スケーラブルビデオコーディング方法及びそのコーディング方法を利用するコーデック
【課題】GOP単位を区分するキーピクチャーの伝送にエラーが生じても画像品質の低下を最小限に抑える。
【解決手段】上位階層のキーピクチャーに順次に番号を付与しつつエンコーディングすることで、上位階層の現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失を検出する。また、下位基本階層の伝送が保証される場合、キーピクチャー損失時に下位階層の情報を利用してエラーを隠してデコーディングしうる。これにより、キーピクチャーナンバリングを通じてキーピクチャーの損失有無を見つけ出して損失によるエラーに効果的に対処し、下位基本階層の伝送が保証される場合、上位階層のキーピクチャー損失時に下位階層の対応ピクチャーのデコーディングされた画像情報を利用することによって、誤った参照によって発生するエラーを隠すことによって、画像品質の低下を最小化しうる。
【解決手段】上位階層のキーピクチャーに順次に番号を付与しつつエンコーディングすることで、上位階層の現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失を検出する。また、下位基本階層の伝送が保証される場合、キーピクチャー損失時に下位階層の情報を利用してエラーを隠してデコーディングしうる。これにより、キーピクチャーナンバリングを通じてキーピクチャーの損失有無を見つけ出して損失によるエラーに効果的に対処し、下位基本階層の伝送が保証される場合、上位階層のキーピクチャー損失時に下位階層の対応ピクチャーのデコーディングされた画像情報を利用することによって、誤った参照によって発生するエラーを隠すことによって、画像品質の低下を最小化しうる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケーラブルビデオコーディング(Scalable Video Coding:SVC)方法に係り、さらに詳細には、キーピクチャーに番号を付与してデコーディング時にキーピクチャーの損失を検出することによってエラーを隠せるスケーラブルビデオコーディング方法及びそのコーディング方法を利用したコーデックに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、JSVC(Joint Scalable Video Coding)におけるGOP(Group Of Picture)構造とキーピクチャーとを示す図面であり、図2は、Pピクチャーが失われたとき、エラーの伝播を示す図面である。図2の(a)は、エラー伝播途中にIピクチャーがある場合であり、(b)は、エラー伝播途中にIピクチャーがない場合を表す。
【0003】
図1を参照すれば、JSVCでGOP単位を区分する最後の位置のピクチャーをキーピクチャーという。前記キーピクチャーの間隔、すなわち、GOPサイズは、固定的か可変的であるが、時間的スケーラビリティが使われれば、前記キーピクチャーの間隔は、可変的である。
【0004】
JSVCでは、キーピクチャーがIやPピクチャーでコーディングされるが、キーピクチャーがPピクチャーでコーディングされる場合には、キーピクチャー間に閉ループコーディングを行う。閉ループは、図2の例のように、Pピクチャーが連続的に以前Pピクチャーを参照して予測しつつ、コーディングがなされる構造を意味する。このように、Pピクチャーが閉ループでコーディングされている場合、伝送線路上にエラーによってPピクチャーが損失される。
【0005】
図2の(a)は、P1ピクチャーとP11ピクチャーとが伝送過程で損失された場合に、エラーが伝播される様相を示す。損失したP1ピクチャーを参照して、予測デコーディングを行うP2ピクチャーは、損失したP1ピクチャーの代わりに、P1ピクチャー以前にデコーディングされたI0ピクチャーを参照して予測デコーディングを行うので、P2ピクチャーは、エラーを含み、その後にPピクチャーにI8ピクチャーが伝送されるまで続けてエラーが伝播される。そして、P11ピクチャーを参照して予測デコーディングを行うP12ピクチャーは、損失したP11ピクチャーの代わりに、P11ピクチャー以前にデコーディングされたP10ピクチャーを参照して予測デコーディングを行うので、P12ピクチャーは、エラーを含み、その後にPピクチャーにI16ピクチャーが伝送されるまで続けてエラーが伝播される。
【0006】
図2の(b)は、図2の(a)とは異なり、途中にIピクチャーがなく、続けてPピクチャーのみでエンコーディングされている場合に、P1ピクチャーの損失時にエラーが伝播される様相を示す。損失したP1ピクチャーを参照して予測デコーディングを行うP2ピクチャーは、損失したP1ピクチャーの代わりに、P1ピクチャー以前にデコーディングされたI0ピクチャーを参照して予測デコーディングを行うので、エラーを含み、その後にPピクチャーは、持続的にエラーを含む。
【0007】
図3は、2個の階層構造を有する典型的なJSVCのコーディングの例を示す。下位階層(k−1 layer)は、15Hzのフレーム率を有し、GOPサイズが2である画像であり、上位階層(k layer)は、30Hzのフレーム率を有し、GOPサイズが4である画像を示す。
【0008】
図3の下位階層では、B1ピクチャーをドロップさせることによって7.5Hzのフレーム率を支援し、上位階層では、B2ピクチャーをドロップさせることによって15Hzのフレーム率を支援し、B2ピクチャーとB1ピクチャーとをドロップさせることによって7.5Hzのフレーム率を支援しうる。
【0009】
図4は、図3の全階層で7.5Hzのフレーム率を支援する構造を示す図面であって、図3の下位階層でB1ピクチャーがドロップされ、上位階層でB2、B1ピクチャーがドロップされて、全階層で7.5Hzのフレーム率を支援する。この場合、全階層でキーピクチャーのみが余り、キーピクチャー間の閉ループでコーディングされていることを確認しうる。
【0010】
図5は、図4の上位階層で一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、エラー伝播を示す図面である。
【0011】
図2の例と同様に、次のPピクチャーをデコーディングするとき、損失される直前のPピクチャーを参照してエラーが発生し、このエラーは、Iピクチャーが出るまで伝播される。もし、最後のピクチャーもPピクチャーである場合、エラーは、続けて伝播される。
【0012】
したがって、前記のような例でエラーが発生したことを認識し、効果的な措置を行わねばならない(もし、下位階層が基本階層である場合には、JSVCでは、既存の動画コーディング国際標準であるH.264を利用してコーディングするため、特別の措置を行われない。)。しかし、現在JSVCでは、ピクチャーバッファにリスト資料構造を利用してデコーディングされたピクチャーを保存する。したがって、一つのPピクチャーをデコーディングする時には、リスト資料構造内でピクチャーがPOC(Picture Of Counter)情報を利用してデコーディングするPピクチャーのPOCを中心に整列され、リスト資料構造内での位置情報を利用して、特定のデコーディングされたピクチャーを参照してデコーディングを行う。このような構造は、前の例のように、一つのピクチャーが損失された場合、次のPピクチャーがデコーディングされるとき、ピクチャーリスト内に存在する他のピクチャーを参照するので、デコーディングは可能になるが、誤った参照から予測を行ってエラーが発生し、このようなエラーは、続けて伝播されるという問題点がある。
【0013】
図6は、図3のBピクチャーを含む上位階層で一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、Pピクチャーでのエラー発生及び伝播を示す。
【0014】
この場合には、損失されたPピクチャーが属しているGOP内で、Bピクチャーは、デコーディングされたピクチャーバッファに時間的に先行するlist0リストと時間的に後行するlist1を有するが、list1に存在せねばならないPピクチャーが損失されたので、リストが空いていてデコーディング時にエラーが発生する。もし、かかるエラーを無視し、次のGOPに超えた場合、図5のように、Pピクチャーは、誤った参照を有し、また同じGOP内のBピクチャーも、誤った参照を有しつつ、エラーが発生したPピクチャーの影響を受けるため、エラーが伝播され、次の連続しているGOPでも、エラーが伝播される。したがって、エラーが発生したことを認識し、効果的な措置を行わねばならない。
【0015】
しかし、JSVCは、全ピクチャーに対してディスプレイ順序によって番号を付与するシステムを使用しているため、キーピクチャーのドロップ(または損失)を検出し難くて、キーピクチャーの損失によるエラーに効果的に対処できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記問題点を解決するために提案されたものであって、Pピクチャーが閉ループ構造を有するJSVCでキーピクチャーをナンバリングすることによって、キーピクチャーの損失有無を見つけ出し、損失した場合に、エラーに効果的に対処可能にするコーディング方法及びその方法を利用したコーデックを提供することを目的とする。
【0017】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解され、本発明の実施例によってさらに明確に分かる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に表した手段及びその組合わせによって実現されるということが容易に分かる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するための本発明の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループエンコーディングを行うスケーラブルビデオエンコーディング方法であって、入力されるピクチャーがキーピクチャーであるか否かを確認するステップと、前記ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記キーピクチャーに順次に番号を付与するステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループデコーディングを行うスケーラブルビデオデコーディング方法であって、入力される現在ピクチャーがキーピクチャーであるか否かを判断するステップと、前記現在ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記現在キーピクチャーからキーピクチャー番号を読み込むステップと、前記現在キーピクチャーのピクチャー番号と前記現在キーピクチャー以前に入力された過去キーピクチャーのピクチャー番号との差分値から、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間のキーピクチャー損失有無を検出するステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループデコーディングを行うスケーラブルビデオデコーディング方法であって、上位階層の入力される現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に入力された過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失が検出されれば、前記上位階層の現在キーピクチャーをマクロブロック単位でモード類型を判断するステップと、前記マクロブロックがインターモードである場合、前記上位階層の現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーのデコーディングされた画像から前記上位階層の現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域を探索するステップと、前記探索された領域のデータをコピーして前記現在キーピクチャーのマクロブロックに付加してデータを復旧するステップと、を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループコーディングを行うスケーラブルビデオコーディング方法であって、キーピクチャーに順次に番号を付与しつつ、エンコーディングするステップと、前記番号エンコーディングされて入力される現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に番号エンコーディングされて入力された過去キーピクチャーとのキーピクチャー番号の差分値から、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間のキーピクチャー損失を検出するステップと、を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループコーディングを行うスケーラブルビデオコーディング方法であって、上位階層のキーピクチャーに順次に番号を付与しつつ、エンコーディングするステップと、前記番号エンコーディングされて入力される上位階層の現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に番号エンコーディングされて入力された過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失が検出されれば、前記上位階層の現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーのデコーディングされた画像のデータを利用して、前記上位階層の現在キーピクチャーをデコーディングするステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループエンコーディングを行うスケーラブルビデオエンコーダであって、入力されるピクチャーがキーピクチャーであるか否かを確認するキーピクチャー確認部と、前記ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記キーピクチャーに順次に番号を付与するキーピクチャー番号付与部と、を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループデコーディングを行うスケーラブルビデオデコーダであって、入力される現在ピクチャーがキーピクチャーであるか否かを判断するキーピクチャー判断部と、前記現在ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記現在キーピクチャーからキーピクチャーの番号を読み込むキーピクチャー番号検索部と、前記現在キーピクチャーのピクチャー番号と前記現在キーピクチャー以前に入力された過去キーピクチャーのピクチャー番号との差分値から、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間のキーピクチャー損失有無を検出するエラー検出部と、を備えることを特徴とする。
【0025】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループデコーディングを行うスケーラブルビデオデコーダであって、上位階層の現在入力されるキーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失が検出されれば、前記上位階層の現在キーピクチャーのマクロブロック単位でモード類型を判断するモード判断部と、前記マクロブロックがインターモードである場合、前記上位階層の現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーのデコーディングされた画像から前記上位階層の現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域を探索する領域探索部と、前記探索された領域のデータをコピーして前記現在キーピクチャーのマクロブロックに付加してデータを復旧するデータ復旧部と、を備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループコーディングを行うスケーラブルビデオコーデックであって、キーピクチャーに順次に番号を付与しつつ、エンコーディングするエンコーダと、前記番号エンコーディングされて入力される現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に番号エンコーディングされて入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号との差分値から、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間のキーピクチャー損失を検出するデコーダと、を備えることを特徴とする。
【0027】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループコーディングを行うスケーラブルビデオコーデックであって、上位階層のキーピクチャーに順次に番号を付与しつつ、エンコーディングするエンコーダと、前記番号エンコーディングされて入力される上位階層の現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に番号エンコーディングされて入力された過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失が検出されれば、前記上位階層の現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーのデコーディングされた画像のデータを利用して、前記上位階層の現在キーピクチャーをデコーディングするデコーダと、を備えることを特徴とする。
【0028】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループコーディングを行うスケーラブルビデオコーディング方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループエンコーディングを行うJSVCで、キーピクチャーに順次に番号を付与するエンコーディングによって、デコーディング時にキーピクチャーの損失有無を見つけ出して損失によるエラーに効果的に対処可能にする。
【0030】
本発明は、多階層構造のビデオストリームであって、下位基本階層の伝送が保証される場合、上位階層のキーピクチャーの損失時に、下位階層の対応ピクチャーのデコーディングされた画像情報を利用することによって、誤った参照によって発生するエラーを隠すことによって、画像品質の低下を最小化しうる。
【0031】
そして、本発明は、システム特性上エラー発生が稀薄な場合、エラー検出及びエラー隠匿のためのキーピクチャー番号付与のための追加ビットの使用如何を選択することによってビット量を低減することもある。
【0032】
また、本発明のキーピクチャーナンバリングによるコーディング方法は、AGS使用の場合、7.5Hz以下のフレーム率を支援せねばならないことによって、キーピクチャーのドロップが発生する場合に適用しうるので、エラー検出及びエラー隠匿を効果的に行える。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】JSVCにおけるGOP構造及びキーピクチャーを示す図面である。
【図2】Pピクチャーが喪失された時にエラーの伝播を示す図面である。
【図3】2個の階層構造を有するJSVCコーディングの一例を示す図面である。
【図4】図3の全階層で7.5Hzのフレーム率を支援する構造を示す図面である。
【図5】図4の上位階層で一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、エラー伝播を示す図面である。
【図6】図3の上位階層で一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、エラー伝播を示す図面である。
【図7】本発明の一実施例によるキーピクチャーのナンバリングを有するエンコーディング方法を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の一実施例によるキーピクチャーにナンバリングした場合、Pピクチャー損失有無を見つけ出す方法の概念図である。
【図9】本発明の一実施例によるキーピクチャーにナンバリングした場合、デコーディングする方法を説明するフローチャートである。
【図10】図5の上位階層がキーピクチャーにナンバリングされたとき、一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、本発明の一実施例によるエラー伝播の例を示す図面である。
【図11】図10のように、キーピクチャーのナンバリングを通じてPピクチャーの損失を見つけ出した場合、本発明の一実施例による下位階層の情報を利用してエラーが伝播されることを遮断する方法を示す概念図である。
【図12】本発明の一実施例による上位階層で以前のPピクチャーの損失を見つけ出した場合に、下位階層の情報を利用する方法を説明するフローチャートである。
【図13】“sequence parameter set”に‘error_concealment_flag’を追加して、‘error_concealment_flag’値が‘1’である場合にのみキーピクチャーナンバリングが行われる場合、本発明の一実施例によるデコーディング方法を説明するフローチャートである。
【図14】AGSコーディング結果、サブGOPモードが基本階層で[8,2,2,2]と選択されてコーディングされた状況及び‘temporal_level’コーディングの一例を示す図面である。
【図15】図14の上位階層で‘temporal_level’が5であるピクチャーをドロップさせて15Hzのフレーム率を有する様子を示す一実施例の図面図である。
【図16】図14の上位階層で‘temporal_level’が4以上であるピクチャーをドロップさせて7.5Hzのフレーム率を有する様子を示す一実施例の図面である。
【図17】図14の上位階層で‘temporal_level’が3以上であるピクチャーをドロップさせて3.75Hzのフレーム率を支援せねばならないとき、キーピクチャーのドロップによるエラーの様子を示す一実施例の図面である。
【図18】実際フットボールCIF 3.75Hz画像で誤った参照によって割れたデコーディング結果(0〜7ピクチャー)を示す一実施例の図面である。
【図19】図17の上位階層のキーピクチャーにナンバリングされた場合、キーピクチャーの損失を見つけ出した時に、本発明の一実施例による基本階層の情報を利用する様子を示す図面である。
【図20】実際フットボールCIF 3.75Hzの画像でエラーを隠してデコーディングした結果を示す一実施例の図面である。
【図21】本発明の一実施例による‘use_ags_flag’と‘key_picture_num’とを3ビットを利用してコーディングした場合に、キーピクチャーナンバリングされたビデオのデコーディング方法を説明するフローチャートである。
【図22】本発明の一実施例によるキーピクチャーナンバリングを適用してエンコーディングを行うエンコーダを示す概略図である。
【図23】本発明の一実施例によるキーピクチャーの番号からキーピクチャーの損失を検出してエラーを隠してデコーディングを行うデコーダを示す概略図である。
【図24】本発明の一実施例によるキーピクチャーナンバリングとエラーを隠すコーデックとを表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の望ましい実施例が、添付された図面を参照して説明される。図面のうち、同じ構成要素については、たとえ他の図面上に表示されたとしても、可能な限り同じ参照番号及び符号で表しているのに留意せねばならない。下記の本発明に関する説明において、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明は、本発明の要旨を必要以上にあいまいにすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0035】
図7は、本発明の一実施例によるピクチャーエンコーディング時キーピクチャーをナンバリングしてエンコーディングする方法を示すフローチャートである。
【0036】
ピクチャーが入力されれば、入力されるピクチャーがGOP単位を区分する最後のピクチャーであるキーピクチャーであるか否かを確認する(S710)。もし、キーピクチャーであれば、キーピクチャーに順次にnビットを使用して循環し、番号を付与する(S720)。前記番号付与は、nビットに対して2nモジュールで演算によって0から(2n−1)まで循環し、順次に増加する番号をキーピクチャーに付与しうる。多層構造でエンコーディングされる場合には、上位階層のキーピクチャーにのみキーピクチャー番号を付与する。エンコーディングを完了する(S730)。
【0037】
もし、キーピクチャーではなければ、ピクチャーモード類型によって番号を付与せずにエンコーディングを行う(S730)。
【0038】
実際キーピクチャーのナンバリングをJSVCに適用しうる一例として、“slice header in scalable extension”構文にキーピクチャーのナンバリングをエンコーディングする3ビットの‘key_picture_num’構文を追加して変更しうる。構文は、次の通りである。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
‘key_picture_num’は、スライスタイプが上位階層のPピクチャーやIピクチャーである時にコーディングされる。それで、キーピクチャーが損失されたとき、後述するように、下位階層の情報を利用してエラーを隠せるようにする。JSVCで基本階層は、既存の動画国際標準であるH.264を利用するので、上位階層のスライスヘッダである“slice header in scalable extension”構文に‘key_picture_num’構文を追加する。
【0042】
図8は、本発明の一実施例によるキーピクチャーのナンバリングを通じたPピクチャーの損失有無を見つけ出す方法の概念図である。3番Pピクチャーが損失された場合に、4番Pピクチャーは、前のPピクチャーの番号が2であることが分かり、3番Pピクチャーが損失されたことを認知しうる。すなわち、現在入力される現在キーピクチャーのキーピクチャー番号と以前に入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号との差分値が1または−(2n−1)でなければ、キーピクチャー損失と判断する。前記差分値は、エンコーディング時にnビットで0から2n−1まで順次に番号が付与されたので、現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとのキーピクチャー間にキーピクチャーの損失がなければ、0から2n−1の範囲内では、キーピクチャー番号の差分値は1となり、2n−1の番号を有するキーピクチャーに続く次のキーピクチャーの番号は、0となるので、0番のキーピクチャーでの差分値は、−(2n−1)となる。
【0043】
図9は、前記のように、キーピクチャーに順次にnビットを使用して循環し、順次にナンバリングした場合、本発明の一実施例によるデコーディング方法を説明するフローチャートである。
【0044】
エンコーダにピクチャー(またはスライス)が入力されれば、前記入力される現在ピクチャーがGOPを区分する最後のピクチャーであるキーピクチャーであるか否かを判断する(S910)。
【0045】
もし、キーピクチャーであれば、キーピクチャーにnビットでエンコーディングされたキーピクチャー番号を読み込む(S920)。もし、キーピクチャーではなければ、前記現在ピクチャーのモードによってデコーディングを行う(S950)。
【0046】
前記現在キーピクチャーのキーピクチャー番号と直前に入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号とを差分し(key_picture_num−prev_key_picture_num)、その差分値が1または−(2n−1)であるか否かを判断する(S930)。一例として、キーピクチャー番号が3ビットを利用してエンコーディングされた場合には、現在キーピクチャーのキーピクチャー番号と過去キーピクチャーのキーピクチャー番号との差分値が1または−7であるか否かを判断する。
【0047】
もし、前記差分値が1または−(2n−1)であれば、前記現在ピクチャーのマクロブロック別にモードによってデコーディングを行って完了する(S950)。
【0048】
もし、前記差分値が1または−(2n−1)ではなければ、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間にキーピクチャーが損失されたと認知し、キーピクチャーの損失情報をエラー処理部(エラー隠匿部)に伝達してエラーを処理する(S940)。デコーディングを完了する(S950)。
【0049】
図10は、図5の上位階層がキーピクチャーナンバリングされたとき、一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、エラー伝播の例を示す図面である。
【0050】
上位階層でキーピクチャーがナンバリングされており、伝送過程で3番Pピクチャーが損失された場合、次の4番Pピクチャーは、以前のキーピクチャーのナンバーが2番であるので、キーピクチャーの差分値が2となるため、Pピクチャーが損失されたということを認知する。
【0051】
以下では、前述したように、キーピクチャーのナンバリングを利用してエラーを認知した場合に、発生したエラーに対処するための効果的な具現例として、SVCのためのエラー隠匿方法を説明する。
【0052】
図11は、図10のように、キーピクチャーのナンバリングを通じてPピクチャーの損失が分かった場合に、下位階層の情報を利用してエラーが伝播されることを遮断する方法を示す概念図である。
【0053】
多層構造を有するスケーラブルビデオコーディングで、上位階層のPピクチャー損失時に下位階層の情報を利用しうる場合、下位階層の情報を利用してPピクチャー損失によるエラーを処理しうる。上位階層のマクロブロックがインターモード(ピクチャー間の相関関係を利用して予測エンコーディングを行ったモード)でエンコーディングされたブロックに対しては、参照が損失されたため、下位階層のデコーディングされた画像をそのまま使用し、イントラモード(ピクチャー内の相関関係を利用してコーディングを行ったモード)でエンコーディングされたブロックに対しては、既存のデコーディング方法でコーディングする。これにより、現在Pピクチャー以後のPピクチャーにエラー伝播を最小化しうる。
【0054】
図12は、上位階層で以前Pピクチャーの損失が分かった場合に、下位階層の情報を利用する方法を説明する本発明の一実施例のフローチャートである。
【0055】
キーピクチャーが入力されれば、入力される現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に入力された過去キーピクチャーとのキーピクチャー番号差分値を通じて、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間にPピクチャーが損失されたか否かを確認する(S1210)。
【0056】
キーピクチャーが損失されなかったならば、前記現在キーピクチャーのマクロブロック別にモード類型によってデコーディングを行う(S1270)。キーピクチャーが損失されたならば、前記現在キーピクチャーをマクロブロック単位でインターモードかイントラモードかモード類型を判断する(S1220)。
【0057】
前記現在キーピクチャーのマクロブロックがインターモードではなければ、現在モードによってデコーディングを行う(S1270)。前記現在キーピクチャーのマクロブロックがインターモードである場合、前記現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーのデコーディングされた画像から前記現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域を探索する(S1230)。
【0058】
領域探索後、前記上位階層と前記下位階層との空間的解像度を比較して同一であるか否かを判断する(S1240)。
【0059】
前記上位階層と前記下位階層との空間的解像度が同一であれば、前記下位階層の探索された領域の画像データをそのままコピーして、現在デコーディングする上位階層ピクチャーのマクロブロックに付加してデータを復旧する(S1260)。
【0060】
もし、前記上位階層と前記下位階層との空間的解像度が同一でなければ、前記下位階層の探索された領域を上位階層と同じサイズにアップサンプリングする(S1250)。
【0061】
次いで、前記アップサンプリングされた領域の画像データをコピーして現在デコーディングする上位階層キーピクチャーのマクロブロックに付加してデータを復旧する(S1260)。
【0062】
一方、ネットワーク特性上キーピクチャー損失によるエラーの発生確率が低い場合には、エラー隠匿方法の使用が不必要であることもある。この場合には、キーピクチャーナンバリングを選択的に使用して特定ビット量を減らすことが望ましい。すなわち、キーピクチャーの損失を予想してエラー隠匿を処理する必要性がある場合にのみ、キーピクチャーナンバリング時に“sequence parameter set”に‘error_concealment_flag’を追加して具現しうる。“sequence parameter set”の構文は、次の通りである。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
また、“slice header in scalable extension”構文でキーピクチャーのナンバリングを‘error_concealment_flag’が1である場合にのみ行えるように、次のように変更しうる。
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
図13は、“sequence parameter set”に‘error_concealment_flag’を追加して、‘error_concealment_flag’値が‘1’である場合にのみキーピクチャーナンバリングが行われた場合、本発明の一実施例によるデコーディング方法を説明するフローチャートである。
【0070】
前記実施例は、‘error_concealment_flag’と‘key_picture_num’とを3ビットを利用してコーディングした場合である。
ピクチャーが入力されれば、ピクチャー(またはスライス)のタイプがキーピクチャーであり、‘error_concealment_flag’が1であるか否かを判断する(S1310)。
【0071】
前記‘error_concealment_flag’が0であるか、またはピクチャータイプがキーピクチャーではなければ、所定のモードによってデコーディングを行い、デコーディングを終了する(S1350)。
【0072】
もし、‘error_concealment_flag’が1であり、またピクチャータイプがキーピクチャーであれば、キーピクチャーにnビットでコーディングされたキーピクチャー番号(key_picture_num)を読み込む(S1320)。
【0073】
次いで、現在キーピクチャーのキーピクチャー番号(key_picture_num)と前記現在キーピクチャー以前に入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号(prev_key_picture_num)との差分値が1または−7であるか否かを判断する(S1330)。
【0074】
前記差分値が1または−7であれば、所定のモードによってデコーディングを行い、デコーディングを終了する(S1350)。もし、前記差分値が1または−7ではなければ、前記現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失によるエラーを認知し、エラー情報を伝達してエラーを処理する(S1340)。デコーディングを終了する(S1350)。
【0075】
以下では、キーピクチャーナンバリングを利用してエラーに対処するための効果的な具現の一例であって、本発明のコーディング方法をAGS(Adaptive GOP Structure)に使用する方法を説明する。現在MPEG−4 JSVC JSVM 3.0のエンコーダイシュとして採用されたAGSコーディング方法は、時間軸上に7.5Hz未満の時間的スケーラビリティを支援しない。
【0076】
図14は、AGSコーディングの一例であって、基本階層は、15Hzのフレーム率を有し、16サイズのGOPを単位でAGSコーディングしてsub−GOPモードが[8,2,2,2,2]と選択され、上位強化階層では、基本階層のsub−GOPモードによって[16,4,4,4]にコーディングされた状況と時間的スケーラビリティを提供するための情報である‘temporal_level’のコーディングされた値を示している。
【0077】
前記例は、時間的スケーラビリティは、高い‘tempora_level’値を有するピクチャーエキストラクターで順次に除去し、それぞれ1/2の時間的解像度を有するように設計されている。参考として、基本階層では、既存の動画国際標準であるH.264であるため、‘temporal_level’を有することができず、NALユニットヘッダの‘nal_ref_idc’情報を利用して、いかなる画像にも参照されないピクチャーをエキストラクターでドロップさせることによって、1/2の時間的解像度まで有させうる。
【0078】
図15は、図14の上位階層で‘temporal_level’値が5であるピクチャーをエキストラクターでドロップさせて15Hzのフレーム率を有する画像の一実施例を示す。
【0079】
図16は、図15の上位階層で‘temporal_level’値が4以上であるピクチャーをエキストラクターでドロップさせて7.5Hzのフレーム率を有する画像の一実施例を示す。
【0080】
図17は、伝送線路上の制約によって、予想外に7.5Hz未満(3.75Hzまたは1.875Hzなど)の時間的スケーラビリティが要求された場合に、一例として3.75Hzのフレーム率を提供するために、図16の上位階層で‘temporal_level’値が3以上である2番目及び4番目のGOPのキーピクチャーを共にドロップさせた一実施例を示す。すなわち、図17は、図13で‘temporal_level’が3以上であるピクチャーをドロップさせて3.75Hzのフレーム率を有しようとするとき、キーピクチャーのドロップによるエラーの様子を示す一実施例の図面である。
【0081】
エキストラクターは、visual bitstreamの内部構文に関係なく、NALユニットヘッダの情報のみを有して処理するため、キーピクチャーも共にドロップされる。また、キーピクチャーがドロップされたが、デコーダでは、キーピクチャーのドロップ事実を分からなくて誤った参照を利用してデコーディングするので、エラーの発生を防止できない。
【0082】
図18は、実際フットボールCIF 3.75Hzの画像で誤った参照による割れたデコーディング結果(0〜7ピクチャー)を示す一実施例の図面である。
【0083】
図19は、図17でキーピクチャーのナンバリングによって上位階層のキーピクチャー損失を見つけ出した時に、下位基本階層の情報を利用してエラーに対処する様子を示す一実施例の図面である。
【0084】
すなわち、AGS使用の場合にも、前記のように要求されるフレーム率によってキーピクチャーのドロップが発生することによって、発生するエラーをキーピクチャーのナンバリングを使用して解決しうる。図19を参照すれば、キーピクチャー番号(key_picture_num)が2であるキーピクチャーが損失された場合、キーピクチャー番号が3であるキーピクチャーは、以前のキーピクチャーのキーピクチャー番号が1であるため、参照せねばならないキーピクチャーが損失されたという事実を認識し、エラー隠匿の一方法であって、インターマクロブロックに対して下位基本階層の、デコーディングされて再構成された画像から前記上位階層のインターマクロブロックのような領域に該当する部分のデータをそのまま持ち込んで、現在デコーディングする前記上位階層のインターマクロブロックに満たす。
【0085】
このような方法を通じて、図18に対応するフットボールCIF 3.75Hzのシーケンスをデコーディングした結果が、図20に示されている。図20で、基本階層からデータを持ち込んでエラーを隠匿した結果を確認しうる。
【0086】
前記方法を利用してJSVCの一実施例として“sequence parameter set”構文と“slice header in scalable extension”構文とを変更しうる。AGSで低い時間的スケーラビリティを支援するとき(7.5Hz未満)、キーピクチャーの損失があるので、AGSをコーディングする時には、AGS使用有無についての情報である‘use_ags_flag’を“sequence parameter set”に追加して具現しうる。“sequence parameter set”の構文は、次の通りである。
【0087】
【表8】
【0088】
【表9】
【0089】
【表10】
【0090】
“slice header in scalable extension”構文で、キーピクチャーのナンバリングを‘use_ags_flagが1である場合にのみ行えるように、次のように変更しうる。
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】
図21は、‘use_ags_flag’と‘key_picture_num’とを3ビットを利用してコーディングした場合に、本発明の一実施例によってデコーディングする方法を示すフローチャートである。ピクチャーが入力されれば、‘use_ags_flag’が1であり、ピクチャー(またはスライス)のタイプがキーピクチャーであるか否かを判断する(S2110)。
【0094】
‘use_ags_flag’が0であるか、またはピクチャータイプがキーピクチャーではなければ、ピクチャーのマクロブロックモードによってデコーディングを行って完了する(S2160)。
【0095】
‘use_ags_flag’が1であるか、またはピクチャータイプがキーピクチャーであれば、キーピクチャーにnビットにコーディングされたキーピクチャー番号(key_picture_num)を読み込む(S2120)。
【0096】
直前キーピクチャーのキーピクチャー番号(prev_key_picture_num)と現在キーピクチャーのキーピクチャー番号(key_picture_num)との差分値(key_picture_num−prev_key_picture_num)が1または−7であるか否かを判断する(S2130)。
【0097】
前記差分値が1または−7ではなければ、前記現在キーピクチャーと直前の過去キーピクチャーとの間にキーピクチャーの損失があることを認知し、エラーに対する処理を行う(S2140)。
【0098】
エラー隠匿と共に、現在キーピクチャーのデコーディングを終了する(S2150)。
【0099】
キーピクチャーナンバリングを利用してエラーを認知した場合、発生したエラーを対処するための効果的な具現の一実施例として、エラー隠匿方法とAGSとを共に処理するために、構文を次のようにJSVC“sequence parameter set”でエラー隠匿ビットとAGS使用ビットとを共有して使用しうる。方法は、構文にエラー隠匿情報ビットである‘error_concealment_flag’を追加し、AGSを使用する場合には、無条件1に設定して、低いフレーム率(7.5Hz未満)を支援するように具現しうる。“sequence parameter set”の構文は、次の通りである。
【0100】
【表13】
【0101】
【表14】
【0102】
【表15】
【0103】
“slice header in scalable extension”構文でキーピクチャーのナンバリングを‘error_concealment_flag’が1である場合にのみ行えるように、次のように変更しうる。
【0104】
【表16】
【0105】
【表17】
【0106】
‘error_concealment_flag’と‘key_picture_num’とを3ビットを利用してコーディングした場合に、本発明の一実施例によるデコーディング方法は、図13の通りである。
【0107】
図22は、本発明の一実施例によるキーピクチャーナンバリングを含むエンコーディング方法が具現されるエンコーダの概略図を示す。
【0108】
図22を参照すれば、キーピクチャーナンバリングを含むエンコーディングを行うエンコーダ2200は、キーピクチャー確認部2210及びキーピクチャー番号付与部2250を備える。
【0109】
キーピクチャー確認部2210は、入力される現在ピクチャーが以前ピクチャーを参照するGOPを区分する最後のピクチャーであるキーピクチャーであるか否かを確認する。
【0110】
キーピクチャー番号付与部2250は、入力される現在ピクチャーがキーピクチャーと確認されれば、nビットを使用して2nモジュールで演算によって0から2n−1まで順次にキーピクチャー番号を付与する。前記キーピクチャー番号付与部2250は、エラー隠匿を要求しつつ、キーピクチャーの場合にのみまたはAGSを使用しつつキーピクチャーの場合にのみ、nビットで順次にキーピクチャー番号を付与することもある。
【0111】
キーピクチャーに番号を付与してエンコーディングを行うことによって、デコーディング時にキーピクチャー間に連続的に参照しつつデコーディングを行う場合、キーピクチャー間の番号差分値からキーピクチャーの損失を把握して、エラー隠匿などのエラー処理を行える。これにより、誤った参照によるエラー伝播による画像品質の低下を最小化しうる。
【0112】
図23は、本発明の一実施例によるキーピクチャーナンバリングを含むエンコーディングされたビデオのデコーディング方法が具現されるデコーダの概略図を示す。
【0113】
図23を参照すれば、キーピクチャーナンバリングされたビデオをデコーディングするデコーダ2300は、キーピクチャー判断部2310、キーピクチャー番号検索部2330、エラー検出部2350及びエラー隠匿部2370を備える。
【0114】
キーピクチャー判断部2310は、現在入力されるピクチャーが以前ピクチャーを参照するGOPを区分する最後のピクチャーであるキーピクチャーであるか否かを判断する。
【0115】
キーピクチャー番号検索部2330は、前記キーピクチャー判断部2310で現在ピクチャーがキーピクチャーと判断された場合、現在キーピクチャーにエンコーディングされたキーピクチャー番号を読み込む。
【0116】
エラー検出部2350は、差分値比較部2351及びエラー情報伝達部2352を備える。前記エラー検出部2350は、現在キーピクチャーのキーピクチャー番号(key_picture_num)と以前に入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号(prev_key_picture_num)との差分値を前記差分値比較部2351で比較して、その値が1または−(2n−1)であるか否かを判断する。前記差分値が1または−(2n−1)ではない場合、前記エラー情報伝達部2352は、現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失があることを認知し、このようなエラー情報をエラー処理及び/またはエラー隠匿部に伝達する。エラー処理及び/またはエラー隠匿部は、前記エラー情報を受信して、設定された方法によってエラーを処理してエラー伝播を最小化する。
【0117】
エラー隠匿部2370は、多階層構造を有するスケーラブルビデオコーディングが行われて、上位階層が下位階層の情報を利用できる場合に適用される本発明の一実施例によるエラー隠匿方法を行う。
【0118】
前記エラー隠匿部2370は、モード判断部2371、領域探索部2372、解像度比較部2373、アップサンプリング部2374及びデータ復旧部2375を備える。
【0119】
エラー検出部によって上位階層の現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失があると認知された場合、現在キーピクチャーの参照キーピクチャーが損失されたので、過去キーピクチャーを参照してデコーディングを行うことによって、エラーが伝播されることを防止せねばならない。
【0120】
モード判断部2371は、前記のように上位階層のキーピクチャー損失によるエラーが検出された場合、現在キーピクチャーをマクロブロック別にインターモードかイントラモードかモードを判断する。
【0121】
領域探索部2372は、判断対象マクロブロックがインターモードと判断された場合、
現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーを選択し、前記対応する下位階層ピクチャーのデコーディングされた画像で前記上位階層の現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域を探索する。
【0122】
解像度比較部2373は、前記下位階層ピクチャーで現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域が探索された後、前記上位階層と下位階層との空間的解像度が同一であるか否かを比較する。
【0123】
データ復旧部2375は、二階層の空間的解像度が同一である場合、下位階層ピクチャーの探索された領域のデコーディングされた画像データをコピーして、上位階層の現在キーピクチャーの該当マクロブロック領域に付加することによってデコーディングを行う。もし、二階層の空間的解像度が同一ではない場合、アップサンプリング部2374で前記下位階層ピクチャーの探索された領域を上位階層の解像度と同じサイズにアップサンプリングし、アップサンプリングされた領域のデコーディングされた画像データをコピーして、上位階層の現在キーピクチャーの該当マクロブロック領域に付加することによってデコーディングを行う。
【0124】
前記のように下位階層の時間的に対応するピクチャーの画像情報を上位階層のデコーディングに適用するエラー隠匿方法によってデコーディングを行うことによって、損失されたキーピクチャーの代わりに、損失されたキーピクチャー以前のキーピクチャーを参照することによって、発生するエラーを隠匿しうる。
【0125】
図24は、本発明の一実施例によるコーディングを行うコーデックの概略図を示す。
【0126】
図24を参照すれば、前記コーデック2400は、エンコーダ2410とデコーダ2450とに大別される。
【0127】
エンコーダ2410は、GOP単位を区分するキーピクチャーに順次に番号を付与してエンコーディングした後、デコーダに伝送する。
【0128】
デコーダ2450は、キーピクチャーを伝送されてキーピクチャー間にキーピクチャー損失有無を検出し、キーピクチャーが損失された上位階層に対して下位階層が存在して下位階層の画像情報を利用できる場合、これにより、エラーを隠してピクチャーを復号化するデコーディングを行う。
【0129】
前記エンコーダ2410は、キーピクチャー確認部2411及びキーピクチャー番号付与部2412を備える。
【0130】
キーピクチャー確認部2410は、入力される現在ピクチャーがキーピクチャーであるか否かを確認する。キーピクチャー番号付与部2250は、入力される現在ピクチャーがキーピクチャーと確認されれば、nビットを使用して2nモジュールで演算によって0から2n−1まで順次にキーピクチャー番号を付与する。前記キーピクチャー番号付与部2250は、エラー隠匿を要求しつつキーピクチャーである場合にのみまたはAGSを使用しつつキーピクチャーである場合にのみ、nビットで順次にキーピクチャー番号を付与することもある。
【0131】
前記デコーダ2450は、キーピクチャー判断部2451、キーピクチャー番号検索部2452、エラー検出部2453及びエラー隠匿部2455を備える。
【0132】
キーピクチャー判断部2451は、現在入力されるピクチャーがキーピクチャーであるか否かを判断する。キーピクチャー番号検索部2452は、前記キーピクチャー判断部2451で現在ピクチャーがキーピクチャーと判断された場合、現在キーピクチャーにエンコーディングされたキーピクチャー番号を読み込む。
【0133】
エラー検出部2453は、現在キーピクチャーのキーピクチャー番号(key_picture_num)と以前に入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号(prev_key_picture_num)との差分値を差分値比較部(図示せず)で比較して、その値が1または−(2n−1)であるか否かを判断する。前記差分値が1または−(2n−1)ではない場合、エラー情報伝達部(図示せず)は、現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失があることを認知し、このようなエラー情報をエラー処理及び/またはエラー隠匿部に伝達する。エラー処理及び/またはエラー隠匿部は、前記エラー情報を受信して設定された方法によって、エラーを処理してエラー伝播を最小化する。
【0134】
エラー隠匿部2454は、多階層構造を有するスケーラブルビデオコーディングが行われて上位階層が下位階層の情報を利用できる場合、適用される本発明の一実施例によるエラー隠匿方法を行い、モード判断部2455、領域探索部2456、解像度比較部2457、アップサンプリング部2458及びデータ復旧部2459を備える。
【0135】
モード判断部2455は、上位階層のキーピクチャー損失によるエラーが検出された場合、現在キーピクチャーをマクロブロック別にインターモードかイントラモードかモードを判断する。
【0136】
領域探索部2456は、対象マクロブロックがインターモードと判断された場合、現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーを選択し、前記対応する下位階層ピクチャーのデコーディングされた画像で前記上位階層の現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域を探索する。
【0137】
解像度比較部2457は、前記下位階層ピクチャーで現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域が探索された後、前記上位階層と下位階層との空間的解像度が同一であるか否かを比較する。
【0138】
データ復旧部2459は、二階層の空間的解像度が同じである場合、下位階層ピクチャーの探索された領域のデコーディングされた画像データをコピーして、上位階層の現在キーピクチャーの該当マクロブロック領域に付加することによってデコーディングを行う。もし、二階層の空間的解像度が同一ではない場合、アップサンプリング部2458で前記下位階層ピクチャーの探索された領域を上位階層の解像度と同じサイズにアップサンプリングし、アップサンプリングされた領域のデコーディングされた画像データをコピーして上位階層の現在キーピクチャーの該当マクロブロック領域に付加することによってデコーディングを行う。
【0139】
本発明はまた、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータ可読コードとして具現することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られるデータが保存される全ての種類の記録装置を含む。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置があり、またキャリアウェーブ(例えば、インターネットを通じた伝送)の形態で具現されるものも含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータ可読コードが保存され、かつ実行される。そして、本発明を具現するための機能的なプログラム、コード及びコードセグメントは、本発明が属する技術分野のプログラマーによって容易に推論される。
【0140】
以上、本発明について望ましい実施例を中心に説明した。ここで、特定の用語が使われたが、これは、単に本発明を説明するための目的で使われたものであり、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使われたものではない。
【0141】
したがって、当業者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態で具現されるということが分かる。したがって、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に現れており、それと同等な範囲内にある全ての差異点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケーラブルビデオコーディング(Scalable Video Coding:SVC)方法に係り、さらに詳細には、キーピクチャーに番号を付与してデコーディング時にキーピクチャーの損失を検出することによってエラーを隠せるスケーラブルビデオコーディング方法及びそのコーディング方法を利用したコーデックに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、JSVC(Joint Scalable Video Coding)におけるGOP(Group Of Picture)構造とキーピクチャーとを示す図面であり、図2は、Pピクチャーが失われたとき、エラーの伝播を示す図面である。図2の(a)は、エラー伝播途中にIピクチャーがある場合であり、(b)は、エラー伝播途中にIピクチャーがない場合を表す。
【0003】
図1を参照すれば、JSVCでGOP単位を区分する最後の位置のピクチャーをキーピクチャーという。前記キーピクチャーの間隔、すなわち、GOPサイズは、固定的か可変的であるが、時間的スケーラビリティが使われれば、前記キーピクチャーの間隔は、可変的である。
【0004】
JSVCでは、キーピクチャーがIやPピクチャーでコーディングされるが、キーピクチャーがPピクチャーでコーディングされる場合には、キーピクチャー間に閉ループコーディングを行う。閉ループは、図2の例のように、Pピクチャーが連続的に以前Pピクチャーを参照して予測しつつ、コーディングがなされる構造を意味する。このように、Pピクチャーが閉ループでコーディングされている場合、伝送線路上にエラーによってPピクチャーが損失される。
【0005】
図2の(a)は、P1ピクチャーとP11ピクチャーとが伝送過程で損失された場合に、エラーが伝播される様相を示す。損失したP1ピクチャーを参照して、予測デコーディングを行うP2ピクチャーは、損失したP1ピクチャーの代わりに、P1ピクチャー以前にデコーディングされたI0ピクチャーを参照して予測デコーディングを行うので、P2ピクチャーは、エラーを含み、その後にPピクチャーにI8ピクチャーが伝送されるまで続けてエラーが伝播される。そして、P11ピクチャーを参照して予測デコーディングを行うP12ピクチャーは、損失したP11ピクチャーの代わりに、P11ピクチャー以前にデコーディングされたP10ピクチャーを参照して予測デコーディングを行うので、P12ピクチャーは、エラーを含み、その後にPピクチャーにI16ピクチャーが伝送されるまで続けてエラーが伝播される。
【0006】
図2の(b)は、図2の(a)とは異なり、途中にIピクチャーがなく、続けてPピクチャーのみでエンコーディングされている場合に、P1ピクチャーの損失時にエラーが伝播される様相を示す。損失したP1ピクチャーを参照して予測デコーディングを行うP2ピクチャーは、損失したP1ピクチャーの代わりに、P1ピクチャー以前にデコーディングされたI0ピクチャーを参照して予測デコーディングを行うので、エラーを含み、その後にPピクチャーは、持続的にエラーを含む。
【0007】
図3は、2個の階層構造を有する典型的なJSVCのコーディングの例を示す。下位階層(k−1 layer)は、15Hzのフレーム率を有し、GOPサイズが2である画像であり、上位階層(k layer)は、30Hzのフレーム率を有し、GOPサイズが4である画像を示す。
【0008】
図3の下位階層では、B1ピクチャーをドロップさせることによって7.5Hzのフレーム率を支援し、上位階層では、B2ピクチャーをドロップさせることによって15Hzのフレーム率を支援し、B2ピクチャーとB1ピクチャーとをドロップさせることによって7.5Hzのフレーム率を支援しうる。
【0009】
図4は、図3の全階層で7.5Hzのフレーム率を支援する構造を示す図面であって、図3の下位階層でB1ピクチャーがドロップされ、上位階層でB2、B1ピクチャーがドロップされて、全階層で7.5Hzのフレーム率を支援する。この場合、全階層でキーピクチャーのみが余り、キーピクチャー間の閉ループでコーディングされていることを確認しうる。
【0010】
図5は、図4の上位階層で一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、エラー伝播を示す図面である。
【0011】
図2の例と同様に、次のPピクチャーをデコーディングするとき、損失される直前のPピクチャーを参照してエラーが発生し、このエラーは、Iピクチャーが出るまで伝播される。もし、最後のピクチャーもPピクチャーである場合、エラーは、続けて伝播される。
【0012】
したがって、前記のような例でエラーが発生したことを認識し、効果的な措置を行わねばならない(もし、下位階層が基本階層である場合には、JSVCでは、既存の動画コーディング国際標準であるH.264を利用してコーディングするため、特別の措置を行われない。)。しかし、現在JSVCでは、ピクチャーバッファにリスト資料構造を利用してデコーディングされたピクチャーを保存する。したがって、一つのPピクチャーをデコーディングする時には、リスト資料構造内でピクチャーがPOC(Picture Of Counter)情報を利用してデコーディングするPピクチャーのPOCを中心に整列され、リスト資料構造内での位置情報を利用して、特定のデコーディングされたピクチャーを参照してデコーディングを行う。このような構造は、前の例のように、一つのピクチャーが損失された場合、次のPピクチャーがデコーディングされるとき、ピクチャーリスト内に存在する他のピクチャーを参照するので、デコーディングは可能になるが、誤った参照から予測を行ってエラーが発生し、このようなエラーは、続けて伝播されるという問題点がある。
【0013】
図6は、図3のBピクチャーを含む上位階層で一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、Pピクチャーでのエラー発生及び伝播を示す。
【0014】
この場合には、損失されたPピクチャーが属しているGOP内で、Bピクチャーは、デコーディングされたピクチャーバッファに時間的に先行するlist0リストと時間的に後行するlist1を有するが、list1に存在せねばならないPピクチャーが損失されたので、リストが空いていてデコーディング時にエラーが発生する。もし、かかるエラーを無視し、次のGOPに超えた場合、図5のように、Pピクチャーは、誤った参照を有し、また同じGOP内のBピクチャーも、誤った参照を有しつつ、エラーが発生したPピクチャーの影響を受けるため、エラーが伝播され、次の連続しているGOPでも、エラーが伝播される。したがって、エラーが発生したことを認識し、効果的な措置を行わねばならない。
【0015】
しかし、JSVCは、全ピクチャーに対してディスプレイ順序によって番号を付与するシステムを使用しているため、キーピクチャーのドロップ(または損失)を検出し難くて、キーピクチャーの損失によるエラーに効果的に対処できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記問題点を解決するために提案されたものであって、Pピクチャーが閉ループ構造を有するJSVCでキーピクチャーをナンバリングすることによって、キーピクチャーの損失有無を見つけ出し、損失した場合に、エラーに効果的に対処可能にするコーディング方法及びその方法を利用したコーデックを提供することを目的とする。
【0017】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解され、本発明の実施例によってさらに明確に分かる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に表した手段及びその組合わせによって実現されるということが容易に分かる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するための本発明の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループエンコーディングを行うスケーラブルビデオエンコーディング方法であって、入力されるピクチャーがキーピクチャーであるか否かを確認するステップと、前記ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記キーピクチャーに順次に番号を付与するステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループデコーディングを行うスケーラブルビデオデコーディング方法であって、入力される現在ピクチャーがキーピクチャーであるか否かを判断するステップと、前記現在ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記現在キーピクチャーからキーピクチャー番号を読み込むステップと、前記現在キーピクチャーのピクチャー番号と前記現在キーピクチャー以前に入力された過去キーピクチャーのピクチャー番号との差分値から、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間のキーピクチャー損失有無を検出するステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループデコーディングを行うスケーラブルビデオデコーディング方法であって、上位階層の入力される現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に入力された過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失が検出されれば、前記上位階層の現在キーピクチャーをマクロブロック単位でモード類型を判断するステップと、前記マクロブロックがインターモードである場合、前記上位階層の現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーのデコーディングされた画像から前記上位階層の現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域を探索するステップと、前記探索された領域のデータをコピーして前記現在キーピクチャーのマクロブロックに付加してデータを復旧するステップと、を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループコーディングを行うスケーラブルビデオコーディング方法であって、キーピクチャーに順次に番号を付与しつつ、エンコーディングするステップと、前記番号エンコーディングされて入力される現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に番号エンコーディングされて入力された過去キーピクチャーとのキーピクチャー番号の差分値から、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間のキーピクチャー損失を検出するステップと、を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループコーディングを行うスケーラブルビデオコーディング方法であって、上位階層のキーピクチャーに順次に番号を付与しつつ、エンコーディングするステップと、前記番号エンコーディングされて入力される上位階層の現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に番号エンコーディングされて入力された過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失が検出されれば、前記上位階層の現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーのデコーディングされた画像のデータを利用して、前記上位階層の現在キーピクチャーをデコーディングするステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループエンコーディングを行うスケーラブルビデオエンコーダであって、入力されるピクチャーがキーピクチャーであるか否かを確認するキーピクチャー確認部と、前記ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記キーピクチャーに順次に番号を付与するキーピクチャー番号付与部と、を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループデコーディングを行うスケーラブルビデオデコーダであって、入力される現在ピクチャーがキーピクチャーであるか否かを判断するキーピクチャー判断部と、前記現在ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記現在キーピクチャーからキーピクチャーの番号を読み込むキーピクチャー番号検索部と、前記現在キーピクチャーのピクチャー番号と前記現在キーピクチャー以前に入力された過去キーピクチャーのピクチャー番号との差分値から、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間のキーピクチャー損失有無を検出するエラー検出部と、を備えることを特徴とする。
【0025】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループデコーディングを行うスケーラブルビデオデコーダであって、上位階層の現在入力されるキーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失が検出されれば、前記上位階層の現在キーピクチャーのマクロブロック単位でモード類型を判断するモード判断部と、前記マクロブロックがインターモードである場合、前記上位階層の現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーのデコーディングされた画像から前記上位階層の現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域を探索する領域探索部と、前記探索された領域のデータをコピーして前記現在キーピクチャーのマクロブロックに付加してデータを復旧するデータ復旧部と、を備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループコーディングを行うスケーラブルビデオコーデックであって、キーピクチャーに順次に番号を付与しつつ、エンコーディングするエンコーダと、前記番号エンコーディングされて入力される現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に番号エンコーディングされて入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号との差分値から、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間のキーピクチャー損失を検出するデコーダと、を備えることを特徴とする。
【0027】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループコーディングを行うスケーラブルビデオコーデックであって、上位階層のキーピクチャーに順次に番号を付与しつつ、エンコーディングするエンコーダと、前記番号エンコーディングされて入力される上位階層の現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に番号エンコーディングされて入力された過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失が検出されれば、前記上位階層の現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーのデコーディングされた画像のデータを利用して、前記上位階層の現在キーピクチャーをデコーディングするデコーダと、を備えることを特徴とする。
【0028】
本発明の他の望ましい一実施例は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループコーディングを行うスケーラブルビデオコーディング方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、GOP単位を区分するキーピクチャー間に連続的な予測による閉ループエンコーディングを行うJSVCで、キーピクチャーに順次に番号を付与するエンコーディングによって、デコーディング時にキーピクチャーの損失有無を見つけ出して損失によるエラーに効果的に対処可能にする。
【0030】
本発明は、多階層構造のビデオストリームであって、下位基本階層の伝送が保証される場合、上位階層のキーピクチャーの損失時に、下位階層の対応ピクチャーのデコーディングされた画像情報を利用することによって、誤った参照によって発生するエラーを隠すことによって、画像品質の低下を最小化しうる。
【0031】
そして、本発明は、システム特性上エラー発生が稀薄な場合、エラー検出及びエラー隠匿のためのキーピクチャー番号付与のための追加ビットの使用如何を選択することによってビット量を低減することもある。
【0032】
また、本発明のキーピクチャーナンバリングによるコーディング方法は、AGS使用の場合、7.5Hz以下のフレーム率を支援せねばならないことによって、キーピクチャーのドロップが発生する場合に適用しうるので、エラー検出及びエラー隠匿を効果的に行える。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】JSVCにおけるGOP構造及びキーピクチャーを示す図面である。
【図2】Pピクチャーが喪失された時にエラーの伝播を示す図面である。
【図3】2個の階層構造を有するJSVCコーディングの一例を示す図面である。
【図4】図3の全階層で7.5Hzのフレーム率を支援する構造を示す図面である。
【図5】図4の上位階層で一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、エラー伝播を示す図面である。
【図6】図3の上位階層で一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、エラー伝播を示す図面である。
【図7】本発明の一実施例によるキーピクチャーのナンバリングを有するエンコーディング方法を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の一実施例によるキーピクチャーにナンバリングした場合、Pピクチャー損失有無を見つけ出す方法の概念図である。
【図9】本発明の一実施例によるキーピクチャーにナンバリングした場合、デコーディングする方法を説明するフローチャートである。
【図10】図5の上位階層がキーピクチャーにナンバリングされたとき、一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、本発明の一実施例によるエラー伝播の例を示す図面である。
【図11】図10のように、キーピクチャーのナンバリングを通じてPピクチャーの損失を見つけ出した場合、本発明の一実施例による下位階層の情報を利用してエラーが伝播されることを遮断する方法を示す概念図である。
【図12】本発明の一実施例による上位階層で以前のPピクチャーの損失を見つけ出した場合に、下位階層の情報を利用する方法を説明するフローチャートである。
【図13】“sequence parameter set”に‘error_concealment_flag’を追加して、‘error_concealment_flag’値が‘1’である場合にのみキーピクチャーナンバリングが行われる場合、本発明の一実施例によるデコーディング方法を説明するフローチャートである。
【図14】AGSコーディング結果、サブGOPモードが基本階層で[8,2,2,2]と選択されてコーディングされた状況及び‘temporal_level’コーディングの一例を示す図面である。
【図15】図14の上位階層で‘temporal_level’が5であるピクチャーをドロップさせて15Hzのフレーム率を有する様子を示す一実施例の図面図である。
【図16】図14の上位階層で‘temporal_level’が4以上であるピクチャーをドロップさせて7.5Hzのフレーム率を有する様子を示す一実施例の図面である。
【図17】図14の上位階層で‘temporal_level’が3以上であるピクチャーをドロップさせて3.75Hzのフレーム率を支援せねばならないとき、キーピクチャーのドロップによるエラーの様子を示す一実施例の図面である。
【図18】実際フットボールCIF 3.75Hz画像で誤った参照によって割れたデコーディング結果(0〜7ピクチャー)を示す一実施例の図面である。
【図19】図17の上位階層のキーピクチャーにナンバリングされた場合、キーピクチャーの損失を見つけ出した時に、本発明の一実施例による基本階層の情報を利用する様子を示す図面である。
【図20】実際フットボールCIF 3.75Hzの画像でエラーを隠してデコーディングした結果を示す一実施例の図面である。
【図21】本発明の一実施例による‘use_ags_flag’と‘key_picture_num’とを3ビットを利用してコーディングした場合に、キーピクチャーナンバリングされたビデオのデコーディング方法を説明するフローチャートである。
【図22】本発明の一実施例によるキーピクチャーナンバリングを適用してエンコーディングを行うエンコーダを示す概略図である。
【図23】本発明の一実施例によるキーピクチャーの番号からキーピクチャーの損失を検出してエラーを隠してデコーディングを行うデコーダを示す概略図である。
【図24】本発明の一実施例によるキーピクチャーナンバリングとエラーを隠すコーデックとを表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の望ましい実施例が、添付された図面を参照して説明される。図面のうち、同じ構成要素については、たとえ他の図面上に表示されたとしても、可能な限り同じ参照番号及び符号で表しているのに留意せねばならない。下記の本発明に関する説明において、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明は、本発明の要旨を必要以上にあいまいにすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0035】
図7は、本発明の一実施例によるピクチャーエンコーディング時キーピクチャーをナンバリングしてエンコーディングする方法を示すフローチャートである。
【0036】
ピクチャーが入力されれば、入力されるピクチャーがGOP単位を区分する最後のピクチャーであるキーピクチャーであるか否かを確認する(S710)。もし、キーピクチャーであれば、キーピクチャーに順次にnビットを使用して循環し、番号を付与する(S720)。前記番号付与は、nビットに対して2nモジュールで演算によって0から(2n−1)まで循環し、順次に増加する番号をキーピクチャーに付与しうる。多層構造でエンコーディングされる場合には、上位階層のキーピクチャーにのみキーピクチャー番号を付与する。エンコーディングを完了する(S730)。
【0037】
もし、キーピクチャーではなければ、ピクチャーモード類型によって番号を付与せずにエンコーディングを行う(S730)。
【0038】
実際キーピクチャーのナンバリングをJSVCに適用しうる一例として、“slice header in scalable extension”構文にキーピクチャーのナンバリングをエンコーディングする3ビットの‘key_picture_num’構文を追加して変更しうる。構文は、次の通りである。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
‘key_picture_num’は、スライスタイプが上位階層のPピクチャーやIピクチャーである時にコーディングされる。それで、キーピクチャーが損失されたとき、後述するように、下位階層の情報を利用してエラーを隠せるようにする。JSVCで基本階層は、既存の動画国際標準であるH.264を利用するので、上位階層のスライスヘッダである“slice header in scalable extension”構文に‘key_picture_num’構文を追加する。
【0042】
図8は、本発明の一実施例によるキーピクチャーのナンバリングを通じたPピクチャーの損失有無を見つけ出す方法の概念図である。3番Pピクチャーが損失された場合に、4番Pピクチャーは、前のPピクチャーの番号が2であることが分かり、3番Pピクチャーが損失されたことを認知しうる。すなわち、現在入力される現在キーピクチャーのキーピクチャー番号と以前に入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号との差分値が1または−(2n−1)でなければ、キーピクチャー損失と判断する。前記差分値は、エンコーディング時にnビットで0から2n−1まで順次に番号が付与されたので、現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとのキーピクチャー間にキーピクチャーの損失がなければ、0から2n−1の範囲内では、キーピクチャー番号の差分値は1となり、2n−1の番号を有するキーピクチャーに続く次のキーピクチャーの番号は、0となるので、0番のキーピクチャーでの差分値は、−(2n−1)となる。
【0043】
図9は、前記のように、キーピクチャーに順次にnビットを使用して循環し、順次にナンバリングした場合、本発明の一実施例によるデコーディング方法を説明するフローチャートである。
【0044】
エンコーダにピクチャー(またはスライス)が入力されれば、前記入力される現在ピクチャーがGOPを区分する最後のピクチャーであるキーピクチャーであるか否かを判断する(S910)。
【0045】
もし、キーピクチャーであれば、キーピクチャーにnビットでエンコーディングされたキーピクチャー番号を読み込む(S920)。もし、キーピクチャーではなければ、前記現在ピクチャーのモードによってデコーディングを行う(S950)。
【0046】
前記現在キーピクチャーのキーピクチャー番号と直前に入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号とを差分し(key_picture_num−prev_key_picture_num)、その差分値が1または−(2n−1)であるか否かを判断する(S930)。一例として、キーピクチャー番号が3ビットを利用してエンコーディングされた場合には、現在キーピクチャーのキーピクチャー番号と過去キーピクチャーのキーピクチャー番号との差分値が1または−7であるか否かを判断する。
【0047】
もし、前記差分値が1または−(2n−1)であれば、前記現在ピクチャーのマクロブロック別にモードによってデコーディングを行って完了する(S950)。
【0048】
もし、前記差分値が1または−(2n−1)ではなければ、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間にキーピクチャーが損失されたと認知し、キーピクチャーの損失情報をエラー処理部(エラー隠匿部)に伝達してエラーを処理する(S940)。デコーディングを完了する(S950)。
【0049】
図10は、図5の上位階層がキーピクチャーナンバリングされたとき、一つのPピクチャーが伝送過程で損失された場合、エラー伝播の例を示す図面である。
【0050】
上位階層でキーピクチャーがナンバリングされており、伝送過程で3番Pピクチャーが損失された場合、次の4番Pピクチャーは、以前のキーピクチャーのナンバーが2番であるので、キーピクチャーの差分値が2となるため、Pピクチャーが損失されたということを認知する。
【0051】
以下では、前述したように、キーピクチャーのナンバリングを利用してエラーを認知した場合に、発生したエラーに対処するための効果的な具現例として、SVCのためのエラー隠匿方法を説明する。
【0052】
図11は、図10のように、キーピクチャーのナンバリングを通じてPピクチャーの損失が分かった場合に、下位階層の情報を利用してエラーが伝播されることを遮断する方法を示す概念図である。
【0053】
多層構造を有するスケーラブルビデオコーディングで、上位階層のPピクチャー損失時に下位階層の情報を利用しうる場合、下位階層の情報を利用してPピクチャー損失によるエラーを処理しうる。上位階層のマクロブロックがインターモード(ピクチャー間の相関関係を利用して予測エンコーディングを行ったモード)でエンコーディングされたブロックに対しては、参照が損失されたため、下位階層のデコーディングされた画像をそのまま使用し、イントラモード(ピクチャー内の相関関係を利用してコーディングを行ったモード)でエンコーディングされたブロックに対しては、既存のデコーディング方法でコーディングする。これにより、現在Pピクチャー以後のPピクチャーにエラー伝播を最小化しうる。
【0054】
図12は、上位階層で以前Pピクチャーの損失が分かった場合に、下位階層の情報を利用する方法を説明する本発明の一実施例のフローチャートである。
【0055】
キーピクチャーが入力されれば、入力される現在キーピクチャーと前記現在キーピクチャー以前に入力された過去キーピクチャーとのキーピクチャー番号差分値を通じて、前記現在キーピクチャーと前記過去キーピクチャーとの間にPピクチャーが損失されたか否かを確認する(S1210)。
【0056】
キーピクチャーが損失されなかったならば、前記現在キーピクチャーのマクロブロック別にモード類型によってデコーディングを行う(S1270)。キーピクチャーが損失されたならば、前記現在キーピクチャーをマクロブロック単位でインターモードかイントラモードかモード類型を判断する(S1220)。
【0057】
前記現在キーピクチャーのマクロブロックがインターモードではなければ、現在モードによってデコーディングを行う(S1270)。前記現在キーピクチャーのマクロブロックがインターモードである場合、前記現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーのデコーディングされた画像から前記現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域を探索する(S1230)。
【0058】
領域探索後、前記上位階層と前記下位階層との空間的解像度を比較して同一であるか否かを判断する(S1240)。
【0059】
前記上位階層と前記下位階層との空間的解像度が同一であれば、前記下位階層の探索された領域の画像データをそのままコピーして、現在デコーディングする上位階層ピクチャーのマクロブロックに付加してデータを復旧する(S1260)。
【0060】
もし、前記上位階層と前記下位階層との空間的解像度が同一でなければ、前記下位階層の探索された領域を上位階層と同じサイズにアップサンプリングする(S1250)。
【0061】
次いで、前記アップサンプリングされた領域の画像データをコピーして現在デコーディングする上位階層キーピクチャーのマクロブロックに付加してデータを復旧する(S1260)。
【0062】
一方、ネットワーク特性上キーピクチャー損失によるエラーの発生確率が低い場合には、エラー隠匿方法の使用が不必要であることもある。この場合には、キーピクチャーナンバリングを選択的に使用して特定ビット量を減らすことが望ましい。すなわち、キーピクチャーの損失を予想してエラー隠匿を処理する必要性がある場合にのみ、キーピクチャーナンバリング時に“sequence parameter set”に‘error_concealment_flag’を追加して具現しうる。“sequence parameter set”の構文は、次の通りである。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
また、“slice header in scalable extension”構文でキーピクチャーのナンバリングを‘error_concealment_flag’が1である場合にのみ行えるように、次のように変更しうる。
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
図13は、“sequence parameter set”に‘error_concealment_flag’を追加して、‘error_concealment_flag’値が‘1’である場合にのみキーピクチャーナンバリングが行われた場合、本発明の一実施例によるデコーディング方法を説明するフローチャートである。
【0070】
前記実施例は、‘error_concealment_flag’と‘key_picture_num’とを3ビットを利用してコーディングした場合である。
ピクチャーが入力されれば、ピクチャー(またはスライス)のタイプがキーピクチャーであり、‘error_concealment_flag’が1であるか否かを判断する(S1310)。
【0071】
前記‘error_concealment_flag’が0であるか、またはピクチャータイプがキーピクチャーではなければ、所定のモードによってデコーディングを行い、デコーディングを終了する(S1350)。
【0072】
もし、‘error_concealment_flag’が1であり、またピクチャータイプがキーピクチャーであれば、キーピクチャーにnビットでコーディングされたキーピクチャー番号(key_picture_num)を読み込む(S1320)。
【0073】
次いで、現在キーピクチャーのキーピクチャー番号(key_picture_num)と前記現在キーピクチャー以前に入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号(prev_key_picture_num)との差分値が1または−7であるか否かを判断する(S1330)。
【0074】
前記差分値が1または−7であれば、所定のモードによってデコーディングを行い、デコーディングを終了する(S1350)。もし、前記差分値が1または−7ではなければ、前記現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失によるエラーを認知し、エラー情報を伝達してエラーを処理する(S1340)。デコーディングを終了する(S1350)。
【0075】
以下では、キーピクチャーナンバリングを利用してエラーに対処するための効果的な具現の一例であって、本発明のコーディング方法をAGS(Adaptive GOP Structure)に使用する方法を説明する。現在MPEG−4 JSVC JSVM 3.0のエンコーダイシュとして採用されたAGSコーディング方法は、時間軸上に7.5Hz未満の時間的スケーラビリティを支援しない。
【0076】
図14は、AGSコーディングの一例であって、基本階層は、15Hzのフレーム率を有し、16サイズのGOPを単位でAGSコーディングしてsub−GOPモードが[8,2,2,2,2]と選択され、上位強化階層では、基本階層のsub−GOPモードによって[16,4,4,4]にコーディングされた状況と時間的スケーラビリティを提供するための情報である‘temporal_level’のコーディングされた値を示している。
【0077】
前記例は、時間的スケーラビリティは、高い‘tempora_level’値を有するピクチャーエキストラクターで順次に除去し、それぞれ1/2の時間的解像度を有するように設計されている。参考として、基本階層では、既存の動画国際標準であるH.264であるため、‘temporal_level’を有することができず、NALユニットヘッダの‘nal_ref_idc’情報を利用して、いかなる画像にも参照されないピクチャーをエキストラクターでドロップさせることによって、1/2の時間的解像度まで有させうる。
【0078】
図15は、図14の上位階層で‘temporal_level’値が5であるピクチャーをエキストラクターでドロップさせて15Hzのフレーム率を有する画像の一実施例を示す。
【0079】
図16は、図15の上位階層で‘temporal_level’値が4以上であるピクチャーをエキストラクターでドロップさせて7.5Hzのフレーム率を有する画像の一実施例を示す。
【0080】
図17は、伝送線路上の制約によって、予想外に7.5Hz未満(3.75Hzまたは1.875Hzなど)の時間的スケーラビリティが要求された場合に、一例として3.75Hzのフレーム率を提供するために、図16の上位階層で‘temporal_level’値が3以上である2番目及び4番目のGOPのキーピクチャーを共にドロップさせた一実施例を示す。すなわち、図17は、図13で‘temporal_level’が3以上であるピクチャーをドロップさせて3.75Hzのフレーム率を有しようとするとき、キーピクチャーのドロップによるエラーの様子を示す一実施例の図面である。
【0081】
エキストラクターは、visual bitstreamの内部構文に関係なく、NALユニットヘッダの情報のみを有して処理するため、キーピクチャーも共にドロップされる。また、キーピクチャーがドロップされたが、デコーダでは、キーピクチャーのドロップ事実を分からなくて誤った参照を利用してデコーディングするので、エラーの発生を防止できない。
【0082】
図18は、実際フットボールCIF 3.75Hzの画像で誤った参照による割れたデコーディング結果(0〜7ピクチャー)を示す一実施例の図面である。
【0083】
図19は、図17でキーピクチャーのナンバリングによって上位階層のキーピクチャー損失を見つけ出した時に、下位基本階層の情報を利用してエラーに対処する様子を示す一実施例の図面である。
【0084】
すなわち、AGS使用の場合にも、前記のように要求されるフレーム率によってキーピクチャーのドロップが発生することによって、発生するエラーをキーピクチャーのナンバリングを使用して解決しうる。図19を参照すれば、キーピクチャー番号(key_picture_num)が2であるキーピクチャーが損失された場合、キーピクチャー番号が3であるキーピクチャーは、以前のキーピクチャーのキーピクチャー番号が1であるため、参照せねばならないキーピクチャーが損失されたという事実を認識し、エラー隠匿の一方法であって、インターマクロブロックに対して下位基本階層の、デコーディングされて再構成された画像から前記上位階層のインターマクロブロックのような領域に該当する部分のデータをそのまま持ち込んで、現在デコーディングする前記上位階層のインターマクロブロックに満たす。
【0085】
このような方法を通じて、図18に対応するフットボールCIF 3.75Hzのシーケンスをデコーディングした結果が、図20に示されている。図20で、基本階層からデータを持ち込んでエラーを隠匿した結果を確認しうる。
【0086】
前記方法を利用してJSVCの一実施例として“sequence parameter set”構文と“slice header in scalable extension”構文とを変更しうる。AGSで低い時間的スケーラビリティを支援するとき(7.5Hz未満)、キーピクチャーの損失があるので、AGSをコーディングする時には、AGS使用有無についての情報である‘use_ags_flag’を“sequence parameter set”に追加して具現しうる。“sequence parameter set”の構文は、次の通りである。
【0087】
【表8】
【0088】
【表9】
【0089】
【表10】
【0090】
“slice header in scalable extension”構文で、キーピクチャーのナンバリングを‘use_ags_flagが1である場合にのみ行えるように、次のように変更しうる。
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】
図21は、‘use_ags_flag’と‘key_picture_num’とを3ビットを利用してコーディングした場合に、本発明の一実施例によってデコーディングする方法を示すフローチャートである。ピクチャーが入力されれば、‘use_ags_flag’が1であり、ピクチャー(またはスライス)のタイプがキーピクチャーであるか否かを判断する(S2110)。
【0094】
‘use_ags_flag’が0であるか、またはピクチャータイプがキーピクチャーではなければ、ピクチャーのマクロブロックモードによってデコーディングを行って完了する(S2160)。
【0095】
‘use_ags_flag’が1であるか、またはピクチャータイプがキーピクチャーであれば、キーピクチャーにnビットにコーディングされたキーピクチャー番号(key_picture_num)を読み込む(S2120)。
【0096】
直前キーピクチャーのキーピクチャー番号(prev_key_picture_num)と現在キーピクチャーのキーピクチャー番号(key_picture_num)との差分値(key_picture_num−prev_key_picture_num)が1または−7であるか否かを判断する(S2130)。
【0097】
前記差分値が1または−7ではなければ、前記現在キーピクチャーと直前の過去キーピクチャーとの間にキーピクチャーの損失があることを認知し、エラーに対する処理を行う(S2140)。
【0098】
エラー隠匿と共に、現在キーピクチャーのデコーディングを終了する(S2150)。
【0099】
キーピクチャーナンバリングを利用してエラーを認知した場合、発生したエラーを対処するための効果的な具現の一実施例として、エラー隠匿方法とAGSとを共に処理するために、構文を次のようにJSVC“sequence parameter set”でエラー隠匿ビットとAGS使用ビットとを共有して使用しうる。方法は、構文にエラー隠匿情報ビットである‘error_concealment_flag’を追加し、AGSを使用する場合には、無条件1に設定して、低いフレーム率(7.5Hz未満)を支援するように具現しうる。“sequence parameter set”の構文は、次の通りである。
【0100】
【表13】
【0101】
【表14】
【0102】
【表15】
【0103】
“slice header in scalable extension”構文でキーピクチャーのナンバリングを‘error_concealment_flag’が1である場合にのみ行えるように、次のように変更しうる。
【0104】
【表16】
【0105】
【表17】
【0106】
‘error_concealment_flag’と‘key_picture_num’とを3ビットを利用してコーディングした場合に、本発明の一実施例によるデコーディング方法は、図13の通りである。
【0107】
図22は、本発明の一実施例によるキーピクチャーナンバリングを含むエンコーディング方法が具現されるエンコーダの概略図を示す。
【0108】
図22を参照すれば、キーピクチャーナンバリングを含むエンコーディングを行うエンコーダ2200は、キーピクチャー確認部2210及びキーピクチャー番号付与部2250を備える。
【0109】
キーピクチャー確認部2210は、入力される現在ピクチャーが以前ピクチャーを参照するGOPを区分する最後のピクチャーであるキーピクチャーであるか否かを確認する。
【0110】
キーピクチャー番号付与部2250は、入力される現在ピクチャーがキーピクチャーと確認されれば、nビットを使用して2nモジュールで演算によって0から2n−1まで順次にキーピクチャー番号を付与する。前記キーピクチャー番号付与部2250は、エラー隠匿を要求しつつ、キーピクチャーの場合にのみまたはAGSを使用しつつキーピクチャーの場合にのみ、nビットで順次にキーピクチャー番号を付与することもある。
【0111】
キーピクチャーに番号を付与してエンコーディングを行うことによって、デコーディング時にキーピクチャー間に連続的に参照しつつデコーディングを行う場合、キーピクチャー間の番号差分値からキーピクチャーの損失を把握して、エラー隠匿などのエラー処理を行える。これにより、誤った参照によるエラー伝播による画像品質の低下を最小化しうる。
【0112】
図23は、本発明の一実施例によるキーピクチャーナンバリングを含むエンコーディングされたビデオのデコーディング方法が具現されるデコーダの概略図を示す。
【0113】
図23を参照すれば、キーピクチャーナンバリングされたビデオをデコーディングするデコーダ2300は、キーピクチャー判断部2310、キーピクチャー番号検索部2330、エラー検出部2350及びエラー隠匿部2370を備える。
【0114】
キーピクチャー判断部2310は、現在入力されるピクチャーが以前ピクチャーを参照するGOPを区分する最後のピクチャーであるキーピクチャーであるか否かを判断する。
【0115】
キーピクチャー番号検索部2330は、前記キーピクチャー判断部2310で現在ピクチャーがキーピクチャーと判断された場合、現在キーピクチャーにエンコーディングされたキーピクチャー番号を読み込む。
【0116】
エラー検出部2350は、差分値比較部2351及びエラー情報伝達部2352を備える。前記エラー検出部2350は、現在キーピクチャーのキーピクチャー番号(key_picture_num)と以前に入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号(prev_key_picture_num)との差分値を前記差分値比較部2351で比較して、その値が1または−(2n−1)であるか否かを判断する。前記差分値が1または−(2n−1)ではない場合、前記エラー情報伝達部2352は、現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失があることを認知し、このようなエラー情報をエラー処理及び/またはエラー隠匿部に伝達する。エラー処理及び/またはエラー隠匿部は、前記エラー情報を受信して、設定された方法によってエラーを処理してエラー伝播を最小化する。
【0117】
エラー隠匿部2370は、多階層構造を有するスケーラブルビデオコーディングが行われて、上位階層が下位階層の情報を利用できる場合に適用される本発明の一実施例によるエラー隠匿方法を行う。
【0118】
前記エラー隠匿部2370は、モード判断部2371、領域探索部2372、解像度比較部2373、アップサンプリング部2374及びデータ復旧部2375を備える。
【0119】
エラー検出部によって上位階層の現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失があると認知された場合、現在キーピクチャーの参照キーピクチャーが損失されたので、過去キーピクチャーを参照してデコーディングを行うことによって、エラーが伝播されることを防止せねばならない。
【0120】
モード判断部2371は、前記のように上位階層のキーピクチャー損失によるエラーが検出された場合、現在キーピクチャーをマクロブロック別にインターモードかイントラモードかモードを判断する。
【0121】
領域探索部2372は、判断対象マクロブロックがインターモードと判断された場合、
現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーを選択し、前記対応する下位階層ピクチャーのデコーディングされた画像で前記上位階層の現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域を探索する。
【0122】
解像度比較部2373は、前記下位階層ピクチャーで現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域が探索された後、前記上位階層と下位階層との空間的解像度が同一であるか否かを比較する。
【0123】
データ復旧部2375は、二階層の空間的解像度が同一である場合、下位階層ピクチャーの探索された領域のデコーディングされた画像データをコピーして、上位階層の現在キーピクチャーの該当マクロブロック領域に付加することによってデコーディングを行う。もし、二階層の空間的解像度が同一ではない場合、アップサンプリング部2374で前記下位階層ピクチャーの探索された領域を上位階層の解像度と同じサイズにアップサンプリングし、アップサンプリングされた領域のデコーディングされた画像データをコピーして、上位階層の現在キーピクチャーの該当マクロブロック領域に付加することによってデコーディングを行う。
【0124】
前記のように下位階層の時間的に対応するピクチャーの画像情報を上位階層のデコーディングに適用するエラー隠匿方法によってデコーディングを行うことによって、損失されたキーピクチャーの代わりに、損失されたキーピクチャー以前のキーピクチャーを参照することによって、発生するエラーを隠匿しうる。
【0125】
図24は、本発明の一実施例によるコーディングを行うコーデックの概略図を示す。
【0126】
図24を参照すれば、前記コーデック2400は、エンコーダ2410とデコーダ2450とに大別される。
【0127】
エンコーダ2410は、GOP単位を区分するキーピクチャーに順次に番号を付与してエンコーディングした後、デコーダに伝送する。
【0128】
デコーダ2450は、キーピクチャーを伝送されてキーピクチャー間にキーピクチャー損失有無を検出し、キーピクチャーが損失された上位階層に対して下位階層が存在して下位階層の画像情報を利用できる場合、これにより、エラーを隠してピクチャーを復号化するデコーディングを行う。
【0129】
前記エンコーダ2410は、キーピクチャー確認部2411及びキーピクチャー番号付与部2412を備える。
【0130】
キーピクチャー確認部2410は、入力される現在ピクチャーがキーピクチャーであるか否かを確認する。キーピクチャー番号付与部2250は、入力される現在ピクチャーがキーピクチャーと確認されれば、nビットを使用して2nモジュールで演算によって0から2n−1まで順次にキーピクチャー番号を付与する。前記キーピクチャー番号付与部2250は、エラー隠匿を要求しつつキーピクチャーである場合にのみまたはAGSを使用しつつキーピクチャーである場合にのみ、nビットで順次にキーピクチャー番号を付与することもある。
【0131】
前記デコーダ2450は、キーピクチャー判断部2451、キーピクチャー番号検索部2452、エラー検出部2453及びエラー隠匿部2455を備える。
【0132】
キーピクチャー判断部2451は、現在入力されるピクチャーがキーピクチャーであるか否かを判断する。キーピクチャー番号検索部2452は、前記キーピクチャー判断部2451で現在ピクチャーがキーピクチャーと判断された場合、現在キーピクチャーにエンコーディングされたキーピクチャー番号を読み込む。
【0133】
エラー検出部2453は、現在キーピクチャーのキーピクチャー番号(key_picture_num)と以前に入力された過去キーピクチャーのキーピクチャー番号(prev_key_picture_num)との差分値を差分値比較部(図示せず)で比較して、その値が1または−(2n−1)であるか否かを判断する。前記差分値が1または−(2n−1)ではない場合、エラー情報伝達部(図示せず)は、現在キーピクチャーと過去キーピクチャーとの間にキーピクチャー損失があることを認知し、このようなエラー情報をエラー処理及び/またはエラー隠匿部に伝達する。エラー処理及び/またはエラー隠匿部は、前記エラー情報を受信して設定された方法によって、エラーを処理してエラー伝播を最小化する。
【0134】
エラー隠匿部2454は、多階層構造を有するスケーラブルビデオコーディングが行われて上位階層が下位階層の情報を利用できる場合、適用される本発明の一実施例によるエラー隠匿方法を行い、モード判断部2455、領域探索部2456、解像度比較部2457、アップサンプリング部2458及びデータ復旧部2459を備える。
【0135】
モード判断部2455は、上位階層のキーピクチャー損失によるエラーが検出された場合、現在キーピクチャーをマクロブロック別にインターモードかイントラモードかモードを判断する。
【0136】
領域探索部2456は、対象マクロブロックがインターモードと判断された場合、現在キーピクチャーと時間的に対応する下位階層のピクチャーを選択し、前記対応する下位階層ピクチャーのデコーディングされた画像で前記上位階層の現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域を探索する。
【0137】
解像度比較部2457は、前記下位階層ピクチャーで現在キーピクチャーのマクロブロックに該当する領域が探索された後、前記上位階層と下位階層との空間的解像度が同一であるか否かを比較する。
【0138】
データ復旧部2459は、二階層の空間的解像度が同じである場合、下位階層ピクチャーの探索された領域のデコーディングされた画像データをコピーして、上位階層の現在キーピクチャーの該当マクロブロック領域に付加することによってデコーディングを行う。もし、二階層の空間的解像度が同一ではない場合、アップサンプリング部2458で前記下位階層ピクチャーの探索された領域を上位階層の解像度と同じサイズにアップサンプリングし、アップサンプリングされた領域のデコーディングされた画像データをコピーして上位階層の現在キーピクチャーの該当マクロブロック領域に付加することによってデコーディングを行う。
【0139】
本発明はまた、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータ可読コードとして具現することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られるデータが保存される全ての種類の記録装置を含む。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置があり、またキャリアウェーブ(例えば、インターネットを通じた伝送)の形態で具現されるものも含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータ可読コードが保存され、かつ実行される。そして、本発明を具現するための機能的なプログラム、コード及びコードセグメントは、本発明が属する技術分野のプログラマーによって容易に推論される。
【0140】
以上、本発明について望ましい実施例を中心に説明した。ここで、特定の用語が使われたが、これは、単に本発明を説明するための目的で使われたものであり、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使われたものではない。
【0141】
したがって、当業者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態で具現されるということが分かる。したがって、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に現れており、それと同等な範囲内にある全ての差異点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GOPを区分する少なくとも一部のキーピクチャーに対して以前キーピクチャーを参照して同一レイヤーに属する他のピクチャーに対する予測を行うスケーラブルビデオエンコーディング方法において、
入力されるピクチャーがキーピクチャーであるか否かを確認するステップと、
キーピクチャーにだけ番号を付与し、キーピクチャー以外には番号を付与しないように、前記ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記キーピクチャーに付与されるキーピクチャー番号は隣り合うキーピクチャーに割り当てられた番号と異に付与されるステップと、を含むスケーラブルビデオエンコーディング方法。
【請求項2】
前記キーピクチャー確認ステップは、
時間的レベルが0であるピクチャーをキーピクチャーと判断するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のスケーラブルビデオエンコーディング方法。
【請求項3】
前記キーピクチャー番号付与ステップは、
前記キーピクチャーにnビットを使用して2nモジュールで演算によって循環し、順次にキーピクチャー番号を付与するステップを含み、前記nは、正の整数であることを特徴とする請求項1に記載のスケーラブルビデオエンコーディング方法。
【請求項4】
GOPを区分する少なくとも一部のキーピクチャーに対して以前キーピクチャーを参照して同一レイヤーに属する他のピクチャーに対する予測を行うスケーラブルビデオエンコーダにおいて、
入力されるピクチャーがキーピクチャーであるか否かを確認するキーピクチャー確認部と、
前記ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記キーピクチャーに付与されるキーピクチャー番号は隣り合うキーピクチャーに割り当てられた番号と異に付与されるキーピクチャー番号付与部と、を備えるスケーラブルビデオエンコーダ。
【請求項5】
前記キーピクチャー確認部は、
時間的レベルが0であるピクチャーをキーピクチャーと判断することを特徴とする請求項4に記載のスケーラブルビデオエンコーダ。
【請求項6】
前記キーピクチャー番号付与部は、
前記キーピクチャーにnビットを使用して2nモジュールで演算によって循環して順次にキーピクチャー番号を付与し、前記nは、正の整数であることを特徴とする請求項4に記載のスケーラブルビデオエンコーダ。
【請求項1】
GOPを区分する少なくとも一部のキーピクチャーに対して以前キーピクチャーを参照して同一レイヤーに属する他のピクチャーに対する予測を行うスケーラブルビデオエンコーディング方法において、
入力されるピクチャーがキーピクチャーであるか否かを確認するステップと、
キーピクチャーにだけ番号を付与し、キーピクチャー以外には番号を付与しないように、前記ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記キーピクチャーに付与されるキーピクチャー番号は隣り合うキーピクチャーに割り当てられた番号と異に付与されるステップと、を含むスケーラブルビデオエンコーディング方法。
【請求項2】
前記キーピクチャー確認ステップは、
時間的レベルが0であるピクチャーをキーピクチャーと判断するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のスケーラブルビデオエンコーディング方法。
【請求項3】
前記キーピクチャー番号付与ステップは、
前記キーピクチャーにnビットを使用して2nモジュールで演算によって循環し、順次にキーピクチャー番号を付与するステップを含み、前記nは、正の整数であることを特徴とする請求項1に記載のスケーラブルビデオエンコーディング方法。
【請求項4】
GOPを区分する少なくとも一部のキーピクチャーに対して以前キーピクチャーを参照して同一レイヤーに属する他のピクチャーに対する予測を行うスケーラブルビデオエンコーダにおいて、
入力されるピクチャーがキーピクチャーであるか否かを確認するキーピクチャー確認部と、
前記ピクチャーがキーピクチャーである場合、前記キーピクチャーに付与されるキーピクチャー番号は隣り合うキーピクチャーに割り当てられた番号と異に付与されるキーピクチャー番号付与部と、を備えるスケーラブルビデオエンコーダ。
【請求項5】
前記キーピクチャー確認部は、
時間的レベルが0であるピクチャーをキーピクチャーと判断することを特徴とする請求項4に記載のスケーラブルビデオエンコーダ。
【請求項6】
前記キーピクチャー番号付与部は、
前記キーピクチャーにnビットを使用して2nモジュールで演算によって循環して順次にキーピクチャー番号を付与し、前記nは、正の整数であることを特徴とする請求項4に記載のスケーラブルビデオエンコーダ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−182819(P2012−182819A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−101524(P2012−101524)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2008−535444(P2008−535444)の分割
【原出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【出願人】(503165255)キュンヒ ユニバーシティ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2008−535444(P2008−535444)の分割
【原出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【出願人】(503165255)キュンヒ ユニバーシティ (3)
【Fターム(参考)】
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