スクリーン装置
【課題】 フォイルがスクリーンに接触してもスクリーンの損傷を軽減することができるスクリーン装置を提供する。
【解決手段】スクリーン装置Aは、製紙原料を受け入れる槽3と、この槽3を一次室3Aと二次室3Bに仕切るスクリーン1と、一次室3Aに連通した製紙原料供給通路4と、一次室3Aに連通した異物排出通路5と、二次室3Bに連通した製紙原料排出通路6と、一次室3Aに設けられ回転軸31に接続された製紙原料を攪拌する長手形状の複数のフォイル23と、フォイル23の端部に取り付けられた端部リングRTと、端部リングRTに取り付けられ、スクリーン1に向かうように設けられた突出部と、スクリーン1は製紙原料を通過させる複数の開口部を有し、突出部と対向するスクリーン1には閉塞部12が対向するように配置すると共に突出部とスクリーン1との間隔をフォイル23とスクリーン1との間隔より小さくなるように設ける。
【解決手段】スクリーン装置Aは、製紙原料を受け入れる槽3と、この槽3を一次室3Aと二次室3Bに仕切るスクリーン1と、一次室3Aに連通した製紙原料供給通路4と、一次室3Aに連通した異物排出通路5と、二次室3Bに連通した製紙原料排出通路6と、一次室3Aに設けられ回転軸31に接続された製紙原料を攪拌する長手形状の複数のフォイル23と、フォイル23の端部に取り付けられた端部リングRTと、端部リングRTに取り付けられ、スクリーン1に向かうように設けられた突出部と、スクリーン1は製紙原料を通過させる複数の開口部を有し、突出部と対向するスクリーン1には閉塞部12が対向するように配置すると共に突出部とスクリーン1との間隔をフォイル23とスクリーン1との間隔より小さくなるように設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン装置に係り、特に、フォイルがスクリーンに接触してもスクリーンの損傷を軽減することができるスクリーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン装置にあっては、スクリーンの外側にフォイルが位置し、フォイルにより製紙原料を攪拌し、製紙原料中の良繊維はスクリーンを通過し、製紙原料中の異物はスクリーンを通過しないようにして選別を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実公昭54−30403号公報(第3図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したスクリーン装置(紙料等の精製装置)にあっては、円盤状部材[実公昭54−30403号公報記載の回転板(13)]より垂下する長手形状のフォイル[実公昭54−30403号公報記載の羽根部材(12)]の動バランス、紙料等の液体の乱流等により、フォイルが変形しスクリーンに接触する。フォイルがスクリーンに接触すると、フォイルが損傷したり、また、特に、フォイルとスクリーンとの接触部位が強度的に弱いスクリーンのスリット等の開口部付近であると、スクリーンが大きく損傷し、スクリーン装置の精選効率を低下させると共に、フォイル、スクリーンが損傷した場合、フォイル、スクリーンの脱着が容易でないという問題点が生じた。
本発明は、上述した問題点を除去するようにしたスクリーン装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記した目的を達成するための本発明のスクリーン装置は、製紙原料を受け入れる槽と、この槽を一次室と二次室に仕切るスクリーンと、前記槽の前記一次室に連通して前記槽に前記製紙原料を供給する製紙原料供給通路と、前記一次室に連通し、前記スクリーンを通過しない異物を含む前記製紙原料を前記槽の外へ排出する異物排出通路と、前記二次室に連通し、前記スクリーンを通過した前記製紙原料を前記槽の外へ排出する製紙原料排出通路と、前記スクリーンの外側である前記一次室に設けられると共に、回転軸に接続された円盤状部材と、この円盤状部材より垂下して設けられ、前記一次室内の前記製紙原料を攪拌する長手形状の複数のフォイルと、この複数のフォイルの外側に位置し、前記フォイルの端部に取り付けられた端部リングと、前記端部リングに取り付けられ、前記端部リングより突出し、前記スクリーンに向かうように設けられた突出部と、前記スクリーンは前記製紙原料を通過させる複数の開口部を有し、前記突出部と対向する前記スクリーンには前記開口部でない閉塞部が対向するように配置すると共に前記突出部と前記スクリーンとの間隔tを前記フォイルと前記スクリーンとの間隔Tより小さくなるように設けているものである。
【0005】
また、請求項2記載のスクリーン装置は、請求項1記載のスクリーン装置において、フォイルは、端部リングにスペーサを介してボルトで固定されているものである。
【0006】
また、請求項3記載のスクリーン装置は、請求項1又は請求項2記載のスクリーン装置において、フォイルの長手方向の中途であって前記フォイルの外側に位置する中途リングと、前記フォイルは、前記中途リングにスペーサを介してボルトで固定されているものである。
【0007】
また、請求項4記載のスクリーン装置は、請求項1、2又は3記載のスクリーン装置において、フォイルは、円盤状部材より垂下する垂下部にスペーサを介してボルトで固定されているものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載のスクリーン装置によれば、回転するフォイルが製紙原料により変形し、スクリーンに接触しようとするが、突出部とスクリーンとの間隔tをフォイルとスクリーンとの間隔Tより小さくなるように設けているため、突出部がスクリーンに接触し、フォイルがスクリーンに接触するのを防止することができ、しかも、突出部がスクリーンに接触する部位はスクリーの開口部でない閉塞部のため、強度的に開口部より大きいため、スクリーンの損傷も小さい。
【0009】
また、請求項2記載のスクリーン装置によれば、前述した請求項1記載の発明の効果に加え、フォイルは、端部リングにスペーサを介してボルトで固定されているため、スペーサの厚みを変えることにより、フォイルとスクリーンとの間隔の微調整を容易に行うことができる。
【0010】
また、請求項3記載のスクリーン装置によれば、前述した請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加え、長手形状のフォイルを中途で中途リングにより補強すると共に、微調整はスペーサの厚みを変えることにより容易に行うことができる。
【0011】
また、請求項4記載のスクリーン装置によれば、前述した請求項1〜3記載の発明の効果に加え、フォイルは、円盤状部材より垂下する垂下部にスペーサを介してボルトで固定されているため、微調整はスペーサの厚みを変えることにより容易に行うことができると共に、フォイルが損傷した場合、ボルトの脱着により、損傷したフォイルを容易に交換することができる。
【実施例】
【0012】
本発明の一実施例のスクリーン装置を図面を参照して説明する。
図1乃至図8において、Aはスクリーン装置で、スクリーン装置Aは、スクリーン1の外側に対向して設けられた攪拌部材2の回転により、製紙原料をスクリーン1に供給して、繊維と異物を選別すると共に、スクリーン1の目洗い作用を行って、継続的に製紙原料から異物を除去することができるようになっている。
【0013】
スクリーン1と攪拌部材2は、製紙原料を受け入れる槽3内に設けられている。槽3は、スクリーン1により一次室3Aと二次室3Bに仕切られている。槽3には、製紙原料を受け入れる供給口3aと、スクリーン1を通過した製紙原料を槽3の外へ排出する製紙原料排出口3bと、スクリーン1を通過しない異物を含む製紙原料を槽3の外へ排出する異物排出口3cとを有する。
4は、槽3の一次室3Aに連通して槽3に製紙原料を供給する製紙原料供給通路で、5は、一次室3Aに連通し、スクリーン1を通過しない異物を含む製紙原料を槽3の外へ排出する異物排出通路で、6は、二次室3Bに連通し、スクリーン1を通過した製紙原料を槽3の外へ排出する製紙原料排出通路である。
【0014】
スクリーン1は、例えば、円筒形状の側面に製紙原料を通過させる複数の開口部11[開口部11は、例えば、丸孔、スリット(例えば、細長い長方形状の隙間)、棒状の長手形状部材を隙間(長手形状の隙間)を有して環状に並設した場合の隙間]を有したもので、天井部12を閉塞すると共に底面部13を開放して槽3内に立設して固定されている。
【0015】
また、攪拌部材2は、スクリーン1の外側である一次室3Aに設けられ、例えば、槽3内に設けられた回転軸31に接続された円盤状部材21(円盤状部材21は、スクリーン1の天井部12より高い位置に支持されている。)と、この円盤状部材21より垂下して設けられ、一次室3A内の製紙原料を攪拌する長手形状の複数のフォイル23とを有する。フォイル23は複数で、例えば、本実施例では、8個であり、また、フォイル23は円盤状部材21の下方に垂下する垂下部(鍔部)22に接続されるようになっている
フォイル23をスクリーン1に対向するようにスペーサ24を介して垂下部22に固定するボルト25とを有している。フォイル23とスクリーン1との間隔がT(図5参照)となるように、スペーサ24の厚みを変えて微調整する。
なお、ボルト25で固定する際、少なくとも、フォイル23と垂下部22には、ボルト25の雄ねじに螺合する雌ねじが設けられている。そして、攪拌部材2は、図示しないモーターから動力伝達部材7(例えば、ベルト)を介して回転するようになっている。
【0016】
従って、スクリーン1に対向するように設けるフォイル23を従来のような溶接ではなく、ボルト(例えば、第1のボルト25)によるため、従来生じていた溶接による変形もなくフォイル23をスクリーン1に所定間隔を保って取り付けることができ、しかも、微調整はスペーサ(例えば、スペーサ24)の厚みを変えることにより容易に行うことができ、更に、フォイル23が損傷した場合、ボルト(例えば、ボルト25)の脱着により、容易に交換することができる。
【0017】
Rは、フォイル23の長手方向の中途であってフォイル23の外側に位置する中途リングで、中途リングRは、例えば、複数(本実施例では、3個)設けられている。26は
スペーサ27を介して中途リングRにフォイル23を固定するボルトである。
なお、ボルト26で固定する際、少なくとも、フォイル23と中途リングRには、ボルト26の雄ねじに螺合する雌ねじが設けられている。
従って、長手形状のフォイル23を中途で中途リングRにより補強すると共に、微調整はスペーサ(例えば、スペーサ27)の厚みを変えることにより容易に行うことができ、更に、フォイル23が損傷した場合、ボルト(例えば、ボルト26)の脱着により、容易に交換することができる。
【0018】
また、RTはフォイル23の端部に取り付けられた端部リングで、端部リングRTは
、複数のフォイル23の外側に位置している。
27はスペーサ28を介して端部リングRTにフォイル23を固定するボルトである。そして、ボルト27で固定する際、少なくとも、フォイル23と端部リングRTには、ボルト27の雄ねじに螺合する雌ねじが設けられている。
9は、端部リングRTに取り付けられる突出部で、突出部9は端部リングRTより突出し、スクリーン1に向かうように設けられている。突出部9は、例えば、図7に示すように、概略的に舌の形状をなし、ボルト29により、端部リングRTに取り付けられている。
そして、突出部9と対向するスクリーン1には開口部11でない閉塞部が対向するように配置すると共に突出部9とスクリーン1との間隔t[間隔tは、例えば、約0.5mm〜約1.5mm(図8参照)]をフォイル23とスクリーン1との間隔T[間隔Tは、例えば、約1.5mm〜約3mm(図5参照)]より小さくなるように設けている。なお、突出部9に設けた開口部91は、長孔となつており突出部9の突出量の微調整ができるようになっている。
従って、攪拌部材2の動バランス、紙料等の液体の乱流等により、フォイル23が変形、振れが生じ、スクリーン1に接触又は接触しようとするが、突出部9とスクリーン1との間隔tをフォイル23とスクリーン1との間隔Tより小さくなるように設けているため、突出部9がスクリーン1に接触し、フォイル23がスクリーン1に接触するのを防止することができ、しかも、突出部9がスクリーン1と接触する部位はスクリー1の開口部11でない閉塞部12(図8参照)のため、強度的に開口部11より大きいため、スクリー1の損傷も小さい。
【0019】
なお、攪拌部材2が回転(回転方向を図5に矢印で示す。)すると、フォイル23の前部ではスクリーン1に対して加圧を生じさせ(図5参照)、また、攪拌部材2の後部では、逆に、スクリーン1に対して負圧になり、製紙原料が二次室3Bから一次室3Aへと、逆流し、スクリーン1の開口部11を洗うスクリーン目洗いの作用を行って、開口部11に繊維原料中の異物、繊維等の詰まらないようにして、継続的に製紙原料から異物を除去することができるようになっている。
そして、スクリーン1を通過した製紙原料は、製紙原料排出通路6により槽3の外へと排出され、また、スクリーン1を通過しない異物を含む製紙原料は、異物排出通路5より槽3の外へと排出されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施例のスクリーン装置の概略的断面図である。
【図2】図2は、図1の2−2線による概略的断面図である。
【図3】図3は、図1の攪拌部材の概略的断面図である。
【図4】図4は、図2の攪拌部材のみを拡大して示す概略的拡大断面図である。
【図5】図5は、図4の一部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
【図6】図6は、図1のフォイルと中途リングの関係を説明するための概略的分解斜視図である。
【図7】図7は、図1のフォイルと端部リングの関係を説明するための概略的分解斜視図である。
【図8】図8は、図1の一部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0021】
A ・・・・・スクリーン装置
1 ・・・・・スクリーン
3 ・・・・・槽
3A ・・・・・一次室
3B ・・・・・二次室
4 ・・・・・製紙原料供給通路
5 ・・・・・異物排出通路
6 ・・・・・製紙原料排出通路
9 ・・・・・ 突出部
21 ・・・・・円盤状部材
23 ・・・・・フォイル
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン装置に係り、特に、フォイルがスクリーンに接触してもスクリーンの損傷を軽減することができるスクリーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン装置にあっては、スクリーンの外側にフォイルが位置し、フォイルにより製紙原料を攪拌し、製紙原料中の良繊維はスクリーンを通過し、製紙原料中の異物はスクリーンを通過しないようにして選別を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実公昭54−30403号公報(第3図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したスクリーン装置(紙料等の精製装置)にあっては、円盤状部材[実公昭54−30403号公報記載の回転板(13)]より垂下する長手形状のフォイル[実公昭54−30403号公報記載の羽根部材(12)]の動バランス、紙料等の液体の乱流等により、フォイルが変形しスクリーンに接触する。フォイルがスクリーンに接触すると、フォイルが損傷したり、また、特に、フォイルとスクリーンとの接触部位が強度的に弱いスクリーンのスリット等の開口部付近であると、スクリーンが大きく損傷し、スクリーン装置の精選効率を低下させると共に、フォイル、スクリーンが損傷した場合、フォイル、スクリーンの脱着が容易でないという問題点が生じた。
本発明は、上述した問題点を除去するようにしたスクリーン装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記した目的を達成するための本発明のスクリーン装置は、製紙原料を受け入れる槽と、この槽を一次室と二次室に仕切るスクリーンと、前記槽の前記一次室に連通して前記槽に前記製紙原料を供給する製紙原料供給通路と、前記一次室に連通し、前記スクリーンを通過しない異物を含む前記製紙原料を前記槽の外へ排出する異物排出通路と、前記二次室に連通し、前記スクリーンを通過した前記製紙原料を前記槽の外へ排出する製紙原料排出通路と、前記スクリーンの外側である前記一次室に設けられると共に、回転軸に接続された円盤状部材と、この円盤状部材より垂下して設けられ、前記一次室内の前記製紙原料を攪拌する長手形状の複数のフォイルと、この複数のフォイルの外側に位置し、前記フォイルの端部に取り付けられた端部リングと、前記端部リングに取り付けられ、前記端部リングより突出し、前記スクリーンに向かうように設けられた突出部と、前記スクリーンは前記製紙原料を通過させる複数の開口部を有し、前記突出部と対向する前記スクリーンには前記開口部でない閉塞部が対向するように配置すると共に前記突出部と前記スクリーンとの間隔tを前記フォイルと前記スクリーンとの間隔Tより小さくなるように設けているものである。
【0005】
また、請求項2記載のスクリーン装置は、請求項1記載のスクリーン装置において、フォイルは、端部リングにスペーサを介してボルトで固定されているものである。
【0006】
また、請求項3記載のスクリーン装置は、請求項1又は請求項2記載のスクリーン装置において、フォイルの長手方向の中途であって前記フォイルの外側に位置する中途リングと、前記フォイルは、前記中途リングにスペーサを介してボルトで固定されているものである。
【0007】
また、請求項4記載のスクリーン装置は、請求項1、2又は3記載のスクリーン装置において、フォイルは、円盤状部材より垂下する垂下部にスペーサを介してボルトで固定されているものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載のスクリーン装置によれば、回転するフォイルが製紙原料により変形し、スクリーンに接触しようとするが、突出部とスクリーンとの間隔tをフォイルとスクリーンとの間隔Tより小さくなるように設けているため、突出部がスクリーンに接触し、フォイルがスクリーンに接触するのを防止することができ、しかも、突出部がスクリーンに接触する部位はスクリーの開口部でない閉塞部のため、強度的に開口部より大きいため、スクリーンの損傷も小さい。
【0009】
また、請求項2記載のスクリーン装置によれば、前述した請求項1記載の発明の効果に加え、フォイルは、端部リングにスペーサを介してボルトで固定されているため、スペーサの厚みを変えることにより、フォイルとスクリーンとの間隔の微調整を容易に行うことができる。
【0010】
また、請求項3記載のスクリーン装置によれば、前述した請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加え、長手形状のフォイルを中途で中途リングにより補強すると共に、微調整はスペーサの厚みを変えることにより容易に行うことができる。
【0011】
また、請求項4記載のスクリーン装置によれば、前述した請求項1〜3記載の発明の効果に加え、フォイルは、円盤状部材より垂下する垂下部にスペーサを介してボルトで固定されているため、微調整はスペーサの厚みを変えることにより容易に行うことができると共に、フォイルが損傷した場合、ボルトの脱着により、損傷したフォイルを容易に交換することができる。
【実施例】
【0012】
本発明の一実施例のスクリーン装置を図面を参照して説明する。
図1乃至図8において、Aはスクリーン装置で、スクリーン装置Aは、スクリーン1の外側に対向して設けられた攪拌部材2の回転により、製紙原料をスクリーン1に供給して、繊維と異物を選別すると共に、スクリーン1の目洗い作用を行って、継続的に製紙原料から異物を除去することができるようになっている。
【0013】
スクリーン1と攪拌部材2は、製紙原料を受け入れる槽3内に設けられている。槽3は、スクリーン1により一次室3Aと二次室3Bに仕切られている。槽3には、製紙原料を受け入れる供給口3aと、スクリーン1を通過した製紙原料を槽3の外へ排出する製紙原料排出口3bと、スクリーン1を通過しない異物を含む製紙原料を槽3の外へ排出する異物排出口3cとを有する。
4は、槽3の一次室3Aに連通して槽3に製紙原料を供給する製紙原料供給通路で、5は、一次室3Aに連通し、スクリーン1を通過しない異物を含む製紙原料を槽3の外へ排出する異物排出通路で、6は、二次室3Bに連通し、スクリーン1を通過した製紙原料を槽3の外へ排出する製紙原料排出通路である。
【0014】
スクリーン1は、例えば、円筒形状の側面に製紙原料を通過させる複数の開口部11[開口部11は、例えば、丸孔、スリット(例えば、細長い長方形状の隙間)、棒状の長手形状部材を隙間(長手形状の隙間)を有して環状に並設した場合の隙間]を有したもので、天井部12を閉塞すると共に底面部13を開放して槽3内に立設して固定されている。
【0015】
また、攪拌部材2は、スクリーン1の外側である一次室3Aに設けられ、例えば、槽3内に設けられた回転軸31に接続された円盤状部材21(円盤状部材21は、スクリーン1の天井部12より高い位置に支持されている。)と、この円盤状部材21より垂下して設けられ、一次室3A内の製紙原料を攪拌する長手形状の複数のフォイル23とを有する。フォイル23は複数で、例えば、本実施例では、8個であり、また、フォイル23は円盤状部材21の下方に垂下する垂下部(鍔部)22に接続されるようになっている
フォイル23をスクリーン1に対向するようにスペーサ24を介して垂下部22に固定するボルト25とを有している。フォイル23とスクリーン1との間隔がT(図5参照)となるように、スペーサ24の厚みを変えて微調整する。
なお、ボルト25で固定する際、少なくとも、フォイル23と垂下部22には、ボルト25の雄ねじに螺合する雌ねじが設けられている。そして、攪拌部材2は、図示しないモーターから動力伝達部材7(例えば、ベルト)を介して回転するようになっている。
【0016】
従って、スクリーン1に対向するように設けるフォイル23を従来のような溶接ではなく、ボルト(例えば、第1のボルト25)によるため、従来生じていた溶接による変形もなくフォイル23をスクリーン1に所定間隔を保って取り付けることができ、しかも、微調整はスペーサ(例えば、スペーサ24)の厚みを変えることにより容易に行うことができ、更に、フォイル23が損傷した場合、ボルト(例えば、ボルト25)の脱着により、容易に交換することができる。
【0017】
Rは、フォイル23の長手方向の中途であってフォイル23の外側に位置する中途リングで、中途リングRは、例えば、複数(本実施例では、3個)設けられている。26は
スペーサ27を介して中途リングRにフォイル23を固定するボルトである。
なお、ボルト26で固定する際、少なくとも、フォイル23と中途リングRには、ボルト26の雄ねじに螺合する雌ねじが設けられている。
従って、長手形状のフォイル23を中途で中途リングRにより補強すると共に、微調整はスペーサ(例えば、スペーサ27)の厚みを変えることにより容易に行うことができ、更に、フォイル23が損傷した場合、ボルト(例えば、ボルト26)の脱着により、容易に交換することができる。
【0018】
また、RTはフォイル23の端部に取り付けられた端部リングで、端部リングRTは
、複数のフォイル23の外側に位置している。
27はスペーサ28を介して端部リングRTにフォイル23を固定するボルトである。そして、ボルト27で固定する際、少なくとも、フォイル23と端部リングRTには、ボルト27の雄ねじに螺合する雌ねじが設けられている。
9は、端部リングRTに取り付けられる突出部で、突出部9は端部リングRTより突出し、スクリーン1に向かうように設けられている。突出部9は、例えば、図7に示すように、概略的に舌の形状をなし、ボルト29により、端部リングRTに取り付けられている。
そして、突出部9と対向するスクリーン1には開口部11でない閉塞部が対向するように配置すると共に突出部9とスクリーン1との間隔t[間隔tは、例えば、約0.5mm〜約1.5mm(図8参照)]をフォイル23とスクリーン1との間隔T[間隔Tは、例えば、約1.5mm〜約3mm(図5参照)]より小さくなるように設けている。なお、突出部9に設けた開口部91は、長孔となつており突出部9の突出量の微調整ができるようになっている。
従って、攪拌部材2の動バランス、紙料等の液体の乱流等により、フォイル23が変形、振れが生じ、スクリーン1に接触又は接触しようとするが、突出部9とスクリーン1との間隔tをフォイル23とスクリーン1との間隔Tより小さくなるように設けているため、突出部9がスクリーン1に接触し、フォイル23がスクリーン1に接触するのを防止することができ、しかも、突出部9がスクリーン1と接触する部位はスクリー1の開口部11でない閉塞部12(図8参照)のため、強度的に開口部11より大きいため、スクリー1の損傷も小さい。
【0019】
なお、攪拌部材2が回転(回転方向を図5に矢印で示す。)すると、フォイル23の前部ではスクリーン1に対して加圧を生じさせ(図5参照)、また、攪拌部材2の後部では、逆に、スクリーン1に対して負圧になり、製紙原料が二次室3Bから一次室3Aへと、逆流し、スクリーン1の開口部11を洗うスクリーン目洗いの作用を行って、開口部11に繊維原料中の異物、繊維等の詰まらないようにして、継続的に製紙原料から異物を除去することができるようになっている。
そして、スクリーン1を通過した製紙原料は、製紙原料排出通路6により槽3の外へと排出され、また、スクリーン1を通過しない異物を含む製紙原料は、異物排出通路5より槽3の外へと排出されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施例のスクリーン装置の概略的断面図である。
【図2】図2は、図1の2−2線による概略的断面図である。
【図3】図3は、図1の攪拌部材の概略的断面図である。
【図4】図4は、図2の攪拌部材のみを拡大して示す概略的拡大断面図である。
【図5】図5は、図4の一部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
【図6】図6は、図1のフォイルと中途リングの関係を説明するための概略的分解斜視図である。
【図7】図7は、図1のフォイルと端部リングの関係を説明するための概略的分解斜視図である。
【図8】図8は、図1の一部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0021】
A ・・・・・スクリーン装置
1 ・・・・・スクリーン
3 ・・・・・槽
3A ・・・・・一次室
3B ・・・・・二次室
4 ・・・・・製紙原料供給通路
5 ・・・・・異物排出通路
6 ・・・・・製紙原料排出通路
9 ・・・・・ 突出部
21 ・・・・・円盤状部材
23 ・・・・・フォイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製紙原料を受け入れる槽と、
この槽を一次室と二次室に仕切るスクリーンと、
前記槽の前記一次室に連通して前記槽に前記製紙原料を供給する製紙原料供給通路と、
前記一次室に連通し、前記スクリーンを通過しない異物を含む前記製紙原料を前記槽の外へ排出する異物排出通路と、
前記二次室に連通し、前記スクリーンを通過した前記製紙原料を前記槽の外へ排出する製紙原料排出通路と、
前記スクリーンの外側である前記一次室に設けられると共に、回転軸に接続された円盤状部材と、
この円盤状部材より垂下して設けられ、前記一次室内の前記製紙原料を攪拌する長手形状の複数のフォイルと、
この複数のフォイルの外側に位置し、前記フォイルの端部に取り付けられた端部リングと、
前記端部リングに取り付けられ、前記端部リングより突出し、前記スクリーンに向かうように設けられた突出部と、
前記スクリーンは前記製紙原料を通過させる複数の開口部を有し、
前記突出部と対向する前記スクリーンには前記開口部でない閉塞部が対向するように配置すると共に前記突出部と前記スクリーンとの間隔tを前記フォイルと前記スクリーンとの間隔Tより小さくなるように設けている
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
フォイルは、端部リングにスペーサを介してボルトで固定されている
ことを特徴とする請求項1記載のスクリーン装置。
【請求項3】
フォイルの長手方向の中途であって前記フォイルの外側に位置する中途リングと、
前記フォイルは、前記中途リングにスペーサを介してボルトで固定されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスクリーン装置。
【請求項4】
フォイルは、円盤状部材より垂下する垂下部にスペーサを介してボルトで固定されている
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のスクリーン装置。
【請求項1】
製紙原料を受け入れる槽と、
この槽を一次室と二次室に仕切るスクリーンと、
前記槽の前記一次室に連通して前記槽に前記製紙原料を供給する製紙原料供給通路と、
前記一次室に連通し、前記スクリーンを通過しない異物を含む前記製紙原料を前記槽の外へ排出する異物排出通路と、
前記二次室に連通し、前記スクリーンを通過した前記製紙原料を前記槽の外へ排出する製紙原料排出通路と、
前記スクリーンの外側である前記一次室に設けられると共に、回転軸に接続された円盤状部材と、
この円盤状部材より垂下して設けられ、前記一次室内の前記製紙原料を攪拌する長手形状の複数のフォイルと、
この複数のフォイルの外側に位置し、前記フォイルの端部に取り付けられた端部リングと、
前記端部リングに取り付けられ、前記端部リングより突出し、前記スクリーンに向かうように設けられた突出部と、
前記スクリーンは前記製紙原料を通過させる複数の開口部を有し、
前記突出部と対向する前記スクリーンには前記開口部でない閉塞部が対向するように配置すると共に前記突出部と前記スクリーンとの間隔tを前記フォイルと前記スクリーンとの間隔Tより小さくなるように設けている
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
フォイルは、端部リングにスペーサを介してボルトで固定されている
ことを特徴とする請求項1記載のスクリーン装置。
【請求項3】
フォイルの長手方向の中途であって前記フォイルの外側に位置する中途リングと、
前記フォイルは、前記中途リングにスペーサを介してボルトで固定されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスクリーン装置。
【請求項4】
フォイルは、円盤状部材より垂下する垂下部にスペーサを介してボルトで固定されている
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のスクリーン装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2006−89874(P2006−89874A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−276774(P2004−276774)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000202235)相川鉄工株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000202235)相川鉄工株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
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