ストリームデータを記録する情報記憶媒体、その記録方法、再生方法、記録装置および再生装置
【課題】ランダムアクセス可能なDVD−RAMを利用したストリーマを構築する上で、TSストームデータの効率の良い管理を可能とする。
【解決手段】DVD録再システムにおいては、セットトップボックス部STB83では、複数のトランスポートパケットからなるMPEGトランスポートストリームを受信し、トランスポートパケットに含まれる管理情報に所定の項目があるか否かを示すサポート情報がフォーマッタ部90で取りだされる。管理領域およびデータ領域を有する記録媒体にデータを記録するドライブ部51は、このサポート情報を前記管理領域に記録している。
【解決手段】DVD録再システムにおいては、セットトップボックス部STB83では、複数のトランスポートパケットからなるMPEGトランスポートストリームを受信し、トランスポートパケットに含まれる管理情報に所定の項目があるか否かを示すサポート情報がフォーマッタ部90で取りだされる。管理領域およびデータ領域を有する記録媒体にデータを記録するドライブ部51は、このサポート情報を前記管理領域に記録している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタルビデオのデータストリームを記録するシステムの改良に関する。とくに、デジタル放送されるMPEGトランスポートストリームを効率よく記録できるシステムに関する。さらには、MPEGトランスポートストリームのサポート情報を管理領域に記録するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TV放送はデジタル放送の時代に突入しつつあり、そのために、デジタルTV放送のストリーマ(デジタルデータをそのままの形で保存する装置)の必要性が要望されている。
【0003】
また、現在放送されているデジタルTV放送ではMPEGトランスポートストリームが採用されており、今後も動画を使用したデジタル放送の分野ではMPEGトランスポートストリームが標準となりつつある。
【0004】
このデジタル放送データを記録するストリーマとして、たとえばD−VHS(デジタルVHS)がある(特許文献1のディジタルVTR参照)。
【0005】
デジタルTV放送は、放送局より通信衛星を通して放送される。放送されたデジタルデータは、各家庭に設置されたセットトップボックス(Set Top Box;以下、STBと略記する)で受信され、TVモニタ上に表示される。このSTBは、放送局から配給されるキーコードを元に、スクランブルされたデジタルデータを解除して再生する装置である。
【0006】
データがスクランブルされる理由は、放送局と契約していないユーザにより不正に受信され、盗視聴されることを防ぐためである。
【0007】
受信されたデータがそのまま再生される場合には、STB内で、受信されたデータのスクランブルが解除される。そして、STB内で、スクランブル解除されたデータがMPEGデコーダでデコードされ、ビデオエンコーダでTV信号に変換されて、TVモニタ上に表示される。
【0008】
放送データを録画する場合には、IEEE1394デジタル・インターフェースを介して、チューナで受信されたデジタルデータがD−VHSレコーダに記録される。
【0009】
ここで、IEEE1394は標準的なインターフェースの規格で、コマンドの授受、データの送受信を実行する規格である。
【0010】
また、録画された放送データを再生する場合には、D−VHSレコーダから記録データが読み取られ、STB内のデータ伸張部に送られて、再生される。
【0011】
ここで、D−VHSレコーダに記録されるデジタルデータは、一般に次のような構造を有している。
【0012】
すなわち、記録されるデジタルデータは、6トラックが1ECCブロックとして取り扱われ、主データ領域の同期ブロック(Sync Block)内に、主データとして記録される。この場合、トランスポートストリーム(TS)パケットにはヘッダが付加されて記録される。
【0013】
このようなD−VHSストリーマでは、放送されたビットストリームがそのままテープに記録される。そのため、このテープには、複数の番組が多重化されて記録されることになる。
【0014】
従って、最初から再生する場合でも途中から再生する場合でも、再生時には、そのまま全てのデータが送り出される。STBでは、送り出されたデータから希望の番組のみが選択されて再生されることとなる。
【0015】
このようなシステムでは、記録にテープメディアを使用するために、ランダムアクセス性能が極めて悪い。そのため、ある番組中においてユーザが所望する箇所に素早くジャンプしてその再生場面を再生したいと思ってもそれが実行困難である。
【0016】
一方、DVD−RAMなどの大容量ディスクメディアにおいても、ストリーマの記録については、問題がある。このようなDVDシステムでは、ランダムアクセス或いは特殊再生などを考慮すると、必然的に、管理データを放送データと共に記録することが要求される。
【0017】
このようなDVDシステムでは、DVDビデオのフォーマットに準じて、データが管理され、またフォーマットされることも必要とされる。
【0018】
しかしながら、DVDビデオでは、衛星放送を想定してフォーマットが定められていないことから、そのままでは、特殊再生などに対応できない問題がある。
【0019】
たとえば特願平10−040876では、DVDビデオフォーマットを元に、家庭用録再機を想定したフォーマットの提案がされている。しかしながら、このフォーマットでも、デジタル放送に関しては、全く考慮されていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開平9−247619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
以上のように、デジタルTV放送対応のストリーマシステムに於いて、ランダムアクセスの可能なDVD−RAM、すなわち、リード/ライト(R/W)ディスクを利用したストリーマを構築する上でTSストリームデータを効率の良く管理できない問題がある。
【0022】
この発明の目的は、ランダムアクセス可能なメディア(DVD−RAM等)を利用したストリーマを構築するにあたって、トランスポートパケットを効率よく記録できるシステムを提供することである。
【0023】
また、この発明の他の目的は、DVDビデオフォーマットにストリーマ機能を付加することである。
【0024】
この発明のさらに他の目的は、デジタルTV放送を想定した新たなフォーマットを提案することにより、デジタルTV放送データの効率の良い管理を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
一実施の形態では、ストリームデータを記録するデータエリアおよびこのストリームデータの管理情報を記録する管理エリアを持つ光ディスクにおいて、トランスポートパケットあるいはアプリケーションパケットというデータパケットを第1データ単位として表現し、ストリームブロックあるいはストリームオブジェクトユニットというデータ単位を第2データ単位として表現し、ストリームオブジェクトというオブジェクトデータを第3データ単位として表現したときに、1以上の前記第1データ単位を含む前記第2データ単位を1以上含んで構成される前記第3データ単位の前記ストリームオブジェクトにより、前記データエリアに記録される前記ストリームデータが形成される。ここで、前記ストリームデータはMPEGのIピクチャ情報を含んでおり、このIピクチャ情報へのアクセス単位(AU)に関するデータをアクセスユニットデータ(AUD)としたときに、このアクセスユニットデータが存在するか否かを示す情報(AUD_FLAGS)が前記管理エリアに記録される。
【0026】
デジタルTV放送等のストリームデータを効率良く管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】MPEGにおけるTSストリームのフォーマットを示す説明図。
【図2】DVD記録再生システムで記録再生されるオブジェクトセットのフォーマットを示す説明図。
【図3】図2に示すTSパックのフォーマット構造を示す説明図。
【図4】図3に示したパック構造に最適なVOBUの構造を示す説明図。
【図5】図3に示すTSパックの変形例に係る構造を示す説明図。
【図6】再生対象としてのビデオオブジェクトセット(図2)を管理するための管理情報のフォーマットの一例を示す説明図。
【図7】図6に示したPGCIの記述内容を示すテーブル図。
【図8】図6に示したC_PBIの記述内容を示すテーブル図。
【図9】再生対象としてのビデオオブジェクト(図2)を管理するための管理情報のフォーマットの他の例を示す説明図。
【図10】図9に示されたVOBUIの記述内容を示すテーブル図。
【図11】図6に示されたVOBU或いはセルのフォーマット構造の例を示す説明図。
【図12】図6に示されたセル或いはPGCのフォーマット構造の例を示す説明図。
【図13】図6に示されたセルフォーマット構造を利用した編集作業を説明するための図。
【図14】一実施の形態に係るDVD記録再生システムの全体を示すブロック図。
【図15】図9に示されたフォーマット構造における録画処理を説明するためのフローチャート図。
【図16】図9に示されたフォーマット構造における録画処理を説明するためのフローチャート図。
【図17】図9に示されたフォーマット構造における再生処理を説明するためのフローチャート図。
【図18】図9に示されたフォーマット構造における再生処理を説明するためのフローチャート図。
【図19】図9に示されたフォーマット構造におけるFF処理を説明するためのフローチャート図。
【図20】図9に示されたフォーマット構造におけるFF処理を説明するためのフローチャート図。
【図21】図9に示されたフォーマット構造におけるFF処理を説明するためのフローチャート図。
【図22】図20および図21に示したフローにおける割り込み処理について説明するフローチャート図。
【図23】図20に示されたフォーマット構造におけるPAT処理を説明するためのフローチャート図。
【図24】ストリームデータ(図1のMPEG2トランスポートストリームに対応)のデータ構造を説明する図。
【図25】図24に示されたストリームブロックヘッダの内部構造を説明する図。
【図26】図24に示されたセクタデータヘッダの内部構造を説明する図。
【図27】ストリームオブジェクト(SOB)に対するMPEG規格上の制約を説明する図。
【図28】DVDストリーマ情報(STRI)内のナビゲーションデータ(図9の制御情報25に対応)の構造を説明する図。
【図29】図28に示されたストリームファイル情報テーブル(SFIT)の構造を説明する図。
【図30】図29に示されたストリームファイル情報(SFI)の構造を説明する図。
【図31】図30に示されたストリームファイル一般情報(SF_GI)の内容を説明する図。
【図32】図30に示されたストリームオブジェクト情報(SOBI#)の構造を説明する図。
【図33】図32に示されたストリームオブジェクト情報一般情報(SOBI_GI)の内容を説明する図。
【図34】図32に示されたアクセスユニットデータ(AUD)の構造を説明する図。
【図35】図34に示されたアクセスユニット一般情報(AU_GI)の内容を説明する図。
【図36】アクセスユニット開始マップ(AUSM;図8、図10参照)とストリームオブジェクトユニット(SOBU;図2、図4、図11参照)との対応関係を例示する図。
【図37】アクセスユニット開始マップ(AUSM;図8、図10参照)およびアクセスユニット終了マップ(AUEM;図8、図10参照)とストリームオブジェクトユニット(SOBU;図2、図4、図11参照)との対応関係を例示する図。
【図38】ストリームパック(図2〜図4のTSパックに対応)の構造を説明する図。
【図39】図38に示されるストリームPESパケット内のストリームデータエリアの構造を説明する図。
【図40】図39に示されたストリームデータエリア先頭のアプリケーションヘッダの内容を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下図面を参照して一実施の形態に係るDVD録再器並びにその書き込み可能な光ディスクのフォーマットについて説明する。
【0029】
始めにフォーマットの用語について簡単に説明する。光ディスクには、通常のファイル形式でデータが保存されている。タイトルは、たとえば映画の一本分に相当し、一枚のディスクに、このタイトルが複数収納されている。このタイトルが集まったものをタイトルセットと称し、このタイトルセットは、複数のファイルで構成されている。また、1枚のディスクには、このディスクを管理するための情報としてビデオマネージャ(Video Manager;以降VMGと称する)と称するファイルが存在する。
【0030】
さらに、タイトルセットでは、このタイトルセットを管理するための情報が、ビデオタイトルセット情報(Video Title Set Information、以降VTSIと略記する)の管理情報ファイルとビデオデータで構成されているビデオファイルとVTSIのバックアップファイルとで構成されている。
【0031】
前記ビデオファイルは、階層構造となっており、1つのファイルは複数のプログラムチェーンで構成され、1つのプログラムチェーンは、複数のプログラムで構成されており、1つのプログラムは、複数のセルで構成され、1つのセルは、複数のビデオオブジェクトユニット(以降VOBUと略記する)で構成されている。また、VOBUは、複数の様々な種類のデータからなるパックによって構成されている。パックは1つ以上のパケットとパックヘッダで構成されている。パックは、データ転送処理を行う最小単位となっている。さらに、論理上の処理を行う最小単位はセル単位で、論理上の処理はこのセル単位で行われる。
【0032】
次に、トランスポート(TS)ストリームについて説明する。一般に、デジタルTV放送などやインターネットなどの有線を使用した放送などの圧縮動画を放送(配信)する方式おいては、共通の基本フォーマットであるTSストリームがMPEG2の規格として定められている。
【0033】
このTSストリームは、図1(a)に示すように多数のTSパケット38から構成され、各TSパケット38は、図1(b)から図1(d)に示す構造を有し、図1(b)に示すようにパケットの管理データ部分41およびペイロード42とから構成される。ペイロード42には、再生されるべき対象のデータがスクランブルされた状態で格納されている。
【0034】
ペイロード42に格納される再生対象としては、MPEGビデオデータ、Dolby AC3 オーディオデータ或いはMPEGオーディオデータ等があり、また、直接、再生対象以外の情報として、再生する上で必要なプログラムアソシエーションテーブル(Program Association Table;以下PATと略記する)、プログラムマップテーブル(Program Map Table;以下PMTと略記する)等の情報、さらに、電子番組情報(Electronic Program Guide;以下EPGと略記する)等がある。
【0035】
PATには、番組毎のPMTのパケット識別情報(Packet Identification;以下PIDと略記する)が含まれており、さらに、PMTには、ビデオデータ或いはオーディオデータ等のPIDが記録されている。
【0036】
これにより、STB部の通常の再生手順としては、EPG情報により、ユーザが番組を決定すると、目的の番組の開始時間に、PATを読み込み、そのデータを基に希望の番組のPMTのPIDを決定し、目的のPMTを読み出し、そこに含まれる再生すべきビデオ、オーディオパケットのPIDを決定し、ビデオ、オーディオデータをPIDに従って、切り出されて再生がなされる。ここで、PATは、途中再生にも使用するために、数100ms毎に送信されている。
【0037】
これらTSストリームのデータを、DVDーRW(リード/ライト)ディスク等のディスクメディアに記録する場合には、これらのデータをそのまま、デジタルデータとして記録することが好ましい。ただし、現在、DVD−RAMの最高ビットレートが10.08Mbpsであるため、全チャンネルを多重化された衛星放送(20Mbps以上)そのものを記録することはできない。そのため、記録する場合には、1つの番組を選んで、記録する必要がある。
【0038】
さらに、ディスクメディアに記録すると、ユーザが希望の番組の希望の時間より再生を開始したいとか、早送りを行いたいなどの希望を満たすためには、記録したデータを管理するためのデータが必要となる。しかしながら、再生するデータ自身には、スクランブルが掛かっているため、再生するデータ自身から、その管理データを作成することは困難である。
【0039】
そのため、TSストリームパケット内のコントロールデータであるパケットヘッダ内のデータや、TSストリームのPSI(Program Specific Information)データであるPATパケット、或いは、PMTパケットのデータを利用して、管理データを作成することが好ましい。
【0040】
ここで注意すべきは、衛星放送の種類などにより、これらパケットヘッダの内容のなかで、サポートされていない情報がある場合があり、さらに、PATおよびPMTさえも使用していない場合があることである。そのため、前記のような方法でいきなり管理データを作成しようとすると、衛星放送毎に、管理データが作れずに、記録できない場合がある。
【0041】
そこで、録画時に、管理情報内に衛星放送の使用するパケットヘッダの情報、PAT或いはPMTがあるかどうかを示す情報を保存し、サポートされている情報に従って管理データを作成し、再生時には、そのサポート情報によりサービス内容を変更し、可能なサービスのみを提供するようにすることが好ましい。
【0042】
まず、サポート情報を検出する方法としては、次の2通りの方法がある。
【0043】
第1の方法には、サポート情報をSTB部より受け取る方法である。STB部は、受信する衛星放送毎に異なり、専用機となっている。そのため、サポートに関する情報を前もって(STBの出荷時に)把握しているはずである。そこで、録画開始時に、STB部からそのサポート情報を取り込む。
【0044】
第2の方法は、録画中に、STB部より、TSストリームストリームデータを受け取った際に、使用する各データをチェックし、アクティブである場合に、その情報がサポートされていると判定し、サポート情報を蓄積すると共に、そのサポートされた情報を基に管理データを作成し、記録終了時に、蓄積したサポート情報を管理データとして光ディスクの管理領域に記録することである。
【0045】
次に、管理データにサポート情報が含まれるフォーマットについて説明する。第1の実例は、既にフォーマットの規格が統一化されたDVD―ビデオのフォーマットに準拠するデータを管理する管理データについて始めに説明する。
【0046】
現DVD−ビデオでは、衛星放送などを想定してフォーマットされていない。従って、衛星放送を録画してその後、録画データを特殊再生する場合には、現状では、対応できないものである。従って、現DVD−ビデオに準拠して録再の規格を提唱する場合には、次のようなフォーマットが最適なものとなる。
【0047】
現DVD−ビデオでは、再生対象としてのビデオオブジェクトセット30(VOBS)は、図2(a)〜(d)に示すような構造を有している。
【0048】
すなわち、図2(a)に示されるVOBS30は、図2(b)に示すように1または、多数のビデオオブジェクト(VOB)31の集合に定められ、VOB31は、また、図2(c)に示すように1または、多数のセル(Cell)32の集合に定められている。さらに、このセル32は、図2(d)に示すように1または、多数のビデオオブジェクトユニット(VOBU)33の集合に定められている。そして、VOBU33が図2(e)に示すように1または、多数のTSパック34で構成される。
【0049】
なお、ストリーマでは、上記VOBに対応するものとしてストリーマオブジェクト(SOB)が定義され、上記VOBUに対応するものとしてストリーマオブジェクトユニット(SOBU)が定義されている。
【0050】
以下の説明において、VOBあるいはVOBUに関する説明は、適宜SOBあるいはSOBUに置き換えて解釈できる。
【0051】
ここで、VOBU33の構造に関しては、2種類のフォーマット方式を提唱することができる。
【0052】
第1の方式では、1VOBU33が、トランスポートストリーム(TSストリーム)を記録した1または複数のTSパック34で構成される。図3(a)に示す1TSパック34は、図3(b)に示すようにパックヘッダ35、パケットヘッダ36、サブストリームID37およびトランスポートパケット(TSパケット)38で構成されている。1TSパック34は、そのサイズが2048バイトに定められ、2048バイトに満たない場合には、パディングパケット39が挿入されてそのサイズが調整される。
【0053】
TSパック38は、10個のTSパケットで構成され、パケットヘッダ36は、MPEG2におけるプライベートストリームである旨を示す0xbdが記述されるストリームIDを含み、また、パケット内のデータがトランスポートストリームである旨を特定するサブストリームIDには、0xf0が記述される。
【0054】
なお、各TSパケットの先頭には、図3(b)に示すように、タイムスタンプ(ATS)を配置することができる。
【0055】
また、第2の方式では、図3(c)に示すように図3(b)のパケット構造においてサブストリームID37の後に2バイトのパケットアクセスポインタ40が設けられる構造を有している。そのパケットアクセスポインタ40は、パック34内にある最初のパケット38の先頭アドレスを示している。
【0056】
例えば、図3(c)においては、パック34内の最初のパケット38は、パケットアクセスポインタ40の直後にあるため相対アドレスで示せばアドレスは0となる。この図3(c)に示すパック34では、最終パケット39は、他のパケット38が188バイトであるに対して142バイトしかないためその残余の46バイトが図3(d)に示す次のパック34に格納される。
【0057】
図3(d)に示す次のパック34では、パケットアクセスポインタ40の直後には、残余の46バイトがあるためにその残余の46バイトに続いて最終パケット39が位置されることとなる。従って、最終パケット39のアドレスを示す0x2eが次のパック34のパケットアクセスポインタ40に記述される。
【0058】
このパケットアクセスポインタ40により、第一の方式では、パディングで未使用であった部分も、パケットデータの格納領域として利用できるようになる。このとき、パケットアクセスポインタが0xffffの場合には、1パック内にパケットの先頭が存在しない場合を意味している。
【0059】
ただし、この場合、VOBU33の先頭のパックは、図3(c)に示す例のように必ずパケットの先頭がパケットアクセスポインタ40後尾にアラインされるものとする。これにより、VOBU単位でパケットを管理でき、しかも、パケットのサイズが1パックに入りきらない場合に対応できることとなる。
【0060】
なお、図3(c)および図3(d)に示されるトランスポートストリームパケット(TSパケット)の一部は、以下の場合に該当する。
【0061】
すなわち、TSパケットの記録において、1パケットが2セクタに跨って記録される場合に、第1のセクタに記録されるものおよび第1のセクタに記録されるものそれぞれが、TSパケットの一部に該当する。
【0062】
このようにすると、1パケットが2セクタに跨って記録される場合にパディングデータを挿入する必要がないので、その分高密度記録できる。
【0063】
その際、パケットヘッダに、「各セクタの最初に来るTS開始位置が基準位置から何バイト目か」の位置情報を記録しておくことができる。ここで、基準位置としては、たとえばパケットヘッダの位置、あるいはTSパケットの先頭位置、またはTSパケットの終了位置、若しくは連続するTSパケットの隣接境界位置を用いることができる。
【0064】
基準位置としてTSパケットの先頭位置を用いる場合は、図3(c)のパケットアクセスポインタ=0を、上記位置情報として用いることができる。
【0065】
また、基準位置としてTSパケットの終了位置(または隣接境界位置)を用いる場合は、図3(d)のパケットアクセスポインタ=0x2eを、上記位置情報として用いることができる。
【0066】
既に説明した第2の方式の例を図4を参照してより詳細に説明する。図4は、VOBU(またはSOBU)の構造並びにTSパケットの構造の詳細を示している。図4(a)に示すVOBU(SOBU)33は、整数個のTSパック34から構成され、VOBU(SOBU)33内の先頭のTSパック34は、図4(c)に示す構造を有している。
【0067】
すなわち、常にTSパック34内のパケットアクセスポインタ40の次には、TSパケット38の先頭部分がアラインされ、パケットアクセスポインタ40の相対アドレスは、ゼロとなる。従って、VOBU(SOBU)33をアクセスしてそのパケットと取り出せば常にその先頭がTSパケット38の先頭に一致し、TSパケット38を切り離して即座に転送可能となる。このVOBU(SOBU)33内の先頭のTSパック34に続いてTSパケット34が配置されるが、2048バイトの1パックに格納されないTSパケット38の残余の部分は、図4(c)に示すように次のTSパック34のパケット38に収納される。
【0068】
このように次々にVOBU(SOBU)33内には、TSパック34が配置される。が、そのVOBU(SOBU)33内の最後のTSパック34は、図5(c)に示すように、他のTSパック34と異なり、そのパック内の最後の部分に1TSパケット38が入りきらないことがある。
【0069】
このような場合には、その最後の部分に、パッディングパケット39を適宜挿入することができる。このパッディングパケットを挿入することによって、次のVOBU(SOBU)33内の先頭TSパック34は、TSパケット38の先頭から始まるパケットのデータ部を有することとなる。
【0070】
なお、上記パディングなしで対処する方法(TSパケットの記録において、1パケットが2セクタに跨って記録される場合)もあり、それについては前述した。
【0071】
図3並びに図4に示した例では、パケットアクセスポインタ40でそのパック34内の最初のTSパケット38のアドレスが指定され、このパケットアクセスポインタ40でそのパック34が指定された際にそのパック34内で最初に取り出されるTSパケット38を特定することができる。
【0072】
このパケットアクセスポインタ40に代えて図5に示す続きパケットフラグで次のTSパック34の構造を特定するようにしても良い。
【0073】
すなわち、図5(a)に示すようにTSパック34内には、パケットヘッダ36に続いてTSパケットである旨を特定するサブストリームID36が設けられ、このサブストリームIDに続いて続きパケットフラグ41が設けられている。この続きパケットフラグ41は、これが含まれるTSパック34に続くTSパック34には、TSパケット39の一部が収納されている否かを示している。
【0074】
すなわち、続きパケットフラグ41が1であれば、そのTSパック34の最後には、TSパケット39の一部が収納され、そのTSパケット39の残余が次のTSパック34の続きパケットフラグ41に続いて配置されている。
【0075】
TSパック34内の最後にTSパック39がアラインされて配置され、残余が次のパック39に格納されない場合には、続きパケットフラグ41は、ゼロとなる。このことは、続きパケットフラグ41がゼロであるTSパケット39を獲得すれば、続きパケットフラグ41に続くTSパケット39を再生すればスムーズな再生処理が可能となる。
【0076】
次に、上述のようなデータ構造における管理データの構造について説明する。
【0077】
管理データは、光ディスクの内周側のリードイン領域に続く管理領域に記録され、この管理領域は、図6(a)に示すようにビデオタイトルセット情報(VTSI)あるいはストリーマ制御情報(STR_VMGI)のテーブルを含む。このSTR_VMGIは、ストリーマの管理情報(STRI)に含まれている。このSTRIはVTSIに対応した機能を持っている。
【0078】
このVTSI(STR_VMGI)は、図6(a)に示すように、VTSI(STR_VMGI)に関する管理情報が記述されたVTSIの管理テーブル(VTSI_MAT);VTS(ビデオタイトルセット)あるいはストリーム内のプレイリストをサーチするためのサーチポインタが記述されたVTSタイトルサーチポインタテーブル(VTS_TT_SRPT)あるいはプレイリストサーチポインタテーブル(PL_SRPT);セルの再生順序が規定されているプログラムチェーンを定めるVTSプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)あるいはユーザが定義したプログラムチェーン情報のテーブル(UD_PGCIT);VTSメニューのためのプログラムチェーン情報ユニットテーブル(VTSM_PGCI_UT);VTSタイムマップテーブル(VTS_TMAPT);VTSメニューのためのセルアドレステーブル(VTSM_C_ADT);VTSメニューのためのVOBUアドレスマップテーブル(VTSM_VOBU_ADMAP);VTSのセルアドレステーブル(VTS_C_ADT)およびVTSのVOBUアドレスマップテーブル(VTS_VOBU_ADMAP)から構成されている。
【0079】
なお、上記UD_PGCIT内のユーザ定義PGC情報(UD_PGCI)は、ユーザにより定義されたプログラムパーツのシーケンスを定義している。また、上記プレイリストは、プログラムパーツの再生シーケンスをユーザが自由に定めたものである。
【0080】
VTS_PGCIT(UD_PGCIT)は、図6(b)に示すように、VTS_PGCITの情報(VTS_PGCITI)(またはUD_PGCITI)、再生順序に配置された各プログラムチェーンをサーチするためのVTSプログラムチェーンサーチポインタ(VTS_PGC_SRP#n)(またはUD_PGC_SRP#n)およびこのサーチポインタで指定される各VTSプログラムチェーンの情報(VTS_PGCI#n)(またはUD_PGCI#n)から構成されている。
【0081】
VTS_PGCI#n(またはUD_PGCI#n)は、図6(c)に示すようにプログラムチェーン(PGC)の一般情報(PGC_GI)あるいはストリームセル一般情報(SC_GI);PGCプログラムマップ(PGC_PGMAP)あるいはプログラム情報(PGI#m);セルの再生に関する情報が記述されたセル再生情報テーブル(C_PBIT)あるいはストリームセル情報(SCI#n);セルの位置情報、すなわち、アドレス情報が記述されたセル位置情報テーブル(C_POSIT)あるいはストリームセル情報サーチポインタ(SCI_SRP#n)から構成されている。C_PBIT(SCI#n)は、図6(d)に示すように、セルの再生順に配置された多数のセルの再生情報(C_PBI#j)あるいはストリームセルのエントリポイント情報(SC_EPI#n)から構成されている。
【0082】
PGC一般情報(PGC_GI)は、図7(a)に示すように構成できる。すなわち、プログラム数およびセル数等のPGCの内容(PGC_CNT)が記述され;1PGCの記録時間を記述したPGC記録時間(PGC_TRS_TM: PGC Transport Time)が記述され;サポート情報(Support Information)が記述され;PGCプログラムマップ(PGC_PGMAP)の先頭アドレス(PGC_PGMAP_SA)が記述され;セル再生情報テーブル(C_PBIT)の先頭アドレス(C_PBIT_SA)が記述され;セル位置情報テーブル(C_POSIT)の先頭アドレス(C_POSIT_SA)が記述され;そして、消去禁止フラッグ(ARCHIVE Flag)が記述されている。
【0083】
SC_GIの場合は、ARCHIVE Flagの代わりに、セルタイプ(C_TY=010b)および一時消去(TE)フラグが記述され、さらに以下のものが記述される:
*SCIに含まれるエントリポイント情報の数を記述したSC_EPI_Ns;
*セルが参照するSOBの数を記述したSOB_N;
*DVDストリーム記録PAT記述フォーマットによりセルの開始アプリケーションパケット到着時間(開始APAT)を記述したSC_S_APAT;
*DVDストリーム記録PAT記述フォーマットによりセルの終了アプリケーションパケット到着時間(終了APAT)を記述したSC_E_APAT(この終了APATは該当セルに属する最後のアプリケーションパケットのAPATである);
*少なくとも1つのSOBU境界(該当セルタイプC_TYのTEフィールドが「10b」)を含む「仮消去」状態のセルに対して、最初のSOBU(その始まりが仮消去状態セルに含まれるもの)の最初のアプリケーションパケットのAPATを記述したERA_S_APAT;
*少なくとも1つのSOBU境界(該当セルタイプC_TYのTEフィールドが「10b」)を含む「仮消去」状態のセルに対して、該当SOBU(仮消去状態セルのすぐ後に続くアプリケーションパケットを含むもの)の最初のアプリケーションパケットのAPATを記述したERA_E_APAT。
【0084】
記録時の信号の流れは、STB部で受け取ったTSパケットデータは、フォーマッタ部で、パック化されて記録される。このとき、各情報の有無を検知し、ワークRAMに保存し、記録終了時に、管理情報として記録する。
【0085】
サポート情報(Support Information)には、図7(b)に示すように、ビットb0にランダムアクセスを許可するか否かを示すランダムアクセスインジケータサポートフラグが記録され、ビットb1にはユニット単位でスタートを許可するか否かを示すユニットスタートインジケータサポートが記録される。また、ビットb2にはPAT(Program Association Table)およびPMT(Program Map Table)がサポートされているか否を示すPAT・PMTサポートが記録され、ビットb3には再生クロックリファレンスPCRがサポートされているか否を示すPCRサポートが記録され、ビットb4にはスプライスカウントダウンSCDがサポートされているか否を示すSCDサポートが記録され、ビットb5からb7には、記録したST部の識別コードが記録されている。
【0086】
識別コードには、例えば、BSデジタル放送のSTB(001)、ディレクトTVのVer2のSTB(010)およびスカイパーフェクトTVのVer1のSTB(011)がある。
【0087】
また、再生時は、ディスクから読み出したパックデータを分離部で解析し、TSパケットが入っているパックの場合には、TSパケット転送部へ送る。TSパケット転送部は、STB部からのリクエストに従って、STB部へTSパケットのみを転送する。
【0088】
図8に示されるように各セル再生情報(C_PBI)(またはストリームセル情報SCI)にさらにサポート情報が記述されることが好ましい。
【0089】
すなわち、図8に示すように、相対バイト位置(Relative Byte Position RPB)による表現でセル再生情報(C_PBI)の0バイト目トには、セルタイプ等のセルカテゴリ(C_CAT)(またはセルタイプC_TY)が記録され;RBPで1から4バイト目には当該セルの先頭記録時のSTCの値或いはPCRが記述されるセル到着時間(C_ARL_TM: Cell Arrival Time)が記録され;RBPで5から8バイト目にはセル内の最初のVOBUの先頭アドレス(C_FVOBU_SA)が記述され;RBPで9から12バイト目にはセル内の最後のVOBUの先頭アドレス(C_LVOBU_SA)が記述され;RBPで13から16バイト目にはセル内の最後のVOBUの終了アドレス(C_LVOBU_EA)が記述されている。
【0090】
また、RBPで17から18バイト目にはトランスポートストリームパケット(TSパケット)の長さを示すTSパケット長(TS Packet Length)が記述されている。
【0091】
また、このセル再生情報(またはSCI)には、RBPで19から22バイト目にサポート情報としてIピクチャの数(REFPIC_Ns)(またはアクセスユニット数AU_Ns)が記録されている。
【0092】
さらに、このセル再生情報(またはSCI)には、RBPで23バイト目以降に、Iピクチャの先頭アドレス(REFPIC_SA#1〜#n)(またはアクセスユニット開始マップAUSM)およびIピクチャの最後のアドレス(REFPIC_EA#1〜#n)(またはアクセスユニット終了マップAUEM)が次々と記録されている。
【0093】
上記REFPIC_SA#(Iピクチャ開始位置)は後述するAUSM(Access Unit Start Map)に対応している。このAUSMは、ストリーマオブジェクト(SOB)のデータユニット(SOBU)のどれがアクセスユニット(AU)を含んでいるかを示している。
【0094】
また、上記REFPIC_EA#(Iピクチャ終了位置)は後述するAUEM(Access Unit End Map)に対応している。このAUEMは、AUSMと同じ長さのビットアレイである。このAUEM内のbitsは、どのSOBUが該当SOBのアクセスユニットに伴うビットストリームセグメントの末尾を含むのかを示している。
【0095】
なお、上記SOBおよびSOBUはストリーマにおいて用いられる名称であり、DVDビデオ(DVD_RTR)で用いられるVOBおよびVOBUという名称に対応する立場にある。
【0096】
ストリーマは送られてくるビットストリームをそのまま記録するもので、その内容には関知しない(つまりストリーマは記録内容を知らない)。
【0097】
ストリーマで記録されるビットストリームがMPEG2のトランスポートストリームの場合、Iピクチャ位置からデコードが開始される。この場合、あるIピクチャと次のIピクチャとの間の位置にタイムサーチされると(つまりタイムスタンプのみでアクセスすると)、その位置にはIピクチャがないので、その後のIピクチャが検出されるまでデコード開始が遅れてしまう(つまり、出画タイミングが遅れる)。
【0098】
一方、ストリーマにおけるアクセス単位としてデータユニット(SOBU)を用いると、SOBU単位でIピクチャの先頭位置/終了位置が分かる(AUSMとAUEMで分かる)ので、MPEGトランスポートストリームを用いたタイムサーチにおいてIピクチャ位置がすぐに分かる。
【0099】
すなわち、SOBUをアクセス単位に用いれば、タイムサーチにおいてIピクチャ位置がすぐに分かるので、デコード開始を素早くでき、かつスムースな早送り(ファーストフォワードFF)および早戻し(ファーストリバースFR)も可能となる。
【0100】
図8では、TSパケット長が記述されているが、常に188バイトのTSパケットが次々に転送されている場合には、このTSパケット長が判らなくても問題はない。しかしながら、放送局の都合でストリーマに送られるTSパケットが188バイト以上のパケットが送られてくる可能性がある。この実施の形態では、このような特別な場合をも考慮してパケット長を設定できるようにしている。
【0101】
すなわち、ディスクからデータを読み出した後にパック内のデータパケットをこのTSパケット長で切り分けることにより、各パケットに切り分けることができるようにしている。
【0102】
なお、MPEGのトランスポートストリームにおけるTSパケットサイズ(188バイト)、DVDビデオ(DVD_RTR)のプログラムストリームおけるパケットサイズ(2048バイト)、その他のパケットサイズ(nバイト/パケット)に対応したものをストリーマの記録対象として考える場合には、アプリケーションストリームという上位概念的なビットストリームを用いる。
【0103】
次に他の例として、現在提唱されている録再ビデオフォーマットにおいてサポート情報を管理情報に記録する場合の例について説明する。
【0104】
図9は、そのフォーマットの概略を示す。符号50は記録消去再生可能なRAMビデオであり、図9(a)に示すディスクの記録領域は、図9(b)に示すように、リードイン20およびリードアウト21との間に定められている。その領域には、ボリュームおよびファイル管理情報領域22およびデータ領域23が設けられている。
【0105】
データ領域23は、図9(c)に示すように複数のDVD領域24に区分され、各DVD領域24は、図9(d)に示すように制御情報25並びに図2に示す構造を有するビデオオブジェクト31から構成されている。制御情報25は、図9(e)に示すようにVOB一般情報(VOB_GI)(またはストリームファイル一般情報SF_GI)27並びに多数のVOBU情報(VOBUI)(またはストリームオブジェクト情報SOBI)29を含むVOBU情報テーブル(またはストリームファイル情報SFI)28から構成されている。
【0106】
VOB一般情報(VOB_GI)(またはSF_GI)27には、図9(f)に示されるように、VOBU_Ns(またはSOBI_Ns)、VOBIエンドアドレス(またはSOBU_SIZ)、サポート情報、その他が記録される領域が設けられている。
【0107】
すなわち、RBPで0から3バイト目にはVOBUの数(VOBU_Ns)またはSOBIの数(SOBI_Ns)が記録され;RBPで4から7バイト目にはVOBIのエンドアドレス或いはVOBIのサイズすなわち長さが記録され;RBPで8バイト目には図7(b)に示したと同様のサポート情報が記録される。さらに、RBPで9バイト目には消去禁止フラグ(ARCHIVE Flag)を記録することができる。
【0108】
図9(e)に示されるVOBUI(またはSOBI)29には、図10に示されるサポート情報を記録できる。
【0109】
すなわち、RBPでVOBUI(SOBI)29の0から3バイト目にはVOBUのスタートアドレスが記録され;RBPで4から7バイト目にはVOBUのエンドアドレス或いはその長さが記録される。
【0110】
また、RBPで8から11バイト目には当該VOBUの先頭が記録される際のシステムタイムクロックSTC或いはプログラムクロックリファレンス(PCR:Program Clock Reference)がVOBU_RECTMとして記録され;RBPで12から13バイト目にはTSパケットの長さを示すTSパケット長(TS Packet Length)が記述されている。
【0111】
また、RBPで14から17バイト目には、Iピクチャの数(REFPIC_Ns)が記録されている。
【0112】
さらに、RBPで18バイト目以降には、次々に、Iピクチャの先頭アドレス(REFPIC_SA)および最後のアドレス(REFPIC_EA)が記録されている。
【0113】
ここで、Iピクチャが常に先頭に配置されるようにVOBUが複数のTSパケットの集合に区分される場合には、VOBUの区分する際に、Iピクチャのアドレスが用いられる。
【0114】
図10の上記REFPIC_SA#は前述したAUSM(Access Unit Start Map)に対応し、上記REFPIC_EA#は前述したAUEM(Access Unit End Map)に対応している。
【0115】
このようにVOBU内でIピクチャが常に先頭に配置される例では、Iピクチャのスタートアドレスは、記述する必要が無く、Iピクチャのエンドアドレスのみが記述されればよいこととなる。
【0116】
次に、上述したTSパケットに含まれる管理データを上述したテーブルに記録する場合の例として、次の5つの情報について説明する。
【0117】
第1の情報は、図1(c)に示されるTSパケットヘッダ内に含まれるランダムアクセス表示(ランダムアクセスインジケータ)で、これは、Iピクチャの先頭のデータが含まれるTSパケットの場合にアクティブとなる。
【0118】
このフラグにより、Iピクチャの先頭の位置が特定できる。これをフォーマットに反映する場合には、二つの方法がある。
【0119】
第1の方法は、図11(a)に示すように、VOBU(またはSOBU)33に区分する際にこの情報を使用してフォーマットする場合である。
【0120】
これにより、VOBU(SOBU)の先頭が常にIピクチャの先頭と一致するため、VOBU(SOBU)毎の再生が容易にできることになる。この場合、図11(a)に示すように常にIピクチャのデータをVOBU(SOBU)内の先頭に位置させるために、必要に応じてパディングパケットがVOBU(SOBU)内に挿入される。
【0121】
また、第2の方法として、図8および図10に示すように各Iピクチャの先頭位置を管理領域に記録することにより、後に説明するFF或いはFR等の特殊再生等に利用できる。
【0122】
実際のシステムでは、Iのスタートアドレスだけでは、STB部からのIデコード終了割り込みを利用する必要があることから、STB部へ余分なデータが流れてしまい、効率が悪い。
【0123】
そこで、さらに、第2の情報として、図1(b)に示すユニット開始表示(ユニットスタートインジケータ)をサポートする。
【0124】
すると、Iピクチャのエンドアドレスが特定できるため、さらに、無駄なデータの読み出しをしないファーストフォワードFF或いはファーストリワインドFR等の特殊再生を実現することができる。
【0125】
このユニットスタートインジケータによって各ピクチャのスタートアドレスが特定できる。Iピクチャのエンドアドレスは、図8および図9に示すように管理情報として書き込まれる。
【0126】
また、ここで、本実施の形態では、アドレス情報として、論理ブロックアドレスを使用している。これは、エラー情報などにより、実際の物理アドレスとは、スキッピングなどを行うため、一致しない。特にDVD−RAMなどの場合には、傷や指紋などの汚れによっても、エラーは発生するため、さらに違ってくる。そのため、論理ブロックアドレスはファイルシステムなどにより、物理アドレスへと変換される。
【0127】
また、アドレス情報として考えられるものとしては、論理ブロックアドレスだけでなく、例えば、転送時間で示し、その時間情報から対応表を用いて、論理ブロックアドレスに変換し、さらに、物理アドレスに変換する方法なども考えられる。つまり、アドレス情報とは、対応表などを参照して、または、計算などを介して、物理アドレスに変換でき得る情報を指す。
【0128】
第3の情報は、図1(d)、図11(c)、図13(a)〜(c)に示されるTSパケットヘッダ内に含まれるスプライスカウントダウン(SCD: Splice CountDown)で、これにより、編集可能な位置を特定できる。つまり、この単位で、論理的な最小単位(DVDでは、CELLが該当する。)を区切れば、そこからの編集に利用できる。
【0129】
そのため、図12(a)および図13(a)に示すように、SCD=0のTSパケットを先頭にしたTSパックがセルの先頭にくるように調整する。こうしてセルをアラインすることにより、図13(b)に示すようにセル単位での編集が可能となり、さらに、図13(c)に示すように編集後でも、セル間でのシームレス再生が可能となる。
【0130】
第4の情報は、図1(d)に示されるPCRを利用して、図8および図10に示すようにセルまたはVOBUの再生時間を表示する方法である。
【0131】
ここで、PCRはTSパケットの転送到着リファレンス時間を示しており、毎TSパケットについているわけではない。が、TSストリームは、リアルタイムに再生されるべきデータであるため、再生時間とほぼ同じ時間を示す可能性が高い。しかしながら、再生時間に関しては、ペイロードに含まれているために、スクランブルを解かない限り利用できないため、録再DVDストリーマでは、利用できない。
【0132】
このため、PCR情報とその時間データを取り込むSTCを利用して、再生時の表示を行う。これにより、だいたいの再生時間が表示できるようになる。ただし、PCRをサポートしていない場合には、再生を開始した時をSTC=0とし、その後カウントを開始してその時々のSTCの値を再生時間とする。
【0133】
第5の情報は、図11(b)、図12(a)〜(c)のPAT、PMTパケットで、これらのパケットには、番組を再生すべき各データのPIDが記録されている。これらは、数100ms〜数s間隔で挿入されており、番組を途中から再生する場合には、このデータにより再生が開始される。
【0134】
そのため、これを利用して、図11(b)、図12(a)〜(c)に示すように、データの区切りとして使うことができる。
【0135】
ここで、DVD―ビデオフォーマットに合わせて考えると、次の4種類の切り分けに利用できる。
【0136】
まず、第1に、図11(b)に示すように、VOBU(またはSOBU)の先頭をPATパケットの先頭と合わせることにより、VOBU(SOBU)毎の途中再生が可能となる。ただし、ここで、問題なのは、PATの後のビデオデータが必ずしもIピクチャから始まっているとは限らないため、Iピクチャを見つけるまで、若干のタイムラグ生じる可能性がある。そのため、VOBU(SOBU)に関しては、前記Iピクチャでの切り分けの方が望ましいと考えられる。
【0137】
第2に、図12(a)に示すように、セルの先頭をPATパケットの先頭と合わせることにより、セルの区切りとする。ただし、PATの出現頻度が、数100ms〜数sオーダーであるため、数PATおきにセルの区切れを設定することになる。しかしながら、この方法では、編集点を基準にしていないため、編集などを行うと、連続性を損なわれ、シームレスな再生は保証できなくなる。そのため、前記のSCDによるセルの切り分けの方が望ましい。
【0138】
第3に、図12(b)で示すように、プログラムの切り分けをPATにより、行うことが考えられる。これにより、PGジャンプ、PGSKIPなどが対応できるようになる。ただし、PATの出現頻度が、数100ms〜数sオーダーであるため、数十〜数百PATおきにプログラムの区切れを設定することになる。
【0139】
第4に、図12(c)で示すように、PGCの切り分けをPATにより、行うことが考えられる。これにより、PGCジャンプ、PGCSKIPなどが対応できるようになる。ただし、PATの出現頻度が、数100ms〜数sオーダーであるため、数百〜数千PATおきにPGCの区切れを設定することになる。
【0140】
また、STB部の識別コードは、接続されているSTB部の受信できるデジタル放送の種類を示している。これにより、再生時に、接続しているSTB部を調べ、記録時と同じSTB部を選択して再生することができる。さらに、このコードで、再生時間の表示に関する動作を代えることもできる。
【0141】
STB部が再生時間をレコーダに出力する命令をサポートしている場合には、定期的に再生時間をSTB部より取り込み、表示する。この値が再生時間としては一番、正しいことになる。
【0142】
次に、図14を参照して衛生放送に対応可能なDVD録再機のシステム構成について説明する。
【0143】
図14において、符号50は、RAMディスクであり、このRAMディスク50は、ディスクドライブ部51で駆動され、また、ディスクドライブ部51によってデータプロセッサ(D−PRO)52との間でデータが授受される。データプロセッサ52には、データを一時的に保存する一時記憶部53が接続されている。
【0144】
図14の録再機は、MPEGのビットストリームおよび/または通常ビデオ信号を、記録/再生できるように構成されている。これらのビットストリームおよびビデオ信号は、単独で、あるいは混在して記録可能となっている。
【0145】
図14のシステムのデコーダ部59は、メモリを有する分離部60を含み、この分離部60には、データプロセッサ52から再生データが転送される。
【0146】
再生データは、分離部60でビデオデータ、副映像データおよびオーディオデータ(いずれもパケットデータ)に分離され、ビデオデータは、縮小画像(サムネールピクチャ)生成部62を有するビデオデコード部61に転送され、副映像データおよびオーディオデータは、副映像デコーダ63およびオーディオデコーダ64にそれぞれ転送される。
【0147】
これらビデオデコード部61および副映像デコーダ63でデコードされたビデオデジタル信号および副映像デジタル信号は、ビデオプロセッサ(V−PRO)部65で合成されてビデオミキシング部66に供給される。ビデオミキシング部66は、ビデオデジタル信号をフレーム毎に一時的に記憶するフレームメモリ73に接続され、外部から供給されたテキストデータ等がビデオフレーム中に合成処理されてビデオデジタル信号がD/A変換器67に供給され、D/A変換されたビデオ信号がTVモニタ68に出力される。ビデオデジタル信号は、インターフェース69を介して外部に取り出すことができる。
【0148】
また、オーディオデコーダ64からのオーディオデジタル信号は、D/A変換器70に供給され、D/A変換されたオーディオ信号がスピーカ72に出力される。オーディオデジタル信号は、同様にインターフェース71を介して外部に取り出すことができる。
【0149】
なお、ビデオデコード部61の縮小画像(サムネールピクチャ)生成部62は、主MPU80からの縮小ONの命令に基づいて転送されたビデオデータの縮小画像のビデオ信号を生成し、これをビデオプロセッサ部65に供給してTVモニタ68に縮小画像を表示することができる。主MPU80には、外部から指令、例えば、再生(PLAY)、停止(STP)、記録位置に関するマークを付すマーカ等の指示をするためのキーを備えたキー入力部103および表示部104が接続されている。
【0150】
図14に示されたシステムのエンコーダ部79には、外部のAV機器81或いはTVチューナ82からAV入力が可能であり、また、STB部83からデジタル放送データが入力可能である。STB部83には、デジタル放送データを受信する衛星放送アンテナが接続されている。
【0151】
外部のAV機器81或いはTVチューナ82からのAV信号は、A/D変換器84でデジタル化され、デジタルオーディオ信号は、オーディオエンコーダ部86に供給され、デジタルビデオ信号は、セレクタ85を介してビデオエンコーダ87に供給され、MPEG圧縮される。
【0152】
文字情報等の字幕情報がTVチューナ82から出力されている場合には、この字幕情報は、副映像エンコーダ88に供給され、ランレングス圧縮される。
【0153】
エンコーダ部86、87、88でエンコードされたデータは、バッファメモリ部91が接続されているフォーマッタ部90に供給され、このフォーマッタ部90でパケットヘッダが付されたビデオパケット、オーディオパケット並びに副映像パケットに格納され、さらにパックヘッダが付されてパック構造に変換される。
【0154】
これらパックは、図2(d)に示すようにVOBU(SOBU)単位にまとめられ、さらに、多数のVOBU(SOBU)でセルに構成され、セルの集合としてのビデオオブジェクトVOB(SOB)に、また、必要であれば、ビデオオブジェクトセットが定められる。
【0155】
これらのフォーマットの過程で、TVチューナ82で発生される切り分け情報を参照して、管理情報がフォーマッタ部90で生成される。例えば、切り分け情報を参照してPGC情報が作成される。
【0156】
生成された管理情報およびパックデータは、データプロセッサ部52に送られ、データプロセッサ部52において主MPU80の管理データ作成部80Bで作成され、この管理データ作成部80Bから与えられた管理データテーブルに生成された管理情報が格納され、ディスクドライブ部51を介して光ディスク50に管理データと共にパックデータが記録される。
【0157】
STB部83からは、選択した番組、すなわちタイトルに相当するMPEG2トランスポートストリームが直接フォーマッタ部90に供給され、図1に示すようにフォーマットされると共に管理情報が生成され、データプロセッサ部52において管理情報が所定の管理データテーブル内に格納され、この管理データテーブル並びにトランスポートパケットは、同様にディスクドライブ部51を介して光ディスク50に記録される。
【0158】
STB部83は、デコーダを内臓し、TSパケット内のAVデータがデコードされてそれぞれオーディオ信号並びにビデオ信号に変換され、オーディオ信号並びにビデオ信号は、それぞれD/A変換器70、67を介してスピーカ72およびTVモニタ68に供給される。
【0159】
光ディスク50に供給されたTSパック34は、データプロセッサ部52およびディスクドライブ部51を介してデコーダ部59の分離部60に供給され、分離部60では、ストリームID並びにサブストリームIDを参照してその内のパケットデータがTSパケットデータである旨を検知し、そのTSパケットをTSパケット転送部100に分配することとなる。
【0160】
TSパケット転送部100は、TSパケット38をSTB部83に所定の転送タイミングを供給することとなる。このTSパケット内のデータは、STB部83でデコードされ、デコードされたオーディオ信号並びにビデオ信号は、それぞれD/A変換器70、67を介してスピーカ72およびTVモニタ68に供給される。
【0161】
なお、上述した記録再生動作は、デコーダ部59並びにエンコーダ部79は、システムタイムクロック102の管理下でデータの転送等が実行される。
【0162】
次に、録画処理および再生処理について図15から図23を参照して説明する。
【0163】
始めに録画時のデータ処理について図15、図16および図17に示すフローチャートを参照して説明する。
【0164】
まず、ステップS10でMPU部80がキー入力部103から録画命令受けると、録画処理が開始される。
【0165】
ステップS11でドライブ部51によって光ディスク50から管理データが読み込まれ、ステップS12で示すように空き容量があるかがチェックされる。空き容量がない場合には、ステップS13に示すように空き容量がない旨の表示が表示部103に表示され、ステップS14に示すように処理が終了する。
【0166】
空き容量がある場合には、ステップS15に示すように空き容量に相当する領域中に書き込み領域を決定する。すなわち、書き込みアドレスが決定される。次に、決定された領域に録画データを書き込むために管理領域にそのアドレスを書き込み、ビデオデータの書き込みスタートアドレスをドライブ部51に設定し、データを記録する準備を行う。次に、ステップS16に示すようにSTB部83からEPG(Electronic Program Guide)を読み出す命令を出す。
【0167】
MPU部80からの要求に応じてSTB部83は、そのときの最新のEPGを用意する。すなわち、STB部83は、最新のEPGを受信し、ワークメモリに保存する。受信した、或いは、STB部83内のワークメモリに保存してあるEPGデータは、MPU部80に返信される。
【0168】
MPU部80は、ステップS17に示すようにそのEPGデータを表示してユーザに記録する番組を選ばせることとなる。その後、記録する番組が決定されると、ステップS18に示すようにMPU部80は、STB部83に対してサポート情報を出力する命令を出し、STB部83からサポート情報がMPU部80に取り込まれる。また、この時にサポート情報とともにSTB識別コードもSTB部83からMPU部80に取り込まれる。サポート情報は、MPU部80内のサポート管理情報検出部80Cで検出される。
【0169】
このとき、サポート情報がSTB部83内に無い場合には、録画中に、該当の情報があるかどうかがチェックされて、該当情報がその代用となる。MPU部80は、STB部83へ録画する目的の番組を指定し、受信を開始させる。
【0170】
MPU部80は、ステップS19に示すように光ディスク50の管理領域に管理情報を書き込む指示をする。すなわち、VMGIにVTSを登録し、ビデオタイトルセットのための管理データテーブルとしてのVTSIが作成されてこれにサポート情報が書き込まれる。あるいは、ステップS19において、図6のSTR_VMGIが作成される。
【0171】
なお、DVD_RTR(アナログビデオを内部でMPEGデータに変換してリアルタイムレコーディングを行なうシステム)では、上記VMGIおよびVTSIの役割は、RTRビデオマネージャ情報(RTR_VMGI)に統合されている。よって、DVD_RTRレコーダをストリーマとして利用するときは、VMGIおよびVTSI(またはSTR_VMGI)を、適宜RTR_VMGIに読み変えればよい。
【0172】
MPU部80は、ステップS20に示すように録画のための初期設定としてSTC部102の時間をリセットする。ここで、STC部102はシステムのタイマーでこの値を基準に録画並びに再生が実行される。また、ファイルシステムにVMGおよびVTSファイルのデータを書き込み、VMGIおよびVTSIに必要な情報を書き込む。
【0173】
このとき、サポート情報が判明している場合には、その判明しているサポート情報が書き込まれる。さらに、各部へ録画設定を行う。このとき、フォーマッタ部に図11から図13を参照して説明したような各データの区切りを設定し、また、TSパケットを受け取る設定がなされる。
【0174】
録画を開始する際には、図16のステップS21に示すように録画開始の設定が各部になされる。具体的には、フォーマッタ部90に録画開始の命令が与えられ、フォーマッタ部90で録画開始されて録画データのフォーマット作業が開始される。
【0175】
録画が開始されると、フォーマッタ部のバッファRAMが一杯になる前に定期的にMPU部80は、ステップS22に示すように切り分け情報、すなわち、図11から図13を参照して説明したデータの区分け情報の更新の入力があるかをチェックし、ある場合には、ステップS23に示すようその切り分け情報がMPU部90のワークRAM90Aに保存される。
【0176】
切り分け情報の保存後、或いは、切り分け情報の更新がない場合には、ステップS24ー1において録画終了のキー入力があったかがチェックされる。録画終了のキー入力がある場合には、ステップS28の録画終了の処理が実行される。録画終了のキー入力がない場合には、ステップS24ー2に示すように光ディスク50中の空き領域の容量がチェックされ、残り容量が算出される。
【0177】
この残り容量が所定の値以下になったかがステップS25においてチェックされる。所定値に以下となっていない場合には、再びステップS24に戻され、定期的に残り容量がチェックされる。残り容量が所定値以下になった場合には、ステップS26において残り残り容量が少ない処理がなされる。
【0178】
その後、ステップS27において録画可能容量がないかがチェックされる。録画可能容量が十分であれば、再びステップS22に戻され、ステップS22からS26が繰り返される。
【0179】
録画可能容量がない場合には、ステップS28に示す録画終了処理が実行される。この録画終了処理においては、フォーマッタ部90から残ったデータに対する切り分け情報が取り込まれ、その情報がワークRAM80Aに追加され、それらのデータが管理データ(VMGI、VTSI;またはRTR_VMGI;もしくはSTR_VMGI)に記録されるとともにファイルシステムに記録したデータに対する情報が記録される。その後、ステップS29に示すように録画動作が終了される。
【0180】
図14に示したシステムにおける録画動作におけるビデオ信号の流れについて詳述すれば、次のようになる。
【0181】
まず、STB部83から入力されたTSパケットがフォーマッタ部に入力される。ここで、STCの値から、転送開始からの時間を読み込み、その時間を管理情報として、バッファRAM91に保存される。この情報は、切り分け情報と共に、MPU部80に送られ、管理情報に記録される。また、切り分け情報としてVOBU(またはSOBU)の切り分け情報、セルの切り分け情報、プログラムの切り分け情報、PGCの切り分け情報が作成され、定期的に、MPU部80に送られる。
【0182】
ここで、VOBU(SOBU)の切り分け情報としては、VOBU(SOBU)の先頭アドレス、VOBU(SOBU)の再生時間、Iピクチャのスタートアドレスおよびエンドアドレスがある。Iピクチャのスタートアドレスには、TSパケット内のランダムアクセスインジケータがアクティブになっているTSパケットが記録されているパックのアドレスが設定される。
【0183】
Iピクチャのエンドアドレスには、ランダムアクセスインジケータがアクティブになった後に、TSパケット内のユニットスタートインジケータがアクティブになっているTSパケットの直前のビデオデータが格納されるTSパケットがIピクチャのエンドパケットであるのでこのTSパケットが記録されているパックのアドレスが設定される。
【0184】
また、VOBU(SOBU)の再生時間には、VOBU(SOBU)の転送開始から転送終了までの時間で代用される。
【0185】
フォーマッタ部90は、バッファメモリ部91にTSパケットデータを一時保存し、その後、入力されたTSパケットデータをパック化して、図2(e)に示すようなパック列になるようにフォーマットして、D−PRO部52に入力する。
【0186】
D−PRO部52は、16パック毎にまとめてECCグループとして、エラー訂正データを付加してドライブ部51へ送る。ただし、ドライブ部51がディスクへの記録準備ができていない場合には、一時記憶部53に転送し、データを記録する準備ができるまで待ち、用意ができた段階で記録を開始する。ここで、一時記憶部53は、高速アクセスで数分以上の記録データを保持するため、大容量メモリが想定される。
【0187】
ただし、マイコンは、ファイルの管理領域などを読み書きするために、D−PRO部52へマイコンバスを通して、読み書きすることができる。
【0188】
ここで、録画終了時に、消去禁止フラグ(プロテクトフラグあるいはアーカイブフラグ)をクリアし、消去許可とする。つまり、記録初期時には、消去を可能としている。
【0189】
次に、再生時のデータ処理について図17および図18を参照して説明する。
【0190】
MPU部80が再生命令を受けると、ステップS30に示すように再生処理が開始される。ステップS31に示すようにディスク50がディスクドライブ部51で検索されてディスク50のチェックが実行される。
【0191】
ディスク50のチェックにおいて、ディスク50に欠陥等がある場合には、ステップS32でエラー処理が施されてステップS33に示すように再生が終了される。
【0192】
ディスク50に問題がなければ、ステップS34に示すように接続されているSTB部83がチェックされ、その識別コードが取り込まれる。その後、ステップS35に示すようにディスク50の管理領域がディスクドライブ部51で検索されてD−PRO部52を介してその管理情報(VMGI、またはSTR_VMGIを含むSTRI)が読み込まれ、ステップS36に示すように再生するタイトルセット(または1以上のPGC)を選択することが可能となる。
【0193】
ステップS36で再生するタイトルセット(PGC)がユーザによって決定されてそのアドレスが決定されると、MPU部80は、次にドライブ部51に決定されアドレスのリード命令を送ることとなる。従って、ステップS37に示すように決定されたタイトルセット(PGC)のVTSI(またはSTR_VMGI)が読み込まれ、その内のPGCI(またはプレイリストサーチポインタ)がワークRAM80Aに保存される。
【0194】
ここで、ステップS38に示すように選択されたタイトルセット中から接続されているSTB部83に対応するタイトル、或いは、PGC(プログラムPGでも良い。)の全てが表示される。この表示に基づいて、ユーザは、ステップS39に示すように再生するタイトル、或いは、PGC(または、プログラム)を選択し、決定することとなる。
【0195】
その後、ステップS40に示すように図7または図9に示される管理情報内のサポート情報が読み出され、サポート情報に基づく各部のセットが実行される。すなわち、ステップS41に示すようにランダムアクセスインジケータがサポートされているかが確認され、サポートされていれば、ステップS42に示すようにIピクチャに基づくFFおよびFRの特殊再生を許可する旨のフラグがセットされる。
【0196】
ランダムアクセスインジケータがサポートされていない場合には、ステップS43に示すようにPATがサポートされているかが確認される。PATがサポートされていれば、ステップS44に示すようにPATに基づくFFおよびFRの特殊再生を許可する旨のフラグがセットされる。PATもサポートされていない場合には、ステップS45に示すようにFFおよびFRの特殊再生を禁止する旨のフラグがセットされる。
【0197】
サポート情報に基づくセットが終了すると、ステップS46に示すように再生を開始するプログラム番号およびセル番号が決定される。MPU部80は、STB部83に対して内部バスを介してTSパケットを再生する命令を送ることとなる。また、MPU部80は、分離部60に対してTSパケットをSTB部83に送る初期設定を実行するとともにVミキシング部66に対してSTB部83から送られるビデオ信号を表示処理可能に設定する(図18のステップS47)。
【0198】
ドライブ部51は、MPU部80から送られた命令に従って、すなわち、決定されたプログラム番号およびセル番号に従って、ディスク50からセクタデータが読み出される。そして、D−PRO部52において読み出されたデータのエラーが訂正され、パックデータとしてデコーダ部59に出力される。
【0199】
デコーダ部59においては、分離部60は、そのストリームID並びにサブストリームIDからTSパケットである旨を判断してTSパケットをTSパケット転送部100に送り、TSパケットは、STB部83に転送される(ステップS47)。
【0200】
ここで、STB部83は、送られたTSパケットをデコードすることになる。通常放送受信の場合には、送られたデータをそのまま書き込んでいたが、内部バスによるデータの受け渡し時には、REC信号、ACK信号を用いて、次のようにする。すなわち、STB部83が消費するバッファが空いた際にREC信号をアクティブにする。そして、分離部60でデータの転送の用意ができたら、バスにデータを流す毎にACK信号をアクティブにする。こうすることで、STB部83よりデータ転送の要求があった際に、データを転送するようにしている。
【0201】
送られたTSパケットデータは、STB部83で再生され、ビデオデータは、Vミキシング部66を経由してTV信号に変換され、TVモニタ68に表示される。オーディオ信号もD/A部90に送られ、音声に変換され、スピーカ72から再生される。
【0202】
再生中、定期的にPCRのデータがSTCにセットされ、STCの内容が再生時間として表示される。また、STB部83から再生時間を転送することができる場合には、定期的に再生時間データが転送され、表示される。ただし、STB部83で、ビデオデータ内のPTSを基に再生時間を表示できる場合には、その再生時間が表示に使用される。
【0203】
再生時には、図18のステップS48に示すようにセルを単位として処理される。MPU部80は、セル再生処理後エラー等が原因でドライブ部51が停止していないかどうかを、常にチェックしている(ステップS49)。ドライブが停止されている場合には、ステップS50に示すようにその再生動作が終了される。
【0204】
ドライブ部51が動作している間は、常に最終セルか否かがチェックされ(ステップS51)、最終セルでない場合には、セル番号がステップS52に示すようにカウントアップされてステップS48に示すセル再生処理に戻される。
【0205】
ステップS51において最終セルに達すると、再生終了かがステップS53においてチェックされ、再生終了でない場合には、再度ステップS48に戻され、他のプログラム(または他のプレイリスト)或いはPGCのセルの再生が開始される。
【0206】
ステップS53において、再生終了である場合には、再生終了に伴う処理がステップS54で実行され、その後、ステップS55に示すように再生動作を終了する。
【0207】
次に、図18に示したセル再生時の処理の詳細について図19を参照して説明する。
【0208】
始めに、図18のステップS48に相当するセル再生時の処理が図19のステップS60に示すように開始されると、ステップS61に示すようにセルの再生処理開始の要求があるかがチェックされる。セル再生処理の要求がない場合には、ステップS62でVOBU(またはSOBU)が連続しているか否かがチェックされる。
【0209】
VOBU(SOBU)が連続している場合には、ステップS65に示すようにFFキーが入力されたかがチェックされる。
【0210】
VOBU(SOBU)が連続していない場合には、ステップS63に示すようにPGCI(または図10のSOBI)が参照されて再生開始アドレス(論理ブロック番号LBN)が決定される。そして、ステップS64に示すように、このアドレスでドライブ部51にデータ読み出しの命令が出され、ドライブ部51が検索を開始することとなる。
【0211】
その後、再生開始アドレスからセルの再生が開始され、再生中において同様にステップS65に示すようにFF再生キーが入力されたかがチェックされる。
【0212】
ステップS65においてFF再生キーが入力されている場合には、ステップS66においてFF再生が許可されているかが確認される。FF再生が許可されていない場合には、ステップS67に示すように「放送局の都合によりFF再生ができません。」の表示がなされ、ステップS71に移行される。ここで、FF動作の禁止として画面に「放送局の都合によりFFできません」との表示が出される場合とは、サポート情報にIピクチャの特定もまたPATのサポートもない場合が該当する。
【0213】
FF再生が許可されている場合には、ステップS68に示すようにFFの処理が実行される。FF処理の実行中にエラー等が原因でドライブ51が停止したか否かがチェックされ(ステップS69)、ドライブ51が停止された場合には、ステップS70に示すようにFF処理並びに再生処理が終了される。
【0214】
ステップS65においてFF再生キーが入力されていない場合には、また、ステップS67においてFF不可の表示がなされた場合には、あるいはステップS69においてドライブ51が停止していない場合は、ステップS71に示すようにSTB部83が再生時間を出力するタイプであるかがチェックされる。
【0215】
STB部83が再生時間を出力するのであれば、ステップS72に示すようにSTB部83から出力される再生時間が表示される。STB部83が再生時間を出力しない場合には、ステップS73に示すようにサポート情報を参照して転送されてくるTSパケットの管理データ中に時刻情報が記述されたPCRがあるかが確認される。
【0216】
PCR対応であれば、ステップS75に示すようにそのTSパケットの管理データ内のPCRの値が表示されてステップS76に移行される。PCR対応でなければ、STC部102の時刻が表示(ステップS74)されてステップS76に移行される。
【0217】
ステップS76においては、セルが最後に相当するかが確認され、最後のセルでない場合には、再びステップS65に戻されて再びステップS65からステップS75が実行される。
【0218】
セルが最後に相当する場合には、ステップS77に示すようにそのセル内のVOBU(またはSOBU)の再生が終了するのを待つこととなり、その後、VOBU(SOBU)の再生が終了すると、ステップS78に示すように、既に説明した図18のステップS54に移行される。
【0219】
さらに、特殊再生を図20から図23を参照して説明する。この特殊再生の実例では、FF再生に関して説明するが、FR再生に関しても同様であるので、その説明は、FF再生と同様として省略する。
【0220】
ステップS68に示すFF再生処理は、図20および図21に示すフローが実行される。
【0221】
すなわち、FF処理がステップS80で開始されると、STB部83にIピクチャのみ再生の命令が出される(ステップS81)。ステップS82に示すようにTSパケットがランダムアクセスインジケータをサポートしているか否かがサポート情報を参照して確認され、サポートしていない場合には、ステップS84に示すようにPATによるFF処理に移行される。このPATによるFF処理については、図23を参照して後に説明する。
【0222】
TSパケットがランダムアクセスインジケータをサポートしている場合には、ステップS83に示すように転送中のVOBU(SOBU)がセル中における最後のVOBU(SOBU)に相当するかが確認される。最後のVOBU(SOBU)の場合には、ステップS86に示すように次のVOBU(SOBU)中の先頭Iピクチャアドレスを読み出してステップS87に移行される。VOBU(SOBU)が最後のVOBU(SOBU)に相当しない場合には、2つ先のIピクチャスタートアドレスを読み出して(ステップS85)、ステップS87に移行される。
【0223】
ステップS87においては、ユニットスタートインジケータがサポートされているかが調べられる。
【0224】
サポートしている場合(ステップS87イエス)には、ステップS91に示すように転送割り込みフラッグがクリアされ、次のIピクチャエンドアドレスが読み出される。そして、ステップS92に示すようにドライブ部51にIピクチャのスタートアドレスおよびエンドアドレスを指定して読み込み命令が与えられてIピクチャスタートアドレスおよびIピクチャエンドアドレスでIピクチャデータが読み出される。
【0225】
ステップS93において、ドライブ部51に、データの転送終了割り込み、すなわち、ドライブ部51からの割り込みを待ち、そのIピクチャデータの転送が終了したか否かが確認される。
【0226】
転送が終了している場合には、ステップS91に戻されて次のIピクチャを再生するために再びステップS91およびステップS92が実行される。Iピクチャデータの転送が終了していない場合には、ステップS94に示すようにストップ(STOP)キー或いはプレー(PLAY)キーが押されたかが確認される。
【0227】
これらキーが押されていない場合には、再びステップS93に戻されてIピクチャデータの転送を待つこととなる。ステップS94において、キーが押さた場合には、図21に示すステップS95に移行される。
【0228】
ステップS87において、ユニットスタートインジケータがサポートされていない場合(ステップS87ノー)には、ステップS88に示すように始めにIピクチャ再生割り込みフラグがクリアされ、ドライブ部51にIピクチャのスタートアドレス、連続読みだしを指定して読み込み命令が出される。
【0229】
その後、ステップS89に示すようにIピクチャのデコード終了割り込み、すなわち、STB部83からの割り込みを待ち、割り込みがある場合には、ステップS88に戻され、再びステップS88およびステップS89が実行される。
【0230】
割り込みがない場合には、ステップS90に示すようにストップ(STOP)キー或いはプレー(PLAY)キーが押されたかが確認される。これらキーが押されていない場合には、再びステップS89に戻されてSTB部83からの割り込みを待つこととなる。ステップS90において、キーが押さた場合には、図21に示すステップS95に移行される。
【0231】
ここで、割り込み処理(図20のステップS89)については、図22に示すように実行される。すなわち、ステップS120に示すように割り込み処理が開始されると、ステップS121において割り込みの要因がチェックされる。
【0232】
この要因がドライブ部51からの転送終了割り込み処理であれば、ステップS122に示すように転送終了割り込みフラグがセットされ、STB部83からのIピクチャ再生割り込み処理であれば、Iピクチャ再生割り込みフラグがセットされる。また、タイマー割り込み処理であり、STB部83が再生時間出力対応のタイプであれば、STB部83から再生時間が取り込まれ、ワークRAMにセットされる。これらセットの後に対応するステップが実行される。
【0233】
図21のステップS95において、入力されたキーが停止の場合には、ステップS96に示すように停止命令がセットされて、ステップS97に示すように、再生終了時の処理(図18のステップS54)がされて再生が終了される。
【0234】
ステップS95において、PLAYキーが押されている場合には、ステップS98に示すように次のVOBU(SOBU)のIピクチャスタートアドレスで読み出し命令がそれぞれドライブ部51に与えられ、ステップS99に示すようにそのアドレスでデータの読み出しが開始され、次々にデータが読み出される。その後、ステップS100に示すように処理フローが図18のステップS48に戻され、FF再生の処理が終了する。
【0235】
なお、FR再生に関しては、取り出すIピクチャの位置がFFとは逆方向になっただけであり、図20および図21のフローを援用することができる。また、TSパケットの構造がパケットアクセスポインタを備える構造においては、特殊再生時に以下のような処理がなされる。
【0236】
VOBU(SOBU)がIピクチャ毎に区分されている場合には、TSパケットがVOBU(SOBU)毎にアラインされているのでパケットアクセスポインタはなくてもよい。しかしVOBU(SOBU)がIピクチャ毎に区分されていない場合には、ランダムアクセスポインタを利用して再生を実行する場合に問題が生じる。
【0237】
すなわち、Iピクチャのスタートアドレスによってパックを読み出そうとする場合には、IピクチャがVOBU(SOBU)の先頭に位置されているとは限らないことから、パックのデータ領域のスタート位置とTSパケットの区分け(スプリット)開始位置とが一致していない恐れがある。その場合には、このパケットアクセスポインタ(たとえば図3(d)の0x2e)により、TSパケットの区分け(スプリット)開始場所が決定される。
【0238】
図20に示したステップS84におけるPAT(プログラムアソシエーションテーブル)によるFF処理は、図23に示すように処理される。
【0239】
PATによるFF処理がステップS101で開始されると、ステップS102に示すように転送されたVOBU(SOBU)がセル中の最後のVOBU(SOBU)かどうかが判断される。最後のVOBU(SOBU)の場合には、ステップS104に示すように次のセルの先頭のVOBU(SOBU)のスタートアドレスが読み出される。転送されたVOBU(SOBU)が最後のVOBU(SOBU)でない場合には、ステップS103に示すように2つ先のVOBU(SOBU)のスタートアドレスが読み出される。
【0240】
次に、ステップS105に示すようにIピクチャ再生割り込みフラグがクリアされ、ドライブ部51にVOBU(SOBU)のスタートアドレスおよびエンドアドレスを指定して読み込み命令を出し、Iピクチャのデコード終了割り込み、すなわち、STB部からの割り込みを待つこととなる。
【0241】
ステップS106において、Iピクチャ再生の割り込みがある場合には、再びステップS105に戻されることとなる。Iピクチャ再生の割り込みがなく、転送が終了した後は、ステップS107に示すようにストップ或いはプレーのキー入力があったか否かがチェックされる。キー入力がない場合には、ステップS106に戻される。
【0242】
ステップS108において、入力されたキーがストップ(STOP)か否かが確認される。ストップの場合には、ステップS109においてドライブ部51に停止命令が与えられて、ステップS110に示すように、再生終了の処理(図18のステップS54)がなされる。
【0243】
入力されたキーがプレー(PLAY)の場合には、ステップS111に示すように次のVOBU(SOBU)のIピクチャスタートアドレスで読み出し命令がそれぞれドライブ部51に与えられ、ステップS112に示すようにそのアドレスでデータの読み出しがが開始され、次々にデータが読み出される。その後ステップS113に示すように図18のステップS48に戻され、FF再生の処理が終了される。
【0244】
次に、一実施の形態に係るストリームデータについて説明をする。
【0245】
図24は、ストリームデータ(図1のMPEG2トランスポートストリームに対応)のデータ構造を説明する図である。
【0246】
ストリームデータは、ストリームデータ内の映像情報のコンテンツ毎にストリームオブジェクト(SOB)としてまとまって記録されている。図24(f)ではその内の1個のSOBについて示され、SOB#A298で表現されている。
【0247】
DVD−RAMディスクにこのストリームデータを記録する場合には2048バイト毎のセクタを最小単位として記録される。さらに16個のセクタをまとめて1個のECCブロックとし、同一ECCブロック内でインターリーブ(データ配列順序の並び替え)とエラー訂正用の訂正コードの付加が行われる。
【0248】
この実施の形態では、1個もしくは複数のECCブロック単位でストリームブロックが構成される。そして、このストリームブロック単位で、ストリーム情報の記録および/または部分消去が行なわれる。この実施の形態では、何個のECCブロックでストリームブロックが構成されるかは、転送されるストリームデータの転送レートに応じて変わる。
【0249】
デジタル放送では、1個のトランスポンダに、複数の番組がパケット化された形で時分割されて転送されてくる。例えば第2の番組を情報記憶媒体に記録する場合には、図14のSTB部83で番組2のトランスポートパケット(図3のTSパケット)のみが抽出される。その時、STB部83では、各トランスポートパケットを受信した時刻情報を、タイムスタンプ(図3のATS)の形で付加する。
【0250】
その後、IEEE1394の転送方式によって図14のフォーマッタ部90にデータを転送する場合には、上記タイムスタンプ(ATS)とトランスポートパケット(TSパケット)の組が細かく分割(segmented)されて転送される。このフォーマッタ部90では、IEEE1394で転送されてきたストリームデータが図24(a)の形に一旦戻されて、図14の情報記憶媒体50に記録される。
【0251】
すなわち、各セクタの先頭には、システムクロック情報などが記録されたパックヘッダおよびPESヘッダが配置される(図24(c)、図39参照)。各ストリームブロック先頭のセクタのみ、PESヘッダの直後にストリームブロックヘッダ11が記録される。各ストリームブロックの2番目以降のセクタでは、PESヘッダの直後に、ストリームブロックヘッダではなく、セクタデータヘッダ12、13が記録される。
【0252】
図24(c)(i)のデータエリア21、22、23、24には、図24(a)に示したタイムスタンプ(ATS)、トランスポートパケットが逐次詰め込まれる。
【0253】
ただし、図24(b)の例では、1個のトランスポートパケットdが2つのセクタ(No.0とNo.1)に跨って記録されている。
【0254】
このように1つのトランスポートパケットを複数セクタに分けて記録することにより、1個のセクタサイズよりも大きなサイズを持つパケットを記録できるようになる。
【0255】
デジタル放送では、トランスポートストリームと呼ばれるマルチプログラム対応の多重・分離方式を採用しており、1個のトランスポートパケットのサイズが比較的小さい(188バイトまたは183バイト)場合が多い。
【0256】
一方、図24のデータ構造の例では、前述したように、1セクタサイズが2048バイトあり、各種ヘッダサイズを2048バイトセクタサイズから差し引いても1個のデータエリア21、22、23、24内にはデジタル放送用のトランスポートパケットが10個前後記録できる。
【0257】
それに対してISDNなどのデジタル通信網では1パケットサイズが4096バイトもある大きなロングパケットが転送される場合がある。
【0258】
この実施形態では、1個のパケットを、複数のデータエリアに連続して跨るように記録できるようになっている。こうすることで、デジタル放送などのように1個のデータエリア内に複数個のトランスポートパケットが記録される場合だけでなく、ISDNのロングパケットのようにパケットサイズの大きなパケットの場合でも記録できるようになる。
【0259】
すなわち、デジタル放送用のトランスポートパケットあるいはデジタル通信用のロングパケットなどは、パケットサイズに依ることなく、全てのパケットをストリームブロック内に端数無く記録することができる。
【0260】
ストリームブロック内に余り部分が生じた場合には、パディングデータ(データが未記録である領域と認識できる情報)が記録される。すなわち図24(b)(e)のように、ストリームブロック#1内の最後のトランスポートパケットfの後ろにエンドコード31が配置され、残りの部分がパディングエリア36とされる。
【0261】
図25は、図24に示されたストリームブロックヘッダの内部構造を説明する図である。
【0262】
図24(d)のセクタNo.1の最初のアクセスポイントの値として、セクタNo.1のデータエリア22のサイズよりも大きな値に設定することにより、セクタNo.1内に記録されたパケットの次にくるパケットに対応するタイムスタンプの位置が、次以降のセクタに存在することが示される。
【0263】
上記セクタデータヘッダと同様な情報が、ストリームブロックヘッダ11内のセクタデータヘッダ情報613(図25)にも記録されている。
【0264】
ストリームブロック全体に関する情報が記録されているストリームブロック情報612内の情報は、以下のものから構成されている:
*レコードタイム622(情報記憶媒体に記録した年月日と時刻情報);
*トランスポートパケット属性623(トランスポートパケットに関する属性情報);
*ストリームブロックサイズ624(該当するストリームブロックのデータサイズ(ECCブロック数で記載));
*ストリームブロック時間差625(該当するストリームブロック内の時間範囲情報)。
【0265】
このストリームブロック時間差は、図24(b)を例にとれば、
[ストリームブロック時間差]=[ストリームブロック#2内で最初にくるタイムスタンプ値]−[タイムスタンプaの値]
で計算される。
【0266】
図14のフォーマッタ部90は、図24(a)の形で入力されたストリームデータを、図24(c)(i)の形に変換して、D−PRO部52へ入力する。
【0267】
D−PRO部52は、16セクタ毎に入力データをまとめてECCブロックにして、ディスクドライブ部51へ送る。
【0268】
ただし、ディスクドライブ部51において記録準備ができていない場合には、送られてきたECCブロックデータを一時記憶部53へ転送して一時記憶し、記録準備ができるまで待つ。ディスクドライブ部51において記録準備ができた段階で、一時記憶部53に一時記憶されたデータが読み出しされて、情報記憶媒体への記録が開始される。ここで、一時記憶部53は高速アクセスで数分以上の記録データを保持できるように、大容量メモリになっている。
【0269】
一実施形態におけるストリームデータ記録再生装置(図14)内での信号の流れは、以上のようになっている。
【0270】
上記の説明で示したように情報記憶媒体50に記録されるストリームデータはフォーマッタ部90内で図24(c)(i)の構造に変換される。
【0271】
一実施形態では、同一のトランスポートパケットが異なるストリームブロックに跨って記録されることが禁止される場合、バッファメモリに一時記録されたタイムスタンプとパケットデータをストリームブロック毎に切り分ける際に、タイムスタンプとトランスポートパケットの組が完全に1個のストリームブロック内に収まるようにする必要がある。
【0272】
一方、一実施形態では、同一のトランスポートパケットを、異なるセクタ(例えば図24(d)のNo.0とNo.1)に跨って記録することができる。その場合、セクタ毎に分割する処理では、各データエリア21、22、23、24に割り当てられた所定サイズに従って、無造作に分割が行われる。
【0273】
デジタル放送では、映像情報はMPEG2規格に従って圧縮され、そのI、B、Pピクチャー情報が、異なるトランスポートパケットに記録されて転送されてくる。
【0274】
トランスポートパケット内は、トランスポートパケットヘッダおよびペイロードで構成されている。
【0275】
Iピクチャー情報が記録されている最初のトランスポートパケットでは、ランダムアクセスインジケータ(図1(c)のAUSM対応)に”1”のフラグが立つ。また、B、Pピクチャー情報が記録されている最初のトランスポートパケットには、ペイロード単位開始インジケータに”1”のフラグが立つ。
【0276】
これらランダムアクセスインジケータ(AUSM)およびペイロード単位開始インジケータの情報を利用して、図25(e)のIーピクチャマッピングテーブル641(アクセスユニット開始マップのテーブル)およびB、Pピクチャ開始位置マッピングテーブル642(アクセスユニット終了マップのテーブル)の情報が作成される。
【0277】
図25(d)のトランスポートパケットマッピングテーブル632内の各マッピングテーブルはビットマップ形式で構成されている。
【0278】
例えば1個のストリームブロック内にn個のトランスポートパケットが記録されていた場合には、図25(d)のトランスポートパケット数631の値が”n”となる。
【0279】
この場合、図25(e)の各マッピングテーブルは「nビットデータ」からなる。そして、ストリームブロック内に前から並んでいる個々のトランスポートパケットに対して、この「nビットデータ」それぞれの1ビットずつが割り当てられている。
【0280】
図26は、図24に示されたセクタデータヘッダの内部構造を説明する図である。
【0281】
図24(c)(i)のセクタデータヘッダ12、13は、データエリア21、22、23、24内のデータ配列情報を示す。
【0282】
これらのセクタデータヘッダは、図26に示すように、最初のアクセスポイント651およびトランスポートパケット接続フラグ652で構成されている。
【0283】
図24(b)に示すようにトランスポートパケットdは2個のセクタに跨って記録されている。この場合、セクタ内の最後のタイムスタンプが”1”に設定される。また、トランスポートパケットが次のセクタへ跨った場合には、トランスポートパケット接続フラグ652が”1”に設定される。
【0284】
図24(b)の例では、次のセクタへ跨ったトランスポートパケットdの次にくるタイムスタンプ先頭位置のデータエリア22内のアドレスが、図26(b)の最初のアクセスポイント651内に記録(ビット単位の表現)されている。
【0285】
一実施の形態では、最初のアクセスポイント651の値として、データエリア21、22、23、24のサイズよりも大きな値を指定可能にしている。こうすることで、セクタサイズよりも大きなサイズを有するパケットに対してもタイムスタンプ先頭位置を指定することができる。
【0286】
例えば、図24(d)のデータ構造において、1個のパケットがセクタNo.0からセクタNo.2まで跨って記録され、そのパケットに対するタイムスタンプがNo.0のデータエリア21内の最初の位置に記録されるとともに、その次のパケットに対するタイムスタンプがセクタNo.2のデータエリア内のTビット目に配置されている場合を考える。
【0287】
この場合、セクタNo.0の最初のアクセスポイントの値は”0”、セクタNo.1の最初のアクセスポイントの値は”セクタNo.1のデータエリア22サイズ + T”となり、セクタNo.2の最初のアクセスポイントの値は”T”となる。
【0288】
一実施の形態では、基本的にストリームブロック先頭位置から再生は開始される。が、希なケースとして、ストリームブロック内の2番目以降のECCブロック先頭位置から再生が開始される場合もあり得る。
【0289】
図24において同一のトランスポートパケットdが2個のセクタ(セクタNo.0とセクタNo.1)に跨って記録されている例に示すように、2番目以降のECCブロック先頭位置から再生を開始した場合には、何処に次のタイムスタンプ情報が記録されているかを知る必要がある。
【0290】
そのために、各セクタの先頭位置に独自のヘッダー情報(図26(a)のセクタデータヘッダ)を配置させる。その独自ヘッダー情報中に最初のアクセスポイント651を記録することで、ストリームブロック内の2番目以降のECCブロックの先頭位置から、容易に再生を開始することができる。
【0291】
SOBとは、オリジナルPGCに属するストリームデータである。SOBのデータ構造は、「動画および関連オーディオの一般的な符号化システム(ISO/IEC13818ー1)」に記述されたプログラムストリームに従っている。SOBは1種類のデータ、すなわちストリームデータのみで構成されている。
【0292】
SOBのデータ構造は、ストリームパックのシーケンスで定義される。このストリームパックは、一定サイズ(2048バイト)を持っている。このサイズはDVDディスクファミリの論理ブロックサイズと同じである。各ストリームパックは論理ブロック内に記録される。
【0293】
図27は、ストリームオブジェクト(SOB)に対するMPEG規格上の制約を説明する図である。
【0294】
すなわち、(1)SOBはシステムヘッダを持たず、(2)SOBの最初のパック内のシステムクロックリファレンス(SCR)は任意の値を取ることができ、(3)MPEGのプログラムエンドコードは持たず、(4)ストリームidは全てのPESパケット内においてBFh(プライベートストリーム2)に等しい。
【0295】
ナビゲーションデータとは、任意のビットストリームに対する記録、再生および編集の制御を行なうためのデータである。DVDストリーム記録においては、ナビゲーションデータは「ストリーマ情報(STRI)」と呼ばれる。
【0296】
図28は、DVDストリーマ情報(STRI)内のナビゲーションデータ(図9の制御情報25に対応)の構造を説明する図である。図28に示すように、ストリーマ情報STRIは、以下の情報で構成されている。
【0297】
すなわち、(1)ストリーマビデオマネージャ情報(STR_VMGI)と、(2)ストリームファイル情報テーブル(SFIT)と、(3)オリジナルPGC情報(ORG_PGCI)と、(4)ユーザ定義PGC情報テーブル(UD_PGCIT)と、(5)テキストデータマネージャ(TXTDT_MG)と、(6)アプリケーションプライベートデータマネージャ(APDT_MG)とによって、STRIは構成されている。
【0298】
図28のSTR_VMGI、SFIT、ORG_PGCI、UD_PGCIT、およびTXTDT_MGは、その順で、SR_MANGR.IFOという名のファイルに記録される。
【0299】
一方、図28のAPDT_MGは、SR_ADATA.DATという名のファイルに記録される。
【0300】
図28のSTRIのサイズが512kバイトを越えない限りは、”00h”等で符号化されたスタッフィングを上記(1)〜(6)の情報テーブル間に挿入するしないは自由である。ただし、このようなスタッフィングを(1)〜(6)の情報テーブル内に挿入することはできない。
【0301】
なお、SR_MANGR.IFOというファイルに記述された情報の多くは、ストリーマ装置(図14等)のシステムメモリに格納されることが想定されている。
【0302】
図28のストリーマビデオマネージャ情報STR_VMGIは、ビデオマネージャ情報管理テーブル(VMGI_MAT)およびプレイリストサーチポインタテーブル(PL_SRPT)により構成されている。
【0303】
図29は、図28に示されたストリームファイル情報テーブル(SFIT)の構造を説明する図である。
【0304】
ストリームファイル情報テーブルSFITは、ストリーマの動作に直接関与する全てのナビゲーションデータを含んでいる。すなわち、(1)ストリームファイル情報テーブル情報(SFITI)と、(2)1以上(n個)のSOBストリーム情報(SOB_STI#n)と、(3)ストリームファイル情報(SFI)とによって、SFITは構成されている。
【0305】
上記ストリームファイル情報テーブル情報SFITIは、ストリームファイルの数を示すSFI_Nsと、SOBストリーム情報の数を示すSOB_STI_Nsと、SFITの終了アドレスを示すSFIT_EAと、SFIの開始アドレスを示すSFI_SAとを含んでいる。
【0306】
図30は、図29に示されたストリームファイル情報(SFI)の構造を説明する図である。
【0307】
ストリームファイル情報SFIは、(1)ストリームファイル一般情報(SF_GI)と、(2)1以上(n個)のSOB情報サーチポインタ(SOBI_SRP#n)と、(3)1以上(n個)のSOB情報(SOBI#n)とで、構成されている。
【0308】
図31は、図30に示されたストリームファイル一般情報(SF_GI)の内容を説明する図である。
【0309】
ストリームファイル一般情報SF_GIは、SOB情報の数を示すSOBI_Nsと、SOBU1個あたりのセクタ数によりSOBUのサイズを示すSOBU_SIZと、マッピング時間単位シフトを示すMTU_SHFTとを含んでいる。
【0310】
SOBU_SIZはSOBUのサイズをセクタ数で記述したもので、固定値(32)を持つ。このことは、各マッピングリストにおける最初のエントリが、SOBの最初の32セクタ内に含まれるアプリケーションパケットに関係していることを、意味する。また、各マッピングリストにおける2番目のエントリは次の32セクタ内に含まれるアプリケーションパケットに関係している。以下同様である。
【0311】
上記マッピング時間単位シフトMTU_SHFTは、PAT記述フォーマットに対するマッピングリストエントリのLSB(リーストシグニフィカントビット)の重み付けを記述したものである。このMTU_SHFTは18と記述される。
【0312】
図32は、図30に示されたストリームオブジェクト情報(SOBI#)の構造を説明する図である。
【0313】
図32に示すように、各ストリームオブジェクト情報SOBIは、(1)SOBI一般情報(SOBI_GI)と、(2)マッピングリスト(MAPL)と、(3)アクセスユニットデータ(AUD)とで構成される(AUDはオプション)。
【0314】
図33は、図32に示されたストリームオブジェクト情報一般情報(SOBI_GI)の内容を説明する図である。
【0315】
図33に示すように、ストリームオブジェクト情報一般情報SOBI_GIは、(1)SOB形式を示すSOB_TYと、(2)SOB記録時間を示すSOB_REC_TMと、(3)SOBストリーム情報番号を示すSOB_STI_Nと、(4)アクセスユニットデータフラグを示すAUD_FLAGSと、(5)SOB開始APATを示すSOB_S_APATと、(6)SOB終了APATを示すSOB_E_APATと、(7)該当SOBの最初のSOBUを示すSOB_S_SOBUと、(8)マッピングリストエントリの数を示すMAPL_ENT_Nsとを含んでいる。
【0316】
上記SOB_TYは、一時消去(TE)状態を記述したビットおよびコピー世代管理システムを記述したビットを含むことができる。
【0317】
上記SOB_REC_TMは、DVDストリーム記録の日時記述フォーマットにより関連SOBの記録時間を記述したものである。
【0318】
上記SOB_STI_Nは、該当SOBに対して有効なSOB_STIのインデックスを記述したものである。
【0319】
上記AUD_FLAGSは、該当SOBに対してアクセスユニットデータ(AUD)が存在するかどうか、また存在するならどんな種類のAUDが存在するのかを記述したものである。AUDが存在する場合は、AUD_FLAGSにより、AUDの特性の幾つかが記述される。
【0320】
AUD自体は、テーブル(AUSM)を含む一般情報(AU_GI)、およびオプションテーブル(AUEM、PTSL)からなっている(図34参照)。
【0321】
上記SOB_S_APATは、SOBの開始アプリケーションパケット到着時間を記述したものである。すなわち、そのSOBに属する最初のパケットのパケット到着時間が、SOB_S_APATにより記述される。SOB_S_APATは、DVDストリーム記録のPAT記述フォーマットにより記述される。
【0322】
PATは2つの部分、すなわち基本部分と拡張部分に分けられる。基本部分は90kHzユニット値と呼ばれる部分であり、拡張部分は27MHzで測った細かい値(less significant value)を示す。
【0323】
上記SOB_E_APATは、SOBの終了アプリケーションパケット到着時間を記述したものである。すなわち、そのSOBに属する最後のパケットのパケット到着時間が、SOB_E_APATにより記述される。SOB_E_APATは、DVDストリーム記録のPAT記述フォーマットにより記述される。
【0324】
上記SOB_S_SOBUは、開始SOBUの数、つまりSOBの最初のアプリケーションパケットに含まれるSOBUの数を記述したものである。
【0325】
上記MAPL_ENT_Nsは、SOBI_GIに続くマッピングリストエントリの数を記述したものである。
【0326】
図34は、図32に示されたアクセスユニットデータ(AUD)の構造を説明する図である。
【0327】
アクセスユニットデータAUD(オプション)は、(1)アクセスユニット一般情報(AU_GI)と、(2)アクセスユニット終了マップ(AUEM)と、(3)再生タイムスタンプリスト(PTSL)とを含むことができる。これらのパーツのどれが存在するかは、SOBI_GIのAUD_FLAGSにより示すことができる。
【0328】
前述したSOBI_GIのAUD_FLAGS(図33)がアクセスユニットデータの存在を示すときは、AU_GIだけが存在する。
【0329】
図35は、図34に示されたアクセスユニット一般情報(AU_GI)の内容を説明する図である。
【0330】
アクセスユニット一般情報AU_GIは、アクセスユニットの数を示すAU_Nsと、アクセスユニット開始マップを示すAUSMとを含んでいる。
【0331】
上記AU_Nsは、該当SOBに対するアクセスユニット数を記述したものである。同時に、AUSMがアクセスユニットの存在を示す場合において、このAU_Nsは、(アクセスユニットの)ロケーションの数も記述している。
【0332】
上記アクセスユニット開始マップAUSMは、該当SOBのどのSOBUがアクセスユニットを含むのかを示すものである。SOBの各SOBUに対しては、AUSMのエレメントは1個だけ存在する。それゆえ、AUSMはマップリストエントリ数(MAPL_ENT_Ns)のエレメントで構成されるとも言える。
【0333】
各AUSMエレメントは、対応SOBU内(あるいはその後のSOBU内)の何処かで始まるアクセス可能なアクセスユニットを示している。AU_Nsアクセスユニットは、AUSMにより厳密に示されるもので、ビット”1”となっているAUSMのAU_Nsビットに等しい。
【0334】
AUSMはバイトアラインされている必要がある。もし連鎖状のAUSMエレメントが8の整数倍のビット数でない(バイトアラインされていない)ときは、このAUSMの最終バイトの残りのLSB(1または複数のLSB)にビット”0”のパッドを当てて、連鎖状のAUSMエレメントが8の整数倍のビット数となる(バイトアラインされてる)ようにする。
【0335】
図36は、アクセスユニット開始マップ(AUSM;図8、図10参照)とストリームオブジェクトユニット(SOBU;図2、図4、図11参照)との対応関係を例示する図である。
【0336】
図示するように、AUSMのうちビット”1”の部分が、対応SOBUにアクセスユニット(AU)が含まれることを示している。
【0337】
いま、AUSM内でビットがセットされたi番目(1≦i≦AU_Ns)のビット位置をAUSM_pos(i)としてみる。すると、アクセスユニットAUの位置は次のようになる。
【0338】
(1)もしAUSM_pos(i)により示されるSOBU#iが1以上の開始AU(これはストリーム内で(もしあるなら)AU_STARTマークおよびAU_ENDマークにより記述される)を含むなら、AUSM_pos(i)は、SOBU#i内で開始する最初のAUに割り当てられる。ここで、SOBU#iは、AUSM_pos(i)および(AUEMが存在するなら)AUEM_pos(i)により記述されたSOBUs内に配置されたものである。
【0339】
(2)AUは、このAU開始後に最初に現れるAU_ENDマークで終了し、かつ、AUは、(もしAUEMが存在するなら)割り当てられたAUEMエレメントにより示される最後のSOBUで終了する。
【0340】
なお、いずれのアクセスユニットデータにおいても、SOBの各SOBU1個当たりに、2以上のアクセス可能なアクセスユニットを記述することはできない。
【0341】
図37は、アクセスユニット開始マップ(AUSM;図8、図10参照)およびアクセスユニット終了マップ(AUEM;図8、図10参照)とストリームオブジェクトユニット(SOBU;図2、図4、図11参照)との対応関係を例示する図である。
【0342】
AUEMは、(もし存在するなら)AUSMと同じ長さのビットアレイである。AUEMのビットは、該当SOBのアクセスユニットに付随するビットストリームセグメントの末尾がどのSOBUに含まれるのかを、示している。
【0343】
AUEM内にセットされたビットの数はAUSM内にセットされたビットの数に一致する。すなわち、AUSM内の各設定ビットは、AUEM内に対応してセットされたビットを持つ。
【0344】
いま、AUSM内でビットがセットされたi番目(1≦i≦AU_Ns)のビット位置をAUSM_pos(i)とし、AUEM内でビットがセットされたi番目(1≦i≦AU_Ns)のビット位置をAUEM_pos(i)としてみる。この場合、以下の関係がある。
【0345】
(1)1≦AUSM_pos(i)≦AUEM_pos(i)≦MAPL_ENT_Ns;
(2)AUSM_pos(i+1)>AUEM_pos(i);
(3)もしi==AU_NsあるいはAUSM_pos(i+1)>1+AUEM_pos(i)なら、AU#iは、SOBU#[AUEM_pos(i)]で終了する(1≦i≦AU_Ns);
(4)もしAUSM_pos(i+1)==1+AUEM_pos(i)なら、AU#iは、SOBU#[AUEM_pos(i)]で終了する。あるいは
SOBU#[1+AUEM_pos(i)]==SOBU#[AuSM_pos(i+1)]のところで終了する。つまり、AU#iは、SOBU内においてAU#i+1が開始するところで終了する(1≦i≦AU_Ns)。
【0346】
図38は、ストリームパック(図2〜図4のTSパックに対応)の構造を説明する図である。
【0347】
図示するように、1つのストリームパック(2048バイト)は、パックヘッダ(14バイト)とストリームPESパケット(2034バイト)とで構成されている。
【0348】
ストリームパックのパックヘッダは14バイトで構成される。このパックヘッダには、最初の4バイト(000001BAh)にパックスタートコードが記録され;次の6バイトに、プロバイダが定義した、システムクロックリファレンスSCRの基準(トータル32ビットのSCR_base)、複数のマーカビットおよびシステムクロックリファレンスSCRの拡張(9ビットのSCR_extension)が記録され;次の3バイト(0189C3h)にプログラム多重化レート(22ビットのprogram_mux_rate)と複数のマーカビットが記録され;最後の1バイト(F8h)には、パックスタッフィング長(3ビットのpack_stuffing_length)が記録され、さらに5ビットの予約エリアが設けられている。
【0349】
ここで、SCR_baseの32ビット目はゼロにセットされる。また、program_mux_rateは10.08Mbpsにセットされる。
【0350】
なおストリーム記録ではアプリケーションが自分でスタッフィングを行なう(図39を参照して後述)ので、DVDROMビデオあるいはDVDビデオレコーダ(DVD−VR)のようにパック長の調整を行なう必要はない。すなわち、ストリーム記録においては、ストリームパケットが常に必要な長さを持っていると想定してよい。
【0351】
一方、ストリームパックのストリームPESパケットは、次のようなデータ構造を持っている。
【0352】
図39は、図38に示されるストリームPESパケット内のストリームデータエリアの構造を説明する図である。
【0353】
図示するように、1つのストリームPESパケット(2034バイト)は、PESヘッダ(6バイト)と、サブストリームID(1バイト)と、ストリームデータエリア(2027バイト)とで構成されている。
【0354】
ストリームPESパケットのPESパケットヘッダには、最初の3バイト(000001h)にパケットスタートコードプリフィックス(24ビットのpacket_start_code_prefix)が記録され;次の1バイトにストリームID(8ビットのstream_id=10111111b;プライベートストリーム2を示す)が記録され;次の2バイト(07ECh)にPESパケット長(PES_packet_length)が記録され;最後の1バイトにサブストリームID(8ビットのsub_stream_id=00000010b;ストリーム記録データを示す)が記録される。
【0355】
図39に示すストリームパケット内のストリームデータエリア(2027バイト)は、アプリケーションヘッダ(9バイト)と、アプリケーションヘッダエクステンション(オプション)と、スタッフィングバイト(オプション)と、アプリケーションパケットエリアとで構成されている。
【0356】
図39のアプリケーションパケットエリアは、アプリケーションタイムスタンプ(図3あるいは図24のATSに対応)をそれぞれが持つ1以上のアプリケーションパケットで構成される。
【0357】
このアプリケーションパケットエリアは、図3(d)と同様に構成できる(図3のTSパケットを図39ではアプリケーションパケットに読み替える)。すなわち、アプリケーションパケットエリアの先頭にパーシャルアプリケーションパケットが記録され、その後に、アプリケーションタイムスタンプATSとアプリケーションパケットとのペアが複数ペア、シーケンシャルに記録され、末尾にパーシャルアプリケーションパケットが記録される。
【0358】
別の言い方をすると、アプリケーションパケットエリアの開始位置には、パーシャルアプリケーションパケットが存在できる。アプリケーションパケットエリアの終了位置には、パーシャルアプリケーションパケットあるいは予約されたバイト数のスタッフィングエリアが存在できる。
【0359】
各アプリケーションパケットの前に配置されたアプリケーションタイムスタンプ(ATS)は32ビットで構成される。ATSは、2つの部分、すなわち基本部分と拡張部分に分けられる。基本部分は90kHzユニット値と呼ばれる部分であり、拡張部分は27MHzで測った細かい値(less significant value)を示す。
【0360】
図39において、アプリケーションヘッダエクステンションは、アプリケーションパケット〜アプリケーションパケット間で異なり得る情報を格納するのに用いることができる。このような情報は、必ずしも全てのアプリケーションに必要なものではない。
【0361】
それゆえ、アプリケーションヘッダのデータフィールドは、ストリームデータエリア内にオプションのアプリケーションヘッダエクステンションが存在することを記述するように定義されいる。
【0362】
ストリームの記録時において、最初のアプリケーションパケットのアプリケーションタイムスタンプATSの先頭バイトは、ストリームオブジェクトSOBの始まりにおける最初のストリームパケット内のアプリケーションパケットエリアの開始位置に、アラインされている必要がある。
【0363】
一方、SOB内のその後のストリームパケットについては、隣接ストリームパケット境界で、アプリケーションパケットが分割(スプリット)されてもよい。図39のパーシャルアプリケーションパケットは、この分割(スプリット)により生じたアプリケーションパケットを示している。
【0364】
ストリームパケット内で開始される最初のアプリケーションタイムスタンプのバイトオフセット、およびそのストリームパケット内で開始されるアプリケーションパケットの数は、そのアプリケーションヘッダ(図40参照)に記述される。
【0365】
こうすることにより、あるストリームパケット内において、最初のアプリケーションタイムスタンプの前および最後のアプリケーションパケットの後におけるスタッフィングが、自動的に行われる。
【0366】
すなわち、上記自動化メカニズムが、図38の説明の所で述べた「アプリケーションが自分でスタッフィングを行なう」ことに対応する。この自動スタッフィングにより、ストリームパケットは常に必要な長さを持つことになる。
【0367】
アプリケーションヘッダエクステンション(オプション)はエントリのリストからなる。ここには、該当ストリームパケット内で開始する各アプリケーションパケットに対する1バイト長の1エントリがある。これらエントリのバイトは、アプリケーションパケット毎に異なり得る情報を格納するのに利用できる。
【0368】
なお、1バイトのアプリケーションヘッダエクステンション(オプション)には、1ビットのAU_STARTと、1ビットのAU_ENDと、2ビットのCOPYRIGHTとが、記述される。
【0369】
AU_STARTが”1”にセットされると、関連アプリケーションパケットが、ストリーム内にランダムアクセスエントリポイント(ランダムアクセスユニットの開始)を含むことが示される。
【0370】
AU_ENDが”1”にセットされると、関連アプリケーションパケットがランダムアクセスユニットの最終パケットであることが示される。
【0371】
COPYRIGHTには、関連アプリケーションパケットの著作権の状態が記述される。
【0372】
図40は、図39に示されたストリームデータエリア先頭のアプリケーションヘッダの内容を説明する図である。
【0373】
このアプリケーションヘッダは、1バイトのVERSION(01h)と、1バイトのAP_Nsと、2バイトのFIRST_AP_OFFSETと、2ビットのEXTENSION_HEADER_INFO(00b、10b、あるいは11b)と、1ビットのCCI_ESC用予約エリアと、5ビットの予約エリアと、2バイトのSERVICE_IDと、1バイトのMAX_BR_LOG2と、1バイトのSMO_BS_LOG2とを、含んでいる。
【0374】
ここで、VERSIONには、アプリケーションヘッダフォーマットのバージョン番号が記述される。
【0375】
AP_Nsには、該当ストリームパケット内で開始されるアプリケーションパケットの数が記述される。もしアプリケーションタイムスタンプの最初のバイトがストリームパケット内に格納されているなら、アプリケーションパケットはそのストリームパケット内で開始されると考えてよい。
【0376】
FIRST_AP_OFFSETには、該当ストリームパケット内で開始される最初のアプリケーションパケットのタイムスタンプ位置が、このストリームパケットの最初のバイトからの相対値として、バイト単位で、記述される。もしストリームパケット内で開始するアプリケーションパケットがないときは、FIRST_AP_OFFSETには「0」が記述される。
【0377】
EXTENSION_HEADER_INFOには、該当ストリームパケット内にアプリケーションヘッダエクステンションおよび/またはスタッフィングバイトが存在するか否かが、記述される。
【0378】
EXTENSION_HEADER_INFOの内容が00bの場合は、アプリケーションヘッダの後にアプリケーションヘッダエクステンションもスタッフィングバイトも存在しないことが示される。
【0379】
EXTENSION_HEADER_INFOの内容が10bの場合は、アプリケーションヘッダの後にアプリケーションヘッダエクステンションがあるが、スタッフィングバイトは存在しないことが示される。
【0380】
EXTENSION_HEADER_INFOの内容が11bの場合は、アプリケーションヘッダの後にアプリケーションヘッダエクステンションが存在し、かつアプリケーションヘッダエクステンションの後にスタッフィングバイトも存在することが示される。
【0381】
EXTENSION_HEADER_INFOの内容が01bとなることは禁止されている。
【0382】
アプリケーションパケットエリアの前のスタッフィングバイト(オプション)は、「EXTENSION_HEADER_INFO=11b」によりアクティブになる。こうすることで、アプリケーションヘッダエクステンション内のバイト数と、アプリケーションパケットエリア内に格納できるアプリケーションパケット数との間に矛盾が生じた場合に「パッキングパラドクス」が起きるのを防止できる。
【0383】
SERVICE_IDには、ストリームを生成するサービスのIDが記述される。このサービスが未知のものであれば、SERVICE_IDに0x0000が記述される。
【0384】
MAX_BR_LOG2には、「leaky bucket flow control model」における出力ビットレートパラメータのバイナリアルゴリズムが記述される。
【0385】
SMO_BS_LOG2には、「leaky bucket flow control model」におけるバッファサイズパラメータのバイナリアルゴリズムが記述される。
【0386】
以上説明したように一実施形態によれば、AUSM、AUEM、および/またはサポート情報を記録することができ、それにより、よりユーザフレンドリーなデータ管理ができる。
【0387】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、現在または将来の実施段階では、その時点で利用可能な技術に基づき、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0388】
25…制御情報;27…VOB一般情報(SF_GI);28…VOBU情報テーブル(SFI);29…VOBU情報(SOBI);31…VOB(SOB);32…セル;33…VOBU(SOBU);34…TSパック(ストリームパケット);38…TSパケット(アプリケーションパケット);39…TSパケットの一部(パーシャルアプリケーションパケット);50…RAMディスク(記録媒体);51…ディスクドライブ部;59…デコーダ部;79…エンコーダ部;80…主MPU;80A…ワークRAM部;80B…管理データ作成部;80C…サポート情報検出部;80D…サポート情報追加部;83…STB部;90…フォーマッタ部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタルビデオのデータストリームを記録するシステムの改良に関する。とくに、デジタル放送されるMPEGトランスポートストリームを効率よく記録できるシステムに関する。さらには、MPEGトランスポートストリームのサポート情報を管理領域に記録するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TV放送はデジタル放送の時代に突入しつつあり、そのために、デジタルTV放送のストリーマ(デジタルデータをそのままの形で保存する装置)の必要性が要望されている。
【0003】
また、現在放送されているデジタルTV放送ではMPEGトランスポートストリームが採用されており、今後も動画を使用したデジタル放送の分野ではMPEGトランスポートストリームが標準となりつつある。
【0004】
このデジタル放送データを記録するストリーマとして、たとえばD−VHS(デジタルVHS)がある(特許文献1のディジタルVTR参照)。
【0005】
デジタルTV放送は、放送局より通信衛星を通して放送される。放送されたデジタルデータは、各家庭に設置されたセットトップボックス(Set Top Box;以下、STBと略記する)で受信され、TVモニタ上に表示される。このSTBは、放送局から配給されるキーコードを元に、スクランブルされたデジタルデータを解除して再生する装置である。
【0006】
データがスクランブルされる理由は、放送局と契約していないユーザにより不正に受信され、盗視聴されることを防ぐためである。
【0007】
受信されたデータがそのまま再生される場合には、STB内で、受信されたデータのスクランブルが解除される。そして、STB内で、スクランブル解除されたデータがMPEGデコーダでデコードされ、ビデオエンコーダでTV信号に変換されて、TVモニタ上に表示される。
【0008】
放送データを録画する場合には、IEEE1394デジタル・インターフェースを介して、チューナで受信されたデジタルデータがD−VHSレコーダに記録される。
【0009】
ここで、IEEE1394は標準的なインターフェースの規格で、コマンドの授受、データの送受信を実行する規格である。
【0010】
また、録画された放送データを再生する場合には、D−VHSレコーダから記録データが読み取られ、STB内のデータ伸張部に送られて、再生される。
【0011】
ここで、D−VHSレコーダに記録されるデジタルデータは、一般に次のような構造を有している。
【0012】
すなわち、記録されるデジタルデータは、6トラックが1ECCブロックとして取り扱われ、主データ領域の同期ブロック(Sync Block)内に、主データとして記録される。この場合、トランスポートストリーム(TS)パケットにはヘッダが付加されて記録される。
【0013】
このようなD−VHSストリーマでは、放送されたビットストリームがそのままテープに記録される。そのため、このテープには、複数の番組が多重化されて記録されることになる。
【0014】
従って、最初から再生する場合でも途中から再生する場合でも、再生時には、そのまま全てのデータが送り出される。STBでは、送り出されたデータから希望の番組のみが選択されて再生されることとなる。
【0015】
このようなシステムでは、記録にテープメディアを使用するために、ランダムアクセス性能が極めて悪い。そのため、ある番組中においてユーザが所望する箇所に素早くジャンプしてその再生場面を再生したいと思ってもそれが実行困難である。
【0016】
一方、DVD−RAMなどの大容量ディスクメディアにおいても、ストリーマの記録については、問題がある。このようなDVDシステムでは、ランダムアクセス或いは特殊再生などを考慮すると、必然的に、管理データを放送データと共に記録することが要求される。
【0017】
このようなDVDシステムでは、DVDビデオのフォーマットに準じて、データが管理され、またフォーマットされることも必要とされる。
【0018】
しかしながら、DVDビデオでは、衛星放送を想定してフォーマットが定められていないことから、そのままでは、特殊再生などに対応できない問題がある。
【0019】
たとえば特願平10−040876では、DVDビデオフォーマットを元に、家庭用録再機を想定したフォーマットの提案がされている。しかしながら、このフォーマットでも、デジタル放送に関しては、全く考慮されていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開平9−247619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
以上のように、デジタルTV放送対応のストリーマシステムに於いて、ランダムアクセスの可能なDVD−RAM、すなわち、リード/ライト(R/W)ディスクを利用したストリーマを構築する上でTSストリームデータを効率の良く管理できない問題がある。
【0022】
この発明の目的は、ランダムアクセス可能なメディア(DVD−RAM等)を利用したストリーマを構築するにあたって、トランスポートパケットを効率よく記録できるシステムを提供することである。
【0023】
また、この発明の他の目的は、DVDビデオフォーマットにストリーマ機能を付加することである。
【0024】
この発明のさらに他の目的は、デジタルTV放送を想定した新たなフォーマットを提案することにより、デジタルTV放送データの効率の良い管理を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
一実施の形態では、ストリームデータを記録するデータエリアおよびこのストリームデータの管理情報を記録する管理エリアを持つ光ディスクにおいて、トランスポートパケットあるいはアプリケーションパケットというデータパケットを第1データ単位として表現し、ストリームブロックあるいはストリームオブジェクトユニットというデータ単位を第2データ単位として表現し、ストリームオブジェクトというオブジェクトデータを第3データ単位として表現したときに、1以上の前記第1データ単位を含む前記第2データ単位を1以上含んで構成される前記第3データ単位の前記ストリームオブジェクトにより、前記データエリアに記録される前記ストリームデータが形成される。ここで、前記ストリームデータはMPEGのIピクチャ情報を含んでおり、このIピクチャ情報へのアクセス単位(AU)に関するデータをアクセスユニットデータ(AUD)としたときに、このアクセスユニットデータが存在するか否かを示す情報(AUD_FLAGS)が前記管理エリアに記録される。
【0026】
デジタルTV放送等のストリームデータを効率良く管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】MPEGにおけるTSストリームのフォーマットを示す説明図。
【図2】DVD記録再生システムで記録再生されるオブジェクトセットのフォーマットを示す説明図。
【図3】図2に示すTSパックのフォーマット構造を示す説明図。
【図4】図3に示したパック構造に最適なVOBUの構造を示す説明図。
【図5】図3に示すTSパックの変形例に係る構造を示す説明図。
【図6】再生対象としてのビデオオブジェクトセット(図2)を管理するための管理情報のフォーマットの一例を示す説明図。
【図7】図6に示したPGCIの記述内容を示すテーブル図。
【図8】図6に示したC_PBIの記述内容を示すテーブル図。
【図9】再生対象としてのビデオオブジェクト(図2)を管理するための管理情報のフォーマットの他の例を示す説明図。
【図10】図9に示されたVOBUIの記述内容を示すテーブル図。
【図11】図6に示されたVOBU或いはセルのフォーマット構造の例を示す説明図。
【図12】図6に示されたセル或いはPGCのフォーマット構造の例を示す説明図。
【図13】図6に示されたセルフォーマット構造を利用した編集作業を説明するための図。
【図14】一実施の形態に係るDVD記録再生システムの全体を示すブロック図。
【図15】図9に示されたフォーマット構造における録画処理を説明するためのフローチャート図。
【図16】図9に示されたフォーマット構造における録画処理を説明するためのフローチャート図。
【図17】図9に示されたフォーマット構造における再生処理を説明するためのフローチャート図。
【図18】図9に示されたフォーマット構造における再生処理を説明するためのフローチャート図。
【図19】図9に示されたフォーマット構造におけるFF処理を説明するためのフローチャート図。
【図20】図9に示されたフォーマット構造におけるFF処理を説明するためのフローチャート図。
【図21】図9に示されたフォーマット構造におけるFF処理を説明するためのフローチャート図。
【図22】図20および図21に示したフローにおける割り込み処理について説明するフローチャート図。
【図23】図20に示されたフォーマット構造におけるPAT処理を説明するためのフローチャート図。
【図24】ストリームデータ(図1のMPEG2トランスポートストリームに対応)のデータ構造を説明する図。
【図25】図24に示されたストリームブロックヘッダの内部構造を説明する図。
【図26】図24に示されたセクタデータヘッダの内部構造を説明する図。
【図27】ストリームオブジェクト(SOB)に対するMPEG規格上の制約を説明する図。
【図28】DVDストリーマ情報(STRI)内のナビゲーションデータ(図9の制御情報25に対応)の構造を説明する図。
【図29】図28に示されたストリームファイル情報テーブル(SFIT)の構造を説明する図。
【図30】図29に示されたストリームファイル情報(SFI)の構造を説明する図。
【図31】図30に示されたストリームファイル一般情報(SF_GI)の内容を説明する図。
【図32】図30に示されたストリームオブジェクト情報(SOBI#)の構造を説明する図。
【図33】図32に示されたストリームオブジェクト情報一般情報(SOBI_GI)の内容を説明する図。
【図34】図32に示されたアクセスユニットデータ(AUD)の構造を説明する図。
【図35】図34に示されたアクセスユニット一般情報(AU_GI)の内容を説明する図。
【図36】アクセスユニット開始マップ(AUSM;図8、図10参照)とストリームオブジェクトユニット(SOBU;図2、図4、図11参照)との対応関係を例示する図。
【図37】アクセスユニット開始マップ(AUSM;図8、図10参照)およびアクセスユニット終了マップ(AUEM;図8、図10参照)とストリームオブジェクトユニット(SOBU;図2、図4、図11参照)との対応関係を例示する図。
【図38】ストリームパック(図2〜図4のTSパックに対応)の構造を説明する図。
【図39】図38に示されるストリームPESパケット内のストリームデータエリアの構造を説明する図。
【図40】図39に示されたストリームデータエリア先頭のアプリケーションヘッダの内容を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下図面を参照して一実施の形態に係るDVD録再器並びにその書き込み可能な光ディスクのフォーマットについて説明する。
【0029】
始めにフォーマットの用語について簡単に説明する。光ディスクには、通常のファイル形式でデータが保存されている。タイトルは、たとえば映画の一本分に相当し、一枚のディスクに、このタイトルが複数収納されている。このタイトルが集まったものをタイトルセットと称し、このタイトルセットは、複数のファイルで構成されている。また、1枚のディスクには、このディスクを管理するための情報としてビデオマネージャ(Video Manager;以降VMGと称する)と称するファイルが存在する。
【0030】
さらに、タイトルセットでは、このタイトルセットを管理するための情報が、ビデオタイトルセット情報(Video Title Set Information、以降VTSIと略記する)の管理情報ファイルとビデオデータで構成されているビデオファイルとVTSIのバックアップファイルとで構成されている。
【0031】
前記ビデオファイルは、階層構造となっており、1つのファイルは複数のプログラムチェーンで構成され、1つのプログラムチェーンは、複数のプログラムで構成されており、1つのプログラムは、複数のセルで構成され、1つのセルは、複数のビデオオブジェクトユニット(以降VOBUと略記する)で構成されている。また、VOBUは、複数の様々な種類のデータからなるパックによって構成されている。パックは1つ以上のパケットとパックヘッダで構成されている。パックは、データ転送処理を行う最小単位となっている。さらに、論理上の処理を行う最小単位はセル単位で、論理上の処理はこのセル単位で行われる。
【0032】
次に、トランスポート(TS)ストリームについて説明する。一般に、デジタルTV放送などやインターネットなどの有線を使用した放送などの圧縮動画を放送(配信)する方式おいては、共通の基本フォーマットであるTSストリームがMPEG2の規格として定められている。
【0033】
このTSストリームは、図1(a)に示すように多数のTSパケット38から構成され、各TSパケット38は、図1(b)から図1(d)に示す構造を有し、図1(b)に示すようにパケットの管理データ部分41およびペイロード42とから構成される。ペイロード42には、再生されるべき対象のデータがスクランブルされた状態で格納されている。
【0034】
ペイロード42に格納される再生対象としては、MPEGビデオデータ、Dolby AC3 オーディオデータ或いはMPEGオーディオデータ等があり、また、直接、再生対象以外の情報として、再生する上で必要なプログラムアソシエーションテーブル(Program Association Table;以下PATと略記する)、プログラムマップテーブル(Program Map Table;以下PMTと略記する)等の情報、さらに、電子番組情報(Electronic Program Guide;以下EPGと略記する)等がある。
【0035】
PATには、番組毎のPMTのパケット識別情報(Packet Identification;以下PIDと略記する)が含まれており、さらに、PMTには、ビデオデータ或いはオーディオデータ等のPIDが記録されている。
【0036】
これにより、STB部の通常の再生手順としては、EPG情報により、ユーザが番組を決定すると、目的の番組の開始時間に、PATを読み込み、そのデータを基に希望の番組のPMTのPIDを決定し、目的のPMTを読み出し、そこに含まれる再生すべきビデオ、オーディオパケットのPIDを決定し、ビデオ、オーディオデータをPIDに従って、切り出されて再生がなされる。ここで、PATは、途中再生にも使用するために、数100ms毎に送信されている。
【0037】
これらTSストリームのデータを、DVDーRW(リード/ライト)ディスク等のディスクメディアに記録する場合には、これらのデータをそのまま、デジタルデータとして記録することが好ましい。ただし、現在、DVD−RAMの最高ビットレートが10.08Mbpsであるため、全チャンネルを多重化された衛星放送(20Mbps以上)そのものを記録することはできない。そのため、記録する場合には、1つの番組を選んで、記録する必要がある。
【0038】
さらに、ディスクメディアに記録すると、ユーザが希望の番組の希望の時間より再生を開始したいとか、早送りを行いたいなどの希望を満たすためには、記録したデータを管理するためのデータが必要となる。しかしながら、再生するデータ自身には、スクランブルが掛かっているため、再生するデータ自身から、その管理データを作成することは困難である。
【0039】
そのため、TSストリームパケット内のコントロールデータであるパケットヘッダ内のデータや、TSストリームのPSI(Program Specific Information)データであるPATパケット、或いは、PMTパケットのデータを利用して、管理データを作成することが好ましい。
【0040】
ここで注意すべきは、衛星放送の種類などにより、これらパケットヘッダの内容のなかで、サポートされていない情報がある場合があり、さらに、PATおよびPMTさえも使用していない場合があることである。そのため、前記のような方法でいきなり管理データを作成しようとすると、衛星放送毎に、管理データが作れずに、記録できない場合がある。
【0041】
そこで、録画時に、管理情報内に衛星放送の使用するパケットヘッダの情報、PAT或いはPMTがあるかどうかを示す情報を保存し、サポートされている情報に従って管理データを作成し、再生時には、そのサポート情報によりサービス内容を変更し、可能なサービスのみを提供するようにすることが好ましい。
【0042】
まず、サポート情報を検出する方法としては、次の2通りの方法がある。
【0043】
第1の方法には、サポート情報をSTB部より受け取る方法である。STB部は、受信する衛星放送毎に異なり、専用機となっている。そのため、サポートに関する情報を前もって(STBの出荷時に)把握しているはずである。そこで、録画開始時に、STB部からそのサポート情報を取り込む。
【0044】
第2の方法は、録画中に、STB部より、TSストリームストリームデータを受け取った際に、使用する各データをチェックし、アクティブである場合に、その情報がサポートされていると判定し、サポート情報を蓄積すると共に、そのサポートされた情報を基に管理データを作成し、記録終了時に、蓄積したサポート情報を管理データとして光ディスクの管理領域に記録することである。
【0045】
次に、管理データにサポート情報が含まれるフォーマットについて説明する。第1の実例は、既にフォーマットの規格が統一化されたDVD―ビデオのフォーマットに準拠するデータを管理する管理データについて始めに説明する。
【0046】
現DVD−ビデオでは、衛星放送などを想定してフォーマットされていない。従って、衛星放送を録画してその後、録画データを特殊再生する場合には、現状では、対応できないものである。従って、現DVD−ビデオに準拠して録再の規格を提唱する場合には、次のようなフォーマットが最適なものとなる。
【0047】
現DVD−ビデオでは、再生対象としてのビデオオブジェクトセット30(VOBS)は、図2(a)〜(d)に示すような構造を有している。
【0048】
すなわち、図2(a)に示されるVOBS30は、図2(b)に示すように1または、多数のビデオオブジェクト(VOB)31の集合に定められ、VOB31は、また、図2(c)に示すように1または、多数のセル(Cell)32の集合に定められている。さらに、このセル32は、図2(d)に示すように1または、多数のビデオオブジェクトユニット(VOBU)33の集合に定められている。そして、VOBU33が図2(e)に示すように1または、多数のTSパック34で構成される。
【0049】
なお、ストリーマでは、上記VOBに対応するものとしてストリーマオブジェクト(SOB)が定義され、上記VOBUに対応するものとしてストリーマオブジェクトユニット(SOBU)が定義されている。
【0050】
以下の説明において、VOBあるいはVOBUに関する説明は、適宜SOBあるいはSOBUに置き換えて解釈できる。
【0051】
ここで、VOBU33の構造に関しては、2種類のフォーマット方式を提唱することができる。
【0052】
第1の方式では、1VOBU33が、トランスポートストリーム(TSストリーム)を記録した1または複数のTSパック34で構成される。図3(a)に示す1TSパック34は、図3(b)に示すようにパックヘッダ35、パケットヘッダ36、サブストリームID37およびトランスポートパケット(TSパケット)38で構成されている。1TSパック34は、そのサイズが2048バイトに定められ、2048バイトに満たない場合には、パディングパケット39が挿入されてそのサイズが調整される。
【0053】
TSパック38は、10個のTSパケットで構成され、パケットヘッダ36は、MPEG2におけるプライベートストリームである旨を示す0xbdが記述されるストリームIDを含み、また、パケット内のデータがトランスポートストリームである旨を特定するサブストリームIDには、0xf0が記述される。
【0054】
なお、各TSパケットの先頭には、図3(b)に示すように、タイムスタンプ(ATS)を配置することができる。
【0055】
また、第2の方式では、図3(c)に示すように図3(b)のパケット構造においてサブストリームID37の後に2バイトのパケットアクセスポインタ40が設けられる構造を有している。そのパケットアクセスポインタ40は、パック34内にある最初のパケット38の先頭アドレスを示している。
【0056】
例えば、図3(c)においては、パック34内の最初のパケット38は、パケットアクセスポインタ40の直後にあるため相対アドレスで示せばアドレスは0となる。この図3(c)に示すパック34では、最終パケット39は、他のパケット38が188バイトであるに対して142バイトしかないためその残余の46バイトが図3(d)に示す次のパック34に格納される。
【0057】
図3(d)に示す次のパック34では、パケットアクセスポインタ40の直後には、残余の46バイトがあるためにその残余の46バイトに続いて最終パケット39が位置されることとなる。従って、最終パケット39のアドレスを示す0x2eが次のパック34のパケットアクセスポインタ40に記述される。
【0058】
このパケットアクセスポインタ40により、第一の方式では、パディングで未使用であった部分も、パケットデータの格納領域として利用できるようになる。このとき、パケットアクセスポインタが0xffffの場合には、1パック内にパケットの先頭が存在しない場合を意味している。
【0059】
ただし、この場合、VOBU33の先頭のパックは、図3(c)に示す例のように必ずパケットの先頭がパケットアクセスポインタ40後尾にアラインされるものとする。これにより、VOBU単位でパケットを管理でき、しかも、パケットのサイズが1パックに入りきらない場合に対応できることとなる。
【0060】
なお、図3(c)および図3(d)に示されるトランスポートストリームパケット(TSパケット)の一部は、以下の場合に該当する。
【0061】
すなわち、TSパケットの記録において、1パケットが2セクタに跨って記録される場合に、第1のセクタに記録されるものおよび第1のセクタに記録されるものそれぞれが、TSパケットの一部に該当する。
【0062】
このようにすると、1パケットが2セクタに跨って記録される場合にパディングデータを挿入する必要がないので、その分高密度記録できる。
【0063】
その際、パケットヘッダに、「各セクタの最初に来るTS開始位置が基準位置から何バイト目か」の位置情報を記録しておくことができる。ここで、基準位置としては、たとえばパケットヘッダの位置、あるいはTSパケットの先頭位置、またはTSパケットの終了位置、若しくは連続するTSパケットの隣接境界位置を用いることができる。
【0064】
基準位置としてTSパケットの先頭位置を用いる場合は、図3(c)のパケットアクセスポインタ=0を、上記位置情報として用いることができる。
【0065】
また、基準位置としてTSパケットの終了位置(または隣接境界位置)を用いる場合は、図3(d)のパケットアクセスポインタ=0x2eを、上記位置情報として用いることができる。
【0066】
既に説明した第2の方式の例を図4を参照してより詳細に説明する。図4は、VOBU(またはSOBU)の構造並びにTSパケットの構造の詳細を示している。図4(a)に示すVOBU(SOBU)33は、整数個のTSパック34から構成され、VOBU(SOBU)33内の先頭のTSパック34は、図4(c)に示す構造を有している。
【0067】
すなわち、常にTSパック34内のパケットアクセスポインタ40の次には、TSパケット38の先頭部分がアラインされ、パケットアクセスポインタ40の相対アドレスは、ゼロとなる。従って、VOBU(SOBU)33をアクセスしてそのパケットと取り出せば常にその先頭がTSパケット38の先頭に一致し、TSパケット38を切り離して即座に転送可能となる。このVOBU(SOBU)33内の先頭のTSパック34に続いてTSパケット34が配置されるが、2048バイトの1パックに格納されないTSパケット38の残余の部分は、図4(c)に示すように次のTSパック34のパケット38に収納される。
【0068】
このように次々にVOBU(SOBU)33内には、TSパック34が配置される。が、そのVOBU(SOBU)33内の最後のTSパック34は、図5(c)に示すように、他のTSパック34と異なり、そのパック内の最後の部分に1TSパケット38が入りきらないことがある。
【0069】
このような場合には、その最後の部分に、パッディングパケット39を適宜挿入することができる。このパッディングパケットを挿入することによって、次のVOBU(SOBU)33内の先頭TSパック34は、TSパケット38の先頭から始まるパケットのデータ部を有することとなる。
【0070】
なお、上記パディングなしで対処する方法(TSパケットの記録において、1パケットが2セクタに跨って記録される場合)もあり、それについては前述した。
【0071】
図3並びに図4に示した例では、パケットアクセスポインタ40でそのパック34内の最初のTSパケット38のアドレスが指定され、このパケットアクセスポインタ40でそのパック34が指定された際にそのパック34内で最初に取り出されるTSパケット38を特定することができる。
【0072】
このパケットアクセスポインタ40に代えて図5に示す続きパケットフラグで次のTSパック34の構造を特定するようにしても良い。
【0073】
すなわち、図5(a)に示すようにTSパック34内には、パケットヘッダ36に続いてTSパケットである旨を特定するサブストリームID36が設けられ、このサブストリームIDに続いて続きパケットフラグ41が設けられている。この続きパケットフラグ41は、これが含まれるTSパック34に続くTSパック34には、TSパケット39の一部が収納されている否かを示している。
【0074】
すなわち、続きパケットフラグ41が1であれば、そのTSパック34の最後には、TSパケット39の一部が収納され、そのTSパケット39の残余が次のTSパック34の続きパケットフラグ41に続いて配置されている。
【0075】
TSパック34内の最後にTSパック39がアラインされて配置され、残余が次のパック39に格納されない場合には、続きパケットフラグ41は、ゼロとなる。このことは、続きパケットフラグ41がゼロであるTSパケット39を獲得すれば、続きパケットフラグ41に続くTSパケット39を再生すればスムーズな再生処理が可能となる。
【0076】
次に、上述のようなデータ構造における管理データの構造について説明する。
【0077】
管理データは、光ディスクの内周側のリードイン領域に続く管理領域に記録され、この管理領域は、図6(a)に示すようにビデオタイトルセット情報(VTSI)あるいはストリーマ制御情報(STR_VMGI)のテーブルを含む。このSTR_VMGIは、ストリーマの管理情報(STRI)に含まれている。このSTRIはVTSIに対応した機能を持っている。
【0078】
このVTSI(STR_VMGI)は、図6(a)に示すように、VTSI(STR_VMGI)に関する管理情報が記述されたVTSIの管理テーブル(VTSI_MAT);VTS(ビデオタイトルセット)あるいはストリーム内のプレイリストをサーチするためのサーチポインタが記述されたVTSタイトルサーチポインタテーブル(VTS_TT_SRPT)あるいはプレイリストサーチポインタテーブル(PL_SRPT);セルの再生順序が規定されているプログラムチェーンを定めるVTSプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)あるいはユーザが定義したプログラムチェーン情報のテーブル(UD_PGCIT);VTSメニューのためのプログラムチェーン情報ユニットテーブル(VTSM_PGCI_UT);VTSタイムマップテーブル(VTS_TMAPT);VTSメニューのためのセルアドレステーブル(VTSM_C_ADT);VTSメニューのためのVOBUアドレスマップテーブル(VTSM_VOBU_ADMAP);VTSのセルアドレステーブル(VTS_C_ADT)およびVTSのVOBUアドレスマップテーブル(VTS_VOBU_ADMAP)から構成されている。
【0079】
なお、上記UD_PGCIT内のユーザ定義PGC情報(UD_PGCI)は、ユーザにより定義されたプログラムパーツのシーケンスを定義している。また、上記プレイリストは、プログラムパーツの再生シーケンスをユーザが自由に定めたものである。
【0080】
VTS_PGCIT(UD_PGCIT)は、図6(b)に示すように、VTS_PGCITの情報(VTS_PGCITI)(またはUD_PGCITI)、再生順序に配置された各プログラムチェーンをサーチするためのVTSプログラムチェーンサーチポインタ(VTS_PGC_SRP#n)(またはUD_PGC_SRP#n)およびこのサーチポインタで指定される各VTSプログラムチェーンの情報(VTS_PGCI#n)(またはUD_PGCI#n)から構成されている。
【0081】
VTS_PGCI#n(またはUD_PGCI#n)は、図6(c)に示すようにプログラムチェーン(PGC)の一般情報(PGC_GI)あるいはストリームセル一般情報(SC_GI);PGCプログラムマップ(PGC_PGMAP)あるいはプログラム情報(PGI#m);セルの再生に関する情報が記述されたセル再生情報テーブル(C_PBIT)あるいはストリームセル情報(SCI#n);セルの位置情報、すなわち、アドレス情報が記述されたセル位置情報テーブル(C_POSIT)あるいはストリームセル情報サーチポインタ(SCI_SRP#n)から構成されている。C_PBIT(SCI#n)は、図6(d)に示すように、セルの再生順に配置された多数のセルの再生情報(C_PBI#j)あるいはストリームセルのエントリポイント情報(SC_EPI#n)から構成されている。
【0082】
PGC一般情報(PGC_GI)は、図7(a)に示すように構成できる。すなわち、プログラム数およびセル数等のPGCの内容(PGC_CNT)が記述され;1PGCの記録時間を記述したPGC記録時間(PGC_TRS_TM: PGC Transport Time)が記述され;サポート情報(Support Information)が記述され;PGCプログラムマップ(PGC_PGMAP)の先頭アドレス(PGC_PGMAP_SA)が記述され;セル再生情報テーブル(C_PBIT)の先頭アドレス(C_PBIT_SA)が記述され;セル位置情報テーブル(C_POSIT)の先頭アドレス(C_POSIT_SA)が記述され;そして、消去禁止フラッグ(ARCHIVE Flag)が記述されている。
【0083】
SC_GIの場合は、ARCHIVE Flagの代わりに、セルタイプ(C_TY=010b)および一時消去(TE)フラグが記述され、さらに以下のものが記述される:
*SCIに含まれるエントリポイント情報の数を記述したSC_EPI_Ns;
*セルが参照するSOBの数を記述したSOB_N;
*DVDストリーム記録PAT記述フォーマットによりセルの開始アプリケーションパケット到着時間(開始APAT)を記述したSC_S_APAT;
*DVDストリーム記録PAT記述フォーマットによりセルの終了アプリケーションパケット到着時間(終了APAT)を記述したSC_E_APAT(この終了APATは該当セルに属する最後のアプリケーションパケットのAPATである);
*少なくとも1つのSOBU境界(該当セルタイプC_TYのTEフィールドが「10b」)を含む「仮消去」状態のセルに対して、最初のSOBU(その始まりが仮消去状態セルに含まれるもの)の最初のアプリケーションパケットのAPATを記述したERA_S_APAT;
*少なくとも1つのSOBU境界(該当セルタイプC_TYのTEフィールドが「10b」)を含む「仮消去」状態のセルに対して、該当SOBU(仮消去状態セルのすぐ後に続くアプリケーションパケットを含むもの)の最初のアプリケーションパケットのAPATを記述したERA_E_APAT。
【0084】
記録時の信号の流れは、STB部で受け取ったTSパケットデータは、フォーマッタ部で、パック化されて記録される。このとき、各情報の有無を検知し、ワークRAMに保存し、記録終了時に、管理情報として記録する。
【0085】
サポート情報(Support Information)には、図7(b)に示すように、ビットb0にランダムアクセスを許可するか否かを示すランダムアクセスインジケータサポートフラグが記録され、ビットb1にはユニット単位でスタートを許可するか否かを示すユニットスタートインジケータサポートが記録される。また、ビットb2にはPAT(Program Association Table)およびPMT(Program Map Table)がサポートされているか否を示すPAT・PMTサポートが記録され、ビットb3には再生クロックリファレンスPCRがサポートされているか否を示すPCRサポートが記録され、ビットb4にはスプライスカウントダウンSCDがサポートされているか否を示すSCDサポートが記録され、ビットb5からb7には、記録したST部の識別コードが記録されている。
【0086】
識別コードには、例えば、BSデジタル放送のSTB(001)、ディレクトTVのVer2のSTB(010)およびスカイパーフェクトTVのVer1のSTB(011)がある。
【0087】
また、再生時は、ディスクから読み出したパックデータを分離部で解析し、TSパケットが入っているパックの場合には、TSパケット転送部へ送る。TSパケット転送部は、STB部からのリクエストに従って、STB部へTSパケットのみを転送する。
【0088】
図8に示されるように各セル再生情報(C_PBI)(またはストリームセル情報SCI)にさらにサポート情報が記述されることが好ましい。
【0089】
すなわち、図8に示すように、相対バイト位置(Relative Byte Position RPB)による表現でセル再生情報(C_PBI)の0バイト目トには、セルタイプ等のセルカテゴリ(C_CAT)(またはセルタイプC_TY)が記録され;RBPで1から4バイト目には当該セルの先頭記録時のSTCの値或いはPCRが記述されるセル到着時間(C_ARL_TM: Cell Arrival Time)が記録され;RBPで5から8バイト目にはセル内の最初のVOBUの先頭アドレス(C_FVOBU_SA)が記述され;RBPで9から12バイト目にはセル内の最後のVOBUの先頭アドレス(C_LVOBU_SA)が記述され;RBPで13から16バイト目にはセル内の最後のVOBUの終了アドレス(C_LVOBU_EA)が記述されている。
【0090】
また、RBPで17から18バイト目にはトランスポートストリームパケット(TSパケット)の長さを示すTSパケット長(TS Packet Length)が記述されている。
【0091】
また、このセル再生情報(またはSCI)には、RBPで19から22バイト目にサポート情報としてIピクチャの数(REFPIC_Ns)(またはアクセスユニット数AU_Ns)が記録されている。
【0092】
さらに、このセル再生情報(またはSCI)には、RBPで23バイト目以降に、Iピクチャの先頭アドレス(REFPIC_SA#1〜#n)(またはアクセスユニット開始マップAUSM)およびIピクチャの最後のアドレス(REFPIC_EA#1〜#n)(またはアクセスユニット終了マップAUEM)が次々と記録されている。
【0093】
上記REFPIC_SA#(Iピクチャ開始位置)は後述するAUSM(Access Unit Start Map)に対応している。このAUSMは、ストリーマオブジェクト(SOB)のデータユニット(SOBU)のどれがアクセスユニット(AU)を含んでいるかを示している。
【0094】
また、上記REFPIC_EA#(Iピクチャ終了位置)は後述するAUEM(Access Unit End Map)に対応している。このAUEMは、AUSMと同じ長さのビットアレイである。このAUEM内のbitsは、どのSOBUが該当SOBのアクセスユニットに伴うビットストリームセグメントの末尾を含むのかを示している。
【0095】
なお、上記SOBおよびSOBUはストリーマにおいて用いられる名称であり、DVDビデオ(DVD_RTR)で用いられるVOBおよびVOBUという名称に対応する立場にある。
【0096】
ストリーマは送られてくるビットストリームをそのまま記録するもので、その内容には関知しない(つまりストリーマは記録内容を知らない)。
【0097】
ストリーマで記録されるビットストリームがMPEG2のトランスポートストリームの場合、Iピクチャ位置からデコードが開始される。この場合、あるIピクチャと次のIピクチャとの間の位置にタイムサーチされると(つまりタイムスタンプのみでアクセスすると)、その位置にはIピクチャがないので、その後のIピクチャが検出されるまでデコード開始が遅れてしまう(つまり、出画タイミングが遅れる)。
【0098】
一方、ストリーマにおけるアクセス単位としてデータユニット(SOBU)を用いると、SOBU単位でIピクチャの先頭位置/終了位置が分かる(AUSMとAUEMで分かる)ので、MPEGトランスポートストリームを用いたタイムサーチにおいてIピクチャ位置がすぐに分かる。
【0099】
すなわち、SOBUをアクセス単位に用いれば、タイムサーチにおいてIピクチャ位置がすぐに分かるので、デコード開始を素早くでき、かつスムースな早送り(ファーストフォワードFF)および早戻し(ファーストリバースFR)も可能となる。
【0100】
図8では、TSパケット長が記述されているが、常に188バイトのTSパケットが次々に転送されている場合には、このTSパケット長が判らなくても問題はない。しかしながら、放送局の都合でストリーマに送られるTSパケットが188バイト以上のパケットが送られてくる可能性がある。この実施の形態では、このような特別な場合をも考慮してパケット長を設定できるようにしている。
【0101】
すなわち、ディスクからデータを読み出した後にパック内のデータパケットをこのTSパケット長で切り分けることにより、各パケットに切り分けることができるようにしている。
【0102】
なお、MPEGのトランスポートストリームにおけるTSパケットサイズ(188バイト)、DVDビデオ(DVD_RTR)のプログラムストリームおけるパケットサイズ(2048バイト)、その他のパケットサイズ(nバイト/パケット)に対応したものをストリーマの記録対象として考える場合には、アプリケーションストリームという上位概念的なビットストリームを用いる。
【0103】
次に他の例として、現在提唱されている録再ビデオフォーマットにおいてサポート情報を管理情報に記録する場合の例について説明する。
【0104】
図9は、そのフォーマットの概略を示す。符号50は記録消去再生可能なRAMビデオであり、図9(a)に示すディスクの記録領域は、図9(b)に示すように、リードイン20およびリードアウト21との間に定められている。その領域には、ボリュームおよびファイル管理情報領域22およびデータ領域23が設けられている。
【0105】
データ領域23は、図9(c)に示すように複数のDVD領域24に区分され、各DVD領域24は、図9(d)に示すように制御情報25並びに図2に示す構造を有するビデオオブジェクト31から構成されている。制御情報25は、図9(e)に示すようにVOB一般情報(VOB_GI)(またはストリームファイル一般情報SF_GI)27並びに多数のVOBU情報(VOBUI)(またはストリームオブジェクト情報SOBI)29を含むVOBU情報テーブル(またはストリームファイル情報SFI)28から構成されている。
【0106】
VOB一般情報(VOB_GI)(またはSF_GI)27には、図9(f)に示されるように、VOBU_Ns(またはSOBI_Ns)、VOBIエンドアドレス(またはSOBU_SIZ)、サポート情報、その他が記録される領域が設けられている。
【0107】
すなわち、RBPで0から3バイト目にはVOBUの数(VOBU_Ns)またはSOBIの数(SOBI_Ns)が記録され;RBPで4から7バイト目にはVOBIのエンドアドレス或いはVOBIのサイズすなわち長さが記録され;RBPで8バイト目には図7(b)に示したと同様のサポート情報が記録される。さらに、RBPで9バイト目には消去禁止フラグ(ARCHIVE Flag)を記録することができる。
【0108】
図9(e)に示されるVOBUI(またはSOBI)29には、図10に示されるサポート情報を記録できる。
【0109】
すなわち、RBPでVOBUI(SOBI)29の0から3バイト目にはVOBUのスタートアドレスが記録され;RBPで4から7バイト目にはVOBUのエンドアドレス或いはその長さが記録される。
【0110】
また、RBPで8から11バイト目には当該VOBUの先頭が記録される際のシステムタイムクロックSTC或いはプログラムクロックリファレンス(PCR:Program Clock Reference)がVOBU_RECTMとして記録され;RBPで12から13バイト目にはTSパケットの長さを示すTSパケット長(TS Packet Length)が記述されている。
【0111】
また、RBPで14から17バイト目には、Iピクチャの数(REFPIC_Ns)が記録されている。
【0112】
さらに、RBPで18バイト目以降には、次々に、Iピクチャの先頭アドレス(REFPIC_SA)および最後のアドレス(REFPIC_EA)が記録されている。
【0113】
ここで、Iピクチャが常に先頭に配置されるようにVOBUが複数のTSパケットの集合に区分される場合には、VOBUの区分する際に、Iピクチャのアドレスが用いられる。
【0114】
図10の上記REFPIC_SA#は前述したAUSM(Access Unit Start Map)に対応し、上記REFPIC_EA#は前述したAUEM(Access Unit End Map)に対応している。
【0115】
このようにVOBU内でIピクチャが常に先頭に配置される例では、Iピクチャのスタートアドレスは、記述する必要が無く、Iピクチャのエンドアドレスのみが記述されればよいこととなる。
【0116】
次に、上述したTSパケットに含まれる管理データを上述したテーブルに記録する場合の例として、次の5つの情報について説明する。
【0117】
第1の情報は、図1(c)に示されるTSパケットヘッダ内に含まれるランダムアクセス表示(ランダムアクセスインジケータ)で、これは、Iピクチャの先頭のデータが含まれるTSパケットの場合にアクティブとなる。
【0118】
このフラグにより、Iピクチャの先頭の位置が特定できる。これをフォーマットに反映する場合には、二つの方法がある。
【0119】
第1の方法は、図11(a)に示すように、VOBU(またはSOBU)33に区分する際にこの情報を使用してフォーマットする場合である。
【0120】
これにより、VOBU(SOBU)の先頭が常にIピクチャの先頭と一致するため、VOBU(SOBU)毎の再生が容易にできることになる。この場合、図11(a)に示すように常にIピクチャのデータをVOBU(SOBU)内の先頭に位置させるために、必要に応じてパディングパケットがVOBU(SOBU)内に挿入される。
【0121】
また、第2の方法として、図8および図10に示すように各Iピクチャの先頭位置を管理領域に記録することにより、後に説明するFF或いはFR等の特殊再生等に利用できる。
【0122】
実際のシステムでは、Iのスタートアドレスだけでは、STB部からのIデコード終了割り込みを利用する必要があることから、STB部へ余分なデータが流れてしまい、効率が悪い。
【0123】
そこで、さらに、第2の情報として、図1(b)に示すユニット開始表示(ユニットスタートインジケータ)をサポートする。
【0124】
すると、Iピクチャのエンドアドレスが特定できるため、さらに、無駄なデータの読み出しをしないファーストフォワードFF或いはファーストリワインドFR等の特殊再生を実現することができる。
【0125】
このユニットスタートインジケータによって各ピクチャのスタートアドレスが特定できる。Iピクチャのエンドアドレスは、図8および図9に示すように管理情報として書き込まれる。
【0126】
また、ここで、本実施の形態では、アドレス情報として、論理ブロックアドレスを使用している。これは、エラー情報などにより、実際の物理アドレスとは、スキッピングなどを行うため、一致しない。特にDVD−RAMなどの場合には、傷や指紋などの汚れによっても、エラーは発生するため、さらに違ってくる。そのため、論理ブロックアドレスはファイルシステムなどにより、物理アドレスへと変換される。
【0127】
また、アドレス情報として考えられるものとしては、論理ブロックアドレスだけでなく、例えば、転送時間で示し、その時間情報から対応表を用いて、論理ブロックアドレスに変換し、さらに、物理アドレスに変換する方法なども考えられる。つまり、アドレス情報とは、対応表などを参照して、または、計算などを介して、物理アドレスに変換でき得る情報を指す。
【0128】
第3の情報は、図1(d)、図11(c)、図13(a)〜(c)に示されるTSパケットヘッダ内に含まれるスプライスカウントダウン(SCD: Splice CountDown)で、これにより、編集可能な位置を特定できる。つまり、この単位で、論理的な最小単位(DVDでは、CELLが該当する。)を区切れば、そこからの編集に利用できる。
【0129】
そのため、図12(a)および図13(a)に示すように、SCD=0のTSパケットを先頭にしたTSパックがセルの先頭にくるように調整する。こうしてセルをアラインすることにより、図13(b)に示すようにセル単位での編集が可能となり、さらに、図13(c)に示すように編集後でも、セル間でのシームレス再生が可能となる。
【0130】
第4の情報は、図1(d)に示されるPCRを利用して、図8および図10に示すようにセルまたはVOBUの再生時間を表示する方法である。
【0131】
ここで、PCRはTSパケットの転送到着リファレンス時間を示しており、毎TSパケットについているわけではない。が、TSストリームは、リアルタイムに再生されるべきデータであるため、再生時間とほぼ同じ時間を示す可能性が高い。しかしながら、再生時間に関しては、ペイロードに含まれているために、スクランブルを解かない限り利用できないため、録再DVDストリーマでは、利用できない。
【0132】
このため、PCR情報とその時間データを取り込むSTCを利用して、再生時の表示を行う。これにより、だいたいの再生時間が表示できるようになる。ただし、PCRをサポートしていない場合には、再生を開始した時をSTC=0とし、その後カウントを開始してその時々のSTCの値を再生時間とする。
【0133】
第5の情報は、図11(b)、図12(a)〜(c)のPAT、PMTパケットで、これらのパケットには、番組を再生すべき各データのPIDが記録されている。これらは、数100ms〜数s間隔で挿入されており、番組を途中から再生する場合には、このデータにより再生が開始される。
【0134】
そのため、これを利用して、図11(b)、図12(a)〜(c)に示すように、データの区切りとして使うことができる。
【0135】
ここで、DVD―ビデオフォーマットに合わせて考えると、次の4種類の切り分けに利用できる。
【0136】
まず、第1に、図11(b)に示すように、VOBU(またはSOBU)の先頭をPATパケットの先頭と合わせることにより、VOBU(SOBU)毎の途中再生が可能となる。ただし、ここで、問題なのは、PATの後のビデオデータが必ずしもIピクチャから始まっているとは限らないため、Iピクチャを見つけるまで、若干のタイムラグ生じる可能性がある。そのため、VOBU(SOBU)に関しては、前記Iピクチャでの切り分けの方が望ましいと考えられる。
【0137】
第2に、図12(a)に示すように、セルの先頭をPATパケットの先頭と合わせることにより、セルの区切りとする。ただし、PATの出現頻度が、数100ms〜数sオーダーであるため、数PATおきにセルの区切れを設定することになる。しかしながら、この方法では、編集点を基準にしていないため、編集などを行うと、連続性を損なわれ、シームレスな再生は保証できなくなる。そのため、前記のSCDによるセルの切り分けの方が望ましい。
【0138】
第3に、図12(b)で示すように、プログラムの切り分けをPATにより、行うことが考えられる。これにより、PGジャンプ、PGSKIPなどが対応できるようになる。ただし、PATの出現頻度が、数100ms〜数sオーダーであるため、数十〜数百PATおきにプログラムの区切れを設定することになる。
【0139】
第4に、図12(c)で示すように、PGCの切り分けをPATにより、行うことが考えられる。これにより、PGCジャンプ、PGCSKIPなどが対応できるようになる。ただし、PATの出現頻度が、数100ms〜数sオーダーであるため、数百〜数千PATおきにPGCの区切れを設定することになる。
【0140】
また、STB部の識別コードは、接続されているSTB部の受信できるデジタル放送の種類を示している。これにより、再生時に、接続しているSTB部を調べ、記録時と同じSTB部を選択して再生することができる。さらに、このコードで、再生時間の表示に関する動作を代えることもできる。
【0141】
STB部が再生時間をレコーダに出力する命令をサポートしている場合には、定期的に再生時間をSTB部より取り込み、表示する。この値が再生時間としては一番、正しいことになる。
【0142】
次に、図14を参照して衛生放送に対応可能なDVD録再機のシステム構成について説明する。
【0143】
図14において、符号50は、RAMディスクであり、このRAMディスク50は、ディスクドライブ部51で駆動され、また、ディスクドライブ部51によってデータプロセッサ(D−PRO)52との間でデータが授受される。データプロセッサ52には、データを一時的に保存する一時記憶部53が接続されている。
【0144】
図14の録再機は、MPEGのビットストリームおよび/または通常ビデオ信号を、記録/再生できるように構成されている。これらのビットストリームおよびビデオ信号は、単独で、あるいは混在して記録可能となっている。
【0145】
図14のシステムのデコーダ部59は、メモリを有する分離部60を含み、この分離部60には、データプロセッサ52から再生データが転送される。
【0146】
再生データは、分離部60でビデオデータ、副映像データおよびオーディオデータ(いずれもパケットデータ)に分離され、ビデオデータは、縮小画像(サムネールピクチャ)生成部62を有するビデオデコード部61に転送され、副映像データおよびオーディオデータは、副映像デコーダ63およびオーディオデコーダ64にそれぞれ転送される。
【0147】
これらビデオデコード部61および副映像デコーダ63でデコードされたビデオデジタル信号および副映像デジタル信号は、ビデオプロセッサ(V−PRO)部65で合成されてビデオミキシング部66に供給される。ビデオミキシング部66は、ビデオデジタル信号をフレーム毎に一時的に記憶するフレームメモリ73に接続され、外部から供給されたテキストデータ等がビデオフレーム中に合成処理されてビデオデジタル信号がD/A変換器67に供給され、D/A変換されたビデオ信号がTVモニタ68に出力される。ビデオデジタル信号は、インターフェース69を介して外部に取り出すことができる。
【0148】
また、オーディオデコーダ64からのオーディオデジタル信号は、D/A変換器70に供給され、D/A変換されたオーディオ信号がスピーカ72に出力される。オーディオデジタル信号は、同様にインターフェース71を介して外部に取り出すことができる。
【0149】
なお、ビデオデコード部61の縮小画像(サムネールピクチャ)生成部62は、主MPU80からの縮小ONの命令に基づいて転送されたビデオデータの縮小画像のビデオ信号を生成し、これをビデオプロセッサ部65に供給してTVモニタ68に縮小画像を表示することができる。主MPU80には、外部から指令、例えば、再生(PLAY)、停止(STP)、記録位置に関するマークを付すマーカ等の指示をするためのキーを備えたキー入力部103および表示部104が接続されている。
【0150】
図14に示されたシステムのエンコーダ部79には、外部のAV機器81或いはTVチューナ82からAV入力が可能であり、また、STB部83からデジタル放送データが入力可能である。STB部83には、デジタル放送データを受信する衛星放送アンテナが接続されている。
【0151】
外部のAV機器81或いはTVチューナ82からのAV信号は、A/D変換器84でデジタル化され、デジタルオーディオ信号は、オーディオエンコーダ部86に供給され、デジタルビデオ信号は、セレクタ85を介してビデオエンコーダ87に供給され、MPEG圧縮される。
【0152】
文字情報等の字幕情報がTVチューナ82から出力されている場合には、この字幕情報は、副映像エンコーダ88に供給され、ランレングス圧縮される。
【0153】
エンコーダ部86、87、88でエンコードされたデータは、バッファメモリ部91が接続されているフォーマッタ部90に供給され、このフォーマッタ部90でパケットヘッダが付されたビデオパケット、オーディオパケット並びに副映像パケットに格納され、さらにパックヘッダが付されてパック構造に変換される。
【0154】
これらパックは、図2(d)に示すようにVOBU(SOBU)単位にまとめられ、さらに、多数のVOBU(SOBU)でセルに構成され、セルの集合としてのビデオオブジェクトVOB(SOB)に、また、必要であれば、ビデオオブジェクトセットが定められる。
【0155】
これらのフォーマットの過程で、TVチューナ82で発生される切り分け情報を参照して、管理情報がフォーマッタ部90で生成される。例えば、切り分け情報を参照してPGC情報が作成される。
【0156】
生成された管理情報およびパックデータは、データプロセッサ部52に送られ、データプロセッサ部52において主MPU80の管理データ作成部80Bで作成され、この管理データ作成部80Bから与えられた管理データテーブルに生成された管理情報が格納され、ディスクドライブ部51を介して光ディスク50に管理データと共にパックデータが記録される。
【0157】
STB部83からは、選択した番組、すなわちタイトルに相当するMPEG2トランスポートストリームが直接フォーマッタ部90に供給され、図1に示すようにフォーマットされると共に管理情報が生成され、データプロセッサ部52において管理情報が所定の管理データテーブル内に格納され、この管理データテーブル並びにトランスポートパケットは、同様にディスクドライブ部51を介して光ディスク50に記録される。
【0158】
STB部83は、デコーダを内臓し、TSパケット内のAVデータがデコードされてそれぞれオーディオ信号並びにビデオ信号に変換され、オーディオ信号並びにビデオ信号は、それぞれD/A変換器70、67を介してスピーカ72およびTVモニタ68に供給される。
【0159】
光ディスク50に供給されたTSパック34は、データプロセッサ部52およびディスクドライブ部51を介してデコーダ部59の分離部60に供給され、分離部60では、ストリームID並びにサブストリームIDを参照してその内のパケットデータがTSパケットデータである旨を検知し、そのTSパケットをTSパケット転送部100に分配することとなる。
【0160】
TSパケット転送部100は、TSパケット38をSTB部83に所定の転送タイミングを供給することとなる。このTSパケット内のデータは、STB部83でデコードされ、デコードされたオーディオ信号並びにビデオ信号は、それぞれD/A変換器70、67を介してスピーカ72およびTVモニタ68に供給される。
【0161】
なお、上述した記録再生動作は、デコーダ部59並びにエンコーダ部79は、システムタイムクロック102の管理下でデータの転送等が実行される。
【0162】
次に、録画処理および再生処理について図15から図23を参照して説明する。
【0163】
始めに録画時のデータ処理について図15、図16および図17に示すフローチャートを参照して説明する。
【0164】
まず、ステップS10でMPU部80がキー入力部103から録画命令受けると、録画処理が開始される。
【0165】
ステップS11でドライブ部51によって光ディスク50から管理データが読み込まれ、ステップS12で示すように空き容量があるかがチェックされる。空き容量がない場合には、ステップS13に示すように空き容量がない旨の表示が表示部103に表示され、ステップS14に示すように処理が終了する。
【0166】
空き容量がある場合には、ステップS15に示すように空き容量に相当する領域中に書き込み領域を決定する。すなわち、書き込みアドレスが決定される。次に、決定された領域に録画データを書き込むために管理領域にそのアドレスを書き込み、ビデオデータの書き込みスタートアドレスをドライブ部51に設定し、データを記録する準備を行う。次に、ステップS16に示すようにSTB部83からEPG(Electronic Program Guide)を読み出す命令を出す。
【0167】
MPU部80からの要求に応じてSTB部83は、そのときの最新のEPGを用意する。すなわち、STB部83は、最新のEPGを受信し、ワークメモリに保存する。受信した、或いは、STB部83内のワークメモリに保存してあるEPGデータは、MPU部80に返信される。
【0168】
MPU部80は、ステップS17に示すようにそのEPGデータを表示してユーザに記録する番組を選ばせることとなる。その後、記録する番組が決定されると、ステップS18に示すようにMPU部80は、STB部83に対してサポート情報を出力する命令を出し、STB部83からサポート情報がMPU部80に取り込まれる。また、この時にサポート情報とともにSTB識別コードもSTB部83からMPU部80に取り込まれる。サポート情報は、MPU部80内のサポート管理情報検出部80Cで検出される。
【0169】
このとき、サポート情報がSTB部83内に無い場合には、録画中に、該当の情報があるかどうかがチェックされて、該当情報がその代用となる。MPU部80は、STB部83へ録画する目的の番組を指定し、受信を開始させる。
【0170】
MPU部80は、ステップS19に示すように光ディスク50の管理領域に管理情報を書き込む指示をする。すなわち、VMGIにVTSを登録し、ビデオタイトルセットのための管理データテーブルとしてのVTSIが作成されてこれにサポート情報が書き込まれる。あるいは、ステップS19において、図6のSTR_VMGIが作成される。
【0171】
なお、DVD_RTR(アナログビデオを内部でMPEGデータに変換してリアルタイムレコーディングを行なうシステム)では、上記VMGIおよびVTSIの役割は、RTRビデオマネージャ情報(RTR_VMGI)に統合されている。よって、DVD_RTRレコーダをストリーマとして利用するときは、VMGIおよびVTSI(またはSTR_VMGI)を、適宜RTR_VMGIに読み変えればよい。
【0172】
MPU部80は、ステップS20に示すように録画のための初期設定としてSTC部102の時間をリセットする。ここで、STC部102はシステムのタイマーでこの値を基準に録画並びに再生が実行される。また、ファイルシステムにVMGおよびVTSファイルのデータを書き込み、VMGIおよびVTSIに必要な情報を書き込む。
【0173】
このとき、サポート情報が判明している場合には、その判明しているサポート情報が書き込まれる。さらに、各部へ録画設定を行う。このとき、フォーマッタ部に図11から図13を参照して説明したような各データの区切りを設定し、また、TSパケットを受け取る設定がなされる。
【0174】
録画を開始する際には、図16のステップS21に示すように録画開始の設定が各部になされる。具体的には、フォーマッタ部90に録画開始の命令が与えられ、フォーマッタ部90で録画開始されて録画データのフォーマット作業が開始される。
【0175】
録画が開始されると、フォーマッタ部のバッファRAMが一杯になる前に定期的にMPU部80は、ステップS22に示すように切り分け情報、すなわち、図11から図13を参照して説明したデータの区分け情報の更新の入力があるかをチェックし、ある場合には、ステップS23に示すようその切り分け情報がMPU部90のワークRAM90Aに保存される。
【0176】
切り分け情報の保存後、或いは、切り分け情報の更新がない場合には、ステップS24ー1において録画終了のキー入力があったかがチェックされる。録画終了のキー入力がある場合には、ステップS28の録画終了の処理が実行される。録画終了のキー入力がない場合には、ステップS24ー2に示すように光ディスク50中の空き領域の容量がチェックされ、残り容量が算出される。
【0177】
この残り容量が所定の値以下になったかがステップS25においてチェックされる。所定値に以下となっていない場合には、再びステップS24に戻され、定期的に残り容量がチェックされる。残り容量が所定値以下になった場合には、ステップS26において残り残り容量が少ない処理がなされる。
【0178】
その後、ステップS27において録画可能容量がないかがチェックされる。録画可能容量が十分であれば、再びステップS22に戻され、ステップS22からS26が繰り返される。
【0179】
録画可能容量がない場合には、ステップS28に示す録画終了処理が実行される。この録画終了処理においては、フォーマッタ部90から残ったデータに対する切り分け情報が取り込まれ、その情報がワークRAM80Aに追加され、それらのデータが管理データ(VMGI、VTSI;またはRTR_VMGI;もしくはSTR_VMGI)に記録されるとともにファイルシステムに記録したデータに対する情報が記録される。その後、ステップS29に示すように録画動作が終了される。
【0180】
図14に示したシステムにおける録画動作におけるビデオ信号の流れについて詳述すれば、次のようになる。
【0181】
まず、STB部83から入力されたTSパケットがフォーマッタ部に入力される。ここで、STCの値から、転送開始からの時間を読み込み、その時間を管理情報として、バッファRAM91に保存される。この情報は、切り分け情報と共に、MPU部80に送られ、管理情報に記録される。また、切り分け情報としてVOBU(またはSOBU)の切り分け情報、セルの切り分け情報、プログラムの切り分け情報、PGCの切り分け情報が作成され、定期的に、MPU部80に送られる。
【0182】
ここで、VOBU(SOBU)の切り分け情報としては、VOBU(SOBU)の先頭アドレス、VOBU(SOBU)の再生時間、Iピクチャのスタートアドレスおよびエンドアドレスがある。Iピクチャのスタートアドレスには、TSパケット内のランダムアクセスインジケータがアクティブになっているTSパケットが記録されているパックのアドレスが設定される。
【0183】
Iピクチャのエンドアドレスには、ランダムアクセスインジケータがアクティブになった後に、TSパケット内のユニットスタートインジケータがアクティブになっているTSパケットの直前のビデオデータが格納されるTSパケットがIピクチャのエンドパケットであるのでこのTSパケットが記録されているパックのアドレスが設定される。
【0184】
また、VOBU(SOBU)の再生時間には、VOBU(SOBU)の転送開始から転送終了までの時間で代用される。
【0185】
フォーマッタ部90は、バッファメモリ部91にTSパケットデータを一時保存し、その後、入力されたTSパケットデータをパック化して、図2(e)に示すようなパック列になるようにフォーマットして、D−PRO部52に入力する。
【0186】
D−PRO部52は、16パック毎にまとめてECCグループとして、エラー訂正データを付加してドライブ部51へ送る。ただし、ドライブ部51がディスクへの記録準備ができていない場合には、一時記憶部53に転送し、データを記録する準備ができるまで待ち、用意ができた段階で記録を開始する。ここで、一時記憶部53は、高速アクセスで数分以上の記録データを保持するため、大容量メモリが想定される。
【0187】
ただし、マイコンは、ファイルの管理領域などを読み書きするために、D−PRO部52へマイコンバスを通して、読み書きすることができる。
【0188】
ここで、録画終了時に、消去禁止フラグ(プロテクトフラグあるいはアーカイブフラグ)をクリアし、消去許可とする。つまり、記録初期時には、消去を可能としている。
【0189】
次に、再生時のデータ処理について図17および図18を参照して説明する。
【0190】
MPU部80が再生命令を受けると、ステップS30に示すように再生処理が開始される。ステップS31に示すようにディスク50がディスクドライブ部51で検索されてディスク50のチェックが実行される。
【0191】
ディスク50のチェックにおいて、ディスク50に欠陥等がある場合には、ステップS32でエラー処理が施されてステップS33に示すように再生が終了される。
【0192】
ディスク50に問題がなければ、ステップS34に示すように接続されているSTB部83がチェックされ、その識別コードが取り込まれる。その後、ステップS35に示すようにディスク50の管理領域がディスクドライブ部51で検索されてD−PRO部52を介してその管理情報(VMGI、またはSTR_VMGIを含むSTRI)が読み込まれ、ステップS36に示すように再生するタイトルセット(または1以上のPGC)を選択することが可能となる。
【0193】
ステップS36で再生するタイトルセット(PGC)がユーザによって決定されてそのアドレスが決定されると、MPU部80は、次にドライブ部51に決定されアドレスのリード命令を送ることとなる。従って、ステップS37に示すように決定されたタイトルセット(PGC)のVTSI(またはSTR_VMGI)が読み込まれ、その内のPGCI(またはプレイリストサーチポインタ)がワークRAM80Aに保存される。
【0194】
ここで、ステップS38に示すように選択されたタイトルセット中から接続されているSTB部83に対応するタイトル、或いは、PGC(プログラムPGでも良い。)の全てが表示される。この表示に基づいて、ユーザは、ステップS39に示すように再生するタイトル、或いは、PGC(または、プログラム)を選択し、決定することとなる。
【0195】
その後、ステップS40に示すように図7または図9に示される管理情報内のサポート情報が読み出され、サポート情報に基づく各部のセットが実行される。すなわち、ステップS41に示すようにランダムアクセスインジケータがサポートされているかが確認され、サポートされていれば、ステップS42に示すようにIピクチャに基づくFFおよびFRの特殊再生を許可する旨のフラグがセットされる。
【0196】
ランダムアクセスインジケータがサポートされていない場合には、ステップS43に示すようにPATがサポートされているかが確認される。PATがサポートされていれば、ステップS44に示すようにPATに基づくFFおよびFRの特殊再生を許可する旨のフラグがセットされる。PATもサポートされていない場合には、ステップS45に示すようにFFおよびFRの特殊再生を禁止する旨のフラグがセットされる。
【0197】
サポート情報に基づくセットが終了すると、ステップS46に示すように再生を開始するプログラム番号およびセル番号が決定される。MPU部80は、STB部83に対して内部バスを介してTSパケットを再生する命令を送ることとなる。また、MPU部80は、分離部60に対してTSパケットをSTB部83に送る初期設定を実行するとともにVミキシング部66に対してSTB部83から送られるビデオ信号を表示処理可能に設定する(図18のステップS47)。
【0198】
ドライブ部51は、MPU部80から送られた命令に従って、すなわち、決定されたプログラム番号およびセル番号に従って、ディスク50からセクタデータが読み出される。そして、D−PRO部52において読み出されたデータのエラーが訂正され、パックデータとしてデコーダ部59に出力される。
【0199】
デコーダ部59においては、分離部60は、そのストリームID並びにサブストリームIDからTSパケットである旨を判断してTSパケットをTSパケット転送部100に送り、TSパケットは、STB部83に転送される(ステップS47)。
【0200】
ここで、STB部83は、送られたTSパケットをデコードすることになる。通常放送受信の場合には、送られたデータをそのまま書き込んでいたが、内部バスによるデータの受け渡し時には、REC信号、ACK信号を用いて、次のようにする。すなわち、STB部83が消費するバッファが空いた際にREC信号をアクティブにする。そして、分離部60でデータの転送の用意ができたら、バスにデータを流す毎にACK信号をアクティブにする。こうすることで、STB部83よりデータ転送の要求があった際に、データを転送するようにしている。
【0201】
送られたTSパケットデータは、STB部83で再生され、ビデオデータは、Vミキシング部66を経由してTV信号に変換され、TVモニタ68に表示される。オーディオ信号もD/A部90に送られ、音声に変換され、スピーカ72から再生される。
【0202】
再生中、定期的にPCRのデータがSTCにセットされ、STCの内容が再生時間として表示される。また、STB部83から再生時間を転送することができる場合には、定期的に再生時間データが転送され、表示される。ただし、STB部83で、ビデオデータ内のPTSを基に再生時間を表示できる場合には、その再生時間が表示に使用される。
【0203】
再生時には、図18のステップS48に示すようにセルを単位として処理される。MPU部80は、セル再生処理後エラー等が原因でドライブ部51が停止していないかどうかを、常にチェックしている(ステップS49)。ドライブが停止されている場合には、ステップS50に示すようにその再生動作が終了される。
【0204】
ドライブ部51が動作している間は、常に最終セルか否かがチェックされ(ステップS51)、最終セルでない場合には、セル番号がステップS52に示すようにカウントアップされてステップS48に示すセル再生処理に戻される。
【0205】
ステップS51において最終セルに達すると、再生終了かがステップS53においてチェックされ、再生終了でない場合には、再度ステップS48に戻され、他のプログラム(または他のプレイリスト)或いはPGCのセルの再生が開始される。
【0206】
ステップS53において、再生終了である場合には、再生終了に伴う処理がステップS54で実行され、その後、ステップS55に示すように再生動作を終了する。
【0207】
次に、図18に示したセル再生時の処理の詳細について図19を参照して説明する。
【0208】
始めに、図18のステップS48に相当するセル再生時の処理が図19のステップS60に示すように開始されると、ステップS61に示すようにセルの再生処理開始の要求があるかがチェックされる。セル再生処理の要求がない場合には、ステップS62でVOBU(またはSOBU)が連続しているか否かがチェックされる。
【0209】
VOBU(SOBU)が連続している場合には、ステップS65に示すようにFFキーが入力されたかがチェックされる。
【0210】
VOBU(SOBU)が連続していない場合には、ステップS63に示すようにPGCI(または図10のSOBI)が参照されて再生開始アドレス(論理ブロック番号LBN)が決定される。そして、ステップS64に示すように、このアドレスでドライブ部51にデータ読み出しの命令が出され、ドライブ部51が検索を開始することとなる。
【0211】
その後、再生開始アドレスからセルの再生が開始され、再生中において同様にステップS65に示すようにFF再生キーが入力されたかがチェックされる。
【0212】
ステップS65においてFF再生キーが入力されている場合には、ステップS66においてFF再生が許可されているかが確認される。FF再生が許可されていない場合には、ステップS67に示すように「放送局の都合によりFF再生ができません。」の表示がなされ、ステップS71に移行される。ここで、FF動作の禁止として画面に「放送局の都合によりFFできません」との表示が出される場合とは、サポート情報にIピクチャの特定もまたPATのサポートもない場合が該当する。
【0213】
FF再生が許可されている場合には、ステップS68に示すようにFFの処理が実行される。FF処理の実行中にエラー等が原因でドライブ51が停止したか否かがチェックされ(ステップS69)、ドライブ51が停止された場合には、ステップS70に示すようにFF処理並びに再生処理が終了される。
【0214】
ステップS65においてFF再生キーが入力されていない場合には、また、ステップS67においてFF不可の表示がなされた場合には、あるいはステップS69においてドライブ51が停止していない場合は、ステップS71に示すようにSTB部83が再生時間を出力するタイプであるかがチェックされる。
【0215】
STB部83が再生時間を出力するのであれば、ステップS72に示すようにSTB部83から出力される再生時間が表示される。STB部83が再生時間を出力しない場合には、ステップS73に示すようにサポート情報を参照して転送されてくるTSパケットの管理データ中に時刻情報が記述されたPCRがあるかが確認される。
【0216】
PCR対応であれば、ステップS75に示すようにそのTSパケットの管理データ内のPCRの値が表示されてステップS76に移行される。PCR対応でなければ、STC部102の時刻が表示(ステップS74)されてステップS76に移行される。
【0217】
ステップS76においては、セルが最後に相当するかが確認され、最後のセルでない場合には、再びステップS65に戻されて再びステップS65からステップS75が実行される。
【0218】
セルが最後に相当する場合には、ステップS77に示すようにそのセル内のVOBU(またはSOBU)の再生が終了するのを待つこととなり、その後、VOBU(SOBU)の再生が終了すると、ステップS78に示すように、既に説明した図18のステップS54に移行される。
【0219】
さらに、特殊再生を図20から図23を参照して説明する。この特殊再生の実例では、FF再生に関して説明するが、FR再生に関しても同様であるので、その説明は、FF再生と同様として省略する。
【0220】
ステップS68に示すFF再生処理は、図20および図21に示すフローが実行される。
【0221】
すなわち、FF処理がステップS80で開始されると、STB部83にIピクチャのみ再生の命令が出される(ステップS81)。ステップS82に示すようにTSパケットがランダムアクセスインジケータをサポートしているか否かがサポート情報を参照して確認され、サポートしていない場合には、ステップS84に示すようにPATによるFF処理に移行される。このPATによるFF処理については、図23を参照して後に説明する。
【0222】
TSパケットがランダムアクセスインジケータをサポートしている場合には、ステップS83に示すように転送中のVOBU(SOBU)がセル中における最後のVOBU(SOBU)に相当するかが確認される。最後のVOBU(SOBU)の場合には、ステップS86に示すように次のVOBU(SOBU)中の先頭Iピクチャアドレスを読み出してステップS87に移行される。VOBU(SOBU)が最後のVOBU(SOBU)に相当しない場合には、2つ先のIピクチャスタートアドレスを読み出して(ステップS85)、ステップS87に移行される。
【0223】
ステップS87においては、ユニットスタートインジケータがサポートされているかが調べられる。
【0224】
サポートしている場合(ステップS87イエス)には、ステップS91に示すように転送割り込みフラッグがクリアされ、次のIピクチャエンドアドレスが読み出される。そして、ステップS92に示すようにドライブ部51にIピクチャのスタートアドレスおよびエンドアドレスを指定して読み込み命令が与えられてIピクチャスタートアドレスおよびIピクチャエンドアドレスでIピクチャデータが読み出される。
【0225】
ステップS93において、ドライブ部51に、データの転送終了割り込み、すなわち、ドライブ部51からの割り込みを待ち、そのIピクチャデータの転送が終了したか否かが確認される。
【0226】
転送が終了している場合には、ステップS91に戻されて次のIピクチャを再生するために再びステップS91およびステップS92が実行される。Iピクチャデータの転送が終了していない場合には、ステップS94に示すようにストップ(STOP)キー或いはプレー(PLAY)キーが押されたかが確認される。
【0227】
これらキーが押されていない場合には、再びステップS93に戻されてIピクチャデータの転送を待つこととなる。ステップS94において、キーが押さた場合には、図21に示すステップS95に移行される。
【0228】
ステップS87において、ユニットスタートインジケータがサポートされていない場合(ステップS87ノー)には、ステップS88に示すように始めにIピクチャ再生割り込みフラグがクリアされ、ドライブ部51にIピクチャのスタートアドレス、連続読みだしを指定して読み込み命令が出される。
【0229】
その後、ステップS89に示すようにIピクチャのデコード終了割り込み、すなわち、STB部83からの割り込みを待ち、割り込みがある場合には、ステップS88に戻され、再びステップS88およびステップS89が実行される。
【0230】
割り込みがない場合には、ステップS90に示すようにストップ(STOP)キー或いはプレー(PLAY)キーが押されたかが確認される。これらキーが押されていない場合には、再びステップS89に戻されてSTB部83からの割り込みを待つこととなる。ステップS90において、キーが押さた場合には、図21に示すステップS95に移行される。
【0231】
ここで、割り込み処理(図20のステップS89)については、図22に示すように実行される。すなわち、ステップS120に示すように割り込み処理が開始されると、ステップS121において割り込みの要因がチェックされる。
【0232】
この要因がドライブ部51からの転送終了割り込み処理であれば、ステップS122に示すように転送終了割り込みフラグがセットされ、STB部83からのIピクチャ再生割り込み処理であれば、Iピクチャ再生割り込みフラグがセットされる。また、タイマー割り込み処理であり、STB部83が再生時間出力対応のタイプであれば、STB部83から再生時間が取り込まれ、ワークRAMにセットされる。これらセットの後に対応するステップが実行される。
【0233】
図21のステップS95において、入力されたキーが停止の場合には、ステップS96に示すように停止命令がセットされて、ステップS97に示すように、再生終了時の処理(図18のステップS54)がされて再生が終了される。
【0234】
ステップS95において、PLAYキーが押されている場合には、ステップS98に示すように次のVOBU(SOBU)のIピクチャスタートアドレスで読み出し命令がそれぞれドライブ部51に与えられ、ステップS99に示すようにそのアドレスでデータの読み出しが開始され、次々にデータが読み出される。その後、ステップS100に示すように処理フローが図18のステップS48に戻され、FF再生の処理が終了する。
【0235】
なお、FR再生に関しては、取り出すIピクチャの位置がFFとは逆方向になっただけであり、図20および図21のフローを援用することができる。また、TSパケットの構造がパケットアクセスポインタを備える構造においては、特殊再生時に以下のような処理がなされる。
【0236】
VOBU(SOBU)がIピクチャ毎に区分されている場合には、TSパケットがVOBU(SOBU)毎にアラインされているのでパケットアクセスポインタはなくてもよい。しかしVOBU(SOBU)がIピクチャ毎に区分されていない場合には、ランダムアクセスポインタを利用して再生を実行する場合に問題が生じる。
【0237】
すなわち、Iピクチャのスタートアドレスによってパックを読み出そうとする場合には、IピクチャがVOBU(SOBU)の先頭に位置されているとは限らないことから、パックのデータ領域のスタート位置とTSパケットの区分け(スプリット)開始位置とが一致していない恐れがある。その場合には、このパケットアクセスポインタ(たとえば図3(d)の0x2e)により、TSパケットの区分け(スプリット)開始場所が決定される。
【0238】
図20に示したステップS84におけるPAT(プログラムアソシエーションテーブル)によるFF処理は、図23に示すように処理される。
【0239】
PATによるFF処理がステップS101で開始されると、ステップS102に示すように転送されたVOBU(SOBU)がセル中の最後のVOBU(SOBU)かどうかが判断される。最後のVOBU(SOBU)の場合には、ステップS104に示すように次のセルの先頭のVOBU(SOBU)のスタートアドレスが読み出される。転送されたVOBU(SOBU)が最後のVOBU(SOBU)でない場合には、ステップS103に示すように2つ先のVOBU(SOBU)のスタートアドレスが読み出される。
【0240】
次に、ステップS105に示すようにIピクチャ再生割り込みフラグがクリアされ、ドライブ部51にVOBU(SOBU)のスタートアドレスおよびエンドアドレスを指定して読み込み命令を出し、Iピクチャのデコード終了割り込み、すなわち、STB部からの割り込みを待つこととなる。
【0241】
ステップS106において、Iピクチャ再生の割り込みがある場合には、再びステップS105に戻されることとなる。Iピクチャ再生の割り込みがなく、転送が終了した後は、ステップS107に示すようにストップ或いはプレーのキー入力があったか否かがチェックされる。キー入力がない場合には、ステップS106に戻される。
【0242】
ステップS108において、入力されたキーがストップ(STOP)か否かが確認される。ストップの場合には、ステップS109においてドライブ部51に停止命令が与えられて、ステップS110に示すように、再生終了の処理(図18のステップS54)がなされる。
【0243】
入力されたキーがプレー(PLAY)の場合には、ステップS111に示すように次のVOBU(SOBU)のIピクチャスタートアドレスで読み出し命令がそれぞれドライブ部51に与えられ、ステップS112に示すようにそのアドレスでデータの読み出しがが開始され、次々にデータが読み出される。その後ステップS113に示すように図18のステップS48に戻され、FF再生の処理が終了される。
【0244】
次に、一実施の形態に係るストリームデータについて説明をする。
【0245】
図24は、ストリームデータ(図1のMPEG2トランスポートストリームに対応)のデータ構造を説明する図である。
【0246】
ストリームデータは、ストリームデータ内の映像情報のコンテンツ毎にストリームオブジェクト(SOB)としてまとまって記録されている。図24(f)ではその内の1個のSOBについて示され、SOB#A298で表現されている。
【0247】
DVD−RAMディスクにこのストリームデータを記録する場合には2048バイト毎のセクタを最小単位として記録される。さらに16個のセクタをまとめて1個のECCブロックとし、同一ECCブロック内でインターリーブ(データ配列順序の並び替え)とエラー訂正用の訂正コードの付加が行われる。
【0248】
この実施の形態では、1個もしくは複数のECCブロック単位でストリームブロックが構成される。そして、このストリームブロック単位で、ストリーム情報の記録および/または部分消去が行なわれる。この実施の形態では、何個のECCブロックでストリームブロックが構成されるかは、転送されるストリームデータの転送レートに応じて変わる。
【0249】
デジタル放送では、1個のトランスポンダに、複数の番組がパケット化された形で時分割されて転送されてくる。例えば第2の番組を情報記憶媒体に記録する場合には、図14のSTB部83で番組2のトランスポートパケット(図3のTSパケット)のみが抽出される。その時、STB部83では、各トランスポートパケットを受信した時刻情報を、タイムスタンプ(図3のATS)の形で付加する。
【0250】
その後、IEEE1394の転送方式によって図14のフォーマッタ部90にデータを転送する場合には、上記タイムスタンプ(ATS)とトランスポートパケット(TSパケット)の組が細かく分割(segmented)されて転送される。このフォーマッタ部90では、IEEE1394で転送されてきたストリームデータが図24(a)の形に一旦戻されて、図14の情報記憶媒体50に記録される。
【0251】
すなわち、各セクタの先頭には、システムクロック情報などが記録されたパックヘッダおよびPESヘッダが配置される(図24(c)、図39参照)。各ストリームブロック先頭のセクタのみ、PESヘッダの直後にストリームブロックヘッダ11が記録される。各ストリームブロックの2番目以降のセクタでは、PESヘッダの直後に、ストリームブロックヘッダではなく、セクタデータヘッダ12、13が記録される。
【0252】
図24(c)(i)のデータエリア21、22、23、24には、図24(a)に示したタイムスタンプ(ATS)、トランスポートパケットが逐次詰め込まれる。
【0253】
ただし、図24(b)の例では、1個のトランスポートパケットdが2つのセクタ(No.0とNo.1)に跨って記録されている。
【0254】
このように1つのトランスポートパケットを複数セクタに分けて記録することにより、1個のセクタサイズよりも大きなサイズを持つパケットを記録できるようになる。
【0255】
デジタル放送では、トランスポートストリームと呼ばれるマルチプログラム対応の多重・分離方式を採用しており、1個のトランスポートパケットのサイズが比較的小さい(188バイトまたは183バイト)場合が多い。
【0256】
一方、図24のデータ構造の例では、前述したように、1セクタサイズが2048バイトあり、各種ヘッダサイズを2048バイトセクタサイズから差し引いても1個のデータエリア21、22、23、24内にはデジタル放送用のトランスポートパケットが10個前後記録できる。
【0257】
それに対してISDNなどのデジタル通信網では1パケットサイズが4096バイトもある大きなロングパケットが転送される場合がある。
【0258】
この実施形態では、1個のパケットを、複数のデータエリアに連続して跨るように記録できるようになっている。こうすることで、デジタル放送などのように1個のデータエリア内に複数個のトランスポートパケットが記録される場合だけでなく、ISDNのロングパケットのようにパケットサイズの大きなパケットの場合でも記録できるようになる。
【0259】
すなわち、デジタル放送用のトランスポートパケットあるいはデジタル通信用のロングパケットなどは、パケットサイズに依ることなく、全てのパケットをストリームブロック内に端数無く記録することができる。
【0260】
ストリームブロック内に余り部分が生じた場合には、パディングデータ(データが未記録である領域と認識できる情報)が記録される。すなわち図24(b)(e)のように、ストリームブロック#1内の最後のトランスポートパケットfの後ろにエンドコード31が配置され、残りの部分がパディングエリア36とされる。
【0261】
図25は、図24に示されたストリームブロックヘッダの内部構造を説明する図である。
【0262】
図24(d)のセクタNo.1の最初のアクセスポイントの値として、セクタNo.1のデータエリア22のサイズよりも大きな値に設定することにより、セクタNo.1内に記録されたパケットの次にくるパケットに対応するタイムスタンプの位置が、次以降のセクタに存在することが示される。
【0263】
上記セクタデータヘッダと同様な情報が、ストリームブロックヘッダ11内のセクタデータヘッダ情報613(図25)にも記録されている。
【0264】
ストリームブロック全体に関する情報が記録されているストリームブロック情報612内の情報は、以下のものから構成されている:
*レコードタイム622(情報記憶媒体に記録した年月日と時刻情報);
*トランスポートパケット属性623(トランスポートパケットに関する属性情報);
*ストリームブロックサイズ624(該当するストリームブロックのデータサイズ(ECCブロック数で記載));
*ストリームブロック時間差625(該当するストリームブロック内の時間範囲情報)。
【0265】
このストリームブロック時間差は、図24(b)を例にとれば、
[ストリームブロック時間差]=[ストリームブロック#2内で最初にくるタイムスタンプ値]−[タイムスタンプaの値]
で計算される。
【0266】
図14のフォーマッタ部90は、図24(a)の形で入力されたストリームデータを、図24(c)(i)の形に変換して、D−PRO部52へ入力する。
【0267】
D−PRO部52は、16セクタ毎に入力データをまとめてECCブロックにして、ディスクドライブ部51へ送る。
【0268】
ただし、ディスクドライブ部51において記録準備ができていない場合には、送られてきたECCブロックデータを一時記憶部53へ転送して一時記憶し、記録準備ができるまで待つ。ディスクドライブ部51において記録準備ができた段階で、一時記憶部53に一時記憶されたデータが読み出しされて、情報記憶媒体への記録が開始される。ここで、一時記憶部53は高速アクセスで数分以上の記録データを保持できるように、大容量メモリになっている。
【0269】
一実施形態におけるストリームデータ記録再生装置(図14)内での信号の流れは、以上のようになっている。
【0270】
上記の説明で示したように情報記憶媒体50に記録されるストリームデータはフォーマッタ部90内で図24(c)(i)の構造に変換される。
【0271】
一実施形態では、同一のトランスポートパケットが異なるストリームブロックに跨って記録されることが禁止される場合、バッファメモリに一時記録されたタイムスタンプとパケットデータをストリームブロック毎に切り分ける際に、タイムスタンプとトランスポートパケットの組が完全に1個のストリームブロック内に収まるようにする必要がある。
【0272】
一方、一実施形態では、同一のトランスポートパケットを、異なるセクタ(例えば図24(d)のNo.0とNo.1)に跨って記録することができる。その場合、セクタ毎に分割する処理では、各データエリア21、22、23、24に割り当てられた所定サイズに従って、無造作に分割が行われる。
【0273】
デジタル放送では、映像情報はMPEG2規格に従って圧縮され、そのI、B、Pピクチャー情報が、異なるトランスポートパケットに記録されて転送されてくる。
【0274】
トランスポートパケット内は、トランスポートパケットヘッダおよびペイロードで構成されている。
【0275】
Iピクチャー情報が記録されている最初のトランスポートパケットでは、ランダムアクセスインジケータ(図1(c)のAUSM対応)に”1”のフラグが立つ。また、B、Pピクチャー情報が記録されている最初のトランスポートパケットには、ペイロード単位開始インジケータに”1”のフラグが立つ。
【0276】
これらランダムアクセスインジケータ(AUSM)およびペイロード単位開始インジケータの情報を利用して、図25(e)のIーピクチャマッピングテーブル641(アクセスユニット開始マップのテーブル)およびB、Pピクチャ開始位置マッピングテーブル642(アクセスユニット終了マップのテーブル)の情報が作成される。
【0277】
図25(d)のトランスポートパケットマッピングテーブル632内の各マッピングテーブルはビットマップ形式で構成されている。
【0278】
例えば1個のストリームブロック内にn個のトランスポートパケットが記録されていた場合には、図25(d)のトランスポートパケット数631の値が”n”となる。
【0279】
この場合、図25(e)の各マッピングテーブルは「nビットデータ」からなる。そして、ストリームブロック内に前から並んでいる個々のトランスポートパケットに対して、この「nビットデータ」それぞれの1ビットずつが割り当てられている。
【0280】
図26は、図24に示されたセクタデータヘッダの内部構造を説明する図である。
【0281】
図24(c)(i)のセクタデータヘッダ12、13は、データエリア21、22、23、24内のデータ配列情報を示す。
【0282】
これらのセクタデータヘッダは、図26に示すように、最初のアクセスポイント651およびトランスポートパケット接続フラグ652で構成されている。
【0283】
図24(b)に示すようにトランスポートパケットdは2個のセクタに跨って記録されている。この場合、セクタ内の最後のタイムスタンプが”1”に設定される。また、トランスポートパケットが次のセクタへ跨った場合には、トランスポートパケット接続フラグ652が”1”に設定される。
【0284】
図24(b)の例では、次のセクタへ跨ったトランスポートパケットdの次にくるタイムスタンプ先頭位置のデータエリア22内のアドレスが、図26(b)の最初のアクセスポイント651内に記録(ビット単位の表現)されている。
【0285】
一実施の形態では、最初のアクセスポイント651の値として、データエリア21、22、23、24のサイズよりも大きな値を指定可能にしている。こうすることで、セクタサイズよりも大きなサイズを有するパケットに対してもタイムスタンプ先頭位置を指定することができる。
【0286】
例えば、図24(d)のデータ構造において、1個のパケットがセクタNo.0からセクタNo.2まで跨って記録され、そのパケットに対するタイムスタンプがNo.0のデータエリア21内の最初の位置に記録されるとともに、その次のパケットに対するタイムスタンプがセクタNo.2のデータエリア内のTビット目に配置されている場合を考える。
【0287】
この場合、セクタNo.0の最初のアクセスポイントの値は”0”、セクタNo.1の最初のアクセスポイントの値は”セクタNo.1のデータエリア22サイズ + T”となり、セクタNo.2の最初のアクセスポイントの値は”T”となる。
【0288】
一実施の形態では、基本的にストリームブロック先頭位置から再生は開始される。が、希なケースとして、ストリームブロック内の2番目以降のECCブロック先頭位置から再生が開始される場合もあり得る。
【0289】
図24において同一のトランスポートパケットdが2個のセクタ(セクタNo.0とセクタNo.1)に跨って記録されている例に示すように、2番目以降のECCブロック先頭位置から再生を開始した場合には、何処に次のタイムスタンプ情報が記録されているかを知る必要がある。
【0290】
そのために、各セクタの先頭位置に独自のヘッダー情報(図26(a)のセクタデータヘッダ)を配置させる。その独自ヘッダー情報中に最初のアクセスポイント651を記録することで、ストリームブロック内の2番目以降のECCブロックの先頭位置から、容易に再生を開始することができる。
【0291】
SOBとは、オリジナルPGCに属するストリームデータである。SOBのデータ構造は、「動画および関連オーディオの一般的な符号化システム(ISO/IEC13818ー1)」に記述されたプログラムストリームに従っている。SOBは1種類のデータ、すなわちストリームデータのみで構成されている。
【0292】
SOBのデータ構造は、ストリームパックのシーケンスで定義される。このストリームパックは、一定サイズ(2048バイト)を持っている。このサイズはDVDディスクファミリの論理ブロックサイズと同じである。各ストリームパックは論理ブロック内に記録される。
【0293】
図27は、ストリームオブジェクト(SOB)に対するMPEG規格上の制約を説明する図である。
【0294】
すなわち、(1)SOBはシステムヘッダを持たず、(2)SOBの最初のパック内のシステムクロックリファレンス(SCR)は任意の値を取ることができ、(3)MPEGのプログラムエンドコードは持たず、(4)ストリームidは全てのPESパケット内においてBFh(プライベートストリーム2)に等しい。
【0295】
ナビゲーションデータとは、任意のビットストリームに対する記録、再生および編集の制御を行なうためのデータである。DVDストリーム記録においては、ナビゲーションデータは「ストリーマ情報(STRI)」と呼ばれる。
【0296】
図28は、DVDストリーマ情報(STRI)内のナビゲーションデータ(図9の制御情報25に対応)の構造を説明する図である。図28に示すように、ストリーマ情報STRIは、以下の情報で構成されている。
【0297】
すなわち、(1)ストリーマビデオマネージャ情報(STR_VMGI)と、(2)ストリームファイル情報テーブル(SFIT)と、(3)オリジナルPGC情報(ORG_PGCI)と、(4)ユーザ定義PGC情報テーブル(UD_PGCIT)と、(5)テキストデータマネージャ(TXTDT_MG)と、(6)アプリケーションプライベートデータマネージャ(APDT_MG)とによって、STRIは構成されている。
【0298】
図28のSTR_VMGI、SFIT、ORG_PGCI、UD_PGCIT、およびTXTDT_MGは、その順で、SR_MANGR.IFOという名のファイルに記録される。
【0299】
一方、図28のAPDT_MGは、SR_ADATA.DATという名のファイルに記録される。
【0300】
図28のSTRIのサイズが512kバイトを越えない限りは、”00h”等で符号化されたスタッフィングを上記(1)〜(6)の情報テーブル間に挿入するしないは自由である。ただし、このようなスタッフィングを(1)〜(6)の情報テーブル内に挿入することはできない。
【0301】
なお、SR_MANGR.IFOというファイルに記述された情報の多くは、ストリーマ装置(図14等)のシステムメモリに格納されることが想定されている。
【0302】
図28のストリーマビデオマネージャ情報STR_VMGIは、ビデオマネージャ情報管理テーブル(VMGI_MAT)およびプレイリストサーチポインタテーブル(PL_SRPT)により構成されている。
【0303】
図29は、図28に示されたストリームファイル情報テーブル(SFIT)の構造を説明する図である。
【0304】
ストリームファイル情報テーブルSFITは、ストリーマの動作に直接関与する全てのナビゲーションデータを含んでいる。すなわち、(1)ストリームファイル情報テーブル情報(SFITI)と、(2)1以上(n個)のSOBストリーム情報(SOB_STI#n)と、(3)ストリームファイル情報(SFI)とによって、SFITは構成されている。
【0305】
上記ストリームファイル情報テーブル情報SFITIは、ストリームファイルの数を示すSFI_Nsと、SOBストリーム情報の数を示すSOB_STI_Nsと、SFITの終了アドレスを示すSFIT_EAと、SFIの開始アドレスを示すSFI_SAとを含んでいる。
【0306】
図30は、図29に示されたストリームファイル情報(SFI)の構造を説明する図である。
【0307】
ストリームファイル情報SFIは、(1)ストリームファイル一般情報(SF_GI)と、(2)1以上(n個)のSOB情報サーチポインタ(SOBI_SRP#n)と、(3)1以上(n個)のSOB情報(SOBI#n)とで、構成されている。
【0308】
図31は、図30に示されたストリームファイル一般情報(SF_GI)の内容を説明する図である。
【0309】
ストリームファイル一般情報SF_GIは、SOB情報の数を示すSOBI_Nsと、SOBU1個あたりのセクタ数によりSOBUのサイズを示すSOBU_SIZと、マッピング時間単位シフトを示すMTU_SHFTとを含んでいる。
【0310】
SOBU_SIZはSOBUのサイズをセクタ数で記述したもので、固定値(32)を持つ。このことは、各マッピングリストにおける最初のエントリが、SOBの最初の32セクタ内に含まれるアプリケーションパケットに関係していることを、意味する。また、各マッピングリストにおける2番目のエントリは次の32セクタ内に含まれるアプリケーションパケットに関係している。以下同様である。
【0311】
上記マッピング時間単位シフトMTU_SHFTは、PAT記述フォーマットに対するマッピングリストエントリのLSB(リーストシグニフィカントビット)の重み付けを記述したものである。このMTU_SHFTは18と記述される。
【0312】
図32は、図30に示されたストリームオブジェクト情報(SOBI#)の構造を説明する図である。
【0313】
図32に示すように、各ストリームオブジェクト情報SOBIは、(1)SOBI一般情報(SOBI_GI)と、(2)マッピングリスト(MAPL)と、(3)アクセスユニットデータ(AUD)とで構成される(AUDはオプション)。
【0314】
図33は、図32に示されたストリームオブジェクト情報一般情報(SOBI_GI)の内容を説明する図である。
【0315】
図33に示すように、ストリームオブジェクト情報一般情報SOBI_GIは、(1)SOB形式を示すSOB_TYと、(2)SOB記録時間を示すSOB_REC_TMと、(3)SOBストリーム情報番号を示すSOB_STI_Nと、(4)アクセスユニットデータフラグを示すAUD_FLAGSと、(5)SOB開始APATを示すSOB_S_APATと、(6)SOB終了APATを示すSOB_E_APATと、(7)該当SOBの最初のSOBUを示すSOB_S_SOBUと、(8)マッピングリストエントリの数を示すMAPL_ENT_Nsとを含んでいる。
【0316】
上記SOB_TYは、一時消去(TE)状態を記述したビットおよびコピー世代管理システムを記述したビットを含むことができる。
【0317】
上記SOB_REC_TMは、DVDストリーム記録の日時記述フォーマットにより関連SOBの記録時間を記述したものである。
【0318】
上記SOB_STI_Nは、該当SOBに対して有効なSOB_STIのインデックスを記述したものである。
【0319】
上記AUD_FLAGSは、該当SOBに対してアクセスユニットデータ(AUD)が存在するかどうか、また存在するならどんな種類のAUDが存在するのかを記述したものである。AUDが存在する場合は、AUD_FLAGSにより、AUDの特性の幾つかが記述される。
【0320】
AUD自体は、テーブル(AUSM)を含む一般情報(AU_GI)、およびオプションテーブル(AUEM、PTSL)からなっている(図34参照)。
【0321】
上記SOB_S_APATは、SOBの開始アプリケーションパケット到着時間を記述したものである。すなわち、そのSOBに属する最初のパケットのパケット到着時間が、SOB_S_APATにより記述される。SOB_S_APATは、DVDストリーム記録のPAT記述フォーマットにより記述される。
【0322】
PATは2つの部分、すなわち基本部分と拡張部分に分けられる。基本部分は90kHzユニット値と呼ばれる部分であり、拡張部分は27MHzで測った細かい値(less significant value)を示す。
【0323】
上記SOB_E_APATは、SOBの終了アプリケーションパケット到着時間を記述したものである。すなわち、そのSOBに属する最後のパケットのパケット到着時間が、SOB_E_APATにより記述される。SOB_E_APATは、DVDストリーム記録のPAT記述フォーマットにより記述される。
【0324】
上記SOB_S_SOBUは、開始SOBUの数、つまりSOBの最初のアプリケーションパケットに含まれるSOBUの数を記述したものである。
【0325】
上記MAPL_ENT_Nsは、SOBI_GIに続くマッピングリストエントリの数を記述したものである。
【0326】
図34は、図32に示されたアクセスユニットデータ(AUD)の構造を説明する図である。
【0327】
アクセスユニットデータAUD(オプション)は、(1)アクセスユニット一般情報(AU_GI)と、(2)アクセスユニット終了マップ(AUEM)と、(3)再生タイムスタンプリスト(PTSL)とを含むことができる。これらのパーツのどれが存在するかは、SOBI_GIのAUD_FLAGSにより示すことができる。
【0328】
前述したSOBI_GIのAUD_FLAGS(図33)がアクセスユニットデータの存在を示すときは、AU_GIだけが存在する。
【0329】
図35は、図34に示されたアクセスユニット一般情報(AU_GI)の内容を説明する図である。
【0330】
アクセスユニット一般情報AU_GIは、アクセスユニットの数を示すAU_Nsと、アクセスユニット開始マップを示すAUSMとを含んでいる。
【0331】
上記AU_Nsは、該当SOBに対するアクセスユニット数を記述したものである。同時に、AUSMがアクセスユニットの存在を示す場合において、このAU_Nsは、(アクセスユニットの)ロケーションの数も記述している。
【0332】
上記アクセスユニット開始マップAUSMは、該当SOBのどのSOBUがアクセスユニットを含むのかを示すものである。SOBの各SOBUに対しては、AUSMのエレメントは1個だけ存在する。それゆえ、AUSMはマップリストエントリ数(MAPL_ENT_Ns)のエレメントで構成されるとも言える。
【0333】
各AUSMエレメントは、対応SOBU内(あるいはその後のSOBU内)の何処かで始まるアクセス可能なアクセスユニットを示している。AU_Nsアクセスユニットは、AUSMにより厳密に示されるもので、ビット”1”となっているAUSMのAU_Nsビットに等しい。
【0334】
AUSMはバイトアラインされている必要がある。もし連鎖状のAUSMエレメントが8の整数倍のビット数でない(バイトアラインされていない)ときは、このAUSMの最終バイトの残りのLSB(1または複数のLSB)にビット”0”のパッドを当てて、連鎖状のAUSMエレメントが8の整数倍のビット数となる(バイトアラインされてる)ようにする。
【0335】
図36は、アクセスユニット開始マップ(AUSM;図8、図10参照)とストリームオブジェクトユニット(SOBU;図2、図4、図11参照)との対応関係を例示する図である。
【0336】
図示するように、AUSMのうちビット”1”の部分が、対応SOBUにアクセスユニット(AU)が含まれることを示している。
【0337】
いま、AUSM内でビットがセットされたi番目(1≦i≦AU_Ns)のビット位置をAUSM_pos(i)としてみる。すると、アクセスユニットAUの位置は次のようになる。
【0338】
(1)もしAUSM_pos(i)により示されるSOBU#iが1以上の開始AU(これはストリーム内で(もしあるなら)AU_STARTマークおよびAU_ENDマークにより記述される)を含むなら、AUSM_pos(i)は、SOBU#i内で開始する最初のAUに割り当てられる。ここで、SOBU#iは、AUSM_pos(i)および(AUEMが存在するなら)AUEM_pos(i)により記述されたSOBUs内に配置されたものである。
【0339】
(2)AUは、このAU開始後に最初に現れるAU_ENDマークで終了し、かつ、AUは、(もしAUEMが存在するなら)割り当てられたAUEMエレメントにより示される最後のSOBUで終了する。
【0340】
なお、いずれのアクセスユニットデータにおいても、SOBの各SOBU1個当たりに、2以上のアクセス可能なアクセスユニットを記述することはできない。
【0341】
図37は、アクセスユニット開始マップ(AUSM;図8、図10参照)およびアクセスユニット終了マップ(AUEM;図8、図10参照)とストリームオブジェクトユニット(SOBU;図2、図4、図11参照)との対応関係を例示する図である。
【0342】
AUEMは、(もし存在するなら)AUSMと同じ長さのビットアレイである。AUEMのビットは、該当SOBのアクセスユニットに付随するビットストリームセグメントの末尾がどのSOBUに含まれるのかを、示している。
【0343】
AUEM内にセットされたビットの数はAUSM内にセットされたビットの数に一致する。すなわち、AUSM内の各設定ビットは、AUEM内に対応してセットされたビットを持つ。
【0344】
いま、AUSM内でビットがセットされたi番目(1≦i≦AU_Ns)のビット位置をAUSM_pos(i)とし、AUEM内でビットがセットされたi番目(1≦i≦AU_Ns)のビット位置をAUEM_pos(i)としてみる。この場合、以下の関係がある。
【0345】
(1)1≦AUSM_pos(i)≦AUEM_pos(i)≦MAPL_ENT_Ns;
(2)AUSM_pos(i+1)>AUEM_pos(i);
(3)もしi==AU_NsあるいはAUSM_pos(i+1)>1+AUEM_pos(i)なら、AU#iは、SOBU#[AUEM_pos(i)]で終了する(1≦i≦AU_Ns);
(4)もしAUSM_pos(i+1)==1+AUEM_pos(i)なら、AU#iは、SOBU#[AUEM_pos(i)]で終了する。あるいは
SOBU#[1+AUEM_pos(i)]==SOBU#[AuSM_pos(i+1)]のところで終了する。つまり、AU#iは、SOBU内においてAU#i+1が開始するところで終了する(1≦i≦AU_Ns)。
【0346】
図38は、ストリームパック(図2〜図4のTSパックに対応)の構造を説明する図である。
【0347】
図示するように、1つのストリームパック(2048バイト)は、パックヘッダ(14バイト)とストリームPESパケット(2034バイト)とで構成されている。
【0348】
ストリームパックのパックヘッダは14バイトで構成される。このパックヘッダには、最初の4バイト(000001BAh)にパックスタートコードが記録され;次の6バイトに、プロバイダが定義した、システムクロックリファレンスSCRの基準(トータル32ビットのSCR_base)、複数のマーカビットおよびシステムクロックリファレンスSCRの拡張(9ビットのSCR_extension)が記録され;次の3バイト(0189C3h)にプログラム多重化レート(22ビットのprogram_mux_rate)と複数のマーカビットが記録され;最後の1バイト(F8h)には、パックスタッフィング長(3ビットのpack_stuffing_length)が記録され、さらに5ビットの予約エリアが設けられている。
【0349】
ここで、SCR_baseの32ビット目はゼロにセットされる。また、program_mux_rateは10.08Mbpsにセットされる。
【0350】
なおストリーム記録ではアプリケーションが自分でスタッフィングを行なう(図39を参照して後述)ので、DVDROMビデオあるいはDVDビデオレコーダ(DVD−VR)のようにパック長の調整を行なう必要はない。すなわち、ストリーム記録においては、ストリームパケットが常に必要な長さを持っていると想定してよい。
【0351】
一方、ストリームパックのストリームPESパケットは、次のようなデータ構造を持っている。
【0352】
図39は、図38に示されるストリームPESパケット内のストリームデータエリアの構造を説明する図である。
【0353】
図示するように、1つのストリームPESパケット(2034バイト)は、PESヘッダ(6バイト)と、サブストリームID(1バイト)と、ストリームデータエリア(2027バイト)とで構成されている。
【0354】
ストリームPESパケットのPESパケットヘッダには、最初の3バイト(000001h)にパケットスタートコードプリフィックス(24ビットのpacket_start_code_prefix)が記録され;次の1バイトにストリームID(8ビットのstream_id=10111111b;プライベートストリーム2を示す)が記録され;次の2バイト(07ECh)にPESパケット長(PES_packet_length)が記録され;最後の1バイトにサブストリームID(8ビットのsub_stream_id=00000010b;ストリーム記録データを示す)が記録される。
【0355】
図39に示すストリームパケット内のストリームデータエリア(2027バイト)は、アプリケーションヘッダ(9バイト)と、アプリケーションヘッダエクステンション(オプション)と、スタッフィングバイト(オプション)と、アプリケーションパケットエリアとで構成されている。
【0356】
図39のアプリケーションパケットエリアは、アプリケーションタイムスタンプ(図3あるいは図24のATSに対応)をそれぞれが持つ1以上のアプリケーションパケットで構成される。
【0357】
このアプリケーションパケットエリアは、図3(d)と同様に構成できる(図3のTSパケットを図39ではアプリケーションパケットに読み替える)。すなわち、アプリケーションパケットエリアの先頭にパーシャルアプリケーションパケットが記録され、その後に、アプリケーションタイムスタンプATSとアプリケーションパケットとのペアが複数ペア、シーケンシャルに記録され、末尾にパーシャルアプリケーションパケットが記録される。
【0358】
別の言い方をすると、アプリケーションパケットエリアの開始位置には、パーシャルアプリケーションパケットが存在できる。アプリケーションパケットエリアの終了位置には、パーシャルアプリケーションパケットあるいは予約されたバイト数のスタッフィングエリアが存在できる。
【0359】
各アプリケーションパケットの前に配置されたアプリケーションタイムスタンプ(ATS)は32ビットで構成される。ATSは、2つの部分、すなわち基本部分と拡張部分に分けられる。基本部分は90kHzユニット値と呼ばれる部分であり、拡張部分は27MHzで測った細かい値(less significant value)を示す。
【0360】
図39において、アプリケーションヘッダエクステンションは、アプリケーションパケット〜アプリケーションパケット間で異なり得る情報を格納するのに用いることができる。このような情報は、必ずしも全てのアプリケーションに必要なものではない。
【0361】
それゆえ、アプリケーションヘッダのデータフィールドは、ストリームデータエリア内にオプションのアプリケーションヘッダエクステンションが存在することを記述するように定義されいる。
【0362】
ストリームの記録時において、最初のアプリケーションパケットのアプリケーションタイムスタンプATSの先頭バイトは、ストリームオブジェクトSOBの始まりにおける最初のストリームパケット内のアプリケーションパケットエリアの開始位置に、アラインされている必要がある。
【0363】
一方、SOB内のその後のストリームパケットについては、隣接ストリームパケット境界で、アプリケーションパケットが分割(スプリット)されてもよい。図39のパーシャルアプリケーションパケットは、この分割(スプリット)により生じたアプリケーションパケットを示している。
【0364】
ストリームパケット内で開始される最初のアプリケーションタイムスタンプのバイトオフセット、およびそのストリームパケット内で開始されるアプリケーションパケットの数は、そのアプリケーションヘッダ(図40参照)に記述される。
【0365】
こうすることにより、あるストリームパケット内において、最初のアプリケーションタイムスタンプの前および最後のアプリケーションパケットの後におけるスタッフィングが、自動的に行われる。
【0366】
すなわち、上記自動化メカニズムが、図38の説明の所で述べた「アプリケーションが自分でスタッフィングを行なう」ことに対応する。この自動スタッフィングにより、ストリームパケットは常に必要な長さを持つことになる。
【0367】
アプリケーションヘッダエクステンション(オプション)はエントリのリストからなる。ここには、該当ストリームパケット内で開始する各アプリケーションパケットに対する1バイト長の1エントリがある。これらエントリのバイトは、アプリケーションパケット毎に異なり得る情報を格納するのに利用できる。
【0368】
なお、1バイトのアプリケーションヘッダエクステンション(オプション)には、1ビットのAU_STARTと、1ビットのAU_ENDと、2ビットのCOPYRIGHTとが、記述される。
【0369】
AU_STARTが”1”にセットされると、関連アプリケーションパケットが、ストリーム内にランダムアクセスエントリポイント(ランダムアクセスユニットの開始)を含むことが示される。
【0370】
AU_ENDが”1”にセットされると、関連アプリケーションパケットがランダムアクセスユニットの最終パケットであることが示される。
【0371】
COPYRIGHTには、関連アプリケーションパケットの著作権の状態が記述される。
【0372】
図40は、図39に示されたストリームデータエリア先頭のアプリケーションヘッダの内容を説明する図である。
【0373】
このアプリケーションヘッダは、1バイトのVERSION(01h)と、1バイトのAP_Nsと、2バイトのFIRST_AP_OFFSETと、2ビットのEXTENSION_HEADER_INFO(00b、10b、あるいは11b)と、1ビットのCCI_ESC用予約エリアと、5ビットの予約エリアと、2バイトのSERVICE_IDと、1バイトのMAX_BR_LOG2と、1バイトのSMO_BS_LOG2とを、含んでいる。
【0374】
ここで、VERSIONには、アプリケーションヘッダフォーマットのバージョン番号が記述される。
【0375】
AP_Nsには、該当ストリームパケット内で開始されるアプリケーションパケットの数が記述される。もしアプリケーションタイムスタンプの最初のバイトがストリームパケット内に格納されているなら、アプリケーションパケットはそのストリームパケット内で開始されると考えてよい。
【0376】
FIRST_AP_OFFSETには、該当ストリームパケット内で開始される最初のアプリケーションパケットのタイムスタンプ位置が、このストリームパケットの最初のバイトからの相対値として、バイト単位で、記述される。もしストリームパケット内で開始するアプリケーションパケットがないときは、FIRST_AP_OFFSETには「0」が記述される。
【0377】
EXTENSION_HEADER_INFOには、該当ストリームパケット内にアプリケーションヘッダエクステンションおよび/またはスタッフィングバイトが存在するか否かが、記述される。
【0378】
EXTENSION_HEADER_INFOの内容が00bの場合は、アプリケーションヘッダの後にアプリケーションヘッダエクステンションもスタッフィングバイトも存在しないことが示される。
【0379】
EXTENSION_HEADER_INFOの内容が10bの場合は、アプリケーションヘッダの後にアプリケーションヘッダエクステンションがあるが、スタッフィングバイトは存在しないことが示される。
【0380】
EXTENSION_HEADER_INFOの内容が11bの場合は、アプリケーションヘッダの後にアプリケーションヘッダエクステンションが存在し、かつアプリケーションヘッダエクステンションの後にスタッフィングバイトも存在することが示される。
【0381】
EXTENSION_HEADER_INFOの内容が01bとなることは禁止されている。
【0382】
アプリケーションパケットエリアの前のスタッフィングバイト(オプション)は、「EXTENSION_HEADER_INFO=11b」によりアクティブになる。こうすることで、アプリケーションヘッダエクステンション内のバイト数と、アプリケーションパケットエリア内に格納できるアプリケーションパケット数との間に矛盾が生じた場合に「パッキングパラドクス」が起きるのを防止できる。
【0383】
SERVICE_IDには、ストリームを生成するサービスのIDが記述される。このサービスが未知のものであれば、SERVICE_IDに0x0000が記述される。
【0384】
MAX_BR_LOG2には、「leaky bucket flow control model」における出力ビットレートパラメータのバイナリアルゴリズムが記述される。
【0385】
SMO_BS_LOG2には、「leaky bucket flow control model」におけるバッファサイズパラメータのバイナリアルゴリズムが記述される。
【0386】
以上説明したように一実施形態によれば、AUSM、AUEM、および/またはサポート情報を記録することができ、それにより、よりユーザフレンドリーなデータ管理ができる。
【0387】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、現在または将来の実施段階では、その時点で利用可能な技術に基づき、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0388】
25…制御情報;27…VOB一般情報(SF_GI);28…VOBU情報テーブル(SFI);29…VOBU情報(SOBI);31…VOB(SOB);32…セル;33…VOBU(SOBU);34…TSパック(ストリームパケット);38…TSパケット(アプリケーションパケット);39…TSパケットの一部(パーシャルアプリケーションパケット);50…RAMディスク(記録媒体);51…ディスクドライブ部;59…デコーダ部;79…エンコーダ部;80…主MPU;80A…ワークRAM部;80B…管理データ作成部;80C…サポート情報検出部;80D…サポート情報追加部;83…STB部;90…フォーマッタ部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリームデータを記録するデータエリアおよびこのストリームデータの管理情報を記録する管理エリアを持つものであって、
トランスポートパケットあるいはアプリケーションパケットというデータパケットを第1データ単位として表現し、ストリームオブジェクトユニットというデータ単位を第2データ単位として表現し、ストリームオブジェクトというオブジェクトデータを第3データ単位として表現したときに、
1以上の前記第1データ単位を含む前記第2データ単位を1以上含んで構成される前記第3データ単位の前記ストリームオブジェクトにより、前記データエリアに記録される前記ストリームデータが形成され、
前記第2データ単位は前記第1データ単位を含む中間単位を複数含み、前記中間単位に相当するサイズの単位で前記第2データ単位を表し、
前記中間単位が前記データパケットとタイムスタンプとの組を含んで構成される情報記憶媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の情報記憶媒体を用いる記録方法において、
前記データ領域に前記ストリームデータを記録し、前記管理領域に前記管理情報を記録する記録方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報記憶媒体を用いる再生方法において、
前記管理領域から前記管理情報を再生し、前記データ領域から前記ストリームデータを再生する再生方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報記憶媒体を用いる再生装置において、
前記管理領域から前記管理情報を再生する手段と、前記データ領域から前記ストリームデータを再生する手段を具備した再生装置。
【請求項1】
ストリームデータを記録するデータエリアおよびこのストリームデータの管理情報を記録する管理エリアを持つものであって、
トランスポートパケットあるいはアプリケーションパケットというデータパケットを第1データ単位として表現し、ストリームオブジェクトユニットというデータ単位を第2データ単位として表現し、ストリームオブジェクトというオブジェクトデータを第3データ単位として表現したときに、
1以上の前記第1データ単位を含む前記第2データ単位を1以上含んで構成される前記第3データ単位の前記ストリームオブジェクトにより、前記データエリアに記録される前記ストリームデータが形成され、
前記第2データ単位は前記第1データ単位を含む中間単位を複数含み、前記中間単位に相当するサイズの単位で前記第2データ単位を表し、
前記中間単位が前記データパケットとタイムスタンプとの組を含んで構成される情報記憶媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の情報記憶媒体を用いる記録方法において、
前記データ領域に前記ストリームデータを記録し、前記管理領域に前記管理情報を記録する記録方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報記憶媒体を用いる再生方法において、
前記管理領域から前記管理情報を再生し、前記データ領域から前記ストリームデータを再生する再生方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報記憶媒体を用いる再生装置において、
前記管理領域から前記管理情報を再生する手段と、前記データ領域から前記ストリームデータを再生する手段を具備した再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
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【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【公開番号】特開2011−258310(P2011−258310A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209929(P2011−209929)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【分割の表示】特願2010−87281(P2010−87281)の分割
【原出願日】平成12年1月13日(2000.1.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(390010308)東芝デジタルメディアエンジニアリング株式会社 (192)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【分割の表示】特願2010−87281(P2010−87281)の分割
【原出願日】平成12年1月13日(2000.1.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(390010308)東芝デジタルメディアエンジニアリング株式会社 (192)
【Fターム(参考)】
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