説明

ステアリングコラム装置

【課題】ロータとステータとを連結状態と非連結状態の間で切り替えることができるステアリングコラム装置を、小さいスペースにも設置することができるようにする。
【解決手段】回転不能に固定されたステータと、ハンドルに連結することができ、ステータに対して回転しうるロータと、ロータおよびステータを連結状態または非連結状態に切り替えうる連結体とを備えるステアリングコラム装置において、ロータに連結体を収容するために、湾曲部を含む取付け孔を形成するとともに、連結体に、ハンドルと対向する操作ロッドと、ステータと対向する連結ロッドとを、互いに別部材により形成して、取付け孔内において結合し、かつ取付け孔の湾曲部に位置する連結体の部分を可撓性とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングコラム装置、主として自動車のステアリングコラムに固定されるステータ、ハンドルに連結可能なロータ、ロータおよびステータを電気的に接続するケーブル、ならびにロータおよびステータを連結状態または非連結状態に切り替えうる連結体を備えるステアリングコラム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなステアリングコラム装置は、例えば特許文献1によって知られている。このステアリングコラム装置における連結手段は、ハンドルを取付けた状態においては、ロータがステータに対して回転しうるよう、ロータとステータとの連結をロックしないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第1003526号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ロータとステータとを、連結状態または非連結状態に切り替えることがでるステアリングコラム装置を、小さいスペースにも設置しうるようにするとともに、組付作業を容易に行えるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、回転不能に固定されたステータ(12)と、ハンドルに連結することができ、かつ前記ステータ(12)に対して回転しうるロータ(14)と、ロータ(14)およびステータ(12)を連結状態または非連結状態に切り替えうる連結体(16)とを備えるステアリングコラム装置(10)であって、前記ロータ(14)は、前記連結体(16)を収容するために、湾曲部(22)(50)を含む取付け孔(18)を有しており、連結体(16)は、ハンドルと対向する操作ロッド(28)と、ステータ(12)と対向する連結ロッド(30)とを有し、かつ取付け孔(18)の湾曲部(22)(50)に位置する連結体の部分は、可撓性であり、さらに、操作ロッド(28)と連結ロッド(30)とは、互いに別部材からなり、それらのいずれか一方のロッドと結合された可撓性の湾曲部の一端部が、他方のロッドと、離脱可能として結合されていることを特徴とするステアリングコラム装置を提供するものである。
【0006】
操作ロッド(28)と連結ロッド(30)とのいずれか一方のロッドと結合した可撓性の湾曲部の一端部と他方のロッドとを結合するには、それらの対向面に設けた歯をもって互いに噛合させるのが好ましい。
【0007】
その際に、操作ロッド(28)と連結ロッド(30)との重合部分を受け入れる空隙(40)の幅(T5)を、操作ロッド(28)の幅(T1)と連結ロッド(30)の幅(T3)との和から、各歯の高さ(T2)(T4)の和の2分の1を減じた値に近似させるのがよい。
【0008】
ロータには、湾曲部を有する、連結体の取付け孔を設ける。連結体は、ハンドル側に操作ロッドを、ステータ側に連結ロッドを有しており、かつ取付け孔の湾曲部に位置する連結体の部分は、可撓性である。取付け孔は、完全にロータの内部に位置するように設けられている。また、ロータは、平面視リング状であるが、取付け孔も、このロータの形状に合わせて形成される。
【0009】
本発明の一実施形態においては、ロータの内部に、連結体の取付け孔を設ける際に、連結体を連結状態に付勢しうるばねを装填するための小さな空間も形成される。
【0010】
本発明の別の実施形態においては、連結体を取付け孔に装着する際に、ロータの径方向において、取付け孔に残余の空間が生じないよう、連結体よりも奥部に、上記のばねが装填される。
【0011】
上記のように、ばねを設けることにより、連結体を介して、ロータとステータを、非連結状態への切り替えも可能な連結状態に保持することができる。
【0012】
連結体の取付け孔は、ハンドルが取り付けられているときには、操作ロッドが、ハンドルの側から取付け孔に押し込まれ、かつ連結ロッドも、ステータから外れて、取付け孔に引き込まれるように形成するのが好ましい。このようにすると、ロータは、ステータに対して回転しうるようになる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態においては、ステータ、またはステータに付設されるアダプタには、ロータ連結用の凹孔が形成されており、連結体の連結ロッドは、この凹孔に嵌まることによって、連結体を連結状態に切り替え、ロータがステータに対して回転するのを阻止するようになっている。
【0014】
取付け孔は、連結体の操作ロッドを押し込むと、連結ロッドがロータ連結用の凹孔から外れるように、ロータのハンドル側からステータ側に通じている。取付け孔は、ハンドルと対向する側に位置する、ロータの回転軸と平行、または直交する方向に延びる第1の直線部と、ステータと対向する側に位置する、ロータの回転軸と平行、または直交する方向に延びる第2の直線部とを有し、前記湾曲部は、これら第1および第2の直進部と連通するように形成するのが好ましい。他方、独国特許出願公開第102004041068号明細書に記載されているように、ロータから突出した連結体の連結ロッドは、直にステータまで通じるのではなく、ステータに付設されたリング状のアダプタを介して、ステータの凹孔に嵌まるようにすることもできる。
【0015】
連結体の操作ロッドと連結ロッドは、ともに、連結状態にあるときには、ロータから突出し、非連結状態にあるときには、ロータの中へ引き込まれるようになっている。操作ロッドは、ハンドルが取り付けられているときには、ハンドル側から取付け孔に押し込まれ、連結ロッドも、取付け孔内へ引き込まれることによって、連結体は、非連結状態となる。よって、連結体が非連結状態にあるときには、操作ロッドも連結ロッドも、ロータの内部に位置する。
【0016】
取付け孔は、ハンドルと対向する側に位置し、かつロータの回転軸と平行または直交する方向に延びる第1の直線部と、ステータと対向する側に位置し、かつロータの回転軸と平行または直交する方向に延びる第2の直線部とを有し、前記湾曲部が、これら第1および第2の直線部と連通するように形成することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態においては、取付け孔の湾曲部は、前記第1または第2の直進部との間で鋭角を形成するように、180°湾曲している。一方、取付け孔を、ともに90°湾曲し、かつそれぞれハンドル側とステータ側に開口している第1および第2の湾曲部から形成して、これら第1および第2の湾曲部を、互いに鋭角を形成するように連通させることもできる。取付け孔の湾曲部は、前記180°または90°以外の角度で湾曲させることもできる。
【0018】
本発明に係るステアリングコラム装置においては、連結体を連結状態に付勢するように、取付け孔内に、ばねを設けることができる。このようにすると、ハンドルが取り外されているときには、ばねの伸長に伴う付勢によって、連結ロッドは、自動的に連結状態に切り替わる。
【0019】
連結体の断面は、概ね方形または円形とすることができる。連結体の断面の径は、取付け孔の対応する部分の口径よりも若干小さいものする。こうすると、連結体は、取付け孔内で円滑に変位しうる。
【0020】
取付け孔の湾曲部に対応する連結体の部分が、柔軟に撓むことができるよう、この部分には、複数のノッチを形成するのが好ましい。このようにすると、連結体の当該部分は、フィルム状のヒンジとなる。この部分は、プラスチック材料で形成するのが好ましい。このようなノッチが設けられていると、連結体は、連結状態または非連結状態に切り替わる際に、取付け孔の湾曲部を円滑に移動することができる。
【0021】
取付け孔は、平面視リング状のロータ本体に形成された第1の組み合わせ孔と、ロータカバーに形成された第2の組み合わせ孔とからなるものとすることができる。この場合、連結体は、第1の組み合わせ孔と第2の組み合わせ孔とを整列させた上で装着する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、操作ロッドを、ロータから突出した位置から引き込ませる際に、連結ロッドも、同様に引き込ませることができるという利点が得られる。また、連結体の設置のために大きなスペースを割く必要がなくなる。
また、操作ロッド(28)と連結ロッド(30)とを、鋭角の屈曲部を有する取付孔(18)に挿入するのは、きわめて困難であるが、操作ロッド(28)と連結ロッド(30)とを、互いに別部材により構成し、対向面に設けた歯等をもって互いに噛合するようにすると、鋭角の屈曲部を有する取付孔(18)にも容易に挿入することができる。
さらに、操作ロッド(28)または連結ロッド(30)と一体とした湾曲する部分に歯を設けると、その湾曲する部分の可撓性を高めることができる。
すなわち、組付作業の容易性、および操作ロッド(28)等の可撓性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るステアリングコラム装置の一部の斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るステアリングコラム装置の一部の縦断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るステアリングコラム装置の一部の縦断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係るステアリングコラム装置の一部の斜視図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係るステアリングコラム装置の一部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上記以外の本発明の特徴および技術的効果は、添付の図面を参照して行う以下の実施形態の説明から明らかになると思う。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るステアリングコラム装置の一部を示す斜視図である。ステアリングコラム装置10は、回転しないように固定されているステータ12と、ステータ12に対して回転しうるロータ14とを備えている。ステータ12とロータ14との間には、ロータ14の回転時に、巻き取られたり引き出されたりするようになっているケーブルまたは電気的接続手段(図示せず)が設けられている。またロータ14を、ステアリングコラムとの間にクリアランスを保ちつつ、ステータ12に連結するための連結体16が設けられている。
【0026】
連結体16は、ロータ14の内部に設けられ、かつステータ12に向かって湾曲している取付け孔18の中に挿入されている。この取付け孔18は、ロータ14の回転軸と平行をなし、かつハンドル側に開口している第1の直線部20と、この第1の直線部20と連通し、かつ180°反対向きとなるように湾曲している湾曲部22と、この湾曲部22と連通し、第1の直線部20と平行をなし、かつハンドル側およびステータ側の両方に開口している第2の直線部24とからなっている。湾曲部22と第2の直線部24は、図1に示すように、「α」の文字において鋭角的に折れ曲がった部分を形成している。他方、第1の直線部20は、湾曲部22から接線方向に延びている。
【0027】
取付け孔18内に挿入されている連結体16は、湾曲部22の領域においては、弾性変形している。また、湾曲部22の領域に位置し、かつ断面方形の連結体16における上下方向を向く2つの面は、等間隔を保って湾曲し、かつそれぞれに複数のノッチ26が設けられている。これらのノッチ26があるために、連結体16は、湾曲部22の領域においては、薄いヒンジを形成している。さらに、連結体16は、ハンドル側に突出する操作ロッド28と、ステータ12側に突出する連結ロッド30とを有している。
【0028】
図1は、連結体16により、ステータ12とハンドルとが連結されている状態を示し、連結体16における連結ロッド30は、ステータ12における連結用の凹孔32に嵌合している。この状態においては、ロータ14は、ステータ12に対して回転することはできない。
【0029】
ハンドルが取り付けられているときには、操作ロッド28は、矢印34の方向に押し込まれている。このとき、連結ロッド30は、取付け孔18内を矢印36の方向に上昇して、ステータ12の凹孔32から抜け出ている。したがって、ロータ14は、ステータ12に対して回転しうる。
【0030】
連結体16を、ロータ14の取付け孔18に装着すると、ロータ14内に装填されているばね38の上端は、操作ロッド28に設けられている横向きの突起に当接し、同じく下端は、ロータ14の一部によって支持される。一方、ハンドルを取り外すと、ばね38が伸長するため、前記横向きの突起とともに操作ロッド28は上方へ移動し、かつ連結ロッド30は、自動的にステータ12における凹孔32より脱出する。
【0031】
連結体16における連結ロッド30の上方には、空隙40が存在するため、ロータ14とステータ12との連結を解除するには、取付け孔18のアーチ部22と第2の直線部24との間に位置する連結体16の接合部42を、可能な限り上方へ移動させる。
【0032】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るステアリングコラム装置の一部(ロータ14とステータ12)の縦断面図である。図1に示す実施形態と異なる要素には、異なる符号を付してある。この実施形態における取付け孔18は、平面視リング状のロータ本体44における直線状の第1の孔43と、ロータカバー48におけるU状の第2の孔46とからなっている。連結体16は、第1の実施形態と同様に、簡単に、第1および第2の孔43,46に装着することができる。連結ロッド30の上方における空隙40は、第1の孔43と第2の孔46とに連通している。
【0033】
図3は、本発明の第3の実施形態に係るステアリングコラム装置の一部を示す、図2と同様の縦断面図である。図2に示す実施形態と異なる要素には、異なる符号を付してある。この実施形態における連結体の取付け孔は、2つの同じような形状の湾曲孔50,50からなっており、これらの湾曲孔50,50には、それぞれ、連結体16の操作ロッド28と連結ロッド30が嵌入している。また、両湾曲孔50,50は、互いに鋭角βをなしている。
【0034】
ハンドルを取り付け、操作ロッド28を矢印34の方向へ下降させると、両ロッド28,30の接合部42は、矢印52の方向へ変位し、連結ロッド30は、矢印36の方向へ移動する。その結果、連結ロッド30は、ステータ12のくぼみ32から抜け出るため、ロータ14は、ステータ12に対して回転しうるようになる。ばね38は、空隙40の中に収容され、連結体16の接合部42を付勢している。
【0035】
上記第1および第2の実施形態においては、操作ロッド28と連結ロッド30の移動方向は、ロータ14の回転軸と平行をなしている。しかし、この第3の実施形態においては、操作ロッド28と連結ロッド30の移動方向は、ロータ14の回転軸を中心とする円の接線方向を向いている。
【0036】
図4は、本発明の第4の実施形態に係るステアリングコラム装置の一部を示す、図1と同様の斜視図である。基本的な構造は、図1に示す第1の実施形態と同一であり、それと相違する点のみについて、以下に説明する。
この実施形態においては、操作ロッド28と連結ロッド30とを、互いに別部材により形成し、操作ロッド28と一体的に形成した可撓性の湾曲部の一端部を、連結ロッド30の上端部の一側面と離脱可能として結合している。
【0037】
連結体16における湾曲部22内を挿通する可撓性の領域の外側面は、図1に示すものと同様の複数のノッチ26を設けることによりラック状に形成され、このラック状の部分の先端部のラック状の歯が、それに対向する連結ロッド30の一側面に形成したラック状の部分の上部の歯に噛合することにより、操作ロッド28と一体の可撓性の湾曲部分の先端部と、連結ロッド30の上部とが、空隙40内において互いに結合されるようにしてある。
【0038】
操作ロッド28と連結ロッド30との重合部分を受け入れる空隙40の幅T5は、操作ロッド28の幅T1と連結ロッド30の幅T3との和から、各歯の高さT2、T4の和の2分の1を減じた値に近似させてある。
【0039】
このようにすると、操作ロッド28を、ハンドル側に開口している第1の直線部20から、また連結ロッド30を、第2の直線部24からそれぞれ挿入するだけで、操作ロッド28と一体の可撓性の湾曲部分の先端部と、連結ロッド30の上部とが、空隙40内において互いに結合されるので、鋭角の屈曲部を有する取付孔18にも、操作ロッド28と連結ロッド30とを容易に挿入することができる。
【0040】
また、操作ロッド28の湾曲部分にラック状の歯を設けることにより、図1におけるノッチ(26)と同様に、操作ロッド28の湾曲部分の可撓性を高めることができる。
すなわち、組付作業の容易性、および操作ロッド28の可撓性の向上を図ることができる。
【0041】
図5は、本発明の第5の実施形態に係るステアリングコラム装置の一部を示す、図3と同様の縦断面図である。基本的な構造は、図3に示す第3の実施形態と同一であり、それと相違する点のみについて、以下に説明する。
この実施形態においては、可撓性の操作ロッド28と連結ロッド30とを別部材により形成するとともに、それらの対向面に、図1に示すノッチ26と同様のものを設けることにより、各対向面をラック状に形成し、操作ロッド28を、一方の湾曲孔50から、また連結ロッド30を、他方の湾曲孔50から、それぞれ挿入することにより、それらの先端部同士を、空隙40内において互いに結合させて、接合部42を形成するようにしてある。
【0042】
このようにすると、操作ロッド28と連結ロッド30とを、鋭角の屈曲部を有する取付孔18に、容易に挿入することができ、第4の実施形態におけるのと同様の作用効果を奏することができる。
【0043】
なお、図4に示す本発明の第4の実施形態においては、操作ロッド28と一体的に形成した可撓性の湾曲部の一端部と、連結ロッド30の上端部の一側面とを、ラック状の歯をもって互いに結合してあるが、ラック状の歯に代えて、凸部と凹部との係合、ピンによる結合等の他の結合手段により結合してもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 ステアリングコラム装置
12 ステータ
14 ロータ
16 連結体
18 取付け孔
20 第1の直線部
22 湾曲部
24 第2の直線部
26 ノッチ
28 操作ロッド
30 連結ロッド
32 凹孔
34 矢印
36 矢印
38 ばね
40 空隙
42 接合部
43 第1の孔
44 ロータ本体
46 第2の孔
48 ロータカバー
50 湾曲部
52 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転不能に固定されたステータ(12)と、ハンドルに連結することができ、かつ前記ステータ(12)に対して回転しうるロータ(14)と、ロータ(14)およびステータ(12)を連結状態または非連結状態に切り替えうる連結体(16)とを備えるステアリングコラム装置(10)であって、前記ロータ(14)は、前記連結体(16)を収容するために、湾曲部(22)(50)を含む取付け孔(18)を有しており、連結体(16)は、ハンドルと対向する操作ロッド(28)と、ステータ(12)と対向する連結ロッド(30)とを有し、かつ取付け孔(18)の湾曲部(22)(50)に位置する連結体の部分は、可撓性であり、さらに、操作ロッド(28)と連結ロッド(30)とは、互いに別部材からなり、それらのいずれか一方のロッドと結合された可撓性の湾曲部の一端部が、他方のロッドと、離脱可能として結合されていることを特徴とするステアリングコラム装置。
【請求項2】
操作ロッド(28)と連結ロッド(30)とのいずれか一方のロッドと結合された可撓性の湾曲部の一端部が、他方のロッドと、対向面に設けた歯をもって互いに噛合していることを特徴とする請求項1記載のステアリングコラム装置。
【請求項3】
前記操作ロッド(28)と連結ロッド(30)との重合部分を受け入れる空隙(40)の幅(T5)を、操作ロッド(28)の幅(T1)と連結ロッド(30)の幅(T3)との和から、各歯の高さ(T2)(T4)の和の2分の1を減じた値に近似させたことを特徴とする請求項2記載のステアリングコラム装置。
【請求項4】
前記ロータ(14)がハンドルに取り付けられているときには、前記連結体(16)の操作ロッド(28)は、ハンドル側から押圧され、前記連結ロッドは、非連結状態に切り替わるようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のステアリングコラム装置。
【請求項5】
前記ステータ(12)、またはステータに付設されるアダプタには、ロータ連結用の凹孔(32)が形成されており、前記連結体の連結ロッド(30)は、この凹孔(32)に嵌まることによって、連結体を連結状態に切り替え、ロータ(14)がステータ(12)に対して回転するのを阻止するようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のステアリングコラム装置。
【請求項6】
前記連結体の操作ロッド(28)と連結ロッド(30)は、ともに、ロータおよびステータの連結状態にあるときには、ロータ(14)から突出し、非連結状態にあるときには、ロータ(14)の中へ引き込まれるようになっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のステアリングコラム装置。
【請求項7】
前記取付け孔(18)は、ハンドルと対向する側に位置し、かつロータ(14)の回転軸と平行または直交する方向に延びる第1の直線部(20)と、ステータ(12)と対向する側に位置し、かつロータ(14)の回転軸と平行または直交する方向に延びる第2の直線部(24)とを有し、前記湾曲部(22)(50)は、前記第1および第2の直線部(20)(24)と連通していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のステアリングコラム装置。
【請求項8】
前記取付け孔(18)の湾曲部(22)は、前記第1の直線部(20)または第2の直線部(24)との間で鋭角(α)を形成するように、180°湾曲していることを特徴とする請求項7記載のステアリングコラム装置。
【請求項9】
前記取付け孔(18)は、ともに90°湾曲し、かつそれぞれハンドル側とステータ側に開口している第1および第2の湾曲部(50)(50)からなり、これら第1および第2の湾曲部(50)(50)は、互いに鋭角(β)を形成するように連通していることを特徴とする請求項7記載のステアリングコラム装置。
【請求項10】
前記取付け孔(18)内には、操作ロッド(28)および連結ロッド(30)を押圧することによって、連結体(16)が連結状態へ付勢されるように、ばね(38)が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のステアリングコラム装置。
【請求項11】
前記連結体(16)の断面は、概ね方形または円形であり、前記取付け孔(18)の対応する部分の口径よりも若干小さい径を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のステアリングコラム装置。
【請求項12】
取付け孔(18)の湾曲部(22)に対応する連結体(16)の部分は、複数のノッチ(26)を設けることにより、ラック状に形成したことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のステアリングコラム装置。
【請求項13】
前記取付け孔(18)は、平面視リング状のロータ本体(44)に形成された第1の孔(43)と、ロータカバー(48)に形成された第2の孔(46)とからなっていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のステアリングコラム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−119247(P2011−119247A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246186(P2010−246186)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(508108903)ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー (22)