説明

ストロボ装置およびカメラ

【課題】ストロボ使用時に意図しない影が生じてしまうような撮影を防止することのできるストロボ装置およびカメラを提供する。
【解決手段】カメラ本体100の撮影光学系の光軸と平行な軸を有し、この軸周りに発光部を回転可能に支持するストロボ支持本体2と、発光部を有し、支持本体2に設けられた軸の軸周りに回転可能な軸受けを有する発光本体部3と、この発光本体部3を回転駆動するためのモータ30と、カメラの姿勢の信号を受けて、モータ30を駆動させ、カメラ若しくは支持本体2の姿勢に対応して発光本体部3を回転させるよう制御する制御手段を有する。制御にあたっては、カメラの姿勢に関わらず、発光部の位置が撮影光軸より上側にあるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロボ装置およびカメラに関し、詳しくは発光部の姿勢変更可能なストロボ装置およびこれと組み合わせて使用するカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラによる撮影にあたって、暗い被写体に対しても適正露光が得られるように、従来からストロボ装置による照射が行なわれている。この場合、ストロボ装置の発光部がカメラに対して横位置にある場合には、人物の側面に影が発生しやすく、見苦しい写真となってしまうおそれがあった。
【0003】
このような不具合を防止するために、特許文献1に開示のカメラにおいては、発光部をカメラ本体に対して、上面側で発光する上位置と、側面側で発光する横位置とに移動可能に構成している。すなわち、横姿勢で撮影するときでも、縦姿勢で撮影するときでも、撮影者が事前に発光部の位置を撮影レンズの真上となるように手動調整することが可能となる。
【特許文献1】特開平11−212149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のカメラによれば、撮影レンズの上側から照射することができるので、人物の影による見苦しさを軽減することができる。しかしながら、発光部の移動は、撮影者が手動で行うので、意図しない影が写りこみやすく、このような場合には撮影のやり直しが必要となったり、また後日失敗に気づいても撮影の取り直しが困難ということがあった。
【0005】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、ストロボ使用時に意図しない影が生じてしまうような撮影を防止することのできるストロボ装置およびカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため第1の発明に係わるストロボ装置は、カメラの姿勢に応じて発光部の位置を変更可能なストロボ装置において、上記カメラの撮影光学系の光軸と平行な軸を有し、該軸周りに上記発光部を回転可能に支持するストロボ支持本体と、上記発光部を有し、上記支持本体に設けられた軸の軸周りに回転可能な軸受けを有するストロボ回転体と、上記ストロボ回転体を回転駆動するための駆動装置と、上記カメラの姿勢の信号を受けて、上記駆動装置を駆動させ、上記カメラ若しくは上記支持本体の姿勢に対応して上記ストロボ回転体を回転させるよう制御する制御手段を有する。
【0007】
第2の発明に係わるストロボ装置は、上記第1の発明において、上記ストロボ装置は、上記ストロボ支持本体に姿勢検知素子を有する。
また、第3の発明に係わるストロボ装置は、上記第2の発明において、上記ストロボ装置の制御手段は、上記カメラから姿勢信号を受けたときには、上記ストロボ装置内に設けられた上記姿勢検知素子からの信号により上記駆動装置を駆動させる。
さらに、第4の発明に係わるストロボ装置は、上記第1の発明において、上記制御手段は、上記カメラに設けられた姿勢検知素子から、上記カメラの姿勢の信号を入力する。
【0008】
上記目的を達成するため第5の発明に係わるカメラは、カメラの撮影光学系の光軸と平行な軸を有し、該軸周りに上記発光部を回転可能に支持する支持本体と、上記発光部を有し、上記支持本体に設けられた軸の軸周りに回転可能な軸受けを有するストロボ回転体と、上記ストロボ回転体を回転駆動するための駆動装置と、上記カメラの姿勢の信号を受けて、上記駆動装置を駆動させ、上記カメラの姿勢に対応して上記ストロボ回転体を回転させるよう制御する制御手段と、を有するストロボ装置を搭載可能なカメラであって、上記カメラの姿勢を検知する姿勢検知素子と、上記姿勢検知素子からの出力を処理して上記ストロボ装置に出力する出力回路を有する。
【0009】
上記目的を達成するため第6の発明に係わるカメラとストロボのシステムは、カメラの撮影光学系の光軸と平行な軸を有し、この軸周りに発光部を回転可能に支持するストロボ支持本体と、上記発光部を有し、上記支持本体に設けられた上記軸の軸周り回転可能な軸受けを有するストロボ回転体と、このストロボ回転体を回転駆動するための駆動装置と、上記カメラの姿勢を検知する姿勢検知素子と、この姿勢検知素子からの出力を処理して出力する出力回路と、この出力回路からの信号を受け、上記駆動装置を駆動させ、上記カメラの姿勢に応じて上記ストロボ回転体を回転させるよう制御する制御手段を具備する。
【0010】
上記目的を達成するため第7の発明に係わるカメラとストロボのシステムは、カメラ本体とストロボ装置とからなるシステムにおいて、支持軸の周りに回動可能な発光部と、この発光部を上記軸周りに駆動する駆動手段と、上記カメラ本体の姿勢を検知する姿勢検知手段と、この姿勢検知手段の出力に基づいて、上記発光部が上記撮影光軸に対して上方から照射するように、上記駆動手段を制御する駆動制御手段を具備する。
第8の発明に係わるカメラとストロボのシステムは、上記第7の発明において、上記カメラは、上記駆動制御手段によって上記発光部の駆動制御を行っている際には、少なくとも撮影動作を禁止する。
【0011】
上記目的を達成するため第9の発明に係わるストロボ装置は、カメラ本体に取り付けるための取り付け部を有するストロボ本体支持部と、この本体支持部に対して可動であるストロボ発光部と、カメラ又はストロボの姿勢検知信号を入力し、上記ストロボ発光の位置を移動させる駆動手段を具備する。
第10の発明に係わるストロボ装置は、上記第9の発明において、上記姿勢検知信号を出力するための姿勢検知素子は、上記ストロボ装置内のスト路本体支持部内また上記ストロボ発光部内のいずれかに設けられている。
第11の発明に係わるストロボ装置は、上記第10の発明において、上記姿勢検知信号は、上記カメラ本体から入力する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ストロボ使用時に意図しない影が生じてしまうような撮影を防止することのできるストロボ装置およびカメラを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に従って本発明を適用したストロボ装置とカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。第1実施形態に係わるストロボ装置とカメラのシステムは、カメラ本体内に姿勢センサを設け、またストロボ装置は、発光部がストロボ本体に対して回動可能に構成されている。発光部は、カメラ本体の姿勢に応じて、その発光部の位置が、カメラ本体の撮影光学系より上側の位置となるように制御される。
【0014】
まず、第1実施形態に係わるストロボ装置の構成について、図1乃至図5を用いて説明する。図1はストロボ装置の外観斜視図であり、図2はストロボ装置の長手方向の断面図であり、図3はストロボ装置全体の分解斜視図であり、図4は回動軸周りの詳細な分解斜視図であり、図5はストロボ装置をカメラ本体に取り付けた状態での使用状態を示す図である。
【0015】
ストロボ装置のストロボ本体1は、図1に示すように、大きく分けて本体支持部2と発光本体部3とから構成され、後述するように発光本体部3は本体支持部2の回転軸35(図3参照)に対して回転可能となっている。発光本体部3の前面側にはストロボ光を集光して照射する発光面4が設けられ、また、被写体からの反射光を受光するための受光部5が設けられている。また、本体支持部2の脚部には、カメラ本体に着脱自在に固定し、また電気的接続をとるためのストロボシュー6が設けられている。
【0016】
ストロボ本体1の内部には、図2に示すように、発光面4の後方には放物面形状の反射傘11が配置され、この反射傘11内にはストロボ光照射用のキセノン管12が配置されている。また、発光面4の下側の受光部5の背面側には受光素子5aが設けられ、ストロボ光の被写体からの反射光等の測光を行なう。
【0017】
反射傘11や受光部5の後方には、電池室13が設けられ、この電池室13内には電池14が着脱自在に配置されている。この電池室13の後方には充電基板15が設けられ、その後方にはメインコンデンサ16が配置されている。充電基板15およびメインコンデンサ16によって、電池14の電池電圧を昇圧し、キセノン管12のトリガ電極にトリガ電圧を印加すると共に、陽極・陰極間に昇圧電圧印加することにより、ストロボ光を照射することができる。
【0018】
ストロボ装置の本体支持部2の後方の空間内には、ストロボ制御基板31が設けられており、この制御基板31上には、ストロボ制御CPU(Sμcom)33やストロボ装置の本体支持部2の姿勢を検知する姿勢センサ41が設けられている。Sμcom33は、カメラ本体内のボディ制御用マイクロコンピュータ(Bμcom)101(図6参照)と通信を行い、ストロボ装置の制御を行う。
【0019】
ストロボ制御基板31の後方には、ストロボ装置の動作表示用の液晶表示パネル(LCD)32が設けられており、また、その下方には動作指示用の操作釦34が配置されている。ストロボ制御基板31には、回動駆動モータ30と電気的接続をとるためのコネクタ28が設けられており、このコネクタと回動駆動モータ30との間は、モータフレキ27によって接続されている。このモータフレキ27は、図4に示すように、コネクタ28と接続するための接点端27a、連絡部27bおよびモータ30と接続するためのモータ端子部27cから構成される。
【0020】
モータ30は、図4に示すように、回転軸35の後方に配置されており、モータ30の駆動軸はモータピニオンギア29bに固着されており、モータピニオンギア29bはモータ30によって回転駆動される。また、モータピニオンギア29bには、これと一体に回転するインタラプタ29aが設けられており、このインタラプタ29aには、等間隔に孔が配列されている。インタラプタ29aの近傍には発光素子と受光素子からなるフォトインタラプタ29が設けられており、このフォトインタラプタ29は、モータフレキ38によって前述のSμcom33に接続されている。このインタラプタ29aとフォトインタラプタ29によって孔の動きを検出でき、これからモータ30の回転量をカウントすることができる。
【0021】
回転軸35内の空間には減速機24を構成するギアトレイン39が配置されており、モータピニオンギア29bの回転をギアA39a、ギアB39b等を介して駆動ギア21に伝達する。この駆動ギア21は、発光本体部3内の歯車17(図2、図3参照)と噛合しており、これによって発光本体部3を本体支持部2に対して回動させる。
【0022】
回転軸35の筒体は摺動リングB26に嵌合している。この摺動リングB26の鍔面(フランジ)は本体支持体2aに当接し、摺動リングBの外側の摺動面26aは、ストロボ回転体7の嵌合孔7a内に緩挿される。回転軸35を緩挿したストロボ回転体7の前面側には、摺動リングA25が嵌合孔7a内に緩挿され、その前面側に抜け止め用の止め円板23が配置設けられている。この止め円板23に設けられた孔23a、23b、23cと、回転軸35に設けられた受け孔35a、35b、35cは、ネジ37a、37b、37cによって螺合している。
【0023】
ストロボ回転体7と本体支持体2aの間には、電気的接続をとるためのケーブルフレキ18が配置されている(図2および図3参照)。ケーブルフレキ18は、本体支持体2aとの接点端子18aと、ストロボ回転体7との接点端子18c、および屈曲部18bとから構成されている。このケーブルフレキ18の円弧部は、本体支持体2aのフレキケーブル溝36内に収納されている。
【0024】
このようにストロボ本体1は構成されているので、回転駆動モータ30が回転すると、モータピニオンギア29b、ギアトレイン39を介してモータの駆動力が、ストロボ回転体7内の歯車17に伝達される。このため、発光部本体3は本体支持体2a内の回転軸35を回動中心として、時計回りまたは反時計回りに回動する。カメラを縦位置に構えた状態では、図5(A)(C)に示すように、ストロボ本体1の発光本体部3は撮影光軸から距離Lだけ上側に位置させることが可能となる。また、カメラを横位置に構えた状態では、図5(B)に示すように、ストロボ本体1の発光本体部3は撮影光軸から距離Lだけ上側に位置させることが可能となる。撮影にあたってストロボ光を上側から照射することにより、撮影画像が見苦しくなることを防止することができる。
【0025】
次に、ストロボ本体1を装着可能なカメラ本体の構成について、図6に示す電気系を中心としたブロック図を用いて説明する。レンズ鏡筒50の内部には、焦点調節および焦点距離調節用の撮影レンズ51と、開口量を調節するための絞り52が配置されている。撮影レンズ51はレンズ駆動機構53によって駆動され、絞り52は絞り駆動機構54によって駆動されるよう接続されている。レンズ駆動機構53、絞り駆動機構54はそれぞれレンズ制御用マイクロコンピュータ(Lμcom)55に接続されており、このLμcom55は通信コネクタ60を介してカメラ本体100に接続されている。Lμcom55はレンズ鏡筒50内の制御を行うものであり、レンズ駆動機構53を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構54を制御して絞り値制御を行う。
【0026】
カメラ本体100内には、被写体像を観察光学系に反射するために撮影レンズ51の光軸に対して45度傾いた位置と、被写体像を撮像素子74に導くために跳ね上がった位置との間で、回動可能な可動反射ミラー61が設けられている。この可動反射ミラー61の上方には、被写体像を結像するためのフォーカシングスクリーン63が配置され、このフォーカシングスクリーン63の上方には、被写体像を左右反転させるためのペンタプリズム64が配置されている。このペンタプリズム64の出射側(図6で右側)には被写体像観察用の接眼レンズ65が配置され、この脇であって被写体像の観察に邪魔にならない位置に測光センサ66が配置されている。測光センサ66は、測光信号を読み出し処理して出力する測光回路87に接続されている。
【0027】
上述の可動反射ミラー61の中央付近はハーフミラーで構成されており、この可動反射ミラー61の背面には、ハーフミラー部で透過した被写体光をカメラ本体100のミラーボックス内の下部に反射するためのサブミラー62が設けられている。このサブミラー62は、可動反射ミラー61に対して回動可能であり、可動反射ミラー61が跳ね上がっているときには、ハーフミラー部を覆う位置に回動し、可動反射ミラー61が被写体像観察位置にあるときには、図示する如く可動反射ミラー61に対して開いた位置にある。この可動反射ミラー61はミラー駆動機構93によって駆動されている。
【0028】
また、サブミラー62の下方には測距用センサを含むAFセンサユニット67が配置されており、このAFセンサユニット67は、公知のTTL瞳分割法による測距を行うためのAFユニットであり、内部にはAFセンサが設けられている。AFセンサユニット67はAFセンサ駆動回路94に接続されており、AFセンサ駆動回路94は、AFセンサユニット67の回路系の駆動を行ない、AFセンサから信号を読み出す。この信号出力に基づいて、撮影レンズ51によって結像される被写体像の焦点ズレ量を測定する。
【0029】
可動反射ミラー61の後方には、露光時間制御用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ71が配置されており、このシャッタ71はシャッタチャージ機構92によってシャッタチャージされる。また、シャッタ71は、シャッタ制御回路91に接続されており、シャッタ先幕および後幕の制御がなされる。シャッタ71の後方には撮像素子74が配置されており、撮影レンズ51によって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。なお、撮像素子74としては、CCD(Charge Coupled Devices)や、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の二次元撮像素子が使用できることはいうまでもない。
【0030】
上述のシャッタ71と撮像素子74の間には、除塵機構を構成する防塵フィルタ72とこの防塵フィルタ72の周縁部に固着された圧電素子73からなる除塵機構が配置されている。この圧電素子73は防塵フィルタ駆動回路88によって駆動される。防塵フィルタ72、圧電素子73、撮像素子74は撮像素子ユニット75として気密に一体化されており、内部に塵埃等が侵入しない構成としている。
【0031】
撮像素子74は撮像インターフェース回路81に接続され、この撮像インターフェース回路81によってアナログデジタル変換(AD変換)がなされる。撮像インターフェース回路81は画像処理コントローラ82に接続されている。この画像処理コントローラ82はAD変換された画像データに対して、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、白黒・カラーモード処理、ライブビュー画像処理といった各種の画像処理を行う。また、画像データをJPEGやTIFFで圧縮し、また伸張を行なう。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方法も適用できる。
【0032】
画像処理コントローラ82には、バッファメモリ84、フラッシュメモリ(Flash Memory)85、記録メディア86、液晶モニタ83が接続されている。バッファメモリ84は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access
Memory)で構成され、画像処理された画像データの一時記憶を行なう。フラッシュメモリは、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、画像処理に関するパラメータが記憶されている。記録メディア86は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体100に対して着脱自在となっている。その他、通信接点を介してハードディスクを接続可能に構成してもよい。液晶モニタ83は、カメラ本体100の背面等に配置され、ライブビュー表示、撮影画像の表示、再生画像の表示および撮影情報の表示を行なう。液晶モニタに限らず、他の表示装置でもよい。
【0033】
画像処理コントローラ82は、カメラ本体100を制御するコントローラであるボディ制御用マイクロコンピュータ(Bμcom)101に接続されている。Bμcom101は、前述の防塵フィルタ駆動回路88、シャッタ制御回路91、シャッタチャージ機構92、ミラー駆動機構93、AFセンサ駆動回路94、通信コネクタ60、測光回路87に接続されており、これらの回路や機構の制御を行う。
【0034】
また、不揮発性メモリ90、通信コネクタ102、動作表示用LCD103、カメラ操作スイッチ104および姿勢センサ40に接続されている。不揮発性メモリ90は、EEPROM等の電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、カメラの調整値等が記憶されている。通信コネクタ102は、ストロボボシュー6の電気接点と接続可能に構成されており、Sμcom33と通信するためのコネクタである。動作表示用LCD103は、動作状態を表示するためにカメラ本体100の上面等に配置された小型の液晶表示モニタである。
【0035】
カメラ操作スイッチ104は、シャッタレリーズ釦の第1ストロークや第2ストロークを検出するスイッチ、再生モードを指示するスイッチ、ISO設定モードを指示するスイッチ、ホワイトバランス設定を指示するスイッチ、液晶モニタ83の画面でカーソルの動きを指示するするスイッチ、撮影モードを指示するスイッチ、選択された各モード等を決定するOKスイッチ、表示切換を指示するスイッチ等の種々の操作スイッチからなる。
【0036】
姿勢センサ40は、ストロボ本体1内の姿勢センサ41と同様に、例えば、磁気センサと磁力を帯びた球の組み合わせ等で構成され、重力に伴う球の動きを磁気センサで検出し、縦位置か横位置かを検出することができる。また、カメラ本体100の姿勢、すなわち重力方向との関係で姿勢を検出するセンサでもよい。カメラ本体100の横長方向が重力方向と同じ方向の場合に縦位置、横長方向が重力方向と垂直の方向にある場合に横位置と判断する。カメラ本体100内に装填される電池105は、電源回路106に接続されており、この電源回路106によって所定の電圧で定電圧化されて、各回路ユニット等に給電される。
【0037】
次に、ストロボ本体1内の電気回路について、図7を用いて説明する。ストロボ本体1内の本体支持部2内には、カメラ本体100の通信コネクタ102に嵌合し、これを介してBμcom101と電気接続をとるための通信コネクタ201が設けられている。この通信コネクタ201は、ストロボ本体1内の電気的制御を行うストロボ制御用マイクロコンピュータ(Sμcom)33が接続されている。このSμcom33は、駆動モータ30を駆動するためのドライバ回路202に接続しており、また、前述のフォトインタラプタ29にも接続している。
【0038】
また、Sμcom33は、ケーブルフレキ18を介して、発光本体部3内の発光回路301、充電回路302、充電電圧検知回路303が接続されている。充電回路302はストロボ本体1内に装填されている電池14の電圧を昇圧し、メインコンデンサ16に充電する。この充電電圧を充電電圧検知回路303が検知し、カメラ本体100内のBμcom101からの要求に応じて充電電圧情報を伝達する。そして、Bμcom101から発光開始指令をSμcom33が受けると、発光回路301に対してトリガ信号を送信し、充電回路302充電された高圧電圧をキセノン管12に印加し、ストロボ発光を開始させる。
【0039】
また、Bμcom101と通信を行い、カメラ本体100の姿勢センサ40から姿勢信号を受けると、この姿勢信号に基づいて発光本体部3の姿勢制御を行なう。すなわち、カメラ本体100が縦位置に変化しストロボ本体1が正面から見て左側にある場合には、発光本体部3を回動させるために駆動モータ30の回転を開始させ、フォトインタラプタ29の出力信号に基づいて、図5(A)に示す位置に達したことを検知すると、駆動モータ30の回転を停止する。
【0040】
また、カメラ本体100が、横位置に変化した場合には、駆動モータ30の回転を開始させ、フォトインタラプタ29の出力信号に基づいて、図5(B)に示す位置に達したことを検知すると、駆動モータ30の回転を停止する。同様に、カメラ本体100が縦位置に変化しストロボ本体1が正面から見て左側にある場合には、駆動モータ30の回転を開始させ、フォトインタラプタ29の出力信号に基づいて、図5(C)に示す位置に達したことを検知すると、駆動モータ30の回転を停止する。
【0041】
次に、このように構成された本実施形態におけるカメラ本体100の動作について図8に示すフローチャートを用いて説明する。まず、カメラに電源電池105が装填されると、図8に示すパワーオンリセットのルーチンを開始し、初期設定を行なう(S1)。初期設定は、各種フラグ等の設定値を初期化すると共に、撮影光学系等の機械的部材を初期位置に駆動する。初期設定が終わると、次に、カメラ操作スイッチ104の状態を検出し、パワースイッチがオンか否かの判定を行なう(S3)。パワーオフ時は、ステップS3の判定を繰り返す待機状態となる。
【0042】
ステップS3の判定の結果、パワーオンであった場合には、スイッチ検出を行なう(S5)。ここでは、カメラ操作スイッチ104の状態の検出信号を読み込む。続いて、モード処理変更を行なう(S7)。モード処理変更は、ステップS5で読み込んだスイッチ状態の検出信号に基づくモード情報に従って設定モードが変更されていた場合に行なう。
【0043】
次に、姿勢センサ40の出力に基づいてカメラの姿勢を検出する(S9)。続いて、ストロボ本体1内のSμcom33と通信を行ない(S11)、カメラの姿勢検出の結果を送信する。この姿勢検出結果に基づいて、ストロボ本体1は、図5に示したように、発光本体部3が、撮影レンズ51の光軸に対して上側になるように、駆動制御を行う。また、ストロボ本体1内の充電回路302の充電情報の送信要求を行い、充電情報を受信する。
【0044】
次に、1Rスイッチの状態を判定する(S13)。判定の結果、オフであった場合には、ステップS3のパワースイッチの判定に戻り、前述のステップを繰り返す。一方、判定の結果、1Rスイッチがオンの場合、すなわちレリーズボタンが半押しされた場合には、続いて、測距とレンズ駆動量の演算を行なう(S15)。測距は、カメラ本体100内に設けられたAFセンサユニット67の出力に基づいて、撮影レンズ51の焦点ズレ量を検出し、この焦点ズレ量に基づいて、撮影レンズ51の駆動量を演算する。
【0045】
次に、測距・駆動量演算結果に基づいて、撮影レンズ51が合焦範囲内にあるかどうかの判定を行なう(S17)。判定の結果、合焦範囲内にない場合には、合焦動作を行う(S19)。すなわち、ステップS15で演算したレンズ駆動量に基づいて、Lμcom55はレンズ駆動機構53によって撮影レンズ53の駆動制御を行い、合焦動作が終わると、ステップS13、S15に戻り、再度、測距と駆動量演算を行ない、これらの動作を合焦するまで繰り返す。
【0046】
ステップS17の判定の結果、合焦範囲内にある場合には、続いて、2Rスイッチの状態を判定する(S21)。判定の結果、オフ状態であった場合には、1Rスイッチの状態を判定する。1Rスイッチがオンであった場合には、ステップS21に戻り、ステップS21とS23を繰り返し実行する待機状態となる。1Rスイッチがオフとなると、ステップS3に戻り、前述のステップを繰り返す。
【0047】
ステップS21における判定の結果、2Rスイッチがオンとなると、すなわちレリーズボタンが全押しされると、ステップS31以下の撮影動作に移行する。撮影動作に入ると、まず、ストロボ本体1に対して、ストロボ発光準備要求通信を送信する(S31)。ストロボ本体1は、この信号を受信すると、充電回路302による充電開始等、発光のための準備動作を行う。次に、測光および露出量演算を行なう(S33)。これは、カメラ本体100内の測光センサ66に基づいて、被写体輝度を求め、公知の方法により適正露光となる露出量を演算する。
【0048】
ステップS33での演算が終わると、ストロボ本体1と通信を行なう(S35)。このステップでは、演算された絞り値やLμcom55から受信した被写体距離情報等の情報の通信を行なう。本実施形態においては、いわゆるフラッシュマチック方式等により発光量を制御しており、そのために必要な情報の通信を行なっている。続いて、ミラーアップと絞込みを行なう(S37)。すなわち、可動反射ミラー61を上昇させ、また絞り52の絞込み動作開始をLμcom55に指示する。
【0049】
続いて、撮像(露出)動作を開始すると共に、ストロボ発光信号を出力する(S39)。すなわち、シャッタ71の先幕の走行を開始させ、撮像素子74上に被写体像を結像させる。また、先幕走行完了に連動してストロボ発光信号をSμcom33に送信する。ステップS33で演算されたシャッタ速度に対応した露出時間が経過すると、シャッタ71の後幕の走行を開始させ、撮像(露出)動作を終了する。
【0050】
撮像動作が終了すると、ミラーダウン・絞り開放・シャッタチャージ動作を行う(S41)。すなわち、可動反射ミラー61をダウンさせて被写体光束を再びペンタプリズム64および接眼レンズ65側に導く。また、絞り52を開放させるように、Lμcom55に指示を出力する。さらに、シャッタ71のシャッタチャージをシャッタチャージ機構92によって行なわせる。
【0051】
続いて、撮像素子74から画像データを読み出し(S43)、この読み出された画像データについて、画像処理コントローラ82等によって画像処理を行なう(S45)。圧縮処理等を含む画像処理が終わると、次に、画像処理された画像データを記録メディア86に記録を行なう(S47)。画像データの記録が終わるとステップS3に戻り、前述のステップを繰り返す。
【0052】
次に、ストロボ本体1の動作について図9に示すフローチャートを用いて説明する。まず、ストロボ本体1に電源電池が装填されると、図9に示すパワーオンリセットのルーチンを開始し、初期設定を行なう(S51)。初期設定は、各種フラグ等の設定値を初期化すると共に、発光本体部3を本体支持部2に対する初期位置に駆動する。初期設定が終わると、次に、ストロボ電源スイッチの状態を検出し、パワースイッチがオンか否かの判定を行なう(S53)。パワーオフ時は、ステップS53の判定を繰り返す待機状態となる。
【0053】
続いて、カメラ本体100との通信を行なう(S55)。この通信において、カメラ本体100側から充電状態等の信号送信要求があれば、充電状態を検出し送信を行なう。また、カメラ本体100側からカメラの姿勢検知信号が送信されてきた場合には、この姿勢検知信号を受信する。続いて、ストロボの充電動作を開始させる(S57)。発光用のメインコンデンサ16が所定の充電電圧になるまで、繰り返しこの処理を行なう(S53〜S65〜S53)。
【0054】
次に、カメラ通信で受信したカメラの姿勢を判定する(S59)。判定の結果、カメラが縦位置にある場合には、発光本体部3を90度または−90度の位置にする(S61)。これは、図5(A)(C)に示すように、カメラが縦位置にある場合、発光本体部3を90度または−90度に回動させ、撮影レンズ51の撮影光軸に対して、上側に発光面4を移動させている。また、ステップS59における判定の結果、カメラが横位置にある場合には、発光本体部3を0度の位置にする(S63)。これは、図5(B)に示すように、発光本体部3を0度の位置に回動させ、撮影レンズ51の撮影光軸に対して、真上側に発光面4を移動させている。なお、縦位置または横位置に変化がない場合には、発光部はそのままの位置を維持し、次のステップに移る。
【0055】
ステップS61またS63における発光部の移動が終わると、次に、発光準備要求か否かの判定を行なう(S65)。この判定は、ステップS55において行ったカメラ通信の際に、カメラから発光準備要求がなされているかを判定するものである。前述したように、カメラの2Rスイッチがオンとなると、ステップS31において発光準備要求信号をストロボに送信するので、この信号を受信したか否かの判定を行なっている。
【0056】
ステップS65における判定の結果、発光準備要求を受信していない場合には、ステップS53に戻り、前述のステップを繰り返す。一方、発光準備要求を受信している場合には、絞り情報、被写体距離情報から発光量を演算する(S67)。前述したように、カメラで測光と露出量演算が終わると、ストロボ通信をステップS35において行い、このときに絞り情報と被写体距離情報が送信されてくるので、これらの情報を用いてフラッシュマチック方式による発光量を演算する。
【0057】
続いて、カメラ本体100から発光信号が送信されてきたかを判定する(S69)。カメラ本体100はシャッタ71の先幕の走行が終了すると、ステップS39において、発光信号が送信されてくるので、この信号を受信したか否かの判定を行なう。発光信号を受信すると、ストロボ発光を行なう(S71)。ストロボ発光は、前述したようにSμcom33から発光回路301にトリガ信号を送信することにより開始する。ストロボ発光が終了すると、ステップS53に戻る。
【0058】
このように、本発明の第1実施形態によれば、ストロボ装置の発光部の位置を移動できるように構成すると共に、カメラ本体からのカメラの姿勢情報に基づいて、上記発光部の位置を移動させている。特に、この発光部の位置を撮影レンズの光軸よりも上側となるように制御している。このため、ストロボ光が被写体に対して上側から照射するので、ストロボ光による影が見苦しくなることが軽減される。
【0059】
次に、本発明の第2実施形態について、図10乃至図13を用いて説明する。第1実施形態においては、カメラ本体100内に姿勢センサ40を配置し、この姿勢センサ40の検出出力をストロボ本体1に送信し、ストロボ本体1はこの姿勢信号に基づいて発光本体部3の位置を制御していた。第2実施形態においては、ストロボ本体1内に姿勢センサ41を設け、この姿勢センサからの姿勢信号に基づいて発光本体部3の位置を制御するようにしている。
【0060】
この第2実施形態の構成は、図6に示したカメラ本体の電気的構成を図10に示す電気回路に置き換え、図7に示したストロボ装置の電気的構成を図11に示す電気回路に置き換え、図8および図9に示したフローチャートを図12および図13に示すフローチャートに置き換える以外は、第1実施形態と同様であり、相違点を中心に説明する。
【0061】
まず、本実施形態におけるカメラ本体100の電気的構成について、図10を用いて説明する。第1実施形態においては、姿勢センサ40がBμcom101に接続されていたが、第2実施形態においては、姿勢センサ40は省略されており、姿勢検知は、ストロボ本体1内に設けられた姿勢センサ41によって行われる。この点以外の構成は図6と同様であるので、同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0062】
次に、本実施形態におけるストロボ本体1の電気的構成について、図11を用いて説明する。姿勢センサ41がストロボ本体支持部2内のSμcom41に接続されている。この姿勢センサ41は、ストロボ装置の本体支持部2の後方の空間内に設けられたストロボ制御基板31上(図2参照)に備えられている。姿勢センサ41は、姿勢センサ40と同様に、例えば、磁気センサと磁力を帯びた球の組み合わせ等で構成され、重力に伴う球の動きを磁気センサで検出することによりストロボ装置の状態が縦位置か横位置かを検出することができる。これ以外は、図7と同様であるので、同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0063】
このように構成されている第2実施形態の動作について、図12および図13に示すフローチャートを用いて説明する。まず、図12はカメラ本体の動作を示すフローチャートであり、第1実施形態における図8のフローチャートとは次の2点が相違するのみである。すなわち、第1実施形態においては、ステップS9において、カメラの姿勢検出を行なっていたが、第2実施形態においては省略されている。また、第2実施形態において、ステップS12のストロボ回動中か否かの判定が追加されている。これ以外は第1実施形態と同様の動作を行なうステップについては、同一の符号を付し、詳しい説明は省略するが、概略次のように動作する。
【0064】
カメラ本体100に電源電池105が装填されると、ステップS1の初期設定がなされ(S1)、パワースイッチがオンであれば(S5)、スイッチ検出を行い(S5)、モード変更処理を行なう(S7)。次に、ストロボとの通信を行なう(S11)。ここでの通信は、ストロボの充電情報およびストロボの姿勢変更中情報の受信であり、カメラ本体100側から情報送信要求をストロボ本体1に対して行なうことにより受信する。
【0065】
続いて、ステップS11で受信したストロボの姿勢変更情報に基づいて、ストロボ回動中か否かの判定を行なう(S12)。判定の結果、回動中である場合には、ステップS3に戻り、上述のステップを繰り返す。ストロボが回動動作を行っている際には、1Rスイッチのオンによる撮影準備動作への以降を禁止している。一方、回動中ではない場合には、ステップS13以下に進み合焦動作を行う。また、ステップS21において、2Rスイッチがオンの場合には、ステップS31以下に進み、撮影動作に移行する。これらの動作はいずれも、第1実施形態における図8のフローチャートと同様であるので、説明を省略する。
【0066】
次に、第2実施形態におけるストロボ本体1の動作を、図13を用いて説明する。ストロボ本体1に電池14が装填されると、初期設定を行い(S51)、パワースイッチがオンであれば(S53)、カメラとの通信を行なう(S55)。カメラ本体100からは、ステップS35(図12参照)のタイミングで絞り値情報、被写体距離情報等の情報を受信し、また、発光本体部3の回動中であれば、その回動中情報を送信する。
【0067】
続いて、発光用コンデンサの充電を行ない(S57)、姿勢検出を行なう(S58)。姿勢検出は、ストロボ本体1内の姿勢センサ41の出力に基づいて行なう。この後、姿勢センサ41の出力に基づいて、ストロボ本体1が縦位置にあるか横位置にあるかの判定を行なう(S58A)。判定の結果、カメラ本体100が縦位置にあった場合には、発光本体部3を図5(B)に示すように0度の位置に移動させる(S63)。一方判定の結果、カメラ本体100が横位置にあった場合には、発光本体部3が撮影光軸より上側になるように、図5(A)または(C)に示すように、90度または−90度の位置に回動させる(S61)。
【0068】
ステップS61またはS63における動作が終わると、ステップS65以下を実行するが、これらの動作は第1実施形態における図9のフローチャートと同様であるので、詳しい説明を省略する。
【0069】
以上のように、本発明の第2実施形態においては、ストロボ本体1内に設けた姿勢センサ41の出力に基づいて、ストロボ本体1の発光本体部3の位置制御を行っている。このため、カメラ本体100内に姿勢センサを設ける必要がなく小型化を図ることができる。また、本実施形態においては、ストロボ本体1において、発光本体部3の回動を行なっている際には、カメラ本体100の撮影準備動作を禁止している。このため、撮影動作中にストロボの発光部が回動してしまい、所定の発光位置に達する前に撮影動作に入ることを防止することができる。
【0070】
なお、本実施形態においては、回動中は撮影準備動作に入ることを禁止していたが、撮影準備動作の場合には、回動動作を許可し、2Rスイッチオンによって実行される撮影動作のみを禁止するようにしても勿論構わない。いずれにしても、少なくとも撮影動作は禁止するようにすればよい。
【0071】
以上、説明したように本発明の第1および第2実施形態においては、カメラまたはストロボの姿勢を検知し、この検知結果に基づいて、ストロボの発光部の位置を制御するようにしているので、ストロボ使用時に意図しない影が生じてしまうような撮影を防止することができる。また、本実施形態においては、ストロボの発光部の位置を制御するにあたって、撮影レンズの光軸よりも上側になるようにしている。このため、人物等の影が下側となり、見苦しい画像となることを防止することができる。
【0072】
なお、本発明の第1実施形態においては、カメラに姿勢センサ40を設け、カメラ側の姿勢センサ40の検出出力に基づいてストロボの発光部の位置を移動させていたが、第1実施形態のカメラと第2実施形態のストロボを組み合わせた場合には、カメラ側の姿勢センサ40の出力を無効とし、ストロボ側の姿勢センサ41の検出出力に基づいて、ストロボの発光部の位置を移動させるようにしても良い。また、逆に、カメラの姿勢センサ40の検出出力を有効とするような設定をユーザーが行なえるようにしてもよい。
【0073】
また、本発明の実施形態においては、ストロボ装置内の姿勢センサ41はカメラ本体100に取り付けられる固定部側に設けられていたが、これに限らず、回動する発光本体部3側に配置するようにしてもよい。この場合には、発光本体部3がいつも一定の姿勢となるように、制御する。
【0074】
本発明の実施形態の説明にあたっては、カメラとしては、一眼レフデジタルカメラに適用された例を挙げたが、デジタルカメラとしては一眼レフタイプやコンパクトタイプのデジタルカメラ等のいずれでも良く、またこれらのデジタルカメラ以外にも、ビデオカメラ、携帯電話、PDA等の携帯電子機器でもよく、また専用機に組み込まれるような撮像装置であってもよい。いずれにしても、ストロボ装置と組み合わせて使用するカメラであれば本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1実施形態におけるストロボ装置の外観斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるストロボ装置の長手方向の断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるストロボ装置全体の分解斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるストロボ装置の回動軸周りの詳細な分解斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態において、ストロボ装置をカメラ本体に取り付けた状態での使用状態を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態におけるカメラの電気回路ブロック図である。
【図7】本発明の第1実施形態におけるストロボ装置の電気回路ブロック図である。
【図8】本発明の第1実施形態におけるカメラの動作を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の第1実施形態におけるストロボ装置の動作を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の第2実施形態におけるカメラの電気回路ブロック図である。
【図11】本発明の第2実施形態におけるストロボ装置の電気回路ブロック図である。
【図12】本発明の第2実施形態におけるカメラの動作を示すフローチャート図である。
【図13】本発明の第2実施形態におけるストロボ装置の動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0076】
1・・・ストロボ本体、2・・・本体支持部(ストロボ)、2a・・・本体支持体、3・・・発光本体部、4・・・発光面、5・・・受光部、6・・・ストロボシュー、7・・・ストロボ回転体、11・・・反射傘、12・・・キセノン管、13・・・電池室、14・・・電池、15・・・充電基板、16・・・メインコンデンサ、17・・・歯車、18・・・ケーブルフレキ、18a・・・接点端子、18b・・・屈曲部、18c・・・接点端子、21・・・回動出力ギア、22・・・化粧板、23・・・止め円板、23a・・・ネジ、23b・・・ネジ、23c・・・ネジ、24・・・減速機構、25・・・摺動リングA、26・・・摺動リングB、26a・・・摺動面、26b・・・鍔面(フランジ)、27・・・モータフレキ、27a・・・接点端、27b・・・連絡部、27c・・・モータ端子部、28・・・コネクタ、29・・・フォトインタラプタ、29a・・・インタラプタ、29b・・・モータピニオンギア、30・・・回動駆動モータ、31・・・ストロボ制御基板、32・・・LCD、33・・・ストロボ制御CPU(Sμcom)、34・・・操作釦、35・・・回転軸、35a・・・受け孔、35b・・・受け孔、35c・・・受け孔、36・・・・フレキケーブル溝、37a・・・ネジ、37b・・・ネジ、37c・・・ネジ、38・・・モータフレキ、39・・・ギアトレイン、39a・・・ギアA、39b・・・ギアB、40・・・姿勢センサ、41・・・姿勢センサ(ストロボ装置側)、50・・・レンズ鏡筒、51・・・撮影レンズ、52・・・絞り、53・・・レンズ駆動機構、54・・・絞り駆動機構、55・・・レンズ制御用マイクロコンピュータ(Lμcom)、60・・・通信コネクタ、61・・・可動反射ミラー、62・・・サブミラー、63・・・フォーカシングスクリーン、64・・・ペンタプリズム、65・・・接眼レンズ、66・・・測光センサ、67・・・AFセンサユニット、71・・・シャッタ、72・・・防塵フィルタ、73・・・圧電素子、74・・・撮像素子、75・・・撮像ユニット、81・・・撮像インターフェース回路、82・・・画像処理コントローラ、83・・・液晶モニタ、84・・・バッファメモリ(SDRAM)、85・・・フラッシュメモリ、86・・・記録メディア、87・・・測光回路、88・・・防塵フィルタ駆動回路、90・・・不揮発性メモリ(EEPROM)、91・・・シャッタ制御回路、92・・・シャッタチャージ機構、93・・・ミラー駆動機構、94・・・AFセンサ駆動回路、100・・・カメラ本体、101・・・ボディ制御用マイクロコンピュータ(Bμcom)、102・・・通信コネクタ、103・・・動作表示用LCD、104・・・カメラ操作SW、201・・・通信コネクタ、202・・・ドライバ回路、301・・・発光回路、302・・・充電回路、303・・・充電電圧検知回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラの姿勢に応じて発光部の位置を変更可能なストロボ装置において、
上記カメラの撮影光学系の光軸と平行な軸を有し、該軸周りに上記発光部を回転可能に支持するストロボ支持本体と、
上記発光部を有し、上記支持本体に設けられた軸の軸周りに回転可能な軸受けを有するストロボ回転体と、
上記ストロボ回転体を回転駆動するための駆動装置と、
上記カメラの姿勢の信号を受けて、上記駆動装置を駆動させ、上記カメラ若しくは上記支持本体の姿勢に対応して上記ストロボ回転体を回転させるよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とするストロボ装置。
【請求項2】
上記ストロボ装置は、上記ストロボ支持本体に姿勢検知素子を有することを特徴とする請求項1に記載のストロボ装置。
【請求項3】
上記ストロボ装置の制御手段は、上記カメラから姿勢信号を受けたときには、上記ストロボ装置内に設けられた上記姿勢検知素子からの信号により上記駆動装置を駆動させることを特徴とする請求項2に記載のストロボ装置。
【請求項4】
上記制御手段は、上記カメラに設けられた姿勢検知素子から、上記カメラの姿勢の信号を入力することを特徴とする請求項1に記載のストロボ装置。
【請求項5】
カメラの撮影光学系の光軸と平行な軸を有し、該軸周りに上記発光部を回転可能に支持する支持本体と、上記発光部を有し、上記支持本体に設けられた軸の軸周りに回転可能な軸受けを有するストロボ回転体と、上記ストロボ回転体を回転駆動するための駆動装置と、上記カメラの姿勢の信号を受けて、上記駆動装置を駆動させ、上記カメラの姿勢に対応して上記ストロボ回転体を回転させるよう制御する制御手段と、を有するストロボ装置を搭載可能なカメラであって、
上記カメラの姿勢を検知する姿勢検知素子と、
上記姿勢検知素子からの出力を処理して上記ストロボ装置に出力する出力回路と、
を有することを特徴とするカメラ。
【請求項6】
カメラの撮影光学系の光軸と平行な軸を有し、この軸周りに発光部を回転可能に支持するストロボ支持本体と、
上記発光部を有し、上記支持本体に設けられた上記軸の軸周り回転可能な軸受けを有するストロボ回転体と、
このストロボ回転体を回転駆動するための駆動装置と、
上記カメラの姿勢を検知する姿勢検知素子と、
この姿勢検知素子からの出力を処理して出力する出力回路と、
この出力回路からの信号を受け、上記駆動装置を駆動させ、上記カメラの姿勢に応じて上記ストロボ回転体を回転させるよう制御する制御手段と、
を具備することを特徴とするカメラとストロボのシステム。
【請求項7】
カメラ本体とストロボ装置とからなるシステムにおいて、
支持軸の周りに回動可能な発光部と、
この発光部を上記軸周りに駆動する駆動手段と、
上記カメラ本体の姿勢を検知する姿勢検知手段と、
この姿勢検知手段の出力に基づいて、上記発光部が上記撮影光軸に対して上方から照射するように、上記駆動手段を制御する駆動制御手段と、
を具備することを特徴とするカメラとストロボのシステム。
【請求項8】
上記カメラは、上記駆動制御手段によって上記発光部の駆動制御を行っている際には、少なくとも撮影動作を禁止することを特徴とする請求項7に記載のカメラとストロボのシステム。
【請求項9】
カメラ本体に取り付けるための取り付け部を有するストロボ本体支持部と、
この本体支持部に対して可動であるストロボ発光部と、
カメラ又はストロボの姿勢検知信号を入力し、上記ストロボ発光の位置を移動させる駆動手段と、
を具備することを特徴とするストロボ装置。
【請求項10】
上記姿勢検知信号を出力するための姿勢検知素子は、上記ストロボ装置内のストロボ本体支持部内また上記ストロボ発光部内のいずれかに設けられていることを特徴とする請求項9に記載のストロボ装置。
【請求項11】
上記姿勢検知信号は、上記カメラ本体から入力することを特徴とすることを特徴とする請求項9に記載のストロボ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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