説明

スイッチドキャパシタデシメータ

出力サンプルレートの奇数高調波における望ましくない信号成分を減衰させることができるスイッチドキャパシタデシメータが、説明される。スイッチドキャパシタデシメータは、少なくとも1つのサンプリングキャパシタと、複数のスイッチと、を含む。各サンプリングキャパシタでは、上部プレートは、キャパシタが上部充電のために選択されるときに、第1の入力信号で充電され、下部プレートは、キャパシタが下部充電のために選択されるときに、第2の入力信号で充電される。各サンプリングキャパシタでは、キャパシタが読取りのために選択されるときに、上部プレートは、その蓄積された電荷を第1の出力信号へと供給し、下部プレートは、その蓄積された電荷を第2の出力信号へと供給する。スイッチは、充電のためには第1および第2の入力信号に、読取りのためには第1および第2の出力信号に、少なくとも1つのサンプリングキャパシタを結合する。

【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
[I.分野]
本開示は、一般にエレクトロニクスに関し、そしてより詳細にはデシメータに関する。
【0002】
[II.背景]
デシメータ(decimator)は、入力サンプルレートで入力信号を受け取り、そして入力サンプルレートの小部分(fraction)である出力サンプルレートで出力信号を供給する回路ブロックである。デシメーションプロセス(decimation process)は、望ましい信号帯域幅に含まれる出力サンプルレートの高調波における望ましくない信号成分をもたらす可能性がある。これらの望ましくない信号成分は、そのときには性能を低下させる可能性がある雑音としての役割を果たすことになる。アンチエイリアスフィルタ(anti-alias filter)は、デシメータに先行して配置されることができ、そして望ましい信号帯域幅に含まれることができる望ましくない信号成分を減衰させるために使用されることができる。アンチエイリアスフィルタは、入力サンプルレートと、出力サンプルレートと、望ましくない信号成分についての望ましい量の減衰とに応じて比較的複雑である可能性がある。ハードウェアの複雑さを低減させることができる方法でデシメーションを実行することができることが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
デシメーションに起因した望ましい信号帯域幅に含まれることができるある種の望ましくない信号成分を減衰させることができるスイッチドキャパシタデシメータ(switched-capacitor decimator)が、ここにおいて説明される。スイッチドキャパシタデシメータは、少なくとも1つのサンプリングキャパシタの上部プレートと下部プレートとの両方の上へ差動入力信号をサンプリングすることができる。この上部および下部のサンプリングは、出力サンプルレートの奇数高調波における望ましくない信号成分を減衰させることができ、これは、アンチエイリアスフィルタの要件を緩和することができる。
【0004】
一設計においては、スイッチドキャパシタデシメータは、少なくとも1つのサンプリングキャパシタと、複数のスイッチと、を含む。各サンプリングキャパシタでは、上部プレートは、キャパシタが、上部充電のために(for top charging)選択されるときに、第1の入力信号で充電され、そして下部プレートは、キャパシタが、下部充電のために(for bottom charging)選択されるときに、第2の入力信号で充電される。上部充電は、キャパシタの上部プレートを充電することを意味し、そして下部充電は、キャパシタの下部プレートを充電することを意味する。各サンプリングキャパシタでは、キャパシタが、読取りのために(for reading)選択されるときに、上部プレートは、その蓄積された電荷を第1の出力信号へと供給し、そして下部プレートは、その蓄積された電荷を第2の出力信号へと供給する。スイッチは、少なくとも1つのサンプリングキャパシタを充電のために第1および第2の入力信号に結合し、そして読取りのために第1および第2の出力信号に結合する。スイッチドキャパシタデシメータは、第1の入力信号と第2の入力信号との間に結合された入力キャパシタ、および/または第1の出力信号と第2の出力信号との間に結合された出力キャパシタ、をさらに含むことができる。第1の入力信号と第2の入力信号とは、入力サンプルレートにおける差動入力信号のためであることができる。第1の出力信号と第2の出力信号とは、出力サンプルレートにおける差動出力信号のためであることができ、この出力サンプルレートは、入力サンプルレートの小部分とすることができる。
【0005】
一設計においては、スイッチドキャパシタデシメータは、1つのサンプリングキャパシタと、4つのスイッチと、を含む。第1のスイッチは、上部充電のために選択されるときに、第1の入力信号をサンプリングキャパシタの上部プレートに結合する。第2のスイッチは、下部充電のために選択されるときに、第2の入力信号をサンプリングキャパシタの下部プレートに結合する。第3のスイッチは、読取りのために選択されるときに、サンプリングキャパシタの上部プレートを第1の出力信号に結合する。第4のスイッチは、読取りのために選択されるときに、サンプリングキャパシタの下部プレートを第2の出力信号に結合する。
【0006】
別の設計においては、スイッチドキャパシタデシメータは、2つのサンプリングキャパシタと、8つのスイッチと、を含む。第1および第2のスイッチは、それらが上部充電のために選択されるときに、第1の入力信号をそれぞれ第1および第2のサンプリングキャパシタの上部プレートに結合する。第3および第4のスイッチは、それらが下部充電のために選択されるときに、第2の入力信号をそれぞれ第1および第2のサンプリングキャパシタの下部プレートに結合する。第5および第6のスイッチは、それらが読取りのために選択されるときに、それぞれ第1および第2のサンプリングキャパシタの上部プレートを第1の出力信号に結合する。第7および第8のスイッチは、それらが読取りのために選択されるときにそれぞれ第1および第2のサンプリングキャパシタの下部プレートを第2の出力信号に結合する。
【0007】
さらに別の設計においては、スイッチドキャパシタデシメータは、4つのサンプリングキャパシタと、16個のスイッチと、を含む。4つのスイッチは、それらが上部充電のために選択されるときに、第1の入力信号を4つのサンプリングキャパシタの上部プレートに結合する。別の4つのスイッチは、それらが、下部充電のために選択されるときに、第2の入力信号を4つのサンプリングキャパシタの下部プレートに結合する。さらに別の4つのスイッチは、それらが読取りのために選択されるときに、4つのサンプリングキャパシタの上部プレートを第1の出力信号に結合する。最後の4つのスイッチは、それらが読取りのために選択されるときに、4つのサンプリングキャパシタの下部プレートを第2の出力信号に結合する。
【0008】
上記で説明される設計のおのおのにおいて、各サンプリングキャパシタでは、追加のスイッチは、他のプレートが充電されているときに充電されていないプレートを基準電圧に結合するために使用されることができる。スイッチドキャパシタデシメータの中のスイッチは、以下で説明されるように動作させられることができる。本開示の様々な態様と特徴とはまた、以下でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ワイヤレス通信デバイスのブロック図を示している。
【図2】図2は、離散時間フィルタと、デシメータブロックとのブロック図を示している。
【図3A】図3Aは、従来のデシメーションについてのスペクトルプロットを示している。
【図3B】図3Bは、スイッチドキャパシタデシメータを用いたデシメーションについてのスペクトルプロットを示している。
【図4A】図4Aは、1つのサンプリングキャパシタを有するスイッチドキャパシタデシメータを示している。
【図4B】図4Bは、図4Aにおけるスイッチドキャパシタデシメータについてのタイミング図を示している。
【図5A】図5Aは、2つのサンプリングキャパシタを有するスイッチドキャパシタデシメータを示している。
【図5B】図5Bは、図5Aにおけるスイッチドキャパシタデシメータについてのタイミング図を示している。
【図6A】図6Aは、4つのサンプリングキャパシタを有するスイッチドキャパシタデシメータを示している。
【図6B】図6Bは、図6Aにおけるスイッチドキャパシタデシメータについてのタイミング図を示している。
【図7】図7は、スイッチドキャパシタデシメータについての構成可能な入力キャパシタを示している。
【図8】図8は、デシメーションを実行するためのプロセスを示している。
【詳細な説明】
【0010】
ここにおいて説明されるスイッチドキャパシタデシメータは、ワイヤレス通信、コンピューティング、ネットワーキング、大量消費電子製品(consumer electronics)など様々なアプリケーションのために使用されることができる。スイッチドキャパシタデシメータは、より高いサンプルレートからより低いサンプルレートへのデシメーションを実行する任意のデバイスのために使用されることもできる。スイッチドキャパシタデシメータは、ワイヤレス通信デバイス、セルラ電話、ブロードキャストレシーバ、携帯型個人情報端末(personal digital assistant)(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ワイヤレスモデム、ラップトップコンピュータ、コードレス電話、ブルートゥースデバイス、大量消費電子デバイスなど、様々なデバイスのために使用されることができる。明確にするために、セルラ電話や何らかの他のデバイスとすることができるワイヤレス通信デバイスにおけるスイッチドキャパシタデシメータの使用については、以下で説明される。スイッチドキャパシタデシメータは、レシーバの中で使用されることができ、ここでは、それらの間の望ましい信号内へのエイリアス周波数帯域に存在する干渉波のサブサンプリングは、回避されるべきである。
【0011】
図1は、ワイヤレス通信デバイス100の一設計のブロック図を示している。この設計においては、ワイヤレスデバイス100は、双方向通信をサポートするレシーバ120とトランスミッタ140と、を含む。一般に、ワイヤレスデバイス100は、任意の数の通信システムと周波数帯域とのための任意の数のレシーバと、任意の数のトランスミッタと、を含むことができる。
【0012】
受信経路上で、アンテナ112は、基地局によって送信される無線周波数(radio frequency)(RF)被変調信号を受信し、そして受信RF信号を供給し、この受信RF信号は、RFユニット114を通して経路指定され、そしてレシーバ120へと供給される。RFユニット114は、送信経路と受信経路とのためにRF信号を多重化することができるRFスイッチおよび/またはデュプレクサを含むことができる。レシーバ120内において、低雑音相互コンダクタンス増幅器(low noise transconductance amplifier)(LNTA)122は、受信RF信号(これは電圧信号とすることができる)を増幅し、そして増幅されたRF信号(これは、電流信号とすることができる)を供給する。離散時間サンプラ(discrete time sampler)124は、増幅されたRF信号をサンプリングし、そしてアナログサンプルを供給する。離散時間フィルタおよびデシメータのブロック126は、アナログサンプルをフィルタにかけ(filters)、そしてデシメートし(decimates)、そして第1のフィルタにかけられた(filtered)サンプルを供給する。増幅器(Amp)128は、第1のフィルタにかけられたサンプルを増幅し、そして第1の増幅されたサンプルを供給する。離散時間フィルタおよびデシメータのブロック130は、第1の増幅されたサンプルをフィルタにかけ、そしてデシメートし、そして第2のフィルタにかけられたサンプルを供給する。増幅器132は、第2のフィルタにかけられたサンプルを増幅し、そして第2の増幅されたサンプルを供給する。アナログデジタル変換器(analog-to-digital converter)(ADC)134は、第2の増幅されたサンプルをデジタル化し、そしてデジタルサンプルをデジタルプロセッサ150へと供給する。デジタルサンプルは、デジタルプロセッサ150内のデジタルフィルタ152および/または他の処理ユニットによって処理されることができる。制御信号ジェネレータ136は、サンプラ124のためのサンプリングクロックと、ブロック126および130のための制御信号とを生成する。
【0013】
送信経路上で、デジタルプロセッサ150は、送信されるべきデータを処理し、そして出力チップをトランスミッタ140へと供給する。トランスミッタ140は、出力RF信号を生成するために出力チップを処理し(例えば、アナログへと変換し、フィルタにかけ、増幅し、そして周波数アップコンバートし)、この出力RF信号は、RFユニット114を通して経路指定され、そしてアンテナ112を経由して送信される。簡単にするために、トランスミッタ140の詳細は、図1に示されてはいない。
【0014】
デジタルプロセッサ150は、データ送信およびデータ受信、ならびに他の機能のための様々な処理ユニットを含むことができる。例えば、デジタルプロセッサ150は、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)(DSP)、縮小命令セットコンピュータ(reduced instruction set computer)(RISC)、中央演算処理装置(central processing unit)(CPU)などを含むことができる。コントローラ/プロセッサ160は、ワイヤレスデバイス100におけるオペレーションを制御することができる。メモリ162は、ワイヤレスデバイス100についてのプログラムコードとデータとを記憶することができる。データプロセッサ150、コントローラ/プロセッサ160、および/またはメモリ162は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits)(ASIC)および/または他のICの上にインプリメントされることができる。
【0015】
図1は、レシーバ120の特定の一設計を示している。一般に、レシーバ120内の信号の処理は、増幅器、フィルタ、デシメータ、サンプラなどの1つまたは複数のステージによって実行されることができる。これらの回路ブロックは、図1に示されるコンフィギュレーションとは異なるように配列されることができる。さらに、図1に示されていない他の回路ブロックが、レシーバ内の信号を処理するために使用されることもできる。例えば、可変利得増幅器(variable gain amplifier)(VGA)と低域通過フィルタとの複数のステージは、離散時間サンプラ124とADC134との間に位置することができる。図1におけるいくつかの回路ブロックは、省略されることもできる。例えば、ブロック130と増幅器132とは、省略されることができ、そして増幅器128は、ADC134を直接に駆動することができる。レシーバ120の全部または一部分は、1つまたは複数のRF集積回路(RF integrated circuits)(RFIC)、混合信号ICなどの上にインプリメントされることができる。
【0016】
図2は、離散時間フィルタおよびデシメータのブロック200の一設計のブロック図を示しており、このブロックは、図1の中のブロック126および130のおのおののために使用されることができる。ブロック200内において、アンチエイリアスフィルタ210は、fの入力サンプルレートで、アナログサンプルを受け取り、後続のデシメーションに起因して望ましい信号帯域幅内に折り重なる(fold)ことができる望ましくない信号成分を減衰させるためにアナログサンプルをフィルタにかけ、そして入力サンプルレートで入力サンプルを供給する。スイッチドキャパシタデシメータ220は、入力サンプルを受け取り、入力サンプルをNのファクタだけデシメートし、そしてfout=f/Nの出力サンプルレートで出力サンプルを供給し、ここでNは、任意の整数値とすることができる。離散時間フィルタ230は、デシメータ220からの出力サンプルをフィルタにかけ、そしてフィルタにかけられたサンプルを出力サンプルレートで供給する。用語「サンプル」と「信号」とは、ここにおいて交換可能に使用される。
【0017】
図3Aは、従来のデシメーションについてのスペクトルプロットを示している。デシメータについての入力信号は、fsignalという両側の帯域幅を有し、そして−fsignal/2から+fsignal/2の範囲の中の周波数を占有する望ましい信号310を含んでいる。入力信号は、fの入力サンプルレートにあるので、入力信号のスペクトルは、f毎に反復する。Nのファクタによるデシメーションは、DCへと折り曲げられるべき、m=1,...,N−1の場合にm・f/Nである、出力サンプルレートのあらゆる高調波に中心を置く望ましくない信号成分をもたらす。このエイリアシングは、望ましい信号とオーバーラップする、そして望ましい信号に対する雑音としての役割を果たす望ましくない信号成分をもたらす。
【0018】
図2の中のアンチエイリアスフィルタ210は、出力サンプルレートのすべての高調波において望ましくない信号成分を減衰させることができる。これは、そのときには、デシメーションに起因して望ましい信号帯域幅内に含まれる少量の望ましくない信号成分をもたらすことになる。アンチエイリアスフィルタ210は、(i)望ましい信号の周波数応答を変形させることを回避するための比較的フラットな通過帯域と、(ii)望ましい信号に最も近い、出力サンプルレートの第1高調波における望ましくない信号成分の十分な減衰と、を有するように設計されることができる。アンチエイリアスフィルタ210の複雑さは、望ましい信号帯域幅fsignalと、出力サンプルレートfoutと、望ましくない信号成分の望ましい量の減衰とに依存することができ、ここでfoutは、入力サンプルレートfとデシメーションファクタNとに依存する。一般に、できる限りアンチエイリアスフィルタ210の複雑さを低減させることが望ましい。
【0019】
一態様において、デシメータ220は、デシメータ内の少なくとも1つのサンプリングキャパシタの上部/正プレートと、下部/負プレートとの両方に対して異なる入力信号をサンプリングすることができる差動スイッチドキャパシタ構造を用いてインプリメントされることができる。f/Nにおける第1高調波を含めて、出力サンプルレートの奇数高調波における望ましくない信号成分の高い減衰は、以下で説明されるようにサンプリングキャパシタ(単数または複数)の上部プレートと下部プレートとに対する差動入力信号のサンプリングを適切に制御することにより達成されることができる。
【0020】
図3Bは、スイッチドキャパシタデシメータ220を用いたデシメーションについてのスペクトルプロットを示している。f/N、3f/N、...、(N−1)f/Nにおける出力サンプルレートの奇数高調波は、デシメータ220を用いて減衰されることができる。次いで、アンチエイリアスフィルタ210は、2f/N、4f/N、...、(N−2)f/Nにおいて出力サンプルレートの偶数高調波を減衰させるように設計されることができる。最も近い偶数高調波は、2f/Nにあるのに対して、最も近い奇数高調波は、f/Nにある。アンチエイリアスフィルタ210の要件は、デシメータ220を用いて全体の1オクターブだけ、緩和されることができる。次いで、これは、アンチエイリアスフィルタ210の複雑さを低減させることができ、これは、アンチエイリアスフィルタ210についてのより小さな面積、より低いパワー消費、および/または他の利点をもたらすことができる。
【0021】
図4Aは、単一のサンプリングキャパシタを有するスイッチドキャパシタデシメータ220aの一設計の概略図を示している。デシメータ220aは、図2の中のデシメータ220の一設計である。デシメータ220aは、入力ノードApとAnとにおける、それぞれInp信号とInn信号とから成る差動入力信号を受け取る。デシメータ220aは、Nのファクタだけ入力信号をデシメートし、ここでNは、任意の整数値とすることができる。デシメータ220aは、出力ノードZpとZnとにおける、それぞれOutp信号とOutn信号とから成る差動出力信号を供給する。
【0022】
デシメータ220a内において、入力キャパシタ400は、その上部プレートが、ノードApに結合され、そしてその下部プレートが、ノードAnに結合されている。スイッチ412は、ノードApとノードBpとの間に結合される。スイッチ414は、ノードBpとノードZpとの間に結合される。スイッチ422は、基準電圧VrefとノードBpとの間に結合される。Vrefは、出力回路の共通電圧に等しい入力回路のコモンモード電圧とすることができる。スイッチ416は、ノードAnとノードBnとの間に結合される。スイッチ418は、ノードBnとノードZnとの間に結合される。スイッチ424は、基準電圧とノードBnとの間に結合される。サンプリングキャパシタ410は、その上部プレートが、ノードBpに結合され、そしてその下部プレートが、ノードBnに結合されている。出力キャパシタ420は、その上部プレートが、ノードZpに結合され、そしてその下部プレートが、ノードZnに結合されている。スイッチ412、414、416、418、422および424は、それぞれ制御信号S1、S3、S2、S3、S2およびS1によって開かれ、そして閉じられる。
【0023】
図4Aに示される設計においては、入力キャパシタ400は、差動入力信号に直接に結合され、そして出力キャパシタ420は、差動出力信号に直接に結合される。サンプリングキャパシタ410は、差動入力信号をサンプリングし、そしてその蓄積された電荷を差動出力信号へと供給する。キャパシタ400のキャパシタンスは、先行する回路(例えば、アンチエイリアスフィルタ210)に対して提示されるべきキャパシタンス、ノードApおよびAnにおける望ましい電圧スイングなど、様々なファクタに基づいて選択されることができる。より大きなキャパシタ400は、より小さい電圧スイングに対応し、逆の場合も同様である。デシメータ220aは、キャパシタ400および410のキャパシタンス、ならびにデシメーションファクタNによって決定される周波数に位置するポール(pole)を有する。キャパシタ410のキャパシタンスは、デシメータ220aについての望ましい周波数応答を得るように選択されることができる。キャパシタ420のキャパシタンスは、後続の回路(例えば、フィルタ230)に基づいて選択されることができ、そしてキャパシタ410のキャパシタンスよりも小さくすることができ、その結果、電圧降下は、キャパシタ410が出力に結合されるときに大きすぎることがないようになる。
【0024】
入力キャパシタ400は、いくつかの設計では省略されることもできる。出力キャパシタ420は、いくつかの設計では省略されることもできる。挿入損失は、出力キャパシタ420なしではより大きくなる可能性がある。
【0025】
図4Bは、N=4の場合の一設計に従って図4Aの中のデシメータ220aについての制御信号についてのタイミング図を示している。この設計においては、サンプリングキャパシタ410の上部プレートは、上部充電フェーズ中に充電され、そして読取りフェーズ中にその蓄積された電荷を供給する。サンプリングキャパシタ410の下部プレートは、下部充電フェーズ中に充電され、そして読取りフェーズ中にその蓄積された電荷を供給する。
【0026】
時刻Tから時刻Tへの上部充電フェーズでは、S1信号が、アサートされ、スイッチ412と424とが、閉じられ、そしてキャパシタ410の上部プレートは、キャパシタ410の下部プレートがVrefに接続されて、Inp信号によって充電される。スイッチ424は、キャパシタ410の上部プレートがスイッチ412を経由して充電される間、キャパシタ410の下部プレートを知られている電圧に保持する。時刻Tから時刻Tへの下部充電フェーズでは、S2信号が、アサートされ、スイッチ416と422とが、閉じられ、そしてキャパシタ410の下部プレートは、キャパシタ410の上部プレートがVrefに接続されて、Inn信号によって充電される。時刻Tから時刻Tへの読取りフェーズでは、S3信号が、アサートされ、スイッチ414と418とが、閉じられ、そしてキャパシタ410の上部プレートと下部プレートとは、それぞれOutp信号とOutn信号へとそれらの蓄積された電荷を供給する。
【0027】
図4Bに示される設計では、キャパシタ410のせいぜい1つのプレートが、任意の与えられた瞬間に充電され、または読み取られる。上部プレート読取りフェーズは、下部プレートが充電している間には完了しているべきであり、逆もまた同様である。キャパシタ410の各プレートは、各出力サンプル期間の異なるオーバーラップしていない時間間隔の中で充電され、そして読み取られる。
【0028】
簡単にするために、図4Bは、時間合わせされた制御信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとを示している。制御信号は、立ち上がりエッジが、立ち下がりエッジの後に起きるように生成されることもでき、その結果、1つの制御信号だけが、任意の与えられた瞬間にアサートされるようになる。図4Bはまた、各充電フェーズが、1.5入力サンプル期間の持続時間を有することと、各読取りフェーズが、0.5入力サンプル期間の持続時間を有することとを示している。充電フェーズと読取りフェーズとは、他の持続時間を有することもできる。各読取りフェーズの持続時間は、キャパシタ410が、その蓄積された電荷を出力信号へと供給することを可能にするように十分に長くすることができる。各充電フェーズの持続時間は、キャパシタ410が、入力信号からできる限り多くの電荷を取り込むことを可能にするようにできる限り長くすることができる。
【0029】
図4Bに示される一設計においては、キャパシタ410の下部プレートのための制御信号は、次式:
=R+(N/2)・T 式(1)
のように生成されることができ、ここでT=1/fは、1入力サンプル期間であり、Rは、サンプリングキャパシタの上部プレートのための制御信号であり、Sは、サンプリングキャパシタの下部プレートのための制御信号であり、そしてnは、制御信号についてのインデックスであり、例えば、デシメータ220aの場合、n=「a1」または「a2」である。
【0030】
式(1)に示される設計においては、下部プレートのための各S信号は、上部プレートのための対応するR信号からN/2入力サンプル期間だけ遅延される。これは、よいアンチエイリアス性能と、出力サンプルレートの奇数高調波の高い減衰と、をもたらし、この高調波は、m=1、3、5、...、N−1の場合にm・f/Nにある。
【0031】
別の設計においては、下部プレートのための各S信号は、上部プレートのための対応するR信号からN/2よりも少ないか、または多い(例えば、9N/16)倍数の入力サンプル期間だけ遅延されることができる。これは、入力信号のアンチエイリアシングとフィルタリングとの両方を提供することができる。R信号についての異なる量の遅延は、望ましくない信号成分の異なる量の減衰、ならびに異なるフィルタ応答を提供することができる。
【0032】
図5Aは、2つのサンプリングキャパシタを有するスイッチドキャパシタデシメータ220bの一設計の概略図を示している。デシメータ220bは、図2の中のデシメータ220の別の設計である。デシメータ220b内において、入力キャパシタ500は、その上部プレートと下部プレートとが、それぞれ入力ノードApとAnとに結合されている。スイッチ512と514とは、それぞれ一端が、ノードApに結合され、そして他端が、ノードBpとCpとに結合されている。スイッチ516と518とは、それぞれ一端が、ノードAnに結合され、そして他端が、ノードBnとCnとに結合されている。スイッチ522と526とは、それぞれ一端が、Vrefに結合され、そして他端がノードBpとBnとに結合されている。サンプリングキャパシタ510は、その上部プレートと下部プレートとが、それぞれノードBpとBnとに結合されている。スイッチ524と528とは、それぞれ一端がVrefに結合され、そして他端が、ノードCpとCnとに結合されている。サンプリングキャパシタ520は、その上部プレートと下部プレートとが、それぞれノードCpとCnとに結合されている。スイッチ532と534とは、それぞれ一端が、ノードZpに結合され、そして他端が、ノードBpとCpとに結合されている。スイッチ536と538とは、それぞれ一端が、ノードZnに結合され、そして他端が、ノードCnとBnとに結合されている。出力キャパシタ530は、その上部プレートと下部プレートとが、それぞれ出力ノードZpとZnとに結合されている。スイッチ512、514、516および518は、それぞれ制御信号S1、S2、S2およびS1によって開かれ、そして閉じられる。スイッチ522、524、526および528は、それぞれ制御信号S2、S1、S1およびS2によって開かれ、そして閉じられる。スイッチ532、534、536および538は、制御信号S3によって一緒に開かれ、そして閉じられる。
【0033】
図5Aに示される設計においては、入力キャパシタ500は、差動入力信号に直接に結合され、そして出力キャパシタ530は、差動出力信号に直接に結合される。入力キャパシタ500および/または出力キャパシタ530は、いくつかの設計では省略されることができる。サンプリングキャパシタ510および520は、差動入力信号をサンプリングし、そしてそれらの蓄積された電荷を差動出力信号へと供給する。デシメータ220bは、キャパシタ500、510および520のキャパシタンス、ならびにデシメーションファクタNによって決定される周波数に位置するポールを有する。キャパシタ500、510、520および530のキャパシタンスは、図4Aの中のデシメータ220aについて上記で説明される考察に基づいて選択されることができる。キャパシタ510と520とは、同じキャパシタンスを有することができる。キャパシタ530のキャパシタンスは、キャパシタ510および520の結合キャパシタンスよりも小さくすることができ、その結果、電圧降下は、キャパシタ510および520が出力に結合されるときに、大きすぎることはないようになる。
【0034】
図5Bは、N=4の場合についての一設計に従って図5Aにおけるデシメータ220bのための制御信号についてのタイミング図を示している。この設計においては、サンプリングキャパシタ510および520の上部プレートは、2つの充電フェーズ中に充電され、そして読取りフェーズ中にそれらの蓄積された電荷を供給する。サンプリングキャパシタ510および520の下部プレートはまた、2つの充電フェーズ中に充電され、そして読取りフェーズ中にそれらの蓄積された電荷を供給する。
【0035】
時刻Tから時刻Tへの第1の充電フェーズでは、S1信号が、アサートされ、スイッチ512および526が、閉じられ、そしてキャパシタ510の上部プレートは、Inp信号によって充電される。スイッチ518および524がまた、閉じられ、そしてキャパシタ520の下部プレートは、Inn信号によって充電される。時刻Tから時刻Tへの第2の充電フェーズでは、S2信号が、アサートされ、スイッチ514および528が、閉じられ、そしてキャパシタ520の上部プレートは、Inp信号によって充電される。スイッチ516および522がまた、閉じられ、そしてキャパシタ510の下部プレートは、Inn信号によって充電される。時刻Tから時刻Tへの読取りフェーズでは、S3信号が、アサートされ、スイッチ532、534、536および538が、閉じられ、キャパシタ510および520の上部プレートは、それらの蓄積された電荷をOutp信号へと供給し、そしてキャパシタ510および520の下部プレートは、それらの蓄積された電荷をOutn信号へと供給する。
【0036】
図5Bに示される設計では、キャパシタ510および520の上部プレートは、2つのオーバーラップしていない時間間隔中にInp信号によって充電され、そして各出力サンプル期間の中の第3のオーバーラップしていない時間間隔中にそれらの蓄積された電荷をOutp信号へと供給する。Inp信号は、それ故に、任意の与えられた瞬間にせいぜい1つのサンプリングキャパシタの上部プレートを充電する。同様に、キャパシタ510および520の下部プレートは、2つのオーバーラップしていない時間間隔中にInn信号によって充電され、そして各出力サンプル期間の中の第3のオーバーラップしていない時間間隔中にそれらの蓄積された電荷をOutn信号へと供給する。Inn信号は、それ故に、任意の与えられた瞬間にせいぜい1つのキャパシタの下部プレートを充電する。各キャパシタでは、せいぜい1つのプレートが、任意の与えられた瞬間に充電され、または読み取られる。各キャパシタの各プレートが、各出力サンプル期間の異なるオーバーラップしていない時間間隔の中で充電され、そして読み取られる。
【0037】
図5Aの中のデシメータ220bは、図4Aの中のデシメータ220aよりも少ない挿入損失を有することができる。デシメータ220aにおいては、各入力信号は、1つの読取りフェーズにおいて単一のキャパシタ410を充電し、この読取りフェーズは、出力サンプル期間の2分の1より短い持続時間を有する。デシメータ220bにおいては、各入力信号は、2つの読取りフェーズの中で2つのキャパシタ510と520とを交互に充電する。これらの2つのキャパシタは、2つの読取りフェーズ上で入力信号からより多くの電荷を集めることができる可能性があり、これは、そのときにはより少ない挿入損失をもたらすことができる。
【0038】
図6Aは、4つのサンプリングキャパシタを有するスイッチドキャパシタデシメータ220cの一設計の概略図を示している。デシメータ220cは、図2の中のデシメータ220のさらに別の設計である。デシメータ220cは、入力キャパシタ600と、出力キャパシタ650と、2つのキャパシタバンク602および604と、を含む。キャパシタ600は、その上部プレートと下部プレートとが、それぞれ入力ノードApとAnとに結合されている。キャパシタ650は、その上部プレートと下部プレートとが、それぞれ出力ノードZpとZnとに結合されている。
【0039】
第1のキャパシタバンク602内において、スイッチ612と614とは、それぞれ一端が、ノードApに結合され、そして他端が、ノードBpとCpとに結合されている。スイッチ616と618とは、それぞれ一端が、ノードAnに結合され、そして他端が、ノードBnとCnとに結合されている。スイッチ622と626とは、それぞれ一端が、Vrefに結合され、そして他端が、ノードBpとBnとに結合されている。サンプリングキャパシタ610は、その上部プレートと下部プレートとが、それぞれノードBpとBnとに結合されている。スイッチ624と628とは、それぞれ一端が、Vrefに結合され、そして他端が、ノードCpとCnとに結合されている。サンプリングキャパシタ620は、その上部プレートと下部プレートとが、それぞれノードCpとCnとに結合されている。スイッチ632と634とは、それぞれ一端が、ノードZpに結合され、そして他端が、ノードBpとCpとに結合されている。スイッチ636と638とは、それぞれ一端が、ノードZnに結合され、そして他端が、ノードCnとBnとに結合されている。スイッチ612、614、616および618は、それぞれ制御信号S1、S2、S2およびS1によって開かれ、そして閉じられる。スイッチ622、624、626および628は、それぞれ制御信号S2、S1、S1およびS2によって開かれ、そして閉じられる。スイッチ632、634、636および638は、制御信号S34によって一緒に開かれ、そして閉じられる。
【0040】
第2のキャパシタバンク604内において、スイッチ642と644とは、それぞれ一端が、ノードApに結合され、そして他端が、ノードDpとEpとに結合されている。スイッチ646と648とは、それぞれ一端が、ノードAnに結合され、そして他端が、ノードDnとEnとに結合されている。スイッチ652と656とは、それぞれ一端が、Vrefに結合され、そして他端が、ノードDpとDnとに結合されている。サンプリングキャパシタ630は、その上部プレートと下部プレートとが、それぞれノードDpとDnとに結合されている。スイッチ654と658とは、それぞれ一端が、Vrefに結合され、そして他端が、ノードEpとEnとに結合されている。サンプリングキャパシタ640は、その上部プレートと下部プレートとが、それぞれノードEpとEnとに結合されている。スイッチ662と664とは、それぞれ一端が、ノードZpに結合され、そして他端が、ノードDpとEpとに結合されている。スイッチ666と668とは、それぞれ一端が、ノードZnに結合され、そして他端が、ノードEnとDnとに結合されている。スイッチ642、644、646および648は、それぞれ制御信号S3、S4、S4およびS3によって開かれ、そして閉じられる。スイッチ652、654、656および658は、それぞれ制御信号S4、S3、S3およびS4によって開かれ、そして閉じられる。スイッチ662、664、666および668は、制御信号S12によって一緒に開かれ、そして閉じられる。
【0041】
図6Aに示される設計においては、入力キャパシタ600は、差動入力信号に直接に結合され、そして出力キャパシタ650は、差動出力信号に直接に結合される。入力キャパシタ600および/または出力キャパシタ650は、いくつかの設計では省略されることができる。サンプリングキャパシタ610、620、630および640は、差動入力信号をサンプリングし、そしてそれらの蓄積された電荷を差動出力信号へと供給する。デシメータ220cは、キャパシタ600、610、620、630および630のキャパシタンス、ならびにデシメーションファクタNによって決定される周波数に位置するポールを有する。キャパシタ600、610、620、630および640のキャパシタンスは、図4Aの中のデシメータ220aについて上記で説明される考察に基づいて選択されることができる。キャパシタ610と、620と、630と、640とは、同じキャパシタンスを有することができる。
【0042】
図6Bは、N=4の場合についての一設計に従って図6Aの中のデシメータ220cのための制御信号についてのタイミング図を示している。この設計においては、サンプリングキャパシタ610および620の上部プレートと下部プレートとは、各出力サンプル期間のうちの第1の半期において充電され、そして第2の半期において読み取られる。サンプリングキャパシタ630および640の上部プレートと下部プレートとは、各出力サンプル期間のうちの第2の半期において充電され、そして第1の半期において読み取られる。2つのキャパシタバンク602と604とは、インターリーブされた方法で動作する。
【0043】
時刻Tから時刻Tへの第1の充電フェーズでは、S1信号が、アサートされ、スイッチ612、616、624および626が、閉じられ、キャパシタ610の上部プレートは、Inp信号によって充電され、そしてキャパシタ620の下部プレートは、Inn信号によって充電される。時刻Tから時刻Tへの第2の充電フェーズでは、S2信号が、アサートされ、スイッチ614、616、622および628が、閉じられ、キャパシタ610の下部プレートは、Inn信号によって充電され、そしてキャパシタ620の上部プレートは、Inp信号によって充電される。時刻Tから時刻Tへの第1の読取りフェーズでは、S34信号が、アサートされ、スイッチ632、634、636および638が、閉じられ、キャパシタ610および620の上部プレートは、それらの蓄積された電荷をOutp信号へと供給し、そしてキャパシタ610および620の下部プレートは、それらの蓄積された電荷をOutn信号へと供給する。
【0044】
時刻Tから時刻Tへの第3の充電フェーズでは、S3信号が、アサートされ、スイッチ642、648、654および656が、閉じられ、キャパシタ630の上部プレートは、Inp信号によって充電され、そしてキャパシタ640の下部プレートは、Inn信号によって充電される。時刻Tから時刻Tへの第4の充電フェーズでは、S4信号が、アサートされ、スイッチ644、646、652および658が、閉じられ、キャパシタ630の下部プレートは、Inn信号によって充電され、そしてキャパシタ640の上部プレートは、Inp信号によって充電される。時刻Tから時刻Tへの第2の読取りフェーズでは、S12信号が、アサートされ、スイッチ662、664、666および668が、閉じられ、キャパシタ630および640の上部プレートと下部プレートとは、それらの蓄積された電荷をOutp信号へと供給し、そしてキャパシタ630および640の下部プレートは、それらの蓄積された電荷をOutn信号へとへと供給する。
【0045】
図6Bに示される設計では、4つのサンプリングキャパシタ610、620、630および640の上部プレートは、各出力サンプル期間の中の4つのオーバーラップしていない時間間隔中にInp信号によって充電される。Inp信号は、それ故に、任意の与えられた瞬間にせいぜい1つのキャパシタの上部プレートを充電する。キャパシタ610および620の上部プレートは、それらが充電されない時間間隔中にそれらの蓄積された電荷をOutp信号へと供給する。キャパシタ630および640の上部プレートはまた、それらが充電されない時間間隔中にそれらの蓄積された電荷をOutp信号へと供給する。同様に、4つのサンプリングキャパシタ610、620、630および640の下部プレートは、各出力サンプル期間の中の4つのオーバーラップしていない時間間隔の中でInn信号によって充電される。Inn信号は、それ故に、任意の与えられた瞬間にせいぜい1つのキャパシタの下部プレートを充電する。キャパシタ610および620の下部プレートは、それらが充電されない時間間隔中にそれらの蓄積された電荷をOutn信号へと供給する。キャパシタ630および640の下部プレートはまた、それらが充電されない時間間隔中にそれらの蓄積された電荷をOutn信号へと供給する。各キャパシタでは、せいぜい1つのプレートが、任意の与えられた瞬間に充電され、または読み取られる。各キャパシタの各プレートは、各出力サンプル期間の異なるオーバーラップしていない時間間隔の中で充電され、そして読み取られる。
【0046】
図6Aの中のデシメータ220cは、図5Aの中のデシメータ220bと、図4Aの中のデシメータ220aとに比べて、より少ない挿入損失を有することができる。デシメータ220cでは、各入力信号は、できる限り時間における小さいギャップを有することができる4つの読取りフェーズの中で4つのサンプリングキャパシタ610、620、630および640を充電する。これらのキャパシタは、そのときには入力信号からできる限り多くの電荷を集めることができる可能性があり、これは、より少ない挿入損失をもたらすことができる。
【0047】
図4A、5Aおよび6Aは、少なくとも1つのサンプリングキャパシタの上部プレートと下部プレートとの両方の上へと差動入力信号をサンプリングすることができる3つのスイッチドキャパシタデシメータの設計を示している。スイッチドキャパシタデシメータはまた、サンプリングキャパシタとスイッチとの異なる配列を有することができる他の設計を用いてインプリメントされることもできる。
【0048】
図4B、5Bおよび6Bは、それぞれ図4A、5Aおよび6Aの中のスイッチドキャパシタデシメータの設計についての3つの例のタイミング図を示している。スイッチドキャパシタデシメータの中のスイッチのための制御信号は、各サンプリングキャパシタの各プレートの充電および読取りを可能にする他の方法で生成されることもできる。
【0049】
図4A、5Aおよび6Aの中で示される設計においては、入力キャパシタ400、500および600は、上記で説明される考察に基づいて選択されることができる固定値を有する。構成可能な入力キャパシタを有することが、望ましい可能性がある。
【0050】
図7は、構成可能な入力キャパシタ700の一設計の概略図を示しており、これらのキャパシタは、それぞれ図4A、5Aおよび6Aの中の入力キャパシタ400、500および600のおのおののために使用されることができる。この設計においては、入力キャパシタ700は、並列に結合されたK個のキャパシタ710aないし710kを含み、ここで一般にK>1であり、そして一設計においてはK=2である。キャパシタ710aは、ノードApとAnとの間に直接に結合される。キャパシタ710bないし710kは、それぞれスイッチ712bないし712kと直列に結合される。キャパシタ710とスイッチ712との各直列結合は、ノードApとAnとの間に結合される。スイッチ712bないし712kは、それぞれ制御信号VbないしVkによって開かれ、そして閉じられる。キャパシタ710aないし710kは、同じまたは異なるキャパシタンスを有することができる。
【0051】
図7に示される設計においては、キャパシタ710aは、常にノードApとAnとの間に結合されている。キャパシタ710bないし710kのおのおのは、スイッチ712bないし712kのうちのそれぞれ1つを経由してノードApとAnとの間に結合されることができる。別の設計においては、キャパシタ710aは、スイッチを経由してノードApとAnとの間に選択的に結合されることもできる。
【0052】
ノードApとAnとを通しての入力キャパシタンスは、検出されたチャネル状態に基づいて選択されることができる。一般に、より高い入力キャパシタンスは、入力信号のより大きな減衰を提供することができ、これは、大きなブロッカー(blocker)が、検出されるときに望ましい可能性がある。ブロッカーは、望ましい信号よりもずっと大きい可能性があり、そして望ましい信号と周波数が近い可能性がある望ましくない信号のことである。ブロッカーは、ジャマー(jammer)と称されることもできる。一設計において、大きなブロッカーが検出される場合、そのときにはキャパシタ710bないし710kのうちの1つまたは複数は、ノードApとAnとの間に結合されることができる。余分なキャパシタ(単数または複数)は、大きなブロッカーを減衰させることができ、これは、後続の回路ブロックの飽和を回避することができる。大きなブロッカーが、検出されない場合、そのときにはキャパシタ710aだけが、ノードApとAnとの間に結合されることができる。これは、より大きな信号スイングを提供することができ、これは、雑音に起因した悪化を低減させることができる。
【0053】
図8は、デシメーションを実行するためのプロセス800の一設計を示している。少なくとも1つのサンプリングキャパシタのおのおのの上部プレートは、サンプリングキャパシタが、上部充電のために選択されるときに、第1の入力信号で充電されることができる(ブロック812)。少なくとも1つのサンプリングキャパシタのおのおのの下部プレートは、サンプリングキャパシタが、下部充電のために選択されるときに、第2の入力信号で充電されることができる(ブロック814)。各サンプリングキャパシタの上部プレートおよび下部プレートからの蓄積された電荷は、サンプリングキャパシタが、読取りのために選択されるときに、それぞれ第1および第2の出力信号へと供給されることができる(ブロック816)。
【0054】
各サンプリングキャパシタでは、上部プレートは、第1の時間間隔の中で充電されることができ、そして下部プレートは、第2の時間間隔の中で充電されることができる。第1の時間間隔と第2の時間間隔とは、等しい持続時間を有することができる。一設計においては、第2の時間間隔は、第1の時間間隔から、出力サンプル期間の2分の1だけ遅延されることができる。別の設計においては、第2の時間間隔は、第1の時間間隔から、出力サンプル期間の2分の1よりも少しだけ遅延されることができる。
【0055】
少なくとも1つのサンプリングキャパシタの上部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの第1の時間間隔の、各出力サンプル期間の中の少なくとも1つのオーバーラップしていない第1の時間間隔の中で充電されることができる。少なくとも1つのサンプリングキャパシタの下部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの第2の時間間隔の、各出力サンプル期間の中の少なくとも1つのオーバーラップしていない第2の時間間隔の中で充電されることができる。各サンプリングキャパシタでは、上部プレートを充電するための第1の時間間隔は、下部プレートを充電するための第2の時間間隔とオーバーラップしていないようにすることができる。各サンプリングキャパシタの上部プレートおよび下部プレートは、そのサンプリングキャパシタを充電するために使用される第1および第2の時間間隔とオーバーラップしていない時間間隔の中で、それぞれ第1および第2の出力信号に結合されることができる。
【0056】
一設計においては、複数のサンプリングキャパシタが、使用される。複数のサンプリングキャパシタの上部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの時間間隔の、各出力サンプル期間の中の複数のオーバーラップしていない時間間隔の中で充電されることができる。複数のサンプリングキャパシタの下部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの時間間隔の、各出力サンプル期間の中の複数のオーバーラップしていない時間間隔の中で充電されることができる。各サンプリングキャパシタでは、上部プレートを充電するための時間間隔は、下部プレートを充電するための時間間隔とはオーバーラップしていないようにすることができ、そして上部プレートおよび下部プレートを読み取るための時間間隔は、上部プレートおよび下部プレートを充電するための時間間隔とオーバーラップしていないようにすることができる。
【0057】
ここにおいて説明されるスイッチドキャパシタデシメータは、IC、アナログIC、RFIC、混合信号IC、ASIC、プリント回路基板(printed circuit board)(PCB)、電子デバイスなどの上にインプリメントされることができる。スイッチドキャパシタデシメータは、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor)(CMOS)、N−チャネルMOS(NMOS)、P−チャネルMOS(PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(bipolar junction transistor)(BJT)、バイポーラ−CMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)など、様々なICプロセス技術を用いて製造されることもできる。
【0058】
ここにおいて説明されるスイッチドキャパシタデシメータをインプリメントする装置は、スタンドアロンデバイスとすることもでき、またはより大きなデバイスの一部分とすることもできる。デバイスは、(i)スタンドアロンIC、(ii)データおよび/または命令を記憶するためのメモリICを含むことができる1組の1つまたは複数のIC、(iii)RFレシーバ(RFR)やRFトランスミッタ/レシーバ(RTR)などのRFIC、(iv)移動局モデム(mobile station modem)(MSM)などのASIC、(v)他のデバイス内に埋め込まれることができるモジュール、(vi)レシーバ、セルラ電話、ワイヤレスデバイス、ハンドセット、またはモバイルユニット、(vii)その他、とすることができる。
【0059】
1つまたは複数の例示の設計において、説明される機能(functions)は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せの形でインプリメントされることができる。ソフトウェアの形でインプリメントされる場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令、あるいはコードとして記憶され、あるいは送信されることができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へとコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含めて、コンピュータストレージ媒体と、通信媒体との両方を含む。ストレージ媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる使用可能な任意の媒体とすることができる。例として、限定するものではないが、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で望ましいプログラムコードを搬送しまたは記憶するために使用されることができ、そしてコンピュータによってアクセスされることができる他の任意の媒体、を備えることができる。また、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と適切に名づけられることができる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア(twisted pair)、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、そのときには同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義の中に含まれる。ここにおいて使用されるようなディスク(Disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスク(blu-ray disc)を含み、ここでディスク(disks)は通常、データを磁気的に再生するが、ディスク(discs)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含められるべきである。
【0060】
本開示の以上の説明は、任意の当業者が、本開示を作り、または使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者にとって簡単に明らかになり、そしてここにおいて定義される包括的な原理は、本開示の範囲を逸脱することなく、他の変形に対しても適用されることができる。したがって、本開示は、ここにおいて説明される例および設計だけに限定されるようには意図されず、ここにおいて開示される原理および新規特徴と整合した最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力サンプルレートで第1および第2の入力信号を受け取るように、そして前記入力サンプルレートよりも低い出力サンプルレートで第1および第2の出力信号を供給するように、動作するスイッチドキャパシタデシメータ、
を備え、前記スイッチドキャパシタデシメータは、
少なくとも1つのサンプリングキャパシタと、なお各サンプリングキャパシタは、前記サンプリングキャパシタが上部充電のために選択されるときに、上部プレートが、前記第1の入力信号で充電され、そして前記サンプリングキャパシタが下部充電のために選択されるときに、下部プレートが、前記第2の入力信号で充電され、各サンプリングキャパシタの前記の上部プレートおよび下部プレートは、前記サンプリングキャパシタが読取りのために選択されるときに、蓄積された電荷をそれぞれ前記の第1および第2の出力信号へと供給する;
充電のために前記の第1および第2の入力信号に、そして読取りのために前記の第1および第2の出力信号に、前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタを結合するように動作する複数のスイッチと;
を備える、装置。
【請求項2】
前記の第1および第2の入力信号は、差動入力信号のためのものであり、そして前記の第1および第2の出力信号は、差動出力信号のためのものである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタは、単一のサンプリングキャパシタを備え、そして前記複数のスイッチは、
上部充電のために選択されるときに、前記第1の入力信号を前記サンプリングキャパシタの前記上部プレートに結合するように動作する第1のスイッチと、
下部充電のために選択されるときに、前記第2の入力信号を前記サンプリングキャパシタの前記下部プレートに結合するように動作する第2のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記サンプリングキャパシタの前記上部プレートを前記第1の出力信号に結合するように動作する第3のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記サンプリングキャパシタの前記下部プレートを前記第2の出力信号に結合するように動作する第4のスイッチと、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタは、第1および第2のサンプリングキャパシタを備え、そして前記複数のスイッチは、
上部充電のために選択されるときに、前記第1の入力信号を前記の第1および第2のサンプリングキャパシタの上部プレートにそれぞれ結合するように動作する第1および第2のスイッチと、
下部充電のために選択されるときに、前記第2の入力信号を前記の第1および第2のサンプリングキャパシタの下部プレートにそれぞれ結合するように動作する第3および第4のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記の第1および第2のサンプリングキャパシタの前記上部プレートをそれぞれ前記第1の出力信号に結合するように動作する第5および第6のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記の第1および第2のサンプリングキャパシタの前記下部プレートをそれぞれ前記第2の出力信号に結合するように動作する第7および第8のスイッチと、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタは、第1、第2、第3および第4のサンプリングキャパシタを備え、そして前記複数のスイッチは、
上部充電のために選択されるときに、前記第1の入力信号を前記の第1、第2、第3および第4のサンプリングキャパシタの上部プレートにそれぞれ結合するように動作する第1、第2、第3および第4のスイッチと、
下部充電のために選択されるときに、前記第2の入力信号を前記の第1、第2、第3および第4のサンプリングキャパシタの下部プレートにそれぞれ結合するように動作する第5、第6、第7および第8のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記の第1、第2,第3および第4のサンプリングキャパシタの前記上部プレートをそれぞれ前記第1の出力信号に結合するように動作する第9、第10、第11および第12のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記の第1、第2、第3および第4のサンプリングキャパシタの前記下部プレートをそれぞれ前記第2の出力信号に結合するように動作する第13、第14、第15および第16のスイッチと、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記スイッチドキャパシタデシメータは、前記の第1の入力信号と第2の入力信号との間に結合された入力キャパシタ、をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記スイッチドキャパシタデシメータは、選択されるときに前記の第1の入力信号と第2の入力信号との間で結合され、そして選択されないときに前記の第1の入力信号と第2の入力信号とから切り離される入力キャパシタ、をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記入力キャパシタは、より大きなブロッカーが検出されるときに選択され、そしてより大きなブロッカーが検出されないときに選択されない、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記スイッチドキャパシタデシメータは、前記の第1の出力信号と第2の出力信号との間に結合された出力キャパシタ、をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
各サンプリングキャパシタでは、前記上部プレートは、第1の時間間隔の中で充電され、前記下部プレートは、第2の時間間隔の中で充電され、前記第2の時間間隔は、前記第1の時間間隔から出力サンプル期間の2分の1だけ遅延される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
各サンプリングキャパシタでは、前記上部プレートは、第1の時間間隔の中で充電され、前記下部プレートは、第2の時間間隔の中で充電され、前記第2の時間間隔は、前記第1の時間間隔から出力サンプル期間の2分の1よりも少なく遅延される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタの前記上部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの第1の時間間隔の、各出力サンプル期間の中の少なくとも1つのオーバーラップしていない第1の時間間隔の中で充電され、そして前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタの前記下部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの第2の時間間隔の、各出力サンプル期間の中の少なくとも1つのオーバーラップしていない第2の時間間隔の中で充電される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
各サンプリングキャパシタでは、前記上部プレートを充電するための前記第1の時間間隔は、前記下部プレートを充電するための前記第2の時間間隔とオーバーラップしていない、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
各出力サンプル期間において、前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタの前記上部プレートは、前記第1の出力信号に結合され、そして前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタの前記下部プレートは、前記少なくとも1つの第1の時間間隔、および前記少なくとも1つの第2の時間間隔とオーバーラップしていない第3の時間間隔の中で、前記第2の出力信号に結合される、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタは、複数のサンプリングキャパシタを備え、前記複数のサンプリングキャパシタの前記上部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの時間間隔の、各出力サンプル期間の中の複数のオーバーラップしていない時間間隔の中で充電され、前記複数のサンプリングキャパシタの前記下部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの時間間隔の、各出力サンプル期間の中の前記複数のオーバーラップしていない時間間隔の中で充電され、そして各サンプリングキャパシタでは、前記上部プレートを充電するための前記時間間隔は、前記下部プレートを充電するための前記時間間隔とオーバーラップしていない、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記の第1、第2、第3および第4のサンプリングキャパシタの前記上部プレートは、各出力サンプル期間の中の、それぞれ第1、第2、第3および第4のオーバーラップしていない時間間隔の中で充電され、そして前記の第1、第2、第3および第4のサンプリングキャパシタの前記下部プレートは、各出力サンプル期間の中の、それぞれ前記の第2、第1、第4および第3の時間間隔の中で充電される、請求項5に記載の装置。
【請求項17】
前記の第1および第2のサンプリングキャパシタの前記上部プレートは、前記第1の出力信号に結合され、そして前記の第3および第4のサンプリングキャパシタの前記下部プレートは、前記の第3および第4の時間間隔のうちの少なくとも一方の中で前記第2の出力信号に結合され、そして前記の第3および第4のサンプリングキャパシタの前記上部プレートは、前記第1の出力信号に結合され、そして前記の第1および第2のサンプリングキャパシタの前記下部プレートは、前記の第1および第2の時間間隔のうちの少なくとも一方の中で前記第2の出力信号に結合される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記スイッチドキャパシタデシメータは、各サンプリングキャパシタについて、
前記サンプリングキャパシタの上部プレートに結合され、そして前記サンプリングキャパシタの下部プレートが充電されているときに、前記上部プレートを基準電圧に結合するように動作する第1のスイッチと、
前記サンプリングキャパシタの前記下部プレートに結合され、そして前記サンプリングキャパシタの前記上部プレートが充電されているときに、前記下部プレートを前記基準電圧に結合するように動作する第2のスイッチと、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
入力サンプルレートで、第1および第2の入力信号を受け取るように、そして前記入力サンプルレートよりも低い出力サンプルレートで第1および第2の出力信号を供給するように、動作するスイッチドキャパシタデシメータ、
を備え、前記スイッチドキャパシタデシメータは、
少なくとも1つのサンプリングキャパシタと、なお各サンプリングキャパシタは、前記サンプリングキャパシタが上部充電のために選択されるときに、上部プレートが、前記第1の入力信号で充電され、そして前記サンプリングキャパシタが下部充電のために選択されるときに、下部プレートが、前記第2の入力信号で充電され、各サンプリングキャパシタの前記の上部プレートおよび下部プレートは、前記サンプリングキャパシタが読取りのために選択されるときに、蓄積された電荷をそれぞれ前記の第1および第2の出力信号に供給する;
充電のために前記の第1および第2の入力信号に、そして読取りのために前記の第1および第2の出力信号に、前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタを結合するように動作する複数のスイッチと;
を備える、集積回路。
【請求項20】
前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタは、単一のサンプリングキャパシタを備え、そして前記複数のスイッチは、
上部充電のために選択されるときに、前記第1の入力信号を前記サンプリングキャパシタの前記上部プレートに結合するように動作する第1のスイッチと、
下部充電のために選択されるときに、前記第2の入力信号を前記サンプリングキャパシタの前記下部プレートに結合するように動作する第2のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記サンプリングキャパシタの前記上部プレートを前記第1の出力信号に結合するように動作する第3のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記サンプリングキャパシタの前記下部プレートを前記第2の出力信号に結合するように動作する第4のスイッチと、
を備える、請求項19に記載の集積回路。
【請求項21】
前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタは、第1および第2のサンプリングキャパシタを備え、そして前記複数のスイッチは、
上部充電のために選択されるときに、前記第1の入力信号を前記の第1および第2のサンプリングキャパシタの上部プレートにそれぞれ結合するように動作する第1および第2のスイッチと、
下部充電のために選択されるときに、前記第2の入力信号を前記の第1および第2のサンプリングキャパシタの下部プレートにそれぞれ結合するように動作する第3および第4のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記の第1および第2のサンプリングキャパシタの前記上部プレートをそれぞれ前記第1の出力信号に結合するように動作する第5および第6のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記の第1および第2のサンプリングキャパシタの前記下部プレートをそれぞれ前記第2の出力信号に結合するように動作する第7および第8のスイッチと、
を備える、請求項19に記載の集積回路。
【請求項22】
前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタは、第1、第2、第3および第4のサンプリングキャパシタを備え、そして前記複数のスイッチは、
上部充電のために選択されるときに、前記第1の入力信号を前記の第1、第2、第3および第4のサンプリングキャパシタの上部プレートにそれぞれ結合するように動作する第1、第2、第3および第4のスイッチと、
下部充電のために選択されるときに、前記第2の入力信号を前記の第1、第2、第3および第4のサンプリングキャパシタの下部プレートにそれぞれ結合するように動作する第5、第6、第7および第8のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記の第1、第2,第3および第4のサンプリングキャパシタの前記上部プレートをそれぞれ前記第1の出力信号に結合するように動作する第9、第10、第11および第12のスイッチと、
読取りのために選択されるときに、前記の第1、第2、第3および第4のサンプリングキャパシタの前記下部プレートをそれぞれ前記第2の出力信号に結合するように動作する第13、第14、第15および第16のスイッチと、
を備える、請求項19に記載の集積回路。
【請求項23】
前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタの前記上部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの第1の時間間隔の、各出力サンプル期間の中の少なくとも1つのオーバーラップしていない第1の時間間隔の中で充電され、前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタの前記下部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの第2の時間間隔の、各出力サンプル期間の中の少なくとも1つのオーバーラップしていない第2の時間間隔の中で充電され、そして各サンプリングキャパシタでは、前記上部プレートを充電するための前記第1の時間間隔は、前記下部プレートを充電するための前記第2の時間間隔とオーバーラップしていない、請求項19に記載の集積回路。
【請求項24】
アナログ信号をフィルタにかけるように、そして第1および第2の入力信号を備える差動入力信号を供給するように、動作するアンチエイリアスフィルタと、
前記アンチエイリアスフィルタに結合され、そして入力サンプルレートで前記差動入力信号を受け取るように、そして前記入力サンプルレートよりも低い出力サンプルレートで第1および第2の出力信号を備える差動出力信号を供給するように、動作するスイッチドキャパシタデシメータと、
を備え、前記スイッチドキャパシタデシメータは、少なくとも1つのサンプリングキャパシタを備え、各サンプリングキャパシタは、前記サンプリングキャパシタが上部充電のために選択されるときに、上部プレートが、前記第1の入力信号で充電され、そして前記サンプリングキャパシタが下部充電のために選択されるときに、下部プレートが、前記第2の入力信号で充電され、前記サンプリングキャパシタが読取りのために選択されるときに、各サンプリングキャパシタの前記の上部プレートおよび下部プレートは、蓄積された電荷をそれぞれ前記の第1および第2の出力信号へと供給する、装置。
【請求項25】
前記アンチエイリアスフィルタは、目標量だけ前記出力サンプルレートの第2高調波における望ましくない信号成分を減衰させるように、そして前記目標量よりも少なく前記出力サンプルレートの第1高調波における望ましくない信号成分を減衰させるように、動作する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記スイッチドキャパシタデシメータに結合され、そして前記差動出力信号をフィルタにかけるように、そしてフィルタにかけられた信号を供給するように、動作する離散時間フィルタ、
をさらに備える請求項24に記載の装置。
【請求項27】
出力サンプルレートにおける第1および第2の出力信号を備える差動出力信号を得るために入力サンプルレートにおける第1および第2の入力信号を備える差動入力信号上でデシメーションを実行する方法であって、
前記サンプリングキャパシタが上部充電のために選択されるときに、少なくとも1つのサンプリングキャパシタのおのおのの上部プレートを前記第1の入力信号で充電することと、
前記サンプリングキャパシタが下部充電のために選択されるときに、前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタのおのおのの下部プレートを前記第2の入力信号で充電することと、
前記サンプリングキャパシタが読取りのために選択されるときに、蓄積された電荷を各サンプリングキャパシタの前記の上部プレートおよび下部プレートからそれぞれ前記の第1および第2の出力信号へと供給することと、
を備える方法。
【請求項28】
各サンプリングキャパシタでは、前記上部プレートは、第1の時間間隔の中で充電され、前記下部プレートは、第2の時間間隔の中で充電され、前記第2の時間間隔は、前記第1の時間間隔から出力サンプル期間の2分の1だけ遅延される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタの前記上部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの第1の時間間隔の、各出力サンプル期間の中の少なくとも1つのオーバーラップしていない第1の時間間隔の中で充電され、そして前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタの前記下部プレートは、各サンプリングキャパシタについて1つの第2の時間間隔の、各出力サンプル期間の中の少なくとも1つのオーバーラップしていない第2の時間間隔の中で充電される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
各サンプリングキャパシタの前記の上部プレートおよび下部プレートからの前記蓄積された電荷は、前記サンプリングキャパシタの前記の上部プレートおよび下部プレートを充電するための第1および第2の時間間隔とオーバーラップしていない時間間隔の中でそれぞれ前記の第1および第2の出力信号へと供給される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
出力サンプルレートにおける第1および第2の出力信号を備える差動出力信号を得るために入力サンプルレートにおける第1および第2の入力信号を備える差動入力信号上でデシメーションを実行するための装置であって、
前記サンプリングキャパシタが上部充電のために選択されるときに、少なくとも1つのサンプリングキャパシタのおのおのの上部プレートを前記第1の入力信号で充電するための手段と、
前記サンプリングキャパシタが下部充電のために選択されるときに、前記少なくとも1つのサンプリングキャパシタのおのおのの下部プレートを前記第2の入力信号で充電するための手段と、
前記サンプリングキャパシタが読取りのために選択されるときに、蓄積された電荷を各サンプリングキャパシタの前記の上部プレートおよび下部プレートからそれぞれ前記の第1および第2の出力信号へと供給するための手段と、
を備える装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−521561(P2011−521561A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509621(P2011−509621)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/043669
【国際公開番号】WO2009/140306
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】