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GPCRの立体構造特異的結合パートナーを生産する方法であって、
a)親GPCRと比較して特定の立体構造で増大した安定性を有する、該親GPCRのGPCR変異体を提供する工程、
b)試験化合物を提供する工程、
c)前記試験化合物が、特定の立体構造を備える場合の前記GPCR変異体に結合するか否かを測定する工程、及び
d)前記特定の立体構造を備える場合の前記GPCR変異体に結合する試験化合物を単離する工程
を含む方法。親GPCRと比較して増大した安定性を有するGPCRを生産する方法も開示される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPCRの結合パートナーを生産する方法であって、
a)親GPCRと比較して特定の立体構造で増大した安定性を有する、該親GPCRのGPCR変異体を提供する工程、
b)1つ又は複数の試験化合物を提供する工程、
c)前記試験化合物又はその各々が、特定の立体構造を備える場合の前記GPCR変異体に結合するか否かを測定する工程、及び
d)前記特定の立体構造を備える場合の前記GPCR変異体に結合する1つ又は複数の試験化合物を単離する工程
を含む方法。
【請求項2】
e)前記試験化合物又はその各々が、前記特定の立体構造を備える場合の前記親GPCRに結合するか否かを測定する工程、及び
f)前記特定の立体構造にある場合の前記親GPCRにも結合する前記試験化合物又はその各々を単離する工程
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項3】
前記GPCR変異体が固体支持体に固定化されている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記支持体がビーズ、カラム、スライドガラス、チップ又はプレートのいずれかである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記GPCR変異体が共有結合相互作用を介して支持体に固定化されている、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記支持体がポリマー支持体で被覆されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリマー支持体がカルボキシル化デキストランである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記GPCR変異体が非共有結合相互作用を介して支持体に固定化されている、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項9】
前記支持体が、アビジン、ストレプトアビジン、金属イオン、親GPCRに対する抗体、又は前記GPCR変異体に結合した分子タグに対する抗体のいずれかで被覆されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記GPCR変異体が、C末端又は細胞外ドメインが外側を向くように細胞内ドメインを介して固定化されている、請求項3から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記GPCR変異体が、N末端又は細胞内ドメインが外側を向くように細胞外ドメインを介して固定化されている、請求項3から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記GPCR変異体がC末端又はN末端に分子タグを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記タグが、FLAGタグ、Hisタグ、c−Mycタグ、DDDDKタグ、HSVタグ、Haloタグ、又はビオチンタグのいずれかである、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記GPCR変異体が、全細胞製剤中又は細胞膜断片中に存在するか、界面活性剤に可溶化されているか、脂質単層中、脂質二重層中、ビーズ結合脂質粒子中、固体支持脂質層中、又はプロテオリポソーム中に存在する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記試験化合物が固体支持体に固定化されている、請求項1、2、12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記固体支持体がビーズ、カラム、スライドガラス、チップ又はプレートのいずれかである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記GPCR変異体及び前記試験化合物が固体支持体に固定化されていない、請求項1、2、12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記試験化合物が、ポリペプチド;アンチカリン;ペプチド;抗体;キメラ抗体;一本鎖抗体;アプタマー;ダルピン;Fab、F(ab’)、Fv、scFv若しくはdAb抗体断片;低分子;天然生成物;アフィボディ;ペプチドミメティック;核酸;ペプチド核酸分子;脂質;炭水化物;アンキリンリピートタンパク質、アルマジロリピートタンパク質、ロイシンリッチタンパク質、テトラトリオペプチドリピートタンパク質若しくは設計アンキリンリピートタンパク質(DARPin)を含むモジュールフレームワークに基づくタンパク質;又はリポカリン若しくはフィブロネクチンドメイン又はヒトγクリスタリン若しくはヒトユビキチンのいずれかに基づくアフィリンスカフォールドに基づくタンパク質のいずれかである、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記試験化合物が生物学的試料として提供される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記試料が血液、血清、血漿、脊髄液、組織抽出物又は細胞抽出物のいずれかである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記試験化合物が、試験化合物のライブラリーである、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記ライブラリーが、ペプチドライブラリー、タンパク質ライブラリー、抗体ライブラリー、組換えコンビナトリアル抗体ライブラリー、又はscFv若しくはFabファージディスプレイライブラリーのいずれかである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記試験化合物が、ペプチドタグ、核酸タグ、化学物質タグ、蛍光タグ又はRFタグのいずれかで標識されている、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記抗体が、親GPCRのGPCR変異体に対する抗体であり、前記GPCR変異体が前記親GPCRと比較して特定の立体構造で増大した安定性を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記抗体が、リンパ球を前記GPCR変異体の免疫原で免疫することによって作製される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記リンパ球がインビボで免疫される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記リンパ球がインビトロで免疫される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記GPCR変異体の免疫原が、前記GPCR変異体の全部、その断片又はその融合タンパク質である、請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
GPCR変異体の免疫原が、全細胞製剤中若しくは細胞膜断片中で提供されるか、界面活性剤に可溶化されているか、脂質単層中、脂質二重層中、ビーズ結合脂質粒子中、固体支持脂質層中、又はプロテオリポソーム中で提供される、請求項24から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記免疫原がアジュバントと共に提供される、請求項24から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記アジュバントがTitremax又はRibiアジュバント乳剤である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
特定の立体構造を備える場合のGPCR変異体に結合する前記単離試験化合物を修飾する工程、及び前記修飾した試験化合物が特定の立体構造を備える場合の前記GPCR変異体に結合するか否かを測定する工程をさらに含む、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記修飾試験化合物が、前記特定の立体構造を備える場合の前記親GPCRに結合するか否かを測定する工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
複数のGPCR変異体が工程(a)で提供され、前記試験化合物が特定の立体構造を備える場合の各々のGPCR変異体に結合するか否かを測定し、前記特定の立体構造を備える場合の各々のGPCR変異体に結合する試験化合物を単離する、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
第一の親GPCRのGPCR変異体及び第二の親GPCRのGPCR変異体が工程(a)で提供され、前記試験化合物が特定の立体構造を備える場合の各々のGPCR変異体に結合するか否かを測定し、前記特定の立体構造を備える場合の各々のGPCR変異体に結合する試験化合物を単離する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
複数のGPCR変異体が工程(a)で提供され、第一のGPCR変異体に結合するが、少なくとも1つの他のGPCR変異体には結合しない又は前記第一のGPCR変異体に対するよりも弱く結合する試験化合物を選択する、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
請求項1から36のいずれか一項に記載の方法であって、
(i)前記単離試験化合物が、それが結合する前記GPCRの機能に影響を及ぼすか否かを測定する工程、及び(ii)それが結合する前記GPCRの機能に影響を及ぼす試験化合物を単離する工程、をさらに含む方法。
【請求項38】
工程(i)において、前記単離試験化合物が、その天然リガンド又はその類似体への前記GPCRの結合に影響を及ぼすか否かを測定する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
工程(ii)において、前記GPCRとその天然リガンド又はその類似体の間の結合を低下させる試験化合物を単離する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
工程(ii)において、前記GPCRとその天然リガンド又はその類似体の間の結合を上昇させる試験化合物を単離する、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
工程(i)において、前記単離試験化合物が、それが結合する前記GPCRの活性化を調節するか否かを測定する、請求項37から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
工程(ii)において、カルシウム可動化、cAMPレベル、キナーゼ経路の活性、試験化合物が結合するGPCRの制御下でのレポーター遺伝子からの遺伝子転写、β−アレスチンのリクルートメント、Gタンパク質の活性化、GTPアーゼ活性又は[35S]GTPγS結合のいずれかを調節する試験化合物を選択する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
工程(ii)において、それが結合する前記GPCRの活性化を上昇させるアゴニスト試験化合物を単離する、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
工程(ii)において、それが結合する前記GPCRの活性化を低下させるアンタゴニスト試験化合物を単離する、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項45】
請求項1から44のいずれか一項に記載の方法であって、GPCR変異体が、
(a)親GPCRの1つ又は複数の変異体を提供する工程、
(b)前記GPCRが特定の立体構造を備える場合に前記親GPCRに結合するリガンドを選択する工程、
(c)前記GPCR変異体又はその各々が、前記選択したリガンドへの結合に関して、そのリガンドへの結合に関する前記親GPCRの安定性と比較して増大した安定性を有するか否かを測定する工程、及び
(d)前記選択したリガンドへの結合に関して前記親GPCRと比較して増大した安定性を有する変異体を選択する工程
によって提供される方法。
【請求項46】
工程(c)の前に、前記1つ又は複数の変異体を前記選択したリガンドと接触させる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記1つ又は複数の変異体が可溶化形態で提供される、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
請求項45から47のいずれか一項に記載の方法であって、工程(c)において前記GPCRが備える前記特定の立体構造が、工程(b)で選択したリガンドのクラスに対応する方法。
【請求項49】
前記選択したリガンドがアゴニストクラスのリガンドに由来するものであり、且つ前記特定の立体構造がアゴニスト立体構造であるか、又は前記選択したリガンドがアンタゴニストクラスのリガンドに由来するものであり、且つ前記特定の立体構造がアンタゴニスト立体構造である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記選択したリガンドがアゴニストクラスのリガンドに由来するものであり、且つ、工程(c)において前記GPCRが備える前記特定の立体構造がアゴニスト立体構造である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記選択したリガンドに対する前記変異体の結合親和性が、前記選択したリガンドに対する前記親の結合親和性と実質的に同一であるか又はそれよりも大きい、請求項45から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記方法が1回又は複数回反復され、工程(a)において増大した安定性を有する前記選択した変異体が前記方法のその後の回における前記親GPCRとなる、請求項45から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
熱、界面活性剤、カオトロピック剤、及び極端なpHのいずれか1つ又は複数に対して増大した安定性を有するGPCR変異体を選択する、請求項45から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
増大した熱安定性を有するGPCR変異体を選択する、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記リガンドが、完全アゴニスト、部分的アゴニスト、逆アゴニスト、アンタゴニストのいずれか1つである、請求項45から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記リガンドが前記GPCRに結合するポリペプチドである、請求項45から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記ポリペプチドが、抗体、アンキリン、Gタンパク質、RGSタンパク質、アレスチン、GPCRキナーゼ、受容体チロシンキナーゼ、RAMP、NSF、GPCR、NMDA受容体サブユニットNR1若しくはNR2a、又はカルシオン、フィブロネクチンドメインフレームワーク、又は前記GPCRに結合するその断片若しくは誘導体のいずれかである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
工程(b)において2又はそれ以上のリガンドが選択され、各々の存在が前記GPCRに同じ特定の立体構造を備えさせる、請求項45から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
親と比較して、工程(b)で選択した前記リガンドとは異なるクラスのリガンドに結合する低下した能力を有するGPCR変異体を選択する、請求項45から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記GPCRが、β−アドレナリン受容体、アデノシン受容体及びニューロテンシン受容体のいずれか1つである、請求項45から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
請求項1から44のいずれか一項に記載の方法であって、前記GPCR変異体が、
(a)請求項45から60のいずれか一項に記載の方法を実施する工程、
(b)増大した安定性に関して選択した前記1つ又は複数のGPCR変異体における1つ又は複数の変異したアミノ酸残基の位置を同定する工程、及び
(c)前記同定した位置の1つ又は複数におけるアミノ酸の置き換えを含むGPCR変異体を合成する工程
によって提供される方法。
【請求項62】
前記GPCR変異体が親GPCRと比較して複数の変異を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
請求項1から44のいずれか一項に記載の方法であって、前記GPCR変異体が、
(i)第一の親GPCRと比較して増大した安定性を有する第一の親GPCRの1つ又は複数の変異体のアミノ酸配列において、1つ又は複数の変異体が前記第一の親GPCRと比較して少なくとも1つの異なるアミノ酸残基を有する1つ又は複数の位置を同定する工程、及び
(ii)対応する1つ又は複数の位置で、第二のGPCRを規定するアミノ酸配列内に1つ又は複数の変異を作製して、第二の親GPCRと比較して増大した安定性を有する第二の親GPCRの1つ又は複数の変異体を提供する工程
によって提供される方法。
【請求項64】
第一の親GPCRの1つ又は複数の変異体が、請求項45から62のいずれか一項に記載の方法にしたがって提供される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記第二のGPCRが、前記第一の親GPCRと同じGPCRクラス又はファミリーのものである、請求項63又は64に記載の方法。
【請求項66】
前記第二のGPCRが、前記第一の親GPCRと少なくとも20%の配列同一性を有するGPCRである、請求項63から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
親GPCRと比較して増大した安定性を有するGPCR変異体を生産する、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法であって、
(i)第一の親GPCRと比較して増大した安定性を有する第一の親GPCRの1つ又は複数の変異体を提供する工程、
(ii)膜タンパク質構造モデルにおいて、1つ又は複数の変異体が前記第一の親GPCRと比較して少なくとも1つの異なるアミノ酸残基を有する1つ又は複数の構造モチーフを同定する工程、及び
(iii)第二の親GPCRにおいて対応する1つ又は複数の構造モチーフを規定するアミノ酸配列内に1つ又は複数の変異を作製して、前記第二の親GPCRと比較して増大した安定性を有する第二の親GPCRの1つ又は複数の変異体を提供する工程
を含む方法。
【請求項68】
前記膜タンパク質構造モデルが内在性膜タンパク質のモデルである、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記内在性膜タンパク質が、工程(i)の前記第一の親GPCRの変異体が前記第一の親GPCRと比較して少なくとも1つの異なる前記変異体中のアミノ酸を有するタンパク質ドメインにわたって、前記第一の親GPCRの変異体と少なくとも20%の配列同一性を有する、請求項67又は68に記載の方法。
【請求項70】
前記内在性膜タンパク質がGPCRである、請求項68又は69に記載の方法。
【請求項71】
前記GPCRが、前記第一の親GPCRと同じGPCRクラス又はファミリーのものである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記膜タンパク質構造モデルが、ヒトβアドレナリン受容体又はウシロドプシンのモデルである、請求項67から71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記構造モチーフが、へリックス界面、へリックスの折れ曲がり(キンク)、へリックスの折れ曲がり(キンク)の反対側のへリックス、脂質二重層に向いたへリックス表面、疎水性−親水性境界層の脂質二重層に向いたへリックス表面、ループ領域、又はタンパク質結合ポケットのいずれかである、請求項67から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記第二の親GPCRが前記第一の親GPCRである、請求項67から73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記第二の親GPCRが前記第一の親GPCRではない、請求項67から73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記第二の親GPCRが、前記第一の親GPCRと少なくとも20%の配列同一性を有するGPCRである、請求項74又は75に記載の方法。
【請求項77】
前記第二のGPCRが、前記第一の親GPCRと同じGPCRクラス又はファミリーのものである、請求項74から76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
請求項63から77のいずれか一項に記載の方法であって、
(I)前記第二の親GPCRが特定の立体構造を備える場合に前記第二の親GPCRに結合するリガンドを選択する工程、
(II)特定の立体構造を備える場合の前記第二の親GPCRの前記変異体又はその各々が、前記選択したリガンドへの結合に関して同じ特定の立体構造を備える場合の前記第二の親GPCRの安定性と比較して、そのリガンドへの結合に関して増大した安定性を有するか否かを測定する工程、及び
(III)前記選択したリガンドへの結合に関して、前記第二の親GPCRと比較して増大した安定性を有する変異体を選択する工程
をさらに含む方法。
【請求項79】
工程(II)において前記GPCRが備える前記特定の立体構造が、工程(I)で選択したリガンドのクラスに対応する、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記選択したリガンドがアゴニストクラスのリガンドに由来するものであり、且つ前記特定の立体構造がアゴニスト立体構造であるか、又は前記選択したリガンドがアンタゴニストクラスのリガンドに由来するものであり、且つ前記特定の立体構造がアンタゴニスト立体構造である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記リガンドが請求項55から57のいずれか一項で規定されるものである、請求項78から80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記第二のGPCRの1つ又は複数の変異体の結合親和性が、前記選択したリガンドについての前記第二の親GPCRの結合親和性と実質的に同一であるか又はそれ以上である、請求項78から81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
工程(a)で提供されるGPCR変異体が、β−アドレナリン受容体、アデノシン受容体、ニューロテンシン受容体又はムスカリン受容体のいずれか1つである、請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
工程(a)で提供される前記GPCR変異体が、その親受容体と比較して、以下の位置:(i)図9に記載のシチメンチョウβ−アドレナリン受容体の番号付けによる:Ile 55,Gly 67,Arg 68,Val 89,Met 90,Gly 98,Ile 129,Ser 151,Val 160,Gln 194,Gly 197,Leu 221,Tyr 227,Arg 229,Val 230,Ala 234,Ala 282,Asp 322,Phe 327,Ala 334,Phe 338、(ii)図10に記載のヒトアデノシンA2a受容体の番号付けによる:Gly 114,Gly 118,Leu 167,Ala 184,Arg 199,Ala 203,Leu 208,Gln 210,Ser 213,Glu 219,Arg 220,Ser 223,Thr 224,Gln 226,Lys 227,His 230,Leu 241,Pro 260,Ser 263,Leu 267,Leu 272,Thr 279,Asn 284,Gln 311,Pro 313,Lys 315、(iii)図11に記載のラットニューロテンシン受容体の番号付けによる:Ala 69,Leu 72,Ala 73,Ala 86,Ala 90,Ser 100,His 103,Ser 108,Leu 109,Leu 111,Asp 113,Ile 116,Ala 120,Asp 139,Phe 147,Ala 155,Val 165,Glu 166,Lys 176,Ala 177,Thr 179,Met 181,Ser 182,Arg 183,Phe 189,Leu 205,Thr 207,Gly 209,Gly 215,Val 229,Met 250,Ile 253,Leu 256,Ile 260,Asn 262,Val 268,Asn 270,Thr 279,Met 293,Thr 294,Gly 306,Leu 308,Val 309,Leu 310,Val 313,Phe 342,Asp 345,Tyr 349,Tyr 351,Ala 356,Phe 358,Val 360,Ser 362,Asn 370,Ser 373,Phe 380,Ala 385,Cys 386,Pro 389,Gly 390,Trp 391,Arg 392,His 393,Arg 395,Lys 397,Pro 399、及び(iv)図17に記載のムスカリン受容体の番号付けによる:Leu 65、Met 145、Leu 399、Ile 383及びMet 384の任意の1つ又は複数に対応する位置に少なくとも1つの異なるアミノ酸を有する、請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
工程(a)で提供されるGPCR変異体が、その対応する親受容体と比較した場合、図9に記載のシチメンチョウβ−アドレナリン受容体の番号付けによる以下の位置:Ile 55,Gly 67,Arg 68,Val 89,Met 90,Gly 98,Ile 129,Ser 151,Val 160,Gln 194,Gly 197,Leu 221,Tyr 227,Arg 229,Val 230,Ala 234,Ala 282,Asp 322,Phe 327,Ala 334,Phe 338.の任意の1つ又は複数に対応する位置に異なるアミノ酸を有するβ−アドレナリン受容体変異体である、請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記β−アドレナリン受容体変異体が、図9に記載のシチメンチョウβ−アドレナリン受容体の配列と少なくとも20%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項86に記載の方法。
【請求項87】
工程(a)で提供される前記GPCR変異体がβ−アドレナリン受容体変異体であって、前記受容体変異体が、その親受容体と比較して、図9に記載のシチメンチョウβ−アドレナリン受容体の番号付けによる以下の位置:Ile 55,Gly 67,Arg 68,Val 89,Met 90,Gly 98,Ile 129,Ser 151,Val 160,Gln 194,Gly 197,Leu 221,Tyr 227,Arg 229,Val 230,Ala 234,Ala 282,Asp 322,Phe 327,Ala 334,Phe 338.のいずれかに対応する位置に異なるアミノ酸を有する構造モチーフ内に少なくとも1つの異なるアミノ酸残基を有する、請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
工程(a)で提供される前記GPCR変異体が、その対応する親受容体と比較した場合、図10に記載のヒトアデノシンA2a受容体の番号付けによる以下の位置:Gly 114,Gly 118,Leu 167,Ala 184,Arg 199,Ala 203,Leu 208,Gln 210,Ser 213,Glu 219,Arg 220,Ser 223,Thr 224,Gln 226,Lys 227,His 230,Leu 241,Pro 260,Ser 263,Leu 267,Leu 272,Thr 279,Asn 284,Gln 311,Pro 313,Lys 315.の任意の1つ又は複数に対応する位置に異なるアミノ酸を有するアデノシン受容体変異体である、請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記アデノシン受容体変異体が、図10に記載のヒトアデノシンA2a受容体の配列と少なくとも20%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
工程(a)で提供される前記GPCR変異体がアデノシン受容体変異体であって、前記受容体変異体が、その親受容体と比較して、図10に記載のヒトアデノシンA2a受容体の番号付けによる以下の位置:Gly 114,Gly 118,Leu 167,Ala 184,Arg 199,Ala 203,Leu 208,Gln 210,Ser 213,Glu 219,Arg 220,Ser 223,Thr 224,Gln 226,Lys 227,His 230,Leu 241,Pro 260,Ser 263,Leu 267,Leu 272,Thr 279,Asn 284,Gln 311,Pro 313,Lys 315.のいずれかに対応する位置に異なるアミノ酸を有する構造モチーフ内に少なくとも1つの異なるアミノ酸残基を有する、請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
工程(a)で提供される前記GPCR変異体が、その対応する親受容体と比較した場合、図11に記載のラットニューロテンシン受容体の番号付けによる以下の位置:Ala 69,Leu 72,Ala 73,Ala 86,Ala 90,Ser 100,His 103,Ser 108,Leu 109,Leu 111,Asp 113,Ile 116,Ala 120,Asp 139,Phe 147,Ala 155,Val 165,Glu 166,Lys 176,Ala 177,Thr 179,Met 181,Ser 182,Arg 183,Phe 189,Leu 205,Thr 207,Gly 209,Gly 215,Val 229,Met 250,Ile 253,Leu 256,Ile 260,Asn 262,Val 268,Asn 270,Thr 279,Met 293,Thr 294,Gly 306,Leu 308,Val 309,Leu 310,Val 313,Phe 342,Asp 345,Tyr 349,Tyr 351,Ala 356,Phe 358,Val 360,Ser 362,Asn 370,Ser 373,Phe 380,Ala 385,Cys 386,Pro 389,Gly 390,Trp 391,Arg 392,His 393,Arg 395,Lys 397,Pro 399.の任意の1つ又は複数に対応する位置に異なるアミノ酸を有するニューロテンシン受容体変異体である、請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記ニューロテンシン受容体変異体が、図11に記載のラットニューロテンシン受容体の配列と少なくとも20%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
工程(a)で提供される前記GPCR変異体がニューロテンシン受容体変異体であって、前記受容体変異体が、その親受容体と比較して、図11に記載のラットニューロテンシン受容体の番号付けによる以下の位置:Ala 69,Leu 72,Ala 73,Ala 86,Ala 90,Ser 100,His 103,Ser 108,Leu 109,Leu 111,Asp 113,Ile 116,Ala 120,Asp 139,Phe 147,Ala 155,Val 165,Glu 166,Lys 176,Ala 177,Thr 179,Met 181,Ser 182,Arg 183,Phe 189,Leu 205,Thr 207,Gly 209,Gly 215,Val 229,Met 250,Ile 253,Leu 256,Ile 260,Asn 262,Val 268,Asn 270,Thr 279,Met 293,Thr 294,Gly 306,Leu 308,Val 309,Leu 310,Val 313,Phe 342,Asp 345,Tyr 349,Tyr 351,Ala 356,Phe 358,Val 360,Ser 362,Asn 370,Ser 373,Phe 380,Ala 385,Cys 386,Pro 389,Gly 390,Trp 391,Arg 392,His 393,Arg 395,Lys 397,Pro 399.のいずれかに対応する位置に異なるアミノ酸を有する構造モチーフ内に少なくとも1つの異なるアミノ酸残基を有する、請求項1から82のいずれか一項に記載のGPCR変異体。
【請求項94】
工程(a)で提供される前記GPCR変異体が、対応する野生型ムスカリン受容体と比較した場合、図17に記載のヒトムスカリン受容体の番号付けによる以下の位置:Leu 65,Met 145,Leu 399,Ile 383及びMet 384の任意の1つ又は複数に対応する位置に異なるアミノ酸を有するムスカリン受容体変異体である、請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記ムスカリン受容体変異体が、図17に記載のラットニューロテンシン受容体の配列と少なくとも20%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
工程(a)で提供される前記GPCR変異体がムスカリン受容体変異体であって、前記受容体変異体が、その親受容体と比較して、図17に記載のヒトムスカリン受容体の番号付けによる以下の位置:Leu 65,Met 145,Leu 399,Ile 383及びMet 384のいずれかに対応する位置に異なるアミノ酸を有する構造モチーフ内に少なくとも1つの異なるアミノ酸残基を有する、請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
GPCRの結合パートナーを生産する方法であって、請求項1から96のいずれか一項に記載の方法を実施することによって同定可能な結合パートナーを合成する工程を含む方法。
【請求項98】
請求項1から97に記載の方法のいずれかによって得られる結合パートナー。
【請求項99】
前記結合パートナーが立体構造特異的である、請求項98に記載の結合パートナー。
【請求項100】
前記結合パートナーが、ポリペプチド;アンチカリン;ペプチド;抗体;キメラ抗体;一本鎖抗体;アプタマー;ダルピン;Fab、F(ab’)、Fv、scFv若しくはdAb抗体断片;低分子;天然生成物;アフィボディ;ペプチドミメティック;核酸;ペプチド核酸分子;脂質;炭水化物;アンキリンリピートタンパク質、アルマジロリピートタンパク質、ロイシンリッチタンパク質、テトラリオペプチドリピートタンパク質若しくは設計アンキリンリピートタンパク質(DARPin)を含むモジュールフレームワークに基づくタンパク質;又はリポカリン若しくはフィブロネクチンドメイン又はヒトγクリスタリン若しくはヒトユビキチンのいずれかに基づくアフィリンスカフォールドに基づくタンパク質のいずれかである、請求項98又は99に記載の結合パートナー。
【請求項101】
前記結合パートナーが抗体である、請求項100に記載の結合パートナー。
【請求項102】
前記結合パートナーに対する前記GPCR変異体の結合親和性が、前記結合パートナーに対する前記親GPCRの結合親和性と実質的に同一であるか又はそれよりも大きい、請求項98から101のいずれか一項に記載の結合パートナー。
【請求項103】
親GPCRのGPCR変異体を含むバイオセンサーであって、前記GPCR変異体が親GPCRと比較して特定の立体構造で増大した安定性を有し、且つ、標的物質が前記GPCR変異体に結合した際に検出可能なシグナルが生成される、バイオセンサー。
【請求項104】
前記GPCR変異体が、請求項45から82のいずれか一項で規定されるように提供される、請求項103に記載のバイオセンサー。
【請求項105】
前記GPCR変異体が、請求項83から96のいずれか一項で規定されるものである、請求項103又は104に記載のバイオセンサー。
【請求項106】
前記検出可能なシグナルが、色の変化;蛍光;エバネッセンス;表面プラズモン共鳴;電気伝導度若しくは電荷分離;紫外、可視若しくは赤外吸収;発光;化学発光;電気化学発光;蛍光異方性;蛍光強度;蛍光寿命;蛍光偏光;蛍光エネルギー移動;分子量;電子スピン共鳴;核磁気共鳴;流体力学的容積若しくは半径;比重;シンチレーション;電界効果抵抗;電気インピーダンス;音響インピーダンス;量子消失;共鳴散乱;蛍光クエンチング;蛍光相関分光法;音響負荷;音響せん断波速度;結合力;又は界面応力のいずれかである、請求項103から105のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
【請求項107】
前記バイオセンサーが、水晶膜厚計バイオセンサー、エバネッセント波バイオセンサー、プレーナー導波路バイオセンサー、表面ラマンセンサー、又は表面プラズモン共鳴バイオセンサーなどのフローベースのバイオセンサーである、請求項103から106のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
【請求項108】
前記標的物質が、分子、生体分子、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、GPCRリガンド、合成分子、薬剤、薬剤代謝産物又は疾患バイオマーカーのいずれかである、請求項103から107のいずれか一項に記載のバイオセンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公表番号】特表2011−508875(P2011−508875A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538902(P2010−538902)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/GB2008/004223
【国際公開番号】WO2009/081136
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(510172871)ヘプテアズ セラピューティクス リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】HEPTARES THERAPEUTICS LIMITED
【住所又は居所原語表記】BioPark, Broadwater Road, Welwyn Garden City, Hertfordshire AL7 3AX United Kingdon
【Fターム(参考)】