説明

ストラップ用のクッション挿入体

クッション材、支持部材、カバーを有するクッション挿入体が提供されている。クッション材は、上プライと下プライとに囲まれている。支持部材は、上プライに配置されている。カバーは、支持部材がクッション材が上プライの方へ膨張するのを制限するように、支持部材を上プライに固定している。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一般にストラップ用のクッション挿入体に関し、更に詳細にはブラジャーなどクッション挿入体を有する装置あるいは衣類用のストラップに関する。
【0002】
多くの品物は、運ばれる物体の重量を支えるのを助けるために使用者の1つ以上の肩を横断するストラップを必要とする。例えば、バックパック、荷物、ブリーフケース、ハンドバッグ、スポーツ機器用バッグ、および他の品物が、使用者の肩を横断するストラップを有することがある。
【0003】
更に、医療用つり包帯、ブラジャー、女性の水着、レオタード、および他の衣類のような衣類が、装着者の一部を支持するのを助けることができる。これらの応用例では、衣類は、装着者の肩を横断するように位置される1つ以上のストラップを有することができ、かくして、支持される負荷の一部を肩に移す。
【0004】
装着者の快適さを向上させるために、ストラップによっては、ストラップに組み込まれたパッド、クッション、および/または負荷分散面を有している。
【0005】
しかしながら、装着者の快適さを更に増すために新しくてより良いクッション性のあるストラップの必要性が引き続き存在する。
【0006】
本発明の1つの目的は、ストラップ用のクッション挿入体を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、ゲル状材によって衝撃を和らげるためのストラップを提供することである。
【0008】
本発明の更なる他の目的は、ゲル状材が装着者の体から離れようと動くのを制限するゲル状のクッション性のあるストラップを提供することである。
【0009】
これらおよび他の目的と本発明の利点とは、クッション材、支持部材、およびカバーを有するクッション挿入体によって果される。クッション材は、上プライと下プライによって囲まれている。支持部材は、上プライに配置されている。カバーは、支持部材が上プライへ向かうクッション材の膨張を制限するように、支持部材を上プライに固定している。
【0010】
これらおよび他の目的と本発明の利点とは、また、第1の方向に面する第1の層とこれに対向した第2の方向に面する第2の層とを有するクッション性のあるストラップによって果される。クッション性のあるストラップは、第1の層と第2の層との間に囲まれたゲル状のクッションを有している。ゲル状のクッションは、第2のプライが第2の層と隣接するように、第1の層と第2の層との間に位置されている。支持部材は、カバーによって、第1の層に隣接した第1のプライに固定されている。支持部材は、クッション性のあるストラップに第2の方向から力をかけたときにゲル状のクッションが第1の方向に動くのを制限する。
【0011】
更に、本発明のこうした目的と利点とは、ストラップおよびクッション挿入体を備えたボディ包囲部とを有するブラジャーによって果される。ボディ包囲部は、装着者の乳房を受けるための1対の乳房用カップを有している。ストラップは、このボディ包囲部を装着者の接触領域を横切るように固定する。クッション挿入体は、接触領域に配置されている。クッション挿入体は、接触領域に隣接したゲル状材と、接触領域から離れたこのゲル状材を覆う支持部材とを有している。かくして、接触領域によってクッション挿入体にかけられる力が接触領域から離れる方向にゲル状材を膨張させるのが、制限される。
【0012】
上述したおよび他の特徴と本発明の利点とは、以下の詳細な説明、図面、および添付請求項により、当業者によって理解されるだろう。
【0013】
図面、特に図1を参照すると、支持装置10は、衣類の例として、特にブラジャーとして示されている。装置10は、接触領域14で装着者の肩を横断するように位置される1つ以上のストラップ12を有している。
【0014】
装置10がブラジャーである図示されている例では、ブラジャーが、ボディ包囲部18内に形成された乳房用カップ16を有している。使用するとき、部分18は、装着者の乳房が乳房用カップ16によって受けられて支持される位置で、体の周りに配置される。この位置では、ストラップ12が、装置10によって支持された負荷の一部を部分18およびカップ16から接触領域14へ移させる。
【0015】
装置10は、接触領域14が装着者の肩であるような2つのストラップ12を有するブラジャーとして例示されていることを理解しなくてはならない。言うまでもなく、本発明によれば、ブラジャーが、装着者の首の背部を横断する単一ストラップ12を有する場合(即ち、接触領域14が装着者の首部である場合)も考えられる。更に、接触領域14が、肩部、アーム部、首部、あるいは装着者の体の他の領域などの所定の支持面であることが考えられる。
【0016】
ストラップ12が接触領域14に与える影響を緩和するために、装置10は、接触領域に本発明のクッション挿入体20を有している。
【0017】
クッション挿入体20は、図2〜4を参照しながら説明されている。挿入体20は、装置10の負荷をストラップ12単独によって可能なよりも広い領域に分散させるだけでなく、領域14にクッション性を与えるようにも構成された、多層構造体である。
【0018】
挿入体20は、ストラップ12に配置されていると好ましい。例えば、ストラップ12は、第1の層22と、第2の面する層24とを有している。第1の層22と第2の層24とは、繊維層であると好ましい。例えば、層22,24は、天然繊維(例えばコットン)、化学繊維(例えばナイロン)、およびこれらの所定の組み合わせからできた繊維で形成可能である。
【0019】
第1の層22は、装着者の体に面し、第2の層24は、装着者の体とは逆方向に面する。挿入体20は、第1の層22と第2の層24との間に夫々配置されていると好ましい。
【0020】
言うまでもなく、本発明によれば、挿入体20が、ストラップの第1の層22あるいは第2の層24に固定されることが考えられる。あるいは、ストラップ12が、1つの層だけを有していて、挿入体20が、単一層ストラップの片側に固定されることも考えられる。
【0021】
挿入体20は、好ましくはゲル状材であるクッション材26を有している。本明細書で用いられているように、“ゲル状”とは、流動性あるいは粘着特性を有する半固体の材料を意味する。例えば、クッション材26は、Grupo Empressarial of Columbiaから市販されていて、摂氏25度で約4100センチポアズ(cps)のブルックフィールド粘性を有するシリコーンゲルであってもよい。言うまでもなく、本発明によれば、クッション材26が、より高いか低い粘性を有する他のゲル状材である場合も考えられる。
【0022】
クッション材26は、プラスチック材の下プライ28と上プライ30との間に収容される。例えば、下プライ28と上プライ30とは、ポリ塩化ビニル(例えばPVC)であってよい。
【0023】
使用中、領域14は、矢印の方向へ挿入体20に力32をかける。この力32により、クッション材26が領域14から離れる方向に動かされ、これによって、クッション材のクッション効果が制限されてしまうことが、分かっている。例えば、力32により、クッション材26がこの力とは反対方向に上プライ30に対する圧力を発生させ、これによって、領域14から離れる外方へと上プライが膨張されてしまうことが、分かっている。
【0024】
有利には、挿入体20は、上プライ30に位置された支持部材34を有している。この位置で、支持部材34は、クッション材26が領域14から離れるように外方に膨張する度合いを軽減する。即ち、支持部材34は、クッション材26に力32とは反対方向へ制限力をかけるように助ける。かくして、支持部材34は、クッション材26のクッション効果を支持部材なしで可能なよりも高い程度に維持するのに効果的であることがわかっている。
【0025】
支持部材34は、エチレン酢酸ビニール(EVA)ゴムのようなゴム材料で形成可能である。好ましくは、支持部材34は、連続あるいは独立気泡フォームEVAゴム材である。更に、支持部材34は、カバー36によって上プライ30に固定されていると好ましい。カバー36は、下プライ28および上プライ30と同じ材料で形成されていてよい。あるいは、カバー36は、下プライ28および上プライ30とは異なる材料で形成されていてよい。
【0026】
従って、挿入体20は、カバー36、支持部材34、上プライ30、クッション材26、および下プライ28を有する多層構造体である。クッション材26は、領域14にわたって力32を分配および分散させる粘着特性を有していると好ましい。更に、支持部材34は、クッション材26が領域14から外方へ流れるのを軽減するのを助ける。これが、クッション材のクッション効果を増すことが分かっている。
【0027】
従って、挿入体20は、ストラップを容易かつ急速にクッション性のあるストラップとするために、ストラップ12中に挿入および/またはこれに固定するのに特に適している。
【0028】
また、用語“第1の”、“第2の”、“第3の”、“上”、および“下”などは、本明細書では、様々の部材を修飾するのに用いられている。これらの修飾は、修飾された部材について、特に述べられていない限り、空間的、時間順次的、あるいは階層的な順序を示すものではない。
【0029】
本発明は1つ以上の実施形態を参照して説明されているが、様々の変更が可能であり、これらの部材は同等のものと本発明の範囲から逸脱することなく置換え可能であることが、当業者によれば理解されるだろう。更に、本発明の範囲から逸脱することなく特定の状況あるいは材料を開示内容に適合させるように、多くの改良が可能である。かくして、本発明は、本発明の実施する最良の形態として開示されている特定の実施形態に制限されず、本発明は、添付請求項の範囲内に収まる全ての実施形態を含むように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のクッション挿入体を有する衣類の例示的な1実施形態の斜視図である。
【図2】図1のクッション性のあるストラップの上面図である。
【図3】図2の線3−3に沿って切断されたクッション性のあるストラップの断面図である。
【図4】図3の拡大図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上プライと下プライとによって囲まれたクッション材と、
前記上プライに配置された支持部材と、
この支持部材がクッション材が上プライに向かって膨張するのを制限するように、支持部材を前記上プライに固定するためのカバーと、を具備しているクッション挿入体。
【請求項2】
前記支持部材は、ゴム材である、請求項1のクッション挿入体。
【請求項3】
前記ゴム材は、エチレン酢酸ビニールゴムである、請求項2のクッション挿入体。
【請求項4】
前記ゴム材は、連続気泡フォーム材であるか、独立気泡フォーム材である、請求項2のクッション挿入体。
【請求項5】
前記クッション挿入体は、ストラップ内に位置付け可能である、請求項1のクッション挿入体。
【請求項6】
前記クッション材は、ゲル状材である、請求項1のクッション挿入体。
【請求項7】
前記ゲル状材は、シリコーンゲルである、請求項6のクッション挿入体。
【請求項8】
前記ゲル状材は、約4100センチポアズの粘性を有している、請求項3のクッション挿入体。
【請求項9】
前記上プライ、前記下プライ、および前記カバーの全ては、同じプラスチック材料で形成されている、請求項1のクッション挿入体。
【請求項10】
クッション性のあるストラップであって、
第1の方向に面する第1の層と、
この第1の方向とは反対の第2の方向に面する第2の層と、
これら第1の層と第2の層との間に位置し、第1の層に隣接している第1のプライと、
これら第1の層と第2の層との間に位置し、第2の層に隣接している第2のプライと、
前記第1のプライと第2のプライとの間に囲まれたゲル状のクッションと、
前記第1のプライに固定され、前記クッション性のあるストラップに第2の方向から力をかけた時に前記ゲル状のクッションが第1の方向に動くのを制限する支持部材と、を具備しているクッション性のあるストラップ。
【請求項11】
前記支持部材は、ゴム材である、請求項10のクッション性のあるストラップ。
【請求項12】
前記ゴム材は、連続気泡フォーム材であるか、独立気泡フォーム材である、請求項11のクッション性のあるストラップ。
【請求項13】
前記第2の方向は、ストラップ装着者の接触領域に面する、請求項10のクッション性のあるストラップ。
【請求項14】
前記第1および第2の層は、天然繊維、化学繊維、およびこれらの所定の組み合わせより成るグループから選択された1つの繊維で形成された繊維層である、請求項10のクッション性のあるストラップ。
【請求項15】
前記ゲル状材は、約4100センチポアズの粘性を有している、請求項10のクッション性のあるストラップ。
【請求項16】
装着者の乳房を各々に受けるための1対の乳房用カップが形成されている、ボディ包囲部と、
このボディ包囲部を装着者の接触領域に固定するためのストラップと、
前記接触領域に配置されるクッション挿入体であって、接触領域の近くのゲル状材と、接触領域によってこのクッション挿入体にかけられる力が制限されてゲル状材が接触領域から離れる方向に膨張しないようにするために接触領域から離れたゲル状材を覆う支持部材と、を有するクッション挿入体と、を具備しているブラジャー。
【請求項17】
前記支持部材は、ゴム材である、請求項16のブラジャー。
【請求項18】
前記ゴム材は、連続気泡フォーム材であるか、独立気泡フォーム材である、請求項17のブラジャー。
【請求項19】
前記ストラップは、第1の層と第2の層とを有し、前記クッション挿入体は、これら第1の層と第2の層との間に位置されている、請求項16のブラジャー。
【請求項20】
前記ゲル状材を囲む1対のプライを更に具備しており、この1対のプライの一方に前記支持部材が固定されている、請求項17のブラジャー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−526405(P2007−526405A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517346(P2006−517346)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019327
【国際公開番号】WO2004/112519
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(302003303)サラ リー コーポレーション (9)
【Fターム(参考)】