説明

スイッチのチャタリング抑制方法、開閉スイッチ、および冷蔵庫の扉開閉回数計

【課題】開閉スイッチにおいて、回路やソフトウェアルゴリズムを追加することなくチャタリングを防止できる技術の提供
【解決手段】 本発明のチャタリング抑制方法は、機械的に同時に駆動される複数のスイッチ回路を並列接続することによって、開閉時のチャタリングの発生を抑制する。本発明の開閉スイッチは、機械的な開閉スイッチを構成する一対の電極のうちの少なくとも何れか一方の電極の先を二股以上の複数の分岐電極片に分岐させ、複数の分岐電極片を並列接続する。本発明の冷蔵庫の扉開閉回数計は、冷蔵庫の本体もしくは扉に吸着し得る磁石もしくは吸盤を備えたケースに、冷蔵庫の扉の開閉操作に応じてオンオフ動作する開閉センサと、開閉センサのオンオフ動作に基づいて扉の開閉回数を積算する積算手段と、積算手段にて積算される開閉回数を表示する表示手段とを備え、開閉センサは、扉の開閉に連動して機械的に同時に駆動される複数のスイッチ回路を並列接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な設定を開閉するように構成された開閉スイッチに関し、特には、開閉時のチャタリングを抑制する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リレーやスイッチなどのメカニカルな接点で信号をオン/オフ制御する電気的な開閉スイッチの操作においては、チャタリングという現象が発生しやすいことが知られている。
チャタリングとは、例えば、接点がオフからオンになるとき、一気にオンになるのではなく、オン→オフ→オン→オフ・・・と、何回か繰り返してからオンになるという現象である。スイッチを操作して接点をバネにより対向する電極に押し当てたとき、接点は開閉のサイクルを数回繰り返す「接点バウンス」という状態を経てから、最終的なオン状態へ移行し、導通を確保する。このような接点バウンスは、ミリ秒単位の短時間で消滅する現象であるが、機械式スイッチや電磁リレーの後段に接続した電子回路は応答性が良いため、短時間で繰り返されるオンオフに基づいた信号が入力されるので、前記電子回路の誤動作の一因となるなど、回路に何らかの悪影響を与えてしまう可能性がある。
そこで、従来より、そのようなチャタリングを防止するために、RSフリップフロップ回路や、シュミットトリガ回路、あるいは、ソフトウェアによる処理が採用されている。
【0003】
アナログ回路の場合は、
チャタリングにより電磁ノイズの発生や高電圧サージノイズの発生が懸念されるため、CR積分回路を接続して、電磁ノイズや高電圧サージノイズを吸収・低減する手法が採用されることがある。
デジタル回路の場合は、
チャタリングによるオンオフ信号は、何らかの意味のあるデジタル信号と解釈されて誤動作することがあるため、チャタリングの発生が予測される期間においては、その期間内には信号の入力を行わないようにする信号遅延回路やデジタルフィルタ回路または積分回路の後段にシュミットトリガ回路を組み込んでチャタリングを含まないデジタル信号波形を再形成させるなどして対応する場合がある。
例えば、特許文献1には、スイッチの出力信号をラッチして出力するラッチ回路と、上記スイッチの出力信号とラッチ回路の出力信号とを比較する比較回路と、上記比較回路の出力信号が不一致を表わす所定レベルとなったときトリガされる再トリガ形単安定マルチバイブレータとを有し、上記マルチバイブレータがトリガにより準安定状態となった後、安定状態に復帰するときの出力信号のエッジで上記ラッチ回路のラッチを行なうことを特徴とするチャタリング防止回路が開示されている。
また、ソフトウェアによる処理方法としては、
オン状態が一定時間継続したときにはじめてオンと判定し、オフ状態が一定時間継続したときにはじめてオフと判定するアルゴリズムが採用される場合がある。このようなアルゴリズムの採用によりチャタリングの発生が予測される期間を読み捨てして、安定した状態になってからオンオフの状態を読み取るようにすることができるのである。
【0004】
【特許文献1】特開平6−104703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようなチャタリング防止技術では、CR積分回路やシュミットトリガ回路や信号遅延回路等を必要としたり、ラッチ回路と比較回路と再トリガ形単安定マルチバイブレータの回路を必要とするため装置全体のハードウエア規模が増大するという問題があり、また、チャタリング防止のためのソフトウェアルゴリズムを追加しなければならないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、回路やソフトウェアルゴリズムを追加することなく、開閉スイッチの接点の接続方法もしくは接点の形態を工夫することにより、チャタリングを防止できる技術の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1のチャタリング抑制方法は、
機械的に同時に駆動される複数のスイッチ回路を備えた開閉スイッチを用いるチャタリング抑制方法であって、
前記複数のスイッチ回路を並列接続することによって、
開閉時のチャタリングの発生を抑制することを特徴としている。
請求項2の開閉スイッチは、
機械的な開閉スイッチを構成する一対の電極のうちの少なくとも何れか一方の電極の先を二股以上の複数の分岐電極片に分岐させ、
前記複数の分岐電極片を並列接続することによって、開閉時のチャタリングの発生を抑制したことを特徴としている。
請求項3の冷蔵庫の扉開閉回数計は、
冷蔵庫の本体もしくは扉に吸着し得る磁石もしくは吸盤を備えたケースと、
冷蔵庫の扉の開閉操作に応じてオンオフ動作する開閉センサと、
開閉センサのオンオフ動作に基づいて扉の開閉回数を積算する積算手段と、
積算手段にて積算される開閉回数を表示する表示手段とを備えるとともに、
前記開閉センサは、
扉の開閉に連動して機械的に同時に駆動される複数のスイッチ回路を備えた開閉スイッチを用い、前記複数のスイッチ回路を並列接続することによって扉の開閉時のチャタリングの発生を抑制するように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1にかかるチャタリング抑制方法によれば、
機械的に同時に駆動される複数のスイッチ回路を備えた開閉スイッチを用いるチャタリング抑制方法で、前記複数のスイッチ回路を並列接続することによって、開閉時のチャタリングの発生を抑制するので、
CR積分回路やシュミットトリガ回路や信号遅延回路等の回路やソフトウェアを追加することなく、チャタリングの発生を抑制することができる。
請求項2の開閉スイッチによれば、
機械的な開閉スイッチを構成する一対の電極のうちの少なくとも何れか一方の電極の先を二股以上の複数の分岐電極片に分岐させ、
前記複数の分岐電極片を並列接続することによって、開閉時のチャタリングの発生を抑制しているので、
CR積分回路やシュミットトリガ回路や信号遅延回路等の回路やソフトウェアを追加することなく、チャタリングの発生を抑制することができる。
請求項3の冷蔵庫の扉開閉回数計は、
冷蔵庫の本体もしくは扉に吸着し得る磁石もしくは吸盤を備えたケースと、
冷蔵庫の扉の開閉操作に応じてオンオフ動作する開閉センサと、
開閉センサのオンオフ動作に基づいて扉の開閉回数を積算する積算手段と、
積算手段にて積算される開閉回数を表示する表示手段とを備えるとともに、
前記開閉センサは、
扉の開閉に連動して機械的に同時に駆動される複数のスイッチ回路を備えた開閉スイッチを用い、前記複数のスイッチ回路を並列接続することによって扉の開閉時のチャタリングの発生を抑制するように構成したので、
どの冷蔵庫にも簡単に吸着させて使用することができる。
そして、前記扉開閉回数計を冷蔵庫の扉に吸着させておけば、毎日の扉の開閉回数が目視確認できるので、レコーディングダイエット方法による体重減少と同様に、自然に冷蔵庫の開閉を控えるようになる効果が期待でき、一般家庭における自然で無理のない省エネ・エコ活動を推進することが期待できる。
また、冷蔵庫の本体に内蔵された回数計ではなく、どの冷蔵庫にも使用できる後付けタイプの扉開閉回数計であるので、冷蔵庫を買い換えることなく、使用中の冷蔵庫はそのままで、上述したような一般家庭における自然で無理のない省エネ・エコ活動を推進することが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明にかかるチャタリング抑制方法を実施した開閉スイッチ(単極双投スイッチ)を、その実施の形態を示した図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、単極双投スイッチを用いたチャタリング抑制方法を説明する図である。
図1において、
この単極双投スイッチ1は、第1スイッチ回路11と第2スイッチ回路12とが機械的に連動して同時に駆動されるように構成されている。前記第1スイッチ回路11は、可動側の電極11Aと固定側の電極11Bとから構成され、前記第2スイッチ回路12は、可動側の電極12Aと固定側の電極12Bとから構成されている。
【0010】
本発明に係るチャタリング抑制方法では、前記第1スイッチ回路11と第2スイッチ回路12とを並列接続して用いる。すなわち、図1に示したように、2つの可動側の電極11Aと12Aとを接続して例えば抵抗Rを介して接地し、2つの固定側の電極11Bと12Bとを接続して例えば直流印加電圧+Vに接続する。
このように接続した状態で、前記単極双投スイッチ1をオフからオンに操作すると、チャタリングを考慮しない場合は、2つのスイッチ回路11、12がほぼ同時にオフからオンになり、前記抵抗Rには前記直流電圧+Vが印加され、端子Cの電圧は+Vとなる。また、前記単極双投スイッチ1をオンからオフに操作すると、チャタリングを考慮しない場合は、2つのスイッチ回路11、12がほぼ同時にオンからオフになり、前記抵抗Rには前記直流電圧+Vが印加されない状態となり、端子Cの電圧は0となる。
【0011】
しかし、実際には、前記単極双投スイッチ1をオフからオンに切り換える場合も、オンからオフに切り換える場合も、前記2つのスイッチ回路11、12は両方とも短期間ではあるがチャタリングによって短時間でオンオフを繰り返す。
しかし、本発明によれば、図1に示したように、第1スイッチ回路11と第2スイッチ回路12とを並列接続したので、2つのスイッチ回路11、12は論理的にはOR回路を構成することになる。
従って、前記単極双投スイッチ1を1つのスイッチと考えると、そのスイッチで発生するチャタリングは、2つのスイッチ回路11、12がそれぞれ単体でチャタリングが発生してオンオフを繰り返している状態であっても、それぞれのスイッチ回路の接点バウンス現象は確率現象であるため、たとえ並列接続された両方の接点が同一材質・同一構造であっても、それらのバウンスは、ノイズ波と同様に、独立あるいは同期していても、位相は異なるものと考えられる。
したがって、並列接続によるバウンス動作の論理和効果により、2つのスイッチ回路11、12における単独のバウンス動作よりも、論理和されたバウンスの回数あるいは発生密度は必ず減少することになる。
よって、前記単極双投スイッチ1としてはチャタリングの発生が大幅に抑制されることになる。
【0012】
並列接続された2つのスイッチ回路の正常動作率をスイッチの接続確率で表現すると、図2に示したように、
第1スイッチ回路11のスイッチオン動作率をP1on、第2スイッチ回路12のスイッチオン動作率をP2on、単極双投スイッチ1のスイッチオン動作率をPon、とすると、次のように表現できる。(ただし、0<P1on<1、0<P2on<1)
【数1】

したがって、
【数2】

となる。
すなわち、前記単極双投スイッチ1としてはチャタリングの発生が単体のスイッチより抑制されることになる。
【0013】
並列接続された2つのスイッチ回路のそれぞれの個別のオンオフ状態と、前記単極双投スイッチ1における端子Cの電圧の状態を図3に示して説明する。
図3の(A)は、第1スイッチ回路11の接点のオンオフ状態を示し、
図3の(B)は、第2スイッチ回路12の接点のオンオフ状態を示し、
図3の(C)は、単極双投スイッチ1における端子Cの電圧の状態を示したものである。
図3の(A)と(B)のオンオフ状態は、完全に一致していることはないので、並列接続による論理和効果によって、図3の(C)は、図3の(A)と(B)の何れよりもオンオフの回数が減少し、オン状態の幅が増えている。
このように、単極双投スイッチ1としてはチャタリングが抑制されるのである。
【0014】
図4に示したように、双投スイッチに限らず、同時に動作する3投以上のスイッチ回路を備えたスイッチの場合には、さらに優れたチャタリング抑制効果が得られる。
【0015】
図5に示したように、単極双投スイッチ5の内部において、2つのスイッチ回路51,52を、内部の渡り配線53,54で並列接続しておくと、外部の接続でわざわざ並列接続にしなくても、本発明によるチャタリング抑制効果が得られる。
【0016】
以上の形態においては、複数のスイッチ回路を並列接続する形態を説明したが、図6に示したように、(A)のように1つのスイッチ回路6であっても、(B)のように、その可動側の接点61の先をフォーク状に分岐して複数のサブ接点611、612、613・・・を形成し、これらのサブ接点を根元部で接続することによって、並列接続状態を実現してもよい。この場合には、前記複数のサブ接点が機械的に同時に固定側の接点62に押し当てられるときにバウンスして個別のサブ接点ではチャタリングが発生しても、複数のサブ接点どうしの論理和効果によって、図1、2、3、4と同様のチャタリング抑制効果が得られる。
【0017】
複数のスイッチ回路の接点または、複数のサブ接点の何れかの材質もしくは弾性を他と異なるものとし、さらにチャタリング抑制効果を高めることもできる。
【実施例1】
【0018】
以下に、本発明のチャタリング抑制方法を採用したスイッチ回路を用いて、冷蔵庫の扉の開閉回数を計数するように構成した装置を説明する。
図7の(A)は、通常の冷蔵庫7の扉71に、着脱式の扉開閉回数計8を装着した状態の斜視図である。この扉開閉回数計8は、マイクロスイッチによる開閉センサ81と、電源部と積算手段と表示手段をケースに内蔵した表示部83とを備えている。図7の(B)は、前図の要部の一部拡大平面図である。
図7の(A)、(B)に示したように、前記扉71の例えば上縁に開閉センサ81を取り付け、前記扉71の前面には表示手段を備えた前記表示部83を磁石などで装着し、前記冷蔵庫7の本体70には、前記開閉センサ81の接点操作部を押圧するスイッチ押し板72を取り付けている。前記扉71を閉じると、前記スイッチ押し板72が、前記開閉センサ81の接点操作部を押圧して接点を例えば開から閉へ切り換える。そして、前記扉71を開くと、前記スイッチ押し板72が、前記開閉センサ81の接点操作部から離れて接点を例えば閉から開へ切り換える。前記開閉センサ81の接点部分には、本発明に係るチャタリング抑制方法が応用されており、具体的には、前記開閉センサ81の接点の先を複数に分岐させて複数のサブ接点を構成し、これらのサブ接点の論理和効果によりチャタリングを抑制するように構成されているので、扉71の開閉時におけるチャタリングが抑制され、簡単な回路構成で正確な開閉回数の計数が可能となる。
【0019】
図8は、前記扉開閉回数計8の構成例を示したものであり、(A)に示したように、ケースの表面には表示部83が配設され、内部には電源部と積算手段と表示手段等が収納され、裏面には磁石85が配設されている。なお、開閉センサ81も内蔵してもよい。
(B)に示したように、扉開閉回数計8のケース内には、開閉センサ81と積算手段82と表示手段83と電源部84とが収納され、前記表示部83はこのケースの表面に配設されている。
前記開閉センサ81の接点には、本発明に係るチャタリング抑制方法が応用されており、具体的には、前記開閉センサ81の接点の先を複数に分岐させて複数のサブ接点を構成し、これらのサブ接点の論理和効果によりチャタリングを抑制するように構成されている。
【0020】
このようにして、前記扉開閉回数計8を冷蔵庫の扉に吸着させておけば、毎日の扉の開閉回数が目視確認できるので、レコーディングダイエット方法による体重減少と同様に、自然に冷蔵庫の開閉を控えるようになる効果が期待でき、一般家庭における自然で無理のない省エネ・エコ活動を推進することが期待できる。
また、冷蔵庫の本体に内蔵された回数計ではなく、どの冷蔵庫にも使用できる後付けタイプの扉開閉回数計8であるので、冷蔵庫を買い換えることなく、使用中の冷蔵庫はそのままで、上述したような一般家庭における自然で無理のない省エネ・エコ活動を推進することが期待できる。
【0021】
前記扉開閉回数計8は、既に購入してある冷蔵庫に磁石や吸盤で取り付けられるので、どのメーカの冷蔵庫にも手軽に取り付けられる。
しかも、取り付けは磁石や吸盤で容易に実行できるので、一般家庭の主婦や子供でも簡単に冷蔵庫に取り付けることができる。
内部の回路構成も、簡単なカウンタと液晶ディスプレイで実現できるので、低コストで提供できる。
【0022】
前記扉開閉回数計8を用いることによって、自然に冷蔵庫の扉の開閉回数を減らすことができる。このように冷蔵庫の扉の開閉回数を少なくすることによって得られる一般家庭における諸効果は、以下の計算条件では、経済的効果=421円/年、消費エネルギー削減率=2%/年、CO2削減量=6.5Kg/年である。
計算条件:
<基準値>周囲温度25℃、設定強度中で標準詰め込み量Aを入れ、設定強度を強とした場合の年間消費電力量。
<削減率>JIS開閉試験の2倍回数開閉を行った場合と、JIS開閉試験を行った場合の1日あたりの消費電力量を測定し、省エネ効果を算出。
*JIS開閉試験:冷蔵室は12分毎に25回、冷凍室は40分毎に8回で、開閉時間はいずれも10秒、開閉角度は60°とする。
(出典:省エネルギー新ライフスタイルチェック25及び省エネライフスタイルチェック25・省エネ行動実施時のエネルギー消費削減率調査報告書、平成13年3月、財団法人省エネルギーセンター)
【0023】
前記開閉センサ81の構造としては、図9の(A)に示すように、水平方向の加速度の変化で移動可能な錘91で、接点92をオンオフ作動するように構成してもよい。
また、図9の(B)に示した要部拡大平面図のように、扉71にリードスイッチ93を配設し、冷蔵庫7の本体70に磁石片94を配設し、扉71を閉じたときに、前記磁石片94が前記リードスイッチ93の接点の一対の磁性体を磁化して相互に吸着して導通状態になり、扉71を開いたときに、前記磁石片94が前記リードスイッチ93から離れて一対の磁性体の吸着状態を解除して非導通状態にするように構成してもよい。前記リードスイッチ93の接点には、本発明に係るチャタリング抑制方法が応用されており、具体的には、前記リードスイッチ93の接点の先を複数に分岐させて複数のサブ接点を構成し、これらのサブ接点の論理和効果によりチャタリングを抑制するように構成されている。
また、冷蔵庫の本体と扉との間に圧力センサによる開閉スイッチを配設してもよい。
また、開閉スイッチは扉の軸の近傍に装着してもよい。
また、開閉スイッチは、扉ではなく、冷蔵庫本体側に装着して、扉の開閉で、本体側に設けた開閉センサのリミットスイッチ部が操作されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明にかかる本発明にかかるチャタリング抑制方法を実施した開閉スイッチ(単極双投スイッチ)の構成図である。
【図2】本発明によるチャタリング抑制方法を説明する説明図である。
【図3】本発明によるチャタリング抑制方法を説明する説明図である。
【図4】本発明による開閉スイッチの1例を示す図である。
【図5】本発明による開閉スイッチの他の1例を示す図である。
【図6】本発明による開閉スイッチの他の1例(サブ接点)を示す図である。
【図7】本発明の実施例としての冷蔵庫の扉開閉回数計の設置例を示す図である。
【図8】前記冷蔵庫の扉開閉回数計の内部構成を示す図である。
【図9】前記冷蔵庫の扉開閉回数計の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1 単極双投スイッチ
11 第1スイッチ回路
12 第2スイッチ回路
11A 可動側の電極
11B 固定側の電極
12A 可動側の電極
12B 固定側の電極
6 スイッチ回路
61 可動側の接点
611、612、613・・・サブ接点
62 固定側の接点
7 冷蔵庫
70 本体
71 扉
72 スイッチ押し板
8 扉開閉回数計
81 開閉センサ
82 積算手段
83 表示手段
84 電源部
85 磁石
91 錘
92 接点
93 リードスイッチ
94 磁石片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的に同時に駆動される複数のスイッチ回路を備えた開閉スイッチを用いるチャタリング抑制方法であって、
前記複数のスイッチ回路を並列接続することによって、
開閉時のチャタリングの発生を抑制することを特徴とするスイッチのチャタリング抑制方法。
【請求項2】
機械的な開閉スイッチを構成する一対の電極のうちの少なくとも何れか一方の電極の先を二股以上の複数の分岐電極片に分岐させ、
前記複数の分岐電極片を並列接続することによって、開閉時のチャタリングの発生を抑制したことを特徴とする開閉スイッチ。
【請求項3】
冷蔵庫の本体もしくは扉に吸着し得る磁石もしくは吸盤を備えたケースと、
冷蔵庫の扉の開閉操作に応じてオンオフ動作する開閉センサと、
開閉センサのオンオフ動作に基づいて扉の開閉回数を積算する積算手段と、
積算手段にて積算される開閉回数を表示する表示手段とを備えるとともに、
前記開閉センサは、
扉の開閉に連動して機械的に同時に駆動される複数のスイッチ回路を備えた開閉スイッチを用い、前記複数のスイッチ回路を並列接続することによって扉の開閉時のチャタリングの発生を抑制するように構成されていることを特徴とする冷蔵庫の扉開閉回数計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−118281(P2010−118281A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291633(P2008−291633)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(504255685)国立大学法人京都工芸繊維大学 (203)
【Fターム(参考)】