説明

スキージ

【課題】スクリーン印刷機の角度調整を行うことなく、所望のアタック角度を実現するスキージを得る。
【解決手段】スキージ部に充分な厚みを持たせることにより、スキージ部の側部と底部にかけてテーパ部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スクリーン印刷機に用いるスキージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来例1.
図50は、従来のスクリーン印刷機の概観図である。
図51は、スクリーン印刷機の正面図である。
図52は、スクリーン印刷機の平面図である。
図53〜図55は、従来のスキージの形状例を示す図である。
図56は、従来のスキージの使用例を示す図である。
【0003】
スクリーン印刷機101は、基台102を備えている。基台102はテーブル103、ガイドレール104、印刷部109を搭載している。テーブル103は、基台102に固定されたガイドレール104に沿って移動可能に取り付けられている。テーブル103は、ワーク110(例えば、基板)を載せ、ワーク110を印刷部109に移動させる。印刷部109は、ワーク110に対して印刷を行う。操作ボックス105は、基台102の側面に設けられており、操作員が使用する様々なスイッチ106を備えている。
印刷部109では、スクリーン製版200がプリンタベース108に取り付けられている。スクリーン製版200は、スクリーン枠211とプリントイメージを持つスクリーンメッシュ201からなる。スキージホルダ116は、プリンタベース108に取り付けられている。
図53は、従来の平スキージの形状を示す図である。また、図54は、従来の角スキージ、図55は、従来の剣スキージの形状を示す図である。
図53〜図55に示すように、スキージは、スキージ部111とスキージホルダ116に取り付けられるホルダ取り付け部112(図54においては、112a)からなる。スキージホルダ116は、スキージのホルダ取り付け部112を取り付けることにより、スキージを固定する。スキージホルダ116は、印刷面に対して所定の角度を持っている。このスキージホルダのプリンタベースへの取り付け角度は、60度から90度まで調整可能である。
プリンタベース108は、スキージホルダ116の動きを制御し、スキージ部111がスクリーンメッシュ201にスクリーン印刷に適した印圧を与えながら、スクリーン印刷に適した速度でスクリーンメッシュ201の表面に沿って移動するよう制御する。スキージ部111とスクリーンメッシュ201が当接する点Pには、印圧がかかる。点Pにおいて、スクリーンメッシュ201は、ワークの表面に向かって押し下げられスクリーン上の点Pのイメージがワークの表面に印刷される。そのため、高品質の印刷を行うには、スクリーンメッシュ201がスクリーン枠211に均等にバランスよく引き延ばされ、ピンと張られていることが重要である。また、図56において、点Pで示したように、スキージとスクリーンは、線接触することが望ましい。更に、接触する線は、直線であることが望ましい。
【0004】
図57は、従来の平スキージの使用例を示す図である。
前述したように、スキージは、一定の角度を持って印刷面に当接し、印刷面に対して印圧がかけられている。そのため、図57に示すように、スキージの先端部がしなることにより、スキージと印刷面との角度(アタック角度という)が一定の角度を保つことができないという不都合があった。即ち、従来の平スキージでは、印刷中にアタック角度が変化するという問題点があった。
【0005】
従来の平スキージにおいては、スキージ部全体が一様の弾性を持っており、腰力がないことから、スクリーン印刷機に取り付けるホルダ取り付け部に金属を用いてスキージの形状を安定させ、腰力又は硬度を保たせていた。このため、スキージが重くなるという欠点があった。また、スキージ部全体が一様の弾性を持っていることから、アタック角度を一定に保つことが難しいという欠点があった。そのため、高印圧でないと安定した印刷ができなかった。更に、高印圧をかけるため、版の寿命が短いという欠点があった。
【0006】
また、従来の角スキージや剣スキージにおいては、機械研磨ができず、印刷面とスキージの当接面の直線性を得ることが難しいという問題点があった。
また、角スキージや剣スキージでは、利用者による再研磨もできず、スキージの寿命が短いという欠点があった。
【0007】
従来例2.
上記欠点を解決した従来例として、本発明の特許出願人を共同出願人の一人とする実用新案登録出願がある。
図58は、従来例2のスキージの斜視図である。
図に示すように、本従来例のスキージ810は、基端部811がホルダに取り付けられる支持体813と、該支持体813の基端部811と対向する先端部814に該先端部814を覆うように、一体に固着されたスキージ部815とからなっている。上記支持体813は、その材質を弾性復元力を有するガラスエポキシ樹脂製とするとともに、その形状を平板状としている。
また、スキージ部815は、その材質をウレタンゴム製としており、スキージングするスキージ先端部816と対向するスキージ他端部817に幅方向に亙って溝部818を設けており、支持体813の先端部814を狭持するように、一体に固着するようになっている。
【0008】
この従来例によれば、このような構成のスキージ810を用い、その基端部811側でホルダに固定することにより、スクリーン面上をスキージングすることができる。この際、長時間に亙ってスキージングしていくと、スキージ部815の先端部816がインクの溶剤によって変化(膨潤)しても、支持体813の材質をガラスエポキシ樹脂製としているので、スキージ全体の腰力は変化せず、安定してスキージングをすることができる。
【0009】
この従来例は、スキージの腰力がないという欠点と金属のホルダ取り付け部によりスキージの重量が重くなるという欠点を解消するためになされたものであり、軽量で、かつ、スキージ全体の腰力を確保した構造となっている。また、アタック角度が安定した直線性のよいスキージを実現している。
しかし、一方では、スキージの硬さに重きを置いたため、スクリーン印刷でスキージの弾性が要求される場合の使用には適さないという欠点があった。
本発明の特許出願人は、前述したように、実用新案登録出願の共同出願人の一人であるが、従来例1に述べた従来からのスキージの問題点に加えて、上記従来例2に示したスキージの問題点を解決するスキージを実現すべく、継続して研究及び試作を重ねてきた。
【0010】
従来例3.
図59は、従来のインク返しを備えたスキージの形状を示す図である。
インク返しは、スクリーン印刷時にペースト(インク)がスクリーン製版上を回転するのを促進させるために、図59に示す形状でスキージに一体成形されていた。
ところが、一体成形の場合、スキージ成形用型を特殊な形状にする必要があり、コストがかかるという欠点があった。
また、一体成形の場合、インク返しの位置(高さ)は、製造時に決定されてしまう。このため、スキージを研磨すると、インク返しの高さが低くなってしまい、印刷条件が変わ
ってしまうという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実開平6−029832号公報
【特許文献2】特開平2−150352号公報
【特許文献3】特開平6−126932号公報
【特許文献4】特開平6−316055号公報
【特許文献5】特開平7−052359号公報
【特許文献6】実開昭63−070334号公報
【特許文献7】実開昭62−102536号公報
【特許文献8】実開平3−055230号公報
【特許文献9】実開平4−051972号公報
【特許文献10】特開平5−169491号公報
【特許文献11】特開昭63−159126号公報
【特許文献12】特開平8−156227号公報
【特許文献13】実開昭63−116333号公報
【特許文献14】実開平1−153234号公報
【特許文献15】特開平1−310961号公報
【特許文献16】特開平7−304156号公報
【特許文献17】特開平3−106651号公報
【特許文献18】実開平2−144429号公報
【特許文献19】実開昭59−104728号公報
【特許文献20】特開昭61−027258号公報
【特許文献21】特開2003−136679号公報
【特許文献22】特開昭52−144485号公報
【特許文献23】特開平4−012816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この発明の実施の形態は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、以下の各点を目的としている。
(1)軽量で、かつ、適度な弾性を持ったスキージを得る。
(2)低印圧でスクリーン印刷を行えるスキージを得る。
(3)アタック角度が安定した直線性のよいスキージを得る。
(4)更に、ユーザによる再研磨が可能で寿命の長いスキージを得る。
(5)インク返しをスキージとは別部品として、プラスチック又は金属で作成でき、着脱可能なインク返しを得る。
(6)高さ調整が可能なインク返しを得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るスキージは、例えば、一端部がスクリーン印刷機のホルダに取り付けられる平板状の支持体と、支持体の他端部に設けられスクリーン面上のインクを押し出すスキージ部を備えたスキージにおいて、
底部と、側部と、上記スキージ部の底部から側部にわたるテーパ部と、上記側部となだらかな側面を形成するような凸部とを備え、
支持体は、スキージ部の厚みの真中にあり、スキージ部の形状が長手方向に直交する断面において左右対称であることを特徴とする。
【0014】
上記側部と上記凸部とによりなだらかな湾曲を形成しインク返しをすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るスキージは、例えば、スクリーン面上に供給したインクをかき取るスキージ部と、スクリーン印刷機に固定する支持体とからなり、
支持体は、スキージ部の厚みの真中にあり、
上記スキージ部は、底部を有し、長手方向に直交する断面において左右対称の形状であって、左右両面に設けられたテーパ部により該底部から側部へ次第に幅広となると共に、長手方向に対し直交する方向に断面をきったときの左右両側面に、上記側部からなだらかな湾曲面を形成したことを特徴とする。
【0016】
上記支持体は、スキージ部に埋め込まれて一体成形されたものであることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態のスキージの斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態においてスクリーン印刷機で印刷を行う際にスキージホルダに取り付けたスキージの断面図である。
【図3】この発明の実施の形態のテーパ部の役割を説明するスキージの端面図である。
【図4】この発明の実施の形態のテーパ部の役割を説明するスキージの端面図である。
【図5】この発明の実施の形態の各角度の組み合わせ例の一覧表を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態のスキージの形状を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態のスキージの形状を示す断面図である。
【図8】この発明の実施の形態のスキージの形状を示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態のスキージの形状を示す断面図である。
【図10】この発明の実施の形態のスキージの形状を示す断面図である。
【図11】この発明の実施の形態のスキージの形状を示す断面図である。
【図12】この発明の実施の形態のスキージの形状を示す断面図である。
【図13】この発明の実施の形態のスキージの形状を示す断面図である。
【図14】この発明の実施の形態のスキージの形状を示す断面図である。
【図15】この発明の実施の形態のインク返しの斜視図である。
【図16】この発明の実施の形態のインク返しを取り付ける支持体の側面図である。
【図17】この発明の実施の形態のインク返しを取り付けたスキージの側面図である。
【図18】図17に対応する斜視図である。
【図19】この発明の実施の形態のインク返しの他の形状を示す斜視図である。
【図20】この発明の実施の形態の支持体の側面図である。
【図21】図20に対応する正面図である。
【図22】この発明の実施の形態の側面図である。
【図23】図22に対応する正面図である。
【図24】この発明の実施の形態の他の金型の側面図である。
【図25】図24に対応する正面図である。
【図26】この発明の実施の形態のスキージ製造方法の流れ図である。
【図27】この発明の実施の形態のスキージ製造方法の過程を説明する図である。
【図28】この発明の実施の形態のスキージ製造方法の過程を説明する図である。
【図29】この発明の実施の形態のスキージ製造方法の過程を説明する図である。
【図30】この発明の実施の形態のスキージ製造方法の過程を説明する図である。
【図31】この発明の実施の形態の製造方法により製造されたスキージの斜視図である。
【図32】この発明の実施の形態の支持体の側面図である。
【図33】図32に対応する正面図である。
【図34】この発明の実施の形態の側面図である。
【図35】図34に対応する正面図である。
【図36】この発明の実施の形態の他の金型の側面図である。
【図37】図36に対応する正面図である。
【図38】この発明の実施の形態のスキージ製造方法の流れ図である。
【図39】この発明の実施の形態の切欠部を設けた支持体の斜視図である。
【図40】図39に示す支持体を用いたスキージの斜視図である。
【図41】図40に示したスキージの応用例を示す図である。
【図42】図40に示したスキージの応用例を示す図である。
【図43】この発明の実施の形態の切欠部を設けた支持体の斜視図である。
【図44】この発明の実施の形態の切欠部を設けた支持体の斜視図である。
【図45】この発明の実施の形態の切欠部を備えた支持体の斜視図である。
【図46】この発明の実施の形態の切欠部を備えた支持体の斜視図である。
【図47】この発明の実施の形態のスキージ製造方法の流れ図である。
【図48】この発明の実施の形態のスキージの切断を説明する図である。
【図49】この発明の実施の形態のスキージ製造方法の流れ図である。
【図50】従来のスクリーン印刷機の斜視図である。
【図51】従来のスクリーン印刷機の正面図である。
【図52】従来のスクリーン印刷機の平面図である。
【図53】従来の平スキージの形状を示す図である。
【図54】従来の角スキージの形状を示す図である。
【図55】従来の剣スキージの形状を示す図である。
【図56】従来のスキージの使用例を示す図である。
【図57】従来の平スキージの使用例を示す図である。
【図58】従来のスキージの他の例を示す図である。
【図59】従来のインク返しを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態にかかるスキージの斜視図である。
図において、11はウレタンゴムからなるスキージ部(厚さ17mm)であり、13はスクリーン印刷機のホルダに取り付けられるホルダ取り付け部(厚さ5mm)、14はスキージ部と接合するスキージ溶着部(厚さ3mm)、12はホルダ取り付け部13及びスキージ溶着部14からなる支持体である。支持体12は、ガラスエポキシ樹脂である。また、15は支持体12を水平方向(図において、左右方向)に切断した時の断面積が、支持体をホルダ取り付け部13において同方向に切断した時の断面積よりも小さい薄厚部(厚さ3mm)である。薄厚部15は、図1に示すように、ホルダ取り付け部13とスキージ溶着部14の間に位置している。
11sはスキージ部11の側部、11bはスキージ部11の底部、11tは底部11bから側部11sを研磨して形成されるテーパ部である。
また、図1に明示されてはいないが、スキージ溶着部14は、表面を荒削り加工している。前述したように、支持体12は、ガラスエポキシ樹脂製であり、ガラス繊維(グラスファイバ)を含んでいる。この支持体の表面を荒削り加工すると、ガラス繊維を含む部分がランダムに表面に表れて、微妙な凹凸を形成する。そのため、荒削り加工を施した部分(スキージ溶着部)と、ウレタンゴムで形成されるスキージ部との密着性がよくなる。
【0019】
図2は、この発明の実施の形態にかかるスキージをスクリーン印刷機に取り付けた使用例を示す図である。
図において、11はスキージ部、12は支持体、16はスクリーン印刷機のスキージホルダである。また、110はテーブル103に載せられたワーク(例えば、基板)、200は印刷イメージを持つスクリーン製版である。
図に示すように、スキージは、ワーク110及びスクリーン製版200に対して60度〜90度の角度で使用される。
【0020】
次に、図3及び図4を用いてテーパ部11tについて説明する。
図3は、印刷面に対して70度の角度で取り付けられたテーパ部のないスキージを示す図である。
図4は、同じ角度で取り付けられたテーパ部11tを持つスキージと印刷面を示す図である。
図において、角度aは70度であるとする。テーパ部の角度は、角度b1,b2とも等しい角度となる。また、スキージ部と印刷面とのアタック角度cは、角度a−角度b1(角度b2)となる。また、スキージの底部11bとテーパ部11tの角度は、90度+角度b1(角度b2)となる。スキージの角度aを70度、テーパ部の角度b1(b2)を10度にした場合に、スキージと印刷面のアタック角度cは、70度−10度、即ち、60度となる。
このように、スキージ部にテーパ部11tを設けることにより、スクリーン印刷機に取り付けたスキージの角度aを変えずに、テーパ部の角度が異なるスキージを交換することにより、アタック角度の変更が容易に実現できる。
【0021】
また、スキージ自体を大きく傾けてアタック角度を小さく設定することもスクリーン印刷機を調整することにより可能ではあるが、角度が大きい場合、即ち、直角に近い場合に比較してスキージの装着部分が幅を取ってしまうため、スキージングできる面積が狭くなってしまう。
【0022】
この実施の形態のように、予めスキージ部11を幅広く形成しておき、テーパ部を設けることにより、スキージングできる面積を広く取りながら、かつ、アタック角度を小さくすることができる。
【0023】
図5は、スキージの角度及びテーパ部の角度を変化させた場合の底部とテーパ部の角度及びアタック角度の一覧表である。
スキージの角度は、前述したように60度から90度まで調整可能であるが、ここでは、60度から80度の例を示している。スクリーン印刷機で現実的に印刷可能なアタック角度として10度以上必要なので、例えば、スキージ角度が70度の場合、底部とテーパ部の最大角度は150度となる。
図5に示すように、スキージの角度が同一の場合でも、テーパ部の角度が異なるスキージを交換することにより、アタック角度を変えることができる。なお、図5に示したスキージの角度及びテーパ部の角度は一例であり、他の組み合わせでもよい。また、他の値を取っても構わない。
【0024】
以下に、図を用いてテーパ部の形状の例を示す。
図6は、側部を長く取ってテーパ面を形成した場合のスキージを示す図である。
図において、10aはテーパ部の角度を10度としている。また、10bはテーパ部の角度を20度にした場合を示している。同様に、10cはテーパ部の角度を30度にした場合を示している。
【0025】
図7は、図6に示したテーパ部の角度と同じ角度を持つテーパ部を両面に形成したスキージを示す図である。
10dに示すように、テーパ部の角度が小さい場合には、底部11bにある程度の面積を残すことができるが、10e,10fの場合には、テーパ部の面積が小さくなる。
【0026】
図8は、テーパ面の長さを短くし、テーパ面を両側面に形成したスキージを示す図である。
このように、テーパ面を短くすれば、テーパ面が長い場合よりも底部の面積を大きく残すことができる。
また、図9は、図8に示した短いテーパ部を片面に形成したスキージを示す図である。
図において、10j,10k,10lはそれぞれテーパ部の角度を、10度,20度,30度にした場合のスキージを示している。
【0027】
また、図10に示すように、1つのスキージの両面で異なるテーパ部の角度を持たせても構わない。
図10において、10mはテーパ部の角度を5度と10度にした場合のスキージである。また、10nはテーパ部の角度を15度及び20度にした場合のスキージである。10oはテーパ部の角度を25度及び30度にした場合のスキージを示す図である。
図10に示すように、1つのスキージの両面で異なるテーパ部の角度を持たせた場合でも、テーパ部の角度によっては、スキージ部の底部11bの長さが短くなることがあるので、テーパ部の角度の組み合わせを変えることによって底部11bの長さを確保してもよい。
図11は、テーパ部の角度の組み合わせを変えて底部11bの長さを確保したスキージを示す図である。
10qのように、テーパ部の角度を10度と20度の組み合わせにした場合には、図10に示した10nの場合よりも、広い面積の底部を残すことができる。また、10rにおいても、テーパ部の角度を5度と30度を組み合わせることにより、底部11bの面積を確保している。
【0028】
以上様々なテーパ部の形状例を示してきたが、スクリーン印刷に使用する際に、印刷面とスキージ部との間でインクが容易にテーパ部に沿って回転することが望ましい。そのため、図12に示すように、10mm以上の長さを持つテーパ部を形成することが望ましい。また、底部は、スキージ部11の厚さをほぼ半分残すことが望ましく、この実施の形態においては、スキージ部の厚さは17mmであるので、8〜9mm以上残すことが望ましい。
【0029】
前述した図1〜図12においては、支持体がスキージ部の厚さの中央に位置するスキージについて示してきたが、図13に示すように、支持体がスキージ部の厚さの中央に位置しないスキージに対してテーパ部を形成しても構わない。
支持体がスキージ部11の厚みの真中にあり、かつ、スキージ部の形状が左右対称である時、即ち、テーパ部の角度及び長さがスキージ部の両面とも同一である時には、スキージのスクリーン印刷機への取り付け条件を変えずにスキージを裏返して取り付けるだけで、スキージの両面を使用できるというメリットが得られる。だが、そのメリットを考慮しなければ、図13に示すように、支持体がスキージ部の厚みが真中でない形状のスキージを実現しても構わない。
【0030】
また、図14に示すように、支持体を削らずに、1枚の平板状の支持体をそのまま用いてテーパ部を持つスキージを実現しても構わない。
【0031】
以上のように、この実施の形態によれば、スキージ部に充分な厚みを持たせ、側部から底部にかけてテーパ部を形成することにより、スキージを立てた状態でアタック角度を大きくすることができる。それにより、印刷機の大きさに対して印刷可能面を広く取れるというメリットが得られる。
更に、ユーザがスキージを研磨できるので、スキージの寿命が長くなる。
【0032】
実施の形態2.
この実施の形態では、インク返しについて説明する。
図15は、この実施の形態のインク返しの形状を示す斜視図である。
図において、20は使用時に支持体に取り付けられるインク返しである。
図16は、図15に示したインク返し20を取り付けるスキージの側面図である。
図において、21はインク返し20を取り付けるホールである。他の符号については、前述した実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
図17は、図16に示すスキージ10に、図15に示したインク返し20を取り付けた側面図である。
インク返し20は、図15においては省略されていた取り付け部を有し、スキージのホール21にネジ22を用いて取り付けられる。
図18は、図17に示した側面図に対応する斜視図である。
このように、インク返し20を取り付けることにより、スキージ部の側部に凸部を提供し、スキージ部の側部に沿ってスキージングの際に上がってくるインクを回転させることができる。
また、図16に示すように、ホール21を予め縦長の形状とすることにより、支持体12にインク返し20を取り付ける高さを調整することができる。それにより、スクリーン印刷実行時に、インクを回転させるのに最も適した高さにインク返しを取り付けることが可能となる。
【0033】
図19は、インク返し20の他の形状を示す斜視図である。
図19に示す形状のインク返しを用いれば、スキージ部11の側部とインク返しがなだらかな側面を形成し、インクの回転をより促進することができる。
【0034】
以上のように、この実施の形態においては、スキージの支持体に着脱自在なインク返しについて説明した。
このインク返しは、着脱自在であり、かつ、スキージ部の側面の高さ方向に調整可能である。また、スキージ部と別部品として構成したことにより、インク返しの作成も容易であるというメリットが得られる。
【0035】
図18及び図19においては、テーパ部を持たないスキージにインク返しを取り付けた例を示したが、テーパ部を備えたスキージに、このインク返しを取り付けても構わない。
【0036】
実施の形態3.
この実施の形態では、スキージの製造方法について説明する。
図20は、この実施の形態のスキージの製造方法で用いる支持体の側面図である。
図21は、支持体の正面図である。
図22は、スキージの製造に用いる金型の側面図である。また、図23は、図22に対応する正面図である。
図24は、この実施の形態で用いる他の金型の側面図である。また、図25は、図24に対応する正面図である。
【0037】
図26は、この実施の形態のスキージの製造方法の手順を示す流れ図である。
まず、S10において、図22〜図25に示した金型を作成する。
次に、S12において、ガラスエポキシ樹脂製の平板を用いて支持体の厚さを薄くした部分を設ける。更に、S14において、支持体の他端部の表面を荒削り加工する。ガラスエポキシ樹脂製の支持体の表面を荒削り加工すると、ガラス繊維(グラスファイバ)を含む部分がランダムに正面に表れて微妙な凹凸が形成される。支持体の厚さを薄くした部分を設けることと、支持体の他端部の表面を荒削り加工することは、同一の荒削り加工で同時に行ってもよい。
【0038】
次に、S20において、金型を配置し、支持体を金型の間に狭持する手順について、図27〜図29を用いて説明する。
まず、図27に示すように、2つの形状の金型を配置する。次に、図28に示すように、各金型の間に支持体を配置する。次に、支持体と金型のそれぞれの間をつめることにより、図29に示すように、支持体を狭持する。
次に、図26のS30において、金型の凹部にスキージ部の溶けた原料を流し込み、モールド成形してスキージ部を形成する。
図30に、スキージ部の溶けた原料を流し込んだ状態の図を示す。
最後に、S40において、金型からスキージ部が形成された支持体を取り外し、スキージ部を研磨する。
図31に、上記製造方法により製造されたスキージの斜視図を示す。
図31において、スキージ部11の底部11bがS40において研磨される面である。
【0039】
上記のような金型に支持体を狭持することにより、凹部を形成し、形成した凹部にスキージ部をモールド成形することにより、支持体の硬度を満たしたスキージを製造することができる。製造されたスキージは、充分な硬度を持ち、印刷時にアタック角度を一定に保つことができる。また、支持体にガラスエポキシ樹脂製の平板を用いることにより、軽いスキージを製造することができる。
更に、支持体を狭持する工程の前に、スキージ部が設けられる支持体の他端部の正面を荒削り加工する工程を備えたことにより、支持体の表面に微妙な凹凸が形成される。そのため、荒削り加工を施した部分とウレタンゴムで形成されるスキージ部との密着性がよくなり、接着剤等を用いなくともスキージを製造することができる。
【0040】
なお、図26に示したS12及びS14の工程は、オプションであり、これらの工程を省略してスキージを製造しても構わない。
【0041】
実施の形態4.
この実施の形態では、スキージの他の製造方法について説明する。
図32は、この実施の形態のスキージの製造方法で使用する支持体の側面図である。
図33は、図32に対応する正面図である。
図34は、この実施の形態のスキージの製造方法で使用する金型の側面図であり、図35は、図34に対応する正面図である。
図36は、この実施の形態の他の金型の側面図であり、図37は、図36に対応する正面図である。
【0042】
図38は、この実施の形態のスキージの製造方法の手順を示す流れ図である。
図において、S10〜S30は、前述した実施の形態3と同じ手順であるので、説明は省略する。
この実施の形態の製造方法で製造するスキージの支持体は、図32及び図33に示すように、前述した実施の形態の支持体よりも厚さが厚くなっている。また、金型の凹部も、図34〜図37に示す形状の金型を用いることにより、厚みのある形となっている。そのため、S30において、モールド成形されたスキージ部の厚みも前述した実施の形態よりも厚く、ほぼ17mmとなっている。
形成されたスキージ部の底部を、S40aにおいて研磨する。続いて、S40bにおいて、スキージ部の底部から側部にかけて研磨することにより、任意の角度を持ったテーパ部を形成する。
【0043】
このような手順により製造されたスキージは、図1に示す形状となる。この実施の形態の製造方法により製造されたスキージは、前述した実施の形態3で述べた長所に加えて、実施の形態1で述べたテーパ部の長所も実現している。また、スキージ部に厚さを持たせることができる形状の金型を用いてスキージを製造することにより、スキージ部を形成しているウレタンゴム自身の弾力によりスキージ全体に弾力を持たせることができる。そのため、支持体の厚さを薄くして弾性を持たせる必要がなくなる。従って、S12の工程はなくてもよい。また、S14の工程もオプションである。
【0044】
実施の形態5.
この実施の形態では、スキージの支持体に切欠部を設ける場合について説明する。
図39は、切欠部の一例としてスルーホールを設けた支持体の形状例を示す図である。
図40は、図39に示した支持体を用いて製造したスキージを示す斜視図である。
図40に示すように、スルーホールを設けることにより、支持体の硬度を弱め弾性を持たせるとともに、スキージ部がスルーホールの一部にかかることにより、スキージ部を形成しているウレタンゴムがスルーホールの位置で支持体を貫通し、スキージ部の支持体への密着性を高めることができる。
【0045】
図41は、図40に示したスキージに加え、更にスキージ溶着部14に荒削り加工を施した例を示している。
荒削り加工を施すことにより、切欠部を設けた支持体の場合でも、支持体とスキージ部の密着性をより高めることができる。
【0046】
図42は、更に支持体に薄厚部15を設けたスキージの斜視図である。
切欠部と薄厚部15を合わせ持つことにより、スキージの弾性を更に高めることができる。
【0047】
図43は、切欠部の一例としてスルーホールの大きさを、図39に示した例とは異なる大きさ及び位置に設けた支持体の形状例を示す斜視図である。
図44は、スルーホールの形状を縦長にした支持体の斜視図である。
このような形状を採ることにより、弾性を付けるためのスルーホールをインク返しの取り付け用のホールと兼用にすることができる。スルーホールが縦長であることにより、インク返しの取り付け位置の高さ調整が可能である。
また、前述した図43に示すようなスルーホールの形状で一列に並んだ高さの異なるスルーホールを利用して、インク返しを調節可能に取り付けても構わない。
【0048】
図45は、切欠部の他の形状例を示す支持体の斜視図である。
また、図46に示すように、切欠部を支持体の横方向に切り込んだ形状で設けても構わない。また、図46においては、横方向の切り込みとスルーホールを組み合わせた切欠部の例を示しているが、図45に示すような櫛の歯状の切欠と横方向の切り込みを組み合わせてもよい。
【0049】
図47に、この実施の形態のスキージを成形する手順の流れ図を示す。
図において、S16に示すように、支持体を狭持する工程の前に支持体に切欠部を設ける処理を行う。他の処理については、前述した実施の形態の手順と同様であるので、説明は省略する。
【0050】
また、この発明の実施の形態にかかるスキージは、製造時に長尺のものを製造し、使用する前に任意の長さに切断して利用することもできる。図48及び図49を用いて説明する。
図48は、切断を説明するスキージの斜視図である。
ここでは、長さが150cmの長さでモールド成形されたスキージを110cmと40cmに切断して2本のスキージを作成する例を示している。
図49は、スキージを切断することにより、任意の長さのスキージを製造する処理の手順を示す流れ図である。
スキージの切断は、図49に示すように、スキージ部をモールド成形した後に行う。図においては、S35で示している。その後、S40において、任意の長さに切断されたスキージのスキージ部を研磨する。
【0051】
この実施の形態では、図42において、スルーホールと薄厚部を組み合わせた例を示したが、他の切欠部の形状と薄厚部を組み合わせた支持体を用いてスキージを作成してもよい。
【0052】
以上のように、この実施の形態においては、支持体に切欠部を設けることにより、スキージに弾性を持たせる場合について説明した。また、切欠部を通してウレタンゴムが支持体の両側を貫通するので、スキージ部と支持体の密着性もよくなる。
【0053】
実施の形態6.
前述した実施の形態においては、スキージの製造方法において、まず、金型を作成し、その後、支持体を狭持する工程の前に、支持体に何等かの加工を行っているが、支持体に加工を加える工程を最初に行い、次に、金型を作成し、その後支持体を狭持する手順でも構わない。
【0054】
上記実施の形態をまとめると、以下のようになる。
この発明の実施の形態に係るスキージは、一端部がスクリーン印刷機のホルダに取り付けられる平板状の支持体と、支持体の他端部に設けられスクリーン面上のインクを押し出すスキージ部を備えたスキージにおいて、上記スキージ部は、底部と、側部と、上記スキージ部の底部から側部にわたるテーパ部とを備えたことを特徴とする。
【0055】
上記テーパ部は、底部から側部にかけてスキージ部を研磨することにより形成されることを特徴とする。
【0056】
上記テーパ部は、底部からスキージ部両側の側部にそれぞれ設けられたことを特徴とす
る。
【0057】
上記テーパ部は、底部から側部への長さにおいて、スクリーン面上のインクをスクリーン面上で回転させるのに十分な長さを有していることを特徴とする。
【0058】
上記底部とテーパ部は、91度〜150度の角度で交わることを特徴とする。
【0059】
この発明の実施の形態に係るスキージは、一端部がスクリーン印刷機のホルダに取り付けられる平板状の支持体と、支持体の他端部に設けられスクリーン面上のインクを押し出すスキージ部を備えたスキージにおいて、上記支持体に着脱自在に取り付けられ、上記スキージ部の側部に凸部を提供するインク返しを備えたことを特徴とする。
【0060】
上記支持体は、インク返しをスキージ部の側面の高さ方向に調整可能に取り付けることを特徴とする。
【0061】
この発明の実施の形態に係るスキージは、一端部がスクリーン印刷機のホルダに取り付けられる平板状の支持体と、支持体の他端部に設けられスクリーン面上のインクを押し出すスキージ部を備えたスキージにおいて、上記支持体に切欠部を備えたことを特徴とする。
【0062】
上記切欠部は、少なくともその一部分が上記スキージ部が設けられる他端部に設けられ、上記スキージ部が上記切欠部の少なくとも一部分に充填されることを特徴とする。
【0063】
上記切欠部は、上記ホルダに取り付けられる一端部とスキージ部が設けられる他端部の間に設けられ、上記スキージは、更に、上記切欠部に取り付けられ、スキージ部の側部に凸部を提供するインク返しを備えたことを特徴とする。
【0064】
上記切欠部は、スルーホールであることを特徴とする。
【0065】
上記切欠部は、上記支持体の少なくとも一部分に開いた形状であることを特徴とする。
【0066】
この発明の実施の形態に係るスキージ製造方法は、一端部がスクリーン印刷機のホルダに取り付けられる平板状の支持体と、支持体の他端部に設けられスクリーン面上のインクを押し出すスキージ部を備えたスキージのスキージ製造方法において、以下の工程を有することを特徴とする。
(a)スキージ部を形成するための凹部と、支持体を両面から狭持する凸部とを備えた第1と第2の金型を作成する工程、
(b)上記支持体の他端部が上記第1と第2の金型のスキージ部を形成するための凹部内に位置するように、上記第1と第2の金型の凸部の間に、上記支持体を狭持する工程、
(c)上記金型の凹部にスキージ部の溶けた原料を流し込みモールド成形してスキージ部を形成する工程、
(d)上記金型に狭持された支持体を取り外し、スキージ部を研磨する工程。
【0067】
上記スキージ製造方法は、更に、上記支持体を狭持する工程の前に、上記支持体のホルダに取り付けられる一端部とスキージ部が設けられる他端部との間に、上記ホルダに取り付けられる一端部の厚さより支持体の厚さを薄くした部分を設ける工程を備えたことを特徴とする。
【0068】
上記スキージ製造方法は、更に、上記支持体を狭持する工程の前に、上記スキージ部が設けられる支持体の他端部の表面を荒削り加工する工程を備えたことを特徴とする。
【0069】
上記スキージ部を研磨する工程は、
スキージ部の底部を研磨する工程と、
スキージ部の底部から側部にわたってスキージ部を研磨することによりテーパ部を形成する工程を備えたことを特徴とする。
【0070】
上記スキージ製造方法は、更に、上記支持体を狭持する工程の前に、上記支持体に1つ以上切欠部を設ける工程を備えたことを特徴とする。
【0071】
上記スキージ製造方法は、更に、スキージ部を研磨する工程の後に、上記支持体に対して、スキージ部の側部に凸部を設けるインク返しを取り付ける工程を備えたことを特徴とする。
【0072】
この発明の実施の形態に係るスキージは、上記スキージ製造方法により製造されたことを特徴とする。
【0073】
この発明の実施の形態に係るスキージは、一端部がスクリーン印刷機のホルダに取り付けられる平板状の支持体と、支持体の他端部に設けられスクリーン面上のインクを押し出すスキージ部を備えたスキージにおいて、上記スキージ部は、91度以上150度以下の角度を持って接する2つの面を有し、この2つの面が接する直線部分がスクリーン面上に接することを特徴とする。
【0074】
本発明に係るスキージ製造方法は、例えば、一端部がスクリーン印刷機のホルダに取り付けられる平板状の支持体と、支持体の他端部に設けられスクリーン面上のインクを押し出す底部を有するスキージ部を備えたスキージのスキージ製造方法において、以下の工程を有することを特徴とする。
(a)スキージ部を形成するための凹部と、支持体を両面から狭持する凸部とを備えた第1と第2の金型を用い、上記支持体の他端部が上記第1と第2の金型のスキージ部を形成するための凹部内に位置し、形成されるスキージ部の底部方向が開放されるように、上記第1と第2の金型の凸部の間に、上記支持体を狭持する工程、
(b)形成されるスキージ部の底部方向を上にして上記金型の凹部にスキージ部の溶けた原料を流し込みモールド成形してスキージ部を形成する工程、
(c)上記金型に狭持された支持体を取り外し、スキージ部の底部を研磨する工程。
【0075】
上記スキージ部の底部を研磨する工程は、底部から側部にわたってスキージ部を研磨することを特徴とする。
【0076】
また、本発明に係るスキージ製造方法は、例えば、一端部がスクリーン印刷機のホルダに取り付けられる平板状の支持体と、支持体の他端部に設けられスクリーン面上のインクを押し出すスキージ部を備えたスキージを複数製造するスキージ製造方法において、以下の工程を有することを特徴とする。
(a)スキージ部を形成するための凹部と、支持体を両面から狭持する凸部とを備えた複
数の金型を用い、複数のスキージそれぞれの上記支持体の他端部が上記複数の金型それぞれのスキージ部を形成するための凹部内に位置するように、上記複数の金型それぞれの凸部の間に、複数のスキージそれぞれの上記支持体を狭持する工程、
(b)上記複数の金型それぞれの凹部にスキージ部の溶けた原料を流し込みモールド成形してスキージ部を形成する工程、
(c)上記複数の金型それぞれに狭持された支持体を取り外し、スキージ部を研磨する工程。
【0077】
さらに、本発明に係る金型は、例えば、一端部がスクリーン印刷機のホルダに取り付けられる平板状の支持体と、支持体の他端部に設けられスクリーン面上のインクを押し出す底部を有するスキージ部を備えたスキージの製造に用いる金型において、
スキージ部を形成するための凹部と、
支持体を両面から狭持する凸部と
を備えることを特徴とする。
【0078】
上記凹部は、形成されるスキージ部の底部方向が開放されていることを特徴とする。
【0079】
上記金型は、第1と第2の金型を備え、上記第1と第2の金型によって支持体を狭持することを特徴とする。
【0080】
上記金型は、
片側にのみ凹部と凸部とを備える金型と、
両側に凹部と凸部とを備える金型と
を備えることを特徴とする。
【符号の説明】
【0081】
10 スキージ、11 スキージ部、11s 側部、11b 底部、11t テーパ部、12 支持体、13 ホルダ取り付け部、14 スキージ溶着部、15 薄厚部、20 インク返し、21 ホール、22 ネジ、101 スクリーン印刷機、102 基台、103 テーブル、104 ガイドレール、105 操作ボックス、106 スイッチ、107 ストッパ、108 プリンタベース、109 印刷部、110 ワーク、111 スキージ部、112 ホルダ取り付け部、116 スキージホルダ、200 スクリーン製版、201 スクリーンメッシュ、211 スクリーン枠、480 研磨面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部がスクリーン印刷機のホルダに取り付けられる平板状の支持体と、支持体の他端部に設けられスクリーン面上のインクを押し出すスキージ部を備えたスキージにおいて、
底部と、側部と、上記スキージ部の底部から側部にわたるテーパ部と、上記側部となだらかな側面を形成するような凸部とを備え、
支持体は、スキージ部の厚みの真中にあり、スキージ部の形状が長手方向に直交する断面において左右対称であることを特徴とするスキージ。
【請求項2】
上記側部と上記凸部とによりなだらかな湾曲を形成しインク返しをすることを特徴とする請求項1記載のスキージ。
【請求項3】
スクリーン面上に供給したインクをかき取るスキージ部と、スクリーン印刷機に固定する支持体とからなり、
支持体は、スキージ部の厚みの真中にあり、
上記スキージ部は、底部を有し、長手方向に直交する断面において左右対称の形状であって、左右両面に設けられたテーパ部により該底部から側部へ次第に幅広となると共に、長手方向に対し直交する方向に断面をきったときの左右両側面に、上記側部からなだらかな湾曲面を形成したことを特徴とするスキージ。
【請求項4】
上記支持体は、スキージ部に埋め込まれて一体成形されたものであることを特徴とする請求項3記載のスキージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【公開番号】特開2009−184365(P2009−184365A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127755(P2009−127755)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【分割の表示】特願2006−171157(P2006−171157)の分割
【原出願日】平成8年1月19日(1996.1.19)
【出願人】(593039856)マイクロ・テック株式会社 (21)
【Fターム(参考)】