説明

スクリュープレス

【課題】被脱水物を供給部から濾過筒内に供給して均一に行き渡らせることが可能なスクリュープレスを提供する。
【解決手段】スクリュー軸7,8は大径軸部7a,8aと小径軸部7b,8bとを有し、大径軸部7a,8aと小径軸部7b,8bとの境界部分に段差面21,23が形成され、大径軸部7a,8aの外周面と濾過筒6の内周面との間に脱水部26が形成され、小径軸部7b,8bの外周面と濾過筒6の内周面との間に、供給部11から濾過筒6内に供給された被脱水物2を溜める溜り部25が形成され、溜り部25は軸径方向において脱水部26よりも大きく形成され、供給部11から溜り部25に供給された被脱水物2はスクリュー羽根33〜36の開口部27を通り抜けて軸方向へ移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有機性汚泥等の被脱水物を脱水するスクリュープレスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスクリュープレスとしては、例えば、図6に示すように、二軸のスクリュープレス70がある。このスクリュープレス70は、筒状のスクリーン71に上下二本のスクリュー軸72,73が挿入され、各スクリュー軸72,73の外周に螺旋状のスクリュー羽根74,75が設けられている。
【0003】
汚泥76は汚泥供給口77からスクリーン71内の一端部に供給される。汚泥供給口77は、スクリュー軸72,73の軸方向においてスクリュー羽根74,75の一端に対向する本体ケーシング78の一側壁79に形成されている。
【0004】
また、本体ケーシング78の他側壁80には、脱水された汚泥76をスクリーン71内から排出する汚泥排出部81が設けられている。
双方のスクリュー軸72,73はそれぞれ、スクリーン71内において一定の軸径Dを有するストレート状の軸であり、互いに反対方向A.Bへ回転する。また、双方のスクリュー羽根74,75は、互いに反対方向の螺旋を描いており、下流側である汚泥排出部81の側ほどピッチが狭くなるように構成されている。
【0005】
また、軸径方向におけるスクリュー軸72,73の外周面とスクリーン71の内周面との間には脱水部82が形成されている。スクリーン71には、汚泥76を主に重力濾過して脱水する濃縮ゾーン83と、汚泥76を主に圧搾して脱水する脱水ゾーン84とが設定されている。尚、脱水ゾーン84で必要となるスクリーン71の面積と脱水時間とに基いてケーキの厚さが決定され、このケーキの厚さに基いてスクリュー軸72,73の軸径Dが決定される。
【0006】
これによると、双方のスクリュー軸72,73を互いに反対方向A,Bへ回転させた状態で、汚泥76を汚泥供給口77からスクリーン71内の一端部に供給する。これにより、汚泥76は、スクリュー軸72,73と一体に回転するスクリュー羽根74,75によって汚泥排出部81へ向けてスクリーン71内を搬送され、スクリュー羽根74,75のピッチが次第に狭くなることで脱水され、スクリーン71内から汚泥排出部81を経て外部へ排出される。また、脱水濾液はスクリーン71の内側から外側へ通過して排出される。
【0007】
尚、上記のような二軸のスクリュープレス70については、例えば下記特許文献1に記載されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−136919
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら上記の従来形式では、スクリュー軸72,73の一端部である汚泥供給口77側の端部において、脱水部82の軸径方向の大きさEが小さいため、汚泥76を汚泥供給口77からスクリーン71内に供給した際、脱水部82における汚泥76の流動性が低下し、スクリュー軸72,73の軸心に垂直な平面において汚泥76が均一に行き渡らないといった問題がある。このため、初期濾過を担うスクリーン71の一端部(すなわち汚泥供給口77側の端部)における濾過面積が全周にわたって有効に使用されず、スクリーン71の一端部の周方向において局部的に濾過が行われて、スクリーン71への負荷が局部的に増大し、SS回収率が低下する虞がある。
【0010】
本発明は、被脱水物を供給部から濾過筒内に供給して均一に行き渡らせることが可能なスクリュープレスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本第1発明は、脱水濾液を排出可能な濾過筒と、
濾過筒内に挿入された回転自在なスクリュー軸と、
スクリュー軸の外周に設けられたスクリュー羽根と、
被脱水物を濾過筒内に供給する供給部とを有するスクリュープレスであって、
スクリュー軸は、大径軸部と、大径軸部よりも小径の小径軸部とを有し、
大径軸部と小径軸部との境界部分に段差部が形成され、
大径軸部の外周面と濾過筒の内周面との間に脱水部が形成され、
小径軸部の外周面と濾過筒の内周面との間に、供給部から濾過筒内に供給された被脱水物を溜める溜り部が形成され、
供給部は溜り部に開口し、
供給部から溜り部に供給された被脱水物はスクリュー羽根を通り抜けて軸方向へ移動可能であるものである。
【0012】
これによると、スクリュー軸と一体にスクリュー羽根を回転させ、被脱水物を供給部から濾過筒内の溜り部に供給する。スクリュー軸の小径軸部は大径軸部よりも小径であるため、溜り部が軸径方向において脱水部よりも大きく形成され、被脱水物は溜り部においてスクリュー軸の回転方向に流動し易くなり、溜り部における被脱水物の流動性が向上し、被脱水物は溜り部に均一に行き渡る。
【0013】
これにより、溜り部における濾過面積が全周にわたって有効に使用され、溜り部において濾過筒全周で均一に被脱水物が濾過されるため、溜り部における負荷が局部的に集中することなくほぼ均等に分散され、SS回収率の低下を防止することができる。
【0014】
尚、供給部から溜り部に供給された被脱水物は、回転するスクリュー羽根によって溜り部から脱水部へ送られながら、脱水される。この際、溜り部に供給された被脱水物はスクリュー羽根を通り抜けて軸方向に移動するため、溜り部における被脱水物の流動性がさらに向上する。
【0015】
本第2発明におけるスクリュープレスは、スクリュー羽根は、スクリュー軸の大径軸部の外周に設けられた脱水部スクリュー羽根と、小径軸部の外周に設けられた溜り部スクリュー羽根とを有し、
溜り部スクリュー羽根は軸方向に開口する開口部を有しているものである。
【0016】
これによると、供給部から溜り部に供給された被脱水物は溜り部スクリュー羽根の開口部を通り抜けて軸方向に移動するため、溜り部における被脱水物の流動性がさらに向上する。
【0017】
本第3発明におけるスクリュープレスは、スクリュー軸は濾過筒内に複数挿入され、
スクリュー羽根は各スクリュー軸に設けられ、
濾過筒はスクリュー羽根の外周に沿って湾曲した形状を有しているものである。
【0018】
これによると、各スクリュー軸を回転することにより、各スクリュー軸と一体に各スクリュー羽根が回転する。供給部から溜り部に供給された被脱水物は、各スクリュー羽根によって溜り部から脱水部へ送られながら、脱水される。
【0019】
また、濾過筒はスクリュー羽根の外周に沿って湾曲した形状を有しているため、溜り部において、濾過筒の全周を用いて被脱水物を濾過することができる。
本第4発明におけるスクリュープレスは、隣り合うスクリュー軸は互いに反対方向へ回転し、
供給部は、双方のスクリュー羽根が双方の軸心間からそれぞれの回転方向へ分かれて送り出される側に位置しているものである。
【0020】
これによると、被脱水物は、供給部から溜り部に供給された直後に、互いに反対方向へ回転している双方のスクリュー羽根によって、それぞれの回転方向(すなわち異なる二方向)へ分かれて送り出される。これにより、溜り部における被脱水物の流動性がさらに向上する。
【0021】
本第5発明におけるスクリュープレスは、スクリュー羽根はスクリュー軸に複数条設けられているものである。
本第6発明におけるスクリュープレスは、スクリュー軸の大径軸部と小径軸部とはそれぞれストレート状の軸であるものである。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明によると、被脱水物を供給部から濾過筒内に供給して均一に行き渡らせることが可能であり、これにより、溜り部における濾過面積が全周にわたって有効に使用され、溜り部において濾過筒全周で均一に被脱水物が濾過されるため、溜り部における負荷が局部的に集中することなくほぼ均等に分散され、SS回収率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態におけるスクリュープレスの断面図である。
【図2】同、スクリュープレスの溜り部の断面図である。
【図3】図2におけるX−X矢視図である。
【図4】図2におけるY−Y矢視図である。
【図5】図2におけるZ−Z矢視図である。
【図6】従来のスクリュープレスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図5に示すように、1は例えば有機性汚泥等の被脱水物2を脱水するスクリュープレスであり、二軸二条型式のものである。スクリュープレス1は、ケーシング5と、脱水濾液を排出可能な濾過筒6と、濾過筒6内に挿入された上下二本(複数本)の回転自在なスクリュー軸7,8と、各スクリュー軸7,8の外周にそれぞれ二条(複数条)ずつ螺旋状に設けられたスクリュー羽根33〜36と、被脱水物2を濾過筒6内の一端部に供給する供給口11(供給部の一例)と、脱水された被脱水物2を濾過筒6内の他端部から外部へ排出する排出部12と、排出部12の開口に向けて出退自在な背圧板13と、両スクリュー軸7,8を互いに反対方向A,Bへ回転させる回転駆動装置14とを有している。
【0025】
ケーシング5は、スクリュー軸7,8の軸心方向において対向して配置された一対の立壁部16,17を有している。濾過筒6は、例えばスクリーン等からなり、被脱水物2から脱水分離された脱水濾液を排出する複数の脱水濾液排出孔9を有しており、両立壁部16,17間に取り付けられている。また、濾過筒6は、スクリュー羽根33〜36の外周に沿って湾曲した形状(曲面形状)に形成されており、内部に上部濾室18と下部濾室19とを有している。尚、図3に示すように、濾過筒6の両側面は、上下一対の円弧状に形成され、上下中央部位が窪んだ凹部6aを有している。
【0026】
双方のスクリュー軸7,8は平行に水平配置されており、各スクリュー軸7,8の両端部はそれぞれ軸受を介して回転自在にケーシング5に支持されている。上部のスクリュー軸7は、上部濾室18に設けられており、大径軸部7aと、大径軸部7aの一端に設けられた小径軸部7bとを有している。大径軸部7aは濾過筒6内の長さ方向の大部分を占めており、小径軸部7bの軸径Dbは大径軸部7aの軸径Daよりも小さく設定されている。大径軸部7aと小径軸部7bとはそれぞれストレート状の軸であり、大径軸部7aと小径軸部7bとの境界部分には、スクリュー軸7の軸心20に直交する段差面21(段差部の一例)が形成されている。
【0027】
また、下部のスクリュー軸8は、下部濾室19に設けられており、上部のスクリュー軸7と同様に、大径軸部8aと小径軸部8bとを有している。大径軸部8aと小径軸部8bとの境界部分には、スクリュー軸8の軸心22に直交する段差面23(段差部の一例)が形成されている。
【0028】
上部の小径軸部7bの外周面と濾過筒6の内周面との間および下部の小径軸部8bの外周面と濾過筒6の内周面との間には、供給口11から濾過筒6内に供給された被脱水物2を溜める溜り部25が形成されている。また、上部の大径軸部7aの外周面と濾過筒6の内周面との間および下部の大径軸部8aの外周面と濾過筒6の内周面との間には、溜り部25の下流側に連通する脱水部26が形成されている。尚、図1,図2に示すように、軸径方向における溜り部25の大きさFは脱水部26の大きさEよりも大きく形成されている。
【0029】
上部のスクリュー羽根33,34と下部のスクリュー羽根35,36とは、相互に相反する方向へ螺旋を描くように形成されており、下流側である排出部12の側ほどピッチPが狭くなるように設定されている。
【0030】
上部のスクリュー軸7に設けられた二条のスクリュー羽根33,34はそれぞれ、大径軸部7aの外周に設けられた脱水部スクリュー羽根33a,34aと、小径軸部7bの外周に設けられた溜り部スクリュー羽根33b,34bとを有している。同様に、下部のスクリュー軸8に設けられた二条のスクリュー羽根35,36もそれぞれ、脱水部スクリュー羽根35a,36aと溜り部スクリュー羽根35b,36bとを有している。
【0031】
各々の溜り部スクリュー羽根33b〜36bは各々の脱水部スクリュー羽根33a〜36aから一体的に延長されて連続して設けられている。
各溜り部スクリュー羽根33b〜36bはそれぞれ、内周側の付根部分に、軸方向に開口する開口部27を有している。
【0032】
図1に示すように、濾過筒6には、被脱水物2を主に重力濾過して脱水する濃縮ゾーン38と、被脱水物2を主に圧搾して脱水する脱水ゾーン39とが設定されている。濃縮ゾーン38は濾過筒6の一端側である供給口11の側に設定され、脱水ゾーン39は濾過筒6の他端側である排出部12の側に設定されている。濃縮ゾーン38に含まれている脱水濾液排出孔9の孔径は脱水ゾーン39に含まれている脱水濾液排出孔9の孔径よりも大きく形成されており、これにより、濃縮ゾーン38では、圧搾の圧力は低いが有効濾過面積は大きくなり、脱水ゾーン39では、圧搾の圧力は高いが有効濾過面積は小さくなる。
【0033】
尚、脱水ゾーン39で必要となる濾過筒6の面積と脱水時間とに基いてケーキの厚さが決定され、このケーキの厚さに基いて各スクリュー軸7,8の大径軸部7a,8aの軸径Daが決定される。
【0034】
図3,図4に示すように、供給口11は、一方の立壁部16に形成されて溜り部25に開口し、上部のスクリュー羽根33,34と下部のスクリュー羽根35,36との双方の重複部分Cに軸方向で対向しており、双方の軸心20,22間を通る直線Lに対して、上部のスクリュー羽根33,34と下部のスクリュー羽根35,36とが軸心20,22間からそれぞれの回転方向A,Bへ分かれて送り出される側に位置している。
【0035】
図1,図2に示すように、回転駆動装置14は、上下両スクリュー軸7,8の一端に設けられて互いに歯合する上下両従動歯車29,30と、下部の従動歯車30に歯合する駆動歯車31と、駆動歯車31を回転駆動する電動機32とを有している。
【0036】
背圧板13は、シリンダ装置37によって軸方向に出退移動することで、排出部12の開口に対向して作用させる圧力を調整するものである。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0037】
回転駆動装置14により、スクリュー軸7,8と一体に上部のスクリュー羽根33,34と下部のスクリュー羽根35,36とを互いに反対方向A,Bへ回転させ、被脱水物2を供給口11から濾過筒6内の溜り部25に供給する。
【0038】
溜り部25は軸径方向において脱水部26よりも大きく形成されているため、被脱水物2は溜り部25において双方のスクリュー軸7,8の回転方向A,Bに流動し易くなり、溜り部25における被脱水物2の流動性が向上し、被脱水物2は溜り部25に均一に行き渡る。
【0039】
また、溜り部25に供給された被脱水物2は各溜り部スクリュー羽根33b〜36bの開口部27を通り抜けて軸方向に移動するため、溜り部25における被脱水物2の流動性がさらに向上する。
【0040】
さらに、図3に示すように、被脱水物2は、供給口11から溜り部25に供給された直後に、互いに反対方向A,Bへ回転している上部のスクリュー羽根33,34と下部のスクリュー羽根35,36とによって、それぞれの回転方向A,B(すなわち異なる二方向)へ分かれて送り出される。これにより、溜り部25における被脱水物2の流動性がさらに向上する。
【0041】
以上のことにより、溜り部25における濾過面積が全周にわたって有効に使用され、溜り部25において濾過筒6の全周を用いて均一に被脱水物2が濾過されるため、溜り部25における負荷が局部的に集中することなくほぼ均等に分散され、SS回収率の低下を防止することができる。
【0042】
尚、供給口11から溜り部25に供給された被脱水物2は、回転する各スクリュー羽根33〜36によって溜り部25から脱水部26へ送られながら脱水され、その後、排出部12の開口から外部へ排出される。
【0043】
上記実施の形態では、二本のスクリュー軸7,8を上下平行に配置しているが、左右平行に配置してもよい。また、双方のスクリュー軸7,8が、平行ではなく、若干傾斜していてもよい。
【0044】
上記実施の形態では、二本(複数本)のスクリュー軸7,8を有する二軸型式のスクリュープレス1を示したが、一本のスクリュー軸を有する単軸型式のスクリュープレスであってもよい。また、スクリュー軸を三本以上有する複数軸型式のスクリュープレスであってもよい。
【0045】
上記実施の形態では、一方のスクリュー軸7に二条(複数条)のスクリュー羽根33,34を設け、他方のスクリュー軸8に二条のスクリュー羽根35,36を設けた二条型式のスクリュープレス1を示したが、一条のスクリュー羽根を設けた単条型式のスクリュープレスであってもよい。また、スクリュー羽根を三条以上設けた複数条型式のスクリュープレスであってもよい。
【0046】
上記実施の形態では、各溜り部スクリュー羽根33b〜36bの内周側の付根部分に、軸方向に開口する開口部27を形成したが、被脱水物2が溜り部スクリュー羽根33b〜36bを通り抜けることができる構造として、例えば、各溜り部スクリュー羽根33b〜36bの外周側に切り欠きを形成してもよく、また、各溜り部スクリュー羽根33b〜36bをパンチングメタルのような部材で構成してもよい。或は、溜り部スクリュー羽根33b〜36bに開口部27を形成せず、その代わりに、小径軸部7b,8bの外周面に、軸心方向に沿った溝を形成してもよい。
【0047】
上記実施の形態では、各段差面21,23を各スクリュー軸7,8の軸心20,22に直交させているが、直交に限定されるものではなく、各段差面21,23をそれぞれテーパー状に傾斜して形成してもよい。また、各段差面21,23に面取りをしたり丸味をつけてもよい。
【0048】
上記実施の形態では、各スクリュー軸7,8はそれぞれ大径軸部7a,8aと小径軸部7b,8bとを有する大小二段構造であるが、三段構造又はそれ以上の複数段構造であってもよい。
【0049】
上記実施の形態では、供給口11は一方の立壁部16に形成されて溜り部25に開口しているが、供給口11の位置は特に限定されるものではなく、例えば供給口11をスクリュー軸に設けて、被脱水物2をスクリュー軸から供給してもよく、或は、供給口11を濾過筒6に設けて、被脱水物2を濾過筒6から供給してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 スクリュープレス
2 被脱水物
6 濾過筒
7,8 スクリュー軸
7a,8a 大径軸部
7b,8b 小径軸部
11 供給口(供給部)
20,22 軸心
21,23 段差面(段差部)
25 溜り部
26 脱水部
27 開口部
33〜36 スクリュー羽根
33a〜36a 脱水部スクリュー羽根
33b〜36b 溜り部スクリュー羽根
A,B 反対方向,回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱水濾液を排出可能な濾過筒と、
濾過筒内に挿入された回転自在なスクリュー軸と、
スクリュー軸の外周に設けられたスクリュー羽根と、
被脱水物を濾過筒内に供給する供給部とを有するスクリュープレスであって、
スクリュー軸は、大径軸部と、大径軸部よりも小径の小径軸部とを有し、
大径軸部と小径軸部との境界部分に段差部が形成され、
大径軸部の外周面と濾過筒の内周面との間に脱水部が形成され、
小径軸部の外周面と濾過筒の内周面との間に、供給部から濾過筒内に供給された被脱水物を溜める溜り部が形成され、
供給部は溜り部に開口し、
供給部から溜り部に供給された被脱水物はスクリュー羽根を通り抜けて軸方向へ移動可能であることを特徴とするスクリュープレス。
【請求項2】
スクリュー羽根は、スクリュー軸の大径軸部の外周に設けられた脱水部スクリュー羽根と、小径軸部の外周に設けられた溜り部スクリュー羽根とを有し、
溜り部スクリュー羽根は軸方向に開口する開口部を有していることを特徴とする請求項1記載のスクリュープレス。
【請求項3】
スクリュー軸は濾過筒内に複数挿入され、
スクリュー羽根は各スクリュー軸に設けられ、
濾過筒はスクリュー羽根の外周に沿って湾曲した形状を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスクリュープレス。
【請求項4】
隣り合うスクリュー軸は互いに反対方向へ回転し、
供給部は、双方のスクリュー羽根が双方の軸心間からそれぞれの回転方向へ分かれて送り出される側に位置していることを特徴とする請求項3記載のスクリュープレス。
【請求項5】
スクリュー羽根はスクリュー軸に複数条設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスクリュープレス。
【請求項6】
スクリュー軸の大径軸部と小径軸部とはそれぞれストレート状の軸であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のスクリュープレス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−176411(P2012−176411A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39122(P2011−39122)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】