説明

スキーパンツ

【課題】ユーザーがスキーで滑走しているときの動作が妨げられることがないエッジガードを備えたスキーパンツを提供する。
【解決手段】本発明は、裾下端4と膝下との間の裾部2において内股側にエッジガード3を備えたスキーパンツ1であって、エッジガード3が、弾性体または粘弾性体の衝撃吸収体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッジガードを有するスキーパンツに関する。
【背景技術】
【0002】
スキーで滑走しているとき、スキー板のエッジがスキーパンツの裾に当たり、その裾が切れてしまう場合がある。これを防ぐために、裾部を外側から保護するエッジガードを備えたスキーパンツが従来技術として知られている(たとえば、特許文献1,2)。特許文献1では、エッジガードを使い捨てのパーツで構成するようにし、必要なときに取り替え可能としている。このエッジガードは、硬質合成樹脂、たとえば、硬質ウレタン樹脂からなる。特許文献2では、スキーパンツのアウターの内側裾口に適宜大きさの部材によって半折りに構成したエッジガードを、エッジガードの内側部材から突出した複数の突起を外側部材の受け孔に嵌合するようにスキーパンツの生地を刺し通して取り付け、突起を構成した戻り止め構造により固定している。このエッジガードは、合成樹脂、好ましくは半硬質合成樹脂の薄ものによって形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−23456号公報
【特許文献2】特開2002−180306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のエッジガードは、一般スキーヤー(ユーザー)向けではない。従来のエッジガードは、スキーヤーが操作を誤り、スキー板のエッジでスキーパンツを切ることを想定して、硬質材料を用いる。一方、本発明は、プロスキーヤーなどの、スキー上級者が滑走中に起きる現象に対処するものであり、スキー板のエッジが与える強い衝撃によるスキーパンツの裾の断裂を防ぎ、かつ、スキーパンツに固着しないことにより、切り裂きも防ぐ。上述したように、エッジガードの素材には、硬質合成樹脂、半硬質合成樹脂などの硬い素材が使用される。このため、スキーで滑走しているとき、0.1秒以下の遅れが致命的になるスキーヤーにとって、硬質で固定されるエッジガードは、操作に支障が生じる場合がある。また、デザイン性を重視し、エッジガードをスキーパンツの裏生地側に設けると、スキー板のエッジにより切れる現象を防止する効果がなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決すため、以下の構成を採用した。
すなわち、本発明は、裾下端と膝下との間の裾部において内股側にエッジガードを備えたスキーパンツであって、エッジガードが、弾性体または粘弾性体の衝撃吸収体である。ここで、裾部に、衝撃吸収体を取り付ける衝撃吸収体取付手段を備える。また、衝撃吸収体取付手段が、衝撃吸収体を中に収納する衝撃吸収体収納部である。好ましくは、衝撃吸収体収納部が、衝撃吸収体の取り出しを可能とする。また、衝撃吸収体収納部が、衝撃吸収体の抜け落ちを防止する抜け落ち防止手段を備える。また、衝撃吸収体収納部が、衝撃吸収体の取り出しを不能とする。さらに、衝撃吸収体収納部が、衝撃吸収体収納部に入った水を排出する水抜き手段を備える。好ましくは、水抜き手段が、衝撃吸収体収納部に設けた水抜き用の切れ目である。また、衝撃吸収体取付手段が、衝撃吸収体を裾部に貼着させる貼着手段としてもよい。本発明のスキーパンツは、裾部の裏側に衝撃吸収体を備える。また、本発明のスキーパンツは、裾部が複数の生地で構成される場合、その複数の生地の間に、またはその複数の生地の間および裾部の裏側に衝撃吸収体を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、エッジガードは柔らかいので、ユーザーがスキーで滑走しているときの動作がエッジガードによって妨げられることがない。また、裾部の裏側に、または裾部が複数の生地で構成されるとき、その複数の生地の間に、もしくはその複数の生地の間および裾部の裏側にエッジガードを備えるようにしても、スキーパンツがスキー板のエッジの衝撃より切れるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の一実施形態のスキーパンツを説明するための図である。
【図2】図2(A)は、本発明の一実施形態のスキーパンツに設けられたエッジガードを説明するための図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態におけるスキーパンツ1を説明する。このスキーパンツ1は、スキー板のエッジの衝撃によりスキーパンツ1が切れるのを防止するためにエッジガード3が設けられている。ここで、スキー板のエッジとは、スキー板の滑走面と、該滑走面と直角をなす面とで構成される角である。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態のスキーパンツ1を説明するための図である。この一実施形態のスキーパンツ1は、とくにスキー上級者が使用するのに好適である。ここで、スキー上級者とは、スキー回転、スーパー大回転、スキー滑降などのスキー競技に出場するようなスキーヤーである。したがって、このスキーパンツ1は、スキー競技用に使用するのがとくに好ましい。
【0010】
図1に示すように、スキーパンツ1には、エッジガード3が、スキーパンツ1の裾下端4と膝下との間の裾部2の内股側に設けられている。特に、エッジガード3は、エッジガード3がスキーパンツ1に当たる可能性が高い裾下端4近傍に設けられることが好ましい。デザイン性を重視し、エッジガード3によってスキーパンツ1の見栄えが損なうのを防止するため、エッジガード3は、スキーパンツ1の裏側(裏生地側)に設けられている。ここで、スキーパンツ1の外側から見えるスキーパンツ1の生地を表生地と呼び、表生地に対して裏側に存在する生地を裏生地と呼ぶ。
【0011】
エッジガード3は、スキー板のエッジがスキーパンツ1に当たったときの衝撃を吸収する衝撃吸収体である。ここで、衝撃吸収体とは、材料の弾性変形または、材料の弾性変形および粘性流動によって衝撃力を分散および吸収する材料である。したがって、衝撃吸収体は、弾性体または粘弾性体であることが好ましい。本発明の一実施形態の衝撃吸収体には、衝撃吸収材のみからなる衝撃吸収体のほかに、衝撃吸収材と衝撃級取材以外の材料とからなる衝撃吸収体も含まれる。また、この衝撃吸収体には、硬質ウレタン樹脂などの硬質合成樹脂または半硬質合成樹脂といった硬い素材は含まれない。エッジガード3に使用される衝撃吸収体は、スキー板のエッジによる衝撃を吸収するものであれば特に限定されないが、衝撃吸収体には、ポリウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ゴム、衝撃緩衝用ゲル、ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂およびこれらを組み合わせたものなどがある。特に、弾性変形および粘性流動によって衝撃力を分散および吸収する能力の高い、衝撃吸収樹脂、衝撃吸収ゴムおよび衝撃緩衝用ゲルが好ましい。
【0012】
スキーパンツ1の裏側に設けられたエッジガード3は、スキー板のエッジがスキーパンツ1に当たったときに発生しスキーパンツ1を切断する、せん断応力を吸収する。このため、スキーで滑走しているとき、スキー板のエッジがスキーパンツ1に当たり、その衝撃によりスキーパンツ1が切れることを抑制することができる。発明者は、この点について試験を行って確認した。この試験については、後述する。
【0013】
図2(A),(B)を参照して、本発明の一実施形態におけるスキーパンツ1に設けられたエッジガード3を詳細に説明する。図2(A)は、本発明の一実施形態のスキーパンツ1に設けられたエッジガード3を説明するための図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A断面図である。
【0014】
図2(A),(B)に示すように、ポケット布51とスキーパンツ1の裏生地22とでポケットが構成され、そのポケットの中に矩形形状のエッジガード3が収納される。エッジガード3がそのポケットから抜け落ちるのを防止するため、ポケット布51とスキーパンツ1の裏生地22とで形成されるポケットの開口部を塞ぐように蓋布52が設けられている。ポケット布51と蓋布52とは、スキーパンツ1の裏生地22に縫い付けられている。
【0015】
図2(B)に示すように、蓋布52は、ポケット布51と一部重なっており、その重なっている部分を広げて、エッジガード3を折り曲げながらそのポケットの中からエッジガード3を取り出したり、また、その部分を通してエッジガード3をそのポケットに収納したりすることができる。
【0016】
エッジガード3がポケット布51とスキーパンツ1の裏生地22とで構成されるポケットの中を移動しないようにするため、そのポケットは、エッジガード3の大きさに合わせて作製される。すなわち、エッジガード3の大きさは、エッジガード3がそのポケットに収納されたとき、エッジガード3が移動できないほどの大きさである。
【0017】
ポケット布51および蓋布52の材質は、メッシュ生地、織物、編物、皮革およびこれらを組み合わせたものから構成される群から選択されるものであるが、これらに限定されない。また、ポケット布51の材質は、蓋布52の材質と異なってもよいし、同じでもよい。さらに、ポケット布51および蓋布52の材質は、スキーパンツ1の素材と同じでもよいし、異なってもよい。
【0018】
図2(B)に示すように、ポケット布51の裾下端4側の2箇所の隅に水抜き用の切れ目53が形成されている。ポケット布51のこの部分は、縫い付けられておらず、ポケット布51とスキーパンツ1の裏生地22とで構成されるポケットの中に雪が入り込んでも、水抜き用の切れ目53から水として排出される。
【実施例】
【0019】
スキーパンツの切断抑制確認試験
1.試験方法
(1)試験者は、スキーパンツを両足に履いた後、スキーブーツも両足に履いた。このとき、スキーパンツの脛部分から裾部分までの部分によってスキーブーツが隠れるようにした。スキーパンツは、表生地、なか綿、裏生地の断面構造になっていた。
(2)スキーパンツとスキーブーツとが重なる部分において、スキーパンツの右脚の裏側に軟質ウレタンフォームの衝撃吸収体パッドを取り付けた。すなわち、スキーパンツの右脚は、スキーパンツの生地とスキーブーツとの間に衝撃吸収体パッドが挟まれる構造とした。スキーパンツの左脚については、衝撃吸収体パッドを取り付けなかった。
(3)試験者は、一本のスキー板を両手に持ち、スキー板のエッジでスキーパンツの上から両脚のスキーブーツをそれぞれ40回ずつ強く打ち付けた。このとき、スキー板のエッジがスキーパンツに当たるときに想定される力よりもかなり強い力で打ち付けた。
(4)右脚(衝撃吸収体パッドあり)と左脚(衝撃吸収体パットなし)とでスキーブーツを覆っているスキーパンツのダメージを比較した。
【0020】
2.試験結果
(1)スキーパンツの右脚(衝撃吸収体パッドあり)
スキー板のエッジとの擦過による擦り傷が観察された。3mm程の打撃による切り傷(穴)が表生地に2箇所観察された。
(2)スキーパンツの左脚(衝撃吸収体パットなし)
スキー板のエッジとの擦過による擦り傷が観察された。20mm程の打撃による切り傷(穴)が12箇所、観察された。3mm程の切り傷が9箇所、観察された。20mm程の大きさの切り傷の中には、なか綿部分にまで達する深い切り傷が6箇所、観察された。
(3)考察
上記試験結果(1),(2)を比較することにより、エッジガード3をスキーパンツ1の裏側に取り付けることによって、スキー板のエッジがスキーパンツ1に当りスキーパンツ1が切れるのを抑制する効果を確認した。上記実験では、スキーで滑走中、スキー板のエッジがスキーパンツに当たるときに想定される力よりもかなり強い力でスキー板を打ち付けているので、スキーで滑走中、スキー板のエッジがスキーパンツに当たっても切れない。
【0021】
以上の一実施形態によるスキーパンツ1では、次のような作用効果を奏する。
(1)エッジガード3を弾性体または粘弾性体の衝撃吸収体とした。これにより、エッジガード3は柔らかいので、ユーザーがスキーで滑走しているときの動作がエッジガード3によって妨げられることがない。とくに、スキーで滑走しているとき、0.1秒以下の遅れが致命的になるスキー上級者にとってその効果は大きい。
【0022】
(2)ポケット布51とスキーパンツ1の裏生地22とで構成されるポケットの中にエッジガード3を収納するようにした。これにより、スキーパンツ1の裾部2の裏側にエッジガード3を容易に取り付けることができる。また、エッジガード3の表面は、スキーパンツ1の裏生地22に固定されておらず、接触しているだけである。これにより、エッジガード3の表面は裏生地22に拘束されることなく変形することができ、エッジガード3をスキーパンツ1に取り付けたことによるエッジガードの衝撃吸収力の低減を減少させることができる。さらに、スキー板のエッジがスキーパンツにあったとき、表生地21とエッジガード3とが少しずれるので、エッジガードの衝撃によるスキーパンツの断裂をさらに抑制することができる。
【0023】
(3)ポケット布51とスキーパンツ1の裏生地22とで構成されるポケットからエッジガード3を取り出せるようにした。これにより、ユーザーのスキーの熟練度や好みに合わせて、エッジカード3を取り替えることができる。
【0024】
(4)ポケット布51とスキーパンツ1の裏生地22とで構成されるポケットにエッジガード3の抜け落ちを防止するための蓋布52を設けるようにした。これにより、ユーザーがスキーを滑っている間に、エッジガード3が抜け落ちてしまうのを防止することができる。
【0025】
(5)ポケット布51とスキーパンツ1の裏生地22とで構成されるポケットに、そのポケットに入った水を排出する水抜き用の切れ目53を備えるようにした。これにより、そのポケットに雪が入っても、解けた水がそのポケットに溜まるのを防止することができる。
【0026】
(6)スキーパンツ1の裾部2の裏側にエッジガード3を備えるようにした。これにより、エッジガード3によってスキーパンツ1の見栄えが損なうのを防止するとともに、スキー板のエッジによってスキーパンツが切れるのを防止することができる。一方、従来の硬いエッジガードでは、裾部2の裏側に備えるようにすると、硬質のカッターマット上で紙などが容易に切れるのと同じように、スキー板のエッジによってスキーパンツが容易に切れてしまうことになる。
【0027】
以上の一実施形態のスキーパンツ1を次のように変形することができる。
(1)スキーパンツ1の裾部2にエッジガード3を取り付けることができれば、その取付手段は、ポケット布51とスキーパンツ1の裏生地22とで構成されるポケットの中にエッジガード3を収納することに限定されない。たとえば、スキーパンツ1の表生地21(図2(B)参照)もしくは裏生地22とエッジガード3とに面ファスナーなどの貼着手段を設け、貼着手段でスキーパンツ1の裾部2にエッジガード3を取り付けるようにしてもよい。これによってもスキーパンツ1の裾部2にエッジガード3を容易に取り付けることができる。また、貼着手段がエッジガード3の着脱自在である貼着手段である場合、エッジガード3の取り替えも可能になる。
【0028】
また、スキー板のエッジがスキーパンツにあったとき、表生地21とエッジガード3とが少しずれると、エッジガードの衝撃によるスキーパンツの断裂をさらに抑制することができるので、スキー板のエッジがスキーパンツにあったとき、表生地21とエッジガード3とが少しずれる取付手段であれば、その取付手段は、ポケット布51とスキーパンツ1の裏生地22とで構成されるポケットの中にエッジガード3を収納することに限定されない。
【0029】
(2)エッジガード3を収納することができれば、エッジガード3の収納はポケットによる収納に限定されない。たとえば、スキーパンツ1の裏生地22の上のエッジガード3を所定の生地で覆って、その生地を開放部なしで縫い付けて、エッジガード3を取り付けるようにしてもよい。すなわち、取り出し不能の閉じた袋の中にエッジガードを収納して取り付けるようにしてもよい。
【0030】
(3)エッジガードのポケットからの抜け落ちを防止することができれば、蓋布52による抜け落ち防止手段に限定されない。たとえば、ポケット布51とスキーパンツ1の裏生地22とで形成されるポケットの開口部にファスナーを設けて、エッジガードのポケットからの抜け落ちを防止するようにしてもよい。
【0031】
(4)エッジガード3を収納するポケットに入った水を排出することができれば、その水抜き手段は、ポケットに設けた水抜き用切れ目53に限定されない。たとえば、ポケット布51、蓋布52などをメッシュ生地で形成するようにして水を排出できるようにしてもよい。
【0032】
(5)エッジガード3をスキーパンツ1の裏側(裏生地22側)に設けたが、スキーパンツ1の表側(表生地21側)に設けるようにしてもよい。この場合もエッジガード3がスキー板のエッジの衝撃を吸収し、スキーパンツ1が切れるのを防止することができる。スキーパンツ1が複数の生地(たとえば、図2(B)の表生地21および裏生地22)で構成される場合、その複数の生地の間(たとえば、図2(B)の表生地21と裏生地22の間)にエッジガード3を設けるようにしてもよい。この場合も、エッジガード3によってスキーパンツ1の見栄えが損なうのを防止するとともに、スキー板のエッジによってスキーパンツ1が切れるのを防止することができる。また、スキーパンツ1の裏側および複数の生地の間にエッジガードを設けるようにしてもよい。この場合も、同様に、エッジガード3によってスキーパンツ1の見栄えが損なうのを防止するとともに、スキー板のエッジによってスキーパンツ1が切れるのを防止することができる。
【0033】
(6)エッジガード3の形状は矩形形状であったが、一実施形態に限定されない。たとえば、円形状や半円形状、三角形状などでもよい。
【0034】
(7)エッジガード3の大きさは、一実施形態に限定されない。特に、本発明の一実施形態におけるスキーパンツのエッジガード3は、ユーザーのエッジガード3を邪魔に感じる程度を軽減させることができるので、大きくすることができる。たとえば、スキーパンツの裾部の全周のうちの内股側の半分にエッジガードを設けたり、裾部の裾下端側半分にエッジガードを設けたり、内股側の半分および裾下端側半分にエッジガードを設けたりすることができる。このように、エッジガードを大きくすることができるので、スキー板のエッジがスキーパンツの裾に当たり、その裾が切れてしまうことをより確実に防止することができる。
【0035】
(8)本発明のスキーパンツ1は、裾部、たとえば、裾部の裾下端側の略全体にわたりエッジガードを設けることにより、他人のスキー板のエッジがスキーパンツ1に当たってもスキーパンツ1が切れないようにすることができる。上述したように、本発明のスキーパンツ1では、エッジガード3を大きくすることができるので、そのようなことが可能になる。また、スノーボードの場合も、他人のスノーボードのエッジが当たりスノーボード用のパンツが切れる場合もあるので、本発明のスキーパンツは、スノーボード用のパンツにも適用することができる。
【0036】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることは可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0037】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明は上記実施形態の構成になんら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0038】
1 スキーパンツ
2 裾部
3 エッジガード
4 裾下端
21 表生地
22 裏生地
51 ポケット布
52 蓋布
53 水抜き用の切れ目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裾下端と膝下との間の裾部において内股側にエッジガードを備えたスキーパンツであって、
前記エッジガードが、弾性体または粘弾性体の衝撃吸収体であるスキーパンツ。
【請求項2】
前記裾部に、前記衝撃吸収体を取り付ける衝撃吸収体取付手段を備える請求項1のスキーパンツ。
【請求項3】
前記衝撃吸収体取付手段が、前記衝撃吸収体を中に収納する衝撃吸収体収納部である請求項2のスキーパンツ。
【請求項4】
前記衝撃吸収体収納部が、前記衝撃吸収体の取り出しを可能とする請求項3のスキーパンツ。
【請求項5】
前記衝撃吸収体収納部が、前記衝撃吸収体の抜け落ちを防止する抜け落ち防止手段を備える請求項4のスキーパンツ。
【請求項6】
前記衝撃吸収体収納部が、前記衝撃吸収体の取り出しを不能とする請求項3のスキーパンツ。
【請求項7】
前記衝撃吸収体収納部が、前記衝撃吸収体収納部に入った水を排出する水抜き手段を備える請求項3乃至6のいずれかのスキーパンツ。
【請求項8】
前記水抜き手段が、前記衝撃吸収体収納部に設けた水抜き用の切れ目である請求項7のスキーパンツ。
【請求項9】
前記衝撃吸収体取付手段が、前記衝撃吸収体を前記裾部に貼着させる貼着手段である請求項2のスキーパンツ。
【請求項10】
前記裾部の裏側に前記衝撃吸収体を備える請求項1乃至9のいずれかのスキーパンツ。
【請求項11】
前記裾部が複数の生地で構成される場合、その複数の生地の間に、またはその複数の生地の間および前記裾部の裏側に前記衝撃吸収体を備える請求項1乃至9のスキーパンツ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−117111(P2011−117111A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277869(P2009−277869)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(594137960)株式会社ゴールドウイン (19)
【出願人】(592019523)株式会社ゴールドウインテクニカルセンター (35)
【Fターム(参考)】