離することを含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンは、下記の式に従う第一級ハロ−ジヒドロキシアルカン、
【化6】

(式中、R2基、R3基及びR4基はそれぞれが個々に、水素、ヒドロキシド、1個〜12個(具体的には1個〜約6個)の炭素原子を有するアルキル基、及び1個〜12個(具体的には1個〜約6個)の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基からなる群より選択される;yは0〜12の範囲であり、好ましくは、0〜約6、もしくは、0〜3の範囲であり、又は、yは1である;Xは、フルオリド、クロリド、ブロミド及びヨージドからなる群より選択される)
からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンは3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンである。
【0025】
トリアルキルアミンは、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基、具体的には1個〜約6個の炭素原子を有するアルキル基、具体的には1個〜3個の炭素原子を有するアルキル基、より具体的には1個の炭素原子を有するアルキル基から個々に選択されるアルキル基を有する任意の望ましいアミンから選択することができる。他の好適なアルキル基は、置換されたアルキル基又は分岐したアルキル基、あるいは、置換されたアリール基又は分岐したアリール基、具体的には、1個〜12個の炭素原子を有する基、具体的には1個〜約6個の炭素原子を有する基、より具体的には1個〜4個の炭素原子を有する基であり得る。特に好適なトリアルキルアミンには、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリ−n−プロピルアミン、ジメチルドデシルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、ジメチルモノエチルアミン、ジメチルモノ−nーブチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチル−モノイソプロピルアミン、メチルエチル−n−プロピルアミン、メチルエチル−n−ブチルアミン、メチルジアルキルアミン、ならびに、1個〜12個の炭素原子をそれぞれが独立して含有する直鎖炭化水素基、分岐型炭化水素基又は環状炭化水素基を有する他の第三級アミンが含まれる。
【0026】
具体的な実施形態において、第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンは3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンであり、トリアルキルアミンはトリメチルアミンである。
【0027】
どのようなトリアルキルアミンが選択されても、トリアルキルアミンは典型的には化学量論的過剰で提供される。具体的な実施形態において、用語「化学量論的過剰」は、少なくとも1モル〜約3モルのモル比のトリアルキルアミンが第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンのそれぞれのモル数について提供されることを意味する。具体的な実施形態において、トリアルキルアミン対第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンのモル比は約1.0〜約1.5の範囲であり、好ましくは、1.1モル〜1.3モルのトリアルキルアミンが第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンの1モル毎に提供される。任意の過剰量のトリアルキルアミンを使用することができるが、大過剰のアミンは、除くことが困難である場合がある。しかしながら、少なすぎるトリアルキルアミンは不完全な反応をもたらす場合がある。
【0028】
任意の好適な反応条件を使用することができる。典型的には、第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンがトリアルキルアミンの水溶液と組み合わされる。しかしながら、反応物の任意の供給源を使用することができる。反応温度は約−20℃〜約25℃の範囲であり得る。過度な加熱は避けなければならない。典型的な反応時間は数分間から数日間又はそれ以上に及ぶ場合がある。得られた混合物は、そのpHを下げるために処理される。
【0029】
反応混合物のpHは、任意の望ましい手段によって下げることができる。いくつかの実施形態において、pHは、1又はそれ以上の酸を加えることによって下げることができる。酸は、所望の生成物を分解することなくpHを下げるために選択されなければならない。任意の鉱酸又は有機酸を使用することができる。他の実施形態において、pHは、反応混合物の残存する過剰なトリアルキルアミン又は他の揮発性成分の少なくとも一部を物理的に除くことによって下げられる。具体的な実施形態において、アルキルアミンは、減圧を反応槽又は反応容器に加えることによって除かれる。他の実施形態において、反応混合物には、不活性ガスが、トリアルキルアミンを除くために吹き込まれる。所望の生成物に対して不活性である任意のガスを使用することができる。いくつかの実施形態において、不活性ガスは、空気、酸素、窒素、アルゴン、あるいは、ガス状のアルカン又はアルケンであり、また、それらの混合物を使用することができる。しかしながら、典型的には、窒素が、特にトリアルキルアミンがトリメチルアミンであるときには、不活性ガスとして使用される。どのような方法が使用されても、pHは典型的には、約3〜約10の範囲における値に下げられ、好ましくは、約4〜約9又は約5〜約8の範囲における値に下げられる。いくつかの実施形態において、pHは約6〜約7の範囲における値に下げられる。
【0030】
本明細書中に記載される方法の特定の実施形態において、本方法は、1又はそれ以上の揮発性成分を除くために中間反応混合物を加熱することを含まない。いくつかの実施形態において、本方法は、反応混合物が8以上のpHを有するとき、揮発性成分を除くために中間反応混合物を加熱することを含まない。他の実施形態において、pHは、25℃を越える温度が加えられる前に、7.5未満、7.0未満、6.5未満又は6.0未満である。より低いpH値(例えば、5.5、5.0、4.5、4.0又は3.0など)もまた、25℃を越える温度が混合物に加えられる前において達成することができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、本方法は、反応混合物がトリアルキルアミンの望ましくないレベルを有するとき、特にアミンがトリメチルアミンである場合、揮発性成分を除くために中間反応混合物を加熱することを含まない。従って、具体的な実施形態において、トリアルキルアミン濃度は、約5000ppm以下、約4000ppm以下、約2000ppm以下又は約1000ppm以下である。他の実施形態において、トリアルキルアミン濃度は、25℃を越える温度が混合物に加えられる前において、約500ppm以下、約250ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約25ppm以下又は約10ppm以下である。そのような実施形態では、トリアルキルアミンのより低い濃度が一般に有益である。
【0032】
第四級トリアルキルアンモニウムハライド組成物を単離することを、任意の好適な溶媒を用いた処理によって行うことができる。具体的な実施形態において、溶媒は極性有機溶媒であり、例えば、ハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、塩化メチレンなど)又はテトラヒドロフランなどである。他の実施形態において、溶媒は、3個〜20個の炭素原子を有するアルコールからなる群より選択される。特に有用なアルコールには、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール及びヘキサノールが含まれる。イソプロパノールが特に有用である。溶媒が選択されると、中間反応混合物及び極性有機溶媒からの第四級トリアルキルアンモニウムハライドの沈殿化を任意の好適な手段によって誘導することができる。いくつかの実施形態において、沈殿化が、極性有機溶媒を加えたときに誘導される。他の実施形態において、混合物を、沈殿化が生じるまで冷却することができる。いくつかの実施形態において、極性有機溶媒は、本明細書中に記載されるような、組成物を製造するための方法のその後の単離工程において第四級トリアルキルアンモニウムハライド組成物のさらなる部分を回収するために回収及び再使用される。いくつかの実施形態において、以前に単離された第四級トリアルキルアンモニウムハライド組成物の種結晶が、結晶化を容易にするために加えられる。
【0033】
いくつかの実施形態において、トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミンなど)の濃度が、許容し得る低いレベルで存在するとき、極性有機溶媒を用いた単離が行われる。従って、具体的な実施形態において、トリアルキルアミン濃度は、約5000ppm以下、約4000ppm以下、約2000ppm以下又は約1000ppm以下である。他の実施形態において、トリアルキルアミン濃度は、極性有機溶媒を用いた単離の前に、約500ppm以下、約250ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約25ppm以下、約10ppm以下又は約1ppm以下に下げられる。そのような実施形態では、トリアルキルアミンのより低い濃度が一般に有益である。
【0034】
いくつかの実施形態において、第四級トリアルキルアンモニウムハライドを単離することはさらに、1)沈殿した第四級トリアルキルアンモニウムハライドを反応混合物及び極性有機溶媒の残留する成分から分離すること、及び2)第四級トリアルキルアンモニウムハライドを乾燥することを含む。分離するための任意の公知の方法を使用することができる。典型的には、混合物は、沈殿した第四級トリアルキルアンモニウムハライドを残留する成分から分離するためにろ過される。
【0035】
具体的な実施形態において、本発明は、2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド組成物を製造する方法を提供し、この場合、本方法は、3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンと、3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンに対して1モル〜約3モルのモル比でのトリメチルアミンとを、中間反応混合物を提供するための反応条件の下で提供すること;残留するトリメチルアミンの少なくとも一部分を中間反応混合物から除くこと;及び、2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド組成物を、極性有機溶媒(具体的には、3個〜約20個の炭素原子を有するアルコール、例えば、イソプロピルアルコールなど)を用いて単離することを含む。
【0036】
下記の実施例は本発明の実施形態を例示する。下記の実施例は、別途記載され、また、本明細書中において主張されるような本発明を限定しない。実施例における数字は全てが概略値である。
【実施例1】
【0037】
251mLの3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンを、撹拌子、温度計及び冷却器を備えた丸底フラスコに加えた。撹拌しながら、837mLの25%トリメチルアミン水溶液を反応器に加えた。溶液を15℃で16時間撹拌した。溶液に窒素を6日間吹き込んだ。この期間中に、pHが約11から約6に低下する。溶液を、65℃で24時間、約25インチHgの減圧下に置いた。その後、溶液を、65℃で8時間、30インチHgの減圧下に置いた。溶液を周囲条件で48時間放置した。その後、溶液を、65℃で4時間、30インチHgの減圧下に置いた。200mLのイソプロパノールを溶液に加えた。生成物が結晶化する。生成物をろ過し、窒素ドライボックスに24時間入れ、その後、窒素を流しながら、36時間、約60℃及び26インチHgの減圧での真空オーブンに入れた。生成物を窒素ドライボックスに24時間入れた。生成物をGCヘッドスペース分析によりトリメチルアミンについて分析し、生成物は3.2ppmのトリメチルアミンを有した。HPLCによる分析では、2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドの純度が100.0%であることが示された。
【実施例2】
【0038】
110.5220gの3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンを2Lのビーカーに加えた。撹拌しながら、500mLの25%トリメチルアミン水溶液をビーカーに加えた。溶液を室温で1.5時間撹拌した。溶液を、濃塩酸を使用して6.5のpHにpH調節した。溶液を、65℃で30分間、30インチHgの減圧下に置いた。生成物をGCヘッドスペース分析によりトリメチルアミンについて分析し、生成物は1ppm未満のトリメチルアミンを有した。
【実施例3】
【0039】
251mLの3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンを、撹拌子、温度計及び冷却器を備えた丸底フラスコに加えた。撹拌しながら、837mLの25%トリメチルアミン水溶液を反応器に加えた。溶液を15℃で44時間撹拌させた。溶液に窒素を13日間吹き込んだ。この期間中に、pHが約11から約6に低下した。200mLのメタノールを400mLの反応溶液に加え、65℃で4時間、30インチHgの減圧下に置いた。200mLのイソプロパノールを溶液に加え、その後、溶液を、65℃で2時間、30インチHgの減圧下に置いた。溶液を周囲条件で16時間放置した。その後、溶液を、65℃で5時間、30インチHgの減圧下に置いた。溶液を周囲条件で16時間放置した。その後、溶液を、65℃で2時間、30インチHgの減圧下に置いた。200mLのイソプロパノールを溶液に加え、生成物が結晶化した。生成物をろ過し、窒素ドライボックスに24時間入れた。その後、サンプルを、窒素を流しながら、36時間、約60℃及び26インチHgの減圧での真空オーブンに入れた。生成物を窒素ドライボックスに24時間入れた。生成物をGCヘッドスペース分析によりトリエチルアミンについて分析し、生成物は4.0ppmのトリメチルアミンを有した。HPLCによる分析では、2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドの純度が100.0%であることが示される。
【0040】
比較例4
欧州特許第0257619号の実施例8を、それに開示される情報を使用して再現した。トリメチルアミンの30w/vパーセント水溶液の40mLを10.40gの3−クロロ−1,2−プロパンジオールに加える。室温で2時間反応した後、反応混合物を蒸発乾固して、生成物を得る。本明細書中に記載される方法を使用するヘッドスペース分析では、この組成物が4240ppmを越えるトリメチルアミンを有することが示される。
【0041】
本発明が、限定された数の実施形態に関して記載されているが、1つの実施形態の具体的な特徴が本発明の他の実施形態に起因すると考えてはならない。どの1つの実施形態も、本発明の全ての態様を表していない。その上、本発明からの様々な変化及び改変が存在する。例えば、本明細書中に記載される組成物の実施形態は、それに含有されるとして明示的に列挙されていない何らかの成分を実質的又は本質的に有さない。列挙された特徴が満たされる限り、他の成分を存在させることができる。具体的には、組成物が、第四級トリアルキルアンモニウム化合物及び残存するトリアルキルアミン又はそのプロトン化形態の絶対的濃度をそれによって下げる配合物において使用され得ることが想定される。従って、組成物における第四級トリアルキルアンモニウム化合物及びトリアルキルアミン化合物又はそのプロトン化形態の量又は濃度をそのような配合物における第四級トリアルキルアンモニウム化合物及びトリアルキルアミン化合物(及び/又はそのプロトン化形態)の量のみに対して決定することができる。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される方法は、改善された色を有する組成物を提供する。加えて、本明細書中に記載される方法のいくつかの実施形態は、列挙された工程からなるか、又は、列挙された工程から本質的になる。他の実施形態において、これらの工程は様々な時間的順序で行われる。添付された特許請求の範囲は、本発明の範囲内に含まれるような全てのそのような変化及び改変を含むことを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式に従った第四級トリアルキルアンモニウムハライド化合物、
【化1】

(式中、R1基はそれぞれが個々に、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より選択される;
2基、R3基及びR4基はそれぞれが個々に、水素、ヒドロキシド、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基、及び1個〜12個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基からなる群より選択される;
yは0〜12の範囲である;
-は、フルオリド、クロリド、ブロミド及びヨージドからなる群より選択される)
を含む組成物であって、
第四級トリアルキルアンモニウム化合物が少なくとも90重量パーセントの量で存在し、及び、
4000ppm以下のトリアルキルアミン又はそのプロトン化形態を含む、組成物。
【請求項2】
前記第四級トリアルキルアンモニウム化合物が2,3−ジヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムクロリド又は3,4−ジヒドロキシブチルトリアルキルアンモニウムクロリドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記第四級トリアルキルアンモニウム化合物が2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記第四級トリアルキルアンモニウム化合物が2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドであり、前記トリアルキルアミンがトリメチルアミンであり、
2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが少なくとも95重量パーセントの量で存在し、及び、
1000ppm以下のトリメチルアミン又はそのプロトン化形態を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが少なくとも99.5重量パーセントの量で存在し、かつ、500ppm以下のトリメチルアミン又はそのプロトン化形態を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが少なくとも99.5重量パーセントの量で存在し、かつ、25ppm以下のトリメチルアミン又はそのプロトン化形態を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが少なくとも99.5重量パーセントの量で存在し、かつ、10ppm以下のトリメチルアミン又はそのプロトン化形態を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが少なくとも99.9重量パーセントの量で存在し、かつ、1ppm以下のトリメチルアミン又はそのプロトン化形態を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記濃度が組成物における第四級トリアルキルアンモニウムハライド及びトリアルキルアミン又はそのプロトン化形態の量に基づいて決定される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも99.5重量パーセントの2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドと、25ppm以下のトリメチルアミン又はそのプロトン化形態とを含む組成物であって、それらの濃度が組成物における2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びトリメチルアミンの量に基づいて決定される、組成物。
【請求項11】
第四級トリアルキルアンモニウムハライド組成物を製造する方法であって、
a)第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンと、第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンに対して化学量論的過剰でのトリアルキルアミンとを、中間反応混合物を提供するための反応条件の下で提供すること;
b)中間反応混合物のpHを低下させること;及び
c)第四級トリアルキルアンモニウムハライド組成物を、極性有機溶媒を用いて単離すること
を含む、方法。
【請求項12】
前記第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンが、下記の式に従う第一級ハロ−ジヒドロキシアルカン、
【化2】

(式中、R2基、R3基及びR4基はそれぞれが個々に、水素、ヒドロキシド、1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基、及び1個〜12個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基からなる群より選択される;
yは0〜12の範囲である;
Xは、フルオリド、クロリド、ブロミド及びヨージドからなる群より選択される)
からなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンが3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンであり、かつ、前記トリアルキルアミンがトリメチルアミンである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記化学量論的過剰が前記第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンに対して前記トリアルキルアミンの少なくとも1モル〜約3モルのモル比である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記トリアルキルアミン対前記第一級ハロ−ジヒドロキシアルカンのモル比が約1.0〜約1.5の範囲である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記極性有機溶媒が、3個〜20個の炭素原子を有するアルコールからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記極性有機溶媒がイソプロピルアルコールである、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
pHを低下させることが、pHを約3〜約10の範囲における値に低下させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
pHを低下させることが、pHを約6〜約7の範囲における値に低下させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
pHを低下させることが、揮発性不純物を除くことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
pHを低下させることが、トリメチルアミンを除くことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
酸処理をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
pHを低下させることが、中間反応混合物に不活性ガスを吹き込むことを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
第四級トリアルキルアンモニウムハライドを単離することが、中間反応混合物を極性有機溶媒と混合し、中間反応混合物及び極性有機溶媒からの第四級トリアルキルアンモニウムハライドの結晶化を誘導することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項25】
第四級トリアルキルアンモニウムハライドを単離することがさらに、第四級トリアルキルアンモニウムハライドを反応混合物及び極性有機溶媒の残留する成分から分離し、第四級トリアルキルアンモニウムハライドを乾燥することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド組成物を製造する方法であって、
a)3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンと、3−クロロ−1,2−ジヒドロキシプロパンに対して1モル〜約3モルのモル比でのトリメチルアミンとを、中間反応混合物を提供するための反応条件の下で提供すること;
b)残留するトリメチルアミンの少なくとも一部分を中間反応混合物から除くこと;及び
c)2,3−ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド組成物を極性有機溶媒による沈殿化によって単離すること
を含む、方法。
【請求項27】
1又はそれ以上の揮発性成分を除くために前記中間反応混合物を加熱することを含まない、請求項11から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記溶媒を再利用(recycling)又は再生(reclaiming)し、前記溶媒を第四級トリアルキルアンモニウムハライド組成物のその後の単離において使用すること含む、請求項11から27のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2009−526842(P2009−526842A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555219(P2008−555219)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/014188
【国際公開番号】WO2007/094806
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】