説明

ジンゲロール類の製造法

【課題】安価で光学活性なジンゲロール類の製造方法の提供。
【解決手段】式1


(R1は水酸基の保護基を示し、*は不斉炭素原子を示す)で表される化合物を出発物質として、式5


(R2はC2〜12の炭化水素基を示す)で表されるジンゲロール類の製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジンゲロール類の新規な製造法及びこれに使用する新規な中間体化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ジンゲロールは生姜の根茎に含まれる辛味成分であり、天然には〔6〕−ジンゲロール、〔8〕−ジンゲロール及び〔10〕−ジンゲロールが存在する。これらは不斉炭素原子を有するため鏡像異性体(S体、R体)が存在するが、天然物はS体である。ジンゲロール類は香料として有用であり、また抗酸化作用、プロスタグランジン生合成阻害作用、抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用など種々の生理作用を有することが知られている(非特許文献1−3)。
【0003】
ジンゲロール類は工業的には化学合成によって製造され、ラセミ体の合成法は数多く報告されている。一方、光学活性なジンゲロール類の製造法としては、例えば、キラルな鉄錯体トリエンとニトリルオキシドの環化付加反応を用いる方法(非特許文献4)、光学活性なβ−ケトスルホキシドから誘導体したエポキシドとの反応を用いる方法(非特許文献5)が知られている。
【非特許文献1】J. Pharm. Sci., 71, 1174, 1982
【非特許文献2】J. Food Sci., 58, 1407, 1883
【非特許文献3】J. Traditional Sino-Japanese Medicine, 8, 45, 1987
【非特許文献4】Tetrahedron Lett., 30, 6521, 1989
【非特許文献5】J. Org. Chem., 58, 2181, 1993
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記非特許文献4に記載の方法は、高価且つ発火性のある鉄カルボニル錯体を用いるため実用化には難がある。また、ジンゲロール類のうち〔6〕−ジンゲロールしか得られない。他方、非特許文献5に記載の方法は、β−ケトスルホキシドからの光学活性エポキシドを導く過程が複雑であり、アルキル鎖を導入する際に、トシレートのLAH還元又はジエチルシアノ銅ジリチウムを用いるなど大量生産には難がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、安価で取り扱いのし易い試薬を用い、より少ない工程で光学活性なジンゲロール類を得るための製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意研究を進めた結果、ジチアン化合物に、容易に入手可能な光学活性なエピハロヒドリンを反応させてエポキシ化合物を製造中間体として得、これに炭素鎖長の異なるグリニヤール試薬又は有機リチウム試薬を反応させることにより、少ない工程で光学純度の高いジンゲロール類を製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、一般式(1)
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、R1は水酸基の保護基を示し、*は不斉炭素原子を示す)
で表されるジチアンエポキシ化合物に、一般式(2a)
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、R2は炭素数2〜12の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示す)
で表されるグリニヤール試薬、又は一般式(2b)
【0011】
【化3】

【0012】
(式中、R2は前記と同じ)
で表される有機リチウム試薬を反応させて、一般式(3)
【0013】
【化4】

【0014】
(式中、R1、R2及び*は前記と同じ)
で表されるジチアンアルコールを得、次いでこれを加水分解して一般式(4)
【0015】
【化5】

【0016】
(式中、R1、R2及び*は前記と同じ)
で表されるケトアルコールを得た後、当該ケトアルコールの水酸基の保護基を脱離させることを特徴とする、一般式(5)
【0017】
【化6】

【0018】
(式中、R2及び*は前記と同じ)
で表されるジンゲロール類の製造法を提供するものである。
また、本発明は、一般式(1)
【0019】
【化7】

【0020】
(式中、R1及び*は前記と同じ)
で表されるジチアンエポキシ化合物を提供するものである。
また、本発明は、一般式(3)
【0021】
【化8】

【0022】
(式中、R1、R2及び*は前記と同じ)
で表されるジチアンアルコールを提供するものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、光学活性なジンゲロール類を、安価な原料から少ない工程で効率良く製造することができるので工業的に極めて有用である。また、炭素鎖長を変化させることができるので、非天然型のジンゲロール類も得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
式中、R1で示される水酸基の保護基としては、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基;トリメチルシリロキシ基などのトリアルキルシリロキシ基;アセトキシ基、ベンゾキシ基などが挙げられる。
【0025】
式中、R2で示される炭素数2〜12の炭化水素基としては、例えば炭素数2〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜12のアリールアルキル基などが挙げられる。
【0026】
炭素数2〜12のアルキル基としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、シクロノニル基、n−デシル基、イソデシル基、シクロデシル基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、シクロウンデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、シクロドデシル基などの直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。なかでもエチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基が好ましい。
【0027】
炭素数2〜12のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、シクロプロペニル基、ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、シクロブテニル基、ペンテニル基、シクロペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、へプテニル基、シクロヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基などの直鎖、分岐鎖又は環状のアルケニル基が挙げられる。
【0028】
炭素数6〜10のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
【0029】
炭素数7〜12のアリールアルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基などが挙げられる。
2としては、特にアルキル基、アリール基、アリールアルキル基が好ましい。
【0030】
式中、Xで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を挙げることができる。特に、塩素原子、臭素原子が好ましい。
【0031】
本発明のジンゲロール類(5)の製造工程は次のとおりである。
【0032】
【化9】

【0033】
(式中、R1、R2、X及び*は前記と同義である)
すなわち、先ずジチアンエポキシ化合物(1)にグリニヤール試薬(2a)又は有機リチウム試薬(2b)を反応させてジチアンアルコール(3)を得る。次いで、ジチアンアルコール(3)を加水分解してケトアルコール(4)を得た後、水酸基の保護基を脱離させることにより本発明のジンゲロール類(5)を得ることができる。ここで、ジチアンエポキシ化合物とジチアンアルコールは新規化合物であり、ジンゲロール類の製造中間体として有用である。
【0034】
本発明の出発物質であるジチアンエポキシ化合物(1)は、下記に示すようにジチアン化合物(6)にエピハロヒドリンを反応させることにより得ることができる。
【0035】
【化10】

【0036】
(式中、R1及び*は前記と同じ)
ジチアン化合物(6)は既知化合物であり、例えばJ. Org. Chem. 58, 2181 (1993) に記載の方法や、4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸からアルデヒド体を得た後、1,3−プロパンジチオールを反応させる方法によって得ることができる。
以下工程毎に詳細に説明する。
【0037】
工程1は、ジチアン化合物にエピハロヒドリンを反応させてジチアンエポキシ化合物を得る工程である。ここで、(S)−エピハロヒドリン及び(R)−エピハロヒドリンのいずれか一方の光学活性なエピハロヒドリンを反応させることで、エピハロヒドリンの高い光学純度を維持したまま下記工程2−4を経て光学活性なジンゲロール類(5)を製造できる。具体的には、(S)−エピハロヒドリンを反応させることにより(R)−ジチアンエポキシ化合物が得られ、下記工程2−4を経て光学純度の高い(R)−ジンゲロール類を製造できる。他方(R)−エピハロヒドリンを反応させることにより、(S)−ジチアンエポキシ化合物が得られ、下記工程2−4を経て光学純度の高い(S)−ジンゲロール類を製造できる。
エピハロヒドリンとしては、例えばエピクロルヒドリン、メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリンなどが挙げられる。
エピハロヒドリンの使用量は、ジチアン化合物に対して、2〜5当量(モル比)、好ましくは3〜4当量(モル比)である。
【0038】
また、反応は塩基の存在下に行ってもよい。ここで塩基としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等の水素化アルカリ金属類;n−ブチルリチウム、メチルリチウム、n−ヘキシルリチウム等のアルキルアルカリ金属類;ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のアルカリ金属アミド類;カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類等が挙げられる。なかでも、アルキルアルカリ金属類が好ましい。
塩基の使用量は、反応促進の点から、ジチアン化合物に対して、好ましくは1〜3当量(モル比)、好ましくは2当量(モル比)である。
【0039】
反応溶媒としては、反応に影響がなければ特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラン(THF)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglyme)などのエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N'−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、ヘキサメチルリン酸アミド(HMPA)、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられ、これらは単独で又は混合して用いることができる。なかでも、エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒が好ましく、特にテトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、又はこれらの混合溶媒が好ましい。
【0040】
工程1における反応温度は、反応性の点から、好ましくは−30℃〜−20℃の範囲であり、また、反応時間は、収率の低下を防止する点から、好ましくは8〜12時間である。
【0041】
工程2は、ジチアンエポキシ化合物にグリニヤール試薬又は有機リチウム試薬を反応させてジチアンアルコールを得る工程である。グリニヤール試薬又は有機リチウム試薬の使用量は、ジチアンエポキシ化合物に対して、1〜4当量(モル比)、好ましくは1.5〜3当量(モル比)である。
反応は触媒の存在下に行ってもよく、触媒としては、例えば塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)シアン化銅(I);ジリチウムク
ロロキュプレート(II)(Li2CuCl4)などの銅化合物が挙げられる。触媒の使用量は、ジチアンエポキシ化合物に対して、好ましくは0.2〜0.5当量(モル比)である。
反応溶媒としては、反応に影響がなければ特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラン(THF)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglyme)などのエーテル系溶媒が好ましい。
工程2における反応温度は、反応性の点から、好ましくは−10℃〜0℃の範囲であり、また、反応時間は、収率の低下を防止する点から、好ましくは3〜4時間である。
【0042】
工程3は、ジチアンアルコールを加水分解する工程である。反応は、例えば酸又は塩基の存在下、アルキルハロゲン化物を添加することにより行われる。酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸などが挙げられる。塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物;炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;n−ブチルリチウム等のアルキルリチウム;トリエチルアミンなどのアミン類などが挙げられる。
また、アルキルハロゲン化物としては、例えば臭化メチル、塩化メチル、ヨウ化メチル、臭化エチル、塩化エチル、ヨウ化エチルなどが挙げられる。アルキルハロゲン化物の使用量は、ジチアンアルコールに対して、好ましくは10〜20当量(モル比)である。
【0043】
反応溶媒は、反応に不活性なものであればよく、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン(THF)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglyme)などのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N'−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、ヘキサメチルリン酸アミド(HMPA)、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられ、これらは単独で又は混合して用いることができる。
【0044】
工程4は、水酸基の保護基を脱離させることによりジンゲロール類を得る工程である。脱保護は、保護基の種類に応じて常法に従って行うことができる。例えば、フッ化物、酸などを利用して脱離させることができる。
【0045】
本発明のジンゲロール類は、上記の方法によって得られるが、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、溶媒抽出、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等を用いることにより単離精製が可能である。
【0046】
かくして得られる本発明のジンゲロール類は、香料として、また、抗酸化剤、プロスタグランジン生合成阻害剤、抗炎症剤、解熱剤、鎮痛剤などとして、医薬品や医薬部外品、食品などに有用である。
【実施例】
【0047】
以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。
【0048】
製造例1
(i)α,β-不飽和エチルエステルの合成
アルゴンガス雰囲気下、4-ヒドロキシ-3-メトキシ桂皮酸 1000mg(5.15mmol)をエタノール18mLに溶解し、反応混合物に、濃硫酸0.9mLを滴下し、100℃で加熱還流し、4時間撹拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン=1:1)にて分離し、油状物のα,β-不飽和エステル1025mg(収率90.0%)を得た。
【0049】
【化11】

【0050】
(ii)飽和エチルエステルの合成
アルゴンガス雰囲気下、(i)で得たα,β-不飽和エチルエステル体1025mg(4.62mmol)をメタノール20mLに溶解し、室温で塩化ニッケル6水和物220mgを加え、水素化ホウ素ナトリウム349mgを少量ずつ加え、1時間撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、セライトによりろ過し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン=2:1)にて分離し、油状物の飽和エチルエステル932mg(収率90.0%)を得た。
【0051】
【化12】

【0052】
(iii)アルデヒドの合成
アルゴンガス雰囲気下、(ii)で得た飽和エチルエステル329mg(1.47mmol)を乾燥トルエン6.6mLに溶解し、-78℃でDIBAH1.47mL(1.47mmol)をゆっくりと滴下し、2時間撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、メタノールと10%に希釈した硫酸を加え、10分間撹拌した。エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン=1:1)にて分離し、油状物のアルデヒド151mg(収率56.9%)を得た。
【0053】
【化13】

【0054】
(iv)ジチアン体の合成
アルゴンガス雰囲気下、(iii)で得たアルデヒド体896mg(4.98mmol)をクロロホルム18mLで溶解し、室温で1,3-プロパンジチオール0.35mL、三フッ化ホウ素エーテル錯塩0.39mLを滴下し、1時間半撹拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、塩化メチレンで抽出後、飽和食塩水で塩化メチレン層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ジエチルエーテル: n-ヘキサン=1:1)にて分離し、油状物のジチアン体959mg(収率71.0%)を得た。
【0055】
【化14】

【0056】
(v)テトラブチルジメチルシリル基でのフェノール水酸基の保護
アルゴンガス雰囲気下、(iv)で得たジチアン体896mg(3.32mmol)を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド18mLに溶解し、イミダゾール677mg、テトラブチルジメチルシリルクロリド747mgを加え、3時間室温で撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン=1:3)にて分離し、油状物1106mg(収率87.0%)を得た。
【0057】
【化15】

【0058】
実施例1 光学活性エポキシドの合成
アルゴンガス雰囲気下-30℃で、製造例1(v)で得たジチアン体635mg(1.65mmol)をテトラヒドロフラン13mLで溶解し、n-BuLi 1.6mLを滴下し、3時間撹拌後、さらに(R)-(-)-エピクロロヒドリン0.4mLを滴下し、2時間撹拌後、徐々に室温に戻し、一昼夜撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン=1:1)にて分離し、油状物の合成物612mg(収率84.2%)を得た。なお、これにより(S)-(+)-エポキシドが得られた。また、同様に(S)-(+)-エピクロロヒドリンを用いて(R)-(-)-エポキシドを得た。
(S)体 収率 84.2% [α]D18+0.3°(C 2.02 CHCl3)
(R)体 収率 85.6% [α]D24-0.6°(C 3.99 CHCl3)
【0059】
【化16】

【0060】
各エポキシドを原料として[4],[6],[8],[10]-ジンゲロール、ジンゲロール誘導体の両鏡像体を合成した。
【0061】
実施例2 [4]-ジンゲロールの合成
(i)グリニヤール試薬によるアルキル化
アルゴンガス雰囲気下0℃で、テトラヒドロフラン10mLにヨウ化銅64.6mg(0.34mmol)を分散させ、0℃とし、エチルマグネシウムクロリド2.3mL(2.26mmol)を滴下し、30分撹拌した。その後、先に合成した光学活性エポキシド497mg(1.13mmol)をテトラヒドロフラン10mlに溶解させ滴下し、4時間撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、エーテル抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン=1:1)で分離し、油状物400mg(収率75.2%)を得た。
(S)体 収率 75.2% [α]D16 +9.1°(C 3.74 CHCl3)
(R)体 収率 77.7% [α]D21 -9.6°(C 3.32 CHCl3)
【0062】
【化17】

【0063】
(ii)ジチアン部の加水分解
アルゴンガス雰囲気下、(i)で合成したグリニヤール反応後の化合物400mg(0.85mmol) をアセトニトリル水溶液8mLで溶解し、少過剰量の炭酸カルシウムを分散させ、ヨウ化メチル2.5mLを滴下し、一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン=1:1)にて分離し、油状物の合成物168mg(収率51.9%)を得た。
(S)体 収率51.9% [α]D16 +21.8°(C 1.68 CHCl3)
(R)体 収率48.8% [α]D18 -22.6°(C 1.31 CHCl3)
【0064】
【化18】

【0065】
(iii)光学活性な[4]-ジンゲロールの合成
アルゴンガス雰囲気下、(ii)で合成したケトアルコール168mg(0.44mmol)をテトラヒドロフラン5mlに溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオリド0.9mlを滴下し、室温で4時間撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)にて分離し、油状物の合成物102mg(収率87.1%)を得た。
(S)体 収率87.1% [α]D14 +30.4°(C 1.02 CHCl3)
(R)体 収率79.7% [α]D24 -29.1°(C 0.49 CHCl3)
【0066】
【化19】

【0067】
実施例3 [6]-ジンゲロールの合成
(i)グリニヤール試薬によるアルキル化
アルゴンガス雰囲気下、0℃で、テトラヒドロフラン10mLにヨウ化銅60.6mg(0.32mmol)を分散させ、n-ブチルマグネシウムクロリド0.8mL(1.59mmol)を滴下し、30分撹拌した。その後、 先に合成した光学活性エポキシド468mg(1.06mmol)をテトラヒドロフラン10mlに溶解させ滴下し、4時間撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、エーテル抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン=1:1)にて分離し、油状物471mg(収率84.2%)を得た。
(S)体 収率 84.2% [α]D18 +7.2°(C 4.71 CHCl3)
(R)体 収率 70.0% [α]D24 -8.1°(C 3.16 CHCl3)
【0068】
【化20】

【0069】
(ii)ジチアン部の加水分解
アルゴンガス雰囲気下、(i)で合成したグリニヤール反応後の化合物471mg(0.94mmol) をアセトニトリル水溶液10mLで溶解し、少過剰量の炭酸カルシウムを分散させ、ヨウ化メチル2.8mLを滴下し、一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン=1:1)にて分離し、油状物236mg(収率62.8%)を得た。
(S)体 収率62.8% [α]D16 +21.2°(C 2.36 CHCl3)
(R)体 収率75.8% [α]D20 -21.7°(C 1.93 CHCl3)
【0070】
【化21】

【0071】
(iii)光学活性な[6]-ジンゲロールの合成
アルゴンガス雰囲気下、(ii)で合成したケトアルコール192mg(0.47mmol)をテトラヒドロフラン4mlに溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオリド0.94mlを滴下し、室温で4時間撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)にて分離し、油状物119mg(収率86.3%)を得た。
(S)体 収率86.3% [α]D16 +26.3°(C 0.55 CHCl3)
(R)体 収率94.2% [α]D21 -27.7°(C 1.27 CHCl3)
G.Solladie
(S)体 [α]D+25.3°(C 0.16 CHCl3)
【0072】
【化22】

【0073】
実施例4 [8]-ジンゲロールの合成
(i)グリニヤール試薬によるアルキル化
アルゴンガス雰囲気下、0℃で、テトラヒドロフラン10mLにヨウ化銅73.2mg(0.38mmol)を分散させ、n-へキシルマグネシウムブロミド0.96mL(1.92mmol)を滴下し、30分撹拌した。その後、 先に合成した光学活性エポキシド565mg(1.28mmol)をテトラヒドロフラン11mlに溶解させ滴下し、4時間撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、エーテル抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン:メタノール=1:3:0.6)で分離し、油状物527.8mg(収率78.2%)を得た。
(S)体 収率 78.2% [α]D18 +7.5°(C 5.28 CHCl3)
(R)体 収率 84.7% [α]D18 -7.7°(C 6.15 CHCl3)
【0074】
【化23】

【0075】
(ii)ジチアン部の加水分解
アルゴンガス雰囲気下、(i)で合成したグリニヤール反応後の化合物527mg(1.00mmol) をアセトニトリル水溶液10mLで溶解し、少過剰量の炭酸カルシウムを分散させ、ヨウ化メチル3.1mLを滴下し、一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン:メタノール=1:3:0.1)にて分離し、油状物の合成物271mg(収率61.9%)を得た。
(S)体 収率61.9% [α]D18 +20.4°(C 2.71 CHCl3)
(R)体 収率72.4% [α]D16 -20.9°(C 3.69 CHCl3)
【0076】
【化24】

【0077】
(iii)光学活性な[8]-ジンゲロールの合成
アルゴンガス雰囲気下、(ii)で合成したケトアルコール270mg(0.62mmol)をテトラヒドロフラン5mlに溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオリド1.2mlを滴下し、室温で4時間撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン:メタノール=1:2:0.1)にて分離し、黄色結晶の合成物131mg(収率61.6%)を得た。
(S)体 収率61.6% [α]D18 +25.0°(C 1.31 CHCl3)
(R)体 収率90.1% [α]D17 -25.6°(C 2.61 CHCl3)
m.p 30.1〜32.7℃
G.Solladie
(S)体 [α]D +26.0°(C 0.895 CHCl3)
【0078】
【化25】

【0079】
実施例5 [10]-ジンゲロールの合成
(i)グリニヤール試薬によるアルキル化
アルゴンガス雰囲気下、テトラヒドロフラン10mLにヨウ化銅73.2mg(0.38mmol)を分散させ、0℃とし、n-オクチルマグネシウムブロミド1.2mL(2.31mmol)を滴下し、30分撹拌した。その後、先に合成した光学活性エポキシド340mg(0.77mmol)をテトラヒドロフラン7mlに溶解させ滴下し、4時間撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、エーテル抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン:=1:1)で分離し、油状物316.2mg(収率78.2%)を得た。
(S)体 収率 78.2% [α]D19 +6.7°(C 4.12 CHCl3)
(R)体 収率 84.7% [α]D18 -7.6°(C 4.37 CHCl3)
【0080】
【化26】

【0081】
(ii)ジチアン部の加水分解
アルゴンガス雰囲気下、(i)で合成したグリニヤール反応後の化合物481mg(0.92mmol) をアセトニトリル水溶液10mLで溶解し、少過剰量の炭酸カルシウムを分散させ、ヨウ化メチル2.7mLを滴下し、一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン:メタノール=1:1)にて分離し、油状物315mg(収率73.9%)を得た。
(S)体 収率73.9% [α]D15 +17.2°(C 1.45 CHCl3)
(R)体 収率57.3% [α]D18 -19.9°(C 2.22 CHCl3)
【0082】
【化27】

【0083】
(iii)光学活性な[10]-ジンゲロールの合成
アルゴンガス雰囲気下、(ii)で合成したケトアルコール311mg(0.67mmol)をテトラヒドロフラン6mlに溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオラリド1.4mlを滴下し、室温で4時間撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー (酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)にて分離し、黄色結晶207mg(収率88.2%)を得た。
(S)体 収率88.2% [α]D14 +22.2°(C 0.60 CHCl3)
(R)体 収率88.9% [α]D18 -23.6°(C 1.32 CHCl3)
m.p 47.4〜48.2℃
G.Solladie
(S)体 [α]D +22.7°(C 1 CHCl3)
【0084】
【化28】

【0085】
実施例6 ジンゲロール誘導体の合成
(i)グリニヤール試薬によるアルキル化
アルゴンガス雰囲気下0℃で、テトラヒドロフラン10mLにヨウ化銅62.9mg(0.33mmol)を分散させ、0℃とし、ベンジルマグネシウムクロリド3.7mL(3.3mmol)を滴下し、30分撹拌した。その後、先に合成した光学活性エポキシド491mg(1.10mmol)をテトラヒドロフラン10mlに溶解させ滴下し、4時間撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、エーテル抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ジエチルエーテル: n-ヘキサン=1:1)で分離し、油状物499mg(収率89.8%)を得た。
(S)体 収率 89.8% [α]D27 -2.7°(C 4.60 CHCl3)
(R)体 収率 92.8% [α]D26 +2.6°(C 3.64 CHCl3)
【0086】
【化29】

【0087】
(ii)ジチアン部の加水分解
アルゴンガス雰囲気下、(i)で合成したグリニヤール反応後の化合物516mg(1.03mmol)をアセトニトリル水溶液8mLで溶解し、少過剰量の炭酸カルシウムを分散させ、ヨウ化メチル0.6mLを滴下し、一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジエチルエーテル:n-ヘキサン=2:1)にて分離し、油状物304mg(収率71.1%)を得た。
(S)体 収率71.1% [α]D28 +11.3°(C 3.04 CHCl3)
(R)体 収率80.6% [α]D26 -10.3°(C 2.58 CHCl3)
【0088】
【化30】

【0089】
(iii)光学活性なジンゲロール誘導体の合成
アルゴンガス雰囲気下、(ii)で合成したケトアルコール304mg(0.69mmol)をテトラヒドロフラン6mlに溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオリド1.4mlを滴下し、室温で4時間撹拌した。反応混合物に水を加えて反応を停止し、エーテルで抽出後、飽和食塩水でエーテル層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧下で留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=4:1)にて分離し、油状物163mg(収率72.4%)を得た。
(S)体 収率72.4% [α]D26 +12.4°(C 1.63 CHCl3)
(R)体 収率77.0% [α]D27 -11.7°(C 1.46 CHCl3)
【0090】
【化31】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、R1は水酸基の保護基を示し、*は不斉炭素原子を示す)
で表されるジチアンエポキシ化合物に、一般式(2a)
【化2】

(式中、R2は炭素数2〜12の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示す)
で表されるグリニヤール試薬、又は一般式(2b)
【化3】

(式中、R2は前記と同じ)
で表される有機リチウム試薬を反応させて、一般式(3)
【化4】

(式中、R1、R2及び*は前記と同じ)
で表されるジチアンアルコールを得、次いでこれを加水分解して一般式(4)
【化5】

(式中、R1、R2及び*は前記と同じ)
で表されるケトアルコールを得た後、当該ケトアルコールの水酸基の保護基を脱離させることを特徴とする、一般式(5)
【化6】

(式中、R2及び*は前記と同じ)
で表されるジンゲロール類の製造法。
【請求項2】
一般式(1)で表されるジチアンエポキシ化合物が、一般式(6)
【化7】

(式中、R1は水酸基の保護基を示す)
で表されるジチアン化合物にエピハロヒドリンを反応させることにより得られるものである請求項1記載の製造法。
【請求項3】
一般式(1)
【化8】

(式中、R1は水酸基の保護基を示し、*は不斉炭素原子を示す)
で表されるジチアンエポキシ化合物。
【請求項4】
一般式(3)
【化9】

(式中、R1は水酸基の保護基を示し、R2は炭素数2〜12の炭化水素基を示し、*は不斉炭素原子を示す)
で表されるジチアンアルコール。

【公開番号】特開2010−83832(P2010−83832A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256349(P2008−256349)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】