説明

スコア表示具

【課題】取り扱いを容易としつつ、任意の場所に設置して用いることが可能なスコア表示具を提供する。
【解決手段】スコア表示具10は、少なくともベースシート12が柔軟に変形自在な素材により構成されていることから、小さく丸めたり畳んだりすることで、持ち運びや収納が容易となる。又、ベースシート12は、例えば、ビニールシート、布、耐水ペーパー等により構成され、これらの素材を用いることで、軽量、安価に構成することができる。又、荒天時にも使用可能となる。一方、セグメントシート14についても、同様に、ビニール等の樹脂シート、布、耐水ペーパー等を用いることが可能である。セグメントシート14はベースシート12に対し表裏転換可能に固定されていることから、セグメントシート14がベースシート12から脱落して紛失するおそれが無い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スコア表示具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からスコア制のスポーツ競技において、スコアボードが広く用いられている。このスコアボードは、比較的大規模な競技場に適した設置タイプ(例えば、特許文献1参照。)から、小形の携帯タイプ(例えば、特許文献2参照。)まで、様々なものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−246787号公報
【特許文献2】特開2005−87582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の形態タイプのスコアボードは、不使用時には倉庫等に収納しておき、競技を行う時にのみ任意に設置して用いることが可能であるが、スコアを見やすくするためには、ある程度の大きさが必要であり、相応に重量も嵩むことから、収納、運搬、設置等の取り扱いに難があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、取り扱いを容易としつつ、任意の場所に設置して用いることが可能なスコア表示具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。又、各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。よって、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0006】
(1)スコア表示枠を備えるベースシートと、前記スコア表示枠内に配置されるセグメントシートとを含み、少なくとも前記ベースシートは柔軟に変形自在な素材により構成されているスコア表示具。
本項に記載のスコア表示具は、少なくとも前記ベースシートが柔軟に変形自在な素材により構成されていることから、小さく丸めたり畳んだりすることで、持ち運びや収納が容易となる。なお、ベースシートの素材としては、ビニール等の樹脂シート、布、耐水ペーパー等が挙げられる。一方、セグメントシートについても、同様に、ビニール等の樹脂シート、布、耐水ペーパー等を用いることが可能であるが、ベースシートを丸めたり畳んだりすることが出来る限り、必ずしも柔軟性を求められないことから、プラスチックや木製のプレート等を用いることも可能である。セグメントシートは、複数のセグメントで0〜9のアラビア数字を形成可能なものであり、ベースシートのスコア表示枠内で、スコアを表示する。
【0007】
(2)上記(1)項において、前記ベースシートの表面と前記セグメントシートの表裏一方の面とが同一色をなし、前記セグメントシートは前記ベースシートに対し表裏転換可能に固定されているスコア表示具。
本項に記載のスコア表示具は、セグメントシートはベースシートに対し表裏転換可能に固定されていることで、セグメントシートがベースシートから脱落して紛失するおそれが無い。又、ベースシートの表面とセグメントシートの表裏一方の面とが同一色をなしていることから、セグメントシートの、ベースシートと同色の面を表側にして固定することで、そのセグメントシートは視覚的にベースシートに埋もれた、非表示状態となる。一方、セグメントシートのベースシートとは異なる色の面を表側にして固定することで、そのセグメントシートはベースシートから視覚的に浮き上がった、表示状態となる。
【0008】
(3)上記(2)項において、前記セグメントシートの表裏面を任意にベースシートに密着させる密着手段を備えているスコア表示具(請求項1)。
本項に記載のスコア表示具は、密着手段によってセグメントシートの表裏面を任意にベースシートに密着させることで、表示・非表示状態を任意に選択することができる。
【0009】
(4)上記(1)〜(3)項において、前記セグメントシートの前記ベースシート表面と異なる色の面は、前記ベースシートの表面の補色又は明確に異なる明度を有しているスコア表示具。
本項に記載のスコア表示具は、セグメントシートの、ベースシート表面と異なる色の面を表側にして固定することで、ベースシート上で視覚的に浮き上がり、明確な表示状態となる。
(5)上記(1)〜(4)項において、セグメントシートは7セグメントで一文字を表示するように配置されているスコア表示具。
本項に記載のスコア表示具は、7セグメントで0〜9までの各数字を表示するものである。そして、一文字当りのセグメントシートの数を、必要最小限の7セグメントとすることで、構成部品点数を最小限に抑えると共に、必要なセグメントシートの表裏反転操作を、可能な限り簡略化するものである。
【0010】
(6)上記(1)〜(5)項において、前記セグメントシートの長手方向端辺が、前記ベースシートに対し揺動自在に固定されているスコア表示具(請求項2)。
本項に記載のスコア表示具は、セグメントシートの長手方向端辺が、ベースシートに対し揺動自在に固定されることで、ベースシートに対し表裏転換可能となっている。なお、ベースシートに対しセグメントシートを固定する手法は、セグメントシートの一部を突出させてタブを設け、このタブをベースシートに任意の方法で固定し、又は、粘着性テープで貼り付ける等、適宜、任意の手法を採用するものである。
【0011】
(7)上記(1)〜(5)項において、前記セグメントシートの面積の半分が前記ベースシートに固定され、残余の部分が折り曲げ可能である表示具(請求項2)。
本項に記載のスコア表示具は、折り曲げ可能な部分が、ベースシートに固定された部分に重ねられることで、そのセグメントシート自体によって自らを覆うこととなる。ここで、ベースシートの表面とセグメントシートの裏面とが同色であれば、このセグメントシートは視覚的にベースシートに埋もれて、非表示状態となる。一方、折り曲げ可能な部分を折り曲げ上体から伸ばしてベースシートに直接固定されることで、そのセグメントシートの表面全体が視覚的に現れ、このセグメントシートは表示状態となる。
【0012】
(8)上記(1)〜(7)項において、前記密着手段は、前記ベースシート及び前記セグメントシートの一部ないし全部を構成する可撓性マグネットシートであるスコア表示具(請求項3)。
本項に記載のスコア表示具は、磁力によりセグメントシートの表裏面を任意にベースシートに密着させるものである。マグネットシートは、例えば、ベースシートの少なくともセグメントシートが密着する範囲において、ベースシートの内部又は裏面に適切な方法(接着、縫い付け、保持ポケットを設けてその内部に装填する等)にて固定することとする。
【0013】
(9)上記(1)〜(7)項において、前記密着手段は、前記ベースシート及び前記セグメントシートの表面に装着されたベルクロテープであるスコア表示具(請求項3)。
本項に記載のスコア表示具は、ベルクロテープの着脱により、セグメントシートの表裏面を任意にベースシートに密着させるものである。ベルクロテープは、例えば、ベースシートにオステープを配置し、セグメントシートの表裏面にメステープを配置することで、セグメントシートの表裏面を、任意にベースシートに密着させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明はこのように構成したので、取り扱いを容易としつつ、任意の場所に設置して用いることが可能なスコア表示具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係るスコア表示具の平面模式図である。
【図2】図1に示されるスコア表示具のスコア表示枠周辺部の詳細図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
【図3】図1に示されるスコア表示具の、形態時の取り扱いの態様を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の実施の形態に係るスコア表示具10は、テニス競技用のスコア表示具であり、図1に示されるように、スコア表示枠12aを備えるベースシート12と、スコア表示枠内に配置されるセグメントシート14とを備えている。
そして、図示の例では、図2に示されるように、ベースシート12の表面とセグメントシート14の裏面14bとが同一色(暗色)に着色され、セグメントシート14の表面14aがベースシート12の表面とは異なる色(明色)に着色されている。なお、明暗のパターンは逆であっても良い。
【0017】
又、図1の例では、スコア表示枠12aには、スコア表示欄のみならず、セット表示欄、選手名の表示欄も備えている。スコア表示枠12aは予め印刷されており、「NAME」、「I、II、III」等の文字も同様であるが、これらも、適宜セグメントシートによる表示とすることで、例えば、延長戦となった場合の表示も可能となる。又、図示の例では、スコア表示具10を、テニスコートのフェンス等任意の場所に簡単に設置できるように、適宜留め環等の係止具18が(図示の例では四隅に)設けられている。
【0018】
ところで、セグメントシート14は、図2に示されるように、ベースシート12に対し表裏転換可能に固定されている。具体的には、セグメントシート14の長手方向端辺141(図2(a)の右下図参照)が、ベースシート12に対し揺動自在に固定されることで、ベースシート12に対し表裏転換可能となっている。ここで、ベースシート12に対しセグメントシート14を固定する手法は、セグメントシートの一部を突出させてタブを設け、このタブをベースシート12に任意の方法で固定したり、粘着性テープで貼り付ける等、適宜、任意の手法を採用することができる。
又、図2(a)の左図のごとく、セグメントシート14の面積の半分14Lをベースシート12に固定し、残余の部分14Rを、折り曲げ線142で折り曲げて、固定された半分14L又はベースシート12に密着可能としても良い。この場合、セグメントシート14の折り曲げ線142は、図示の如く、長手方向中央部に設けても良いが、セグメントシート14の短手方向中央部に設けることとしても良い。
【0019】
更に、スコア表示具10は、セグメントシート14の表裏面を任意にベースシート12に密着させる密着手段を備えている。密着手段としては、例えば、ベースシート12及びセグメントシート14の一部ないし全部を可撓性マグネットシート16で構成するものである。マグネットシート16は、例えば、図2(a)に示されるように、ベースシート12の少なくともセグメントシート14が密着する範囲において、ベースシートの内部又は裏面に適切な方法(接着、縫い付け、保持ポケットを設けてその内部に装填する等)にて固定することとする。又、セグメントシート14は、同様にマグネットシートをその一部又は全部に用いても良いが、代わりにスチールシートを用いることとしても、同様に磁力により密着することが可能となる。
又、密着手段として、ベルクロテープ等の、柔軟性を有し任意に着脱自在な部材を採用することもできる。ベルクロテープの場合には、図示は省略するが、例えばベースシート12にオステープを配置し、セグメントシート14の表裏面にメステープを配置することで、セグメントシート14の表裏面を任意に、ベースシート12に密着させることができる。
【0020】
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが出来る。すなわち、スコア表示具10は、少なくともベースシート12が柔軟に変形自在な素材により構成されていることから、図3に示されるように、小さく丸めたり畳んだりすることで、持ち運びや収納が容易となる。又、ベースシート12は柔軟に変形自在な素材、例えば、ビニールシート、布、耐水ペーパー等により構成され、これらの素材を用いることで、軽量、安価に構成することができる。又、荒天時にも使用可能となる。一方、セグメントシート14についても、同様に、ビニール等の樹脂シート、布、耐水ペーパー等を用いることが可能であるが、ベースシート12を丸めたり畳んだりすることが出来る限り、必ずしも柔軟性を求められないものであり、プラスチックや木製のプレート等を用いることも可能である。
【0021】
又、セグメントシート14はベースシート12に対し表裏転換可能に固定されていることで、セグメントシート14がベースシート12から脱落して紛失するおそれが無い。又、ベースシート12の表面とセグメントシート14の表裏一方の面とが同一色をなしていることから、セグメントシート14の、ベースシート12と同色の面を表側にして固定することで、そのセグメントシート14はベースシート14に埋もれた非表示状態となる。一方、セグメントシート14のベースシート12とは異なる色の面を表側にして固定することで、そのセグメントシート14はベースシート12から視覚的に浮き上がった表示状態となる。そして、セグメントシート14は、複数のセグメントで0〜9のアラビア数字を形成可能なものであり、ベースシート12のスコア表示枠12a内で、スコアを表示することができる。
なお、本発明の実施の形態では、テニス競技用のスコア表示具を例示して説明したが、本発明が他のスコア制のスポーツ競技の、スコア表示具にも適用可能であることは、理解されるであろう。
【符号の説明】
【0022】
10:スコア表示具、12:ベースシート、12aスコア表示枠、14:セグメントシート、141:長手方向端辺、14a:表面、14b:裏面、 14L、14R:セグメントシートの面積の半分、16:マグネットシート、18:係止具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スコア表示枠を備えるベースシートと、前記スコア表示枠内に配置されるセグメントシートとを含み、少なくとも前記ベースシートは柔軟に変形自在な素材により構成され、前記ベースシートの表面と前記セグメントシートの表裏一方の面とが同一色をなし、前記セグメントシートは前記ベースシートに対し表裏転換可能に固定され、かつ、前記セグメントシートの表裏面を任意にベースシートに密着させる密着手段を備えることを特徴とするスコア表示具。
【請求項2】
前記セグメントシートの長手方向端辺が、前記ベースシートに対し揺動自在に固定され、或いは、前記セグメントシートの面積の半分が前記ベースシートに固定され、残余の部分が折り曲げ可能であることを特徴とする請求項1記載のスコア表示具。
【請求項3】
前記密着手段は、前記ベースシート及び前記セグメントシートの一部ないし全部を構成する可撓性マグネットシート、又は、前記ベースシート及び前記セグメントシートの表面に装着されたベルクロテープであることを特徴とする請求項1又は2記載のスコア表示具。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−229729(P2011−229729A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103595(P2010−103595)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(510119924)有限会社オールサムズ (3)
【Fターム(参考)】