説明

スキャホールドシート及びその製造方法

【課題】疎水性有機溶媒を用いることなく製造することができ、しかも微細孔の孔径制御が容易なスキャホールドシート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】エオシン化ゼラチン等の可視光架橋物質と、ハイドロゲンドナーとを含む水溶液を面状に展延し、微細孔形成用非透過部を有したマスクを介して可視光を照射することにより露光部を光架橋・不溶化してシート状とする。次いで、水に浸漬して未露光部を溶解除去することにより微細孔を形成してスキャホールドシートとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート厚み方向に多数の微細孔が貫通しているスキャホールドシート(シート状のスキャホールド材)の製造方法と、この方法により製造されたスキャホールドシートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、細胞の機能や分化応答性がマトリックスによって制御されていることが明らかになり、組織工学、再生医療においては細胞の増殖だけでなく分化などの応答性を制御する研究が盛んに行われている。特に、多種多様に発見されている幹細胞の分化抑制、分化誘導は重要であり、スキャホールド材はサブカルチャーの段階から分化応答性などを制御できる機能が要求されるようになってきている。
平板状のスキャホールド材の場合には、材料表面の物理的性質を制御してこれら機能発現を目指す技術と化学的性質を制御する技術などが検討されている。
【0003】
細胞接着性の表面の化学的性質を制御する技術の例としては、アシアロ糖タンパク仲介型接着であるPVLAのような非インテグリン型接着での培養技術や、LIF(Leukemia Inhibitory Factor)の固定皿などES細胞を未分化の状態でサブカルチャーする技術がある。
【0004】
シート厚み方向に多数の微細孔が貫通しているスキャホールド材の製造方法として、高湿度条件下でプラスチック溶液をガラスシャーレ上に滴下した後、溶媒を蒸発させることにより蜂の巣(ハニカム)状に微細孔が配列されたフィルムを製造する方法が下記非特許文献1に記載されている。同文献によると、溶媒の蒸発とともに溶液表面へ結露した水滴が鋳型になって微細孔が形成されること;この水滴は経時的に成長すること;孔径制御には溶液の蒸発時間が最も効果的な制御因子であること;が記載されている。
【非特許文献1】北海道大学21世紀COEプログラム「バイオとナノを融合する新生命科学拠点:BB市民キャンパス(http://www.kitacan.jp/coe/08/)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のスキャホールド材の製造方法では、フィルムは疎水性有機溶媒に溶解するポリマーでしか作成することができず、疎水性有機溶媒がフィルム中に残存するおそれがある。また、微細孔の孔径制御が容易ではない。
【0006】
本発明は、疎水性有機溶媒を用いることなく製造することができ、しかも微細孔の孔径制御が容易なスキャホールドシート及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明(請求項1)のスキャホールドシートの製造方法は、シート厚み方向に多数の微細孔が貫通しているスキャホールドシートを製造する方法において、下記(A)の化合物と、ハイドロゲンドナーと、を含む水溶液を面状に展延し、微細孔の形成予定部が光の非透過部となっており、その他の部分は透光性となっているマスクを介して可視光を照射することにより、光が照射された部分を光架橋・不溶化してシートとし、その後、該非透過部により遮光されて光が照射されなかった部分を水で溶解除去して前記微細孔を形成することを特徴とするものである。
(A)キサンテン系色素で修飾した、コラーゲン、フィブロネクチン、ゼラチン、ヒアルロン酸、ケラタン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、エラスチン、ヘパラン硫酸、ラミニン、トロンボスポンジン、ビトロネクチン、オステオネクチン、エンタクチン、ガゼイン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリシドール、ポリグリシドールの側鎖エステル化体、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体、ヒドロキシエチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体、アルギン酸、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種。
【0008】
請求項2のスキャホールドシートの製造方法は、請求項1において、面状に展延する水溶液の厚みは100μm〜5mmであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3のスキャホールドシートの製造方法は、請求項1又は2において、前記水溶液を展延後に乾燥し、その後、前記可視光を照射することを特徴とするものである。
【0010】
請求項4のスキャホールドシートの製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、ハイドロゲンドナーがチオール、アルコール、還元糖、ポリフェノール又は1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5のスキャホールドシートの製造方法は、請求項1ないし4のいずれか1項において、キサンテン系色素がエオシンであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6のスキャホールドシートの製造方法は、請求項1ないし5のいずれか1項において、(A)がゼラチンであることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7のスキャホールドシートの製造方法は、請求項6において、ゼラチンが1分子中に1個〜10個のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とするものである。
【0014】
請求項8のスキャホールドシートの製造方法は、請求項7において、ゼラチンが1分子中に2個〜6個のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とするものである。
【0015】
請求項9のスキャホールドシートの製造方法は、請求項1ないし8のいずれか1項において、微細孔の孔径が0.1〜1000μmであることを特徴とするものである。
【0016】
請求項10のスキャホールドシートの製造方法は、請求項1ないし9のいずれか1項において、前記水溶液に生理活性物質を含有させておくことを特徴とするものである。
【0017】
請求項11のスキャホールドシートは、請求項1ないし10のいずれかの製造方法により製造されたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明のスキャホールドシート及びその製造方法にあっては、キサンテン系色素で修飾された、生分解性の水溶性高分子化合物を、マスクを介してハイドロゲンドナーの存在下で可視光照射することにより、光を照射した部分(露光部)を架橋不溶化してシート状とする。微細孔形成予定部には光が照射されず、架橋しないので、シートの未露光部分を水で溶解除去することにより、微細孔が形成される。
【0019】
本発明では、このように高分子化合物の水溶液を展延して光架橋し、水で未露光部分を溶解除去するようにしており、作成に有機溶媒を一切使用しない。従って、ゲル中に有機溶媒は残留しない。
【0020】
また、マスクに、目的とする微細孔の孔径及び配列パターンに従った光非透過部を形成しておくことにより、目的とする孔径及び配列パターンにて微細孔を形成することができる。
【0021】
作成されたスキャホールドシートを構成するゲルには柔軟性があり、全面に穿孔された微細孔の効果により、播種された細胞は単層ではなく3次元的なすなわち生体内と近似の環境で細胞を培養することが可能となる。
【0022】
なお、上記の水溶性高分子の水溶液に生理活性物質を含有させてもよい。この生理活性物質は、ゲルシートよりなるスキャホールドシートから徐々に放出される。
【0023】
このゲル状シートは、可視光で架橋して作成されるため、この生理活性物質が光に弱いものであっても、その活性が損なわれないし、シートの基材からの分解物による細胞への悪影響も少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0025】
本発明では、可視光の照射によりラジカルを発生してゲル化する物質として、前記(A)の物質を用いる。
【0026】
この(A)の化合物におけるキサンテン系色素としてはエオシンが好適であり、上記(A)の物質としてはエオシン化ゼラチンが好適である。このエオシン化ゼラチンについては後に記述する。
【0027】
ゼラチンをキサンテン系色素で修飾する場合、ゼラチン1分子に対するキサンテン系色素分子の導入数は10個以下が好ましく、特に2〜6個であることが好ましい。この導入数が10よりも多いと、ゼラチンが水へ難溶となり、最終的にはスキャホールドシートが硬くなる。
【0028】
本発明では、ラジカルのカウンターであるプロトン供与体として、ハイドロゲンドナーを用いる。このハイドロゲンドナーとしては、チオール、アルコール、還元糖、ポリフェノール、1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物などが好適であり、特に1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物が好適である。
【0029】
シート作成用の水溶液に生理活性物質を含有させてもよい。
【0030】
生理活性物質としては、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヒルジン、アルガトロバン、フォルマコリン、バピプロスト、プロスタモリン、プロスタキリン同族体、デキストラン、ローフェプローアルグクロロメチルケトン、デイピリダモール、グリコプロテインの血小板膜レセプタ抗体、組換え型ヒルジン、トロンビン抑制剤、脈管ペプチン、脈管テンシン転換酵素抑制剤、ステロイド、繊維芽細胞成長因子アンタゴニスト、フィッシュオイル、オメガ3ー脂肪酸、ヒスタミン、アンタゴニスト、HMG−CoAリダクテース抑制剤、セラミン、セロトニン阻止抗体、チオプロテイース抑制剤、トリマゾールピリデイミン、インターフェロン、ラパマイシン、FK506、血小板由来増殖因子、上皮増殖因子、形質転換増殖因子α、インスリン様増殖因子、インスリン様増殖因子結合蛋白、肝細胞増殖因子、血管内皮増殖因子、アンジオポイエチン、神経増殖因子、脳由来神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、形質転換増殖因子β、潜在型形質転換増殖因子β、アクチビン、骨形質タンパク、繊維芽細胞増殖因子、腫瘍増殖因子β、二倍体繊維芽細胞増殖因子、ヘパリン結合性上皮増殖因子様増殖因子、シュワノーマ由来増殖因子、アンフィレグリン、ベーターセルリン、エピグレリン、リンホトキシン、エリスロエポイエチン、腫瘍壊死因子α、インターロイキン−1β、インターロイキン−6、インターロイキン−8、インターロイキン−17、インターフェロン、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗生物質、抗がん剤、拮抗剤、免疫抑制剤、レセプター遮断剤、抗パーキンソン病薬、ビタミン薬、フラボノイド、抗不整脈剤、インスリン、カルシトニン、放射性物質、還元グルタチオン、ニトログリセリン、プロスタグランジン、ポリフェノール、エリスロポイエチン、RNA、DNA、及び、RNA及び/又はDNAを導入したベクターよりなる群から選択される少なくとも1種が例示される。
【0031】
(A)の物質の水溶液中の濃度は0.1〜50重量%程度が好ましい。
【0032】
水溶液中における場合の上記(A)、ハイドロゲンドナー及び生理活性物質の割合は、(A)に対してハイドロゲンドナーが0.01〜150重量部、生理活性物質が150重量部以下例えば0.01〜150重量部であることが好ましい。
【0033】
この水溶液を好ましくは厚み100μm〜5mm程度となるように面状に展延し、マスクを介して可視光を照射することにより露光部分を光架橋し不溶化してシート状とする。その後、未露光部分を水で溶解除去して微細孔を形成し、スキャホールドシートとする。
【0034】
展延は、水溶液を成形型上又は成形型内に流し込んだり流し出したりするようにして行われてもよく、刷毛やヘラなどによって成形型に塗布して行ってもよい。成形型の成形面は平面であってもよく、曲面であってもよい。スリット状の開口を有したノズルから幕(カーテン)状に流し出すようにしてシート状に展延してもよい。
【0035】
この展延の後、乾燥を行ってもよい。成形面が曲面の場合は、乾燥を行う方が望ましい。成形面の少なくとも一部が曲面である成形型を用いると、臓器の曲面におおむね合致するように湾曲したシートを成形することができる。このように少なくとも一部が湾曲したシートは、臓器の形状に成形して細胞生着させて培養したものを移植する臓器再生や、事故などで欠損した組織(腕や耳など)の欠損部位の形状で細胞を培養して移植する再生医療への応用が期待できる。
【0036】
上記の微細孔の孔径は0.1〜1000μm特に1〜100μmとりわけ10〜70μm程度が好適である。
【0037】
微細孔の孔の形は、真円、楕円形、三角形又は四角形以上の多角形、星形など任意である。異なる孔径状の微細孔が混在していてもよい。
【0038】
隣接する直近の微細孔間の平均距離は0.5〜500μm、特に5〜50μm程度が好適である。
【0039】
この微細孔の孔径や微細孔の配置密度は、マスクに設ける非透過部の大きさ及び配置により任意に制御することができる。
【0040】
マスクとしては、透明なPMMA等の樹脂フィルムに非透過部を銀ペースト等のスクリーン印刷や、アルミ等の金属の蒸着等により形成したものが好適である。
【0041】
次に、本発明において用いるのに好適なエオシン化ゼラチンについて説明する。
【0042】
ここでゼラチンは、分子量5千〜10万、アミノ基約10〜100個/1分子程度の通常のゼラチンで良い。
【0043】
エオシン化ゼラチンは、下記反応に従ってゼラチンの側鎖にエオシンを導入することにより調製される。
【0044】
【化1】

【0045】
ゼラチン分子へのエオシンの導入数は、例えば、エオシン化ゼラチンの水溶液の吸光度をエオシンの最大吸収波長522nmにおいて測定し、エオシンのモル吸光係数(ε=94755)を基に算出可能であり、ゼラチン1分子に対して1〜10個、特に2〜5個程度が好ましい。このエオシン等の感光基を有する化合物の導入数が少ないとゲル化率が低下し、また必要以上に多くてもゼラチン固有の柔軟性が損なわれる可能性があると共に、水へ難溶性となってしまう。
【0046】
このエオシン化ゼラチンは、粘稠性の液体状である。これを例えば濃度1〜10重量%の水溶液とした場合には、300〜30,000lx程度の可視光、特に生体に対する用途にあっては、300〜15,000lx程度の比較的低照度で、生体に対して影響の低い可視光を0.1〜30分程度照射してゲル状に硬化させることができる。
【実施例】
【0047】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0048】
実施例1
[エオシン化ゼラチンの合成]
ゼラチン(分子量95,000、アミノ基量約37個/分子)に、水溶性カルボジイミドであるN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)の存在下、下記反応でゼラチンの側鎖のアミノ基にエオシンを結合させることにより、ゼラチン1分子当たりエオシン約5個を導入してエオシン化ゼラチンを合成した。
【0049】
【化2】

【0050】
[キサンテン系色素で修飾した高分子及びハイドロゲンドナーを含む溶液の調製]
合成したエオシン化ゼラチンを終濃度10重量%、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミンを終濃度1.2重量%となるように溶解混合し、キサンテン系色素で修飾した高分子化合物及びハイドロゲンドナーを含む水溶液とした。
【0051】
[マスクの作成]
厚さ30μmのPMMA製フィルムに銀粉末含有感光性ペーストをスクリーン印刷して露光することにより、直径10μmの真円形の非透過部が枡目状に配列されたマスクを製造した。隣接する直近の非透過部同士の距離は10μmである。
【0052】
[スキャホールドシートの作成]
放射線滅菌済みのシャーレへ厚み200μmとなるように、上記溶液を流し込むことにより展延した。その上に、空気を巻き込まないように上記マスクを重ね、トクソーパワーライト(トクヤマ製、ハロゲンランプ、波長400nm〜520nm)にて照射強度200mW/cmとなるように可視光を20分間照射して露光部を不溶化させてシートとした。その後、シートを40℃の水中に200Hr浸漬し、未露光部を溶解除去して微細孔を形成した。これにより、赤色の弾力のある厚さ200μmの柔軟なスキャホールドシートが得られた。
【0053】
[スキャホールドシートの評価]
上記スキャホールドシートへ生食を含浸させ、高圧蒸気滅菌した。DMEM培地(10%FSC及びAB抗生物質配合)でリンスした後に株化平滑筋細胞を播種し、培地を加えて培養した。
【0054】
細胞は、モノレイヤーでなく、200μm厚みのスキャホールドシートの孔の内部へも浸潤しており、孔1個に細胞は1個〜数個生着していたが、コンフェルトではなかった。培養7日目にミオシン重鎖SM1、カルポニンをノーザンブロット法及びウエスタンブロット法で確認した。形質マーカー量は少なく、分化させないで培養することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート厚み方向に多数の微細孔が貫通しているスキャホールドシートを製造する方法において、
下記(A)の化合物と、
ハイドロゲンドナーと、
を含む水溶液を面状に展延し、
微細孔の形成予定部が光の非透過部となっており、その他の部分は透光性となっているマスクを介して可視光を照射することにより、光が照射された部分を光架橋・不溶化してシートとし、
その後、該非透過部により遮光されて光が照射されなかった部分を水で溶解除去して前記微細孔を形成することを特徴とするスキャホールドシートの製造方法。
(A)キサンテン系色素で修飾した、コラーゲン、フィブロネクチン、ゼラチン、ヒアルロン酸、ケラタン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、エラスチン、ヘパラン硫酸、ラミニン、トロンボスポンジン、ビトロネクチン、オステオネクチン、エンタクチン、ガゼイン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリシドール、ポリグリシドールの側鎖エステル化体、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体、ヒドロキシエチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体、アルギン酸、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種。
【請求項2】
請求項1において、面状に展延する水溶液の厚みは100μm〜5mmであることを特徴とするスキャホールドシートの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記水溶液を展延後に乾燥し、その後、前記可視光を照射することを特徴とするスキャホールドシートの製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、ハイドロゲンドナーがチオール、アルコール、還元糖、ポリフェノール又は1分子内に少なくとも1個のN−アルキル及び/又はN,N−ジアルキルアミノ基を有する化合物であることを特徴とするスキャホールドシートの製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、キサンテン系色素がエオシンであることを特徴とするスキャホールドシートの製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、(A)がゼラチンであることを特徴とするスキャホールドシートの製造方法。
【請求項7】
請求項6において、ゼラチンが1分子中に1個〜10個のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とするスキャホールドシートの製造方法。
【請求項8】
請求項7において、ゼラチンが1分子中に2個〜6個のキサンテン系色素分子を導入したものであることを特徴とするスキャホールドシートの製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項において、微細孔の孔径が0.1〜1000μmであることを特徴とするスキャホールドシートの製造方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項において、前記水溶液に生理活性物質を含有させておくことを特徴とするスキャホールドシートの製造方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかの製造方法により製造されたスキャホールドシート。

【公開番号】特開2006−333727(P2006−333727A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−159380(P2005−159380)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(591108880)国立循環器病センター総長 (159)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】