説明

スタンドオフ装置を備えている携行式ラダー

携行式ラダーは、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイル部材を有している。ラダーが、スタンドオフ装置が、それぞれがラダーのスタイル部材それぞれに形成されている受容空間内に入れ子式で挿入されている、2つのスタンドオフアーム組立体を有しているスタンドオフ装置を備えている。スタンドオフアーム組立体それぞれが、ベース部分とスタンドオフアームとを有しており、ベース部分とスタンドオフアームとが、ベース部分とスタンドオフ部分とが一直線上に配置されている位置と傾斜スタンドオフ位置との間においてスタンドオフアームを回動可能とする、ヒンジを介して相互接続されている。スタンドオフ組立体それぞれが、スタンドオフアーム組立体の伸展位置において、ベース部分が受容空間内に配置されている状態で、ヒンジが、ラダーのスタイル部材それぞれに形成されている受容空間の外側に配置されているように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラダーの上側領域内に配置されているスタンドオフ装置を備えている携行式ラダーに関する。一般に、スタンドオフ装置は、スタンドオフ装置を配設すべき対象物からラダーの上側領域を離隔するように機能する。対象物としては、例えば壁、ポール、マスト、構造柱、木、建造物の角部分等が挙げられる。一般に、スタンドオフ装置を利用することによって、ラダーの上に立っている者に関する安全性及び快適性が高められる。ラダーの上に立っている者は、スタンドオフ装置を利用しない場合とは異なり、対象物に接近する必要が無くなるからである。
【背景技術】
【0002】
多くのスタンドオフ装置の構成が既知であることは言うまでもない。
【0003】
例えば、特許文献1には、スタンドオフ組立体が上側ラダーセクションの管状のスタイル部材それぞれの上側端部内に入れ子式で挿入されている、入れ子式ラダーが開示されている。当該特許文献では、スタンドオフアーム組立体それぞれが、一体的な屈曲部品を含んでいる。滑動可能なラッチ部材それぞれが、ピンを備えており、最上段の足場に取り付けられている。スタンドオフアームは、異なる位置に一連の穴を有しており、これによりスタンドオフアームそれぞれを様々な位置に移動させることができ、ラッチ部材を外方に滑動させ、ピンを穴に挿入することによって、選択された位置に固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2009/019162号
【特許文献2】国際公開第2009/057995号
【特許文献3】国際公開第02/101189号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1の態様は、既知のスタンドオフ装置に満足することができないという問題に関連する。例えば、既知のスタンドオフ装置は嵩張る程の大きさであり、既知のスタンドオフ装置のために、例えばラダーの格納に関して、既知のスタンドオフ装置を備えたラダーも嵩張る程の大きさとなってしまう。例えば、特許文献1に開示されるラダーを利用することによって、利用者は、入れ子式ラダーを格納する場合には、スタンドオフアームの大きさ及び形状に起因してスタンドオフアームを小さな空間(例えば商用バン)に格納することができないので、スタンドオフアームを取り外すことを選択せざるを得ないだろう。
【0006】
本発明の第1の実施態様の目的は、スタンドオフ装置を備えた改善されたラダー、優位な実施例では入れ子式ラダーと、ラダーに固定可能とされる改善されたスタンドオフラダーの付属品とを提供することであり、又は少なくとも有用な代替的なラダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の実施態様は、請求項1に記載されるように、スタンドオフアーム組立体それぞれが、ベース部分とスタンドオフアームとを有しており、ベース部分とスタンドオフアームとが、ベース部分とスタンドオフ部分とが一直線上に配置されている位置と傾斜スタンドオフ位置との間においてスタンドオフアームを回動可能とする、ヒンジを介して相互接続されており、スタンドオフ組立体それぞれが、スタンドオフアーム組立体の伸展位置において、ベース部分が受容空間内に配置されている状態で、ヒンジが、ラダーのスタイル部材それぞれに形成されている受容空間の外側に配置されているように構成されており、スタンドオフアーム組立体が、スタンドオフアーム組立体の収納位置において、ベース部分とヒンジとスタンドオフアームの少なくとも一部分とが、ラダーのスタイル部材それぞれに形成されている受容空間内に配置されている、ラダーを提供する。
【0008】
本発明の第1の実施態様におけるスタンドオフ組立体では、ラダーの格納空間を小さく又は可能な限り最小限度に抑えることができる。
【0009】
スタンドオフアームは、好ましくは管状のスタンドオフアーム、例えば円状の断面を有しているアルミニウム製管として形成されている。
【0010】
実施可能な実施例では、スタンドオフアームそれぞれが入れ子式とされる。
【0011】
スタンドオフアームは、好ましくは当該スタンドアームの全長に亘って直線的に延在しており、これにより、例えばスタンドオフアームの全体又は少なくともその大部分を受容空間内に収納することができる。
【0012】
実施可能な実施例では、スタンドオフアームは、例えば取り外し可能な固定具によって、さらなる対象物をスタンドオフアームに接続するように適合されている接続部分を備えている。このような対象物は、例えば特許文献1に開示されている屈曲した構成部品である。また、当該対象物は、例えば両方のスタンドオフアームに取り外し可能に固定することができる横方向部材である。
【0013】
より好ましい実施例では、ラダースタイルは、管状のラダースタイルであり、受容空間それぞれが、管状のラダースタイルの上側部分の内部に形成されている。
【0014】
他の実施例では、受容空間は、ラダースタイルとは異なる受容部材、例えばラダースタイルに取り外し可能に又は永続的に固定することができる部材によって形成されている。
【0015】
他の実施例では、ラダースタイルそれぞれが、当該ラダースタイルの長さ方向に沿って凹状の外側部分を有しており、例えばU字状の断面を有しており、凹状の外側部分は、ラダースタイルに形成されている受容空間を形成している。
【0016】
最も好ましい実施例では、ラダーが、入れ子式で伸縮可能な携行式ラダーであり、上側ラダーセクションと複数のさらなるラダーセクションとを有しており、さらなるラダーセクションそれぞれが、互いに対して平行に配置されていると共にラダー足場を介して相互接続されている、2つのスタイル部材を有しており、さらなるラダーセクションそれぞれのスタイル部材が、隣り合うラダーセクションのスタイル部材内部に入れ子式で挿入されており、ラダーが、さらなるラダーセクションが伸展している場合に入れ子式で挿入されたスタイル部材を互いに対してロックするためのラッチ機構を備えており、スタンドオフアーム組立体それぞれのための受容空間が、上側ラダーセクションのスタイル部材に形成されている、ラダーとされる。
【0017】
このようなラダーは、例えば特許文献2に開示されている入れ子式ラダーに基づいている。
【0018】
好ましくは、ラダーが、傾斜スタンドオフ位置においてスタンドオフアームそれぞれをロックするように適合されているロック機構を含んでいる。このことは、例えば傾斜スタンドオフ位置においてスタンドオフアームをラダーのスタイルに直接取り付けるための、利用者が操作可能なロック機構によって形成されている。
【0019】
好ましい実施例では、スタンドオフアーム組立体それぞれが、ヒンジそれぞれに設けられていると共にスタンドオフアームの傾斜スタンドオフ位置においてヒンジをロックするように適合されている。好ましくは、ヒンジロック機構、好ましくは傾斜スタンドオフ位置においてのみヒンジをロックするように適合されている。
【0020】
好ましい実施例では、ヒンジが、スタンドオフアームが伸展位置に位置していると共にスタンドオフアームがベース部分と一直線に配置されている状態において、特にラダーが直立状態で保持されている場合に、スタンドオフアームが不安定な状態にあるように構成されており、これにより、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に向かって自動的に傾く。例えば、ヒンジは、例えばスタンドオフアーム同士が横方向部材を介して相互接続されている場合、ラダーが立向姿勢で保持されている場合であっても、スタンドオフアームの重心及びスタンドオフアームに接続されている任意の部品の重心を通過する垂直線からオフセットされているヒンジ軸線を有している。これにより、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に向かって傾けることができる。
【0021】
好ましい実施例では、ヒンジロック機構が、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に到達した場合にヒンジを自動的にロックし、ヒンジロック機構が、ヒンジのロックを解除するための、利用者が操作可能なアクチュエータを含んでいる。これにより、利用者は、忘れずにヒンジをロックすることができる。自動ロックは、伸展位置においてスタンドオフアームを不安定な状態にするヒンジとの組み合わせることによってさらに優位となる。
【0022】
好ましくは、ヒンジロック機構の利用者が操作可能なアクチュエータが、スタンドオフアームがスタンドオフアーム組立体の収納位置に到達した場合に、受容空間内部に移動するように構成されている。
【0023】
好ましい実施例では、利用者が操作可能なアクチュエータは、例えばスタンドオフアームに凹所が形成されている滑動可能なアクチュエータである。
【0024】
好ましい実施例では、ラダーが、ベース部分に係合することによって伸展位置においてスタンドオフアーム組立体それぞれを係止する、スタンドオフアーム組立体のためのラッチ機構を含んでいる。
【0025】
好ましくは、入れ子式ラダーを利用することによって、スタンドオフアーム組立体のためのラッチ機構が、上側ラダーセクションのラダー足場内に収容されている。例えば、ラッチ機構は、一方のラダーセクションを他方のラダーセクションに対して係止するための既知のラッチ機構であって、例えばスタイル部材を互いに対してロックするためにスタイル部材内部に延伸可能なバネ装填式ラッチ部材を、足場の端部それぞれに含んでいる既知のラッチ機構に類似している場合がある。好ましくは、ラッチ機構は、ラッチ機構を操作するための1つ又は2つの利用者が操作可能なアクチュエータを含んでいる。例えば、2つのアクチュエータは、ラダーの足場の中央(好ましくは前方)に配置されており、利用者の片手による操作によって同時に操作可能とされる。
【0026】
好ましい実施例では、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に位置している状態において、ベース部分が、受容空間それぞれの内部において回転可能とされ、これにより、スタンドオフアームが、非平行な姿勢で、好ましくは末広がりの姿勢で配置される。ベース部分が管状のスタイルの頂端部分内に受容された場合には、この回転軸線は、好ましくはスタイルの長手方向軸線に対して平行とされるか、又は当該長手方向軸線と一致している。
【0027】
スタンドオフアーム組立体のためのラッチ機構が、スタンドオフアーム同士が非平行な姿勢のみにおいて、好ましくは末広がりの姿勢においてのみ、伸展されたスタンドオフアームそれぞれを係止するように構成されている。
【0028】
好ましい実施例では、スタンドオフ装置が、スタンドオフアームに接続されている接続部分、好ましくは端部分と、接続部分同士の間に位置している中央部分とを有している横方向部材を含んでおり、接続部分が、好ましくはスタンドオフアームの自由端に接続されている。一般に、横方向部材は、例えば壁、ポール、マスト、柱、建築物の角部等のような対象物に当接して配置されるように機能する。
【0029】
一の実施例では、中央部分は接続部分と一体化されている。
【0030】
接続部分が端部分として形成されている状態において、横方向部材はスタンドオフアームを越えて延在していないことが望ましい。しかしながら、横方向部材が、スタンドオフアーム同士の間の距離よりも長く、例えばスタンドオフアームそれぞれを越えて外方に延在している場合もある。
【0031】
好ましい実施例では、横方向部材のうち少なくとも中央部分が、スタンドオフアーム組立体が収納位置に位置している場合にラダーの最上段の足場に当接して、好ましくはラダー足場の上に配設されるように構成されている。これにより、スタンドオフ装置を利用しない場合であっても、スタンドオフ装置を利用する場合と同様に、ラダーの格納性が高められる。
【0032】
好ましい実施例では、横方向部材は、接続部分同士の間において長さを変更可能な構造を有している。以下に説明するように、このように長さが変更可能な構造は、幾つかの目的に適合しており、多くの異なる配置構成によって実現可能とされる。
【0033】
好ましい実施例では、横方向部材が、接続部分同士の間において少なくとも、その長さを変更可能な構造を有している。好ましくは、中央部分が、接続部分それぞれと入れ子式で相互接続している中央部分として形成されている。
【0034】
実施可能な実施例では、接続部分それぞれが、スタンドオフアームそれぞれに固定されている、例えば回転可能に接続されている1つ以上のロッド、例えば2つの平行なロッドを含んでおり、1つ以上のロッドが、中央部分によって滑動可能に保持されており、中央部分の対応する開口部を貫通して延在している。ロッドは、金属製、例えばステンレス鋼製である。
【0035】
好ましい実施例では、横方向部材の中央部分が可撓性を有しており、これにより中央部材に局所的に荷重を作用させる対象物、例えばポールや建築物の角部等に立て掛けられた場合に屈曲する。このことは、例えば横方向部材の少なくとも一部分を熱可塑性ゴム材料から作ることによって実現される。
【0036】
一般に、横方向部材が、高剛性な中央部分と同様に、その外側部分において、熱可塑性ゴムから作られている1つ以上の部分を含んでおり、好ましくは、横方向部材の少なくとも中央部分が、熱可塑性ゴムから少なくとも部分的に作られている外側部分を有しており、接続部分も、熱可塑ゴムから少なくとも部分的に作られている外側部分を有している。
【0037】
一の実施例では、スタンドオフアームが、横方向部材に設けられた接続部分の一部分である端部キャップを有しており、横方向部材が、熱可塑性ゴムから少なくとも部分的に作られている外側部分を有している。
【0038】
スタンドオフアームの収納位置に位置する横方向部材が足場の上に配置されるという特徴と組み合わされて、横方向部材の少なくとも外側部分が熱可塑性ゴムから作られている実施例では、このような外側部分が弾性フェンダーとして機能する点において優位である。
【0039】
好ましい実施例では、ラダーが、物品格納バッグを含んでおり、スタンドオフ装置と物品格納バッグとが、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に位置している状態において、物品格納バッグをスタンドオフ装置から吊るすことを可能とする、協働する固定手段を有しており、横方向部材の中央部分が設けられている場合には、中央部分が、物品格納バッグと協働する固定手段を有している。当業者にとっては言うまでもなく、例えば入れ子式ラダーでは、スタンドオフ装置が展開され、(既に設けられている場合には)物品格納バッグが装着される。その後に、利用者は、物品格納バッグ内に例えば工具のような物品を置いた後に、入れ子式ラダーを伸展させることができる。
【0040】
好ましくは、物品格納バッグは網から作られており、これにより内容物を下方から目視することができる。
【0041】
物品格納バッグとラダーの最上段のラダー足場とが、物品格納バッグを最上段のラダー足場から吊るすために協働する固定手段を有している。最も好ましくは、物品格納バッグが、最上段のラダー足場に接近して且つ最上段のラダー足場に沿って延在している直線状の上側縁部を有しており、上側縁部が、例えば外殻部材によって補剛されている。これにより、物品が足場と物品格納バッグとの間の間隙内に落下することを防止することができる。
【0042】
実施可能な実施例では、物品格納バッグが、スタンドオフアーム組立体が収納位置に位置している状態において、ラダーに接続された状態を維持するように構成されている。
【0043】
また、本発明の第1の実施態様は、請求項21に規定する入れ子式で伸縮可能な携行式ラダーに関する。
【0044】
また、本発明の第1の実施態様は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーの上側領域に固定されるように適合されている、請求項22に規定するスタンドオフ装置を備えたラダーの付属品に関する。
【0045】
一の実施例では、スタンドオフ装置のラダーの付属品は、携行式ラダーの上側領域に固定されるように適合されている主要構造体を備えており、主要構造体は、スタンドオフアーム組立体それぞれのための受容空間を備えている。
【0046】
また、本発明の第1の実施態様は、請求項22に規定するラダーの付属品と、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーとの組み合わせに関する。
【0047】
本発明の第2の実施態様は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーであって、ラダーが、ラダーの上側端部領域にスタンドオフ装置を備えており、スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアームを備えており、スタンドオフアームそれぞれが、スタイルそれぞれに可動に取り付けられており、スタイルそれぞれに対して平行な位置と傾斜スタンドオフ位置との間において第1の軸線を中心として少なくとも回動可能とされ、スタンドオフ装置が、スタンドオフアームに接続されている横方向部材を備えている、携行式ラダーに関する。横方向部材が、スタンドオフアームに接続されている接続部分、好ましくは端部分と、接続部分同士の間に位置している中央部分とを有しており、接続部分が、好ましくはスタンドオフアームの自由端に接続されている。
【0048】
本発明の第2の実施態様におけるラダーでは、スタンドオフアームは、本発明の第1の実施態様における横方向部材を備えている入れ子式スタンドオフアームとして構成されている。しかしながら、ラダーとスタンドオフアームとの間において回動可能な接続部分を備えていれば、他の構成であっても良い。例えば、スタンドオフアームそれぞれが、ラダーの足場に対して平行な軸線を有しているヒンジを介して、ラダースタイルに、例えばラダースタイルの頂端部に固定されている。この場合、スタンドオフアームは、格納するために、占有する空間を比較的小さくするようにラダースタイルに対して平行に並列して位置決めされている。横方向部材と共にスタンドオフアームを下方に回動させることによって、傾斜スタンドオフ位置に到達する。
【0049】
本発明の第2の実施態様の目的は、ラダーの格納状態を比較的小さくすること、及び、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に展開された状態においてラダーの支持を安定させることである。
【0050】
本発明における第2の実施例は、当該目的を達成するために、スタンドオフアームそれぞれが、スタイルの長手方向軸線に対して平行とされる又はスタイルの長手方向軸線と一致している第2の軸線であって、第1の軸線と相違する第2の軸線を中心としてスタイルそれぞれに対して相対的に回動可能とされる、ラダーを提供する。このようなラダーによって、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に位置している場合に、相互に相違する姿勢同士の間において、例えば平行な姿勢と非平行な姿勢、好ましくは末広がりの姿勢との間においてスタンドオフアームが移動可能とされる。また、横方向部材が自身の接続部分同士の間において長さを変更可能な構造を有しているので、第2の軸線を中心としてスタンドオフアームを回動させることができる。
【0051】
本発明の第2の実施態様は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーであって、ラダーが、ラダーの上側端部領域にスタンドオフ装置を備えており、スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアームを備えており、スタンドオフアームそれぞれが、スタイルそれぞれに可動に取り付けられており、スタイルそれぞれに対して平行な位置と傾斜スタンドオフ位置との間において第1の軸線を中心として少なくとも回動可能とされ、スタンドオフ装置が、スタンドオフアームに接続されている横方向部材を備えている、携行式ラダーにおいて、
スタンドオフアームそれぞれが、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に位置している場合に、相互に相違する姿勢同士の間において、例えば平行な姿勢と非平行な姿勢、好ましくは末広がりの姿勢との間においてスタンドオフアームが移動可能とされ、
横方向部材が、自身の接続部分同士の間において長さを変更可能な構造を有しており、これにより第2の軸線を中心としてスタンドオフアームを回動させることができる、携行式ラダーに関する。
【0052】
適切な実施例では、これにより、第2の軸線を中心として回転させることができない場合よりもさらに離隔した位置にスタンドオフアームの自由端を位置決めすることができる。
【0053】
例えば、第1の軸線を備えているヒンジは、取り外し可能な状態又は固定状態で、ラダースタイルの上側端部に回転可能に取り付けられている一部分を有しており、ラダースタイルに対して平行な又はラダースタイルと一致している第2の軸線を中心として回転させることできる。
【0054】
また、本発明の第2の実施態様は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携帯型ラダーの上側領域に固定されるように適合されている、スタンドオフ装置を備えたラダーの付属品であって、ラダーの付属品が、2つのスタンドオフアーム組立体を備えており、スタンドオフアーム組立体それぞれが、ラダー及び2つのスタンドオフアームに固定可能な主要構造体を備えており、スタンドオフアームそれぞれが、ラダーのスタイルに対して平行な位置と傾斜スタンドオフ位置との間において第1の軸線を中心として少なくとも回動可能とされ、ラダーの付属品が、スタンドオフアームに接続されている横方向部材を含んでいる、ラダーの付属品において、
スタンドオフアームそれぞれが、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に位置している場合に、相互に相違する姿勢同士の間において、例えば平行な姿勢と非平行な姿勢、好ましくは末広がりの姿勢との間においてスタンドオフアームが移動可能とされ、
横方向部材が、自身の接続部分同士の間において長さを変更可能な構造を有しており、これにより第2の軸線を中心としてスタンドオフアームを回動させることができる、携行式ラダーに関する。
【0055】
また、本発明の第2の実施態様は、上述のラダーの付属品と、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーとの組み合わせに関する。
【0056】
本発明の第2の実施態様におけるラダー及びラダーの付属品は、本発明の第1の実施態様に関連して既に説明した特徴のうち1つ以上の特徴を付加的に有している場合がある。例えばヒンジの構造、ヒンジロック装置、及び/又は横方向部材の構造が、当該特徴のうち1つ以上の特徴を含んでいる場合がある。
【0057】
本発明の第3の実施態様は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーであって、ラダーが、ラダーの上側端部領域にスタンドオフ装置を備えており、スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアームを備えており、スタンドオフ装置が、スタンドオフアームに接続されている接続部分、好ましくは端部分を有している横方向部材と、接続部分同士の間に配置されている中央部分とを備えており、好ましくは接続部分が、スタンドオフアームの自由端に接続されている、携行式ラダーに関する。
【0058】
本発明の第3の実施態様の目的は、改良された横方向部材を提供すること、又は少なくとも既存の横方向部材の有用な代替物を提供することである。
【0059】
本発明の第3の実施態様は、当該目的を達成するために、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーであって、ラダーが、ラダーの上側端部領域にスタンドオフ装置を備えており、スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアームを備えており、スタンドオフ装置が、スタンドオフアームに接続されている横方向部材を含んでいる、携行式ラダーにおいて、横方向部材が、横方向部材の長さを変更可能な構造を有している、携行式ラダーを提供する。本発明の第1の実施態様におけるラダーの長さを変更可能な構造を有している横方向部材に関して既に説明したように、横方向部材の長さを変更可能なことによって、例えば横方向部材がポール、マスト、樹木、又は建築物の角部に立て掛けられた場合に関連して、横方向部材が立て掛けられる対象物に対して横方向部材を適応させることができる。
【0060】
長さを変更可能な横方向部材の好ましい実施例については、本発明の第1の実施形態に関連して既に説明されている。
【0061】
また、本発明の第3の実施形態は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーの上側領域に固定されるように適合されている、スタンドオフ装置を備えたラダーの付属品であって、ラダーの付属品が、2つのスタンドオフアームを備えており、ラダーの付属品が、スタンドオフアームに接続されている横方向部材を含んでおり、横方向部材が、横方向部材の長さを変更可能とする構造を有している、ラダーの付属品に関する。
【0062】
また、本発明の第3の実施態様は、上述のラダーの付属品と、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーとの組み合わせに関する。
【0063】
本発明の第4の実施形態は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーであって、ラダーが、ラダーの上側端部領域にスタンドオフ装置を備えており、スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアームを備えており、スタンドオフアームそれぞれが、格納位置とスタンドオフ位置との間において移動可能にスタイルそれぞれに対して取り付けられており、スタンドオフ装置が、スタンドオフアームに接続されている、好ましくはスタンドオフアームの自由端に接続されている横方向部材を含んでいる、携行式ラダーに関する。横方向部材が、中央部分と、スタンドオフアームに接続されている接続部分、例えば端部分とを含んでいる場合がある。
【0064】
スタンドオフ装置を備えた既知のラダーの欠点は、ラダーが格納された場合又はスタンドオフ装置が展開されていない場合に、例えば必要な格納スペースの観点から及び/又はスタンドオフ装置が展開していない状態においてラダーを利用するという観点から、横方向部材がある種の障害物となることである。このために、スタンドオフ装置は、ラダーから取り外し可能な付属品として作られている場合がある。しかしながら、実際には、作業員は、そのような付属品の取り外しには余計な労力及び時間を要するので、当該付属品を取り外そうとはしないだろう。
【0065】
本発明の第4の実施形態の目的は、スタンドオフ装置が展開されていないがラダーに設けられている場合に(付属品が固定式か取り外し式かに関わらず)横方向部材が上述のような障害物にならない、ラダーを提供することである。
【0066】
本発明の第4の実施形態は、当該目的を達成するために、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーであって、ラダーが、ラダーの上側端部領域にスタンドオフ装置を備えており、スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアームを備えており、スタンドオフアームそれぞれが、格納位置とスタンドオフ位置との間において移動可能にスタイルそれぞれに対して取り付けられており、スタンドオフ装置が、横方向部材を含んでおり、横方向部材が、中央部分と、スタンドオフアームに接続されている接続部分、例えば端部分とを含んでいる、携行式ラダーおいて、
横方向部材の少なくとも中央部分が、スタンドオフアームが格納位置に位置している場合にラダーの最上段の足場に、好ましくは最上段の足場の上に配置されるように構成されている、携行式ラダーを提供する。
【0067】
当業者であれば理解可能なように、スタンドオフ装置が展開されていない場合に、スタンドオフアームの横方向部材が最上段のラダー足場に対して、好ましくは最上段のラダー足場の上にこのように位置決めされるのであれば、本発明の第1の実施態様における入れ子式スタンドオフアーム組立体でなくても、スタンドオフアームは、多様な他の構成とすることができる。例えばスタンドオフアームは、ラダーの頂端部の下方に所定距離で離隔した定位置において、スタイルそれぞれにヒンジを介して直接接続されている。この所定距離は、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置から格納位置に向かって上方にラダーのスタイルに沿って回動する場合に、横方向部材が最上段のラダー足場に対する又は最上段のラダー足場の上の所定位置に位置するように定められている。
【0068】
言うまでもなく、横方向部材が、好ましい実施例では、本発明の第1の実施形態に関連して説明した特徴のうち1つ以上の特徴を有している場合がある。例えば、横方向部材が、スタンドオフ装置が展開されていない場合にラダーの頂部のための弾性フェンダーとなるように、熱可塑性ゴムから作られている1つ以上の外側部分を有している場合がある。
【0069】
また、本発明の第4の実施態様は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携帯型ラダーの上側領域に固定されるように適合されている、スタンドオフ装置を備えたラダーの付属品であって、ラダーの付属品が、ラダー及び2つのスタンドオフアームに固定可能な主要構造体を備えており、スタンドオフアームそれぞれが、格納位置と傾斜スタンドオフ位置との間において主要構造体に移動可能に取り付けられており、横方向部材が、中央部分と、スタンドオフアームに接続されている接続部分、例えば端部分とを含んでおり、ラダーの付属品がラダーに固定されている状態において、横方向部材の少なくとも中央部分が、スタンドオフアームが格納位置に位置している場合にラダーの最上段の足場に、好ましくは最上段の足場の上に配置されるように構成されている、ラダーの付属品に関する。
【0070】
また、本発明の第4の実施態様は、上述のラダーの付属品と、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーとの組み合わせに関する。
【0071】
本発明の第5の実施態様は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーであって、ラダーが、ラダーの上側端部領域にスタンドオフ装置を備えており、スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアームを備えており、スタンドオフアームそれぞれが、格納位置とスタンドオフ位置との間においてスタイルそれぞれに移動可能に取り付けられており、場合によっては、スタンドオフ装置が、スタンドオフアームに接続されている、好ましくはスタンドオフアームの自由端に接続されている横方向部材を含んでいる、携行式ラダーに関する。
【0072】
一般に、スタンドオフ装置は、ラダーに載っている作業者が容易に作業活動を実施可能となるように、ラダーが立て掛けられる対象物、例えば壁からラダーの頂端部を離隔するために利用される。
【0073】
作業活動には、他の物品、例えばネイル、スクリュー、ハンマー、スクリュードライバ等の利用が必要とされる。ラダーバッグをラダー足場から吊るすことが知られている。
【0074】
本発明の第5の実施態様の目的は、既知のラダーバッグに対する改善、又は少なくとも有用な代替物を提供することである。
【0075】
本発明の第5の実施態様は、当該目的を達成するために、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーであって、ラダーが、ラダーの上側端部領域にスタンドオフ装置を備えており、スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアームを備えており、スタンドオフアームそれぞれが、格納位置とスタンドオフ位置との間においてスタイルそれぞれに移動可能に取り付けられており、場合によっては、スタンドオフ装置が、スタンドオフアームに接続されている横方向部材を含んでおり、ラダーが、物品格納バッグを含んでおり、スタンドオフ装置と物品格納バッグとが、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に位置している状態において、物品格納バッグをスタンドオフ装置から吊るすことを可能とする、協働する固定手段を含んでおり、例えば横方向部材の中央部分が設けられている場合に、横方向部材の中央部分が、物品格納バッグと協働する固定手段を有している、携行式ラダーを提供する。
【0076】
言うまでもなく、スタンドオフ装置は、本発明の他の実施態様のうち1つ以上の実施態様に関連して説明された特徴のうち1つ以上の特徴を有している場合がある。
【0077】
また、本発明の第5の実施態様は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーの上側領域に固定されるように適合されている、スタンドオフ装置を備えたラダーの付属品であって、ラダーの付属品が、ラダー及び2つのスタンドオフアームに固定される主要構造体を備えており、スタンドオフアームそれぞれが、格納位置とスタンドオフ位置との間において主要構造体に移動可能に取り付けられており、場合によっては、ラダーの付属品が、スタンドオフアームに接続されている横方向部材を含んでおり、ラダーの付属品が、物品格納バッグを含んでおり、スタンドオフ装置と物品格納バッグとが、スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に位置している状態において、物品格納バッグをスタンドオフ装置から吊るすことを可能とする、協働する固定手段を含んでおり、例えば横方向部材の中央部分が設けられている場合には、横方向部材の中央部分が、物品格納バッグと協働する固定手段を有している、ラダーの付属品に関する。
【0078】
また、本発明の第5の実施態様は、上述のラダーの付属品と、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーとの組み合わせに関する。
【0079】
本発明の第6の実施態様は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長い管状のスタイルを有している携行式ラダーであって、ラダーが、ラダーの上側端部領域にスタンドオフ装置を備えており、スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアームを備えており、スタンドオフアームそれぞれが、ラダーの管状のスタイルそれぞれの中に格納されると共に、スタンドオフ装置を利用するためにスタイルから完全に引き出すことができるように適合されており、ラダーが、ラダーの上側領域において、好ましくはスタイルそれぞれの上側端部又はその近傍において、スタンドオフアームそれぞれのための接続部分を含んでおり、スタンドオフアームと接続部分とが、スタンドオフアームを接続部分に係止するために協働するラッチ手段を有しており、利用者が、ラダーを利用することによって、管状のスタイル内の格納位置からスタンドオフアームそれぞれを引出し可能となり、接続部分が、傾斜スタンドオフ位置においてラダーのスタイルに対してスタンドオフアームを保持するように適合されている、携行式ラダーに関する。
【0080】
好ましくは、接続部分が固定式ブラケットとされる。好ましくは、接続部分が、スタンドオフアームの端部を受容するための挿入開口部を含んでおり、利用者は、スタンドオフアームを挿入開口部に挿入することができる。
【0081】
実施可能な実施例では、接続部分が、ラダーのスタイルに対して移動可能であり、例えばラダーのスタイルの長手方向軸線に対して平行な軸線又はラダーのスタイルの長手方向軸線と一致する軸線を中心として回転可能とされるので、例えば平行な姿勢と非平行な姿勢、例えば末広がりの姿勢との間においてスタンドオフアーム同士が成す角度を変化させることができる。
【0082】
実施可能な実施例では、スタンドオフ装置が、スタンドオフアーム同士の間に横方向部材を含んでいる。
【0083】
実施可能な実施例では、接続部分が、スタンドオフアームを回動可能とするヒンジを含んでいる。場合によっては、接続部分はヒンジ部分を含んでおり、ヒンジ部分は、スタンドオフアームのための案内手段、例えばスタンドオフアームが貫通して延在しているボアを有している。ヒンジ部分は、案内手段が管状のスタイルと一直線上に配置されている格納位置と傾斜スタンドオフ位置との間において回動可能とされ、ヒンジ部分の格納位置において、スタンドオフアームそれぞれが、案内手段と協働し、例えばボアを貫通してラダーのスタイル内部に延在している。そして、ヒンジ部分が格納位置に位置している状態において、スタンドオフアームがスタイルから完全に引き出されることによって、スタンドオフアームの端部分が、ヒンジ部分の案内手段、例えばボアによって保持された状態を維持し、ヒンジ部分が、傾斜スタンドオフ位置に至るまで回動可能とされ、好ましくはロック機構が、傾斜スタンドオフ位置においてヒンジ部分をロックするために設けられている。
【0084】
本発明の第7の実施形態は、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長い管状のスタイルを有している携行式ラダーであって、ラダーが、ラダーの上側端部領域にスタンドオフ装置を備えており、スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアームを備えており、スタンドオフアームそれぞれが、端部キャップを備えており、スタンドオフアームそれぞれが、端部キャップがスタイルの上側端部に配置されるように、ラダーの管状のスタイルそれぞれの中に格納されるように適合されている、携行式ラダーに関する。
【0085】
好ましくは、スタンドオフ装置は、スタンドオフアームの端部キャップ同士の間において延在している横方向部材を含んでいる。そして、格納位置において、横方向部材は、好ましくはラダーの最上段の足場に、最も好ましくはラダーの最上段の足場の上に配置されている。
【0086】
本発明は、言うまでもなく、本発明の実施態様を任意に組み合わせたものを備えているラダー又はラダーの付属品にも関連する。
【0087】
また、本発明は、本発明の実施態様のうち1つ以上の実施態様におけるラダー又はラダーの付属品を製造するための方法に関する。
【0088】
また、本発明は、本発明の実施態様のうち1つ以上の実施態様におけるラダー又はラダーの付属品を利用する昇降方法に関する。
【0089】
本発明の実施態様については、図面に表わす本発明におけるラダーの好ましい実施例を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1a】本発明におけるスタンドオフ装置及び物品格納バッグを備えている入れ子式ラダーの上側ラダーセクションの概略的な斜視図である。
【図1b】スタンドオフアーム組立体が収納位置に位置している場合における、図1aに表わす上側ラダーセクションを表わす。
【図1c】スタンドオフアーム組立体が伸展位置に位置している場合における、図1aに表わす上側ラダーセクションを表わす。
【図2】別角度から見た、図1aに表わす上側ラダーセクションを表わす。
【図3】図1aに表わす上側ラダーセクションの前面図である。
【図4】図1aに表わす上側ラダーセクションの上面図である。
【図5】図1aに表わす上側ラダーセクションのスタイル部材と関連するスタンドオフアーム組立体との線画である。
【図6】図5の部分断面図である。
【図7】図1aに表わす上側ラダーセクションを上方から見た場合の部分断面図である。
【図8】代替的な長さ可変な横方向部材の下面図である。
【図9】本発明におけるラダーの付属品の一例である。
【図10】本発明におけるラダーの他の実施例の一例である。
【図11】本発明におけるラダーのさらなる他の実施例の一例である。
【図12a】本発明におけるラダーのさらなる他の実施例の詳細図である。
【図12b】本発明におけるラダーのさらなる他の実施例の詳細図である。
【図12c】本発明におけるラダーのさらなる他の実施例の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
図1A〜図7は、入れ子式で伸縮可能な携行式ラダーの上側ラダーセクション1のみを表わす。このラダーは、多数のさらなるラダーセクションを有している。ラダーセクションそれぞれが、互いに対して並行であると共にラダー足場4を介して相互に接続されている2つの管状のスタイル部材2,3を有している。ラダーセクションそれぞれのスタイル部材は、隣り合うラダーセクションのスタイル部材内に入れ子式で挿入されている。ラダーは、ラダーセクションが伸展した場合に、入れ子式で挿入されているスタイル部材同士を互いに対してロックするためのラッチ機構を備えている。上述のように、特許文献2や特許文献3には、このように構成されている入れ子式ラダーが開示されている。
【0092】
本発明における実施態様がこのようなラダーに限定される訳ではないことに留意すべきである。他の入れ子式構造を有するラダー又は高剛性で入れ子式でないラダーであっても、本発明における1つ以上の実施態様から利益を受けている。しかしながら、本発明における1つ以上の実施態様を当該入れ子式ラダーに組み込むことは、例えば格納するためにこれらラダーを小型化することを望む場合に、非常に有益であると考えられている。
【0093】
上側ラダーセクション1が、“展開された状態”においてラダーが立て掛けられている対称物からラダーの頂端部を離隔させることができる、スタンドオフ装置8を備えている。
【0094】
スタンドオフ装置8は、2つのスタンドオフアーム組立体10,11と横方向部材20(cross member)とを備えている。横方向部材20がスタンドオフ装置に設けられている必要はないが、設けられていることが望ましいことに留意すべきである。横方向部材20は、スタンドオフ装置の一体的且つ取外不可能な部品であることが最も望ましいが、必要に応じて利用者によってスタンドオフアームに装着される別部品であっても良い。
【0095】
スタンドアーム組立体10,11それぞれは、上側ラダーセクション1の管状のスタイル部材2,3それぞれの上側端部において、中空状の空間内に入れ子式で受容されるので、スタイル部材に対して伸縮自在に移動可能である。
【0096】
好ましい実施例では、スタンドアーム組立体10,11は、横方向部材20との接続部分が形成されているスタンドアーム組立体の自由端部分を除いて、入れ子式ラダーのスタイル部材それぞれに完全に受容される。
【0097】
スタンドアーム組立体10,11それぞれが、ベース部分10a,11aとスタンドオフアーム10b,11bとを有している。ベース部分10a,11aとスタンドオフアーム10b,11bとが、ヒンジ12,13を介して相互接続されており、ヒンジ12,13によって、スタンドオフアーム10b,11bが、ベース部分10a,11aと一直線上に配置されている位置(図1c参照)とベース部分10a,11aに対して傾斜している傾斜スタンドオフ位置(図1a及び図2〜図7参照)との間において回動軸線12a,13aを中心として回動可能とされる。
【0098】
スタンドオフアーム組立体10,11それぞれが、図1cに表わすように、“スタンドオフアーム組立体10,11の伸展位置において、すなわちスタンドオフアーム組立体10,11が適切な長さでスタイル部材2,3から引き出された場合に”、ヒンジ12,13は、ベース部分10a,11aの少なくとも一部分がスタイル部材2,3内に配置されている状態において、上側ラダーセクション1のスタイル部材2,3の外側に配置されるように構成されている。
【0099】
また、スタンドオフアーム組立体10,11それぞれが、図1bに表わすように、“スタンドオフアーム組立体10,11の収納位置において、すなわちスタンドオフアーム組立体10,11がスタイル部材2,3内部に押し込まれているか又は降下されている場合に”、ベース部分10a,11aとヒンジ12,13とが、スタンドオフアーム10b,11bの少なくとも一部分と同様に、スタイル部材内部に配置されるように構成されている。当該実施例では、スタンドオフアーム10b,11bの大部分がスタイル部材2,3内に受容されていること、すなわち、スタンドオフアーム10b,11bの自由端部分のみが例えば数センチメートルの長さでスタイル部材2,3の外側に突出していることが望ましい。当該実施例では、スタンドオフアーム10b,11bそれぞれの自由端部分における当接面30a,35aは、スタンドオフアームの端部キャップ22,23によって形成されており、スタイル部材2,3の上側端部に当接するので、完全収納位置を規定している。
【0100】
好ましくは、スタンドアーム組立体10,11は、容易な滑動を実現する遊隙を以ってスタイル部材2,3それぞれに収納される。
【0101】
好ましい実施例では、ヒンジ12が、例えば強化プラスチック材料のようなプラスチック材料から作られている。
【0102】
好ましい実施例では、スタンドオフアーム10b,11bが、例えばアルミニウム製の管状アームとされる。好ましくは、ヒンジ12,13それぞれが、スタンドオフアーム10b,11bそれぞれの内部に延在している固定部分を有している。
【0103】
好ましい実施例では、ヒンジ12,13は、例えば強化プラスチック材料のようなプラスチック材料から作られている、ベース部分10a,11aと一体になっている部分を有している。
【0104】
スタンドオフアーム10b,11bをスタンドオフ位置にロックするためのロック機構が設けられている。好ましくは、ヒンジロック機構は、ヒンジ12,13それぞれに設けられており、スタンドオフアームの傾斜スタンドオフ位置においてヒンジ12,13をロックするように適合されているので(図面参照)、傾斜スタンドオフ位置においてスタンドオフアーム10b,11bを確実に保持することができる。
【0105】
図示しない他の実施例では、ヒンジに設けられていないロック機構が装備されており、例えばストラット部材が、スタンドオフアームとラダーの一部分、例えばラダーのスタイル部材との間において斜方向に延在している。
【0106】
好ましくは、ヒンジロック機構15は、スタンドオフアーム10b,11bのスタンドオフ位置においてのみロック機能を実現するように構成されている。これによって、利用者は、例えば追加的な足場(rung)として横方向部材20を利用する必要が無くなるので、スタンドオフアーム10b,11bがベース部分10a,11aと一直線上に配置された場合にヒンジ12,13もロックするか否か決定することができる。
【0107】
好ましくは、ヒンジ12,13は、“スタンドオフアーム10b,11bが伸展位置に位置し、且つ、ベース部分10a,11aと一直線上に配置されている状態において”、スタンドオフアーム10b,11bは不安定であり、特にラダーが直立状態で保持されている場合に、スタンドオフアームが自ずと傾斜スタンドオフ位置に至るまで傾くように構成されている。
【0108】
特に図5及び図6では、ベース部分とスタンドオフアームとが一直線上に配置された場合に、ヒンジ軸線12aは、スタンドオフアーム組立体10の長手方向中心軸線に対してラダーの手前側に向かってオフセットされた状態で配置されている。ラダーが直立状態で保持されている場合には少なくとも、スタンドオフ装置の回動可能な部分の重心がヒンジ軸線12aの後方に位置しているので、回動可能な部分が自ずとスタンドオフ位置に向かって降下する。
【0109】
当該実施例では、スタンドオフアームが自身の傾斜スタンドオフ位置に到達した場合に、ヒンジロック機構15が自動的にヒンジをロックするので、利用者が一切の操作をする必要なく、スタンドオフアームを固定スタンドオフ位置に到達させることができる。
【0110】
図6では、当該実施例においてピンとされる可動式ロック部材15aは、スタンドオフアーム10b内部において可動に保持されており、例えばバネによってロック位置に向かって付勢されている。当該実施例では、可動式ロック部材15aは、管状のスタンドオフアームに設けられたヒンジ12の一部分に形成されている、開口部を貫通して延在している。
【0111】
ヒンジロック機構15は、ヒンジによるロックを解除するための、利用者が操作可能なアクチュエータ15bを含んでいる。当該実施例では、滑動式アクチュエータ15bはスタンドオフアームに設けられており、可動式ロック部材15aに接続されている。好ましくは、滑動式アクチュエータ15bはスタンドオフアームの長手方向において移動可能とされる。
【0112】
好ましくは、滑動式アクチュエータ15bは、スタンドオフアーム10b,11bに内蔵されているので、滑動式アクチュエータ15bが、スタンドオフアーム組立体10,11の収納位置においてスタイル部材2,3内に受容可能とされる。
【0113】
好ましい実施例では、足場4は例えばアルミニウムのような金属から作られており、中空に形成されている。
【0114】
好ましい実施例では、足場4が、当該足場の端部それぞれにおいて、プラスチック製の接続要素5,6を介してスタイル部材2,3それぞれの端部に接続されている。このようなプラスチック製の接続要素は特許文献2や特許文献3に開示されている。
【0115】
当該実施例では、プラスチック製の接続要素5,6は、スタイル部材2,3の頂端部を受容しているカラーを含んでおり、当該カラーは、例えばボルト又はネジを締め付けることによってスタイル部材2,3にクランプされる、2つのカラー部分を備えている。
【0116】
好ましい実施例では、上側ラダーセクション1は、自身の伸展位置においてスタンドオフアーム組立体10,11それぞれを係留するためにスタンドオフアーム組立体10,11それぞれのベース部分10a,11aに係合するための、スタンドオフアーム組立体のためのラッチ機構を含んでいる。
【0117】
当該実施例では、スタンドオフアーム組立体のためのラッチ機構は、ラダーの最上段に位置する足場4内に収容されていることが望ましい。
【0118】
スタンドオフアーム組立体のためのラッチ機構は、スタンドオフアーム組立体10,11、特にそのベース部分10a,11aと係合可能とされる可動式ラッチ部材(図示しない)を足場それぞれの端部に含んでいる。例えば可動式ラッチピンが、ベース部分10a,11aに形成された対応するラッチピン用開口部42内部に延在可能なように設けられている。例えば可動式ラッチ部材は、バネによってラッチ位置に向かって付勢されている。このようなスタンドオフアーム組立体のためのラッチ機構は、例えば特許文献2や特許文献3に開示されているテレスコピック式ラダーにおける、ラダーセクションを係止するためのラッチ機構に類似している。
【0119】
好ましい実施例では、可動式ラッチ部材それぞれが、当該実施例ではスライド式ボタンとされる、利用者が操作可能なアクチュエータ41に接続されている。好ましくは、利用者が操作可能なアクチュエータ41の両方が、足場4の手前側において中央に取り付けられている。しかしながら、利用者が操作可能なアクチュエータ41それぞれが、他の位置に、例えばスタイル部材に近接した位置に配置されていても良い。
【0120】
図示の如く、スタンドオフアーム組立体10,11それぞれのベース部分10a,11aは、スタイル部材2,3それぞれの内部において回転可能とされる。これによって、スタンドオフアーム部材10b,11bは、自身のスタンドオフ位置に位置している場合に非平行に末広がりの姿勢で配置可能とされる。このことは、スタンドオフアーム10b,11bを単に外側に押し広げることによって実現される。
【0121】
従って、当該実施例では、スタンドオフアーム10b,11bそれぞれが、当該実施例ではスタイル部材2,3の長手方向中心軸線とされる第2の軸線を中心として、スタイル部材2,3それぞれに対して相対的に回動可能とされる。ここで、第2の軸線は第1の軸線12a,13aと相違する。これによって、スタンドオフアーム10b,11bが傾斜スタンドオフ位置に位置している場合に、“相互に相違する姿勢同士の間において、例えば平行な姿勢と非平行な姿勢、好ましくは末広がりの姿勢との間において”、スタンドオフアーム10b,11bを移動させることができる。以下において説明するように、横方向部材20は、スタンドオフアームのこのような動作を可能とするために自身の長さを変更可能な構造を有している。
【0122】
好ましくは、スタンドオフアーム組立体のためのラッチ機構は、スタンドオフアームがこのように非平行に末広がりの姿勢で配置されている場合にのみ、スタンドオフアーム10b,11bそれぞれを係止するように構成されている。当該実施例では、このことは、このような非平行な配向で開口部42を配置させることによって実現される。
【0123】
より簡便な変形例では、横方向部材20は一定の長さを有しており、端部キャップ22,23と一体になっている場合がある。スタンドオフアーム10b,11bの自由端が横方向部材20の端部に固定されている場合には、スタンドオフアームを末広がりの姿勢に配置することはできない。
【0124】
他の実施例では、横方向部材20は、相互に対して平行に配置されているスタンドオフアーム10b,11b同士の間の距離よりも大きな長さを有しているので、例えばスタンドオフアーム10b,11bそれぞれを越えて側方に延在している。
【0125】
他の実施例では、横方向部材20は、例えば雨どい(gutter)又はホイール付フレームからラダーを吊るすために付加的なスタンドオフ要素を当該横方向部材に固定するように適合されている。
【0126】
末広がりの姿勢においてのみロックされることの利点は、スタンドオフアームを固定するためには利用者は末広がりの姿勢を選択しなくてはならないことである。さらに、好適な実施例では、長さ変更可能な横方向部材20と組み合わせることによって、例えば横方向部材がポールに当接して配置される場合に、当該横方向部材が(ラダーに向かって)内向きに湾曲するという利点がある。この場合には、スタンドオフアーム10b,11bは、互いに向かって傾斜している位置にあると推測される。
【0127】
横方向部材20は、当該実施例ではスタンドオフアームの自由端とされるスタンドオフアームに接続されている、当該実施例では端部とされる接続部分20a,20bを有していることが望ましい。
【0128】
中央部分20cは、端部20a,20bの間において延在しており、端部20a,20bに接続されている。
【0129】
当該実施例では、横方向部材20は、中央部分20cが端部20a,20bそれぞれに対して入れ子式で移動可能な入れ子式構造を有している。
【0130】
当該実施例では、端部20a,20bそれぞれが、その一端においてスタンドオフアーム10b,11bに回動可能に固定されている、当該実施例では2つのロッドとされる1つ以上のロッドを含んでいる。当該ロッドは、中央部分20cによって滑動自在に保持されており、例えば中央部分20cに形成された対応する開口部を貫通して延在している。
【0131】
図面は、伸展状態にある横方向部材20を表わす。完全に収納された状態では、好ましくは、中央部分20cがスタンドオフアームの端部に装着されている端部キャップ22,23同士の間に位置している。より好ましくは、端部キャップ22,23と中央部分20cとがラダーの一の連続的な要素を形成している。最も好ましくは、中央部分20cが端部キャップ22,23と接触している。
【0132】
横方向部材20のうち少なくとも中央部分20cが、スタンドオフアーム組立体10,11が収納位置に位置している場合にラダーの最上段に位置する足場4に当接するように、当該実施例では足場4の上に配置されるように構成されている。
【0133】
好ましくは、中央部分20cは、例えばポールや建築物の角部等のような、荷重を中央部分に局所的に作用させる対象物に当接した場合に撓むように、当該実施例では屈曲するように可撓性を有している。
【0134】
当該実施例では、中央部分20cの本体は、U字状の断面を有していると共に長手方向に延在している形体であり、可撓性材料から、好ましくは熱可塑性ゴムから作られている。当該実施例では、末端ピースが中央部分20cの本体に取り付けられており、1つ以上のロッド20a,20bが当該末端ピースの開口部を貫通して延在している。
【0135】
好ましくは、端部キャップ22,23も熱可塑性ゴムから作られている。
【0136】
中央部分20cの外部の少なくとも一部分と好ましくは端部キャップ22,23の少なくとも一部分とを熱可塑性ゴムから作ることによって、スタンドオフアーム組立体10,11の収納位置において、これらゴム部分がラダーの頂端部のためのフェンダーとして機能するという効果が得られる。また、ゴム部分によって、スタンドオフ装置を利用する場合におけるグリップ力が高められる。
【0137】
また、横方向部材は、その長さを変更可能なように構成されていれば、他の構造であっても良い。例えば、ロッドは、中央部分と例えば弾性部材のようなスタンドオフアームとを相互接続している、弾性を有している接続部材に置き換えられる場合がある。例えば、ロッドは、中央部分を内向きに容易に撓ませることができるように、中央部分の平面に対して直角な方向のうち少なくとも1つの方向において湾曲又は屈曲可能とされる、1つ以上のワイヤ、ロープ、ケーブル、又は鎖に置き換えられる場合がある。
【0138】
例えば、張力調整装置が、端部のうち1つ以上の部材、例えば1つ以上の張力調整用バネの張力を調整するために中央部分に設けられている。図8に表わす代替的な実施例では、端部それぞれが1つ以上の鋼製ワイヤ51,52を含んでおり、当該ワイヤの一方の端部がスタンドオフアーム10b,11bに接続されており、当該ワイヤの他方の端部が1つ以上のバネ53,54を備えている張力調整装置に接続されている。
【0139】
さらに、上側ラダーセクション1は物品格納バッグ60を含んでいる。スタンドオフ装置8と物品格納バッグ60とは、傾斜スタンドオフ位置においてスタンドオフアームを利用することによってスタンドオフ装置から物品貯蔵バッグ60を吊るすことができる、協働する固定手段を有している。
【0140】
当該実施例では、好ましくは、横方向部材20の中央部分20cが、物品格納バッグ60と協働する固定手段61,62を有している。また、物品格納バッグ60とラダーの最上段の足場4とは、最上段の足場4から物品格納バッグ60を吊るすための協働する固定手段65を有している。
【0141】
当該実施例では、物品格納バッグ60の上側縁部は、最上段の足場4に近接して且つ最上段の足場4に沿って直線状に延在している。上側縁部が外殻部材65によって補剛されていることによって、及び、足場4に形成されている長手方向スロット又は長手方向スロット群の内部に外殻部材65が配置、例えば固定されることによって、このことは実現されていることが望ましい。
【0142】
当該実施例では、物品格納バッグ60は、スタンドオフアーム組立体10,11が収納位置に移動した場合であってもラダーに接続された状態を維持するように構成されている。
【0143】
好ましくは、物品格納バッグ60は、物品格納バッグ内に格納されている物品が存在するか否かについて利用者が下方から視認可能なように、少なくとも部分的に透明とされるか、又は少なくとも部分的に網状の材料から作られている。
【0144】
当業者にとっては言うまでもなく、本明細書に記載されている上側ラダーセクションは、入れ子式でない管状スタイル(stile)を有しているラダーと一体化されている場合がある。この場合には、スタイル部材2,3は、例えば入れ子式でない管状スタイルの一部分を形成しているか、又は入れ子式でない管状スタイルの上側端部に受容されている。また、スタイル部材2,3は、例えば入れ子式でないラダーのラダースタイルの側部に装着可能とされる。
【0145】
また、当業者にとっては言うまでもなく、スタイル部材同士の間に位置する上側の足場4を必要に応じて省くことができる。
【0146】
好ましくは、スタイル部材2,3は、当該スタイル部材が正常な状態では入れ子式ラダーから取り外しできないように、入れ子式ラダーのラダースタイル内に受容されているので、上側ラダーセクション1は、ラダーの永続的な部品として形成されている。このことが他のラダーの構成に対しても適用可能であることは明白である。
【0147】
しかしながら、上側ラダーセクション1は、例えば利用しない場合に格納するためにラダーから容易に取り外し可能とされる、スタンドオフ式ラダーの付属品として構成することもできる。このことは、例えば特許文献1に開示されている。
【0148】
図9に表わす実施例では、上側ラダーセクション1は、スタンドオフ式ラダーの付属品1′として、ラダーに取り外し可能に固定されるように構成されている。当該実施例では、管状部材2,3と足場4とが、ラダーの2つの足場に装着可能なブラケット70,71と共に、付属品の主要構造の内部に形成されている。言うまでもなく、このような主要構造に関する多くの他の構成がラダーの付属品のために適用可能である。
【0149】
図10は、本発明におけるラダー100の一部分を表わす。ラダーは、ラダー足場103,104を介して相互接続されている2つの細長い管状のスタイル101,102を含んでいる。当業者にとっては言うまでもないが、図示のラダーは入れ子式ラダーであり、当該入れ子式ラダーは、スタイル部材と最上段の足場104とを含んでいる上側ラダーセクションと、スタイル部材とラダー足場103とを含んでいる少なくとも1つのさらなるラダーセクションとを備えている。また、ラダースタイル101,102が入れ子式でない構成とされる場合がある。
【0150】
図10は、2つのスタンドオフアーム111,112と横方向部材113とを含んでいるスタンドオフ装置110を表わす。当該実施例では、横方向部材113が、スタンドオフアーム111,112の端部において端部キャップ114,115と一体化されている。
【0151】
例えば、端部キャップ114,115と横方向部材113とが、熱可塑性ゴム材料から作られた一体部品として形成されている。横方向部材は、例えば図1a〜図7に表わすような他の構成としても良い。
【0152】
ラダー100では、スタンドオフアーム111,112それぞれが、ラダー100の管状のスタイル101,102それぞれに格納されるように適合されている。図示の構成では明らかなように、端部キャップ114,115それぞれがラダーの頂端部に当接するように機能し、スタンドオフアームの残り部分がスタイル内に格納される。また、当該構成では、スタンドオフ装置が格納されている場合に、横方向部材113が最上段の足場104の上に位置している。
【0153】
利用者は、横方向部材及び/又は端部キャップを把持した状態でスタンドオフ装置を引っ張り、これによりスタンドオフアーム111,112それぞれを完全に引き出し、スタイルから完全に解放することによって、スタンドオフ装置を利用可能な状態とすることができる。このことは、スタンドオフアーム組立体が伸展位置においてスタイル部材すなわち受容部材に接続された状態を維持している、図1a〜図8に表わす実施例とは対照的である。
【0154】
さらに、ラダー100は、自身の上側領域において、当該実施例で表わすように好ましくはスタイル101,102それぞれの上側端部の近傍において、スタンドオフアーム111,112それぞれのための接続部分120,121を備えている。接続部分120,121それぞれが、傾斜スタンドオフ位置においてラダー101,102のスタイルに対してスタンドオフアーム111,112を保持するように適合されている。
【0155】
スタンドオフアーム111,112と接続部分120,121とは、スタンドオフアームを接続部分に係止するための協働するラッチ手段を有している。このことは、利用者がスタンドオフアームの適合可能なアクチュエータ15b、例えばスライド式ボタンを操作することによって接続部分に脱着可能とされる可動式ロック部分15aを備えている、ヒンジロック機構15に類似するラッチ機構によって形成されている。
【0156】
利用者は、ラダー100を利用することによって、当該実施例では横方向部材113と共に、スタンドオフアーム111,112それぞれを収納位置から管状のスタイル内部に収納し、これらスタンドオフアームを接続部分に係止することができる。
【0157】
当該実施例では、接続部分120,121は、固定されたブラケットとして構成されているので、スタイル101,102に対して固定されている。当該実施例では、ブラケット120,121それぞれが、スタンドオフアームのスタンドオフ部分に対応しているスタンドオフアーム111,112の単一の取り付け部分に設けられている。
【0158】
当該実施例では、接続部分120,121それぞれが、スタンドオフアーム111,112の端部を受容するための挿入開口部を含んでおり、スタンドオフアーム111,112は、利用者によって当該挿入開口部に挿入される。
【0159】
代替的な実施例では、接続部分120,121がラダーのスタイルに対して相対的に移動可能とされ、例えば、ラダーのスタイルの長手方向軸線に対して平行な軸線又はラダーのスタイルの長手方向軸線と一致する軸線を中心として回転可能とされ、これにより、例えばスタンドオフアーム同士が成す角度、例えば平行な姿勢と非平行な姿勢、例えば末広がりの姿勢とが成す角度を変化させることができる。このような実施例は、自身の長さを変更可能な横方向部材を利用する場合に優位である。
【0160】
例えば、多数の傾斜スタンドオフ位置を設定可能とされることを望む場合には、接続部分120,121それぞれが、異なるスタンドオフ角度同士の間でスタイルに対して相対的にスタンドオフアームを回動可能なヒンジを含んでいる。好ましくは、選択された傾斜スタンドオフ位置においてスタンドオフアームをロックするためのロック機構が設けられている。
【0161】
図11は、ラダー200の上側部分の概略図である。ラダー200は、2つの管状のスタイル201,202と複数の足場を含んでいる。図11では、最上段の足場203のみが図示されている。ラダーは、入れ子式ラダーであっても入れ子式でない管状のスタイルを備えたラダーであっても良いことは明白である。
【0162】
ラダー200はスタンドオフ装置210を含んでおり、スタンドオフ装置210は、少なくとも2つのスタンドオフアーム211,212と、当該実施例に表わすように好ましくは横方向部材213とを備えている。当該実施例では、横方向部材213は、スタンドオフアームの端部キャップ214,215同士の間に配設されており、例えば端部キャップ214,215と一体になっている。
【0163】
スタイル201,202それぞれの上側端部において、スタンドオフアーム211,212それぞれのための接続部分220,221が設けられている。接続部分それぞれが固定式ブラケットである図10の実施例とは対照的に、当該実施例では、接続部分が、ヒンジ軸線220a1,221a1を備えたヒンジ部分220a,221aを含んでいる。
【0164】
ヒンジ部分220a,221aそれぞれが、スタンドオフアームのための案内手段、当該実施例ではスタンドオフアーム211,212が貫通して延在しているボア220b,221bを含んでいる。
【0165】
ヒンジ部分220a,221aそれぞれが、ボア220b,221bが管状のスタイル201,202と一直線上に配置されている格納位置と傾斜スタンドオフ位置との間において回動可能とされる。
【0166】
好ましくは、傾斜スタンドオフ位置においてヒンジ部分及び/又はスタンドオフアームをロックするためのロック機構が設けられている。
【0167】
ヒンジ部分220a,221aの格納位置において、スタンドオフアーム211,212それぞれが、ヒンジ部分220a,221aのボア220b,221bを貫通して、ラダーのスタイル内部に延在している。
【0168】
好ましくは、横方向部材213は、格納位置において足場203の上に配設されている。
【0169】
利用者は、スタンドオフ装置を利用すべき場合には、スタンドオフ装置を引っ張ることによって、スタンドオフアーム211,212をスタイル201,202から引き出す。そのとき、スタンドオフアーム211,212の下側端部は、ヒンジ部分によって、当該実施例では例えば協働する当接部材を有しているボア220b,221b内部に保持された状態を維持している。例えばヒンジロック機構15に類似しているロック機構が、ヒンジ部分220a,221aに対してスタンドオフアームをロックするために設けられている。
【0170】
スタンドオフアーム211,212がスタイルから完全に引き出されると、スタンドオフ装置210は、下側端部分が接続部分によって依然として保持されている状態において、傾斜スタンドオフ位置に至るまで回動可能とされる。好ましくは、さらなるロック機構が、傾斜スタンドオフ位置においてラダーに対してヒンジ部分をロックするために設けられている。
【0171】
図12a〜図12cは、本発明におけるラダーの好ましい任意の構成に関する詳細図である。これについては以下に説明する。図1〜図7において利用された参照符号に対応する参照符号が、類似している構造及び/又は機能を有している部品を特定するために利用されている。
【0172】
図12a〜図12cでは、位置決めブラケット130が、スタイル2,3それぞれの頂端部に設けられており、スタンドオフ位置に位置している場合にスタンドオフアーム10,11と係合し、これによりスタンドオフアーム10,11をスタンドオフ位置に維持するように適合されている。位置決めブラケット130は、好ましくは、高剛性部材から作られており、好ましくはスタイル2,3の頂端部に固定状態で取り付けられている。当該実施例では、好ましくは、位置決めブラケット130は、プラスチック材料製構成部品として形成されており、最上段の足場4のための接続要素5,6と一体化されている。例えば図1〜図7を参照して説明したように、スタンドオフアーム組立体をスタイルから上方に引っ張ると、位置決めブラケット130によって、スタイル2,3の外側且つ上方にスタンドオフアームを引っ張った後に、スタンドオフアームを傾斜スタンドオフ位置に至るまで傾けることができる。
【0173】
位置決めブラケット130は、主に、スタンドオフ位置においてスタンドオフアーム組立体10,11を安定化させるように機能する。好ましくは、スタンドオフアーム組立体10,11は、スタンドオフ位置において、スタンドオフアームの横方向における遊隙が存在しない状態で、位置決めブラケット130内に受容される。当該実施例では、位置決めブラケット130それぞれが、スタンドオフアームをスタンドオフ位置に配置する場合にスタンドオフアームが降下して挿入される凹所を有している。凹所は、スナップ嵌めによってスタンドオフアームを保持するように形成されている場合がある。
【0174】
好ましくは、位置決めブラケット130は、図示の如く、スタンドオフアーム組立体10,11を互いに対して末広がりの姿勢で維持することができる。
【0175】
好ましくは、位置決めブラケット130は、平面図においてU字状とされ、これによりスタンドオフアームのヒンジ12,13を損傷等から保護することができる。ヒンジ12,13は、好ましくは、当該実施例では位置決めブラケット130の対向する側壁同士の間に配置されている。
【0176】
ラダーの実施可能な実施例では、好ましくは、上述の位置決めブラケット130と組み合わせることによって、スタンドオフ組立体10,11それぞれのベース部分10a,11aは、関連するスタイル2,3内に回転せずに案内される(図示しない)。例えば、ベース部分2,3は、非円状の断面を有しており、スタイル及び/又は当該スタイルの頂部に設けられたコネクタは、相補的な形状とされる。さもなければ、例えばピン及び溝から成る機構が設けられている。
【0177】
好ましくは、スタンドオフアームは、末広がりの姿勢とされるスタンドオフ位置に配置されているように案内される。
【符号の説明】
【0178】
1 携行式ラダー(上側ラダーセクション)
2 スタイル部材
3 スタイル部材
4 足場
5 接続要素
6 接続要素
8 スタンドオフ装置
10 スタンドオフアーム組立体
10a ベース部分
10b スタンドオフアーム
11 スタンドオフアーム組立体
11a ベース部分
11b スタンドオフアーム
12 ヒンジ
12a 回動軸線(ヒンジ軸線)
13 ヒンジ
13a 回動軸線(ヒンジ軸線)
15 ヒンジロック機構
15a 可動式ロック部材(ピン)
15b 滑動式アクチュエータ
20 横方向部材
20a 端部(接続部分)
20b 端部(接続部分)
22 端部キャップ
23 端部キャップ
30a 当接面
35a 当接面
41 スタンドアーム組立体のためのラッチ機構
42 スタンドアーム組立体のためのラッチ機構
51 ワイヤ
52 ワイヤ
53 バネ
54 バネ
60 物品格納バッグ
61 固定手段
62 固定手段
65 固定手段
70 ブラケット
71 ブラケット
100 ラダー
101 スタイル
102 スタイル
103 ラダー足場
104 ラダー足場(最上段の足場)
110 スタンドオフ装置
111 スタンドオフアーム
112 スタンドオフアーム
113 横方向部材
114 端部キャップ
115 端部キャップ
120 接続部分
121 接続部分
130 位置決めブラケット
200 ラダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイル部材を有している携行式ラダーであって、前記ラダーが、前記ラダーの上側端部領域にスタンドオフ装置(8)を備えており、前記スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアーム組立体(10,11)を備えており、前記スタンドオフアーム組立体それぞれが、前記ラダーの前記スタイル部材それぞれに形成されている受容空間内に入れ子式で挿入されており、これにより前記スタイル部材に対して相対的に入れ子式で移動可能とされる、前記ラダーにおいて、
前記スタンドオフアーム組立体それぞれが、ベース部分(10a,11a)とスタンドオフアーム(10b,11b)とを有しており、前記ベース部分と前記スタンドオフアームとが、前記ベース部分と前記スタンドオフ部分とが一直線上に配置されている位置と傾斜スタンドオフ位置との間において前記スタンドオフアームを回動可能とする、ヒンジ(12,13)を介して相互接続されており、
前記スタンドオフ組立体(10,11)それぞれが、前記スタンドオフアーム組立体の伸展位置において、前記ベース部分(10a,11a)が前記受容空間内に配置されている状態で、前記ヒンジ(12,13)が、前記ラダーの前記スタイル部材それぞれに形成されている前記受容空間(2,3)の外側に配置されているように構成されており、
前記スタンドオフアーム組立体(10,11)が、前記スタンドオフアーム組立体の収納位置において、前記ベース部分(10a,11a)と前記ヒンジ(12,13)と前記スタンドオフアーム(10b,11b)の少なくとも一部分とが、前記ラダーの前記スタイル部材それぞれに形成されている前記受容空間(2,3)内に配置されているように構成されていることを特徴とするラダー。
【請求項2】
前記ラダーの前記スタイル部材が、管状とされ、
前記受容空間それぞれが、管状の前記スタイル部材(2,3)の上側部分の内部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラダー。
【請求項3】
前記ラダーが、入れ子式で伸縮可能な携行式ラダーであり、上側ラダーセクション(1)と複数のさらなるラダーセクションとを有しており、
前記さらなるラダーセクションそれぞれが、互いに対して平行に配置されていると共にラダー足場(4)を介して相互接続されている、2つのスタイル部材(2,3)を有しており、
前記さらなるラダーセクションそれぞれの前記スタイル部材が、隣り合うラダーセクションの前記スタイル部材内部に入れ子式で挿入されており、
前記ラダーが、前記さらなるラダーセクションが伸展している場合に入れ子式で挿入された前記スタイル部材を互いに対してロックするためのラッチ機構を備えており、
前記スタンドオフアーム組立体(10,11)それぞれのための前記受容空間が、前記上側ラダーセクション(1)の前記スタイル部材(2,3)に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラダー。
【請求項4】
前記ラダーが、前記傾斜スタンドオフ位置において前記スタンドオフアームそれぞれをロックするように適合されているロック機構を含んでおり、
前記スタンドオフアーム組立体(10,11)それぞれが、前記ヒンジそれぞれに設けられていると共に前記スタンドオフアームの傾斜スタンドオフ位置において前記ヒンジをロックするように適合されているヒンジロック機構(15)、好ましくは前記傾斜スタンドオフ位置においてのみ前記ヒンジをロックするように適合されている前記ヒンジロック機構(15)を含んでいる請求項1〜3のいずれか一項に記載のラダー。
【請求項5】
前記ヒンジ(12,13)が、前記スタンドオフアームが前記伸展位置に位置していると共に前記スタンドオフアームが前記ベース部分と一直線に配置されている状態において、特に前記ラダーが直立状態で保持されている場合に、前記スタンドオフアームが不安定な状態にあるように構成されており、これにより、前記スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に向かって自動的に傾くことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のラダー。
【請求項6】
前記ヒンジロック機構(15)が、前記スタンドオフアームが前記傾斜スタンドオフ位置に到達した場合に前記ヒンジを自動的にロックし、
前記ヒンジロック機構が、前記ヒンジのロックを解除するための、利用者が操作可能なアクチュエータ(15b)を含んでいることを特徴とする請求項4又は5に記載のラダー。
【請求項7】
前記スタンドオフアーム組立体の前記収納位置において、前記ヒンジロック機構の前記利用者が操作可能なアクチュエータ(15b)が、前記受容空間内に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のラダー。
【請求項8】
位置決めブラケット(130)が、前記スタイル部材(2,3)それぞれの頂端部に設けられており、前記スタンドオフアーム(10,11)が前記スタンドオフ位置に位置している場合に前記スタンドオフアーム(10,11)と係合しており、これにより前記スタンドオフアーム(10,11)を前記スタンドオフ位置に維持するように適合されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のラダー。
【請求項9】
前記ラダーが、前記ベース部分に係合することによって伸展位置において前記スタンドオフアーム組立体それぞれを係止する、スタンドオフアーム組立体のためのラッチ機構(41,42)を含んでおり、
好ましくは請求項3に記載の前記ラダーにおいて、前記スタンドオフアーム組立体のためのラッチ機構が、前記上側ラダーセクションの前記ラダー足場(4)内に収容されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のラダー。
【請求項10】
前記スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に位置している状態において、前記ベース部分(10a,11a)が、前記受容空間それぞれの内部において回転可能とされ、これにより、前記スタンドオフアームが、非平行な姿勢で、好ましくは末広がりの姿勢で配置されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のラダー。
【請求項11】
前記スタンドオフアーム組立体のための前記ラッチ機構が、前記スタンドオフアーム(10b,11b)同士が非平行な姿勢のみにおいて、好ましくは末広がりの姿勢のみにおいて、伸展された前記スタンドオフアームそれぞれを係止するように構成されていることを特徴とする請求項9又は10に記載のラダー。
【請求項12】
前記スタンドオフ装置が、前記スタンドオフアーム(10b,11b)に接続されている接続部分(20a,20b)、好ましくは端部分と、前記接続部分同士の間に位置している中央部分(20c)とを有している横方向部材(20)を含んでおり、
前記接続部分が、好ましくは前記スタンドオフアームの自由端に接続されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のラダー。
【請求項13】
前記横方向部材のうち少なくとも前記中央部分(20c)が、前記スタンドオフアーム組立体が前記収納位置に位置している場合に前記ラダーの最上段の前記ラダー足場(4)に、好ましくは前記ラダー足場(4)の上に配設されるように構成されていることを特徴とする請求項12に記載のラダー。
【請求項14】
前記ラダーが、物品格納バッグ(60)を含んでおり、
前記スタンドオフ装置と前記物品格納バッグとが、前記スタンドオフアームが傾斜スタンドオフ位置に位置している状態において、前記物品格納バッグを前記スタンドオフ装置から吊るすことを可能とする、協働する固定手段(61,62)を有しており、
前記横方向部材の前記中央部分(20c)が設けられている場合には、前記中央部分(20c)が、前記物品格納バッグと協働する固定手段を有していることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のラダー。
【請求項15】
前記物品格納バッグと前記ラダーの最上段の前記ラダー足場とが、前記物品格納バッグを最上段の前記ラダー足場から吊るすために協働する固定手段(65)を有しており、
前記物品格納バッグが、最上段の前記ラダー足場に接近して且つ最上段の前記ラダー足場に沿って延在している直線状の上側縁部を有しており、
前記上側縁部が、外殻部材(65)によって補剛されていることを特徴とする請求項14に記載のラダー。
【請求項16】
前記物品格納バッグ(60)が、前記スタンドオフアーム組立体が前記収納位置に位置している状態において、前記ラダーに接続された状態を維持するように構成されていることを特徴とする請求項14又は15に記載のラダー。
【請求項17】
前記横方向部材(20)が、その長さを変更可能な構造を有しており、例えば、前記横方向部材(20)が、入れ子式の構造を有しており、例えば、中央部分が、前記接続部分(20a,20b)それぞれと入れ子式で相互接続している中央部分(20c)として形成されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のラダー、好ましくは請求項10に記載のラダー。
【請求項18】
前記接続部分それぞれが、前記スタンドオフアームそれぞれに固定されている1つ以上のロッド(20a,20b)、例えば2つの平行なロッドを含んでおり、
1つ以上の前記ロッドが、前記中央部分(20c)によって滑動可能に保持されており、前記中央部分の対応する開口部を貫通して延在していることを特徴とする請求項17に記載のラダー。
【請求項19】
前記中央部分(20c)が可撓性を有しており、これにより前記中央部材に局所的に荷重を作用させる対象物、例えばポールや建築物の角部等に立て掛けられた場合に屈曲することを特徴とする請求項12,13,17、及び18のうちいずれか一項に記載のラダー。
【請求項20】
前記横方向部材(20)が、その外側部分において、熱可塑性ゴムから作られている1つ以上の部分(20c)を含んでおり、
好ましくは、前記横方向部材の少なくとも前記中央部分が、熱可塑性ゴムから少なくとも部分的に作られている外側部分を有しており、
前記スタンドオフアームが、熱可塑性ゴムから少なくとも部分的に作られている外側部分を有している端部キャップ(22,23)を有していることを特徴とする請求項12,13,17,18、及び19のうちいずれか一項に記載のラダー。
【請求項21】
上側ラダーセクションと複数のさらなるラダーセクションとを有している、入れ子式で伸縮可能な携行式ラダーにおいて、
前記さらなるラダーセクションそれぞれが、互いに対して平行に配置されていると共にラダー足場を介して相互接続されている、2つの管状のスタイル部材を有しており、前記さらなるラダーセクションそれぞれのスタイル部材が、隣り合うラダーセクションのスタイル部材内部に入れ子式で挿入されており、
前記ラダーが、前記さらなるラダーセクションが進展している場合に入れ子式で挿入された前記スタイル部材を互いに対してロックするための、ラッチ機構を備えており、前記ラダーが、前記ラダーの上側端部にスタンドオフ装置を備えており、前記スタンドオフ装置が、2つのスタンドオフアーム組立体を備えており、前記スタンドオフアーム組立体それぞれが、前記上側ラダーセクションのスタイル部材内部に入れ子式で挿入され、これにより、前記スタイル部材に対して相対的に入れ子式で移動可能とされ、
前記スタンドオフアーム組立体それぞれが、ベース部分とスタンドオフアームとを有しており、前記ベース部分と前記スタンドオフアームとが、前記スタンドオフアームと前記ベース部分とが一直線上に配置されている位置と傾斜スタンドオフ位置との間において前記スタンドオフアームを回動可能とする、ヒンジを介して相互接続されており、
前記スタンドオフアーム組立体が、前記スタンドオフアーム組立体の伸展位置において、前記ヒンジが、前記ベース部分が前記スタイル部材内に配置されている状態で、前記上側ラダーセクションの前記スタイル部材の外側に配置されているように構成されており、
前記スタンドオフアーム組立体それぞれが、前記スタンドオフアーム組立体の収納位置において、前記ベース部分と前記ヒンジと前記スタンドオフアームの少なくとも一部分とが前記スタイル部材内部に配置されているように構成されていることを特徴とするラダー。
【請求項22】
ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルを有している携行式ラダーの上側領域に固定されるように適合されているスタンドオフ装置を備えたラダーの付属品であって、前記ラダーの付属品(1,1′)が、2つのスタンドオフアーム組立体を備えており、前記スタンドオフアーム組立体それぞれが、前記ラダーの付属品の受容空間内に入れ子式で挿入され、これにより、前記受容空間に対して相対的に入れ子式で移動可能とされる、前記ラダーの付属品において、
前記スタンドオフアーム組立体それぞれが、ベース部分とスタンドオフアームとを有しており、前記ベース部分と前記スタンドオフアームとが、前記スタンドオフアームと前記ベース部分とが一直線上に配置されている位置と傾斜スタンドオフ位置との間において前記スタンドオフアームを回動可能とする、ヒンジを介して相互接続されており、
前記スタンドオフアーム組立体それぞれが、前記スタンドオフアームの伸展位置において、前記ベース部分が前記受容空間内に配置されている状態で、前記ヒンジが前記受容空間の外側に配置されているように構成されており、
前記スタンドオフアーム組立体が、前記スタンドオフアーム組立体の収納位置において、前記ベース部分と前記ヒンジと前記スタンドオフアームの少なくとも一部分とが前記受容空間内に配置されているように構成されていることを特徴とするラダーの付属品。
【請求項23】
請求項22に記載のラダーの付属品と、ラダー足場を介して相互接続されている2つの細長いスタイルとの組み合わせ。
【請求項24】
請求項1〜23のうち1つ以上の請求項に記載のラダー又はラダーの付属品の利用。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【公表番号】特表2013−507544(P2013−507544A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533105(P2012−533105)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050656
【国際公開番号】WO2011/043663
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(512091176)ランペ・ホールディングス・ベー・フェー (1)
【Fターム(参考)】