スタンド及び表示装置
【課題】小型化でき、しかも取付作業性を高めることができるスタンド、及びスタンドを小分けして表示装置本体とともに梱包することができる表示装置を提供する。
【解決手段】床等の被載置部に接触する第1接触部31及び該第1接触部31から上方へ離隔した部位に開設されている第1孔51を有し、表示装置本体1の前方への転倒を防ぐための複数の第1脚体3と、前記被載置部に接触する第2接触部41及び該第2接触部41から上方へ離隔した部位に開設されている第2孔52を有し、表示装置本体1の後方への転倒を防ぐための複数の第2脚体4とを備え、第1接触部31及び第1孔51間の距離と、第2接触部41及び第2孔52間の距離とをほぼ等しくし、共通の雄螺子6で第1脚体3及び第2脚体4を取付けることができるようにした。
【解決手段】床等の被載置部に接触する第1接触部31及び該第1接触部31から上方へ離隔した部位に開設されている第1孔51を有し、表示装置本体1の前方への転倒を防ぐための複数の第1脚体3と、前記被載置部に接触する第2接触部41及び該第2接触部41から上方へ離隔した部位に開設されている第2孔52を有し、表示装置本体1の後方への転倒を防ぐための複数の第2脚体4とを備え、第1接触部31及び第1孔51間の距離と、第2接触部41及び第2孔52間の距離とをほぼ等しくし、共通の雄螺子6で第1脚体3及び第2脚体4を取付けることができるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置、プラズマ表示装置等の表示装置に取付けられるスタンド及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビジョン等の薄型の表示装置は、前側に表示面を有し、後側に補強用の柱形部材を有する表示装置本体と、該表示装置本体の周縁部及び後側を被覆するキャビネットと、前記柱形部材夫々の下部に複数本の雄螺子により固定された二つの取付具と、取付具夫々に取付けられ、前記表示装置本体を起立状態で支持するスタンドとを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
スタンドは平面視略H字形をなし、床面に載置されるベース部と、該ベース部の横方向へ離隔した二箇所に複数本の雄螺子により結合された二つの脚部とを有し、脚部夫々の上部が前記取付具夫々に雄螺子により取付けられ、表示装置本体の前後方向への転倒を防ぐように構成されている。
【0004】
また、製造された液晶テレビジョン等の表示装置は、段ボール箱に収納して梱包される。表示装置が梱包される場合、表示装置本体にスタンドが取付けられた状態で段ボール箱内に収納されるか、又は、スタンドを表示装置本体に取付けない状態で、キャビネットが取付けられた表示装置本体及びスタンドが一つの段ボール箱内に収納される。
【特許文献1】特開2006−337776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、比較的大型の薄型テレビジョンは、スタンドのベース部、及び二つの脚部が大型になり、スタンドの全体が大型になるため、特許文献1のように一つのベース部に二つの脚部が結合されるスタンドを備える表示装置にあっては、表示装置本体にスタンドが取付けられた状態で梱包される場合でも、また、スタンドを表示装置本体に取付けない状態で梱包される場合でも、スタンドによる収納容積が多くなり、段ボール箱が大型になる。因って、梱包された表示装置を車両、船舶等の輸送機に積載して輸送する場合、最大積載容積に対する積載個数が少なくなり、輸送費用が高くなり、改善策が要望されていた。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は被載置部に接触する第1接触部及び第1接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第1孔を有し、被支持物の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、被載置部に接触する第2接触部及び第2接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第2孔を有し、被支持物の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とを備え、第1接触部及び第1孔間の距離と、前記第2接触部及び第2孔間の距離とをほぼ等しくすることにより、スタンドを小型・軽量化でき、しかも、スタンドの取付作業性を高めることができるスタンドを提供する点にあり、また、スタンドを小分けして表示装置本体とともに梱包することができる表示装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスタンドは、被載置部に載置され、被支持物を支持するスタンドにおいて、前記被載置部に接触する第1接触部及び該第1接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第1孔を有し、前記被支持物の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、前記被載置部に接触する第2接触部及び該第2接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第2孔を有し、前記被支持物の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とを備え、前記第1接触部及び第1孔間の距離と、前記第2接触部及び第2孔間の距離とはほぼ等しいことを特徴とする。
【0008】
この発明にあっては、被支持物の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、被支持物の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とが夫々分かれており、小分けした状態で被支持物とともに梱包することができるため、梱包箱のスタンドによる収納容積を低減でき、梱包箱を小型化でき、輸送費用を低減できる。また、第1孔及び第2孔に挿入される共通の取付部材により第1脚体及び第2脚体を被支持物に取付けることができるため、開梱される際、第1脚体及び第2脚体を被支持物に簡易に取付けることができ、スタンドの取付作業性を高めることができる。
【0009】
また、本発明に係るスタンドは、前記第1脚体は略L字形をなし、前記第2脚体は前記第2接触部及び第2孔間が横方向へ偏倚している構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第1孔及び第2孔に挿入される取付部材により第1脚体及び第2脚体を被支持物に取付けた際、第1接触部及び第2接触部間の距離を比較的長くすることができ、第2接触部を小型化でき、第2脚体の全体をより一層小型・軽量化できる。
【0010】
また、本発明に係るスタンドは、前記第2脚体は、溝を有する脚体本体、及び前記溝内に前記脚体本体と一体に成形され、前記被支持物に取付けられる取付片を有し、該取付片に前記第2孔が配されている構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、溝を有する脚体本体の剛性を取付片により高めつつ軽量化することができ、また、第2脚体を成形により簡易に得ることができる。
【0011】
また、本発明に係る表示装置は、前側に表示面を有し、前記被支持物を構成する表示装置本体と、該表示装置本体に取付けられ、該表示装置本体を支持する前述した発明のスタンドとを備えることを特徴とする。
【0012】
この発明にあっては、表示装置本体の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、及び表示装置本体の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とが夫々分かれており、小分けした状態で表示装置本体とともに梱包することができるため、梱包箱のスタンドによる収納容積を低減でき、梱包箱を小型化でき、輸送費用を低減できる。また、第1孔及び第2孔に挿入される取付部材により第1脚体及び第2脚体を表示装置本体に取付けることができるため、開梱される際、スタンドを表示装置本体に簡易に取付けることができ、スタンドの取付作業性を高めることができる。
【0013】
また、本発明に係る表示装置は、前記表示装置本体は、前記第1孔及び第2孔へ挿入される雄螺子が嵌入される第3孔を有し、前記第1脚体及び第2脚体が取付けられる複数の被取付部材を備える構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第1孔及び第2孔に挿入される雄螺子を第3孔に嵌入することにより、第1脚体及び第2脚体を被取付部材に取付けることができるため、第1脚体及び第2脚体の取付部の剛性を高めることができる。
【0014】
また、本発明に係る表示装置は、前記表示装置本体の周縁部及び後側を被覆し、前記第3孔と対応する部位から前方へ延出されている結合凸部及び該結合凸部を貫通する第4孔を有するキャビネットを備える構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第4孔に挿入されるキャビネット取付用の雄螺子を第1孔、第2孔及び第3孔に挿入することにより、第1脚体及び第2脚体を、キャビネット取付用の雄螺子により取付けることができ、スタンド取付用の雄螺子をなくすることができ、コストを低減できる。
【0015】
また、本発明に係る表示装置は、前記キャビネットは、前記表示装置本体の周縁部前側を被覆し、前記第3孔と対応する部位から後方へ延出された第2結合凸部及び該第2結合凸部を貫通する第5孔を有するキャビネット前分体と、前記表示装置本体の後側を被覆し、前記第4孔を有するキャビネット後分体とを備える構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第4孔に挿入されるキャビネット後分体取付用の雄螺子を第1孔、第2孔、第3孔及び第5孔に挿入することにより、第1脚体、第2脚体及びキャビネット前分体を、キャビネット後分体取付用の雄螺子により取付けることができ、スタンド取付用の雄螺子をなくすることができるとともに、キャビネット前分体取付用の雄螺子の本数を削減でき、コストを低減できる。
【0016】
また、本発明に係る表示装置は、前記結合凸部は、前記第2脚体の一部が嵌入される嵌入孔を有する構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第2脚体に加わる荷重の一部を結合凸部からキャビネット後分体に加えることができるため、第2脚体取付部の剛性を高めることができる。また、第2脚体の取付片と被取付部材との間の距離を比較的短くすることができ、第4孔に挿入される雄螺子を第1孔、第2孔及び第3孔へ容易に挿入することができ、スタンドの取付作業性を向上できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、スタンドは被支持物の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、被支持物の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とが分かれているため、スタンドを小型化でき、しかも、第1孔及び第2孔へ挿入する共通の取付部材により第1脚体及び第2脚体を共に取付けることができるため、スタンドの取付作業性を高めることができる。
【0018】
また、本発明によれば、表示装置本体の前方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、表示装置本体の後方への転倒を防ぐための第2脚体複数とが分かれている状態で表示装置本体とともにスタンドを梱包することができるため、梱包箱のスタンドによる収納容積を低減でき、梱包箱を小型化でき、輸送費用を低減できる。因って、表示装置の販売コストを低減できる。また、第1孔及び第2孔に挿入される共通の取付部材により第1脚体及び第2脚体を表示装置本体に取付けることができるため、開梱される際、スタンドを表示装置本体に簡易に取付けることができ、スタンドの取付作業性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る表示装置の構成を示す正面側の斜視図、図2は表示装置の構成を示す正面図、図3は表示装置の構成を示す背面図、図4は表示装置の構成を示す背面側の斜視図、図5は表示装置のキャビネット後分体を取外した状態を示す背面側の斜視図、図6は被取付部材の構成を示す背面図、図7は表示装置のスタンドを取外した状態を示す背面側の斜視図、図8は表示装置の要部の構成を示す縦断側面図、図9は表示装置の要部の構成を示す拡大した縦断側面図、図10は表示装置の要部の構成を示す分解した縦断側面図である。
【0020】
図示した表示装置はテレビ画像を表示する表示面を前側に有し、略直方体をなす表示装置本体1と、該表示装置本体の周縁部及び後側を被覆するキャビネット2と、表示装置本体1の後側下部に取外しを可能に取付けられ、表示装置本体1を起立状態で支持するスタンドAとを備える薄型の液晶テレビジョンである。
【0021】
表示装置本体1は前側に表示面11aを有する液晶の表示パネル11と、該表示パネル11の後側に配置された光学シート12、光源13及び電源基板等のテレビ基板14と、これら表示パネル11等の部品を支持する支持体15と、該支持体15の後側下部両側に配されたスピーカ16,16とを備える。
【0022】
支持体15は直方体をなす横長の枠部材及び周縁部が該枠部材に結合され該枠部材の後側端を閉鎖する蓋板を有するケース15aと、前記蓋板の後側で長手方向の2箇所に配され、上下端が前記枠部材及び蓋板に結合されたケース補強用の被取付部材15b,15bとを備え、ケース15aの内側に光源13が収容支持され、後側にテレビ基板14が配されている。
【0023】
二つの被取付部材15b,15bはケース15aを補強するもので、平面視略波形をなし、凹条及び凸条が連なる条体からなり、凹条の下端から下方へ延出された板状の延出部を、前後方向へ貫通する第3孔53を有する被取付部15c,15cとしてある。二つの被取付部15c,15cはスピーカ16,16の間に配されている。
【0024】
キャビネット2は表示パネル11の外周り及びスピーカ16,16の前側を被覆するキャビネット前分体21と、支持体15の後側及びスピーカ16,16を被覆するキャビネット後分体22とを有し、キャビネット前分体21及びキャビネット後分体22の周縁部が支持体15に複数本の雄螺子により取付けられている。
【0025】
キャビネット前分体21は、環板部21a及び該環板部21aの周縁から後方へ延出された角筒部21bを有し、環板部21aの下部にはスピーカ16,16を支持するためのスピーカ支持部21cが設けられており、該スピーカ支持部21cに、第3孔53,53と対応する部位から被取付部15c,15cに向けて後方へ延出された筒状の二つの第2結合凸部21d,21dが設けられ、該第2結合凸部21d,21dに、第3孔53,53に対応する第5孔55,55が前後方向へ開設されている。第2結合凸部21d,21dの端部には、キャビネット前分体21が支持体15の周縁部に結合されるとき第3孔53,53に嵌入される嵌入部21e,21eが設けられ、該嵌入部21e,21eの第3孔53,53への嵌入により第2結合凸部21d,21dの第3孔53,53に対する位置を正確に決めることができるように構成されている。
【0026】
キャビネット後分体22は深皿形をなし、スピーカ16,16を被覆する下側の横方向へ離隔した部位には、第3孔53,53と対応する部位から被取付部15c,15cと対向する部位に向けて前方へ延出された筒状の二つの結合凸部22a,22aが横方向へ離隔して設けられ、該結合凸部22a,22aに、第3孔53,53に対応する第4孔54,54が前後方向へ開設されている。キャビネット後分体22の周縁部はキャビネット前分体21の角筒部21bの内側に嵌合されており、また、キャビネット後分体22における周縁部の下側で、被取付部15c,15cに対応する部位には、角筒部21bの端縁に沿って上方へ貫通する挿通孔22b,22bが開設されている。
【0027】
結合凸部22a,22aは被取付部15c,15cと僅かに離隔する部位へ延出され、該結合凸部22a,22aと被取付部15c,15cとの間で後記する第1脚体3,3の第1取付部32,32を挟み込むように構成されている。また、結合凸部22a,22aには後記する第2脚体4,4の取付片側が嵌入される嵌入孔22c,22cが開設されている。
【0028】
スタンドAは被支持物としての表示装置本体1の前方への転倒を防ぐための二つの第1脚体3,3と、表示装置本体1の後方への転倒を防ぐための二つの第2脚体4,4とを備える。
【0029】
第1脚体3,3は、被載置部としての床面に接触する矩形板状の第1接触部31,31と、該第1接触部31,31の一縁(後縁)から上方へ立上がり、挿通孔22b,22bからキャビネット2内へ挿入される矩形板状の第1取付部32,32とが略L字形に一体に成形された合成樹脂製であり、第1取付部32,32の第1接触部31,31から上方へ離隔した部位に、第3孔53,53に対応する第1孔51,51が開設されている。第1接触部31,31の下面には緩衝材33,33が設けられており、第1接触部31,31が第1取付部32,32よりも前側となるように配される。
【0030】
第1取付部32,32には、第1取付部32,32が挿通孔22b,22bへ挿入されるとき、被取付部15c,15cが嵌合される嵌合凹部が設けられ、被取付部15c,15cの嵌合凹部への嵌合により第1孔51,51の第3孔53に対する位置を正確に決めることができるように構成されている。
【0031】
第2脚体4,4は、被載置部としての床面に接触する第2接触部41,41、該第2接触部41,41に関して上方へ偏倚する偏倚部42,42及び該偏倚部42,42に関して第2接触部41,41と反対側へ偏倚する第2取付部43,43を有する脚体本体40,40と、該脚体本体40,40を被取付部15c,15cに取付ける取付片44,44とが一体に成形された合成樹脂製である。
【0032】
脚体本体40,40は、周面の一部が上方へ開放された溝を有する半パイプ形をなし、第2取付部43,43の溝内に取付片44,44が一体に設けられており、長手方向が前後となるように配される。第2接触部41,41の下面には緩衝材45,45が設けられている。
【0033】
取付片44,44の第2接触部41,41から上方へ離隔した部位には、第3孔53,53に対応する第2孔52,52が開設されている。第1接触部31,31から第1孔51,51までの上下の距離と、第2接触部41,41から第2孔52,52までの上下の距離とはほぼ等しくなっており、第1孔51,51及び第2孔52,52に挿入する取付部材としての1本の雄螺子6,6により第1脚体3,3及び第2脚体4,4を取付けることができるように構成されている。また、第2取付部43,43には、該第2取付部43,43が嵌入孔22c,22cに嵌入されるとき、嵌入孔22c,22cの一部に接触して第2取付部43,43を仮止めする仮止め部が設けられている。
【0034】
以上のように構成された表示装置は、キャビネット2が取付けられている表示装置本体1にスタンドAを取付けない状態で、表示装置本体1及びスタンドAが一つの段ボール箱内に収納され、梱包される。この際、スタンドAは、二つの第1脚体3,3と、二つの第2脚体4,4とに分かれており、スタンドAの全体が小型に形成されているため、スタンドAによる段ボール箱の収納容積を比較的少なくすることができ、段ボール箱を小型にできる。因って、梱包された表示装置を車両、船舶等の輸送機に積載して輸送する場合、最大積載容積に対する積載個数を増加でき、輸送費用を低減でき、ひいては表示装置の販売コストを低減できる。
【0035】
輸送された表示装置は開梱され、キャビネット2が取付けられている表示装置本体1にスタンドAが取付けられる。
【0036】
スタンドAの取付けは、表示装置本体1におけるキャビネット後分体22の下側の挿通孔22b,22bからキャビネット2内へ第1脚体3,3の第1取付部32,32を挿入する。このとき、第1取付部32,32の嵌合凹部に被取付部15c,15cが嵌合され、第1孔51,51の第3孔53,53に対する位置を正確に決めることができる。次に、結合凸部22a,22aの嵌入孔22c,22cへ第2脚体4,4の第2取付部43,43を嵌入する。このとき、第2孔52,52の第3孔53,53に対する位置を正確に決めることができ、また、第2取付部43,43の仮止め部が嵌入孔22c,22cの一部に接触し、第2取付部43,43を仮止めすることができる。この仮止め状態で、第1孔51,51、第2孔52,52、第3孔53,53、第4孔54,54及び第5孔55,55が対応しているため、第2脚体4,4の溝内へ挿入する1本の雄螺子6,6を第2孔52,52へ挿入して捩じ込み操作を行うことにより、該雄螺子6,6を第5孔55,55に捩じ込むことができ、第2脚体4,4の取付片44,44と第2結合凸部21d,21dとの間で結合凸部22a,22a、第1取付部32,32及び被取付部15c,15cを前後に挾着し、第1脚体3,3及び第2脚体4,4を被取付部15c,15cに取付けることができるとともに、キャビネット前分体21の第2結合凸部21d,21d及びキャビネット後分体22の結合凸部22a,22aを被取付部15c,15cに固定することができる。
【0037】
このように第1脚体3,3及び第2脚体4,4を、支持体15を補強する被取付部材15b,15bに取付けるため、第1脚体3,3及び第2脚体4,4の取付部の剛性を高めることができる。また、キャビネット2取付用の雄螺子により第1脚体3,3及び第2脚体4,4を取付けることができるため、スタンドA専用の雄螺子をなくすることができ、部品点数を削減できるとともに、スタンドAの取付作業性を高めることができる。
【0038】
図11は第2脚体4,4の断面形状を示す説明図である。第2脚体4,4は、図7で示すように断面半円形である他、図11(a) 〜(d) の断面形状としてもよく、第2脚体4,4の断面形状は特に制限されない。図11(a) は周方向の厚さが異なる略U字形をなしており、図11(b) は凹形をなしており、図11(c) は逆T字形をなし、二つの取付片44,44が設けられており、図11(d) はL字形をなしている。
【0039】
尚、以上説明した実施の形態では、補強用の被取付部材15b,15bを有する支持体15の被取付部材15b,15bに第1脚体3,3及び第2脚体4,4を取付けたが、その他、第1脚体3,3及び第2脚体4,4は被取付部材15b,15bのない支持体15に取付ける構成としてもよい。
【0040】
また、以上説明した実施の形態では、キャビネット2の一部を支持体15に取付ける雄螺子6,6により第1脚体3,3及び第2脚体4,4を取付ける構成としたが、その他、第1脚体3,3及び第2脚体4,4は、キャビネット2取付用の雄螺子と別の雄螺子で取付ける構成としてもよい。
【0041】
また、本発明に係る表示装置は液晶テレビジョン等の液晶表示装置である他、プラズマ表示装置、ELディスプレイ等の表示装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る表示装置の構成を示す正面側の斜視図である。
【図2】本発明に係る表示装置の構成を示す正面図である。
【図3】本発明に係る表示装置の構成を示す背面図である。
【図4】本発明に係る表示装置の構成を示す背面側の斜視図である。
【図5】本発明に係る表示装置のキャビネット後分体を取外した状態を示す背面側の斜視図である。
【図6】本発明に係る表示装置の被取付部材の構成を示す背面図である。
【図7】本発明に係る表示装置のスタンドを取外した状態を示す背面側の斜視図である。
【図8】本発明に係る表示装置の要部の構成を示す縦断側面図である。
【図9】本発明に係る表示装置の要部の構成を示す拡大した縦断側面図である。
【図10】本発明に係る表示装置の要部の構成を示す分解した縦断側面図である。
【図11】本発明に係るスタンドの第2脚体の断面形状を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
A スタンド
1 表示装置本体(被支持物)
11a 表示面
15b 被取付部材
2 キャビネット
21 キャビネット前分体
21d 第2結合凸部
22 キャビネット後分体
22a 結合凸部
22c 嵌入孔
3 第1脚体
31 第1接触部
32 第1取付部
4 第2脚体
40 脚体本体
41 第2接触部
43 第2取付部
44 取付片
51 第1孔
52 第2孔
53 第3孔
54 第4孔
55 第5孔
6 雄螺子(取付部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置、プラズマ表示装置等の表示装置に取付けられるスタンド及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビジョン等の薄型の表示装置は、前側に表示面を有し、後側に補強用の柱形部材を有する表示装置本体と、該表示装置本体の周縁部及び後側を被覆するキャビネットと、前記柱形部材夫々の下部に複数本の雄螺子により固定された二つの取付具と、取付具夫々に取付けられ、前記表示装置本体を起立状態で支持するスタンドとを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
スタンドは平面視略H字形をなし、床面に載置されるベース部と、該ベース部の横方向へ離隔した二箇所に複数本の雄螺子により結合された二つの脚部とを有し、脚部夫々の上部が前記取付具夫々に雄螺子により取付けられ、表示装置本体の前後方向への転倒を防ぐように構成されている。
【0004】
また、製造された液晶テレビジョン等の表示装置は、段ボール箱に収納して梱包される。表示装置が梱包される場合、表示装置本体にスタンドが取付けられた状態で段ボール箱内に収納されるか、又は、スタンドを表示装置本体に取付けない状態で、キャビネットが取付けられた表示装置本体及びスタンドが一つの段ボール箱内に収納される。
【特許文献1】特開2006−337776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、比較的大型の薄型テレビジョンは、スタンドのベース部、及び二つの脚部が大型になり、スタンドの全体が大型になるため、特許文献1のように一つのベース部に二つの脚部が結合されるスタンドを備える表示装置にあっては、表示装置本体にスタンドが取付けられた状態で梱包される場合でも、また、スタンドを表示装置本体に取付けない状態で梱包される場合でも、スタンドによる収納容積が多くなり、段ボール箱が大型になる。因って、梱包された表示装置を車両、船舶等の輸送機に積載して輸送する場合、最大積載容積に対する積載個数が少なくなり、輸送費用が高くなり、改善策が要望されていた。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は被載置部に接触する第1接触部及び第1接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第1孔を有し、被支持物の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、被載置部に接触する第2接触部及び第2接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第2孔を有し、被支持物の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とを備え、第1接触部及び第1孔間の距離と、前記第2接触部及び第2孔間の距離とをほぼ等しくすることにより、スタンドを小型・軽量化でき、しかも、スタンドの取付作業性を高めることができるスタンドを提供する点にあり、また、スタンドを小分けして表示装置本体とともに梱包することができる表示装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスタンドは、被載置部に載置され、被支持物を支持するスタンドにおいて、前記被載置部に接触する第1接触部及び該第1接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第1孔を有し、前記被支持物の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、前記被載置部に接触する第2接触部及び該第2接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第2孔を有し、前記被支持物の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とを備え、前記第1接触部及び第1孔間の距離と、前記第2接触部及び第2孔間の距離とはほぼ等しいことを特徴とする。
【0008】
この発明にあっては、被支持物の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、被支持物の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とが夫々分かれており、小分けした状態で被支持物とともに梱包することができるため、梱包箱のスタンドによる収納容積を低減でき、梱包箱を小型化でき、輸送費用を低減できる。また、第1孔及び第2孔に挿入される共通の取付部材により第1脚体及び第2脚体を被支持物に取付けることができるため、開梱される際、第1脚体及び第2脚体を被支持物に簡易に取付けることができ、スタンドの取付作業性を高めることができる。
【0009】
また、本発明に係るスタンドは、前記第1脚体は略L字形をなし、前記第2脚体は前記第2接触部及び第2孔間が横方向へ偏倚している構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第1孔及び第2孔に挿入される取付部材により第1脚体及び第2脚体を被支持物に取付けた際、第1接触部及び第2接触部間の距離を比較的長くすることができ、第2接触部を小型化でき、第2脚体の全体をより一層小型・軽量化できる。
【0010】
また、本発明に係るスタンドは、前記第2脚体は、溝を有する脚体本体、及び前記溝内に前記脚体本体と一体に成形され、前記被支持物に取付けられる取付片を有し、該取付片に前記第2孔が配されている構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、溝を有する脚体本体の剛性を取付片により高めつつ軽量化することができ、また、第2脚体を成形により簡易に得ることができる。
【0011】
また、本発明に係る表示装置は、前側に表示面を有し、前記被支持物を構成する表示装置本体と、該表示装置本体に取付けられ、該表示装置本体を支持する前述した発明のスタンドとを備えることを特徴とする。
【0012】
この発明にあっては、表示装置本体の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、及び表示装置本体の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とが夫々分かれており、小分けした状態で表示装置本体とともに梱包することができるため、梱包箱のスタンドによる収納容積を低減でき、梱包箱を小型化でき、輸送費用を低減できる。また、第1孔及び第2孔に挿入される取付部材により第1脚体及び第2脚体を表示装置本体に取付けることができるため、開梱される際、スタンドを表示装置本体に簡易に取付けることができ、スタンドの取付作業性を高めることができる。
【0013】
また、本発明に係る表示装置は、前記表示装置本体は、前記第1孔及び第2孔へ挿入される雄螺子が嵌入される第3孔を有し、前記第1脚体及び第2脚体が取付けられる複数の被取付部材を備える構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第1孔及び第2孔に挿入される雄螺子を第3孔に嵌入することにより、第1脚体及び第2脚体を被取付部材に取付けることができるため、第1脚体及び第2脚体の取付部の剛性を高めることができる。
【0014】
また、本発明に係る表示装置は、前記表示装置本体の周縁部及び後側を被覆し、前記第3孔と対応する部位から前方へ延出されている結合凸部及び該結合凸部を貫通する第4孔を有するキャビネットを備える構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第4孔に挿入されるキャビネット取付用の雄螺子を第1孔、第2孔及び第3孔に挿入することにより、第1脚体及び第2脚体を、キャビネット取付用の雄螺子により取付けることができ、スタンド取付用の雄螺子をなくすることができ、コストを低減できる。
【0015】
また、本発明に係る表示装置は、前記キャビネットは、前記表示装置本体の周縁部前側を被覆し、前記第3孔と対応する部位から後方へ延出された第2結合凸部及び該第2結合凸部を貫通する第5孔を有するキャビネット前分体と、前記表示装置本体の後側を被覆し、前記第4孔を有するキャビネット後分体とを備える構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第4孔に挿入されるキャビネット後分体取付用の雄螺子を第1孔、第2孔、第3孔及び第5孔に挿入することにより、第1脚体、第2脚体及びキャビネット前分体を、キャビネット後分体取付用の雄螺子により取付けることができ、スタンド取付用の雄螺子をなくすることができるとともに、キャビネット前分体取付用の雄螺子の本数を削減でき、コストを低減できる。
【0016】
また、本発明に係る表示装置は、前記結合凸部は、前記第2脚体の一部が嵌入される嵌入孔を有する構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第2脚体に加わる荷重の一部を結合凸部からキャビネット後分体に加えることができるため、第2脚体取付部の剛性を高めることができる。また、第2脚体の取付片と被取付部材との間の距離を比較的短くすることができ、第4孔に挿入される雄螺子を第1孔、第2孔及び第3孔へ容易に挿入することができ、スタンドの取付作業性を向上できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、スタンドは被支持物の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、被支持物の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とが分かれているため、スタンドを小型化でき、しかも、第1孔及び第2孔へ挿入する共通の取付部材により第1脚体及び第2脚体を共に取付けることができるため、スタンドの取付作業性を高めることができる。
【0018】
また、本発明によれば、表示装置本体の前方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、表示装置本体の後方への転倒を防ぐための第2脚体複数とが分かれている状態で表示装置本体とともにスタンドを梱包することができるため、梱包箱のスタンドによる収納容積を低減でき、梱包箱を小型化でき、輸送費用を低減できる。因って、表示装置の販売コストを低減できる。また、第1孔及び第2孔に挿入される共通の取付部材により第1脚体及び第2脚体を表示装置本体に取付けることができるため、開梱される際、スタンドを表示装置本体に簡易に取付けることができ、スタンドの取付作業性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る表示装置の構成を示す正面側の斜視図、図2は表示装置の構成を示す正面図、図3は表示装置の構成を示す背面図、図4は表示装置の構成を示す背面側の斜視図、図5は表示装置のキャビネット後分体を取外した状態を示す背面側の斜視図、図6は被取付部材の構成を示す背面図、図7は表示装置のスタンドを取外した状態を示す背面側の斜視図、図8は表示装置の要部の構成を示す縦断側面図、図9は表示装置の要部の構成を示す拡大した縦断側面図、図10は表示装置の要部の構成を示す分解した縦断側面図である。
【0020】
図示した表示装置はテレビ画像を表示する表示面を前側に有し、略直方体をなす表示装置本体1と、該表示装置本体の周縁部及び後側を被覆するキャビネット2と、表示装置本体1の後側下部に取外しを可能に取付けられ、表示装置本体1を起立状態で支持するスタンドAとを備える薄型の液晶テレビジョンである。
【0021】
表示装置本体1は前側に表示面11aを有する液晶の表示パネル11と、該表示パネル11の後側に配置された光学シート12、光源13及び電源基板等のテレビ基板14と、これら表示パネル11等の部品を支持する支持体15と、該支持体15の後側下部両側に配されたスピーカ16,16とを備える。
【0022】
支持体15は直方体をなす横長の枠部材及び周縁部が該枠部材に結合され該枠部材の後側端を閉鎖する蓋板を有するケース15aと、前記蓋板の後側で長手方向の2箇所に配され、上下端が前記枠部材及び蓋板に結合されたケース補強用の被取付部材15b,15bとを備え、ケース15aの内側に光源13が収容支持され、後側にテレビ基板14が配されている。
【0023】
二つの被取付部材15b,15bはケース15aを補強するもので、平面視略波形をなし、凹条及び凸条が連なる条体からなり、凹条の下端から下方へ延出された板状の延出部を、前後方向へ貫通する第3孔53を有する被取付部15c,15cとしてある。二つの被取付部15c,15cはスピーカ16,16の間に配されている。
【0024】
キャビネット2は表示パネル11の外周り及びスピーカ16,16の前側を被覆するキャビネット前分体21と、支持体15の後側及びスピーカ16,16を被覆するキャビネット後分体22とを有し、キャビネット前分体21及びキャビネット後分体22の周縁部が支持体15に複数本の雄螺子により取付けられている。
【0025】
キャビネット前分体21は、環板部21a及び該環板部21aの周縁から後方へ延出された角筒部21bを有し、環板部21aの下部にはスピーカ16,16を支持するためのスピーカ支持部21cが設けられており、該スピーカ支持部21cに、第3孔53,53と対応する部位から被取付部15c,15cに向けて後方へ延出された筒状の二つの第2結合凸部21d,21dが設けられ、該第2結合凸部21d,21dに、第3孔53,53に対応する第5孔55,55が前後方向へ開設されている。第2結合凸部21d,21dの端部には、キャビネット前分体21が支持体15の周縁部に結合されるとき第3孔53,53に嵌入される嵌入部21e,21eが設けられ、該嵌入部21e,21eの第3孔53,53への嵌入により第2結合凸部21d,21dの第3孔53,53に対する位置を正確に決めることができるように構成されている。
【0026】
キャビネット後分体22は深皿形をなし、スピーカ16,16を被覆する下側の横方向へ離隔した部位には、第3孔53,53と対応する部位から被取付部15c,15cと対向する部位に向けて前方へ延出された筒状の二つの結合凸部22a,22aが横方向へ離隔して設けられ、該結合凸部22a,22aに、第3孔53,53に対応する第4孔54,54が前後方向へ開設されている。キャビネット後分体22の周縁部はキャビネット前分体21の角筒部21bの内側に嵌合されており、また、キャビネット後分体22における周縁部の下側で、被取付部15c,15cに対応する部位には、角筒部21bの端縁に沿って上方へ貫通する挿通孔22b,22bが開設されている。
【0027】
結合凸部22a,22aは被取付部15c,15cと僅かに離隔する部位へ延出され、該結合凸部22a,22aと被取付部15c,15cとの間で後記する第1脚体3,3の第1取付部32,32を挟み込むように構成されている。また、結合凸部22a,22aには後記する第2脚体4,4の取付片側が嵌入される嵌入孔22c,22cが開設されている。
【0028】
スタンドAは被支持物としての表示装置本体1の前方への転倒を防ぐための二つの第1脚体3,3と、表示装置本体1の後方への転倒を防ぐための二つの第2脚体4,4とを備える。
【0029】
第1脚体3,3は、被載置部としての床面に接触する矩形板状の第1接触部31,31と、該第1接触部31,31の一縁(後縁)から上方へ立上がり、挿通孔22b,22bからキャビネット2内へ挿入される矩形板状の第1取付部32,32とが略L字形に一体に成形された合成樹脂製であり、第1取付部32,32の第1接触部31,31から上方へ離隔した部位に、第3孔53,53に対応する第1孔51,51が開設されている。第1接触部31,31の下面には緩衝材33,33が設けられており、第1接触部31,31が第1取付部32,32よりも前側となるように配される。
【0030】
第1取付部32,32には、第1取付部32,32が挿通孔22b,22bへ挿入されるとき、被取付部15c,15cが嵌合される嵌合凹部が設けられ、被取付部15c,15cの嵌合凹部への嵌合により第1孔51,51の第3孔53に対する位置を正確に決めることができるように構成されている。
【0031】
第2脚体4,4は、被載置部としての床面に接触する第2接触部41,41、該第2接触部41,41に関して上方へ偏倚する偏倚部42,42及び該偏倚部42,42に関して第2接触部41,41と反対側へ偏倚する第2取付部43,43を有する脚体本体40,40と、該脚体本体40,40を被取付部15c,15cに取付ける取付片44,44とが一体に成形された合成樹脂製である。
【0032】
脚体本体40,40は、周面の一部が上方へ開放された溝を有する半パイプ形をなし、第2取付部43,43の溝内に取付片44,44が一体に設けられており、長手方向が前後となるように配される。第2接触部41,41の下面には緩衝材45,45が設けられている。
【0033】
取付片44,44の第2接触部41,41から上方へ離隔した部位には、第3孔53,53に対応する第2孔52,52が開設されている。第1接触部31,31から第1孔51,51までの上下の距離と、第2接触部41,41から第2孔52,52までの上下の距離とはほぼ等しくなっており、第1孔51,51及び第2孔52,52に挿入する取付部材としての1本の雄螺子6,6により第1脚体3,3及び第2脚体4,4を取付けることができるように構成されている。また、第2取付部43,43には、該第2取付部43,43が嵌入孔22c,22cに嵌入されるとき、嵌入孔22c,22cの一部に接触して第2取付部43,43を仮止めする仮止め部が設けられている。
【0034】
以上のように構成された表示装置は、キャビネット2が取付けられている表示装置本体1にスタンドAを取付けない状態で、表示装置本体1及びスタンドAが一つの段ボール箱内に収納され、梱包される。この際、スタンドAは、二つの第1脚体3,3と、二つの第2脚体4,4とに分かれており、スタンドAの全体が小型に形成されているため、スタンドAによる段ボール箱の収納容積を比較的少なくすることができ、段ボール箱を小型にできる。因って、梱包された表示装置を車両、船舶等の輸送機に積載して輸送する場合、最大積載容積に対する積載個数を増加でき、輸送費用を低減でき、ひいては表示装置の販売コストを低減できる。
【0035】
輸送された表示装置は開梱され、キャビネット2が取付けられている表示装置本体1にスタンドAが取付けられる。
【0036】
スタンドAの取付けは、表示装置本体1におけるキャビネット後分体22の下側の挿通孔22b,22bからキャビネット2内へ第1脚体3,3の第1取付部32,32を挿入する。このとき、第1取付部32,32の嵌合凹部に被取付部15c,15cが嵌合され、第1孔51,51の第3孔53,53に対する位置を正確に決めることができる。次に、結合凸部22a,22aの嵌入孔22c,22cへ第2脚体4,4の第2取付部43,43を嵌入する。このとき、第2孔52,52の第3孔53,53に対する位置を正確に決めることができ、また、第2取付部43,43の仮止め部が嵌入孔22c,22cの一部に接触し、第2取付部43,43を仮止めすることができる。この仮止め状態で、第1孔51,51、第2孔52,52、第3孔53,53、第4孔54,54及び第5孔55,55が対応しているため、第2脚体4,4の溝内へ挿入する1本の雄螺子6,6を第2孔52,52へ挿入して捩じ込み操作を行うことにより、該雄螺子6,6を第5孔55,55に捩じ込むことができ、第2脚体4,4の取付片44,44と第2結合凸部21d,21dとの間で結合凸部22a,22a、第1取付部32,32及び被取付部15c,15cを前後に挾着し、第1脚体3,3及び第2脚体4,4を被取付部15c,15cに取付けることができるとともに、キャビネット前分体21の第2結合凸部21d,21d及びキャビネット後分体22の結合凸部22a,22aを被取付部15c,15cに固定することができる。
【0037】
このように第1脚体3,3及び第2脚体4,4を、支持体15を補強する被取付部材15b,15bに取付けるため、第1脚体3,3及び第2脚体4,4の取付部の剛性を高めることができる。また、キャビネット2取付用の雄螺子により第1脚体3,3及び第2脚体4,4を取付けることができるため、スタンドA専用の雄螺子をなくすることができ、部品点数を削減できるとともに、スタンドAの取付作業性を高めることができる。
【0038】
図11は第2脚体4,4の断面形状を示す説明図である。第2脚体4,4は、図7で示すように断面半円形である他、図11(a) 〜(d) の断面形状としてもよく、第2脚体4,4の断面形状は特に制限されない。図11(a) は周方向の厚さが異なる略U字形をなしており、図11(b) は凹形をなしており、図11(c) は逆T字形をなし、二つの取付片44,44が設けられており、図11(d) はL字形をなしている。
【0039】
尚、以上説明した実施の形態では、補強用の被取付部材15b,15bを有する支持体15の被取付部材15b,15bに第1脚体3,3及び第2脚体4,4を取付けたが、その他、第1脚体3,3及び第2脚体4,4は被取付部材15b,15bのない支持体15に取付ける構成としてもよい。
【0040】
また、以上説明した実施の形態では、キャビネット2の一部を支持体15に取付ける雄螺子6,6により第1脚体3,3及び第2脚体4,4を取付ける構成としたが、その他、第1脚体3,3及び第2脚体4,4は、キャビネット2取付用の雄螺子と別の雄螺子で取付ける構成としてもよい。
【0041】
また、本発明に係る表示装置は液晶テレビジョン等の液晶表示装置である他、プラズマ表示装置、ELディスプレイ等の表示装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る表示装置の構成を示す正面側の斜視図である。
【図2】本発明に係る表示装置の構成を示す正面図である。
【図3】本発明に係る表示装置の構成を示す背面図である。
【図4】本発明に係る表示装置の構成を示す背面側の斜視図である。
【図5】本発明に係る表示装置のキャビネット後分体を取外した状態を示す背面側の斜視図である。
【図6】本発明に係る表示装置の被取付部材の構成を示す背面図である。
【図7】本発明に係る表示装置のスタンドを取外した状態を示す背面側の斜視図である。
【図8】本発明に係る表示装置の要部の構成を示す縦断側面図である。
【図9】本発明に係る表示装置の要部の構成を示す拡大した縦断側面図である。
【図10】本発明に係る表示装置の要部の構成を示す分解した縦断側面図である。
【図11】本発明に係るスタンドの第2脚体の断面形状を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
A スタンド
1 表示装置本体(被支持物)
11a 表示面
15b 被取付部材
2 キャビネット
21 キャビネット前分体
21d 第2結合凸部
22 キャビネット後分体
22a 結合凸部
22c 嵌入孔
3 第1脚体
31 第1接触部
32 第1取付部
4 第2脚体
40 脚体本体
41 第2接触部
43 第2取付部
44 取付片
51 第1孔
52 第2孔
53 第3孔
54 第4孔
55 第5孔
6 雄螺子(取付部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被載置部に載置され、被支持物を支持するスタンドにおいて、前記被載置部に接触する第1接触部及び該第1接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第1孔を有し、前記被支持物の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、前記被載置部に接触する第2接触部及び該第2接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第2孔を有し、前記被支持物の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とを備え、前記第1接触部及び第1孔間の距離と、前記第2接触部及び第2孔間の距離とはほぼ等しいことを特徴とするスタンド。
【請求項2】
前記第1脚体は略L字形をなし、前記第2脚体は前記第2接触部及び第2孔間が横方向へ偏倚している請求項1記載のスタンド。
【請求項3】
前記第2脚体は、溝を有する脚体本体、及び前記溝内に前記脚体本体と一体に成形され、前記被支持物に取付けられる取付片を有し、該取付片に前記第2孔が配されている請求項1又は2記載のスタンド。
【請求項4】
前側に表示面を有し、前記被支持物を構成する表示装置本体と、該表示装置本体に取付けられ、該表示装置本体を支持する請求項1から3のいずれか一つに記載のスタンドとを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
前記表示装置本体は、前記第1孔及び第2孔へ挿入される雄螺子が嵌入される第3孔を有し、前記第1脚体及び第2脚体が取付けられる複数の被取付部材を備える請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示装置本体の周縁部及び後側を被覆し、前記第3孔と対応する部位から前方へ延出されている結合凸部及び該結合凸部を貫通する第4孔を有するキャビネットを備える請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記キャビネットは、前記表示装置本体の周縁部前側を被覆し、前記第3孔と対応する部位から後方へ延出された第2結合凸部及び該第2結合凸部を貫通する第5孔を有するキャビネット前分体と、前記表示装置本体の後側を被覆し、前記第4孔を有するキャビネット後分体とを備える請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
前記結合凸部は、前記第2脚体の一部が嵌入される嵌入孔を有する請求項6記載の表示装置。
【請求項1】
被載置部に載置され、被支持物を支持するスタンドにおいて、前記被載置部に接触する第1接触部及び該第1接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第1孔を有し、前記被支持物の一方への転倒を防ぐための第1脚体複数と、前記被載置部に接触する第2接触部及び該第2接触部から上方へ離隔した部位に開設されている第2孔を有し、前記被支持物の他方への転倒を防ぐための第2脚体複数とを備え、前記第1接触部及び第1孔間の距離と、前記第2接触部及び第2孔間の距離とはほぼ等しいことを特徴とするスタンド。
【請求項2】
前記第1脚体は略L字形をなし、前記第2脚体は前記第2接触部及び第2孔間が横方向へ偏倚している請求項1記載のスタンド。
【請求項3】
前記第2脚体は、溝を有する脚体本体、及び前記溝内に前記脚体本体と一体に成形され、前記被支持物に取付けられる取付片を有し、該取付片に前記第2孔が配されている請求項1又は2記載のスタンド。
【請求項4】
前側に表示面を有し、前記被支持物を構成する表示装置本体と、該表示装置本体に取付けられ、該表示装置本体を支持する請求項1から3のいずれか一つに記載のスタンドとを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
前記表示装置本体は、前記第1孔及び第2孔へ挿入される雄螺子が嵌入される第3孔を有し、前記第1脚体及び第2脚体が取付けられる複数の被取付部材を備える請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示装置本体の周縁部及び後側を被覆し、前記第3孔と対応する部位から前方へ延出されている結合凸部及び該結合凸部を貫通する第4孔を有するキャビネットを備える請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記キャビネットは、前記表示装置本体の周縁部前側を被覆し、前記第3孔と対応する部位から後方へ延出された第2結合凸部及び該第2結合凸部を貫通する第5孔を有するキャビネット前分体と、前記表示装置本体の後側を被覆し、前記第4孔を有するキャビネット後分体とを備える請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
前記結合凸部は、前記第2脚体の一部が嵌入される嵌入孔を有する請求項6記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−284077(P2009−284077A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−132073(P2008−132073)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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