説明

スイッチの製造方法

【課題】部品加工コストやスイッチ製造コストを抑制して、種々のスイッチング作動特性のスイッチを製造できるようにする。
【解決手段】プランジャ17のスナップバネ係止点pと、常閉側固定端子19に接合された可動端子20のスナップバネ係止qとの距離PTが設定値となるように固定片を段差曲げして常閉側固定端子19とする工程と、常閉側固定端子19を、ケース15の第1組付け基準面S1に組み付ける工程と、組み付けた常閉側固定端子19に接触する可動端子20における常開側の接点表面と、ケース15における常開側固定端子18の第2組付け基準S2との距離を計測する工程と、組み付けた常開側固定端子18と、常閉側固定端子19に接触する可動端子20との接点間隔が設定値になるように固定片を段差曲げして常開側固定端子18とする工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動端子をスナップ作動変位させて固定端子への接離を行うスイッチング機構をケースに組み付けてなるスイッチの製造方法に係り、詳しくは、復帰バネで復帰付勢されるとともに外部からの操作によって変位移動されるプランジャと、プランジャの変位方向に移動可能な可動端子と、プランジャと可動端子に亘って係止装着されるスナップバネと、可動端子に対向して配置される常開側固定端子と常閉側固定端子と、をケースに組み付けてなるスイッチの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
代表的なスイッチの一例であるリミットスイッチとしては、揺動レバー式のアクチュエータによって回動される操作軸の回動を操作プランジャの直線変位に変換し、この操作プランジャの変位で内蔵スイッチに備えられたプランジャを押し込み変位させ、プランジャの変位によってスイッチング機構を切換え作動させるように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−135780号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかるスイッチにおいては、リミットスイッチとしてのアクチュエータの仕様やユーザの要求する仕様(感度、精度)等によって種々のスイッチング作動特性に設定することが要求されるものであり、従来では、このような要求に対応するために、スイッチング機構を構成する部品、例えば、スナップバネが係止されたプランジャを交換したり、可動端子に対向して配備される固定端子を、要求されるスイッチング作動特性をもたらす寸法形状に加工している。
【0004】
従来では、種々のスイッチング作動特性をもたらす固定端子を得るために専用の加工金型を用いており、このために、スイッチング作動特性の異なるスイッチを製造するために、要求されるスイッチング作動特性に応じて金型を交換したり、スイッチング作動特性ごとの製造ラインを構築する、等の手段が採用されており、部品加工コストやスイッチ製造コストが高くなる一因となるものであった。
【0005】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、部品加工の合理化を図ることで、部品加工コストやスイッチ製造コストを抑制して、種々のスイッチング作動特性のスイッチを製造することができる方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明のスイッチの製造方法は、復帰バネで復帰付勢されるとともに外部からの操作によって変位移動されるプランジャと、プランジャの変位方向に移動可能な可動端子と、プランジャと可動端子とに亘って係止装着されるスナップバネと、可動端子に対向して配置される常開側固定端子と常閉側固定端子と、をケースに組み付けてなるスイッチの製造方法であって、前記常開側固定端子または常閉側固定端子の一方の固定端子に対応する固定片を、曲げ加工して前記一方の固定端子とする第1の工程と、前記一方の固定端子をケースに組み付ける第2の工程と、前記一方の固定端子をケースに組み付けた状態で、所要箇所の距離を計測する第3の工程と、計測した距離に基づいて、前記常開側固定端子または常閉側固定端子の他方の固定端子に対応する固定片を、曲げ加工して前記他方の固定端子とする第4の工程とを含んでいる。
【0007】
本発明によると、固定片を曲げ加工して常閉側または常開側の一方の固定端子を得て、この一方の固定端子をケースに組み付けて、所要箇所の距離を計測し、計測した距離に基づいて、固定片を曲げ加工して他方の固定端子とするので、常閉側および常開側の各固定端子の曲げ加工量を調整することにより、所望のスイッチング作動特性を示すスイッチを製造することができる。
【0008】
(2)本発明のスイッチの製造方法の一つの実施形態では、前記一方の固定端子が常閉側固定端子であり、前記他方の固定端子が常開側固定端子であり、前記第1の工程では、復帰位置にある前記プランジャのスナップバネ係止点と、常閉側固定端子に接触する可動端子のスナップバネ係止点とのプランジャ変位方向での距離であるスナップ作動距離が設定値となるように、前記固定片を曲げ加工して常閉側固定端子とし、前記第2の工程では、曲げ加工された常閉側固定端子を、ケースの第1組付け基準面に位置決めして組み付け、前記第3の工程では、組み付けた常閉側固定端子に接触する可動端子における常開側の接点表面と、ケースにおける常開側固定端子の第2組付け基準面との距離を、前記所要箇所の距離として計測し、前記第4の工程では、前記第2組付け基準面に位置決めして組み付けた常開側固定端子の接点表面と、常閉側固定端子に接触した可動端子の常開側の接点表面との間隔が設定値になるように、前記固定片を曲げ加工して常開側固定端子とするものである。
【0009】
この実施形態によると、第1の工程によって、スナップ作動距離、すなわち、プランジャが復帰位置からスナップ作動位置まで変位する距離が設定値となるよう成形した常閉側固定端子を得ることができる、すなわち、スイッチのPT(Pre Travel:動作までの動き)特性を調整することができる。
【0010】
また、曲げ加工した常閉側固定端子をケースに組み付けて、可動端子における常開側の接点表面とケースにおける常開側固定端子の第2組付け基準面との距離を実測することで、次の第4の工程で必要な寸法情報を、製作誤差を除いた精度の高いものとして得ることができる。
【0011】
そして、第4の工程では、可動端子が常閉固定端子に接触する位置から常開側固定端子に接触する位置までの間隔が設定値となるよう成形した常開側固定端子を得ることができ、要求されるスナップ作動距離と可動端子移動間隔に応じた曲げ加工を行うことで、スイッチのMD(Movemental Differential:応差の動き)特性を調整して、所望のスイッチング作動特性をもたらすスイッチを製造することができる。
【0012】
第1の工程および第4の工程における曲げ加工は、従来のように、スナップバネが係止装着されたプランジャを交換することなく、すなわち、スナップバネ係止点の位置を変えることなく、両固定端子の曲げ加工量を調整して、所望のスイッチング作動特性をもたらすことができる。
【0013】
(3)上記(2)の実施形態では、前記第1の工程および前記第4の工程では、前記固定片の一方側の両面と他方側の両面とを、それぞれ挟み付けて相対移動させることにより、その段差面が平行になるように段差曲げ加工するのが好ましい。段差曲げ加工は、平らな固定片の長手方向の一方側の両面を隙間無く密接して挟み付ける第1の挟み付け部材と、前記平らな固定片の他方側の両面を前記第1の挟み付け部材の挟み付け力よりも弱い挟み付け力で隙間無く密接して挟み付ける第2の挟み付け部材とを備え、前記両挟み付け部材を段差曲げ加工の開始から終了まで前記隙間無く密接して挟み付けた状態を保持して段差曲げ方向に平行に相対移動させることができる段差曲げ装置を用いて行なうのが好ましい。
【0014】
かかる段差曲げ装置を用いて、平らな固定片の一方側を一方の挟み付け部材で強く挟み付けて固定し、平らな固定片の他方側を他方の挟み付け部材で弱い力で挟み付けた状態で両挟み付け部材を段差曲げ高さに対応して相対移動させることにより、一方側と他方側との段差面を平行に保った段差曲げが可能となる。
【0015】
この実施形態によると、各固定片を、その一方側と他方側との段差面が平行になるように段差曲げ加工して、常閉側固定端子あるいは常開側固定端子とするので、段差曲げ加工量を調整することにより、所望のスイッチング作動特性をもたらすスイッチを製造することができる。
【0016】
(4)上記(2)または(3)の実施形態では、前記第1の工程および前記第4工程における前記設定値が、要求されるスイッチング特性に応じた値とするのが好ましい。
【0017】
この実施形態によると、要求される種々のスイッチング特性に応じた設定値で曲げ加工することより、従来のように、金型を交換したり、スイッチング作動特性ごとの製造ラインを構築するといったことが不要となる。
【0018】
(5)上記(2)〜(4)のいずれかの実施形態では、前記第1の工程では、復帰位置にある前記プランジャのスナップバネ係止点と、ケースにおける前記第1組付け基準面とのプランジャ変位方向での距離から、可動端子におけるスナップバネ係止点と可動端子の常閉側接点表面とのプランジャ変位方向での距離と、前記スナップ作動距離と、常閉側固定端子の板厚および接点厚さとをそれぞれ差し引いた値を曲げ加工の加工量としてもよい。
【0019】
この実施形態によると、設計上のケース寸法、可動端子の寸法、等の設計数値と、要求されるスナップ作動距離が決まれば、常閉側固定端子を曲げ加工する際の加工量を算出することができ、この算出値を、例えば、自動段差曲げ装置に入力することで、所望のスイッチング作動特性をもたらす常閉側固定端子の量産を行うことができる。
【0020】
(6)上記(2)〜(5)のいずれかの実施形態では、前記第4の工程では、前記第3の工程で計測された前記距離から、常開側固定端子の接点表面と可動端子の常開側接点表面との間隔の設定値と、常開側固定端子の板厚および接点厚さとをそれぞれ差し引いた値を曲げ加工量としてもよい。
【0021】
この実施形態によると、設計上の各数値と、スイッチング作動特性に関わる間隔設定値が決まれば、常開側固定端子を曲げ加工する際の加工量を算出することができ、この算出値を、例えば、自動段差曲げ装置に入力することで、所望のスイッチンッグ作動特性をもたらす常開側固定端子の量産を行うことができる。
【0022】
(7)上記(2)〜(6)のいずれかの実施形態では、前記第3の工程では、ケースに常閉側固定端子および可動端子を組み付けて撮像し、その画像から、常閉側固定端子に接触する可動端子における常開側の接点表面と、ケースにおける前記第2組付け基準面との距離を計測してもよい。
【0023】
この実施形態によると、小型の内蔵スイッチおけるスイッチング機構の内部における寸法を、特殊な計測治具などを必要とすることなく精度良く計測することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、部品加工の合理化を図ることで、要求される作動特性ごとに、スナップパネが係止装着されたプランジャを交換したり、金型を用意して交換したり、あるいは、作動特性ごとの専用の製造ラインを構築する必要がなくなり、部品加工コストや製造コストを抑制して所望の作動特性のスイッチを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1に、本発明方法を適用し製造したスイッチの一例であるリミットスイッチの外観斜視図が、図2にその正面図が、また、図3にその縦断した側面図がそれぞれ示されている。
【0027】
このリミットスイッチは、内蔵スイッチ1をネジ連結したスイッチボディ2の上端に、操作アクチュエータとしての操作レバー3を左右に揺動操作可能に備えたヘッドケース4を連結して構成されている。
【0028】
前記スイッチボディ2は、前面が開放されるとともに、下端からコード引出し可能に構成された箱形に形成され、前面開口から組み込んだ内蔵スイッチ1をケース内奥面にネジ止め固定するよう構成されるとともに、その前面開口が脱着可能な前カバー5で閉塞されるようになっている。
【0029】
前記ヘッドケース4には、回動操作軸6が前後向き軸心周りに回動可能に防水支承され、この回動操作軸6の前方突出端に前記操作レバー3が締付けボルト7で連結固定されている。操作レバー3の先端部には、機械装置に備えられたドグやカムなどに当接するローラ8が装備されている。
【0030】
前記回動操作軸6のケース内部分は、図3に示すように、上下に向かう扁平カム部6aが切欠き形成され、この扁平カム部6aの上面に圧縮コイルバネ9で圧接される押圧部材10が上下スライド可能にヘッドケース4に装備されている。操作レバー3に操作外力が作用しない状態では、図示のように、押圧部材10の扁平下端面が扁平カム部6aの扁平上面に全面的に押圧当接されることで、扁平カム部6aが水平姿勢となる所定の初期中立位相に回動操作軸6が安定保持されて中立状態が保持される。操作レバー3を介して回動操作軸6に正方向あるいは逆方向への回動操作力が作用すると、水平姿勢から正方向あるいは逆方向に傾斜回動する扁平カム部6aによって押圧部材10を圧縮コイルバネ9に抗して押し上げながら回動操作軸6が回動し、その回動操作力が消滅すると押圧部材10による押圧によって回動操作軸6が元の初期中立位相まで復帰回動するようになっている。
【0031】
スイッチボディ2の上端部には、操作プランジャ11が上下動可能に防水支持されている。この操作プランジャ11の上端に取り付けられた操作片11aが回動操作軸6における前記扁平カム6aの扁平下面に弾性圧接されており、回動操作軸6が初期中立位相から正方向あるいは逆方向に回動されて扁平カム部6aが傾斜回動して操作プランジャ11が下方に押し込み操作されるようになっている。操作プランジャ11は下方に向けて開口された筒形に形成されており、その内部にはストローク吸収用の可動部材11bが上下動可能に内嵌装着さるとともに、これを下方に向けて押圧付勢するバネ12が組み込まれており、可動部材11bが初期変形されたバネ12で下限位置に付勢保持されている。更に、可動部材11bの下端部には当接操作部材11cがねじ込み装備されており、当接操作部材11cを進退調節することで、操作プランジャ11の押し込み変位に対して内蔵スイッチ1を当接操作するタイミングが調整できるようになっている。また、操作プランジャ11の下端と内蔵スイッチ1の上面との間にバネ13が介装されて、操作プランジャ11が上向きに復帰付勢されている。
【0032】
図4に、前記内蔵スイッチ1の斜視図が、図5にその正面図が、図6にその縦断側面図が、また、図7にその分解斜視図がそれぞれ示されている。
【0033】
内蔵スイッチ1は、ケース15に組み込んだスイッチング機構をケース15に上下スライド可能に装着したプランジャ17の上下変位によって切換え作動させるよう構成されており、このプランジ17がスイッチボディ2に支持された前記操作プランジャ11の上下作動によって当接操作されるようになっている。
【0034】
スイッチング機構には、ケース上部に圧入固定された左右一対の常開側固定端子18と、ケース下部に圧入固定された左右一対の常閉側固定端子19と、上下の固定端子18,9の間において前記プランジャ17に外挿された横長の可動端子20と、板バネ材を屈曲してなる左右一対のスナップバネ21と、プランジャ17を上方に復帰付勢するようケース下部に組み込まれた復帰バネ22が備えられている。
【0035】
可動端子20の左右箇所からは舌片20aが上方に切り出し突設されるとともに、プランジャ17の左右側面にはノッチ23が形成され、これら舌片20aとノッチ23に亘って前記スナップバネ21が弾性屈曲変形された状態で係止装着されている。
【0036】
上記構成のスイッチング機構によると、図5に示すように、プランジャ17に操作プランジャ11からの押し込み外力が作用していない中立状態では、上限位置にあるプランジャ17のスナップバネ係止点pが可動端子20のスナップバネ係止点qより高い位置にあるので、スナップバネ21の弾性復元力が舌片20aに斜め下方に向けて作用し、可動端子20は下方に弾性押圧されて常開側固定端子19に受け止められ、左右の常閉側固定端子19が導通接続された状態となる。
【0037】
操作プランジャ11を介してプランジャ17に押し込み力が作用すると、プランジ17は復帰バネ22に抗して下方に変位し、プランジャ17のスナップバネ係止点pが舌片20aのスナップバネ係止点qを下方に越えたとたん、舌片20aに作用するスナップバネ21の弾力復元力が斜め上向きに反転し、可動端子20は瞬時に上方変位して上方の常開側固定接点18に受け止められ、下方常閉側の固定端子19同士の導通が断たれるとともに、常開側固定端子18同士が導通接続される。そして、プランジャ17への押し込み操作が解除されると、復帰バネ22によってプランジャ17が上方に復帰変位するとともに、可動端子20に作用するスナップバネ21の弾性復元力が上向きから下向きに切換わって、常開側固定端子18同士の導通を断って常閉側固定端子19同士を導通する元の状態に戻される。
【0038】
内蔵スイッチ1におけるケース15の前面には、常開側固定端子18および常閉側固定端子19を外部装置の回路に配線接続するための端子台24,25が左右一対ずつ形成され、ここに常開側固定端子18および常閉側固定端子19が、図7に示すようにそれぞれ前面から位置決め圧入されている。ここで、端子台25の上面が常閉側固定端子19を位置決めする第1組付け基準面S1に、また、端子台24の下面が常開側固定端子18を位置決めする第2組付け基準面S2とされる。
【0039】
図6、図8および図9に示すように、常開側固定端子18および常閉側固定端子19にはそれぞれ配線接続部18a,19aが屈曲連設されて端子台24の前面に露出配備されるとともに、各配線接続部18a,19aには端子ネジ26を螺入するボス部18b,19bがバーリング加工によって背面側に突出形成されている。
【0040】
ここで、常開側固定端子18の端子台24は常閉側固定端子19の端子台25よりもケース前方に位置するよう形成されて、これに外嵌圧入された配線接続部18a,19aが前後に位置され、各配線接続部18a,19aにネジ連結される配線が干渉しないようになっている。
【0041】
上記内蔵スイッチ1におけるスイッチング作動特性を決める要素としては、プランジャ17が復帰位置にある状態におけるプランジャ17のスナップバネ係止点pと可動端子のスナップバネ係止点qとのプランジャ変位方向でのスナップ作動距離PT(Pre Travel)と、可動端子20の常開側接点20bと常開側固定端子18の接点18bとの間隔MD(Movemental Differential)があり、要求される各種のスイッチング作動特性を得るために、これらスナップ作動距離PTと間隔MDを調整して内蔵スイッチ1を製造することになる。
【0042】
スイッチング作動特性を調整して内蔵スイッチ1を製造する工程は、第1の工程、配線接続部加工工程、第2の工程としての組み付け工程、第3の工程としての計測工程、配線接続部加工工程、第4の工程とを含むものであり、以下に各工程について説明する。
【0043】
〔第1の工程〕
この工程では、図10に示される復帰位置にあるプランジャ17のスナップバネ係止点pと、常閉側固定端子19に接触する可動端子20のスナップバネ係止点qとのプランジャ変位方向での距離であるスナップ作動距離PTが目標とする設定値(例えば、0.5mm,1.0mm)となるように常閉側固定端子19が曲げ加工されて、PT特性が調整される。
【0044】
この曲げ加工は、例えば、図13に示すように、固定片の一方側の両面と他方側の両面とを、それぞれ挟み付けて相対移動させることにより、その段差面が平行になるような曲げ加工、すなわち、段差曲げ加工される。
【0045】
この段差曲げ加工における曲げ加工量αは以下のようにして算出される。図10に示すように、復帰位置にあるプランジャ17のスナップバネ係止点pと、ケース15における第1組付け基準面S1とのプランジャ変位方向での距離L1から、可動端子20におけるスナップバネ係止点qと可動端子20の常閉側接点表面とのプランジャ変位方向での距離L2、および、目標とするスナップ作動距離PTをそれぞれ差し引き、その算出値から常閉側固定端子19の板厚t1と接点厚さt2とを差し引いた値を段差曲げ加工の曲げ加工量αとする(α=L1−L2−PT−t1−t2)。
【0046】
常閉側固定端子19となる固定片の素材19sは、図12(a)に示すように、所定形状に形成された平板状の打ち抜き素材である。この平板状の素材19sを、図13に示すように、第1の挟み付け部材である下側クランプ31と上側のクランプ33とで挟み付ける一方、第2の挟み付け部材であるダイ32とパンチ34とで挟み付け、第2の挟み付け部材を、上昇させることによって、所望の曲げ加工量(段差)αで段差曲げ加工を行う。
【0047】
なお、段差曲げ加工については、更に後述する。
【0048】
〔配線接続部加工工程〕
図12(b)に示される段差曲げされた素材19sの前部にコの字形の屈折加工が加えられ、図12(c)に示すように、前部に配線接続部19aを備えた常閉側固定端子19が形成される。
【0049】
〔組み付け工程(第2の工程)〕
常閉側固定端子19は、図11に示すように、ケース15に形成された端子台25にコの字形の配線接続部19aを介して圧入されるとともに、可動端子20およびスナップバネ21が組み込まれ、可動端子20が常閉側固定端子19に接触した状態がもたらされる。この場合、常閉側固定端子19の基部が第1組付け基準面S1に接触することで、常閉側固定端子19のプランジャ変位方向での位置決めがなされる。
【0050】
〔計測工程(第3の工程)〕
この工程では、図10および図11に示す常閉側固定端子19に接触した可動端子20における常開側の接点表面と、ケース15における常開側固定端子18の第2組付け基準面S2との距離L3が計測される。
【0051】
端子台25に組み付けられた常閉側固定端子19に可動接点20を接触させた状態を側方あるいは前方から撮像し、その画像から、可動端子20における常開側の接点表面と前記第2組付け基準面S2との距離L3を計測する。
【0052】
〔配線接続部加工工程〕
常開側固定端子18となる固定片の素材18sも、図14(a)に示すように、所定形状に形成された平板状の打ち抜き素材であり、先ず、素材18sの前部に配線接続部18aの屈折加工が施され、図14(b)に示すような中間素材18s’の状態で次の第4の工程に移行する。
【0053】
〔第4の工程〕
この工程では、組み付けた常開側固定端子18と、常閉側固定端子19に接触した可動端子20の対向する接点同士の間隔MDが要求される値(例えば、0.5mm,0.8mm)になるように常開側固定端子18が段差曲げ加工されて、MD特性が調整される。
【0054】
この段差曲げ加工における曲げ加工量βは以下のようにして算出される。すなわち、図10に示すように、先の計測工程で計測された前記距離L3から、要求される間隔MD、常開側固定端18の板厚t3、および、接点厚さt4とをそれぞれ差し引いた値を段差曲げ加工の段差量βとする(β=L3−MD−t3−t4)。
【0055】
図15(a)に示すように、配線接続部18aを前部に備え中間素材18s’を、第1の挟み付け部材である下側クランプ31と上側のクランプ33とで挟み付ける一方、第2の挟み付け部材であるダイ32とパンチ34とで挟み付け、第2の挟み付け部材を、上昇させることによって、所望の曲げ加工量(段差)βで段差曲げ加工を行い、図14(c)に示す常開側固定端子18を形成する。
【0056】
この常開側固定端子18を組み付けることにより、所望のスイッチング作動特性の内蔵スイッチ1を得ることができる。
【0057】
次に、段差曲げ装置による段差曲げ加工について、更に詳細に説明する。
【0058】
図16ないし図21は、段差曲げ装置による段差曲げ加工を示す概略構成図である。
【0059】
装置台40上に第1の挟み付け部材41が配備されている。第1の挟み付け部材41は上下一対のクランプ33,31から構成されている。両クランプ33,31は互いの対向面(挟み付け面)を対向させて上下に配置されており、第1駆動部42により上側のクランプ33が上下方向に駆動されて平らな固定片43の長手方向の一方側43aの両面を隙間無く密接に挟み付けて固定することができるようになっており、クランプ31には、固定接点44に応じた凹部が形成されている。
【0060】
装置台40上には第2の挟み付け部材45が配備されている。第2の挟み付け部材45は上側のパンチ34と下側のダイ32とから構成されている。このパンチ34とダイ32は第2駆動部46により個別に上下方向に移動して固定片43の他方側43bを隙間無く密接に挟み付けることができるようになっている。
【0061】
この場合、第1の挟み付け部材41による平らな固定片43の一方側43aの両面の挟み付け力は強く、第2の挟み付け部材45による平らな固定片43の他端側43bの両面の挟み付け力は弱く設定されている。
【0062】
この設定は、第1駆動部42、第2駆動部46により行うことができる。
【0063】
例えば第1駆動部42ではモータと歯車とで第1の挟み付け部材を駆動して強い挟み付け力で平らな固定片43の一方側43aの両面を挟み付け固定する。
【0064】
例えば第2駆動部46ではエアシリンダ等のダンパにより弱い挟み付け力で平らな固定片43の他端側43bの両面を挟み付ける。
【0065】
次に図16ないし図21を参照して動作を説明する。
【0066】
まず、図16で示すように、平らな固定片43の一方側43aを第1の挟み付け部材41の下側クランプ31のクランプ面上に載置した状態で両クランプ33,31間に配置すると共に固定片43の他方側43bを第2の挟み付け部材45のダイ32とパンチ34との間に配置する。
【0067】
次いで、図17で示すように第1の挟み付け部材41の上側クランプ33を第1駆動部42で下降駆動して両クランプ31,33で固定片43の一方側43aの両面を隙間が無い密接状態で挟み付け固定する。この挟み付け力は固定片43が移動することができない程度に強く設定された力である。
【0068】
一方、第2の挟み付け部材45のダイ32とパンチ34を第2駆動部46で昇降移動させて固定片43の他方側43bの両面をダイ32とパンチ34とで弱い力で隙間が無い密接状態で挟み付ける。ここで第1の挟み付け部材41の挟み付け力は、第2の挟み付け部材45を上昇させても固定片43の一方側43aを固定することができる程度の力である。
【0069】
第2の挟み付け部材45の挟み付け力は固定片43の他方側43bがダイ32とパンチ34との対向面間を滑り動くことができる程度の力である。したがって、ダイ32とパンチ34の対向面の面粗さは鏡面でも構わない。また、固定片43の他方側43bはダイ32とパンチ34の両対向面に隙間が無い密接状態で横滑りすることができるようになっている。
【0070】
ここで、固定片43の一方側43aの挟み付けられている境界部分のうち上側を折曲起点A,下側を折曲起点Bとし、固定片43の他方側43bの挟み付けられている境界部分のうち上側を折曲起点C,下側を折曲起点Dとする。
【0071】
次いで、図18で示すように、第2挟み付け部材45のダイ32とパンチ34を、それらが固定片43の他方側43bの両面を隙間無く密接した状態で、下方向に一体に同期下降させる。この下降移動により、平らな固定片43は段差曲げされる。
【0072】
この場合、固定片43の一方側43aは第1の挟み付け部材41の両クランプ31,33で隙間無く密接して固定された状態で折曲げられる。
【0073】
一方、固定片43の他方側43bは第2の挟み付け部材45のダイ32とパンチ34との間で隙間無く密接して挟み付けられた状態で折曲げられる。
【0074】
そのため、図18の円で囲む部分を拡大して示すように、固定片43の一方側43aの上側折曲起点Aは伸び側に曲げ変形し、下側折曲起点Bは縮み側に曲げ変形する。固定片43の他方側43bの上側折曲起点Cは縮み側に曲げ変形し、下側折曲起点Dは伸び側に曲げ変形する。
【0075】
以上の曲げ変形の形状は、固定片43の一方側43a側と固定片43の他方側43bとで対称であり、同一の曲げ変形である。これが、実施の形態の段差曲げの特徴である。同一の曲げ変形になるのは、段差曲げ加工の開始から終了まで第1の挟み付け部材41の両クランプ31,33と、第2の挟み付け部材45のダイ32とパンチ34とが、固定片43の一方側43aと他方側43bに対して隙間無く密接して挟み付けた状態を保持して両挟み付け部材41,45を段差曲げ方向に平行に相対移動させることによる。
【0076】
次いで、図19で示すように、第2の挟み付け部材45のダイ32とパンチ34を第2駆動部46で昇降させて、第2の挟み付け部材45による固定片43の他方側43bの挟み付けを解除する。
【0077】
次いで、図20で示すように、第1駆動部42で第1の挟み付け部材41のクランプ33を上昇させることにより固定片43の一方側43aの挟み付けを解除する。
【0078】
最後に、図21で示すように、段差曲げ装置から段差曲げされた固定片43を取り出す。
【0079】
以上により、段差曲げ装置を用いて、平らな固定片43を段差曲げすることができる。
【0080】
特に、両挟み付け部材41,45を固定片43の段差曲げ高さ方向に相対的に平行移動させるだけで、固定片43を段差曲げすることができるので段差曲げ作業がきわめて簡単で時間もかかることなく容易迅速に行うことができる。
【0081】
そして、段差曲げ完了後に段差曲げ装置から固定片43を取り出しても、固定片43の一方側43aと他方側43bそれぞれに対応する段差面同士の平行度が保たれる。
【0082】
この両段差面同士の平行度が保たれる理由を、図22ないし図25を参照して説明する。実施の形態では、まず、図22で示すように、固定片43が折曲げられていない平らな状態で第1の挟み付け部材41と第2の挟み付け部材45それぞれで固定片43の一方側43aと固定片43の他方側43bそれぞれを挟み付けている。
【0083】
この挟み付けの状態では、第1の挟み付け部材41の両クランプ31,33は固定片43の一方側43aの両面に隙間が無い状態で密接しており、第2の挟み付け部材45のダイ32とパンチ34は固定片43の他方側43bの両面に隙間が無い状態で密接している。
【0084】
この場合、第1の挟み付け部材41の両クランプ31,33は固定片43の一方側43aに強い力で密接しており、第2の挟み付け部材45のダイ32とパンチ34は固定片43の他方側43bに弱い力で密接している状態である。
【0085】
そして、図23で示すように段差曲げ加工開始から終了に至る過程で固定片43の他方側43bの両面に隙間が無い状態で密接した状態で両挟み付け部材41,45で挟み付けて第2の挟み付け部材45を下降させると、固定片43は上述したようにその一方側43aと他方側43bそれぞれの折曲起点A,Bと、C,Dとは互いに対称な同形状で折曲げられる。
【0086】
そのため図24で曲げ変形が完了して固定片43を取り出すと、固定片43は図25で示すように固定片43の一方側43aと他方側43bそれぞれの段差面の平行度を保った状態になっている。この場合、スプリングバックが起こっても、固定片43の一方側43aと固定片43の他方側43bは共に同じ曲げ変形で対称であるため、スプリングバックはバランスされる結果、固定片43の一方側43aと他方側43bそれぞれの段差面の平行度は保たれることになる。
【0087】
上記段差曲げは、第2の挟み付け部材45の段差曲げ高さ方向の平行移動距離を設定することにより、1種類の平らな固定片43から種々の段差曲げ高さ(段差曲げ加工量)の固定片43を形成することができる。例えば、図26(a)は段差曲げ高さH1、図26(b)は段差曲げ高さH2、図26(c)は段差曲げ高さH3の各固定片43を示す。なお、上記では段差曲げ高さを説明の理解のためH1,H2,H3の3種類で説明したが、段差曲げ高さをそれ以上の段階で任意に設定することができることは勿論である。なお、この段差曲げ高さを任意に設定することが可能であるから、その段差曲げ角度も任意に設定することができる。
【0088】
この段差曲げ高さは、手動制御あるいは自動制御により任意に設定することができる。手動制御としては、第1、第2駆動部42,46をユーザが手動操作で駆動することにより第1の挟み付け部材41に対して第2の挟み付け部材45をユーザ操作で段差曲げ高さ方向に適宜の目盛りを参照しつつ平行移動させることにより可能である。自動制御としては、例えば、シーケンサ(登録商標)やパーソナルコンピュータにより設定することもできる。
【0089】
段差曲げ装置に、上述の曲げ加工量αおよびβを入力し、段差曲げ加工を自動化することで、所望のスイッチング作動特性をもたらす常開側固定端子18および常閉側固定端子19の量産化が可能となる。
【0090】
[他の実施例]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0091】
(1)前記計測工程において、計測治具を用いて前記間隔L3を実測することもできる。
【0092】
(2)配線接続部18a,19aにおけるボス部18b,19bのバーリンング加工や、各固定端子における接点装着加工時期は適時設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、各種のスイッチの製造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】リミットスイッチの外観斜視図である。
【図2】リミットスイッチの前カバーを取外した状態の正面図である。
【図3】リミットスイッチの縦断側面図である。
【図4】内蔵スイッチの斜視図である。
【図5】内蔵スイッチの正面図である。
【図6】内蔵スイッチの縦断側面図である。
【図7】内蔵スイッチの分解斜視図である。
【図8】常開側固定端子の斜視図である。
【図9】常閉側固定端子の斜視図である。
【図10】スイッチング機構の寸法関係を示す正面図
【図11】組み付け状態の縦断側面図である。
【図12】常閉側固定端子の加工経過を示す斜視図である。
【図13】常閉側固定端子の段差曲げ加工状態を示す側面図である。
【図14】常開側固定端子の加工経過を示す斜視図である。
【図15】常開側固定端子の段差曲げ加工状態を示す側面図である。
【図16】段差曲げ装置に固定片が配置されている状態を示す図である。
【図17】段差曲げ装置の2つの挟み付け部材で固定片を挟み付けている状態を示す図である。
【図18】段差曲げ装置の2つの挟み付け部材で固定片を段差曲げ加工している状態を示す図である。
【図19】段差曲げ装置による段差曲げ終了後、第2の挟み付け部材での固定片の挟み付けを解除した状態を示す図である。
【図20】段差曲げ装置による段差曲げ終了後両挟み付け部材での固定片の挟み付けを解除した状態を示す図である。
【図21】段差曲げ装置による段差曲げ終了後、固定片を取り出す状態を示す図である。
【図22】段差曲げ装置の両挟み付け部材で固定片を挟み付けている状態を示す図である。
【図23】段差曲げ装置の2つの挟み付け部材で固定片を段差曲げしている途中状態を示す図である。
【図24】段差曲げ装置を2つの挟み付け部材で固定片を段差曲げ加工した状態を示す図である。
【図25】段差曲げ装置で段差曲げされた固定片を示す図である。
【図26】図26(a)は段差曲げ高さH1、図26(b)は段差曲げ高さH2、図26(c)は段差曲げ高さH3の各固定片を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
17 プランジャ
18 常開側固定端子
19 常閉側固定端子
20 可動端子
21 スナップバネ
PT スナップ作動距離
MD 間隔
p スナップバネ係止点
q スナップバネ係止点
S1 第1組付け基準面
S2 第2組付け基準面
L1 距離
L2 距離
L3 距離
t1 常閉側固定端子の板厚
t2 常閉側固定端子の接点厚さ
t3 常開側固定端子の板厚
t4 常開側固定端子の接点厚さ
41 第1の挟み付け部材
31,33 クランプ
45 第2挟み付け部材
34 パンチ
32 ダイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
復帰バネで復帰付勢されるとともに外部からの操作によって変位移動されるプランジャと、プランジャの変位方向に移動可能な可動端子と、プランジャと可動端子とに亘って係止装着されるスナップバネと、可動端子に対向して配置される常開側固定端子と常閉側固定端子とを、ケースに組み付けてなるスイッチの製造方法であって、
前記常開側固定端子または常閉側固定端子の一方の固定端子に対応する固定片を、曲げ加工して前記一方の固定端子とする第1の工程と、
前記一方の固定端子をケースに組み付ける第2の工程と、
前記一方の固定端子をケースに組み付けた状態で、所要箇所の距離を計測する第3の工程と、
計測した距離に基づいて、前記常開側固定端子または常閉側固定端子の他方の固定端子に対応する固定片を、曲げ加工して前記他方の固定端子とする第4の工程と、
を含むことを特徴とするスイッチの製造方法。
【請求項2】
前記一方の固定端子が常閉側固定端子であり、前記他方の固定端子が常開側固定端子であり、
前記第1の工程では、復帰位置にある前記プランジャのスナップバネ係止点と、常閉側固定端子に接触する可動端子のスナップバネ係止点とのプランジャ変位方向での距離であるスナップ作動距離が設定値となるように、前記固定片を曲げ加工して常閉側固定端子とし、
前記第2の工程では、曲げ加工された常閉側固定端子を、ケースの第1組付け基準面に位置決めして組み付け、
前記第3の工程では、組み付けた常閉側固定端子に接触する可動端子における常開側の接点表面と、ケースにおける常開側固定端子の第2組付け基準面との距離を、前記所要箇所の距離として計測し、
前記第4の工程では、前記第2組付け基準面に位置決めして組み付けた常開側固定端子の接点表面と、常閉側固定端子に接触する可動端子の常開側の接点表面との間隔が設定値になるように、前記固定片を曲げ加工して常開側固定端子とする請求項1に記載のスイッチの製造方法。
【請求項3】
前記第1の工程および前記第4の工程では、前記固定片の一方側の両面と他方側の両面とを、それぞれ挟み付けて相対移動させることにより、その段差面が平行になるように段差曲げ加工される請求項2に記載のスイッチの製造方法。
【請求項4】
前記第1の工程および前記第4工程における前記設定値が、要求されるスイッチング特性に応じた値である請求項2または3に記載のスイッチの製造方法。
【請求項5】
前記第1の工程では、復帰位置にある前記プランジャのスナップバネ係止点と、ケースにおける前記第1組付け基準面とのプランジャ変位方向での距離から、可動端子におけるスナップバネ係止点と可動端子の常閉側接点表面とのプランジャ変位方向での距離と、前記スナップ作動距離と、常閉側固定端子の板厚および接点厚さとをそれぞれ差し引いた値を曲げ加工の加工量とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のスイッチの製造方法。
【請求項6】
前記第4の工程では、前記第3の工程で計測された前記距離から、常開側固定端子の接点表面と可動端子の常開側接点表面との間隔の設定値と、常開側固定端子の板厚および接点厚さとをそれぞれ差し引いた値を曲げ加工量とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のスイッチの製造方法。
【請求項7】
前記第3の工程では、ケースに常閉側固定端子および可動端子を組み付けて撮像し、その画像から、常閉側固定端子に接触する可動端子における常開側の接点表面と、ケースにおける前記第2組付け基準面との距離を計測する請求項2〜6のいずれか一項に記載のスイッチの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−218147(P2009−218147A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62285(P2008−62285)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】