説明

スクリュープレス及びスクリュープレスのスクリーンの交換方法

【課題】経済性に富み、簡便な構成ながらも、スクリーンの取替えが容易で、スクリューコンベアとスクリーンのクリアランスの調整が容易なスクリュープレス及びスクリュープレスのスクリーンの交換方法を提供する。
【解決手段】外筒4のリブ41に固設されたL型鋼等の鋼材で形成された外筒側支持部51と、スクリュープレス本体の底部フレーム7に固設された平板状の鋼材とリブで形成された底部側支持部52は、調節機構として寸切りボルト53に螺着した複数のナット54により、所定の間隙を保って支持されており、ナット54を回すことで、前記間隙は可変に構成されている。外筒4は、スクリーンがスクリューコンベアとの間隙を全周に亘って一定に保たれ対向配置される第一姿勢と、スクリューコンベアに前記所定の間隙で対向配置されたスクリーンを下方に離隔する第二姿勢とが切り替え可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被圧搾物を水平な回転軸心方向に送り移動させるスクリューコンベアと、前記スクリューコンベアの周囲に沿って配置され前記スクリューコンベアの回転によって送り移動させられる被圧搾物を固液分離する円筒状のスクリーンと、前記スクリーンを保持する外筒とを備えたスクリュープレス及びスクリュープレスのスクリーンの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、図9に示すように、両端を支持され電動機により回転し被圧搾物としての凝集汚泥を送り移動するスクリューコンベア91と、スクリーンコンベア91の周囲に沿って配置され被圧搾物中の液分を通過させる多数の濾過用小孔を貫通形成してある円筒状のスクリーン92を備え、スクリューコンベア91の一端側の凝集汚泥投入口93から供給された凝集汚泥を搬送しながら、スクリューコンベア91とスクリーン92の間で圧搾して固液分離できるように構成されたスクリュープレス90が提案されている。
【0003】
スクリーン92内の凝集汚泥はスクリューコンベア91の回転によって圧搾されて脱水されるため、スクリーン92の内圧が上昇する。さらに、スクリーン92には被圧搾物の搬出方向への力とスクリューコンベア91の回転方向の力がかかるため、スクリーン92のずれや変形を防ぎ、スクリーン92の強度を確保するために周方向に沿って外筒94が備えられている。
【0004】
スクリーン92及び外筒94は、メンテナンスの際に分解が容易なように、スクリューコンベア91の軸心に沿って上下に分割可能に形成されている。
【特許文献1】特開2002−346794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されたスクリュープレス90では、外筒94が両端のみで支持される構成のため、スクリューコンベア91の軸心方向の長さが長くなるほど、スクリーン92及び外筒94の軸心方向の長さが長くなり、スクリューコンベア91,スクリーン92及び外筒94の軸心方向の中央部が撓み、圧搾効率の観点からスクリューコンベア91とスクリーン92との間隙が全周に亘って一定である必要があるにもかかわらず、前記間隙に偏りが生じ圧搾効率が低下したり、また、スクリューコンベア91がスクリーン92に接触し磨耗したりする虞があった。
【0006】
そこで、外筒94の下部をH型鋼等の支持部材により複数箇所支持し、スクリーン92及び外筒94が撓まないように保持することが考えられる。
【0007】
しかし、外筒94の下部を支持部材で支持する構成では、スクリューコンベア91とスクリーン92が撓んで間隙が全周に亘って一定でないような場合に、スクリューコンベア91とスクリーン92の間隙を調節することが不可能で、圧搾効率の低下や、スクリューコンベア91とスクリーン92の接触による摩耗及び破損を避けられないという問題があった。
【0008】
さらに、スクリーン92を取替える際には、上側のスクリーン92は上側の外筒94を取り外すことで容易に取り外すことができるが、下側の外筒94が前記支持部材により支持固定されていると、下側のスクリーン92を取り外すためにはスクリューコンベア91を取り外す必要があったり、また、再度スクリューコンベア91を取り付ける際には芯出しの作業や、スクリーン92との間隙の調節作業が非常に煩雑であった。
【0009】
本発明は上述した問題点に鑑み、簡便な構成で経済性に富みながらも、スクリーンの取替えが容易で、スクリューコンベアとスクリーンの間隙の調節が容易なスクリュープレス及びスクリュープレスのスクリーンの交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明によるスクリュープレスの特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、被圧搾物を水平な回転軸心方向に送り移動させるスクリューコンベアと、前記スクリューコンベアの周囲に沿って配置され前記スクリューコンベアの回転によって送り移動させられる被圧搾物を固液分離する円筒状のスクリーンと、前記スクリーンを保持する外筒とを備えたスクリュープレスであって、前記スクリーンと前記外筒が夫々前記スクリューコンベアの軸心に沿って上下に分割可能に形成され、前記下側の外筒は、前記スクリューコンベアの軸心からの距離を調節する調節機構を備えた外筒支持部材により支持されている点にある。
【0011】
上述の構成によれば、スクリューコンベアとスクリーンが撓んで間隙が全周に亘って一定でないような場合に、外筒支持部材に備えられた調節機構により下側の外筒と前記スクリューコンベアの軸心からの距離を調節することで、前記スクリューコンベアと前記スクリーンの間隙を脱水効率が最適な間隙に容易に調節できるので、圧搾高率の低下を防ぐことができ、前記スクリューコンベアと前記スクリーンの接触による摩耗及び破損を防ぐことができる。
【0012】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記外筒支持部材は、前記外筒の下部に形成された外筒側支持部と、スクリュープレス本体の底部フレーム部材に形成された底部側支持部と、前記外筒側支持部と前記底部側支持部の間隙を調節可能に連接する調節機構で構成され、前記調節機構によって前記外筒側支持部と前記底部側支持部との間隙を調節することにより、前記スクリーンを前記スクリューコンベアに所定の間隙で対向配置する第一姿勢と、前記スクリューコンベアに前記所定の間隙で対向配置された前記スクリーンを下方に離隔する第二姿勢に切り替え可能に構成されている点にある。
【0013】
上述の構成によれば、調節機構により外筒側支持部と底部側支持部の間隙を調節することで、前記スクリーンを前記スクリューコンベアに所定の間隙で対向配置された第一姿勢から、前記スクリューコンベアに前記所定の間隙で対向配置された前記スクリーンを下方に離隔する第二姿勢へと切り替えることで、前記スクリーンを簡便に取り替えることができ、その後、前記スクリューコンベアに前記所定の間隙で対向配置された前記スクリーンを下方に離隔した第二姿勢から、前記スクリーンを前記スクリューコンベアに所定の間隙で対向配置された第一姿勢へと切り替え、脱水効率が最適な間隙に容易に調節することができる。
【0014】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二特徴構成に加えて、前記調節機構がボルト及びナットで構成され、前記ボルトを前記外筒側支持部に形成したボルト孔と前記底部側支持部に形成したボルト孔に連通し、前記ナットで前記外側支持部及び前記底部側支持部の夫々を前記ボルトの所定位置で締着するように構成され、前記ナットを回転させることで前記ボルトに沿って前記外側支持部及び前記底部側支持部との間隙を調節する点にある。
【0015】
上述の構成によれば、調節機構をボルト及びナットで構成することで簡便でありながらも、前記スクリーンを前記スクリューコンベアに所定の間隙で対向配置する第一姿勢と、前記スクリューコンベアに前記所定の間隙で対向配置された前記スクリーンを下方に離隔する第二姿勢に切り替え可能に構成できる。
【0016】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記スクリーン及び外筒が、前記スクリューコンベアの軸心方向に分割可能に形成され、前記分割される外筒毎に前記外筒支持部材が備えられている点にある。
【0017】
上述の構成によれば、分割される外筒毎にスクリューコンベアとスクリーンの間隙を調節することができ、さらにスクリーン及び外筒一つあたりの長さが短くできるため軽量となり作業性がよく、また、スクリーンの一部に破損が生じた場合は、当該破損を生じたスクリーンのみを取り替えることができる。
【0018】
本発明によるスクリュープレスのスクリーンの交換方法の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成を備えたスクリュープレスに対して、前記上側の外筒及びスクリーンを上方に離脱する離脱工程と、前記調節機構により前記下側の外筒を前記スクリューコンベアから下方に離隔する離隔工程と、前記離隔工程により前記下側の外筒が前記スクリューコンベアから離隔することにより生じた間隙を介して、前記下側のスクリーンを取り換える取替工程を備えた点にある。
【発明の効果】
【0019】
以上説明した通り、本発明によれば、簡便な構成で経済性に富みながらも、スクリーンの取替えが容易で、スクリューコンベアとスクリーンの間隙の調節が容易なスクリュープレス及びスクリュープレスのスクリーンの交換方法を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明によるスクリュープレスの実施形態を説明する。
図1に示すように、スクリュープレス1は、被圧搾物としての凝集汚泥を水平な回転軸心方向に送り移動させるスクリューコンベア2と、スクリューコンベア2の周囲に沿って配置されスクリューコンベア2の回転によって送り移動させられる凝集汚泥を固液分離する円筒状のスクリーン3と、スクリーン3を保持する外筒4を備えている。
【0021】
スクリューコンベア2は、一端は側部フレーム5に備えられた軸受け8により、他端を軸受け9により支持されたスクリュー軸2aと、スクリュー軸2aの外周に螺旋状に巻回されたスクリュー羽根2bとで構成されている。スクリュー軸2aは一端が小径でかつ他端が大径となるテーパー状をなし、凝集汚泥の供給口10側から排出口13側にかけてスクリュー羽根2bとスクリーン3のなす空間が相対的に縮小するように形成されている。
【0022】
スクリュー軸2aの他端側には、スプロケット11が固設され、図示しない電動機の動力が伝達機構を介してスプロケット11に伝達され、スクリュー軸2aを回転させ、スクリュー軸2aの回転に伴ない、供給口10から供給された凝集汚泥が、スクリュー羽根2bで送り移動されながら圧搾され、スクリーン3により濾過された脱水ろ液は排水口12から排水され、固形分である脱水ケーキはスクリュー軸2aの他端側に形成された排出口13から排出されるように構成されている。
【0023】
スクリーン3は、多数の細孔を有する複数の半円筒状のパンチングメタルで構成され、その端部が折り曲げられフランジ部30が形成され、スクリューコンベア2の軸心CLに沿って一対の半円筒状のパンチングメタルのフランジ部30を当接させることで円筒状になるように構成されている。
【0024】
外筒4は、スクリーン3の細孔より大きい通孔を有するパンチングメタルで、スクリーン3の外周面に沿うような半円筒状に形成され、端部にはフランジ部40が配設され、フランジ部40にはスクリーン3のフランジ部30を嵌合する段差部が形成され、周部には複数の半円環状のリブ41が配設され、さらに、前記半円環状のリブ41を連結する複数の平リブ42が配設され、外筒4の周部を補強するように構成されている。
【0025】
一対の半円状のパンチングメタルのフランジ部40を当接させボルト及びナット43で締着することで、円筒状の外筒4となり、外筒4に嵌装されたスクリーン3が凝集汚泥の摩擦抵抗による搬送方向への力や、周方向への圧力等により変形しないように保持するのである。
【0026】
本実施形態では、スクリーン3及び外筒4は、スクリューコンベア2の軸心CL方向に5分割したものを連接させたスクリーン3a,3b,3c,3d,3e及び外筒4a,4b,4c,4d,4eからなり、外筒4a,4b,4c,4d,4eはリブ41同士をボルト及びナットで固定することで外筒4となる。外筒4a,4b,4c,4d,4eを区別して説明する必要がない場合は、単に外筒4と記す。
【0027】
図1から図3に示すように、外筒4a,4b,4c,4d,4eは、それぞれの両端のリブ41を外筒支持部材50により支持されている。なお、外筒4aの一端は側部フレーム5に、外筒4eの一端は側部フレーム6にボルトで固定されている。
【0028】
外筒支持部材50は、図4に示すように、外筒4のリブ41に固設されたL型鋼等の鋼材で形成された外筒側支持部51と、スクリュープレス本体の底部フレーム7に固設された平板状の鋼材とリブで形成された底部側支持部52と、外筒側支持部51と底部側支持部52の間隙を調節可能に連接する調節機構としての寸切りボルト53及び複数のナット54で構成されている。
【0029】
外筒側支持部51と底部側支持部52は、外筒側支持部51と底部側支持部52の夫々に形成されたボルト孔に挿通される寸切りボルト53に螺着した複数のナット54により、所定の間隙を保って支持されており、ナット54を回すことで、前記間隙は可変に構成されている。つまり、外筒4は、図4(a),(b)に示すように、スクリーン3がスクリューコンベア2との間隙を全周に亘って一定に保たれ対向配置される第一姿勢と、図4(c),(d)に示すように、スクリューコンベア2に前記所定の間隙で対向配置されたスクリーン3を下方に離隔する第二姿勢とが切り替え可能となる。
【0030】
なお、側部フレーム5は基台17にボルト18で固定されているが、ボルト孔が長孔に形成されているので、スクリューコンベア2の軸心CL方向に移動可能であり、外筒4を前記第一姿勢に固定したときは、側部フレーム5を側部フレーム6側に寄せて固定し、外筒4を前記第二姿勢にするときは側部フレーム5を側部フレーム6から離間させ退避させる。なお、上部フレーム19は脱着可能に構成され、メンテナンス時には取り外すことで、スクリーン3及び外筒4を搬出搬入することができる。
【0031】
スクリューコンベア2の排出口13側の端部には、凝集汚泥の送り方向とは逆方向の圧力を背圧として作用させる背圧板装置14が備えられている。背圧板装置14は、排出口13に対向するテーパー面を備えた環状の背圧板15と、この背圧板15を排出口13側へ押圧する空気圧式のシリンダ装置16とで構成されている。なお、スクリュー軸2aの端部は背圧板15の中央部を貫通している。
【0032】
上述のように構成された、スクリュー軸2aとスクリーン3は、夫々の軸心CLが一致する同心状に軸支され、スクリーン3は外筒4により前記第一姿勢に保持され、スクリューコンベア2との間隙が全周に亘って一定に保たれ、背圧板装置14により排出口13から排出される脱水ケーキの圧密度が高められ、良好な圧搾効率が得られる。
【0033】
外筒4の周囲には、図2,3に示すように、スクリーン3及び外筒4を洗浄する洗浄装置20が備えられている。
【0034】
洗浄装置20は、スクリーン3及び外筒4の外周を囲む円環状の一対の洗浄配管21,22と、洗浄配管21,22を移動させる移動装置23で構成されている。
【0035】
洗浄配管21は、中空の半円形状に形成された一対の半割り管がフランジ21aを介して接合され円環状となりスクリーン3及び外筒4の外周を囲むように配置される。洗浄配管22も同様に構成され、洗浄装置21,22は複数の連結管25を介して接続され、連結管25の内の一本に洗浄液を供給する供給配管26が接続され、供給配管26から供給された洗浄液は、洗浄配管21,22の周方向に所定間隔で配設された複数のスプレーノズル24から噴射されるように構成されている。
【0036】
移動装置23は、一対のスプロケット27,28に巻回されたチェーン29と、スプロケット28を回転させる電動機で構成され、電動機の動力がスプロケット28を介してチェーン29に伝達され、チェーン29に垂設された洗浄配管21,22をスクリーン3の軸心CL方向へ往復移動させるように構成されている。
【0037】
以上のように構成されたスクリュープレス1のスクリーン3の交換方法について説明する。
【0038】
図2に示すように、外筒4の周囲には洗浄装置20があるため、まず、上部フレーム19、洗浄装置20を取り外す。外筒4aと側部フレーム5を固定するボルト、及び、外筒4eと側部フレーム6を固定するボルトを取り外し、ボルト18を弛め側部フレーム5を側部フレーム6から離間する方向へずらす。そして、上下の外筒4を固定するフランジ40部分のボルトを取り外し、図5及び図7(a)に示すように、上側のスクリーン3と外筒4を上方に離脱する(離脱工程)。
【0039】
次に、図6及び図7(b)に示すように、寸切りボルト53に螺着した複数のナット54を回し、スクリーン3及び外筒4をスクリューコンベア2から下方に徐々に下げる。図7(c)に示すように、下側の外筒4とスクリューコンベア2の間隙がスクリーン3を通過させるのに十分な間隙Aとなるまで離隔する(離隔工程)。最後に、図7(d)に示すように、スクリーン3をスクリュー羽根2bに沿わせるように周方向に回転させることで外筒4から取り外す。
【0040】
新たなスクリーン3は、上述と逆の手順により取り付けることができる(取替工程)。その際、スクリーン3を外筒4に嵌装し、下側のスクリーン3のフランジ部30及び外筒4のフランジ部40が、スクリューコンベア2の軸心CLと沿うように外筒支持部材50を前記第一姿勢に切り替えた後は、つまり、一旦スクリュー羽根2bとスクリーン3の間隙を調節した後は、上側のスクリーン3及び外筒4は、前記フランジ部30及びフランジ部40に当接させるだけで、上側のスクリュー羽根2bとスクリーン3の間隙は適切なものとなる。
【0041】
このように、外筒4を前記第一姿勢と前記第二姿勢を切り替え可能な外筒支持部材50を備えることで、スクリーン3の交換作業を容易にし、またスクリュー羽根2bとスクリーン3の間隙を脱水効率が最適な間隙に容易に調節できる。
【0042】
上述の実施形態では、スクリューコンベア2に前記所定の間隙で対向配置されたスクリーン3を下方に離隔する第二姿勢から、スクリーン3がスクリューコンベア2との間隙を全周に亘って一定に保たれ対向配置される第一姿勢へ切り替えた後に、スクリーン3をスクリューコンベア2と脱水効率が最適な間隙に調節する構成について説明したが、前記間隙の調節は、スクリーン3の取替る場合に限られるものではなく、スクリュープレス1の運転により、前記間隙がスクリューコンベア2の全周に亘って一定でなく、偏りが生じたときに適宜行なうことができる。
【0043】
上述の実施形態では、被圧搾物の一例として凝集汚泥を挙げたが、被圧搾物は凝集汚泥に限らず、また、洗浄液は水その他液体や、空気等の気体を用いてもよく、被圧搾物により適当なものが選択される。
【0044】
上述した実施形態では、スクリーン3の細孔の直径について明示しなかったが、スクリーン3の孔径を供給口側から排出口側にかけて順次小さくしたり、スクリーン3aから3eにかけて段階的に小さくしてもよい。凝集汚泥は送り移動されるに伴ない、スクリュー羽根とスクリーンの容積が相対的に縮小するので、内圧が高まっても、固形分の目抜けが起こりにくくなる。
【0045】
上述した実施形態では、スクリーン3及び外筒4をスクリューコンベア2の軸心CL方向に5分割した場合について説明したが、例えば4分割や6分割にしてもよく、また分割せずにスクリューコンベア2の軸心CL方向の長さに略等しいスクリーン及び外筒であってもよい。
【0046】
上述した実施形態では、移動装置23として、スプロケット27,28間にチェーン29を巻回し、このチェーン29に洗浄配管21,22を垂設し、スプロケット28を電動機で駆動することによって、洗浄配管21,22を往復運動する構成について説明したが、移動装置23はシリンダ装置を用いるものであったり、ボールねじとナットと電動機を用いて洗浄配管21,22を移動させる構成であってもよい。
【0047】
上述した実施形態では、洗浄配管21,22は半割り管をフランジ21a,22aで連結して略円環状に構成した場合について説明したが、形状は略円環状に限られず、多角形の環状であってもよい。また、移動装置23によってスクリーン3の全長に亘って移動しながら洗浄するような構成に限られず、複数の洗浄配管を移動させずにスクリーン3の全面に適宜配置するような構成であっても良い。
【0048】
上述した実施形態では、外筒支持部材50として、外筒側支持部51と底部側支持部52を寸切りボルト53で連接し、複数のナット54により第一姿勢と第二姿勢を切り替える構成について説明したが、外筒支持部材は、図8に示すように、外筒支持部51と底部支持部52を、いわゆるパンタグラフジャッキ60で連接してもよい。クランクなどによりボルト61を回転させることで、外筒4が昇降し前記第一姿勢と前記第二姿勢に切り替え可能となる。その他、油圧や空気圧等の圧力により外筒4を昇降させる構成あってもよく、また、手動で操作する場合に限られず、電動機等の動力を用いて、自動で昇降するような構成であってもよい。前記第一姿勢と前記第二姿勢が徐々に、または、段階的に切り替え可能に構成されればよい。
【0049】
上述した実施形態では、外筒4aから4eをリブ41で連接したまま一斉に前記第一姿勢と前記第二姿勢を切り替える構成について説明したが、リブ41のボルトをはずし、外筒4aから4eの任意の外筒4のみを昇降し、スクリューコンベア2とスクリーン3の間隙を調節したり、当該外筒4に嵌装されたスクリーン3のみを交換することも可能である。
【0050】
以上説明したスクリュープレス及びスクリュープレスのスクリーンの交換方法の各部の具体的構成は実施形態の記載に限定されるものではなく、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明によるスクリュープレスの概略図
【図2】本発明によるスクリュープレスの正面図
【図3】スクリュープレスの断面図
【図4】(a)は外筒支持部材が第一姿勢であるときの要部正面図、(b)は外筒支持部材が第一姿勢であるときの要部側面図、(c)は外筒支持部材が第二姿勢であるときの要部正面図、(d)は外筒支持部材が第二姿勢であるときの要部側面図
【図5】外筒支持部材が第一姿勢である状態の正面図
【図6】外筒支持部材が第二姿勢である状態の正面図
【図7】(a)は上側の外筒及びスクリーンを取り外した状態の説明図、(b)は外筒支持部材が第二姿勢である状態の説明図、(c)はスクリーンを取り外す途中の状態の説明図、(d)はスクリーンが取り外される説明図
【図8】(a)は別実施形態による外筒支持部材が第一姿勢である状態の概略図、(b)は別実施形態による外筒支持部材が第二姿勢である状態の概略図
【図9】従来のスクリュープレスの洗浄装置の説明図
【符号の説明】
【0052】
1:スクリュープレス
2:スクリューコンベア
2a:スクリュー軸
2b:スクリュー羽根
3:スクリーン
4:外筒
5:側部フレーム
6:側部フレーム
7:底部フレーム
8:軸受け
9:軸受け
10:供給口
11:スプロケット
12:排水口
13:排出口
14:背圧板装置
15:背圧板
16:シリンダ装置
17:基台
18:ボルト
19:上部フレーム
20:洗浄装置
21:洗浄配管
21a:フランジ
22:洗浄配管
22a:フランジ
23:移動装置
24:スプレーノズル
25:連結管
26:供給配管
27:スプロケット
28:スプロケット
29:チェーン
30:フランジ部
40:フランジ部
41:リブ
42:平リブ
43:ボルト及びナット
50:外筒支持部材
51:外筒側支持部
52:底部側支持部
53:寸切りボルト
54:ナット
60:パンタグラフジャッキ
61:ボルト
CL:軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被圧搾物を水平な回転軸心方向に送り移動させるスクリューコンベアと、前記スクリューコンベアの周囲に沿って配置され前記スクリューコンベアの回転によって送り移動させられる被圧搾物を固液分離する円筒状のスクリーンと、前記スクリーンを保持する外筒とを備えたスクリュープレスであって、
前記スクリーンと前記外筒が夫々前記スクリューコンベアの軸心に沿って上下に分割可能に形成され、
前記下側の外筒は、前記スクリューコンベアの軸心からの距離を調節する調節機構を備えた外筒支持部材により支持されているスクリュープレス。
【請求項2】
前記外筒支持部材は、前記外筒の下部に形成された外筒側支持部と、スクリュープレス本体の底部フレーム部材に形成された底部側支持部と、前記外筒側支持部と前記底部側支持部の間隙を調節可能に連接する調節機構で構成され、前記調節機構によって前記外筒側支持部と前記底部側支持部との間隙を調節することにより、前記スクリーンを前記スクリューコンベアに所定の間隙で対向配置する第一姿勢と、前記スクリューコンベアに前記所定の間隙で対向配置された前記スクリーンを下方に離隔する第二姿勢に切り替え可能に構成されている請求項1記載のスクリュープレス。
【請求項3】
前記調節機構がボルト及びナットで構成され、前記ボルトを前記外筒側支持部に形成したボルト孔と前記底部側支持部に形成したボルト孔に連通し、前記ナットで前記外側支持部及び前記底部側支持部の夫々を前記ボルトの所定位置で締着するように構成され、前記ナットを回転させることで前記ボルトに沿って前記外側支持部及び前記底部側支持部との間隙を調節する請求項2記載のスクリュープレス。
【請求項4】
前記スクリーン及び外筒が、前記スクリューコンベアの軸心方向に分割可能に形成され、前記分割される外筒毎に前記外筒支持部材が備えられている請求項1から3の何れかに記載のスクリュープレス。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れかに記載のスクリュープレスのスクリーンの交換方法であって、
前記上側の外筒及びスクリーンを上方に離脱する離脱工程と、前記調節機構により前記下側の外筒を前記スクリューコンベアから下方に離隔する離隔工程と、前記離隔工程により前記下側の外筒が前記スクリューコンベアから離隔することにより生じた間隙を介して、前記下側のスクリーンを取り換える取替工程を備えたスクリュープレスのスクリーンの交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−58028(P2010−58028A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225303(P2008−225303)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】