スパッタイオンポンプおよび画像表示装置
【課題】画像表示装置の表示面側におけるキャビネットの出っ張りを抑制できるスパッタイオンポンプおよびスパッタイオンポンプを備えた画像表示装置を提供する。
【解決手段】ＳＩＰ５０は、一端が閉塞されたポンプ容器５１と、ポンプ容器内で一端に設けられた第１陰極５２ａと、ポンプ容器内で第１陰極に間隔を置いて対向配置された第２陰極５２ｂと、第１陰極と第２陰極との間に設けられた陽極５３と、ポンプ容器外で第１陰極に対向配置された第１永久磁石５４と、ポンプ容器外で第２陰極に対向配置され、第１永久磁石よりも薄く形成された第２永久磁石５５と、第１永久磁石の外面および第２永久磁石の外面に接触して設けられ、閉磁路を形成した磁性体５６と、を備えている。
【解決手段】ＳＩＰ５０は、一端が閉塞されたポンプ容器５１と、ポンプ容器内で一端に設けられた第１陰極５２ａと、ポンプ容器内で第１陰極に間隔を置いて対向配置された第２陰極５２ｂと、第１陰極と第２陰極との間に設けられた陽極５３と、ポンプ容器外で第１陰極に対向配置された第１永久磁石５４と、ポンプ容器外で第２陰極に対向配置され、第１永久磁石よりも薄く形成された第２永久磁石５５と、第１永久磁石の外面および第２永久磁石の外面に接触して設けられ、閉磁路を形成した磁性体５６と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、スパッタイオンポンプおよびスパッタイオンポンプを備えた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、陰極線管（以下、ＣＲＴと称する）に代わる次世代の軽量、薄型の画像表示装置として様々な平面型画像表示装置が開発されている。このような平面型画像表示装置には、液晶の配向を利用して光の強弱を制御する液晶ディスプレイ（以下、ＬＣＤと称する）、プラズマ放電の紫外線により蛍光体を発光させるプラズマディスプレイパネル（以下、ＰＤＰと称する）、電界放出型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させるフィールドエミッションディスプレイ（以下、ＦＥＤと称する）、表面伝導型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させる表面伝導電子放出ディスプレイ（以下、ＳＥＤと称する）などがある。
【０００３】
例えばＦＥＤやＳＥＤでは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は真空の外囲器を構成している。前面基板には蛍光面が形成されているとともに、背面基板には、蛍光面を励起する電子源として複数の電子放出素子が設けられている。このようなＦＥＤやＳＥＤでは、表示装置の厚さを数ｍｍ程度にまで薄くすることができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されているＣＲＴと比較して、軽量化、薄型化を達成することができるとともに、省電力化を達成することができる。
【０００４】
上記のような画像表示装置において、電子放出素子を安定して動作させるためには、外囲器内を１０−７〜１０−８Ｔｏｒｒ程度の極めて高い真空度に維持する必要がある。また、ＰＤＰにおいても一度真空にしてから放電ガスを充填する必要がある。そこで、真空外囲器内にゲッターを配置して高真空を維持する画像表示装置、更には、真空外囲器にスパッタイオンポンプ（以下、ＳＩＰと称する）を接続し長期間に渡って高真空度を維持する画像表示装置が提案されている（例えば、特許文献１）。
【０００５】
ＳＩＰの一例を挙げると、ＳＩＰは、内部が真空に維持されているとともに真空外囲器の背面基板側に接続されたポンプ容器と、ポンプ容器の外側に設けられた永久磁石と、前面基板および背面基板を挟んでポンプ容器と対向し、前面基板の外面に設けられた他の永久磁石と、永久磁石および他の永久磁石に接触して設けられた磁性体と、を備えている。永久磁石および他の永久磁石が並んだ方向において、永久磁石の厚さおよび他の永久磁石の厚さは同一である。ポンプ容器内には、陰極と陽極とが対向して設けられている。陰極はチタン板等により形成され、永久磁石および他の永久磁石にそれぞれ対向して配置されている。陽極は陰極間に設けられている。また、永久磁石および他の永久磁石は陰極と直交する磁界を発生する。
【０００６】
磁石により磁界を印加した状態で陽極と陰極との間に３〜５ｋＶの高電圧を印加すると、電子がガス分子に射突し放出ガスを電離させる。この電離により発生したガスプラスイオンがチタン板からなる陰極に射突し、そのエネルギによりチタンをスパッタさせる。これにより、陽極面に活性なチタン膜が形成される。そして、放出ガス中の中性分子や励起された分子がチタン膜に入射して吸着排気される。このようなＳＩＰの排気動作により、表示装置の真空外囲器内を１０−８Ｔｏｒｒ以下の高真空度に維持することができる。
【特許文献１】特開平５−１２１０１２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
上記したように、永久磁石の厚さおよび他の永久磁石の厚さが同一の場合、前面基板および磁性体の間隔が大きくなる。すなわち、表示面側である前面基板外面側において、磁性体の出っ張りが大きくなる。このため、前面基板外面において、磁性体および前面基板外面の周縁部を覆って設けられるキャビネットの出っ張りも大きくなる。これにより、ユーザーに圧迫感等の不快感を与える可能性がある。また、デザイン上の制約があり、キャビネットの出っ張りを小さくする必要がある。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、画像表示装置の表示面側におけるキャビネットの出っ張りを抑制できるスパッタイオンポンプおよびスパッタイオンポンプを備えた画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するため、本発明の態様に係るスパッタイオンポンプは、一端が閉塞されたポンプ容器と、前記ポンプ容器内で前記一端に設けられた第１陰極と、前記ポンプ容器内で前記第１陰極に間隔を置いて対向配置された第２陰極と、前記第１陰極と第２陰極との間に設けられた陽極と、前記ポンプ容器外で前記第１陰極に対向配置された第１永久磁石と、前記ポンプ容器外で前記第２陰極に対向配置され、前記第１永久磁石よりも薄く形成された第２永久磁石と、前記第１永久磁石の外面および第２永久磁石の外面に接触して設けられ、閉磁路を形成した磁性体と、を備えている。
【０００９】
また、本発明の他の態様に係る画像表示装置は、蛍光面を有した前面基板と、この前面基板に対向配置されているとともに前記蛍光面を励起する複数の電子放出素子が設けられた背面基板と、を有し、内部が真空に維持された真空外囲器と、前記真空外囲器に取付けられ、この真空外囲器内部を排気するスパッタイオンポンプと、を備え、前記スパッタイオンポンプは、一端が閉塞されたポンプ容器と、前記ポンプ容器内で前記一端に設けられた第１陰極と、前記ポンプ容器内で前記第１陰極に間隔を置いて対向配置された第２陰極と、前記第１陰極と第２陰極との間に設けられた陽極と、前記ポンプ容器外で前記第１陰極に対向配置された第１永久磁石と、前記ポンプ容器外で前記第２陰極に対向配置され、前記第１永久磁石よりも薄く形成された第２永久磁石と、前記第１永久磁石の外面および第２永久磁石の外面に接触して設けられ、閉磁路を形成した磁性体と、を備え、前記ポンプ容器は開口した他端を有し、前記ポンプ容器は前記他端側が前記背面基板の外面に取付けられ、前記第２永久磁石は、前記前面基板の外面に設けられ、前記磁性体は前記前面基板および背面基板の周縁を覆っている。
【発明の効果】
【００１０】
この発明によれば、画像表示装置の表示面側におけるキャビネットの出っ張りを抑制できるスパッタイオンポンプおよびスパッタイオンポンプを備えた画像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態に係るＳＩＰを備えたＦＥＤについて詳細に説明する。
図１および図２に示すように、ＦＥＤは、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板１１、および背面基板１２を備え、これらの基板は１〜２ｍｍの隙間を置いて対向配置されている。背面基板１２は前面基板１１よりも大きな寸法に形成されている。そして、前面基板１１および背面基板１２は、矩形枠状の側壁１８を介して周縁部同士が接合され、内部が真空状態に維持された扁平な矩形状の真空外囲器１０を構成している。
【００１２】
真空外囲器１０の内部には、前面基板１１および背面基板１２に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状の支持部材１４が設けられている。これらの支持部材１４は、真空外囲器１０の一辺と平行な方向にそれぞれ延在しているとともに、上記一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。なお、支持部材１４は板状に限らず、柱状のものを用いてもよい。
【００１３】
前面基板１１の内面には、蛍光面として機能する蛍光体スクリーン１６が形成されている。この蛍光体スクリーン１６は、赤、緑、青の蛍光体層、およびこれらの蛍光体層間に位置した光吸収層を並べて構成されている。蛍光体スクリーン１６上にはメタルバック層１７が形成されている。
【００１４】
背面基板１２の内面上には、蛍光体スクリーン１６の蛍光体層を励起する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子２２が設けられている。背面基板１２の内面上には、導電性カソード層２４が形成され、この導電性カソード層上には多数のキャビティ２５を有した二酸化シリコン膜２６が形成されている。二酸化シリコン膜２６上にはゲート電極２８が形成されている。各キャビティ２５内にはコーン状の電子放出素子２２が設けられている。また、背面基板１２の内面には、多数本の配線２３がマトリクス状に設けられ、その端部は真空外囲器１０の周縁部に引出されている。
背面基板１２と側壁１８との間は、低融点ガラス１９によって封着されている。前面基板１１と側壁１８との間は封着層２１によって封着されている。
【００１５】
図２および図３に示すように、真空外囲器１０の背面基板１２には、真空外囲器内部の放出ガスを排気するＳＩＰ５０が設けられている。ＳＩＰ５０は、非磁性材料、例えばガラスにより形成されたポンプ容器５１を有している。ポンプ容器５１は一端が閉塞され他端に開口を有した円筒状に形成されている。ポンプ容器５１は、ガラスからなる背面基板１２に、図示しない封着材で接着されている。封着材としては、フリットガラスや封着金属等の材料が用いられる。ポンプ容器５１は背面基板１２の通気孔１２ａを覆うよう背面基板に取付けられている。言い換えると、ポンプ容器５１の開口した他端側が背面基板１２の外面に取付けられている。このため、ポンプ容器５１の内部は真空外囲器１０の内部に連通し真空に維持されている。
【００１６】
ポンプ容器５１内には、第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、および陽極５３が設けられている。第１陰極５２ａはポンプ容器５１の閉塞された一端に設けられている。この実施の形態において、第１陰極５２ａは円盤状に形成され、ポンプ容器５１の内面上に配設されている。第２陰極５２ｂはポンプ容器５１の開口した他端に設けられ、第１陰極５２ａに間隔を置いて対向配置されている。この実施の形態において、第２陰極５２ｂは円盤状に形成され、図示しない支持部材によりポンプ容器５１に固定されている。貫通孔６０は第２陰極５２ｂを貫通して延びている。
【００１７】
陽極５３はステンレス等の金属により円筒状に形成され、第１陰極５２ａと第２陰極５２ｂとの間に設けられている。陽極５３は、この軸方向両端を第１陰極５２ａおよび第２陰極５２ｂにそれぞれ対向して配置されている。陽極５３はポンプ容器５１と同軸的に設けられている。
【００１８】
ポンプ容器５１外には、第１永久磁石５４、第２永久磁石５５、および磁性体５６が設けられている。第１永久磁石５４は第１陰極５２ａに対向して配置されている。この実施の形態において、第１永久磁石５４は板状に形成され、ポンプ容器５１の外面上に配設されている。第２永久磁石５５は、第２陰極５２ｂに対向して配置されている。この実施の形態において、第２永久磁石５５は板状に形成され、前面基板１１および背面基板１２を挟んで第２陰極５２ｂと対向し、前面基板の外面に設けられている。なお、前面基板１１の外面が画像を表示する表示面であることは言うまでもない。第１永久磁石５４および第２永久磁石５５は、例えばネオジウム・鉄・ボロン（ＮｄＦｅＢ）により形成されている。
【００１９】
上記した第１永久磁石５４および第２永久磁石５５について詳細に説明する。第２永久磁石５５は、第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、陽極５３、第１永久磁石５４、および第２永久磁石５５の並んだ方向ｄにおいて第１永久磁石５４よりも薄く形成されている。なお、方向ｄは真空外囲器１０の厚さ方向でもある。この実施の形態で、方向ｄにおいては、第１永久磁石５４の厚さｔ１が８ｍｍ、第２永久磁石５５の厚さｔ２が４ｍｍである。第２永久磁石５５の厚さｔ２は、第１永久磁石５４の厚さｔ１の２分の１である。
【００２０】
磁性体５６は、第１永久磁石５４の外面および第２永久磁石５５の外面に接触して設けられ、前面基板１１および背面基板１２の周縁を跨いでいる。磁性体５６は、第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、第１永久磁石５４、および第２永久磁石５５とともに閉磁路７０を形成している。図１では図示を省略したが、図２に示すように、ＦＥＤはキャビネット５７を有している。キャビネット５７は、磁性体５６および前面基板１１外面の周縁部を覆っている。
【００２１】
また、全てを図示しないが、陽極５３の側面に給電端子５８ａが接続され、第２陰極５２ｂに端子５８ｂが接続されている。真空外囲器１０の外部に設けられた電源５９から給電端子５８ａおよび端子５８ｂを介し、陽極５３には相対的に正の電圧が印加され、第２陰極５２ｂには相対的に負の電圧が印加される。
【００２２】
上記のように構成されたＳＩＰによれば、動作時、第１陰極５２ａおよび第２陰極５２ｂと直交する方向に磁界を印加した状態で、電源５９から第２陰極５２ｂと陽極５３との間に３〜５ｋＶの高電圧を印加する。すると、ポンプ容器５１内において、電子がガス分子に射突し放出ガスを電離させる。この電離により発生したガスプラスイオンが例えばチタン板からなる第１陰極５２ａに射突し、そのエネルギによってチタンをスパッタさせる。これにより、陽極５３の表面に活性なチタン膜が形成される。そして、放出ガス中の中性分子や励起された分子がチタン膜に入射して吸着し排気される。このようなＳＩＰ５０の排気動作によって真空外囲器１０内の放出ガスを排気し、真空外囲器内を１０−８Ｔｏｒｒ以下の高真空度に維持する。
【００２３】
図３に示すように、第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、第１永久磁石５４、第２永久磁石５５、および磁性体５６により閉磁路７０が形成され、第１永久磁石および第２永久磁石の発生磁界は閉磁路を通る。このため、第１永久磁石５４および第２永久磁石５５の発生磁界の外部への漏洩を抑制することができる。なお、第１永久磁石５４および第２永久磁石５５の発生磁界は陽極５３内を通る。
【００２４】
以上のように構成された、ＳＩＰ５０およびＳＩＰを備えた画像表示装置によれば、第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、陽極５３、第１永久磁石５４、および第２永久磁石５５は方向ｄに並んで位置し、第１永久磁石はポンプ容器５１の外側に、第２永久磁石は前面基板１１の外面にそれぞれ設けられている。第２永久磁石５５の厚さｔ２は第１永久磁石５４の厚さｔ１の２分の１である。上述した第１永久磁石５４および第２永久磁石５５からなる磁界強度は、それぞれ厚さ６ｍｍの第１永久磁石および第２永久磁石からなる磁界強度とほぼ等しく、ＳＩＰ５０の動作に有効な値である。
【００２５】
このため、第１永久磁石５４および第２永久磁石５５の厚さをそれぞれ６ｍｍとした場合に比べ、第１永久磁石５４の厚さｔ１を２ｍｍ厚くすることにより、第２永久磁石５５の厚さｔ２を２ｍｍ薄くすることができる。前面基板１１および磁性体５６の間隔を小さくすることができるため、前面基板外面側において、磁性体の出っ張りを抑制することができ、ひいてはキャビネット５７の出っ張りを抑制することができる。
【００２６】
これにより、ユーザーに与える圧迫感等の不快感を解消できる。また、キャビネット５７のデザイン上の制約を満たすことができる。上記した効果は、第２永久磁石５５の厚さｔ２が第１永久磁石５４の厚さｔ１の２分の１以下の場合に有効である。
【００２７】
第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、第１永久磁石５４、第２永久磁石５５、および磁性体５６によって閉磁路７０が形成されるため、漏洩磁界をシールドすることができる。このため、漏洩磁界を嫌う装置と組み合せてＳＩＰ５０を使用する場合、大きな効果を発揮する。
【００２８】
第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、および陽極５３は方向ｄに並んでいるため、これらが方向ｄと直交する方向に並んでいる場合に比べ、方向ｄにおけるポンプ容器５１を薄く形成することができ、ひいては磁性体５６およびキャビネット５７の薄型化が可能になる。ＳＩＰ５０により真空外囲器１０内を高い真空度に維持することができ、長期間に渡って安定した表示品位を維持することができる。
上記したことから、画像表示装置の表示面側におけるキャビネット５７の出っ張りを抑制できるスパッタイオンポンプおよびスパッタイオンポンプを備えた画像表示装置を提供することができる。
【００２９】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、ポンプ容器５１は円筒状に限らず、軸方向に直交した断面が三角形や四角形等の筒状に形成されても良い。陽極５３は円筒状に限らず、筒状であれば良い。ＳＩＰ５０は、予め磁界を発生させる第１永久磁石５４および第２永久磁石５５で構成したが、これに限らず、第１永久磁石および第２永久磁石の替わりに磁性体を配設した後、この磁性体を着磁して永久磁石を構成しても良い。
【００３０】
ＳＩＰ５０の各構成要素の形状、材質等は上述した実施の形態に限らず必要に応じて種々選択可能である。電子放出素子２２は、電界放出型の電子放出素子に限らず、ｐｎ型の冷陰極素子あるいは表面伝導型の電子放出素子等の他の電子放出素子を用いても良い。
この発明は、ＦＥＤに限定されることなく、ＳＥＤ等の他の画像表示装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】この発明の実施の形態に係るＦＥＤを示す斜視図。
【図２】図１の線Ａ−Ａに沿った上記ＦＥＤの断面図。
【図３】上記ＦＥＤにおけるＳＩＰを示す断面図。
【符号の説明】
【００３２】
１０…真空外囲器、１１…前面基板、１２…背面基板、１２ａ…通気孔、１６…蛍光体スクリーン、２２…電子放出素子、５０…ＳＩＰ、５１…ポンプ容器、５２ａ…第１陰極、５２ｂ…第２陰極、５３…陽極、５４…第１永久磁石、５５…第２永久磁石、５６…磁性体、５７…キャビネット、６０…貫通孔、７０…閉磁路。
【技術分野】
【０００１】
この発明は、スパッタイオンポンプおよびスパッタイオンポンプを備えた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、陰極線管（以下、ＣＲＴと称する）に代わる次世代の軽量、薄型の画像表示装置として様々な平面型画像表示装置が開発されている。このような平面型画像表示装置には、液晶の配向を利用して光の強弱を制御する液晶ディスプレイ（以下、ＬＣＤと称する）、プラズマ放電の紫外線により蛍光体を発光させるプラズマディスプレイパネル（以下、ＰＤＰと称する）、電界放出型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させるフィールドエミッションディスプレイ（以下、ＦＥＤと称する）、表面伝導型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させる表面伝導電子放出ディスプレイ（以下、ＳＥＤと称する）などがある。
【０００３】
例えばＦＥＤやＳＥＤでは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は真空の外囲器を構成している。前面基板には蛍光面が形成されているとともに、背面基板には、蛍光面を励起する電子源として複数の電子放出素子が設けられている。このようなＦＥＤやＳＥＤでは、表示装置の厚さを数ｍｍ程度にまで薄くすることができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されているＣＲＴと比較して、軽量化、薄型化を達成することができるとともに、省電力化を達成することができる。
【０００４】
上記のような画像表示装置において、電子放出素子を安定して動作させるためには、外囲器内を１０−７〜１０−８Ｔｏｒｒ程度の極めて高い真空度に維持する必要がある。また、ＰＤＰにおいても一度真空にしてから放電ガスを充填する必要がある。そこで、真空外囲器内にゲッターを配置して高真空を維持する画像表示装置、更には、真空外囲器にスパッタイオンポンプ（以下、ＳＩＰと称する）を接続し長期間に渡って高真空度を維持する画像表示装置が提案されている（例えば、特許文献１）。
【０００５】
ＳＩＰの一例を挙げると、ＳＩＰは、内部が真空に維持されているとともに真空外囲器の背面基板側に接続されたポンプ容器と、ポンプ容器の外側に設けられた永久磁石と、前面基板および背面基板を挟んでポンプ容器と対向し、前面基板の外面に設けられた他の永久磁石と、永久磁石および他の永久磁石に接触して設けられた磁性体と、を備えている。永久磁石および他の永久磁石が並んだ方向において、永久磁石の厚さおよび他の永久磁石の厚さは同一である。ポンプ容器内には、陰極と陽極とが対向して設けられている。陰極はチタン板等により形成され、永久磁石および他の永久磁石にそれぞれ対向して配置されている。陽極は陰極間に設けられている。また、永久磁石および他の永久磁石は陰極と直交する磁界を発生する。
【０００６】
磁石により磁界を印加した状態で陽極と陰極との間に３〜５ｋＶの高電圧を印加すると、電子がガス分子に射突し放出ガスを電離させる。この電離により発生したガスプラスイオンがチタン板からなる陰極に射突し、そのエネルギによりチタンをスパッタさせる。これにより、陽極面に活性なチタン膜が形成される。そして、放出ガス中の中性分子や励起された分子がチタン膜に入射して吸着排気される。このようなＳＩＰの排気動作により、表示装置の真空外囲器内を１０−８Ｔｏｒｒ以下の高真空度に維持することができる。
【特許文献１】特開平５−１２１０１２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
上記したように、永久磁石の厚さおよび他の永久磁石の厚さが同一の場合、前面基板および磁性体の間隔が大きくなる。すなわち、表示面側である前面基板外面側において、磁性体の出っ張りが大きくなる。このため、前面基板外面において、磁性体および前面基板外面の周縁部を覆って設けられるキャビネットの出っ張りも大きくなる。これにより、ユーザーに圧迫感等の不快感を与える可能性がある。また、デザイン上の制約があり、キャビネットの出っ張りを小さくする必要がある。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、画像表示装置の表示面側におけるキャビネットの出っ張りを抑制できるスパッタイオンポンプおよびスパッタイオンポンプを備えた画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するため、本発明の態様に係るスパッタイオンポンプは、一端が閉塞されたポンプ容器と、前記ポンプ容器内で前記一端に設けられた第１陰極と、前記ポンプ容器内で前記第１陰極に間隔を置いて対向配置された第２陰極と、前記第１陰極と第２陰極との間に設けられた陽極と、前記ポンプ容器外で前記第１陰極に対向配置された第１永久磁石と、前記ポンプ容器外で前記第２陰極に対向配置され、前記第１永久磁石よりも薄く形成された第２永久磁石と、前記第１永久磁石の外面および第２永久磁石の外面に接触して設けられ、閉磁路を形成した磁性体と、を備えている。
【０００９】
また、本発明の他の態様に係る画像表示装置は、蛍光面を有した前面基板と、この前面基板に対向配置されているとともに前記蛍光面を励起する複数の電子放出素子が設けられた背面基板と、を有し、内部が真空に維持された真空外囲器と、前記真空外囲器に取付けられ、この真空外囲器内部を排気するスパッタイオンポンプと、を備え、前記スパッタイオンポンプは、一端が閉塞されたポンプ容器と、前記ポンプ容器内で前記一端に設けられた第１陰極と、前記ポンプ容器内で前記第１陰極に間隔を置いて対向配置された第２陰極と、前記第１陰極と第２陰極との間に設けられた陽極と、前記ポンプ容器外で前記第１陰極に対向配置された第１永久磁石と、前記ポンプ容器外で前記第２陰極に対向配置され、前記第１永久磁石よりも薄く形成された第２永久磁石と、前記第１永久磁石の外面および第２永久磁石の外面に接触して設けられ、閉磁路を形成した磁性体と、を備え、前記ポンプ容器は開口した他端を有し、前記ポンプ容器は前記他端側が前記背面基板の外面に取付けられ、前記第２永久磁石は、前記前面基板の外面に設けられ、前記磁性体は前記前面基板および背面基板の周縁を覆っている。
【発明の効果】
【００１０】
この発明によれば、画像表示装置の表示面側におけるキャビネットの出っ張りを抑制できるスパッタイオンポンプおよびスパッタイオンポンプを備えた画像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態に係るＳＩＰを備えたＦＥＤについて詳細に説明する。
図１および図２に示すように、ＦＥＤは、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板１１、および背面基板１２を備え、これらの基板は１〜２ｍｍの隙間を置いて対向配置されている。背面基板１２は前面基板１１よりも大きな寸法に形成されている。そして、前面基板１１および背面基板１２は、矩形枠状の側壁１８を介して周縁部同士が接合され、内部が真空状態に維持された扁平な矩形状の真空外囲器１０を構成している。
【００１２】
真空外囲器１０の内部には、前面基板１１および背面基板１２に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状の支持部材１４が設けられている。これらの支持部材１４は、真空外囲器１０の一辺と平行な方向にそれぞれ延在しているとともに、上記一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。なお、支持部材１４は板状に限らず、柱状のものを用いてもよい。
【００１３】
前面基板１１の内面には、蛍光面として機能する蛍光体スクリーン１６が形成されている。この蛍光体スクリーン１６は、赤、緑、青の蛍光体層、およびこれらの蛍光体層間に位置した光吸収層を並べて構成されている。蛍光体スクリーン１６上にはメタルバック層１７が形成されている。
【００１４】
背面基板１２の内面上には、蛍光体スクリーン１６の蛍光体層を励起する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子２２が設けられている。背面基板１２の内面上には、導電性カソード層２４が形成され、この導電性カソード層上には多数のキャビティ２５を有した二酸化シリコン膜２６が形成されている。二酸化シリコン膜２６上にはゲート電極２８が形成されている。各キャビティ２５内にはコーン状の電子放出素子２２が設けられている。また、背面基板１２の内面には、多数本の配線２３がマトリクス状に設けられ、その端部は真空外囲器１０の周縁部に引出されている。
背面基板１２と側壁１８との間は、低融点ガラス１９によって封着されている。前面基板１１と側壁１８との間は封着層２１によって封着されている。
【００１５】
図２および図３に示すように、真空外囲器１０の背面基板１２には、真空外囲器内部の放出ガスを排気するＳＩＰ５０が設けられている。ＳＩＰ５０は、非磁性材料、例えばガラスにより形成されたポンプ容器５１を有している。ポンプ容器５１は一端が閉塞され他端に開口を有した円筒状に形成されている。ポンプ容器５１は、ガラスからなる背面基板１２に、図示しない封着材で接着されている。封着材としては、フリットガラスや封着金属等の材料が用いられる。ポンプ容器５１は背面基板１２の通気孔１２ａを覆うよう背面基板に取付けられている。言い換えると、ポンプ容器５１の開口した他端側が背面基板１２の外面に取付けられている。このため、ポンプ容器５１の内部は真空外囲器１０の内部に連通し真空に維持されている。
【００１６】
ポンプ容器５１内には、第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、および陽極５３が設けられている。第１陰極５２ａはポンプ容器５１の閉塞された一端に設けられている。この実施の形態において、第１陰極５２ａは円盤状に形成され、ポンプ容器５１の内面上に配設されている。第２陰極５２ｂはポンプ容器５１の開口した他端に設けられ、第１陰極５２ａに間隔を置いて対向配置されている。この実施の形態において、第２陰極５２ｂは円盤状に形成され、図示しない支持部材によりポンプ容器５１に固定されている。貫通孔６０は第２陰極５２ｂを貫通して延びている。
【００１７】
陽極５３はステンレス等の金属により円筒状に形成され、第１陰極５２ａと第２陰極５２ｂとの間に設けられている。陽極５３は、この軸方向両端を第１陰極５２ａおよび第２陰極５２ｂにそれぞれ対向して配置されている。陽極５３はポンプ容器５１と同軸的に設けられている。
【００１８】
ポンプ容器５１外には、第１永久磁石５４、第２永久磁石５５、および磁性体５６が設けられている。第１永久磁石５４は第１陰極５２ａに対向して配置されている。この実施の形態において、第１永久磁石５４は板状に形成され、ポンプ容器５１の外面上に配設されている。第２永久磁石５５は、第２陰極５２ｂに対向して配置されている。この実施の形態において、第２永久磁石５５は板状に形成され、前面基板１１および背面基板１２を挟んで第２陰極５２ｂと対向し、前面基板の外面に設けられている。なお、前面基板１１の外面が画像を表示する表示面であることは言うまでもない。第１永久磁石５４および第２永久磁石５５は、例えばネオジウム・鉄・ボロン（ＮｄＦｅＢ）により形成されている。
【００１９】
上記した第１永久磁石５４および第２永久磁石５５について詳細に説明する。第２永久磁石５５は、第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、陽極５３、第１永久磁石５４、および第２永久磁石５５の並んだ方向ｄにおいて第１永久磁石５４よりも薄く形成されている。なお、方向ｄは真空外囲器１０の厚さ方向でもある。この実施の形態で、方向ｄにおいては、第１永久磁石５４の厚さｔ１が８ｍｍ、第２永久磁石５５の厚さｔ２が４ｍｍである。第２永久磁石５５の厚さｔ２は、第１永久磁石５４の厚さｔ１の２分の１である。
【００２０】
磁性体５６は、第１永久磁石５４の外面および第２永久磁石５５の外面に接触して設けられ、前面基板１１および背面基板１２の周縁を跨いでいる。磁性体５６は、第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、第１永久磁石５４、および第２永久磁石５５とともに閉磁路７０を形成している。図１では図示を省略したが、図２に示すように、ＦＥＤはキャビネット５７を有している。キャビネット５７は、磁性体５６および前面基板１１外面の周縁部を覆っている。
【００２１】
また、全てを図示しないが、陽極５３の側面に給電端子５８ａが接続され、第２陰極５２ｂに端子５８ｂが接続されている。真空外囲器１０の外部に設けられた電源５９から給電端子５８ａおよび端子５８ｂを介し、陽極５３には相対的に正の電圧が印加され、第２陰極５２ｂには相対的に負の電圧が印加される。
【００２２】
上記のように構成されたＳＩＰによれば、動作時、第１陰極５２ａおよび第２陰極５２ｂと直交する方向に磁界を印加した状態で、電源５９から第２陰極５２ｂと陽極５３との間に３〜５ｋＶの高電圧を印加する。すると、ポンプ容器５１内において、電子がガス分子に射突し放出ガスを電離させる。この電離により発生したガスプラスイオンが例えばチタン板からなる第１陰極５２ａに射突し、そのエネルギによってチタンをスパッタさせる。これにより、陽極５３の表面に活性なチタン膜が形成される。そして、放出ガス中の中性分子や励起された分子がチタン膜に入射して吸着し排気される。このようなＳＩＰ５０の排気動作によって真空外囲器１０内の放出ガスを排気し、真空外囲器内を１０−８Ｔｏｒｒ以下の高真空度に維持する。
【００２３】
図３に示すように、第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、第１永久磁石５４、第２永久磁石５５、および磁性体５６により閉磁路７０が形成され、第１永久磁石および第２永久磁石の発生磁界は閉磁路を通る。このため、第１永久磁石５４および第２永久磁石５５の発生磁界の外部への漏洩を抑制することができる。なお、第１永久磁石５４および第２永久磁石５５の発生磁界は陽極５３内を通る。
【００２４】
以上のように構成された、ＳＩＰ５０およびＳＩＰを備えた画像表示装置によれば、第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、陽極５３、第１永久磁石５４、および第２永久磁石５５は方向ｄに並んで位置し、第１永久磁石はポンプ容器５１の外側に、第２永久磁石は前面基板１１の外面にそれぞれ設けられている。第２永久磁石５５の厚さｔ２は第１永久磁石５４の厚さｔ１の２分の１である。上述した第１永久磁石５４および第２永久磁石５５からなる磁界強度は、それぞれ厚さ６ｍｍの第１永久磁石および第２永久磁石からなる磁界強度とほぼ等しく、ＳＩＰ５０の動作に有効な値である。
【００２５】
このため、第１永久磁石５４および第２永久磁石５５の厚さをそれぞれ６ｍｍとした場合に比べ、第１永久磁石５４の厚さｔ１を２ｍｍ厚くすることにより、第２永久磁石５５の厚さｔ２を２ｍｍ薄くすることができる。前面基板１１および磁性体５６の間隔を小さくすることができるため、前面基板外面側において、磁性体の出っ張りを抑制することができ、ひいてはキャビネット５７の出っ張りを抑制することができる。
【００２６】
これにより、ユーザーに与える圧迫感等の不快感を解消できる。また、キャビネット５７のデザイン上の制約を満たすことができる。上記した効果は、第２永久磁石５５の厚さｔ２が第１永久磁石５４の厚さｔ１の２分の１以下の場合に有効である。
【００２７】
第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、第１永久磁石５４、第２永久磁石５５、および磁性体５６によって閉磁路７０が形成されるため、漏洩磁界をシールドすることができる。このため、漏洩磁界を嫌う装置と組み合せてＳＩＰ５０を使用する場合、大きな効果を発揮する。
【００２８】
第１陰極５２ａ、第２陰極５２ｂ、および陽極５３は方向ｄに並んでいるため、これらが方向ｄと直交する方向に並んでいる場合に比べ、方向ｄにおけるポンプ容器５１を薄く形成することができ、ひいては磁性体５６およびキャビネット５７の薄型化が可能になる。ＳＩＰ５０により真空外囲器１０内を高い真空度に維持することができ、長期間に渡って安定した表示品位を維持することができる。
上記したことから、画像表示装置の表示面側におけるキャビネット５７の出っ張りを抑制できるスパッタイオンポンプおよびスパッタイオンポンプを備えた画像表示装置を提供することができる。
【００２９】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、ポンプ容器５１は円筒状に限らず、軸方向に直交した断面が三角形や四角形等の筒状に形成されても良い。陽極５３は円筒状に限らず、筒状であれば良い。ＳＩＰ５０は、予め磁界を発生させる第１永久磁石５４および第２永久磁石５５で構成したが、これに限らず、第１永久磁石および第２永久磁石の替わりに磁性体を配設した後、この磁性体を着磁して永久磁石を構成しても良い。
【００３０】
ＳＩＰ５０の各構成要素の形状、材質等は上述した実施の形態に限らず必要に応じて種々選択可能である。電子放出素子２２は、電界放出型の電子放出素子に限らず、ｐｎ型の冷陰極素子あるいは表面伝導型の電子放出素子等の他の電子放出素子を用いても良い。
この発明は、ＦＥＤに限定されることなく、ＳＥＤ等の他の画像表示装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】この発明の実施の形態に係るＦＥＤを示す斜視図。
【図２】図１の線Ａ−Ａに沿った上記ＦＥＤの断面図。
【図３】上記ＦＥＤにおけるＳＩＰを示す断面図。
【符号の説明】
【００３２】
１０…真空外囲器、１１…前面基板、１２…背面基板、１２ａ…通気孔、１６…蛍光体スクリーン、２２…電子放出素子、５０…ＳＩＰ、５１…ポンプ容器、５２ａ…第１陰極、５２ｂ…第２陰極、５３…陽極、５４…第１永久磁石、５５…第２永久磁石、５６…磁性体、５７…キャビネット、６０…貫通孔、７０…閉磁路。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
一端が閉塞されたポンプ容器と、
前記ポンプ容器内で前記一端に設けられた第１陰極と、
前記ポンプ容器内で前記第１陰極に間隔を置いて対向配置された第２陰極と、
前記第１陰極と第２陰極との間に設けられた陽極と、
前記ポンプ容器外で前記第１陰極に対向配置された第１永久磁石と、
前記ポンプ容器外で前記第２陰極に対向配置され、前記第１永久磁石よりも薄く形成された第２永久磁石と、
前記第１永久磁石の外面および第２永久磁石の外面に接触して設けられ、閉磁路を形成した磁性体と、を備えたスパッタイオンポンプ。
【請求項２】
前記第２永久磁石の厚さは、前記第１永久磁石の厚さの２分の１以下である請求項１に記載のスパッタイオンポンプ。
【請求項３】
前記第２永久磁石は、前記第１陰極、第２陰極、陽極、第１永久磁石、および第２永久磁石の並んだ方向において前記第１永久磁石よりも薄く形成されている請求項１に記載のスパッタイオンポンプ。
【請求項４】
蛍光面を有した前面基板と、この前面基板に対向配置されているとともに前記蛍光面を励起する複数の電子放出素子が設けられた背面基板と、を有し、内部が真空に維持された真空外囲器と、
前記真空外囲器に取付けられ、この真空外囲器内部を排気する請求項１ないし３のいずれか１項に記載のスパッタイオンポンプと、を備え、
前記ポンプ容器は開口した他端を有し、
前記ポンプ容器は前記他端側が前記背面基板の外面に取付けられ、前記第２永久磁石は、前記前面基板の外面に設けられ、前記磁性体は前記前面基板および背面基板の周縁を跨いでいる画像表示装置。
【請求項５】
前記背面基板を貫通して延びた通気孔を有し、
前記ポンプ容器は前記通気孔を覆うように取付けられている請求項４に記載の画像表示装置。
【請求項１】
一端が閉塞されたポンプ容器と、
前記ポンプ容器内で前記一端に設けられた第１陰極と、
前記ポンプ容器内で前記第１陰極に間隔を置いて対向配置された第２陰極と、
前記第１陰極と第２陰極との間に設けられた陽極と、
前記ポンプ容器外で前記第１陰極に対向配置された第１永久磁石と、
前記ポンプ容器外で前記第２陰極に対向配置され、前記第１永久磁石よりも薄く形成された第２永久磁石と、
前記第１永久磁石の外面および第２永久磁石の外面に接触して設けられ、閉磁路を形成した磁性体と、を備えたスパッタイオンポンプ。
【請求項２】
前記第２永久磁石の厚さは、前記第１永久磁石の厚さの２分の１以下である請求項１に記載のスパッタイオンポンプ。
【請求項３】
前記第２永久磁石は、前記第１陰極、第２陰極、陽極、第１永久磁石、および第２永久磁石の並んだ方向において前記第１永久磁石よりも薄く形成されている請求項１に記載のスパッタイオンポンプ。
【請求項４】
蛍光面を有した前面基板と、この前面基板に対向配置されているとともに前記蛍光面を励起する複数の電子放出素子が設けられた背面基板と、を有し、内部が真空に維持された真空外囲器と、
前記真空外囲器に取付けられ、この真空外囲器内部を排気する請求項１ないし３のいずれか１項に記載のスパッタイオンポンプと、を備え、
前記ポンプ容器は開口した他端を有し、
前記ポンプ容器は前記他端側が前記背面基板の外面に取付けられ、前記第２永久磁石は、前記前面基板の外面に設けられ、前記磁性体は前記前面基板および背面基板の周縁を跨いでいる画像表示装置。
【請求項５】
前記背面基板を貫通して延びた通気孔を有し、
前記ポンプ容器は前記通気孔を覆うように取付けられている請求項４に記載の画像表示装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００６−９３０２６（Ｐ２００６−９３０２６Ａ）
【公開日】平成１８年４月６日（２００６．４．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２８０１２６（Ｐ２００４−２８０１２６）
【出願日】平成１６年９月２７日（２００４．９．２７）
【出願人】（０００００３０７８）株式会社東芝 (54,554)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年４月６日（２００６．４．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年９月２７日（２００４．９．２７）
【出願人】（０００００３０７８）株式会社東芝 (54,554)
【Ｆターム（参考）】
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