スタンド付き電子機器
【課題】筺体の背面中央部に収納、引き出し自在に配したスタンドを備えたスタンド付き電子機器おいて、スタンドによって卓上に載置する際に安定した状態が得られると共に、美感上も好ましい形状を維持することができるスタンド付き電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器10の筺体20の底辺両端寄りに突起40が突出・後退機構50によって突出、後退自在に配され、突出・後退機構50が連動機構70によってスタンド30の収納、引き出し動作に連動されている。そして、スタンド30の収納状態において一対の突起40が筐体20の底辺の面上に突出しないように後退され、スタンド30の引き出し状態において一対の突起40が底辺の面上に突出されるように構成した。
【解決手段】電子機器10の筺体20の底辺両端寄りに突起40が突出・後退機構50によって突出、後退自在に配され、突出・後退機構50が連動機構70によってスタンド30の収納、引き出し動作に連動されている。そして、スタンド30の収納状態において一対の突起40が筐体20の底辺の面上に突出しないように後退され、スタンド30の引き出し状態において一対の突起40が底辺の面上に突出されるように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筺体の背面中央部分に収納、引き出し自在に配されたスタンドを備え、スタンドを収納した状態で使用することとスタンドを引き出して卓上に載置した状態で使用することが選択できるスタンド付き電子機器に関し、特に、筐体の底辺中央部分に卓上面に当接する膨出した当接部を設けたスタンド付き電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション機能、テレビジョン放送受信機能などを備えた電子機器が普及している。この種の電子機器は、車両に搭載されて用いられるだけでなく、卓上に載置して用いられるなど携帯用として広く使用されている。そして、卓上に載置して使用する場合は、表示パネルが見やすくするために電子機器を傾けている。
【0003】
従来、この種のスタンド付き電子機器としては、例えば図11、図12に示すものがある。この電子機器100は、扁平状で矩形の筺体200と、筺体200の背面に設けたスタンド300とからなり、スタンド300が筐体200の中央部分で背面内に収納された状態と引き出された状態を取るようになっている。車両に搭載して使用するときにはスタンド300を収納して筐体200を車両に設けたクレードル(図示せず)に取り付ける。これに対し、電子機器100を卓400の面に載置するときには、スタンド300を引き出して筐体200を傾けて置く。この状態では表示パネル201が上方に斜めに向いて位置されている。
【0004】
電子機器100は美感の向上のために本体200の角部分が全体的に丸みを帯びた形状になっている。しかし、筐体200の底辺中央部には、若干の高さだけ膨出した当接部202が設けられ、スタンド300と協同して電子機器100を卓400の面上に安定に載置させるようになっている。即ち、電子機器100は美感の維持と安定した設置との両方を満たすような構成をとっている。
【0005】
しかし、電子機器100が卓400の面上に載置された状態においては、本体200の低辺の当接部202からは離れた位置では卓400との間に隙間Gが生じる。そのため、電子機器100は左右の両端部分で、矢印方向Xで示す方向に動いてしまい不安定な状態にある。特に、電子機器100が操作されることによって外力を受けると、電子機器10は左右の端部分で上下にがたついてしまうという問題点を有する。
【0006】
そこで、例えば、下記の特許文献(特開2004−266087号公報)に示す従来技術をとることが考えられる。この従来技術は、電子機器としての電話機を構成するロアーケースの一辺の両端寄りに一対のゴム足が配されている。そして、電話機はスタンドによって卓上に傾けられて設置されるが、このときにゴム足が電話機を一辺の両端寄りで支持することになる。従って、電話機は左右の端部分で上下方向に変位してしまうという問題点が解消され、操作の際にがたつきを発生することがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−266087号公報(段落0012、段落0026、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に示す従来技術においては、ケースの一辺に複数のゴム足が突出して配されているため、美感上好ましくないという問題点があった。特に、携帯型の電子機器においては、見栄えだけでなく手触りの良さも考慮されるので突起の存在が電子機器の価値を損なうという問題点があった。
【0009】
従って、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、電子機器をスタンドによって卓上に傾けて載置する際に安定した状態が得られると共に、美感上も好ましい形状を維持することができるスタンド付き電子機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に係るスタンド付き電子機器の発明は、
筺体の背面中央部に収納、引き出し自在に配したスタンドを備えたスタンド付き電子機器であって、
前記筺体の底辺両端寄りに形成され一対となった開口と、
前記一対の開口に夫々配された突起と、
前記突起を前記底辺面上に突出させ、また、突出した前記突起を前記底辺の面上に突出しない位置に後退させる突出・後退手段(例えば下記実施例では、突出・後退機構50)と、
前記突出・後退手段を前記スタンドの収納、引き出し動作に連動させて作動させる連動手段(例えば下記実施例では、連動機構70)とを有し、
前記突出・後退手段は、前記連動手段による前記スタンドの前記筺体への収納、引き出し動作に連動して前記一対の突起を前記開口を介して該筺体の底辺に突出、後退させるように構成したことを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係るスタンド付き電子機器において、
前記突出・後退手段は、前記筺体内において上下方向に摺動する摺動体と、該摺動体に取り付けられた前記突起を支持する支持体と、該摺動体を前記開口から突出する方向に偏倚させる弾発力を有する弾性体と、該突起の突出量と後退位置とを規制する規制機構とから構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項3に係る発明は、請求項1に係るスタンド付き電子機器において、
前記連動手段は、前記摺動体に上下方向に延在して形成された係合溝と、前記スタンドの先端寄りに形成され、該スタンドの収納状態において該係合溝に挿入し該スタンドの引き出し状態において該係合溝から離脱する垂立片と、該係合溝の縁に当設して該摺動体を前記弾性体の弾発力に逆らって摺動させる該垂立片に形成された傾斜面とから構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のスタンド装置は、次に示すような優れた効果を奏する。
【0014】
即ち、請求項1に係る発明においては、筐体の背面中央部に引き出し自在に配したスタンドを備えスタンド付き電子機器は、筺体の底辺の両端寄りに夫々形成された開口に突起が突出・後退手段によって突出、後退自在に配され、突出・後退手段が連動手段によってスタンドの収納、引き出し動作に連動されている。そして、スタンドの収納状態において一対の突起が開口内に後退され、スタンドの引き出し状態において一対の突起が開口から底辺の面上に突出されるように構成されている。
【0015】
そのため、スタンドを引き出して卓上に電子機器を載置する際には、電子機器の底辺の両端寄りに突起が突出して卓の面に当接し電子機器を左右の端部分で上下に動いてしまうことを阻止するので、電子機器の安定した載置状態が得られる。また、電子機器はスタンドと一対の突起とで卓の面に接地するので安定した載置状態が得られる。一方、スタンドを収納した状態では、突起が開口内に後退し底辺の面から突出しないので、電子機器の美感を維持することできる。また、電子機器を取り扱う際に突起物がないので手触りに違和感を与えない。
【0016】
また、請求項2に係る発明においては、摺動体が筐体内において上下方向に摺動し、この摺動体に突起が支持体を介して取り付けられ、突起の突出量と後退位置とが規制機構によって規制され、摺動体が突起を突出する方向に弾性体の弾発力によって偏倚させるように構成されている。その結果、スタンドの引き出し状態においては突起が弾性体の弾発力によって筺体の底辺の面上に突出するようになっている。
【0017】
そのため、筺体の底辺の面上に突出した突起は、規制機構によってその位置が規制されると共に、その位置が弾性体による弾発力によって維持されるので、突起の突出状態が安定に正確な位置に保持される。従って、電子機器は常に安定した状態で卓上に載置される。
【0018】
また、請求項3に係る発明においては、摺動体に上下方向に延在して係合溝を形成し、スタンドの先端寄りには、スタンドの収納状態において係合溝に挿入し、スタンドの引き出し状態において係合溝から離脱する垂立片を形成する。そして、垂立片には係合溝の縁に当設して摺動体を弾性体の弾発力に逆らって摺動させる傾斜面を形成して構成されている。
【0019】
そのため、スタンドの収納状態では垂立片が係合溝から離脱して弾性体の弾発力で摺動
体を偏倚し突起を後退させ、スタンドの引き出し状態では垂立片が係合溝に係合して摺動体を弾発力に逆らって摺動させ突起を後退するので、突起の突出・後退をスタンドの収納、引き出し動作に連動して作動させることができる。その結果、突起の突出、後退の操作が容易に確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器を卓上に載置した状態の正面図である。
【図2】図1におけるスタンド付き電子機器を背面側の斜め上から見た斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器においてスタンドを引き出した状態で正面パネルを取り除いて示す正面図である。
【図4】図3における突起部分を示すためにA−A線で切断した断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器においてスタンドを収納した状態で正面パネルを取り除いて示す正面図である。
【図6】図5における突起部分を示すためにB−B線で切断した断面図である。
【図7】図3における連動機構を示すためにC−C線で切断した断面図である。
【図8】図5における連動機構を示すためにD−D線で切断した断面図である。
【図9】本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器においてスタンドを引き出した状態で背面側の斜め下から底辺部分を見た斜視図である。
【図10】本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器においてスタンドを収納した状態で背面側の斜め下から底辺部分を見た斜視図である。
【図11】従来のスタンド付き電子機器を卓上に載置した状態を示す正面図である。
【図12】図11におけるスタンド付き電子機器を背面側の斜め上から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術的思想を具体化するためのスタンド付き電子機器を例示するものであって、本発明をこのスタンド付き電子機器に特定することを意図するものでなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のスタンド付き電子機器にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0022】
図1は本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器を卓上に載置した状態を示す正面図であり、図2は図1におけるスタンド付き電子機器を背面側の斜め上から見た斜視図である。
【0023】
本実施例に係るスタンド付き電子機器10は、図1、図2に示すように、扁平で矩形の形状である筺体20と、筺体20の背面中央部分に基部が蝶番(図示せず)によって所定の範囲内で回動自在に支持されて設けられたスタンド30とからなる。スタンド30は筺体20の背面内に収納された状態と背面から回動して引き出された状態を取るようになっている。そして、筺体20の前面201には表示パネル、操作面が配置され、底辺中央部分には若干膨出した形状の当接部202が設けられている。また、筺体20の底辺には、当接部202を挟んで端寄りに夫々突起40が配されている。
【0024】
図3から図6において突起40の構成が詳しく示されているが、この一対の突起40は筺体20の底辺に形成された開口203から突出し、また開口203内に後退するようになっている。この突出、後退のための突出・後退手段を形成する突出・後退機構50は、突起40を支持する筺体20内に配された棒状の支持体501と、筺体20内において支持体501が取り付けられ上下方向に習動する習動体502と、習動体502を常に下方に偏倚させる弾発力を有する弾性体503とから構成されている。
【0025】
突起40は筐体20の底辺からの突出量と後退位置とが規制機構60によって規制されている。この規制機構60は、習動体502に形成されたガイド溝601と筐体20に設けられたガイドピン602とによって習動体502の上下方向の習動範囲が規制された構成と、支持体501の下方への移動を制限するストッパー603からなっている。ここで、突起40は底辺からの突出量が規制機構60によって当接部202の突出量に等しくなるように設定されている。
【0026】
突出・後退機構50は、図7.図8に詳細を示すように、連結手段を形成する連動機構70によってスタンド30に関連付けされ、スタンド30の収納、引き出し動作に連動して作動するようになっている。この連動機構70は、習動体502に上下方向に延在して形成された一対の係合溝701と、スタンド30の先端寄りにおいて係合溝701に対向して設けられた一対の垂立片702と、垂立片702の先端に形成され係合溝701の上縁に当接する傾斜面703と、傾斜面703に連なる水平面704と、垂立片702を筐体20の外部から内部へと挿通させる挿通孔705とから構成されている。また、係合溝701の上縁には、垂立片702の先端に当たって案内する案内用突起706が形成されている。
【0027】
即ち、スタンド30が引き出されたときには、図9で示すように突起40がスタンド30の引き出し動作に連動して筐体20の底辺における当接部202を挟んだ両端寄りに突出して位置され、スタンド30が収納されたときには、図10で示すようにスタンド30の収納動作に連動して筐体20の底辺の面上に突出しないように後退して位置されるように構成されている。
【0028】
次に、上述した実施例のスタンド付き電子機器10の動作についてについて説明する。
まず、電子機器10を卓400の面上に載置する際には、図7、図9で示すようにスタンド30を筐体20の背面内から引き出し垂立片702を係合溝701から離脱させる。その結果、連動機構70における垂立片702と係合溝701との係合状態が解除される。そして、突出・後退機構50を構成する摺動体502は弾性体503の弾発力によって下方に偏倚される。摺動体502が下方に偏倚することにより、支持体501も下方に偏倚して突起40を開口203から底辺の面上へと突出させる。
【0029】
突出・後退機構50によって突出された突起40は、図3、図4で示すように、その突出量が規制機構60によって当接部202の突出量に等しく突出される。即ち、規制機構60による突出量の規制は、摺動体502がガイド溝601とガイドピン602とによる下方向への最大移動位置が決められることと、支持体501がストッパー603による下方向への最大移動位置が規制されることにより達成される。
【0030】
スタンド30を引き出し、突起40を突出させた状態の電子機器10は卓400の面上に置くことによりスタンド30によって正面201が傾いた状態で載置される。そして、底辺の当接部202と一対の突起40とが卓400の面に当たって電子機器10を支える。即ち、電子機器10は、図9に示すように載置状態では4箇所で支えられることになる。
【0031】
スタンド30を電子機器10の背面内に収納する動作について説明する。この収納はスタンド30を背面方向に押し付けるように回動させて行う。このとき、スタンド30の収納動作に連動して作動する連動機構70が突出・後退機構50を作動させて突起40を筐体20の底辺の面から突出しない位置に後退させる。この動作の詳細は、スタンド30に設けた垂立片702が挿通孔705を介して筐体20内に挿入され係合溝701に係合する。垂立片702はその傾斜面703が案内用突起706に案内されて係合溝701の上縁に当接する。そして、スタンド30が押込まれる動作に従って傾斜面703により摺動体502を上方に摺動させる。
【0032】
スタンド30が背面内に押込まれて収納された状態では、垂立片702の水平面704が係合溝701の縁に当接する。この当接状態は圧縮された弾性体503の弾発力によって強固に維持される。従って、スタンド30は筐体20の背面内に収納された状態で保持される。
【0033】
また、摺動体502が上方に移動されることにより、支持部501は上方に移動されて突起40を突出状態から後退させる。この後退位置は、突起40が開口203内を後退して底辺の面から突出しない位置となる。この位置は規制機構60によって規制される。しかも、突起40の後退状態は前述したスタンド30の収納状態の保持によって維持される。
【0034】
従って、上述した本発明の実施例によれば、スタンド付き電子機器10は、筐体20の背面中央部に収納、引き出し自在に配されたスタンド30と筺体20の底辺中央部分に膨出して設けた当設部202とを備えており、更に、筺体20の底辺の両端寄りに夫々形成された開口203に突起40が突出・後退機構50によって突出、後退自在に配され、突出・後退機構50が連動機構70によってスタンド30の収納、引き出し動作に連動されている。そして、スタンド30の収納状態において一対の突起40が開口203内に後退され、スタンド30の引き出し状態において一対の突起40が開口203から底辺上に突出されるように構成されている。この突出量は規制機構60によって当設部202の膨出した突出量と等しく設定されている。
【0035】
そのため、スタンド30を引き出して卓400の面上に電子機器10を載置する際には、電子機器10の底辺の両端寄りに突起40が突出して卓400の面に当接し電子機器10を左右の端部分で上下方向に動いてしまうことを阻止するので、電子機器10ががたつくことなく載置される。また、電子機器10はスタンド30と当設部202と一対の突起40との4箇所で卓400の面に接地するので安定した載置状態が得られる(図9参照)。一方、スタンド30を収納した状態では、突起40が開口203内に後退し面上に突出しないので、電子機器10の美感を損なうことがないだけでなく、電子機器10を取り扱う際に突起物がないので手触りに違和感を与えない(図10参照)。
【0036】
また、突出・後退機構50は筐体20内において上下方向に摺動する摺動体502を有し、突起40が摺動体502に取り付けられた支持体501に支持され、摺動体502が突起40を突出する方向に弾性体503によって偏倚させるように構成し、スタンド30の引き出し状態において突起40が弾性体503の偏倚力によって筺体20の底辺上に突出させている。
【0037】
そのため、筺体20の底辺面上に突出した突起40は、規制機構60によってその位置が規制されると共に、その位置が弾性体503による弾発力によって維持されるので、突起40の突出状態が正確な位置に保持される。従って、電子機器10は常に安定した状態で卓400の面上に載置される。
【0038】
また、連動機構70は、摺動体502に上下方向に延在して形成した係合溝701と、スタンド30の先端寄りに垂立して設けた垂立片702を備えている。垂立片702は、スタンド30の引き出し状態において係合溝701から離脱し、スタンド30の収納状態において係合溝701に挿入してその縁に当設するようになっている。垂立体702の当接部分には傾斜面703と水平面704が連なって形成されている。
【0039】
そのため、スタンド30の引き出し状態では垂立片702が係合溝701から離脱して
弾性体503の弾発力で摺動体502を偏倚し突起40を突出させ、スタンド30の収納状態では垂立片702が係合溝701に係合して摺動体502を弾発力に逆らって摺動させ突起40を後退するので、突起40の突出・後退をスタンド30の収納、引き出し動作に連動させことができる。従って、突起40の突出、後退はスタンド30の引き出し収納動作に連動して自動的に行われるので電子機器10の取り扱いが容易となる。また、スタンド30の収納状態と突起40の後退状態は水平面704が係合溝701に弾性的に当接しているので、この状態が確実に保持される。
【0040】
なお、上記実施例においては、突起40の突出量は規制機構60によって当接部202の突出量に等しく設定したが、本発明はこれに限定されることなく突起40の突出量が筐体20の端寄りで上下方向に実質的にがたつきを生じない程度に当接部202の突出量にほぼ等しく設定したものであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
10・・・・スタンド付き電子機器
20・・・・筐体
30・・・・スタンド
40・・・・突起
50・・・・突出・後退機構
60・・・・規制機構
70・・・・連動機構
201・・・前面
202・・・当接部
203・・・開口
400・・・卓
501・・・支持体
502・・・摺動体
503・・・弾性体
601・・・ガイド溝
602・・・ガイドピン
603・・・ストッパー
701・・・係合溝
702・・・垂立片
703・・・傾斜面
704・・・水平面
705・・・挿通孔
706・・・案内用突起
【技術分野】
【0001】
本発明は、筺体の背面中央部分に収納、引き出し自在に配されたスタンドを備え、スタンドを収納した状態で使用することとスタンドを引き出して卓上に載置した状態で使用することが選択できるスタンド付き電子機器に関し、特に、筐体の底辺中央部分に卓上面に当接する膨出した当接部を設けたスタンド付き電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション機能、テレビジョン放送受信機能などを備えた電子機器が普及している。この種の電子機器は、車両に搭載されて用いられるだけでなく、卓上に載置して用いられるなど携帯用として広く使用されている。そして、卓上に載置して使用する場合は、表示パネルが見やすくするために電子機器を傾けている。
【0003】
従来、この種のスタンド付き電子機器としては、例えば図11、図12に示すものがある。この電子機器100は、扁平状で矩形の筺体200と、筺体200の背面に設けたスタンド300とからなり、スタンド300が筐体200の中央部分で背面内に収納された状態と引き出された状態を取るようになっている。車両に搭載して使用するときにはスタンド300を収納して筐体200を車両に設けたクレードル(図示せず)に取り付ける。これに対し、電子機器100を卓400の面に載置するときには、スタンド300を引き出して筐体200を傾けて置く。この状態では表示パネル201が上方に斜めに向いて位置されている。
【0004】
電子機器100は美感の向上のために本体200の角部分が全体的に丸みを帯びた形状になっている。しかし、筐体200の底辺中央部には、若干の高さだけ膨出した当接部202が設けられ、スタンド300と協同して電子機器100を卓400の面上に安定に載置させるようになっている。即ち、電子機器100は美感の維持と安定した設置との両方を満たすような構成をとっている。
【0005】
しかし、電子機器100が卓400の面上に載置された状態においては、本体200の低辺の当接部202からは離れた位置では卓400との間に隙間Gが生じる。そのため、電子機器100は左右の両端部分で、矢印方向Xで示す方向に動いてしまい不安定な状態にある。特に、電子機器100が操作されることによって外力を受けると、電子機器10は左右の端部分で上下にがたついてしまうという問題点を有する。
【0006】
そこで、例えば、下記の特許文献(特開2004−266087号公報)に示す従来技術をとることが考えられる。この従来技術は、電子機器としての電話機を構成するロアーケースの一辺の両端寄りに一対のゴム足が配されている。そして、電話機はスタンドによって卓上に傾けられて設置されるが、このときにゴム足が電話機を一辺の両端寄りで支持することになる。従って、電話機は左右の端部分で上下方向に変位してしまうという問題点が解消され、操作の際にがたつきを発生することがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−266087号公報(段落0012、段落0026、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に示す従来技術においては、ケースの一辺に複数のゴム足が突出して配されているため、美感上好ましくないという問題点があった。特に、携帯型の電子機器においては、見栄えだけでなく手触りの良さも考慮されるので突起の存在が電子機器の価値を損なうという問題点があった。
【0009】
従って、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、電子機器をスタンドによって卓上に傾けて載置する際に安定した状態が得られると共に、美感上も好ましい形状を維持することができるスタンド付き電子機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に係るスタンド付き電子機器の発明は、
筺体の背面中央部に収納、引き出し自在に配したスタンドを備えたスタンド付き電子機器であって、
前記筺体の底辺両端寄りに形成され一対となった開口と、
前記一対の開口に夫々配された突起と、
前記突起を前記底辺面上に突出させ、また、突出した前記突起を前記底辺の面上に突出しない位置に後退させる突出・後退手段(例えば下記実施例では、突出・後退機構50)と、
前記突出・後退手段を前記スタンドの収納、引き出し動作に連動させて作動させる連動手段(例えば下記実施例では、連動機構70)とを有し、
前記突出・後退手段は、前記連動手段による前記スタンドの前記筺体への収納、引き出し動作に連動して前記一対の突起を前記開口を介して該筺体の底辺に突出、後退させるように構成したことを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係るスタンド付き電子機器において、
前記突出・後退手段は、前記筺体内において上下方向に摺動する摺動体と、該摺動体に取り付けられた前記突起を支持する支持体と、該摺動体を前記開口から突出する方向に偏倚させる弾発力を有する弾性体と、該突起の突出量と後退位置とを規制する規制機構とから構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項3に係る発明は、請求項1に係るスタンド付き電子機器において、
前記連動手段は、前記摺動体に上下方向に延在して形成された係合溝と、前記スタンドの先端寄りに形成され、該スタンドの収納状態において該係合溝に挿入し該スタンドの引き出し状態において該係合溝から離脱する垂立片と、該係合溝の縁に当設して該摺動体を前記弾性体の弾発力に逆らって摺動させる該垂立片に形成された傾斜面とから構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のスタンド装置は、次に示すような優れた効果を奏する。
【0014】
即ち、請求項1に係る発明においては、筐体の背面中央部に引き出し自在に配したスタンドを備えスタンド付き電子機器は、筺体の底辺の両端寄りに夫々形成された開口に突起が突出・後退手段によって突出、後退自在に配され、突出・後退手段が連動手段によってスタンドの収納、引き出し動作に連動されている。そして、スタンドの収納状態において一対の突起が開口内に後退され、スタンドの引き出し状態において一対の突起が開口から底辺の面上に突出されるように構成されている。
【0015】
そのため、スタンドを引き出して卓上に電子機器を載置する際には、電子機器の底辺の両端寄りに突起が突出して卓の面に当接し電子機器を左右の端部分で上下に動いてしまうことを阻止するので、電子機器の安定した載置状態が得られる。また、電子機器はスタンドと一対の突起とで卓の面に接地するので安定した載置状態が得られる。一方、スタンドを収納した状態では、突起が開口内に後退し底辺の面から突出しないので、電子機器の美感を維持することできる。また、電子機器を取り扱う際に突起物がないので手触りに違和感を与えない。
【0016】
また、請求項2に係る発明においては、摺動体が筐体内において上下方向に摺動し、この摺動体に突起が支持体を介して取り付けられ、突起の突出量と後退位置とが規制機構によって規制され、摺動体が突起を突出する方向に弾性体の弾発力によって偏倚させるように構成されている。その結果、スタンドの引き出し状態においては突起が弾性体の弾発力によって筺体の底辺の面上に突出するようになっている。
【0017】
そのため、筺体の底辺の面上に突出した突起は、規制機構によってその位置が規制されると共に、その位置が弾性体による弾発力によって維持されるので、突起の突出状態が安定に正確な位置に保持される。従って、電子機器は常に安定した状態で卓上に載置される。
【0018】
また、請求項3に係る発明においては、摺動体に上下方向に延在して係合溝を形成し、スタンドの先端寄りには、スタンドの収納状態において係合溝に挿入し、スタンドの引き出し状態において係合溝から離脱する垂立片を形成する。そして、垂立片には係合溝の縁に当設して摺動体を弾性体の弾発力に逆らって摺動させる傾斜面を形成して構成されている。
【0019】
そのため、スタンドの収納状態では垂立片が係合溝から離脱して弾性体の弾発力で摺動
体を偏倚し突起を後退させ、スタンドの引き出し状態では垂立片が係合溝に係合して摺動体を弾発力に逆らって摺動させ突起を後退するので、突起の突出・後退をスタンドの収納、引き出し動作に連動して作動させることができる。その結果、突起の突出、後退の操作が容易に確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器を卓上に載置した状態の正面図である。
【図2】図1におけるスタンド付き電子機器を背面側の斜め上から見た斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器においてスタンドを引き出した状態で正面パネルを取り除いて示す正面図である。
【図4】図3における突起部分を示すためにA−A線で切断した断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器においてスタンドを収納した状態で正面パネルを取り除いて示す正面図である。
【図6】図5における突起部分を示すためにB−B線で切断した断面図である。
【図7】図3における連動機構を示すためにC−C線で切断した断面図である。
【図8】図5における連動機構を示すためにD−D線で切断した断面図である。
【図9】本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器においてスタンドを引き出した状態で背面側の斜め下から底辺部分を見た斜視図である。
【図10】本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器においてスタンドを収納した状態で背面側の斜め下から底辺部分を見た斜視図である。
【図11】従来のスタンド付き電子機器を卓上に載置した状態を示す正面図である。
【図12】図11におけるスタンド付き電子機器を背面側の斜め上から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術的思想を具体化するためのスタンド付き電子機器を例示するものであって、本発明をこのスタンド付き電子機器に特定することを意図するものでなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のスタンド付き電子機器にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0022】
図1は本発明の一実施例に係るスタンド付き電子機器を卓上に載置した状態を示す正面図であり、図2は図1におけるスタンド付き電子機器を背面側の斜め上から見た斜視図である。
【0023】
本実施例に係るスタンド付き電子機器10は、図1、図2に示すように、扁平で矩形の形状である筺体20と、筺体20の背面中央部分に基部が蝶番(図示せず)によって所定の範囲内で回動自在に支持されて設けられたスタンド30とからなる。スタンド30は筺体20の背面内に収納された状態と背面から回動して引き出された状態を取るようになっている。そして、筺体20の前面201には表示パネル、操作面が配置され、底辺中央部分には若干膨出した形状の当接部202が設けられている。また、筺体20の底辺には、当接部202を挟んで端寄りに夫々突起40が配されている。
【0024】
図3から図6において突起40の構成が詳しく示されているが、この一対の突起40は筺体20の底辺に形成された開口203から突出し、また開口203内に後退するようになっている。この突出、後退のための突出・後退手段を形成する突出・後退機構50は、突起40を支持する筺体20内に配された棒状の支持体501と、筺体20内において支持体501が取り付けられ上下方向に習動する習動体502と、習動体502を常に下方に偏倚させる弾発力を有する弾性体503とから構成されている。
【0025】
突起40は筐体20の底辺からの突出量と後退位置とが規制機構60によって規制されている。この規制機構60は、習動体502に形成されたガイド溝601と筐体20に設けられたガイドピン602とによって習動体502の上下方向の習動範囲が規制された構成と、支持体501の下方への移動を制限するストッパー603からなっている。ここで、突起40は底辺からの突出量が規制機構60によって当接部202の突出量に等しくなるように設定されている。
【0026】
突出・後退機構50は、図7.図8に詳細を示すように、連結手段を形成する連動機構70によってスタンド30に関連付けされ、スタンド30の収納、引き出し動作に連動して作動するようになっている。この連動機構70は、習動体502に上下方向に延在して形成された一対の係合溝701と、スタンド30の先端寄りにおいて係合溝701に対向して設けられた一対の垂立片702と、垂立片702の先端に形成され係合溝701の上縁に当接する傾斜面703と、傾斜面703に連なる水平面704と、垂立片702を筐体20の外部から内部へと挿通させる挿通孔705とから構成されている。また、係合溝701の上縁には、垂立片702の先端に当たって案内する案内用突起706が形成されている。
【0027】
即ち、スタンド30が引き出されたときには、図9で示すように突起40がスタンド30の引き出し動作に連動して筐体20の底辺における当接部202を挟んだ両端寄りに突出して位置され、スタンド30が収納されたときには、図10で示すようにスタンド30の収納動作に連動して筐体20の底辺の面上に突出しないように後退して位置されるように構成されている。
【0028】
次に、上述した実施例のスタンド付き電子機器10の動作についてについて説明する。
まず、電子機器10を卓400の面上に載置する際には、図7、図9で示すようにスタンド30を筐体20の背面内から引き出し垂立片702を係合溝701から離脱させる。その結果、連動機構70における垂立片702と係合溝701との係合状態が解除される。そして、突出・後退機構50を構成する摺動体502は弾性体503の弾発力によって下方に偏倚される。摺動体502が下方に偏倚することにより、支持体501も下方に偏倚して突起40を開口203から底辺の面上へと突出させる。
【0029】
突出・後退機構50によって突出された突起40は、図3、図4で示すように、その突出量が規制機構60によって当接部202の突出量に等しく突出される。即ち、規制機構60による突出量の規制は、摺動体502がガイド溝601とガイドピン602とによる下方向への最大移動位置が決められることと、支持体501がストッパー603による下方向への最大移動位置が規制されることにより達成される。
【0030】
スタンド30を引き出し、突起40を突出させた状態の電子機器10は卓400の面上に置くことによりスタンド30によって正面201が傾いた状態で載置される。そして、底辺の当接部202と一対の突起40とが卓400の面に当たって電子機器10を支える。即ち、電子機器10は、図9に示すように載置状態では4箇所で支えられることになる。
【0031】
スタンド30を電子機器10の背面内に収納する動作について説明する。この収納はスタンド30を背面方向に押し付けるように回動させて行う。このとき、スタンド30の収納動作に連動して作動する連動機構70が突出・後退機構50を作動させて突起40を筐体20の底辺の面から突出しない位置に後退させる。この動作の詳細は、スタンド30に設けた垂立片702が挿通孔705を介して筐体20内に挿入され係合溝701に係合する。垂立片702はその傾斜面703が案内用突起706に案内されて係合溝701の上縁に当接する。そして、スタンド30が押込まれる動作に従って傾斜面703により摺動体502を上方に摺動させる。
【0032】
スタンド30が背面内に押込まれて収納された状態では、垂立片702の水平面704が係合溝701の縁に当接する。この当接状態は圧縮された弾性体503の弾発力によって強固に維持される。従って、スタンド30は筐体20の背面内に収納された状態で保持される。
【0033】
また、摺動体502が上方に移動されることにより、支持部501は上方に移動されて突起40を突出状態から後退させる。この後退位置は、突起40が開口203内を後退して底辺の面から突出しない位置となる。この位置は規制機構60によって規制される。しかも、突起40の後退状態は前述したスタンド30の収納状態の保持によって維持される。
【0034】
従って、上述した本発明の実施例によれば、スタンド付き電子機器10は、筐体20の背面中央部に収納、引き出し自在に配されたスタンド30と筺体20の底辺中央部分に膨出して設けた当設部202とを備えており、更に、筺体20の底辺の両端寄りに夫々形成された開口203に突起40が突出・後退機構50によって突出、後退自在に配され、突出・後退機構50が連動機構70によってスタンド30の収納、引き出し動作に連動されている。そして、スタンド30の収納状態において一対の突起40が開口203内に後退され、スタンド30の引き出し状態において一対の突起40が開口203から底辺上に突出されるように構成されている。この突出量は規制機構60によって当設部202の膨出した突出量と等しく設定されている。
【0035】
そのため、スタンド30を引き出して卓400の面上に電子機器10を載置する際には、電子機器10の底辺の両端寄りに突起40が突出して卓400の面に当接し電子機器10を左右の端部分で上下方向に動いてしまうことを阻止するので、電子機器10ががたつくことなく載置される。また、電子機器10はスタンド30と当設部202と一対の突起40との4箇所で卓400の面に接地するので安定した載置状態が得られる(図9参照)。一方、スタンド30を収納した状態では、突起40が開口203内に後退し面上に突出しないので、電子機器10の美感を損なうことがないだけでなく、電子機器10を取り扱う際に突起物がないので手触りに違和感を与えない(図10参照)。
【0036】
また、突出・後退機構50は筐体20内において上下方向に摺動する摺動体502を有し、突起40が摺動体502に取り付けられた支持体501に支持され、摺動体502が突起40を突出する方向に弾性体503によって偏倚させるように構成し、スタンド30の引き出し状態において突起40が弾性体503の偏倚力によって筺体20の底辺上に突出させている。
【0037】
そのため、筺体20の底辺面上に突出した突起40は、規制機構60によってその位置が規制されると共に、その位置が弾性体503による弾発力によって維持されるので、突起40の突出状態が正確な位置に保持される。従って、電子機器10は常に安定した状態で卓400の面上に載置される。
【0038】
また、連動機構70は、摺動体502に上下方向に延在して形成した係合溝701と、スタンド30の先端寄りに垂立して設けた垂立片702を備えている。垂立片702は、スタンド30の引き出し状態において係合溝701から離脱し、スタンド30の収納状態において係合溝701に挿入してその縁に当設するようになっている。垂立体702の当接部分には傾斜面703と水平面704が連なって形成されている。
【0039】
そのため、スタンド30の引き出し状態では垂立片702が係合溝701から離脱して
弾性体503の弾発力で摺動体502を偏倚し突起40を突出させ、スタンド30の収納状態では垂立片702が係合溝701に係合して摺動体502を弾発力に逆らって摺動させ突起40を後退するので、突起40の突出・後退をスタンド30の収納、引き出し動作に連動させことができる。従って、突起40の突出、後退はスタンド30の引き出し収納動作に連動して自動的に行われるので電子機器10の取り扱いが容易となる。また、スタンド30の収納状態と突起40の後退状態は水平面704が係合溝701に弾性的に当接しているので、この状態が確実に保持される。
【0040】
なお、上記実施例においては、突起40の突出量は規制機構60によって当接部202の突出量に等しく設定したが、本発明はこれに限定されることなく突起40の突出量が筐体20の端寄りで上下方向に実質的にがたつきを生じない程度に当接部202の突出量にほぼ等しく設定したものであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
10・・・・スタンド付き電子機器
20・・・・筐体
30・・・・スタンド
40・・・・突起
50・・・・突出・後退機構
60・・・・規制機構
70・・・・連動機構
201・・・前面
202・・・当接部
203・・・開口
400・・・卓
501・・・支持体
502・・・摺動体
503・・・弾性体
601・・・ガイド溝
602・・・ガイドピン
603・・・ストッパー
701・・・係合溝
702・・・垂立片
703・・・傾斜面
704・・・水平面
705・・・挿通孔
706・・・案内用突起
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体の背面中央部に収納、引き出し自在に配したスタンドを備えたスタンド付き電子機器であって、
前記筺体の底辺両端寄りに形成され一対となった開口と、
前記一対の開口に夫々配された突起と、
前記突起を前記底辺面上に突出させ、また、突出した前記突起を前記底辺の面上に突出しない位置に後退させる突出・後退手段と、
前記突出・後退手段を前記スタンドの収納、引き出し動作に連動させて作動させる連動手段とを有し、
前記突出・後退手段は、前記連動手段による前記スタンドの前記筺体への収納、引き出し動作に連動して前記一対の突起を前記開口を介して該筺体の底辺に突出、後退させるように構成したことを特徴とするスタンド付き電子機器。
【請求項2】
前記突出・後退手段は、前記筺体内において上下方向に摺動する摺動体と、該摺動体に取り付けられた前記突起を支持する支持体と、該摺動体を前記開口から突出する方向に偏倚させる弾発力を有する弾性体と、該突起の突出量と後退位置とを規制する規制機構とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスタンド付き電子機器。
【請求項3】
前記連動手段は、前記摺動体に上下方向に延在して形成された係合溝と、前記スタンドの先端寄りに形成され、該スタンドの収納状態において該係合溝に挿入し該スタンドの引き出し状態において該係合溝から離脱する垂立片と、該係合溝の縁に当設して該摺動体を前記弾性体の弾発力に逆らって摺動させる該垂立片に形成された傾斜面とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスタンド付き電子機器。
【請求項1】
筺体の背面中央部に収納、引き出し自在に配したスタンドを備えたスタンド付き電子機器であって、
前記筺体の底辺両端寄りに形成され一対となった開口と、
前記一対の開口に夫々配された突起と、
前記突起を前記底辺面上に突出させ、また、突出した前記突起を前記底辺の面上に突出しない位置に後退させる突出・後退手段と、
前記突出・後退手段を前記スタンドの収納、引き出し動作に連動させて作動させる連動手段とを有し、
前記突出・後退手段は、前記連動手段による前記スタンドの前記筺体への収納、引き出し動作に連動して前記一対の突起を前記開口を介して該筺体の底辺に突出、後退させるように構成したことを特徴とするスタンド付き電子機器。
【請求項2】
前記突出・後退手段は、前記筺体内において上下方向に摺動する摺動体と、該摺動体に取り付けられた前記突起を支持する支持体と、該摺動体を前記開口から突出する方向に偏倚させる弾発力を有する弾性体と、該突起の突出量と後退位置とを規制する規制機構とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスタンド付き電子機器。
【請求項3】
前記連動手段は、前記摺動体に上下方向に延在して形成された係合溝と、前記スタンドの先端寄りに形成され、該スタンドの収納状態において該係合溝に挿入し該スタンドの引き出し状態において該係合溝から離脱する垂立片と、該係合溝の縁に当設して該摺動体を前記弾性体の弾発力に逆らって摺動させる該垂立片に形成された傾斜面とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスタンド付き電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−210950(P2011−210950A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77199(P2010−77199)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
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