説明

スパイラル型膜エレメントの製造方法及びそれに用いる製造装置

【課題】 製造リードタイムの短縮、中間品の削減及び材料の利用効率の向上が可能なスパイラル型膜エレメントの製造方法を提供する。
【解決手段】 分離膜、供給側流路材及び透過側流路材が積層状態で有孔の中心管の周囲にスパイラル状に巻回された円筒状巻回体を備えるスパイラル型膜エレメントの製造方法であって、枚葉状の前記分離膜を製膜する製膜工程と、前記分離膜に前記供給側流路材を挟むようにして該分離膜を折り曲げ、分離膜リーフを形成する分離膜リーフ作製工程とを少なくとも有し、前記製膜工程と分離膜リーフ作製工程とを連続的に行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離膜を用いたスパイラル型膜エレメントの製造方法及びそれに用いる製造装置に関し、特に枚葉状の分離膜を連続的に製造し、連続的にスパイラル型膜エレメントを組み立てる製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、逆浸透ろ過、限外ろ過、精密ろ過等に用いられる流体分離エレメントとして、例えば、供給側流体を分離膜表面へ導く供給側流路材、供給側流体を分離する分離膜、分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体を中心管へと導く透過側流路材からなるユニットを有孔の中心管の周りに巻き付けたスパイラル型膜エレメントが知られている。
【0003】
この様な従来のスパイラル型膜エレメントは、支持膜及びRO膜からなる複合膜を連続的に製膜して、これをロール状に巻回した原反から作製されていた。即ち、従来のスパイラル型膜エレメントの製造プロセスは、(1)原反から分離膜シートを所定長だけ引き出し、所定形状および所定サイズに切断して分離膜を作製した後、供給側流路材を挟む様にしてその分離膜を二つ折りにし、分離膜リーフを形成するメイクアップ工程、(2)分離膜リーフと透過側流路材とを交互に重ねて中心管の回りに巻き付ける巻回工程、(3)巻き付けられた円筒状のスパイラル型膜エレメントの両端部の切断、部品装着、洗浄等を行い、外観上の完成品を得る仕上工程からなっている。
【0004】
しかしながら、前記の様なスパイラル型膜エレメントの製造プロセスにおいては、各工程が各々単独で独立して行われていた。従って、製造開始から製品完成までに要する時間、即ち製造リードタイムが長いという問題があった。また、製造リードタイムの長期間化に起因して、完成品に至るまでの仕掛品(中間品)が多く発生し、材料の使用効率が低下するという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、製造リードタイムの短縮、中間品の削減及び材料の利用効率の向上が可能なスパイラル型膜エレメントの製造方法及びそれに用いる製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者等は、前記従来の問題点を解決すべく、スパイラル型膜エレメントの製造方法及びそれに用いる製造装置について鋭意検討した。その結果、下記構成を採用することにより前記目的を達成できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明に係るスパイラル型膜エレメントの製造方法は、前記の課題を解決する為に、分離膜、供給側流路材及び透過側流路材が積層状態で有孔の中心管の周囲にスパイラル状に巻回された巻回体を備えるスパイラル型膜エレメントの製造方法であって、枚葉状の前記分離膜を製膜する製膜工程と、前記分離膜に前記供給側流路材を挟むようにして該分離膜を折り曲げ、分離膜リーフを作製する分離膜リーフ作製工程とを少なくとも有し、前記製膜工程と分離膜リーフ作製工程とを連続的に行うことを特徴とする。
【0008】
前記の方法に於いては、分離膜の製膜当初から、ロール状に巻回したものではなく、所定形状及び所定サイズの枚葉状のものを作製する。従って、分離膜に供給側流路材を挟むようにして分離膜を折り曲げ、分離膜リーフを作製する前に、分離膜を所定長さに切断する工程を省略することができる。これにより、分離膜の製膜工程から分離膜リーフ作製工程に速やかに移行することができ、分離膜の製膜工程と分離膜リーフ作製工程とを連続的に行うことが可能になる。その結果、製造リードタイムの大幅な短縮が図れる。さらに、製造リードタイムの短縮に伴い中間品の削減が可能になる。また、分離膜の切断を行わないことから、材料の利用効率も向上させることができる。
【0009】
前記分離膜リーフと透過側流路材とを交互に積載して中心管の回りに巻き付け、巻回体を作製する巻回工程を有し、前記分離膜リーフ作製工程と巻回工程とを連続的に行うことが好ましい。
【0010】
前記スパイラル型膜エレメントの製造方法は、(1)供給側流体と透過側流体の混合を防ぐ為、透過側流路材を介して対向する分離膜の縁部に封止樹脂を塗布して封止する塗布工程、(2)前記巻回体の両端を切断する工程、(3)前記巻回体の両端に所定の部品を装着する工程、(4)前記巻回体に外装材を設ける工程、及び(5)前記巻回体を洗浄する工程の少なくとも何れか1つの工程を含むことができる。
【0011】
前記組み合わされた各工程が同期していることが好ましい。
【0012】
また、前記枚葉状の分離膜の製膜方向に於ける長さは、100cm〜300cmであることが好ましい。
【0013】
分離膜の長さが100cmより短い場合、必要とされる分離膜リーフの積層数が多くなり生産性が低下すると共に、分離膜の巻き回しも困難になる場合がある。その一方、分離膜の長さが300cmより長い場合、分離膜を透過した流体が透過側流路材に沿って中心管方向に流れる際に生じる圧力損失が無視できない値まで高くなり、スパイラル型膜エレメントの性能が低下する恐れがある。
【0014】
また、本発明に係る分離膜の製造装置は、スパイラル型膜エレメントに用いる分離膜の製造装置であって、連続工程により長尺の分離膜を製膜する製膜部と、得られる長尺の分離膜を所定寸法に裁断する裁断部とを有することを特徴とする。
【0015】
前記構成であると、用途に応じて予め所定の寸法となる様に、枚葉状の分離膜を製膜することができる。その結果、例えば中心管に巻き付けて分離膜リーフを作製する場合にも、該分離膜リーフに適合した寸法となる様に分離膜を裁断する工程を省略することができる。よって、前記構成の製造装置であると、製造リードタイムの短縮も図れる。さらに、分離膜の利用効率も向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
【0017】
即ち、本発明によれば、製膜当初から枚葉状の分離膜を作製するので、次工程である分離膜リーフ作製工程に連続的かつ速やかに移行することができる。その結果、製造リードタイムの短縮、中間品の削減及び材料の利用効率の向上を実現してスパイラル型膜エレメントの製造を可能にし、大幅な生産効率の向上が図れるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照にしながら説明する。図1は、支持膜を製造する様子を表す説明図である。図2は、枚葉状の複合膜の製膜工程を説明するための概念図である。
【0019】
本実施の形態に係るスパイラル型膜エレメントの製造方法に於いては、先ず枚葉状の分離膜を製膜する製膜工程を行う。
【0020】
支持膜の製膜方法としては、湿式凝固法、乾式凝固法、延伸法など種々の製膜法が挙げられる。例えば、湿式凝固法を採用する場合には、図1に示すように、先ず溶剤に樹脂と添加剤等を溶解した製膜原液(ドープ)を調製し、これをドープタンク12に貯留しておく。次に、不織布ロール11から引き出される不織布にドープタンク12から供給される製膜原液を塗布する。続いて、製膜原液が塗布された不織布を凝固液が満たされたゲル化浴13に浸漬して、溶剤置換させる。これにより、樹脂を凝固(ゲル化)させ、その後凝固液等を乾燥除去するなどして不織布上に多孔質状の支持膜を形成する。支持膜が形成された不織布は、ロール状に巻回して支持膜ロール14とする。
【0021】
前記不織布の構成材料としては特に限定されるものではなく、従来公知のものを採用することができる。具体的には、例えばポリエステル、ポリオレフィン等が例示できる。また、前記不織布は、単層からなることが好ましい。ただし、複数層からなる不織布も本発明では適用可能である。
【0022】
次に、図2に示すように、分離膜製膜装置15を用いて支持膜上にスキン層を形成し、これにより分離膜(複合膜)16を作製する。分離膜製膜装置15は、長尺の分離膜を製膜する製膜部と、その分離膜を所定寸法に裁断する裁断部とを少なくとも有する。製膜部に於いては、支持膜上に製膜溶液を塗布するなどして、スキン層を形成して、長尺の分離膜を連続的に製膜する。次に、得られた長尺の分離膜を、裁断部に於いて所定形状及び所定サイズに裁断して枚葉状の分離膜16を製膜する。枚葉状の分離膜16のサイズとしては、製膜方向に於いてその長さが100cm〜300cmの範囲内であることが好ましい。当該範囲内であると、後述の中心管(集水管)に分離膜リーフを巻き付けた際に、該分離膜リーフの切断を省略することができる。尚、分離膜製膜装置15は、裁断された枚葉状の分離膜16を収容する収容部を備えていても良い。
【0023】
前記スキン層は、流体に含まれる分離対象物質に対し透過性を示さない分離機能を有する。スキン層を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを採用することができる。具体的には、例えば、PE、PP、PET、ナイロン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルアルコール(PVA)、PMMA、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が例示できる。
【0024】
前記分離膜16としては特に限定されるものではなく、例えば逆浸透膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、ガス分離膜、脱ガス膜などが使用できる。
【0025】
次に、メイクアップ工程に移行する。メイクアップ工程は、供給側流路材17を挟むようにして枚葉状の分離膜16を折り曲げる工程または枚葉状の分離膜16の折り曲げた後に、該分離膜16に供給側流路材17を挟むように設ける工程、及び供給側流路と透過側流路とを分離して供給液と透過液の混在を防止する為に樹脂を塗布する工程などが含まれる。即ち、図3に示すように、枚葉状の分離膜16に供給側流路材17を挟むようにして該分離膜16を折り曲げ、分離膜リーフ18を形成する。本工程は、前記の分離膜16の製膜から連続的に行う。
【0026】
前記供給側流路材17としては、ネット状材料、メッシュ状材料、溝付シート、波形シート等が使用できる。
【0027】
前記透過側流路材19としては、従来公知の何れのものも使用できる。具体的には、例えばネット、編み物、メッシュ、線材織物、繊維織物、不織布、溝付きシート、波形シート等が例示できる。また、その材質もポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、エポキシ、ウレタン等の樹脂の他、天然高分子、ゴム、金属など何れでもよい。但し、分離操作等の際に流路材からの溶出が問題となる場合は、これを考慮して材質を選択するのが好ましい。
【0028】
続いて、分離膜16の巻回工程に移行する。本工程では、以下の各工程が含まれる。即ち、図4に示すように、分離膜リーフ18及び透過側流路材19からなる分離膜ユニットを、分離膜リーフ18と透過側流路材19とが交互となる様に積載し積層体とする。分離膜ユニットを積層する際の数量は、必要とされる透過流量に応じて設定される。よって、1層以上であればよいが、操作性を考慮すると50層程度が上限である。
【0029】
さらに、透過側流路材19を介して対向する分離膜16の縁部に封止樹脂20を塗布して封止する。これにより、供給側流路及び透過側流路を形成することができ、供給側流体と透過側流体の混合を防止することができる。塗布方法としては特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用できる。また、封止樹脂20としては特に限定されるものではなく、従来公知のものを採用することができる。
【0030】
さらに、図5に示すように、この積層体を中心管21の回りにスパイラル状に巻き付け、円筒状の巻回体22を作製する。巻き付けは、巻付用のチャックに中心管21をセットし、このチャックをある一定の速度と張力で巻き上げればよい。また、ある一定の速度で巻き上げた後にロールにて荷重方式にて巻き上げる方式で行うことも可能である。
【0031】
前記中心管21は、その周囲に開孔を有するものであればよく、従来の何れのものも使用できる。
【0032】
次に、巻回体22の仕上げ工程を行うことにより、図6に示すように、本実施の形態に係るスパイラル型膜エレメント24を完成させる。本工程は、巻回体22の両端を切断する工程、巻回体22の両端に部品を設ける工程、巻回体22に外装材を設ける工程、巻回体22の洗浄工程を行い、外観的に完成させるものである。各工程は、サイクルタイム(工程毎の単位作業時間を示す)を合わせて、各工程が同期化する時間で連続的に行う。
【0033】
前記巻回体22の両端部を切断する工程に於いては、回転刃などを備える切断装置を用いて巻回体22を相対的に回転させながら全周を切断する方法、固定刃にて巻回体22を回転させながら削り取る方法などを採用することができる。
【0034】
前記巻回体22の両端に部品を装着する工程では、例えば巻回体22の両端部に端部材23を設けることが行われる(図6参照)。端部材23は、その中心に中心管21が貫通する孔を有する円板状物である。端部材23を設けることにより、巻回体22の変形(テレスコープ等)の防止が可能になる。ここで、端部材23としては特に限定されず、従来公知のものを採用することができる。
【0035】
また、巻回体22の外周に、その形状を保持・保護する為の外装材を設けることも行われる。外装材はFRP或いはシートを巻き付けることで形成される。FRPはガラス繊維系或いはガラス繊維布に接着剤を含浸させ、巻回体22の外周に巻き付ける。また、シートを巻き付ける場合は、シートの材質等を考慮して所定の張力で行われる。巻回体22の周りにシートを巻き付ける方法としては、中心管21の軸方向長さとほぼ同じ幅のシートを巻き付ける方法や、短冊状の幅の狭いシートを軸方向の一端から螺旋状に巻き付ける方法等が例示できる。
【0036】
前記巻回体22を洗浄する工程に於いては、その洗浄方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。
【0037】
以上のように、本実施の形態に係るスパイラル型膜エレメントの製造方法であると、製造リードタイムの大幅な短縮が図れる。例えば、従来の製造方法に於いては、スパイラル型膜エレメントが仕上げ工程を終えて外観上完成するまでの製造りードタイムは、4日から5日を要していた。しかし、本実施の形態に係るスパイラル型膜エレメントの製造方法であると、分離膜の製膜工程から次工程へ速やかに移行することができ、連続的な操作が可能になる。これにより、工程毎に場所を移動することなく多工程の作業を連続で行う、いわゆるセル生産方式を実現でき、製造リードタイムは1日にまで短縮できる。また、ロール状の分離膜を使用した場合には、所定の寸法形状に裁断した後に中心管にスパイラル状に巻き付けていたが、本実施の形態に於いては予め所定の寸法形状で枚葉状に製膜された分離膜を使用するので、材料のムダな使用を抑制し、中間品の削減及び材料の利用効率の向上が図れる。さらに、セル生産方式の実現及び工程の省略により、作業者が複数の工程を兼ねることもできる。
【実施例】
【0038】
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0039】
(実施例1)
先ず、枚葉状の分離膜(759HR、日東電工(株)製)を製造した。分離膜の製膜方向に於ける長さは、1.5mとした。連続的に得られた枚葉状の分離膜をその中央にて二つ折りにし、その間に供給側流路材(厚み:0.66mm)を挟み込み、分離膜リーフを作製した。
【0040】
次に、分離膜リーフと透過側流路材(厚み:0.25mm)とを交互に29段重ね、さらに供給側流体と透過側流体を分離するために樹脂の塗布を行った。これにより、積層体を得た。
【0041】
続いて、この積層体を中心管(長さ:1016mm)の回りにスパイラル状に巻き付けて巻回体とし、さらにこの巻回体の両端部を切断して、端部間の長さが975mmの円筒状巻回体を得た。この円筒状巻回体にパツキン保持部品、及び外装FRPを装着し、外観上の完成品であるスパイラル型膜エレメントを得た。
【0042】
(比較例1)
本比較例1に於いては、実施例1に於いて製造した枚葉状の分離膜に代えて、2000m巻きのロール状の分離膜からスパイラル型膜エレメントを作製した以外は、実施例1と同様にした。尚、本比較例に於いては、各工程を25本単位でバッチ処理して行った。
【0043】
(評価)
前記実施例1及び比較例1について、それぞれ分離膜の製膜からスパイラル型膜エレメントの外観上の完成までの時間、即ち製造リードタイムを測定した。さらに、実施例1に於けるリードタイムに対する比較例1に於けるリードタイムの比を求めた。結果を下記表1に示す。
【0044】
【表1】

表1から分かるように、製造リードタイムは、実施例1では3時間であり、比較例1では52時間であった。また、リードタイム比は実施例1の場合と比較して17.3倍であり、製造リードタイムの大幅な短縮が図れることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係るスパイラル型膜エレメントの製造方法に於いて、支持膜の製造を説明するための概念図である。
【図2】前記スパイラル型膜エレメントの製造方法に於いて、枚葉状の複合膜の製膜工程を説明するための概念図である。
【図3】前記スパイラル型膜エレメントの製造方法に於いて、分離膜リーフの作製を説明する為の説明図である。
【図4】前記スパイラル型膜エレメントの製造方法に於いて、分離膜リーフと透過側流路材との積層状態を示す要部模式図である。
【図5】前記スパイラル型膜エレメントの製造方法に於いて、中心管に積層体を巻き付ける工程を説明する為の模式図である。
【図6】前記スパイラル型膜エレメントの製造方法に於いて得られたスパイラル型膜エレメントを概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
11 不織布ロール
12 ドープタンク
13 ゲル化浴
14 支持膜ロール
15 分離膜製膜装置
16 分離膜
17 供給側流路材
18 分離膜リーフ
19 透過側流路材
20 封止樹脂
21 中心管
22 巻回体
23 端部材
24 スパイラル型膜エレメント


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離膜、供給側流路材及び透過側流路材が積層状態で有孔の中心管の周囲にスパイラル状に巻回された巻回体を備えるスパイラル型膜エレメントの製造方法であって、
枚葉状の前記分離膜を製膜する製膜工程と、
前記分離膜に前記供給側流路材を挟むようにして該分離膜を折り曲げ、分離膜リーフを作製する分離膜リーフ作製工程とを少なくとも有し、
前記製膜工程と分離膜リーフ作製工程とを連続的に行うことを特徴とするスパイラル型膜エレメントの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のスパイラル型膜エレメントの製造方法であって、
前記分離膜リーフと透過側流路材とを交互に積載して中心管の回りに巻き付け、巻回体を作製する巻回工程を有し、
前記分離膜リーフ作製工程と巻回工程とを連続的に行うことを特徴とするスパイラル型膜エレメントの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のスパイラル型膜エレメントの製造方法であって、
(1)供給側流体と透過側流体の混合を防ぐ為、透過側流路材を介して対向する分離膜の縁部に封止樹脂を塗布して封止する塗布工程、
(2)前記巻回体の両端部を切断する工程、
(3)前記巻回体の両端に所定の部品を設ける工程、
(4)前記巻回体に外装材を設ける工程、
(5)前記巻回体を洗浄する工程
の少なくとも何れか1つの工程を含むことを特徴とするスパイラル型膜エレメントの製造方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載のスパイラル型膜エレメントの製造方法であって、
前記組み合わされた各工程が同期していることを特徴とするスパイラル型膜エレメントの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載のスパイラル型膜エレメントの製造方法であって、
前記枚葉状の分離膜の製膜方向に於ける長さは、100cm〜300cmであることを特徴とするスパイラル型膜エレメントの製造方法。
【請求項6】
スパイラル型膜エレメントに用いる分離膜の製造装置であって、
連続工程により長尺の分離膜を製膜する製膜部と、得られる長尺の分離膜を所定寸法に裁断する裁断部とを有することを特徴とする分離膜の製造装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−116419(P2006−116419A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−306620(P2004−306620)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】