説明

ストライプ塗布方法、ストライプ塗布装置、およびストライプ塗布用掻取りブレード

【課題】表面が平坦なストライプ状塗膜を得るのに好適なストライプ塗布方法、塗布装置、およびストライプ塗布用掻取りブレードを提供する。
【解決手段】先端に複数の切欠き11を有する掻取りブレード12を用い、この掻取りブレード12の先端で塗液Tを一部掻取ることにより、切欠き11に対応したストライプ状塗膜を形成する。その際、切欠き11の高さH2は、掻取り前の塗液Tの膜厚H1より低くなるように設けられるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストライプ状塗膜を形成するストライプ塗布方法とストライプ塗布装置、並びにその方法と装置で使用されるストライプ塗布用掻取りブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
紙、不織布、フィルム、ガーゼなどの帯状の基材に塗液(例えば粘着剤、塗料など)を連続的に塗布する場合、基材に非塗布部と塗布部を塗液の搬送方向に交互に設ける、いわゆるストライプ塗布を施す場合がある。
【0003】
前記ストライプ塗布によるストライプ状塗膜の形成方法としては、従来、図7(a)(b)に示したように、先端に複数の切欠き11を有する掻取りブレード12を用い、この掻取りブレード12の先端で基材N表面の塗液を一部掻落とすことにより当該基材N表面にストライプ状塗膜Sを形成するという方法が知られている(例えば特許文献1参照)。なお、特許文献1では、先端に複数の切欠きを有する掻取りブレードとして、櫛刃状のドクターブレードを用いている(特許文献1の第1頁右欄第5行〜第13行参照)。
【0004】
しかしながら、前記のような従来のストライプ状塗膜の形成方法によると、掻取りブレード12で掻取られた塗液T1が図7(b)のように掻取りブレード12の表面側に溜まり、溜まった塗液が切欠き11上部の余分な隙間Gから掻取りブレード12の裏面側へ回り込むため、図5(c)の符号Mで示すように、その回り込んだ塗液でストライプ状塗膜Sの両側端部が盛り上がってしまう不具合が生じる。そのような盛り上りMのある基材Nを製品としてロール状に巻き取ると、盛り上がった部分で当該基材Nに巻取痕が付いてしまい、見栄えが悪く製品としての価値が失われる。
【0005】
また、特許文献2においては、例えば、その図2のように、塗工阻止テープ(22)を用いてストライプ状塗膜を形成する方法を開示している。しかし、この特許文献2の方法によると、塗工阻止テープ(22)の厚さによってストライプ状塗膜の厚さが決まる。一方、塗工阻止テープ(22)は送り出しロール(17)と送り出されて巻取りロール(18)に掛け回されている。そのため、ストライプ状塗膜の厚さを変更するときは、送り出しロール(17)と巻取りロール(18)から塗工阻止テープ(22)を取り外し、新たに別の厚さの塗工阻止テープを送り出しロール(17)に装着する作業と、その別の厚さの塗工阻止テープを巻取りロール(18)に掛け回す等の大掛かりな作業を行わなければならず、ストライプ状塗膜の膜厚変更に関する作業性の問題がある。更に、この特許文献2の方法によると、塗工阻止テープ(22)を送り出す送り出しロール(17)やそれを巻き取る巻取りロール(18)、並びに、これらのロール(17、18)を回転駆動する駆動系が必要となり、それだけ機器全体が大型なものとならざるを得ない。尚、前記カッコ内の符号は特許文献2で用いられている符号である。
【0006】
【特許文献1】特公平7−71657号公報
【0007】
【特許文献2】特開2006−26558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、表面が平坦なストライプ状塗膜を得るのに好適なストライプ塗布方法、ストライプ塗布装置、並びにその方法と装置に用いられるストライプ塗布用掻取りブレードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明に係るストライプ塗布方法は、先端に複数の切欠きを有する掻取りブレードを備え、この掻取りブレードの先端で塗液を一部掻取ることにより、前記切欠きに対応したストライプ状塗膜を形成するストライプ塗布方法であって、前記切欠きの高さが、前記掻取り前の塗液の膜厚より低くなるように設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るストライプ塗布方法は、掻取り手段で塗液を一部掻取ることによりストライプ状塗膜を形成する工程と、塗液を基材に転写する工程とを含むストライプ塗布方法であって、前記掻取り手段は、先端に複数の切欠きを有する掻取りブレードを備え、この掻取りブレードの先端で前記塗液を一部掻取ることにより、前記切欠きに対応したストライプ状塗膜を形成する構造であって、かつ、その切欠きの高さが、前記掻取り前の塗液の膜厚より低くなるように設けられていることを特徴とする。
【0011】
前記本発明に係るストライプ塗布方法においては、前記掻取りブレードの表裏面のうちいずれか一方の面側に、前記切欠きの高さ方向へスライド可能な調整用ブレードが設けられ、この調整用ブレードのスライドにより前記切欠きの高さが調整されるように構成してもよい。
【0012】
本発明に係るストライプ塗布用掻取りブレードは、先端に複数の切欠きを有し、その先端で塗液を一部掻取ることにより前記切欠きに対応したストライプ状塗膜を形成するストライプ塗布用掻取りブレードであって、前記ストライプ塗布用掻取りブレードは、前記切欠きの高さが、前記掻取り前の塗液膜厚より低くなるように設けたことを特徴とする。
【0013】
前記本発明に係るストライプ塗布用掻取りブレードにおいては、前記掻取りブレードの表裏面のうちいずれか一方の面側に、前記切欠きの高さ方向へスライド可能な調整用ブレードが設けられ、この調整用ブレードのスライドにより前記切欠きの高さが調整される構成を採用してもよい。
【0014】
本発明に係るストライプ塗布装置は、先端に複数の切欠きを有する掻取りブレードを備え、この掻取りブレードの先端で塗液を一部掻取ることにより、前記切欠きに対応したストライプ状塗膜を形成するストライプ塗布装置であって、前記切欠きの高さが、前記掻取り前の塗液の膜厚より低くなるように設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明に係るストライプ塗布装置は、基材に塗液を転写する転写手段と、前記塗液を一部掻取ることによりストライプ状塗膜を形成する掻取り手段とを具備し、前記掻取り手段は、先端に複数の切欠きを有する掻取りブレードを備え、この掻取りブレードの先端で前記塗液を一部掻取ることにより、前記切欠きに対応したストライプ状塗膜を形成する構造であって、かつ、その切欠きの高さが、前記掻取り前の塗液の膜厚より低くなるように設けられていることを特徴とする。
【0016】
前記本発明に係るストライプ塗布装置においては、前記掻取りブレードの表裏面のうちいずれか一方の面側に、前記切欠きの高さ方向へスライド可能な調整用ブレードが設けられ、この調整用ブレードのスライドにより前記切欠きの高さが調整される構成を採用してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るストライプ塗布方法、ストライプ塗布装置、およびストライプ塗布用掻取りブレードによると、いずれも、掻取りブレードの具体的構成として、切欠きの高さが掻取り前の塗液の膜厚より低くなるように設けられる構成を採用したため、掻取りブレードによる塗液の掻取り時に、切欠き上部に余分な隙間ができず、掻取られた塗液がそのような隙間を通って掻取りブレードの裏面側に回り込むこともなく、かかる塗液の回り込みによるストライプ状塗膜両側端部の盛り上がりを防止することができ、平坦な表面のストライプ状塗膜が得られ、そのような盛り上がりによる巻取痕のない見栄えのよい製品を提供しうる。
【0018】
以上のような構成の本発明に係るストライプ塗布方法、ストライプ塗布装置、ストライプ塗布用掻取りブレードによると、形成されるストライプ状塗膜の膜厚は切欠きの高さに依存する。従って、切欠きの高さを調整することにより、ストライプ状塗膜の膜厚は変更される。特に、調整用ブレードのスライドによる切欠きの高さ調整機能を備えた構成によると、ストライプ状塗膜の膜厚を変更しようとする場合には、調整用ブレードをスライドさせて切欠きの高さを調整するだけの簡単な作業で済み、ストライプ状塗膜の膜厚変更に関する作業性の向上を図れる。また、そのストライプ状塗膜の膜厚を変更するための機器構成は調整用ブレードをスライドさせるだけの機器構成で済むから、コンパクトな機器構成でストライプ状塗膜の膜厚を変更できるという作用効果も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明のストライプ塗布方法を適用したストライプ塗布装置の概略図である。
【0021】
本ストライプ塗布装置Mは帯状の基材Nを移送する移送手段1を備えており、移送手段1は、帯状の基材Nをロール状に巻装した繰出しロール2と、当該基材Nを巻き取るための巻取りロール3とを備え、図示しないドライブロール等によって繰出しロール2から繰り出された帯状の基材Nを巻取りロール3で巻き取る構造になっている。
【0022】
前記基材Nの移送経路には転写手段4が設けられている。転写手段4は、移送される基材Nを挟んで対向配置されたバッキングロール5とアプリケーションロール6、及び、アプリケーションロール6の外周面に塗液を供給する塗液供給手段7を備えており、塗液供給手段7は、アプリケーションロール6の外周面とこれに隣接して配置されたロール状ナイフ8の外周面とで断面がロート状の塗液貯留部9を形成し、この塗液貯留部9から回転するアプリケーションロール6の外周面に塗液Tを供給塗布する。ここでの塗液Tの供給塗布は、アプリケーションロール6の全外周面に塗液を塗布する形態、いわゆるベタ塗り(全面塗布)の形態である。
【0023】
本ストライプ塗布装置Mでは、アプリケーションロール6の外周面に塗布された塗液Tを基材Nの表面へ転写する前にあらかじめ、その塗液Tを一部掻取ることによりストライプ状塗膜Sを形成するために、転写手段4の前段に掻取り手段10を設けている。
【0024】
図2は掻取り手段10の第1の実施形態の概念を示したものである。この第1の実施形態において、掻取り手段10は先端に複数の切欠き11を有する一枚の掻取りブレード12からなるものとし、同図(a)のように掻取りブレード12先端に形成されたギャップの大きな切欠き11を同図(b)のようにギャップの小さな切欠き11に変更することによって、一枚のブレードだけで図3(c)のように切欠き11の高さH2が当該掻取りブレード12による「掻取り前の塗液の膜厚H1」よりも低くなるように調整したものである。この調整された掻取りブレード12の先端がアプリケーションロール6の外周面6aに当接し、アプリケーションロール6が図1中矢印R1で示す方向に回転すると、掻取りブレード12の先端でアプリケーションロール外周面6aの塗液Tが一部掻取られ、その掻取りブレード12先端の切欠き11の幅と高さH2を有するストライプ状塗膜S(図7(a)参照)が形成される。
【0025】
ここで、前記「切欠きの高さH2」とは、図3(c)のようにアプリケーションロール6の外周面6aに掻取りブレード12の先端を当接させた状態において、その掻取りブレード12先端の切欠き11の底からアプリケーションロール6の外周面6aに垂直に降ろした垂線の足の長さH2であるものとする。また「掻取り前の塗液の膜厚H1」とは、図3(c)のようにアプリケーションロール6の外周面6aに塗布されている塗液の表面からアプリケーションロール6の外周面に垂直に降ろした垂線の足の長さH1であるものとする。
【0026】
なお、図3(b)(c)においては、説明の便宜上、アプリケーションロール6の外周面6aを平面で示したが、その外周面6aは実際は曲面である。図5(b)(c)、図6(b)(c)も同様である。
【0027】
次に、前記の如く構成された本実施形態のストライプ塗布装置の動作について図1、図3を基に説明する。
【0028】
本ストライプ塗布装置Mでは、図1の矢印R1で示す方向へのアプリケーションロール6の回転により、その外周面6aに塗液貯留部9の塗液Tが供給塗布され、その塗液が掻取りブレード12の方向へ順次移送される。そして、図3(c)のように掻取りブレード12の先端で当該塗液Tの一部が掻取られることにより、掻取りブレード12先端の切欠き11の幅と高さH2を有するストライプ状塗膜S(図7(a)参照)がアプリケーションロール6の外周面6aに形成される。
【0029】
その際、本装置Mにおいても、図3(c)のように掻取られた塗液T1が掻取りブレード12の表面側に溜まる。しかしながら、本装置Mにおいては、掻取りブレード12先端の切欠き11の高さH2が掻取り前の塗液の膜厚H1より低くなるように調整されているため、従来のように切欠き11上部に余分な隙間はできず、そのような余分な隙間を通じて掻取られた塗液T1が掻取りブレード12の裏面へ回り込むこともない。従って、かかる塗液の回り込みが生じないから、掻取られた後にできるストライプ状塗膜Sの両側端部が図7(c)のように盛り上がることもなく、平坦な表面のストライプ状塗膜Sがアプリケーションロール6の外周面6aに形成される。
【0030】
そして、アプリケーションロール6の回転に対応してバッキングロール5が図1の矢印R2で示す方向に回転し、これらのロール5、6の回転に対応して繰出しロール2から繰り出された基材Nが、バッキングロール5とアプリケーションロール6の間を通過する。このとき、上述の掻取り動作によってアプリケーションロール6の外周面6aに形成されたストライプ状塗膜Sが基材Nの表面に転写され、転写後の基材Nは例えば図示しない乾燥工程等を経て最終的に巻取りロール3に巻き取られる。
【0031】
図1においては、アプリケーションロール6の回転方向は矢印R1で示す方向としたが、矢印R1と逆方向に回転してストライプ状塗膜Sを基材Nに転写させてもよい。その場合には塗液供給手段7と掻取りブレード12の設置位置をアプリケーションロール6に対して逆に配置する必要がある。具体的には、図1において、アプリケーションロール6の左側にある塗液供給手段7を右側に、アプリケーションロール6の右側にある掻取りブレード12を左側に配置する。
【0032】
以上説明したように、本実施形態のストライプ塗布装置Mによると、アプリケーションロール6の外周面6aに最初に表面が平坦なストライプ状塗膜Sが形成され、次に、そのストライプ状塗膜Sが基材Nの表面に転写されるから、基材Nの表面には平坦な表面のストライプ状塗膜が得られる。
【0033】
以上説明した本ストライプ塗布装置Mの場合、形成されるストライプ状塗膜Sの膜厚は切欠き11の高さH2に依存する。例えば、図3(c)に示すストライプ状塗膜Sの膜厚をそれより更に薄く形成したい場合には、図2(a)から(b)のように切欠き11のギャップを小さく変更することで、その切欠き11の高さH2を更に低くなるように調整すればよい。
【0034】
更に、掻取りブレード12の掻取り角度θを変更することにより、掻取りブレード12先端の切欠き11の高さH2を調整するように構成してもよい。例えば、図3(c)に示す掻取りブレード12の掻取り角度θを小さくすれば、その掻取りブレード12先端の切欠き11の高さH2は低くなる。このような構成によっても、掻取り時に切欠き11上部にできる余分な隙間をなくすことができるから、そのような隙間を介する塗液の回り込みを防止し、表面が平坦なストライプ状塗膜Sを得ることができる。尚、前記「掻取り角度θ」とは、図3(b)(c)のように、アプリケーションロール6の外周面6aと掻取りブレード12のなす角度θである。
【0035】
図4は掻取り手段10の第2の実施形態の概念を示したものである。第2の実施形態では、図4(a)に示す調整用ブレード13を掻取りブレード12に重ね合わせ、上下方向へスライドさせることにより、掻取りブレード12先端の切欠き11の高さH2を調整できるように構成した。この構成において、当該調整用ブレード13は、図5(c)のように、掻取りブレード12の表面側、すなわち掻取られた塗液T1が溜まる面側に配置される。また、図5(a)(b)(c)のように掻取りブレード12の裏面側には押え板14を配置するとともに、押え板14の凹部15に掻取りブレード12を装着し、その押え板14と調整用ブレード13とで掻取りブレード12を挟んでネジ16で固定する構造を採用してもよい。この構造の場合、調整用ブレード13は、ネジ16を緩めることで切欠き11の高さH2方向に所定量スライドでき、このスライドにより掻取りブレード12先端の「切欠きの高さH2」が「掻取り前の塗液の膜厚H1」に比し低くなるように調整することができる。例えば、図5(c)に示す位置にある調整用ブレード13を切欠き11の上方へスライドさせると、図6(c)のように切欠き11の高さH2は高くなる。切欠き11の高さH2を低くしたい場合はその逆に調整用ブレード13をスライドさせればよい。
【0036】
尚、この第2の実施形態において、前述した「切欠きの高さH2」とは、図5(c)や図6(c)のように、アプリケーションロール6の外周面6aに掻取りブレード12の先端を当接させた状態において、調整用ブレード13の最先端からアプリケーションロール6の外周面6aに垂直に降ろした垂線の足の長さH2であるものとする。また「掻取り前の塗液の膜厚H1」については第1の実施形態と同様である。
【0037】
以上説明した第2の実施形態に係る掻取り手段10もまた、第1の実施形態に係る掻取り手段10と同様に、掻取りブレード12先端の切欠き11の高さH2が掻取り前の塗液の膜厚H1に比し低くなるように調整されるから、掻取り時に切欠き11上部に余分な隙間はできず、よって、図2、図3の掻取り手段10と同様の作用効果、すなわち、表面が平坦なストライプ状塗膜Sを得ることができる。特に、この第2の実施形態に係る掻取り手段10を構成する調整用ブレード13と押え板14は、掻取りブレード12全体を補強し、掻取りブレード12先端の振れを防止する手段として機能するため、掻取りブレード12の振れによるストライプ塗膜の形状変形等を防止する効果を奏する。
【0038】
この第2の実施形態に係る掻取り手段10を採用したストライプ塗布装置も、形成されるストライプ状塗膜Sの膜厚は切欠き11の高さH2に依存する。例えば、図5(c)に示すストライプ状塗膜Sの膜厚をそれより更に厚く形成したい場合は、ネジ16を緩め、図5(c)の位置にある調整用ブレード13を図6(c)のように上方(アプリケーションロール6の外周面6aから遠ざかる方向)へスライドさせるだけでよい。
【0039】
図1のストライプ塗布装置Mにおいては、ストライプ状塗膜の形成方式として、基材Nへ転写する前の塗液Tを一部掻取る方式を採用したが、これに代えて、基材Nに塗液Tを直接塗布するとともに、その基材N上の塗液Tを図1〜図6の掻取り手段10で一部掻取ることにより基材N上にストライプ状塗膜を直接形成する方式を採用してもよい。
【0040】
また、前記実施形態ではストライプ状塗膜Sの断面形状を矩形とするため、矩形の切欠き11を採用したが、切欠き11の形状はそれに限定されず適宜変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のストライプ塗布方法を適用したストライプ塗布装置の概略図。
【図2】図1のストライプ塗布装置に適用されている掻取り手段の第1の実施形態の概念図。
【図3】図3は掻取り手段の第1の実施形態の詳細説明図であり、図中(a)は掻取り手段の斜視図、(b)はその掻取り手段の断面図、(c)は同図中C部の拡大図である。
【図4】掻取り手段の第2の実施形態の概念図。
【図5】図5は掻取り手段の第2の実施形態の詳細説明図であり、図中(a)は調整ブレードのスライドにより切欠きの高さを低く設定した状態の掻取り手段の斜視図、(b)はその掻取り手段の断面図、(c)は同図中C部の拡大図である。
【図6】図6は掻取り手段の第2の実施形態の詳細説明図であり、図中(a)は調整ブレードのスライドにより切欠きの高さを高く設定した状態の掻取り手段の斜視図、(b)はその掻取り手段の断面図、(c)は同図中C部の拡大図である。
【図7】図7(a)は掻取りブレードによるストライプ状塗膜の形成方法の説明図、同図(b)は従来の掻取りブレードによる掻取り動作の説明図、同図(c)は従来の掻取りブレードでの掻取り動作により形成されたストライプ状塗膜の断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 移送手段
2 繰出しロール
3 巻取りロール
4 転写手段
5 バッキングロール
6 アプリケーションロール
6a アプリケーションロールの外周面
7 塗液供給手段
8 ロール状ナイフ
9 塗液貯留部
10 掻取り手段
11 切欠き
12 掻取りブレード
13 調整用ブレード
14 押え板
N 基材
T 塗液
T1 掻取られた塗液
H1 掻取り前の塗液の膜厚
H2 掻取り後の塗液の膜厚(切欠きの高さ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に複数の切欠きを有する掻取りブレードを備え、この掻取りブレードの先端で塗液を一部掻取ることにより、前記切欠きに対応したストライプ状塗膜を形成するストライプ塗布方法であって、
前記切欠きの高さが、前記掻取り前の塗液の膜厚より低くなるように設けられていること
を特徴とするストライプ塗布方法。
【請求項2】
掻取り手段で塗液を一部掻取ることによりストライプ状塗膜を形成する工程と、
塗液を基材に転写する工程とを含むストライプ塗布方法であって、
前記掻取り手段は、
先端に複数の切欠きを有する掻取りブレードを備え、この掻取りブレードの先端で前記塗液を一部掻取ることにより、前記切欠きに対応したストライプ状塗膜を形成する構造であって、かつ、その切欠きの高さが、前記掻取り前の塗液の膜厚より低くなるように設けられていること
を特徴とするストライプ塗布方法。
【請求項3】
前記掻取りブレードの表裏面のうちいずれか一方の面側に、前記切欠きの高さ方向へスライド可能な調整用ブレードが設けられ、この調整用ブレードのスライドにより前記切欠きの高さが調整されること
を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のストライプ塗布方法。
【請求項4】
先端に複数の切欠きを有し、その先端で塗液を一部掻取ることにより前記切欠きに対応したストライプ状塗膜を形成するストライプ塗布用掻取りブレードであって、
前記ストライプ塗布用掻取りブレードは、前記切欠きの高さが、前記掻取り前の塗液膜厚より低くなるように設けたこと
を特徴とするストライプ塗布用掻取りブレード。
【請求項5】
前記掻取りブレードの表裏面のうちいずれか一方の面側に、前記切欠きの高さ方向へスライド可能な調整用ブレードが設けられ、この調整用ブレードのスライドにより前記切欠きの高さが調整されること
を特徴とする請求項4に記載のストライプ塗布用掻取りブレード。
【請求項6】
先端に複数の切欠きを有する掻取りブレードを備え、この掻取りブレードの先端で塗液を一部掻取ることにより、前記切欠きに対応したストライプ状塗膜を形成するストライプ塗布装置であって、
前記切欠きの高さが、前記掻取り前の塗液の膜厚より低くなるように設けられていること
を特徴とするストライプ塗布装置。
【請求項7】
基材に塗液を転写する転写手段と、
前記塗液を一部掻取ることによりストライプ状塗膜を形成する掻取り手段とを具備し、
前記掻取り手段は、
先端に複数の切欠きを有する掻取りブレードを備え、この掻取りブレードの先端で前記塗液を一部掻取ることにより、前記切欠きに対応したストライプ状塗膜を形成する構造であって、かつ、その切欠きの高さが、前記掻取り前の塗液の膜厚より低くなるように設けられていること
を特徴とするストライプ塗布装置。
【請求項8】
前記掻取りブレードの表裏面のうちいずれか一方の面側に、前記切欠きの高さ方向へスライド可能な調整用ブレードが設けられ、この調整用ブレードのスライドにより前記切欠きの高さが調整されること
を特徴とする請求項6又は7のいずれかに記載のストライプ塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−136948(P2008−136948A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325969(P2006−325969)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】