ストリップパック装置に用いる把持装置及びそれを用いたストリップパック装置
【課題】物品が台紙に貼付されたストリップパックの製造に際し、物品の幅が変化しても物品を把持する把持装置を移動しなくても済むようにする。
【解決手段】把持した物品Xを該物品Xの端部Zで台紙に貼付するストリップパック装置において物品Xの把持に用いる把持装置であって、把持装置は、台紙に貼付する端部Zの側から該端部Zを把持する。物品Xは、前記端部Zに設けられた貼付領域で台紙に貼付されるものであり、把持装置は、貼付領域の両側方で前記端部Zを把持する。又は、ストリップパック装置は、前記端部Zの皺を伸ばす皺伸ばし装置7を備えるものであり、把持装置は、皺伸ばし装置7の両側方で前記端部Zを把持する。
【解決手段】把持した物品Xを該物品Xの端部Zで台紙に貼付するストリップパック装置において物品Xの把持に用いる把持装置であって、把持装置は、台紙に貼付する端部Zの側から該端部Zを把持する。物品Xは、前記端部Zに設けられた貼付領域で台紙に貼付されるものであり、把持装置は、貼付領域の両側方で前記端部Zを把持する。又は、ストリップパック装置は、前記端部Zの皺を伸ばす皺伸ばし装置7を備えるものであり、把持装置は、皺伸ばし装置7の両側方で前記端部Zを把持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品が台紙に貼付されて吊下げ状態で陳列されるストリップパックと称される商品を製造する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、スナック菓子等を袋に充填した物品が帯状等の台紙に複数個貼付された商品が知られている。この商品は、小売店等において台紙の一部が係止されて吊下げ状態で陳列され、購買者が個々の物品を台紙から引き剥がして取るので、ストリップパック(引き剥がして取る包装形態の意)と称される。このストリップパックは、陳列の省スペース化及び意匠の多様化が図れ、購買意欲を増進させる利点がある。
【0003】
このようなストリップパックを製造するストリップパック装置として、例えば特許文献1に記載の装置は、縦型製袋包装機の直下に置かれ、該包装機で製造された物品の上部両側部を左右一対の把持アームで把持して該物品を下方の貼付位置に移動させた後、該物品の上端部を台紙に貼付するようになっている。また、特許文献2に記載の装置も、縦型製袋包装機の直下に置かれ、該包装機で製造された物品の上部片面を吸引カップで吸引して該物品を前方の貼付位置に移動させた後、該物品の上端部を台紙に貼付するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−182302号公報(段落0034、図4、図6、図10)
【特許文献2】米国特許第3864895号明細書(図1、本文第2列第31〜62行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2に記載のストリップパック装置のように、物品を吸引カップで吸引して貼付位置まで移動させるものでは、物品が移動中に落下する可能性がある。そして、落下を防止するために吸引力を強めると、貼付位置での物品の解放が円滑に行えなくなる可能性がある。そこで、物品を掴む手段として、特許文献1に記載のストリップパック装置のように、物品を把持する把持装置を用いることが好ましい。
【0006】
しかし、特許文献1に記載のストリップパック装置では、物品の側部を把持するので、物品の幅が変化すれば、それに合わせて把持装置を物品の幅方向に移動しなければならず、そのための機構や動作が複雑化する、という不具合がある。
【0007】
そこで、本発明は、物品が台紙に貼付されたストリップパックの製造に際し、物品の幅が変化しても、物品を把持する把持装置を移動しなくても済むようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、把持した物品を該物品の端部で台紙に貼付するストリップパック装置において前記物品の把持に用いる把持装置であって、前記把持装置は、前記台紙に貼付する端部の側から、該端部を把持することを特徴とする。
【0009】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の把持装置であって、前記物品は、前記端部に設けられた貼付領域で台紙に貼付されるものであり、前記把持装置は、前記貼付領域の両側方で、前記端部を把持することを特徴とする。
【0010】
次に、請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載の把持装置であって、前記ストリップパック装置は、前記端部の皺を伸ばす皺伸ばし装置を備えるものであり、前記把持装置は、前記皺伸ばし装置の両側方で、前記端部を把持することを特徴とする。
【0011】
次に、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれかに記載の把持装置であって、前記物品は中空部とシール部とを有する袋包装物であり、前記端部は前記シール部である場合に、前記把持装置は、前記シール部を把持すると共に、該シール部を超えて前記中空部の一部まで把持することを特徴とする。
【0012】
次に、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から4のいずれかに記載の把持装置であって、前記把持装置は、弾性に富む把持部で、前記端部を把持することを特徴とする。
【0013】
一方、請求項6に記載の発明は、把持した物品を該物品の端部で台紙に貼付するストリップパック装置であって、前記物品の把持のために、前記請求項1から5のいずれかに記載の把持装置が備えられていることを特徴とする。
【0014】
次に、請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載のストリップパック装置であって、前記把持装置により把持される前の物品が適正な姿勢であることを検知する姿勢検知手段と、この姿勢検知手段で適正な姿勢であると検知された物品を前記把持手段が把持したことを検知する把持検知手段とが備えられていることを特徴とする。
【0015】
次に、請求項8に記載の発明は、前記請求項6又は7に記載のストリップパック装置であって、前記把持装置により把持された物品を貼付位置へ移動する移動手段が備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
まず、請求項1に記載の発明によれば、ストリップパック装置において物品の把持に用いる把持装置は、物品の側部を把持するのではなく、台紙に貼付する物品の端部の側から該端部を把持するので、例えば把持装置を物品の幅方向の中央部に配置しておけば、どのような幅の物品に対しても、前記把持装置を移動することなく、物品の端部を常に確実に把持することが可能となり、これにより、把持装置を移動させるための機構や動作が複雑化する、という不具合が解消されることとなる。さらに、台紙に貼付する物品の端部を把持することにより、例えば該端部が撓んでいても、該端部を平らにすることができ、これにより、物品を台紙に良好な状態で貼付することが可能となる、という利点もある。
【0017】
次に、請求項2に記載の発明によれば、前記把持装置は、前記端部に設けられた貼付領域の両側方で前記端部を把持するので、前記端部のうちでも実際に台紙に貼付される前記貼付領域を有効に平らにすることができ、これにより、物品の良好な貼付がより一層促進されることとなる。
【0018】
次に、請求項3に記載の発明によれば、前記把持装置は、前記端部の皺を伸ばす皺伸ばし装置の両側方で前記端部を把持するので、前記端部のうちでも前記皺伸ばし装置によって皺が伸ばされる領域を有効に平らにすることができ、これによっても、物品の良好な貼付がより一層促進されることとなる。
【0019】
次に、請求項4に記載の発明によれば、前記把持装置は、中空部とシール部とを有する袋包装物の前記シール部を把持すると共に該シール部を超えて前記中空部の一部まで把持するので、例えば中空部に充填された内容物が運動慣性等に起因してシール部の側に押し寄せても、その圧力により前記シール部が折れ曲がったり撓んだりすることが回避される。
【0020】
次に、請求項5に記載の発明によれば、前記把持装置は、弾性に富む把持部で前記端部を把持するので、例えば把持部の形状を前記端部の縁部側から基部側に徐々に把持するような形状とすれば、把持の途中においては前記端部に皺ができ難くなり、かつ、把持の完了時には前記端部がしっかりと把持されることとなる。
【0021】
一方、請求項6に記載の発明によれば、ストリップパック装置は、物品を把持するために、前記請求項1から5のいずれかに記載の把持装置を備えるので、前記請求項1から5の発明と同様の作用を有するストリップパック装置が得られることとなる。
【0022】
次に、請求項7に記載の発明によれば、ストリップパック装置は、前記把持装置により把持される前の物品が適正な姿勢であることを検知し、かつ、適正な姿勢であると検知した物品を前記把持装置が把持したことを検知するので、両方検知したときに限り物品を台紙に貼付するようにすれば、複数個の物品が台紙上にきれいに整列したストリップパックが確実に製造されることとなる。
【0023】
次に、請求項8に記載の発明によれば、ストリップパック装置は、前記把持装置により把持された物品を貼付位置へ移動するので、物品を把持する位置(把持位置)と、把持した物品を台紙に貼付する位置(貼付位置)とを離間させることができ、貼付位置における貼付動作が広い空間内で良好に行えることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の最良の実施の形態を説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係るストリップパック装置1は、本体ユニット2に、上流側装置から物品が供給される供給コンベア3と、このコンベア3で供給された物品を本装置1の内部に導入する導入コンベア4と、この導入コンベア4の終端部を構成するドロップコンベア5と、本装置1で製造されたストリップパックを下流側装置へ排出する排出コンベア6とを備えると共に、本装置1の内部に導入された物品の端部の皺を伸ばすためのブラシユニット7、前記物品の端部を把持するための把持ユニット8、前記物品を前記端部でテープに貼付するための貼付ユニット9、及び、前記テープをストリップパックの製造に同期して送るためのテープ送りユニット10を有している。ここで、前記テープのロール11は、本体ユニット2の上部に配設されている。これにより、テープロール11の交換が簡単に行えることとなる。本装置1は、上流側装置及び下流側装置から独立した構成で汎用性の高いものである。
【0026】
図2に示すように、本実施形態においては、本装置1に供給される物品は、例えばスナック菓子等を充填した袋包装物X(以下単に袋Xと記す)であり、供給コンベア3で矢印a方向に搬送された後、導入コンベア4で反対方向の矢印b方向に略水平方向に搬送される。導入コンベア4の始端部には、供給コンベア3から落下してくる袋Xが本装置1外へ脱落するのを防止するための部材12が備えられている。貼付ユニット9で複数の袋X…Xがテープに貼付されることにより製造されるストリップパックSPは、傾斜した受け台13で受けられながら、排出コンベア6に受け渡され、該コンベア6で矢印c方向に搬送される。なお、前記図1では、前記脱落防止部材12及び前記受け台13の図示を省略してある。
【0027】
図3(a)に示すように、本装置1に供給される袋Xは、スナック菓子等が充填された中空部Yと、上下2箇所のシール部Z,Zとを有している。また、図3(b)に示すように、本装置1で製造されるストリップパックSPは、細長いテープTに複数の袋X…Xがそれぞれ上側のシール部Z…Zで整列状態に貼付されたものである。テープTの一端には、ストリップパックSPを係止して吊下げ状態で陳列するためのパンチ孔が形成されている。
【0028】
図4に示すように、ドロップコンベア5の終端部より搬送方向bの前方側に、ブラシユニット7及び把持ユニット8が配置されている。袋Xは上側シール部Zを前にしてb方向に搬送され、把持ユニット8は上下一対のグリップフィンガ81,81で袋Xの上側シール部Zを該上側シール部Zの側(すなわち搬送方向bの前方側)から上下に把持する。グリップフィンガ81,81は、アーム83に対して前後位置が調整可能なハンド82に具備され、アーム83は傾斜したガイドレール84に移動自在に備えられている。把持ユニット8は、ドロップコンベア5の終端部近傍である把持位置P1で袋Xの上側シール部Zを把持した後、矢印dで示すように、搬送方向bの前方側の斜め下方に移動して、把持した袋Xを貼付ユニット9の配置位置である貼付位置P2に移動させる。この袋Xの斜め下方への移動の際、ドロップコンベア5は、矢印eで示すように、その搬送方向bの前方側が低くなるように傾斜する。
【0029】
ここで、ドロップコンベア5の終端部には、前記把持ユニット8により把持される前の袋Xがドロップコンベア5上で適正な姿勢であることを検知するための袋姿勢検知センサ110が配設されている。この袋姿勢検知センサ110は、例えばドロップコンベア5上の物体をCCDカメラ等で撮像して画像解析するタイプのものである。
【0030】
図5に示すように、グリップフィンガ81は、ハンド82に対して矢印fで示すように揺動するフィンガ本体81aの先端に、例えばラバー等で構成される弾性に富む把持部81bが取り付けられた構成である。把持部81bが袋Xのシール部Zと当接する部分は、平坦な形状ではなく、図6(a)〜図6(c)に例示するように、把持が進むに伴いシール部Zの縁部側から基部側に徐々に把持するような円弧形状とされている。
【0031】
ここで、ハンド82には、上下一対のグリップフィンガ81,81が袋Xのシール部Zを把持したことを検知するためのグリップ検知センサ120が配設されている。このグリップ検知センサ120は、例えばグリップフィンガ81,81が閉じたときのフィンガ81,81間の距離や挟角を演算してフィンガ81,81間に何かが挟まったか否かを解析するタイプのものである。
【0032】
図7に示すように、ブラシユニット7は、袋Xのシール部Zの皺を伸ばすためのブラシ72と、該ブラシ72を支持するための支持部材71とを有する。より詳しくは、ブラシユニット7は、袋Xのシール部Zの上面に接触した状態で該シール部Zの基部側から縁部側に回転して該シール部Zの上面の皺を伸ばす円盤形状の上側ブラシ72が上側支持部材71で支持され、かつ、袋Xのシール部Zの下面に接触した状態で該シール部Zの基部側から縁部側に回転して該シール部Zの下面の皺を伸ばす円盤形状の下側ブラシ72が下側支持部材71で支持された構造である。ただし、図7には上側ブラシ72及び上側支持部材71のみ図示してある。そして、把持ユニット8のハンド82及びグリップフィンガ81は左右一対あり、この左右一対のグリップフィンガ81,81は、前記ブラシユニット7ないしブラシ72の両側方でシール部Zを縦に掴んでいる。
【0033】
ここで、ブラシ72は、相対的に厚みの薄い円盤形状の分割ブラシが複数個所定の間隔をあけて並設された構造である。ブラシ72は、例えば、海綿様のブラシや、線材を放射状に束ねたタワシ様のブラシのようなものが好ましく使用可能である。
【0034】
ドロップコンベア5の終端部まで搬送された袋Xは、シール部Zが上側ブラシ72と下側ブラシ72の間に挿入され、この状態で、上下のブラシ72,72がシール部Zの基部側から縁部側へ回転することによってシール部Zがしごかれて該シール部Zの皺が伸ばされる。その後、袋Xは、把持ユニット8で把持されて、貼付位置P2まで搬送方向bの前方側の斜め下方に移動される。
【0035】
図8に示すように、貼付ユニット9は、テープTと袋Xとを溶着する熱源であるヒータ91と、このヒータ91との間でテープTと袋Xとを挟み付けるクランプ92と、このクランプ92を上下動させるためのエアシリンダ93と、テープTに適宜パンチ孔やミシン目を入れるためのパンチ・カッタユニット94と、上動することによりテープTをヒータ91から浮かせてテープTの溶解を防ぐための溶解防止部材95と、この溶解防止部材95を上下動させるためのエアシリンダ96とを有している。
【0036】
図9に示すように、把持ユニット8のグリップフィンガ81,81は、貼付位置P2において、シール部Zを把持した状態で、貼付ユニット9のヒータ91の上に該シール部Zを置く。その場合に、ヒータ91の上には、テープロール11から繰り出されたテープTが先に置かれており、このテープTの上にシール部Zが重ねられる。そして、この状態で、シール部ZとテープTとがクランプ92で挟み付けられて、袋XがテープTにシール部Zで溶着される。なお、図中、符号Rは、ブラシユニット7でシール部Zの皺が伸ばされてテープTに貼付される袋Xの貼付領域を表している。
【0037】
図10に示すように、このストリップパック装置1の制御ユニット100は、前記各コンベア4〜6、各ユニット7〜10、各センサ110,120と各種信号を送受信可能に接続されている。次に、図11を参照して、この制御ユニット100による本装置1の主たる動作を説明する。
【0038】
まず、袋Xを把持位置P1まで導入し(ステップS101)、袋Xのシール部Zの皺伸ばしを行う(ステップS102)。次いで、袋Xの姿勢を袋姿勢検知センサ110で確認し(ステップS103)、姿勢が良好のときは袋Xを把持する一方(ステップS104)、姿勢が不良のときは袋Xの把持を禁止する(ステップS113)。次いで、袋Xの把持をグリップ検知センサ120で確認し(ステップS105)、袋Xを適正に把持しているときは袋Xを搬送方向b前方側の斜め下方へ移動する一方(ステップS106)、袋Xの把持が不良のときは袋Xの移動を禁止する(ステップS115)。これにより、何らかの理由で、袋Xがドロップコンベア5上で斜めになったり位置ずれを起こしたようなときは、袋XのテープTへの貼付を回避できることとなり、ストリップパック1の不良品の製造が未然に防止されることとなる。一方、袋Xが貼付位置P2へ到着すると、袋XをテープTに貼付し(ステップS107)、最後に、テープTの送りを行って、商品であるストリップパックSPを排出する(ステップS109)。
【0039】
以上のように、本実施形態においては、ストリップパック装置1において物品Xの把持に用いる把持装置8は、物品Xの側部を把持するのではなく、台紙Tに貼付する物品Xの端部Zの側から該端部Zを把持するので(図4〜図7参照)、例えば把持装置8を物品Xの幅方向の中央部に配置しておけば、どのような幅の物品Xに対しても、前記把持装置8を幅方向に移動することなく、物品Xの端部Zを常に確実に把持することが可能となり、これにより、把持装置8を移動させるための機構や動作が複雑化する、という不具合が解消されることとなる。さらに、台紙Tに貼付する物品Xの端部Zを把持することにより、例えば該端部Zが撓んでいても、該端部Zを平らにすることができ、これにより、物品Xを台紙Tに良好な状態で貼付することが可能となる、という利点もある。
【0040】
また、前記把持装置8は、前記端部Zに設けられた貼付領域Rの両側方で前記端部Zを把持するので(図9参照)、前記端部Zのうちでも実際に台紙Tに貼付される前記貼付領域Rを有効に平らにすることができ、これにより、物品Xの良好な貼付がより一層促進されることとなる。
【0041】
また、前記把持装置8は、前記端部Zの皺を伸ばす皺伸ばし装置7の両側方で前記端部Zを把持するので(図7参照)、前記端部Zのうちでも前記皺伸ばし装置7によって皺が伸ばされる領域を有効に平らにすることができ、これによっても、物品Xの良好な貼付がより一層促進されることとなる。
【0042】
また、前記把持装置8は、弾性に富む把持部81bで前記端部Zを把持するので、図6(a)〜図6(c)に例示したように、把持部81bの形状を把持が進むに伴い前記端部Zの縁部側から基部側に徐々に把持するような形状とすることによって、把持の途中においては(図6(a)〜図6(b))前記端部Zに皺ができ難くなり、かつ、把持の完了時には(図6(c))前記端部Zがしっかりと把持されることとなる。
【0043】
また、ストリップパック装置1は、物品Xを把持するために、前記の把持装置8を備えるので、前記と同様の作用を有するストリップパック装置1が得られることとなる。
【0044】
その場合に、ストリップパック装置1は、前記把持装置8により把持される前の物品Xが適正な姿勢であることを検知し(図11のステップS103)、かつ、適正な姿勢であると検知した物品Xを前記把持装置8が把持したことを検知するので(図11のステップS105)、両方検知したときに限り物品Xを台紙Tに貼付するようにすれば、複数個の物品X…Xが台紙T上にきれいに整列したストリップパックSP(図3(b)参照)が確実に製造されることとなる。
【0045】
そして、ストリップパック装置1は、前記把持装置8により把持された物品Xを貼付位置P2へ移動するので、物品Xを把持する位置(把持位置P1)と、把持した物品Xを台紙Tに貼付する位置(貼付位置P2)とを離間させることができ、貼付位置P2における貼付動作が広い空間内で良好に行えることとなる。
【0046】
なお、前記実施形態は、本発明の最良の実施形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、なお種々の変更や修正が可能である。例えば、図12に例示するように、ブラシユニット7が具備されていないときは、グリップフィンガ81,81を貼付領域Rにさらに近接させることができる。
【0047】
また、図13に例示するように、グリップフィンガ81,81に搬送方向bの後方側に延びる延長部81x,81xを設け、前記把持装置8が、中空部Yとシール部Zとを有する袋Xの前記シール部Zを把持すると共に該シール部Zを超えて前記中空部Yの一部まで把持するようにすれば、例えば中空部Yに充填された内容物(図中破線で図示)が運動慣性等に起因してシール部Zの側に矢印のように押し寄せても、その圧力により前記シール部Zが折れ曲がったり撓んだりすることが回避される。
【0048】
また、図14に例示するように、グリップフィンガ81,81に幅方向に伸びる延長部81y,81yを設け、前記把持装置8が、シール部Zを大きな面積で把持するようにすれば、袋Xの把持がより一層強固となる。
【0049】
さらに、前記実施形態に係るストリップパック装置1は、例えば包装機等の上流側装置や箱詰機等の下流側装置等から独立した構成のものであったが、そのような上流側装置や下流側装置と一体化された構成のものであっても別段構わない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、物品が台紙に貼付されたストリップパックの製造に際し、物品の幅が変化しても、物品を把持する把持装置を移動しなくても済むようにできるから、本発明は、ストリップパックを製造する技術分野において広範な産業上の利用可能性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の最良の実施の形態に係るストリップパック装置の斜視図である。
【図2】同装置の側面図である。
【図3】(a)同装置に供給される袋の平面図、(b)同装置で製造するストリップパックの平面図である。
【図4】同装置の把持位置と貼付位置との位置関係を示す側面図である。
【図5】把持ユニットで袋のシール部を把持する前の側面図である。
【図6】(a)把持ユニットで袋のシール部の把持を開始する側面図、(b)把持ユニットで袋のシール部の把持を終了する側面図、(c)把持ユニットで袋のシール部を把持した後の側面図である。
【図7】袋のシール部の皺伸ばし時及び把持時の平面図である。
【図8】貼付ユニットの側面図である。
【図9】袋のテープへの貼付時の平面図である。
【図10】前記ストリップパック装置の制御システム図である。
【図11】同装置の主たる動作の流れ図である。
【図12】把持ユニットで袋のシール部を貼付するときの別の例を示す図9に類似の平面図である。
【図13】把持ユニットで袋のシール部を貼付するときのさらに別の例を示す図9に類似の平面図である。
【図14】把持ユニットで袋のシール部を貼付するときのさらに別の例を示す図9に類似の平面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 ストリップパック装置
4 導入コンベア(搬送手段)
5 ドロップコンベア
6 排出コンベア
7 ブラシユニット(皺伸ばし装置)
8 把持ユニット(把持装置、移動手段)
9 貼付ユニット(貼付手段)
81b 把持部
110 袋姿勢検知センサ(姿勢検知手段)
120 グリップ検知センサ(把持検知手段)
P1 把持位置
P2 貼付位置
R 貼付領域
T テープ(台紙)
X 袋(物品)
Y 中空部
Z シール部(端部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品が台紙に貼付されて吊下げ状態で陳列されるストリップパックと称される商品を製造する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、スナック菓子等を袋に充填した物品が帯状等の台紙に複数個貼付された商品が知られている。この商品は、小売店等において台紙の一部が係止されて吊下げ状態で陳列され、購買者が個々の物品を台紙から引き剥がして取るので、ストリップパック(引き剥がして取る包装形態の意)と称される。このストリップパックは、陳列の省スペース化及び意匠の多様化が図れ、購買意欲を増進させる利点がある。
【0003】
このようなストリップパックを製造するストリップパック装置として、例えば特許文献1に記載の装置は、縦型製袋包装機の直下に置かれ、該包装機で製造された物品の上部両側部を左右一対の把持アームで把持して該物品を下方の貼付位置に移動させた後、該物品の上端部を台紙に貼付するようになっている。また、特許文献2に記載の装置も、縦型製袋包装機の直下に置かれ、該包装機で製造された物品の上部片面を吸引カップで吸引して該物品を前方の貼付位置に移動させた後、該物品の上端部を台紙に貼付するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−182302号公報(段落0034、図4、図6、図10)
【特許文献2】米国特許第3864895号明細書(図1、本文第2列第31〜62行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2に記載のストリップパック装置のように、物品を吸引カップで吸引して貼付位置まで移動させるものでは、物品が移動中に落下する可能性がある。そして、落下を防止するために吸引力を強めると、貼付位置での物品の解放が円滑に行えなくなる可能性がある。そこで、物品を掴む手段として、特許文献1に記載のストリップパック装置のように、物品を把持する把持装置を用いることが好ましい。
【0006】
しかし、特許文献1に記載のストリップパック装置では、物品の側部を把持するので、物品の幅が変化すれば、それに合わせて把持装置を物品の幅方向に移動しなければならず、そのための機構や動作が複雑化する、という不具合がある。
【0007】
そこで、本発明は、物品が台紙に貼付されたストリップパックの製造に際し、物品の幅が変化しても、物品を把持する把持装置を移動しなくても済むようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、把持した物品を該物品の端部で台紙に貼付するストリップパック装置において前記物品の把持に用いる把持装置であって、前記把持装置は、前記台紙に貼付する端部の側から、該端部を把持することを特徴とする。
【0009】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の把持装置であって、前記物品は、前記端部に設けられた貼付領域で台紙に貼付されるものであり、前記把持装置は、前記貼付領域の両側方で、前記端部を把持することを特徴とする。
【0010】
次に、請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載の把持装置であって、前記ストリップパック装置は、前記端部の皺を伸ばす皺伸ばし装置を備えるものであり、前記把持装置は、前記皺伸ばし装置の両側方で、前記端部を把持することを特徴とする。
【0011】
次に、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれかに記載の把持装置であって、前記物品は中空部とシール部とを有する袋包装物であり、前記端部は前記シール部である場合に、前記把持装置は、前記シール部を把持すると共に、該シール部を超えて前記中空部の一部まで把持することを特徴とする。
【0012】
次に、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から4のいずれかに記載の把持装置であって、前記把持装置は、弾性に富む把持部で、前記端部を把持することを特徴とする。
【0013】
一方、請求項6に記載の発明は、把持した物品を該物品の端部で台紙に貼付するストリップパック装置であって、前記物品の把持のために、前記請求項1から5のいずれかに記載の把持装置が備えられていることを特徴とする。
【0014】
次に、請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載のストリップパック装置であって、前記把持装置により把持される前の物品が適正な姿勢であることを検知する姿勢検知手段と、この姿勢検知手段で適正な姿勢であると検知された物品を前記把持手段が把持したことを検知する把持検知手段とが備えられていることを特徴とする。
【0015】
次に、請求項8に記載の発明は、前記請求項6又は7に記載のストリップパック装置であって、前記把持装置により把持された物品を貼付位置へ移動する移動手段が備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
まず、請求項1に記載の発明によれば、ストリップパック装置において物品の把持に用いる把持装置は、物品の側部を把持するのではなく、台紙に貼付する物品の端部の側から該端部を把持するので、例えば把持装置を物品の幅方向の中央部に配置しておけば、どのような幅の物品に対しても、前記把持装置を移動することなく、物品の端部を常に確実に把持することが可能となり、これにより、把持装置を移動させるための機構や動作が複雑化する、という不具合が解消されることとなる。さらに、台紙に貼付する物品の端部を把持することにより、例えば該端部が撓んでいても、該端部を平らにすることができ、これにより、物品を台紙に良好な状態で貼付することが可能となる、という利点もある。
【0017】
次に、請求項2に記載の発明によれば、前記把持装置は、前記端部に設けられた貼付領域の両側方で前記端部を把持するので、前記端部のうちでも実際に台紙に貼付される前記貼付領域を有効に平らにすることができ、これにより、物品の良好な貼付がより一層促進されることとなる。
【0018】
次に、請求項3に記載の発明によれば、前記把持装置は、前記端部の皺を伸ばす皺伸ばし装置の両側方で前記端部を把持するので、前記端部のうちでも前記皺伸ばし装置によって皺が伸ばされる領域を有効に平らにすることができ、これによっても、物品の良好な貼付がより一層促進されることとなる。
【0019】
次に、請求項4に記載の発明によれば、前記把持装置は、中空部とシール部とを有する袋包装物の前記シール部を把持すると共に該シール部を超えて前記中空部の一部まで把持するので、例えば中空部に充填された内容物が運動慣性等に起因してシール部の側に押し寄せても、その圧力により前記シール部が折れ曲がったり撓んだりすることが回避される。
【0020】
次に、請求項5に記載の発明によれば、前記把持装置は、弾性に富む把持部で前記端部を把持するので、例えば把持部の形状を前記端部の縁部側から基部側に徐々に把持するような形状とすれば、把持の途中においては前記端部に皺ができ難くなり、かつ、把持の完了時には前記端部がしっかりと把持されることとなる。
【0021】
一方、請求項6に記載の発明によれば、ストリップパック装置は、物品を把持するために、前記請求項1から5のいずれかに記載の把持装置を備えるので、前記請求項1から5の発明と同様の作用を有するストリップパック装置が得られることとなる。
【0022】
次に、請求項7に記載の発明によれば、ストリップパック装置は、前記把持装置により把持される前の物品が適正な姿勢であることを検知し、かつ、適正な姿勢であると検知した物品を前記把持装置が把持したことを検知するので、両方検知したときに限り物品を台紙に貼付するようにすれば、複数個の物品が台紙上にきれいに整列したストリップパックが確実に製造されることとなる。
【0023】
次に、請求項8に記載の発明によれば、ストリップパック装置は、前記把持装置により把持された物品を貼付位置へ移動するので、物品を把持する位置(把持位置)と、把持した物品を台紙に貼付する位置(貼付位置)とを離間させることができ、貼付位置における貼付動作が広い空間内で良好に行えることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の最良の実施の形態を説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係るストリップパック装置1は、本体ユニット2に、上流側装置から物品が供給される供給コンベア3と、このコンベア3で供給された物品を本装置1の内部に導入する導入コンベア4と、この導入コンベア4の終端部を構成するドロップコンベア5と、本装置1で製造されたストリップパックを下流側装置へ排出する排出コンベア6とを備えると共に、本装置1の内部に導入された物品の端部の皺を伸ばすためのブラシユニット7、前記物品の端部を把持するための把持ユニット8、前記物品を前記端部でテープに貼付するための貼付ユニット9、及び、前記テープをストリップパックの製造に同期して送るためのテープ送りユニット10を有している。ここで、前記テープのロール11は、本体ユニット2の上部に配設されている。これにより、テープロール11の交換が簡単に行えることとなる。本装置1は、上流側装置及び下流側装置から独立した構成で汎用性の高いものである。
【0026】
図2に示すように、本実施形態においては、本装置1に供給される物品は、例えばスナック菓子等を充填した袋包装物X(以下単に袋Xと記す)であり、供給コンベア3で矢印a方向に搬送された後、導入コンベア4で反対方向の矢印b方向に略水平方向に搬送される。導入コンベア4の始端部には、供給コンベア3から落下してくる袋Xが本装置1外へ脱落するのを防止するための部材12が備えられている。貼付ユニット9で複数の袋X…Xがテープに貼付されることにより製造されるストリップパックSPは、傾斜した受け台13で受けられながら、排出コンベア6に受け渡され、該コンベア6で矢印c方向に搬送される。なお、前記図1では、前記脱落防止部材12及び前記受け台13の図示を省略してある。
【0027】
図3(a)に示すように、本装置1に供給される袋Xは、スナック菓子等が充填された中空部Yと、上下2箇所のシール部Z,Zとを有している。また、図3(b)に示すように、本装置1で製造されるストリップパックSPは、細長いテープTに複数の袋X…Xがそれぞれ上側のシール部Z…Zで整列状態に貼付されたものである。テープTの一端には、ストリップパックSPを係止して吊下げ状態で陳列するためのパンチ孔が形成されている。
【0028】
図4に示すように、ドロップコンベア5の終端部より搬送方向bの前方側に、ブラシユニット7及び把持ユニット8が配置されている。袋Xは上側シール部Zを前にしてb方向に搬送され、把持ユニット8は上下一対のグリップフィンガ81,81で袋Xの上側シール部Zを該上側シール部Zの側(すなわち搬送方向bの前方側)から上下に把持する。グリップフィンガ81,81は、アーム83に対して前後位置が調整可能なハンド82に具備され、アーム83は傾斜したガイドレール84に移動自在に備えられている。把持ユニット8は、ドロップコンベア5の終端部近傍である把持位置P1で袋Xの上側シール部Zを把持した後、矢印dで示すように、搬送方向bの前方側の斜め下方に移動して、把持した袋Xを貼付ユニット9の配置位置である貼付位置P2に移動させる。この袋Xの斜め下方への移動の際、ドロップコンベア5は、矢印eで示すように、その搬送方向bの前方側が低くなるように傾斜する。
【0029】
ここで、ドロップコンベア5の終端部には、前記把持ユニット8により把持される前の袋Xがドロップコンベア5上で適正な姿勢であることを検知するための袋姿勢検知センサ110が配設されている。この袋姿勢検知センサ110は、例えばドロップコンベア5上の物体をCCDカメラ等で撮像して画像解析するタイプのものである。
【0030】
図5に示すように、グリップフィンガ81は、ハンド82に対して矢印fで示すように揺動するフィンガ本体81aの先端に、例えばラバー等で構成される弾性に富む把持部81bが取り付けられた構成である。把持部81bが袋Xのシール部Zと当接する部分は、平坦な形状ではなく、図6(a)〜図6(c)に例示するように、把持が進むに伴いシール部Zの縁部側から基部側に徐々に把持するような円弧形状とされている。
【0031】
ここで、ハンド82には、上下一対のグリップフィンガ81,81が袋Xのシール部Zを把持したことを検知するためのグリップ検知センサ120が配設されている。このグリップ検知センサ120は、例えばグリップフィンガ81,81が閉じたときのフィンガ81,81間の距離や挟角を演算してフィンガ81,81間に何かが挟まったか否かを解析するタイプのものである。
【0032】
図7に示すように、ブラシユニット7は、袋Xのシール部Zの皺を伸ばすためのブラシ72と、該ブラシ72を支持するための支持部材71とを有する。より詳しくは、ブラシユニット7は、袋Xのシール部Zの上面に接触した状態で該シール部Zの基部側から縁部側に回転して該シール部Zの上面の皺を伸ばす円盤形状の上側ブラシ72が上側支持部材71で支持され、かつ、袋Xのシール部Zの下面に接触した状態で該シール部Zの基部側から縁部側に回転して該シール部Zの下面の皺を伸ばす円盤形状の下側ブラシ72が下側支持部材71で支持された構造である。ただし、図7には上側ブラシ72及び上側支持部材71のみ図示してある。そして、把持ユニット8のハンド82及びグリップフィンガ81は左右一対あり、この左右一対のグリップフィンガ81,81は、前記ブラシユニット7ないしブラシ72の両側方でシール部Zを縦に掴んでいる。
【0033】
ここで、ブラシ72は、相対的に厚みの薄い円盤形状の分割ブラシが複数個所定の間隔をあけて並設された構造である。ブラシ72は、例えば、海綿様のブラシや、線材を放射状に束ねたタワシ様のブラシのようなものが好ましく使用可能である。
【0034】
ドロップコンベア5の終端部まで搬送された袋Xは、シール部Zが上側ブラシ72と下側ブラシ72の間に挿入され、この状態で、上下のブラシ72,72がシール部Zの基部側から縁部側へ回転することによってシール部Zがしごかれて該シール部Zの皺が伸ばされる。その後、袋Xは、把持ユニット8で把持されて、貼付位置P2まで搬送方向bの前方側の斜め下方に移動される。
【0035】
図8に示すように、貼付ユニット9は、テープTと袋Xとを溶着する熱源であるヒータ91と、このヒータ91との間でテープTと袋Xとを挟み付けるクランプ92と、このクランプ92を上下動させるためのエアシリンダ93と、テープTに適宜パンチ孔やミシン目を入れるためのパンチ・カッタユニット94と、上動することによりテープTをヒータ91から浮かせてテープTの溶解を防ぐための溶解防止部材95と、この溶解防止部材95を上下動させるためのエアシリンダ96とを有している。
【0036】
図9に示すように、把持ユニット8のグリップフィンガ81,81は、貼付位置P2において、シール部Zを把持した状態で、貼付ユニット9のヒータ91の上に該シール部Zを置く。その場合に、ヒータ91の上には、テープロール11から繰り出されたテープTが先に置かれており、このテープTの上にシール部Zが重ねられる。そして、この状態で、シール部ZとテープTとがクランプ92で挟み付けられて、袋XがテープTにシール部Zで溶着される。なお、図中、符号Rは、ブラシユニット7でシール部Zの皺が伸ばされてテープTに貼付される袋Xの貼付領域を表している。
【0037】
図10に示すように、このストリップパック装置1の制御ユニット100は、前記各コンベア4〜6、各ユニット7〜10、各センサ110,120と各種信号を送受信可能に接続されている。次に、図11を参照して、この制御ユニット100による本装置1の主たる動作を説明する。
【0038】
まず、袋Xを把持位置P1まで導入し(ステップS101)、袋Xのシール部Zの皺伸ばしを行う(ステップS102)。次いで、袋Xの姿勢を袋姿勢検知センサ110で確認し(ステップS103)、姿勢が良好のときは袋Xを把持する一方(ステップS104)、姿勢が不良のときは袋Xの把持を禁止する(ステップS113)。次いで、袋Xの把持をグリップ検知センサ120で確認し(ステップS105)、袋Xを適正に把持しているときは袋Xを搬送方向b前方側の斜め下方へ移動する一方(ステップS106)、袋Xの把持が不良のときは袋Xの移動を禁止する(ステップS115)。これにより、何らかの理由で、袋Xがドロップコンベア5上で斜めになったり位置ずれを起こしたようなときは、袋XのテープTへの貼付を回避できることとなり、ストリップパック1の不良品の製造が未然に防止されることとなる。一方、袋Xが貼付位置P2へ到着すると、袋XをテープTに貼付し(ステップS107)、最後に、テープTの送りを行って、商品であるストリップパックSPを排出する(ステップS109)。
【0039】
以上のように、本実施形態においては、ストリップパック装置1において物品Xの把持に用いる把持装置8は、物品Xの側部を把持するのではなく、台紙Tに貼付する物品Xの端部Zの側から該端部Zを把持するので(図4〜図7参照)、例えば把持装置8を物品Xの幅方向の中央部に配置しておけば、どのような幅の物品Xに対しても、前記把持装置8を幅方向に移動することなく、物品Xの端部Zを常に確実に把持することが可能となり、これにより、把持装置8を移動させるための機構や動作が複雑化する、という不具合が解消されることとなる。さらに、台紙Tに貼付する物品Xの端部Zを把持することにより、例えば該端部Zが撓んでいても、該端部Zを平らにすることができ、これにより、物品Xを台紙Tに良好な状態で貼付することが可能となる、という利点もある。
【0040】
また、前記把持装置8は、前記端部Zに設けられた貼付領域Rの両側方で前記端部Zを把持するので(図9参照)、前記端部Zのうちでも実際に台紙Tに貼付される前記貼付領域Rを有効に平らにすることができ、これにより、物品Xの良好な貼付がより一層促進されることとなる。
【0041】
また、前記把持装置8は、前記端部Zの皺を伸ばす皺伸ばし装置7の両側方で前記端部Zを把持するので(図7参照)、前記端部Zのうちでも前記皺伸ばし装置7によって皺が伸ばされる領域を有効に平らにすることができ、これによっても、物品Xの良好な貼付がより一層促進されることとなる。
【0042】
また、前記把持装置8は、弾性に富む把持部81bで前記端部Zを把持するので、図6(a)〜図6(c)に例示したように、把持部81bの形状を把持が進むに伴い前記端部Zの縁部側から基部側に徐々に把持するような形状とすることによって、把持の途中においては(図6(a)〜図6(b))前記端部Zに皺ができ難くなり、かつ、把持の完了時には(図6(c))前記端部Zがしっかりと把持されることとなる。
【0043】
また、ストリップパック装置1は、物品Xを把持するために、前記の把持装置8を備えるので、前記と同様の作用を有するストリップパック装置1が得られることとなる。
【0044】
その場合に、ストリップパック装置1は、前記把持装置8により把持される前の物品Xが適正な姿勢であることを検知し(図11のステップS103)、かつ、適正な姿勢であると検知した物品Xを前記把持装置8が把持したことを検知するので(図11のステップS105)、両方検知したときに限り物品Xを台紙Tに貼付するようにすれば、複数個の物品X…Xが台紙T上にきれいに整列したストリップパックSP(図3(b)参照)が確実に製造されることとなる。
【0045】
そして、ストリップパック装置1は、前記把持装置8により把持された物品Xを貼付位置P2へ移動するので、物品Xを把持する位置(把持位置P1)と、把持した物品Xを台紙Tに貼付する位置(貼付位置P2)とを離間させることができ、貼付位置P2における貼付動作が広い空間内で良好に行えることとなる。
【0046】
なお、前記実施形態は、本発明の最良の実施形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、なお種々の変更や修正が可能である。例えば、図12に例示するように、ブラシユニット7が具備されていないときは、グリップフィンガ81,81を貼付領域Rにさらに近接させることができる。
【0047】
また、図13に例示するように、グリップフィンガ81,81に搬送方向bの後方側に延びる延長部81x,81xを設け、前記把持装置8が、中空部Yとシール部Zとを有する袋Xの前記シール部Zを把持すると共に該シール部Zを超えて前記中空部Yの一部まで把持するようにすれば、例えば中空部Yに充填された内容物(図中破線で図示)が運動慣性等に起因してシール部Zの側に矢印のように押し寄せても、その圧力により前記シール部Zが折れ曲がったり撓んだりすることが回避される。
【0048】
また、図14に例示するように、グリップフィンガ81,81に幅方向に伸びる延長部81y,81yを設け、前記把持装置8が、シール部Zを大きな面積で把持するようにすれば、袋Xの把持がより一層強固となる。
【0049】
さらに、前記実施形態に係るストリップパック装置1は、例えば包装機等の上流側装置や箱詰機等の下流側装置等から独立した構成のものであったが、そのような上流側装置や下流側装置と一体化された構成のものであっても別段構わない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、物品が台紙に貼付されたストリップパックの製造に際し、物品の幅が変化しても、物品を把持する把持装置を移動しなくても済むようにできるから、本発明は、ストリップパックを製造する技術分野において広範な産業上の利用可能性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の最良の実施の形態に係るストリップパック装置の斜視図である。
【図2】同装置の側面図である。
【図3】(a)同装置に供給される袋の平面図、(b)同装置で製造するストリップパックの平面図である。
【図4】同装置の把持位置と貼付位置との位置関係を示す側面図である。
【図5】把持ユニットで袋のシール部を把持する前の側面図である。
【図6】(a)把持ユニットで袋のシール部の把持を開始する側面図、(b)把持ユニットで袋のシール部の把持を終了する側面図、(c)把持ユニットで袋のシール部を把持した後の側面図である。
【図7】袋のシール部の皺伸ばし時及び把持時の平面図である。
【図8】貼付ユニットの側面図である。
【図9】袋のテープへの貼付時の平面図である。
【図10】前記ストリップパック装置の制御システム図である。
【図11】同装置の主たる動作の流れ図である。
【図12】把持ユニットで袋のシール部を貼付するときの別の例を示す図9に類似の平面図である。
【図13】把持ユニットで袋のシール部を貼付するときのさらに別の例を示す図9に類似の平面図である。
【図14】把持ユニットで袋のシール部を貼付するときのさらに別の例を示す図9に類似の平面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 ストリップパック装置
4 導入コンベア(搬送手段)
5 ドロップコンベア
6 排出コンベア
7 ブラシユニット(皺伸ばし装置)
8 把持ユニット(把持装置、移動手段)
9 貼付ユニット(貼付手段)
81b 把持部
110 袋姿勢検知センサ(姿勢検知手段)
120 グリップ検知センサ(把持検知手段)
P1 把持位置
P2 貼付位置
R 貼付領域
T テープ(台紙)
X 袋(物品)
Y 中空部
Z シール部(端部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持した物品を該物品の端部で台紙に貼付するストリップパック装置において前記物品の把持に用いる把持装置であって、
前記把持装置は、前記台紙に貼付する端部の側から、該端部を把持することを特徴とするストリップパック装置に用いる把持装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の把持装置であって、
前記物品は、前記端部に設けられた貼付領域で台紙に貼付されるものであり、
前記把持装置は、前記貼付領域の両側方で、前記端部を把持することを特徴とするストリップパック装置に用いる把持装置。
【請求項3】
前記請求項1に記載の把持装置であって、
前記ストリップパック装置は、前記端部の皺を伸ばす皺伸ばし装置を備えるものであり、
前記把持装置は、前記皺伸ばし装置の両側方で、前記端部を把持することを特徴とするストリップパック装置に用いる把持装置。
【請求項4】
前記請求項1から3のいずれかに記載の把持装置であって、
前記物品は中空部とシール部とを有する袋包装物であり、前記端部は前記シール部である場合に、
前記把持装置は、前記シール部を把持すると共に、該シール部を超えて前記中空部の一部まで把持することを特徴とするストリップパック装置に用いる把持装置。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれかに記載の把持装置であって、
前記把持装置は、弾性に富む把持部で、前記端部を把持することを特徴とするストリップパック装置に用いる把持装置。
【請求項6】
把持した物品を該物品の端部で台紙に貼付するストリップパック装置であって、
前記物品の把持のために、前記請求項1から5のいずれかに記載の把持装置が備えられていることを特徴とするストリップパック装置。
【請求項7】
前記請求項6に記載のストリップパック装置であって、
前記把持装置により把持される前の物品が適正な姿勢であることを検知する姿勢検知手段と、
この姿勢検知手段で適正な姿勢であると検知された物品を前記把持手段が把持したことを検知する把持検知手段とが備えられていることを特徴とするストリップパック装置。
【請求項8】
前記請求項6又は7に記載のストリップパック装置であって、
前記把持装置により把持された物品を貼付位置へ移動する移動手段が備えられていることを特徴とするストリップパック装置。
【請求項1】
把持した物品を該物品の端部で台紙に貼付するストリップパック装置において前記物品の把持に用いる把持装置であって、
前記把持装置は、前記台紙に貼付する端部の側から、該端部を把持することを特徴とするストリップパック装置に用いる把持装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の把持装置であって、
前記物品は、前記端部に設けられた貼付領域で台紙に貼付されるものであり、
前記把持装置は、前記貼付領域の両側方で、前記端部を把持することを特徴とするストリップパック装置に用いる把持装置。
【請求項3】
前記請求項1に記載の把持装置であって、
前記ストリップパック装置は、前記端部の皺を伸ばす皺伸ばし装置を備えるものであり、
前記把持装置は、前記皺伸ばし装置の両側方で、前記端部を把持することを特徴とするストリップパック装置に用いる把持装置。
【請求項4】
前記請求項1から3のいずれかに記載の把持装置であって、
前記物品は中空部とシール部とを有する袋包装物であり、前記端部は前記シール部である場合に、
前記把持装置は、前記シール部を把持すると共に、該シール部を超えて前記中空部の一部まで把持することを特徴とするストリップパック装置に用いる把持装置。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれかに記載の把持装置であって、
前記把持装置は、弾性に富む把持部で、前記端部を把持することを特徴とするストリップパック装置に用いる把持装置。
【請求項6】
把持した物品を該物品の端部で台紙に貼付するストリップパック装置であって、
前記物品の把持のために、前記請求項1から5のいずれかに記載の把持装置が備えられていることを特徴とするストリップパック装置。
【請求項7】
前記請求項6に記載のストリップパック装置であって、
前記把持装置により把持される前の物品が適正な姿勢であることを検知する姿勢検知手段と、
この姿勢検知手段で適正な姿勢であると検知された物品を前記把持手段が把持したことを検知する把持検知手段とが備えられていることを特徴とするストリップパック装置。
【請求項8】
前記請求項6又は7に記載のストリップパック装置であって、
前記把持装置により把持された物品を貼付位置へ移動する移動手段が備えられていることを特徴とするストリップパック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−105701(P2008−105701A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−289936(P2006−289936)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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