説明

ストレッチ用マット

【課題】高いストレッチ効果を容易に得ることができるストレッチ用マットを提案する。
【解決手段】裏面に設けた非接地部21と対向する上面に、山状に隆起するストレッチ部11を備え、さらに、非接地部21とストレッチ部11との間の内部空隙に振動手段を備えた構成のストレッチ用マット1である。本構成のストレッチ用マット1によれば、ストレッチ部11により身体の一部を伸ばしつつ振動による刺激を付与できるため、これらの相乗効果によって高いストレッチ効果を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体の一部を載せることにより比較的容易にストレッチ効果を得ることができるストレッチ用マットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、上方へ湾曲状に隆起するように形成されたストレッチ用マットは、その上に背筋や腰を載せるようにして仰向けに寝ることにより、背筋や腰を伸ばすことができるため、適度なストレッチ効果を発揮できるものである。このようなストレッチ用マットとしては、例えば特許文献1の構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3034398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来のストレッチ用マットは、その湾曲形状に倣って背筋や腰を湾曲させることによってストレッチ効果を得ることができるものである。ところが、そのストレッチ効果は、湾曲形状により生ずる所謂形状効果だけであり、その効果に限界がある。そのため、さらに高いストレッチ効果を得られるものが求められている。
【0005】
本発明は、高いストレッチ効果を容易に得ることができるストレッチ用マットを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、裏面に、幅方向に亘る非接地部を備え、且つ該非接地部と対向する上面に、縦方向に沿って山状に隆起する、身体の一部を載せるためのストレッチ部を備えてなり、非接地部とストレッチ部との間に内部空隙を有するマット本体と、該マット本体の内部空隙に配設され、ストレッチ部を振動する振動手段とを備えていることを特徴とするストレッチ用マットである。尚、ストレッチ用マットは、通常、床などに載置して使用されるものであることから、マット本体の裏面には、床などに接地される部位(以下、接地部という)を有している。
【0007】
かかる構成にあっては、身体の一部を載せた状態でストレッチ部を振動することにより、身体を伸ばす効果と振動による効果とが同時に生じ、これらの相乗効果によってストレッチ効果を飛躍的に向上することができる。すなわち、ストレッチ部に身体の一部を載せて体重が掛かることにより身体の一部の筋肉や腱等を伸ばしつつ、これら筋肉や腱等に振動により刺激を与えることができる。これにより、血流の改善効果、インナーマッスルの育成効果、骨格の補正効果等を比較的容易に得ることができる。特に、筋力の弱い女性や高齢者、身体の硬い者等にあっては、筋肉や関節等を過度に痛めることなく、高いストレッチ効果を得ることができるため、有用性が高い。
【0008】
ここで、振動手段が非接地部とストレッチ部との間の内部空隙に配設されていることから、該振動手段により発生した振動がストレッチ部に伝わり易く、該ストレッチ部を安定して振動し易い。尚仮に、ストレッチ部が、床等に接地する接地部と対向する上方に設けられ、且つこれら間の空隙に振動手段が設けられた構成とすると、該振動手段の振動が床と接地した接地部により低減されてしまうため、当該ストレッチ部に所望の振動を安定して伝え難い。本発明の構成では、非接地部とストレッチ部との間に振動手段が設けられていることから、前記比較的小さな振幅の振動であっても安定かつ正確にストレッチ部に伝わり振動する。
【0009】
尚、本発明のストレッチ用マットは、その上に仰向けに寝ることにより、背筋、腰、首等をストレッチできるだけでなく、そのストレッチ部に立つことにより、足裏やふくらはぎ等をストレッチすることもできる。このように、身体の様々な部位をストレッチすることが可能である。
【0010】
上述した本発明のストレッチ用マットにあって、マット本体のストレッチ部は、その幅方向中央に、縦方向に沿って窪む谷状退避部を備え、且つ該谷状退避部の両側を身体の一部と接触する身体接触部としたものである構成が提案される。
【0011】
かかる構成にあっては、ストレッチ部上に仰向けに寝た場合に、谷状退避部により背骨を直接支持せず、該背骨の両側を身体接触部に載せて支持する。これにより、ストレッチ部を振動した際に、該振動が背骨を直接的に刺激しないことから、該背骨に過度の負荷が作用しない。そのため、背骨への負荷を軽減しつつ、背筋をストレッチすることができ、上記した本発明にかかる高いストレッチ効果を得ることができる。
【0012】
尚、例えば足をストレッチする場合には、身体接触部に足を載せることによって、本発明の高いストレッチ効果を得ることができる。
【0013】
ここで、ストレッチ部の身体接触部は、その上面全体に亘って無数の小突部が形成されているものである構成が提案される。
【0014】
本構成は、身体接触部に身体の一部を載せることにより、該身体の一部を無数の小突部により刺激することができる。そして、無数の小突部によって、振動を身体の内部まで伝え易くなることから、上記したストレッチ効果を一層向上することができる。
【0015】
尚、小突部としては、略円錐形、截頭円錐形、円柱形、半球形などに適宜設定することができる。小突部は、身体の一部と直接的に接触することから、過度な痛みを生じ難い半球形とした構成が好適に用い得る。
【0016】
上述した本発明のストレッチ用マットにあって、振動手段が、電気的に並列接続された複数の振動用モータにより構成されてなり、該振動用モータに電力供給するための電力供給手段を備えているものが提案される。
【0017】
本構成では、複数の振動用モータには同じ電圧が掛かるが、例え同じ規格のモータを用いた場合であっても製品毎に許容差を有していることから、各振動用モータの回転数に僅かな差が生じ、これに伴って振幅や周期等に僅かな差を有する振動が発生する。そのため、これら複数の振動が重なり合うことにより、比較的小さな振動(以下、微振動という)を生じ易い。このような微振動によりストレッチ部が振動することによって、上記した振動による効果が一層向上し、ストレッチ効果を高める本発明の作用効果がさらに高まる。さらに、各振動用モータの僅かな回転数の差により、前記微振動が不規則な振動として生じ得る。この不規則な振動によって、該振動に対する感受性を維持し易く、ストレッチしている身体の一部を連続して意識させることができるため、ストレッチ効果を一層向上できる。尚仮に、一個の振動用モータを用いた場合には、一定の振動が続くために、該振動に慣れてストレッチしている部位への意識が薄れ易く、前記ストレッチ効果の向上が期待できない。
【0018】
また、微振動であることから、ストレッチ部の上に安定かつ容易に立つことができる。そのため、上記のように足のストレッチも安定して高い効果を得られるという利点も有する。
【0019】
本構成にあって、振動用モータとしては、モータの駆動軸に錘が取り付けられたもので、この錘が駆動軸に偏心して連結されている構成が好適に用い得る。
【0020】
ここで、複数の振動用モータが、マット本体の内部空隙に、縦方向に沿って列設されているものである構成が提案される。
【0021】
複数の振動用モータが縦方向に沿って列設されていることにより、ストレッチ部がその縦方向に亘って同様に振動し易くなる。そのため、ストレッチ部全体における振動レベル(振動の強さ等)の差を可及的に小さくできることから、該ストレッチ部に載せた身体部位に同レベルの振動効果を付与できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のストレッチ用マットは、上述したように、裏面に設けた非接地部と対向する上面に、山状に隆起するストレッチ部を備え、さらに、非接地部とストレッチ部との間の内部空隙に振動手段を備えたものであるから、ストレッチ部により身体の一部を伸ばしつつ振動による刺激を付与できるため、これらの相乗効果によって高いストレッチ効果を得ることができる。さらに、筋肉や関節等に過度の負荷を掛けることなく、血流の改善効果やインナーマッスルの育成効果などを比較的容易に得ることができるため、筋力の弱い者や身体の硬い者にとって有用性が高い。
【0023】
上述したストレッチ用マットにあって、マット本体のストレッチ部が、縦方向に沿って窪む谷状退避部を備え、且つ該谷状退避部の両側を身体接触部としたものである構成の場合には、当該ストレッチ部上に仰向けに寝てストレッチを行う際に、谷状退避部により背骨を過度に刺激することなく、背筋をストレッチすることができる。
【0024】
ここで、ストレッチ部の身体接触部が、その上面全体に無数の小突部を備えた構成の場合には、無数の小突部により身体接触部に載せた身体の一部を刺激することができ、さらに振動を身体へ伝え易くなることから、高いストレッチ効果を得るという本発明の作用効果が一層向上する。
【0025】
上述したストレッチ用マットにあって、振動手段が、電気的に並列接続された複数の振動用モータにより構成されてなるものであるとした場合には、各振動用モータ毎の許容差により微振動を生じ易いことから、この微振動によって、上述した高いストレッチ効果を得るという本発明の作用効果が一層向上する。
【0026】
ここで、複数の振動用モータが、マット本体の内部空隙に、縦方向に沿って列設されているものである構成とした場合には、ストレッチ部全体における振動レベルの差を可及的に小さくできることから、該ストレッチ部に載せた身体部位に同レベルの振動効果を付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施例のストレッチ用マット1の概略図である。
【図2】ストレッチ用マット1の平面図である。
【図3】ストレッチ用マット1の側面図である。
【図4】ストレッチ用マット1の正面図である。
【図5】図2中のP−P断面図である。
【図6】図2中のL−L断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施例を、添付図面を用いて詳述する。
本実施例のストレッチ用マット1は、図1〜4のように、その上面に、山状に上方へ隆起するストレッチ部11を備えた構成であり、その内部空隙9に配設した複数の振動用モータ31に電力を供給するための電源コード35を介して外部電源41と接続される。尚、本実施例にあっては、図2中での上下方向が幅方向であり、左右横方向が縦方向である。
【0029】
ストレッチ用マット1は、図1〜6のように、上記のストレッチ部11を有するストレッチ主体3と、該ストレッチ主体3の下側に接合されたベース体4とを一体化したマット本体2を備えている。ここで、ストレッチ主体3とベース体4とが、図示しない複数のネジにより接合されて一体化されている。
【0030】
本実施例にあっては、ベース体4が薄板厚のプラスチック製として形成されている。また、ストレッチ主体3は、薄板厚のプラスチック製の殻状主体3aと、該殻状主体3aの上面を被覆するゴム製のカバー3bとから形成されている。ここで、殻状主体3aは、ストレッチ主体3の基本形状を成すものであり、カバー3bが該殻状主体3aの上面を倣うように形成されている。そして、殻状主体3aにカバ3bを被覆して接合することにより一体化して、前記ストレッチ主体3が構成されている。
【0031】
上記のベース体4は、その幅方向に亘って上方へ湾曲する非接地部21と、該非接地部21の縦方向両側に設けた接地部22,23とを備えている。このベース体4は、床に置いた際に、接地部22,23が床面上に載置され、非接地部21が床から離間する。さらに、ベース体4の非接地部21に、縦方向に沿って上方へ突出する三つの湾曲リブ部26が並設されている(図5,6参照)。湾曲リブ部26により、非接地部21の剛性を高めている。
【0032】
上記のストレッチ主体3は、ベース体4の接地部22,23を上方から覆うように各接地部22,23に接合される支持延出部12,13と、支持延出部12,13間に連成されたストレッチ部11とを備えている。ここで、ストレッチ部11は、ベース体4の非接地部21と対向するように設けられており、縦方向に沿って山状に隆起する湾曲形態を成す。さらに、このストレッチ部11は、ベース体4の非接地部21よりも上方へ隆起する高さが高くなっている。また、ストレッチ部11の幅方向両側には、該両側を閉じるように側面部15,15が形成されている。このストレッチ主体3は、そのストレッチ部11により上方へ大きく窪んで下方開口する箱状に形成されており、該下方開口がベース体4の非接地部21により閉鎖される。すなわち、ストレッチ主体3とベース体4とを接合することにより、ストレッチ部11と非接地部21との間に、内部空隙9が形成される(図5,6参照)。
【0033】
このストレッチ主体3を構成する殻状主体3aのストレッチ部11の内側には、上記した非接地部21の湾曲リブ部26に対向する位置に、内側へ突出する突出リブ部16が複数形成されており、ストレッチ主体3とベース体4とを接合した状態で、各突出リブ部16と湾曲リブ部26とが当接するようになっている。この突出リブ部16によって、ストレッチ部11の剛性を高めている。
【0034】
さらに、ストレッチ主体3のストレッチ部11は、その幅方向中央に、縦方向に沿って窪む谷状退避部18が形成されている。そして、この谷状退避部18の幅方向両側に、身体接触部19,19が形成されている。すなわち、ストレッチ部11は、谷状退避部18と身体接触部19,19とにより構成されている。ここで、身体接触部19,19の外表面(上面)には、その全体に亘って無数の小突部20が設けられている。この小突部20は、ストレッチ主体3の外表面を構成するカバー3bに形成されており、ゴム製であることから弾力性を有している。
【0035】
また、ストレッチ主体3の支持延出部12は、その外周端部が上方へ隆起する形状に形成されており、該外周端部とストレッチ部11とにより囲まれた領域が略凹形状となっている。
【0036】
一方、上記のストレッチ主体3とベース体4とを接合することにより形成されるマット本体2の内部空隙9には、四個の振動用モータ31が配設されており(図5参照)、これら四個の振動用モータ31が電気的に並列接続されている。振動用モータ31は、ベース体4の非接地部21に形成された湾曲リブ部26,26間で、該ベース体4に固定され、縦方向に沿って列設されている。四個の振動用モータ31は、各駆動軸32が縦方向に沿って一直線状に配設されている。尚、振動用モータ31の配線については、図5,6中で省略している。
【0037】
ここで、振動用モータ31には、同じ規格のモータを適用しており、夫々の駆動軸32に取り付けられた錘33も同じものである。この錘33は、駆動軸32の先端に偏心するように取り付けられており、駆動軸32の回動によって、当該振動用モータ31が振動を生ずる。尚、同じ規格のモータであっても、製造上の許容差を有していることから、回転速度等に僅かな差が発生する。そのため、四個の振動用モータ31を電気的に並列接続して同じ電圧をかけても、各振動用モータ31の回転数は厳密に等しくならない。そのため、各振動用モータ31によって生ずる振動は、その振幅や周期等に僅かな差を有することから、互いに緩衝してしまい、全体として微振動となる。このように発生する微振動が、ベース体4の非接触部21を介してストレッチ主体3のストレッチ部11に伝わり、該ストレッチ部11が振動する。尚、この微振動は、上記した各湾曲リブ部26と突出リブ部16とを介して、ストレッチ部11に伝わる。
【0038】
また、このストレッチ主体3の側面部15の内側(内部空隙9)には、各振動用モータ31への電力供給を制御するための制御基板(図示せず)が配設されている。この側面部15の外側には、上記した電源コード35のプラグを差し込み可能とする差込口36が設けられており、該差込口36が前記制御基板に接続されている。これにより、外部電源41(コンセント)に接続した電源コード35から得た電力を、制御基板を介して各振動用モータ31へ供給する。さらに、本実施例にあっては、上記したストレッチ部11の、殻状主体3aとカバー3bとの間に圧力センサ(図示せず)が設けられており、該圧力センサが前記制御基板に接続されている。制御基板は、圧力センサから入力した圧力が所定値以上の場合に、各振動用モータ31への電力供給を有効とするように制御している。すなわち、電源コード35を外部電源41に接続している状態であっても、身体の一部がストレッチ部11に載ることにより体重が掛かっていなければ、該ストレッチ部11が振動しない。これにより、無用な消費電力を抑制できる。
【0039】
尚、ストレッチ部11の側面部15には、差込口36の近傍に、ON/OFF操作するための電源スイッチ(図示せず)、振動の強弱を表示するランプ、振動中であることを示しランプ等も配設されており、これらが夫々に上記の制御基板に接続されて制御される。
【0040】
本実施例にあって、制御基板(図示せず)と電源コード35により、本発明の電力供給手段が構成されている。
【0041】
次に、上述したストレッチ用マット1に使用について説明する。
ストレッチ用マット1を床に置いて、図1のように、電源コード35を外部電源41に接続する。そして、電源スイッチをON操作した状態で、例えば、ストレッチ用マット1のストレッチ部11上に背筋を載せるようにして仰向けに寝る。これにより、背筋がストレッチ部11に倣うようにして伸びる。さらに、ストレッチ部11に体重が掛かるため、上記した圧力センサの圧力検知によって、各振動用モータ31へ電力供給する。これにより、各振動用モータ31が駆動し、これにより生じた微振動がストレッチ部11へ伝わり、該ストレッチ部11が微振動する。
【0042】
ここで、振動用モータ31を取り付けた非接触部21は、床と接触していないことから、該振動用モータ31により生じた微振動が安定して伝わり易く、当該非接触部21の湾曲リブ部26と突出リブ部16とを介してストレッチ部11へ伝わる。これにより、ストレッチ部11が微振動する。
【0043】
このようにストレッチ部11が振動することにより、該ストレッチ部11で伸びている背筋に振動作用が加わることから、ストレッチ効果を向上することができる。特に、背筋を伸ばしながら微振動による刺激が加わることから、血流の改善効果、インナーマッスルの育成効果、骨格の補正効果を効率的に得られる。さらに、ストレッチ部11の身体接触部19,19には無数の小突部20が形成されていることから、該小突部20により背筋を刺激することができると共に、前記微振動が小突部20を介して背筋に作用するため、身体の内部まで刺激し易くなる。そのため、前記した血流の改善効果等が一層高まる。さらに、各振動用モータ31の僅かな回転数の差により、前記微振動が不規則な振動として生じ得る。この不規則な振動によって、該振動に対する感受性を維持し易く、ストレッチしている身体の一部を連続して意識させることができるため、ストレッチ効果を一層向上できる。
【0044】
また、ストレッチ部11の谷状退避部18によって、背骨との接触を回避できるため、該背骨を直接的に刺激しない。そのため、前記微振動により、背骨に過度の負荷が作用することを抑制できる。
【0045】
さらに、本実施例の構成では、ストレッチ部11の表面にはゴム製のカバー3bが配設されていることから、その弾力性により、上記した過度の負荷を軽減する効果に優れている。これにより、上記したストレッチ効果を効率的に高めることができる。
【0046】
このように本実施例のストレッチ用マット1は、身体を伸ばしながら振動による刺激を加えるものであるから、ストレッチ効果を高めることができる。尚、背筋を伸ばすことを例示したが、同様に、ストレッチ部11の斜面に立って、ふらくらはぎを伸ばしながら振動による刺激を加えることもできる。また、ストレッチ主体3の支持延出部12に座って、骨盤をストレッチ部11により刺激するように用いることも可能である。この他、様々な使用方法に適用でき、同様の高いストレッチ効果を得ることができる。
【0047】
本実施例のストレッチ用マット1によれば、筋肉や関節等に過度の負荷を掛けることなく、高いストレッチ効果を得ることができるため、筋力の弱い女性や高齢者、又は身体の硬い者等が適用することによって、より一層高いストレッチ効果を得易いという利点を有する。
【0048】
上述した実施例にあっては、四個の振動用モータを並設した構成であるが、振動用モータを、二個や三個、又は五個配設する等、配設個数を適宜設定することができる。また、配設位置も適宜設定できる。
【0049】
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、マット本体の内部に充電用電池を配設し、上記した電源コードにより該充填用電池に充電可能とする構成としても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 ストレッチ用マット
2 マット本体
9 内部空隙
11 ストレッチ部
18 谷状退避部
19 身体接触部
20 小突部
21 非接触部
31 振動用モータ
35 電源コード(電源供給手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面に、幅方向に亘る非接地部を備え、且つ該非接地部と対向する上面に、縦方向に沿って山状に隆起する、身体の一部を載せるためのストレッチ部を備えてなり、非接地部とストレッチ部との間に内部空隙を有するマット本体と、
該マット本体の内部空隙に配設され、ストレッチ部を振動する振動手段と
を備えていることを特徴とするストレッチ用マット。
【請求項2】
マット本体のストレッチ部は、その幅方向中央に、縦方向に沿って窪む谷状退避部を備え、且つ該谷状退避部の両側を身体の一部と接触する身体接触部としたものであることを特徴とする請求項1に記載のストレッチ用マット。
【請求項3】
ストレッチ部の身体接触部は、その上面全体に亘って無数の小突部が形成されているものであることを特徴とする請求項2に記載のストレッチ用マット。
【請求項4】
振動手段が、電気的に並列接続された複数の振動用モータにより構成されてなり、
該振動用モータに電力供給するための電力供給手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のストレッチ用マット。
【請求項5】
複数の振動用モータが、マット本体の内部空隙に、縦方向に沿って列設されていることを特徴とする請求項4に記載のストレッチ用マット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−16396(P2012−16396A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154058(P2010−154058)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【特許番号】特許第4805398号(P4805398)
【特許公報発行日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(500584251)株式会社エヌシィシィ (7)
【Fターム(参考)】