説明

スパンボンド不織布に適するポリプロピレン繊維

6〜150g/10分のMFR(1)値を有し、(i)少なくとも0.8重量%のエチレンを含み、溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低く、25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が4結晶性プロピレンランダムコポリマーまたは結晶性プロピレンポリマー組成物;ならびに(ii)溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低い結晶性プロピレンポリマー組成物であって、該組成物が少なくとも0.64重量%のエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィン繰り返し単位を含有し、かつ(I)結晶性プロピレンホモポリマー、または1.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%;および(II)(IIa)プロピレンと0.8〜10重量%のエチレンとのコポリマーおよび/または(IIb)プロピレンと1.5〜18重量%のC4〜C10α−オレフィンとのコポリマーから選択される結晶性ランダムコポリマー20〜80%を含むものから選択されるプロピレンポリマー組成物(A)を含むスパンボンド布地用の繊維。
該ポリマー組成物(A)は、MFR(1)のMFR(2)に対する比が1.5〜60であるという条件の下で、0.5〜50g/10分のMFR値(MFR(2))を有する前駆体ポリマー(B)を化学的分解に付すことにより得ることができる。上記のプロピレンポリマー組成物(ii)および該繊維から製造される不織布。該布地は、カバーストックおよびオムツに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,プロピレンポリマー組成物からなる熱接着可能な繊維に関し、該繊維から得られるスパンボンド不織布および該繊維製造のためのポリプロピレン組成物に関する。
【0002】
「繊維」の定義は、スパンボンド用繊維および/またはフィラメントを含む。
【背景技術】
【0003】
オレフィンコポリマーまたはポリオレフィン組成物で形成される繊維は、当該技術において知られている。特に、繊維の熱接着性(つまり接着強度)および/またはカレンダー速度を改良するだけのために、プロピレンのランダムコポリマーの使用が既に検討されている。
【0004】
プロピレンランダムコポリマー繊維も、主として不織布の柔軟性の改良のため不織布として使用され、一般に良好な性質は溶解画分含量が高くなると得られる。しかし欠点は、溶媒可溶含量が高くなると、不織布の靭性が実質的に低下するということである。
【0005】
欧州特許第416620号には、オレフィンコポリマーおよびポリオレフィンブレンド物で形成される繊維の例が記載されている。45%より低い結晶化度を有する該ポリマーは、より高い結晶化度のプロピレンポリマーから形成された繊維に比べると、より低い靭性とより低い弾性率であるが、柔軟性が改良され、布地の特性を維持することができるような繊維を提供する。
【0006】
他の例が米国特許第4,211,819号の中に与えられており、そこでは、結晶性ポリ(プロピレン−co−エチレン−co−1−ブテン)を紡糸して得られる、ホットメルト接着繊維を開示している。より低いホットメルト接着温度を有するかかる繊維は、バインダー材料としてのみ用いられ、従って機械的性質は他の物質によって与えられる。実際に、実施例において不織布が調製されるとき、該繊維はカレンダリングの前にレーヨン繊維と混合される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人は、特定のオレフィンコポリマーとオレフィンコポリマー組成物が、機械的性質の良好なバランスと結び付いて熱接着性が改良された繊維、および熱的接着特性と物理的性質がより良くバランスした不織布を提供することを見いだした。こうして、同じか、またはより低い熱接着温度で、本発明の不織布は、類似の溶融流動速度(MFR)のプロピレンホモポリマーおよびコポリマーから製造される周知のスパンボンド不織布に比較して、靭性や伸度などの性質が改良される。
【0008】
該スパンボンド不織布の別の利点は、改良された柔軟性である。そのより高い柔軟性は、柔らかい手触りで、特に、市場が布地のような外観で非常に柔軟な不織布を好む衛生品用途のための不織布の最終品質の改良をもたらす。
【0009】
更なる利点は、プロピレンポリマー材料のいくつかの固有の物性を適正に選択することにより、高い伸度との組み合わせであってさえも靭性のような性質が優れ、低い溶媒可溶含量を有する不織布が得られることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
よって、本発明は、6〜150、好ましくは10〜60、より好ましくは15〜35g/10分のMFR値(MFR(1))を有し、:
i)a)少なくとも0.8重量%のエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が5重量%より低く、キシレンによる昇温溶出分画(TREF)により25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いコポリマーまたはポリマー組成物;および
b)2.5%重量より多いエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低く、好ましくは8重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が4より高く、好ましくは4.5より高いコポリマーまたはポリマー組成物
から選択される結晶性プロピレンランダムコポリマーまたは結晶性プロピレンポリマー組成物;および
【0011】
ii)少なくとも0.64重量%のエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィン繰り返し単位を含有し、かつ重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマー、または1.5重量%まで、好ましくは0.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜10重量%のエチレンとの結晶性コポリマーである が、但しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、 関係する(コ)ポリマーの重量に対して少なくとも0.8パーセント単位、好 ましくは1パーセント単位、より好ましくは2パーセント単位であるものと、
IIb)プロピレンと、1.5〜18重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意に エチレンとの結晶性コポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(II b)との間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対し て少なくとも1.5パーセント単位、好ましくは2パーセント単位であるもの と、
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)の混合物と
からなる群より選択される結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%
を含む結晶性プロピレンポリマー組成物
からなる群より選択されるプロピレンポリマー組成物(A)を含むスパンボンド不織布用の繊維を提供する。
【0012】
本発明においては、「コポリマー」という語は、ビポリマーやターポリマーのような、2種以上の繰り返し単位を有するポリマーを意味する。
本開示においては、室温とは約25℃の温度とする。
上記の結晶性ポリマーは、アイソタクチック型の立体規則性を示す。
【0013】
成分(i)(a)中に、エチレンが唯一のコモノマーとして存在する場合、該成分は、ほぼ、全成分の重量に対して0.8〜3重量%のエチレンの含有量を表す。
成分(i)(b)中に、エチレンが唯一のコモノマーとして存在する場合、該成分は、ほぼ、5重量%までのエチレンの含有量を表す。
成分(i)中に、C4〜C10α−オレフィンも存在する場合、それらは一般に、全成分(i)の重量に対して1〜6重量%の範囲内である。
【0014】
好ましくは、該ポリマー組成物(A)の成分(ii)は、次の特性を示す:
1)153℃以上の溶融温度;および
2)室温におけるキシレン可溶画分の含量が10%より低く、好ましくは9重量%より低い。
【0015】
ランダムコポリマー(ii)(IIb)中に、エチレンもコモノマーとして存在する場合、エチレン含量は一般に、コポリマーの重量に対して1重量%以内である。
好ましい実施形態において、該ポリマー組成物(ii)は、重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマー、または1.5重量%まで、好ましくは0.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜5重量%のエチレンとの結晶性コポリマーであるが 、但しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関 係する(コ)ポリマーの重量に対して少なくとも0.8パーセント単位である ものと、
IIb)プロピレンと、1.5〜12重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意に エチレンとの結晶性コポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(II b)との間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対し て少なくとも1.5パーセント単位であるものと、
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)の混合物と
から選択される結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%
を含む。
【0016】
該ポリマー組成物(ii)は、好ましくは、155℃以上の溶融温度を有し、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が5重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高い。
【0017】
ポリマー組成物(ii)を構成する2種のプロピレンポリマーのMFR値は、同じであるか、または異なることができる。
特に好ましいのは、成分(I)がプロピレンホモポリマーであり、成分(II)がエチレン−プロピレンランダムコポリマーである結晶性プロピレンポリマー組成物(ii)である。
【0018】
特に高い値の靭性と破断伸度の両方をもつスパンボンド不織布は、一般的に、10〜40g/10分、好ましくは20〜40g/10分のMFR(1)値を有する組成物(A)を用いて製造される繊維から得られる。好ましくは、該組成物(A)は多分散性指標値(polydispersity index value)が一般的に3から6、より好ましくは3.5から6を示す。該組成物(A)を含む繊維を用いて製造されるスパンボンド不織布は、一般に機械方向について測定される靭性値が90cN/5cmで、かつ巾方向について測定されたものが60cN/5cmの値を有する。両方向について測定される破断伸度は、一般に少なくとも90%、好ましくは100%である。
【0019】
本発明による繊維は、標準的処理量で、一般に22cN/texより高く、好ましくは23cN/texより高い靭性値を有する。
本発明の繊維によって示される破断伸度は、標準的処理量で、一般に140%より高く、好ましくは少なくとも150%である。
本発明における繊維は、一般に太さが0.8〜8dtexの範囲にある。
【0020】
スパンボンド布地に適した繊維は、MFR(1)のMFR(2)に対する比が1.5〜60、好ましくは6〜30であるという条件の下で、0.5〜50g/10分のMFR値(MFR(2))を有する前駆体ポリマー(B)を化学的分解に付すことにより得ることができるポリプロピレン組成物(A)を用いても得られる。
前駆体ポリマー(B)のポリマー鎖の化学的分解は、適切な周知の技術を使用して行われる。
【0021】
該技術の一つは過酸化物の使用に基づき、それは押出機中でポリマー材料に、所望の程度の化学的分解を得ることを許容する量で添加される。かかる分解は、ポリマー材料を、少なくとも過酸化物の分解温度と同じ温度で、機械的剪断応力状態にすることにより達成される。
【0022】
化学的分解に最も便利に使用できる過酸化物は、好ましくは150〜250℃の範囲の分解温度を持つ。該過酸化物の例は、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミル パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン、およびルペロックス(商標)101の商品名で販売される2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンである。
好ましくは、該化学的分解された組成物(A)は、2〜6、より好ましくは2〜3の多分散性指標値を有する。
【0023】
該プロピレンコポリマーまたはポリマー組成物において、コモノマーとして存在してもよいC4〜C10α−オレフィンは、式CH2=CHR(式中、Rは、直鎖または分岐鎖状の2〜8個の炭素原子を有するアルキル基、またはアリール(とりわけフェニル)基である)で表される。該C4〜C10α−オレフィンの例は、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンである。特に好ましいのは1−ブテンである。
【0024】
本発明のさらなる実施形態は、6〜150、好ましくは10〜60、より好ましくは15〜35g/10分のMFR(1)値を有し、:
i)a)少なくとも0.8重量%のエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が5重量%より低く、キシレンによる昇温溶出分画(TREF)により25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いコポリマーまたはポリマー組成物;および
b)2.5%重量より多いエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低く、好ましくは8重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が4より高く、好ましくは4.5より高いコポリマーまたはポリマー組成物
から選択される結晶性プロピレンランダムコポリマーまたは結晶性プロピレンポリマー組成物;および
ii)少なくとも0.64重量%のエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィン繰り返し単位を含有し、かつ重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマー、または1.5重量%まで、好ましくは0.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜5%のエチレンとのコポリマーであるが、但しポリ マー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関係する(コ )ポリマーの重量に対して少なくとも0.8パーセント単位、好ましくは1パ ーセント単位、より好ましくは2パーセント単位であるものと、
IIb)プロピレンと、1.5〜12重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意に エチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIb)と の間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して少な くとも1.5パーセント単位、好ましくは2パーセント単位であるものと、
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)の混合物と
から選択される結晶性ランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%
を含む結晶性プロピレンポリマー組成物
から選択される化学的に分解されたプロピレンポリマー組成物(A)である。
【0025】
該ポリマー組成物は、MFR(1)のMFR(2)に対する比が1.5〜60、好ましくは6〜30であるという条件の下で、0.5〜50g/10分のMFR(2)値を有する前駆体ポリマー(B)を化学的分解に付すことにより得ることができる。
【0026】
該ポリマー組成物(A)は、好ましくは次の特性を有する:
1)155℃以上の溶融温度;
2)4重量%より低い、好ましくは3重量%より低い、より好ましくは2.5重量%より低い室温におけるキシレン可溶画分の含有量;および
3)重量により、8より高い、好ましくは10より高い、より好ましくは12より高いキシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値。
【0027】
好ましくは、該組成物(A)は、2.0〜4.5、より好ましくは2.0〜3.0の多分散性指標の値を有する。
【0028】
プロピレンポリマー組成物(A)は、次の段階を含む方法を用いて製造することができる:
1)それぞれの段階において、先行する段階で形成されたポリマーと使用された触媒の存在下で操作し、分子量調節剤(好ましくは水素)を0.5〜50g/10分の前駆体組成物(B)についてのMFR(2)値を得るような量で添加する、1段以上の連続する段階におけるモノマーの重合により、前記の前駆体組成物(B)を製造する段階;ならびに
2)段階(1)で得られる前駆体組成物(B)を、6〜150g/10分、より好ましくは10〜60g/10分の最終組成物についてのMFR(1)値を得るために、1.5〜60、好ましくは6〜30のMFR(1)のMFR(2)に対する比についての分解比率で分解処理に付す段階。
【0029】
前駆体組成物(B)は、当該技術において周知の方法に従って、ポリマー鎖の化学的分解に付される。例えば、分解工程は過酸化物のようなフリーラジカル開始剤を用いて遂行される。該目的に用いることが出来る過酸化物の例は、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシド)ヘキセンおよびジクミルペルオキシドである。分解は、適切な量のフリーラジカル開始剤を使用して行われ、好ましくは窒素のような不活性雰囲気で行われる。そのような工程を行うために、当該技術において知られた方法、装置および操作条件が使用可能である。
【0030】
上記の記載から、前駆体組成物(B)におけるコモノマーの含有量および相対的な量は、最終組成物(A)(分解後)におけるものと同じであることは明確であろう。分解処理は、組成物のMFR値を、MFR(2)からMFR(1)に増加させる効果を持ち、これらの値のMFR(1)のMFR(2)に対する比は、1.5〜60、好ましくは6〜30である。
【0031】
本発明の組成物は、1段以上の重合工程での重合により製造することができる。かかる重合は、立体特異性チーグラー−ナッタ触媒の存在下で行われる。該触媒の本質的成分は、少なくとも1つのチタン−ハロゲン結合を有するチタン化合物と、電子供与性化合物からなる固体触媒成分であり、両方とも活性型ハロゲン化マグネシウム上に担持される。その他の本質的成分(共触媒)は、アルキルアルミニウム化合物のような有機アルミニウム化合物である。
外部供与体は、任意に添加される。
【0032】
本発明の方法において一般に使用される触媒は、アイソタクチシティ指標(以下で開示されるように、25℃におけるキシレン不溶画分として決定される)が90%より高く、好ましくは95%より高いポリプロピレンを製造することが可能である。
【0033】
上記の特徴を持つ触媒は、特許文献でよく知られている;特に優れているのは、米国特許第4,399,054号および欧州特許第45977号に開示される触媒である。他の例は米国特許第4,472,524号に見ることができる。
【0034】
該触媒の中で使用される固体触媒成分は、電子供与体(内部供与体)として、エーテル類、ケトン類、ラクトン類、サクシネート類からなる群から選択される化合物、N、Pおよび/またはS原子を含有する化合物、ならびにモノおよびジカルボン酸のエーテル類を含む。
【0035】
特に好適な電子供与体化合物は、非抽出性サクシネートである;特に好ましいのは、次の式(I):
【0036】
【化1】

【0037】
(式中、R1基およびR2基は互いに同じかまたは異なって、C1〜C20の直鎖または分岐鎖状のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリール基であり、任意にヘテロ原子を含んでいてもよい;また、R3基およびR4基は互いに同じかまたは異なって、C1〜C20のアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリール基であり、それらの少なくとも一つは分岐状のアルキルであるという条件で、任意にヘテロ原子を含んでいてもよい;該化合物は、式(I)の構造の中に認められる2個の不斉炭素原子に関して、純粋な形もしくは混合物として存在する(S,R)形または(R,S)形の立体異性体である)
のサクシネート類である。
【0038】
1およびR2は、好ましくはC1〜C8のアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルおよびアルキルアリール基である。
特に好ましくは、R1およびR2が第一級アルキル類、および特に分岐鎖状の第一級アルキル類から選ばれる化合物である。好ましいR基およびR基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、ネオペンチル、2−エチルヘキシルである。特に好ましいのはエチル、イソブチルおよびネオペンチルである。
【0039】
特に好ましくは、式中のR3基および/またはR4基が、イソプロピル、sec−ブチル、2−ペンチル、3−ペンチルのような第二級アルキル類、またはシクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシルメチルのようなシクロアルキル類である化合物である。
【0040】
上記の化合物の例は、(S,R)(R,S)形の純粋な、または混合物、任意にラセミ形の、ジエチル 2,3−ビス(トリメチルシリル)サクシネート、ジエチル 2,3−ビス(2−エチルブチル)サクシネート、ジエチル 2,3−ジベンジルサクシネート、ジエチル 2,3−ジイソプロピルサクシネート、ジイソブチル 2,3−ジイソプロピルサクシネート、ジエチル 2,3−ビス(シクロヘキシルメチル)サクシネート、ジエチル 2,3−ジイソブチルサクシネート、ジエチル 2,3−ジネオペンチルサクシネート、ジエチル 2,3−ジシクロペンチルサクシネート、ジエチル 2,3−ジシクロヘキシルサクシネートである。
【0041】
他の好適な電子供与体化合物は、式:
【0042】
【化2】

【0043】
(式中、RIおよびRIIは同じかまたは異なって、C1〜C18アルキル、C3〜C18シクロアルキルまたはC7〜C18アリール基である;RIIIおよびRIVは同じかまたは異なって、C1〜C4のアルキル基である)
の1,3−ジエーテル類であるか;あるいは2位の位置の炭素原子が、5、6もしくは7個の炭素原子、または5−n個もしくは6−n’個の炭素原子と、それぞれN,O,SおよびSiからなる群から選ばれるn個の窒素原子ならびにn’個のヘテロ原子とからなる環状または多環状構造の一員である1,3−ジエーテル類である(ここで、nは1または2であり、n’は1、2または3である)。該構造は、2または3個の不飽和部位を有しており(シクロポリエン構造)、任意に他の環状構造と縮合しているか、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基;シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール(alkaryl)基およびハロゲン類からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されるか、または他の環状構造と縮合して、縮合した環状構造と結合することもできる上記の1以上の置換基で置換される;上記の1以上のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルまたはアルカリール基、および縮合した環状構造は、任意に炭素または水素原子の、または両方の代わりに1以上のヘテロ原子を含有する。
この種類のエーテル類は、欧州特許出願第361493号および第728769号に開示される。
【0044】
該ジエーテルの代表例は、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソアミル−1,3−ジメトキシプロパン、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンである。
他の好適な電子供与体化合物は、ジイソブチル、ジオクチル、ジフェニルおよびベンゾイルブチルフタレートのようなフタル酸エステル類である。
【0045】
上記の触媒成分の製造は、種々の方法に従って行われる。
例えば、MgCl2・nROH付加物(特に球状粒子の形)(ここで、nは一般に1〜3であり、ROHはエタノール、ブタノールまたはイソブタノールである)を、電子供与体化合物を含有する過剰のTiCl4と反応させる。反応温度は一般に80〜120℃である。次いで固体物質を分離し、電子供与体の存在下または非存在下に再びTiCl4と反応させ、その後で分離して、塩素イオンが無くなるまで一定量の炭化水素で洗浄する。
【0046】
固体触媒成分において、Tiで表されるチタン化合物は、一般に0.5〜10重量%の量で存在する。固体触媒成分上に固定されて残存している電子供与体化合物の量は、マグネシウムジハライドに対して一般に5〜20モル%である。
固体触媒成分の製造に使用できるチタン化合物は、チタンのハロゲン化物およびハロゲンアルコレートである。四塩化チタンが好適な化合物である。
【0047】
上記の反応は、活性型ハロゲン化マグネシウムを形成する。他の反応は文献において知られていて、それらはカルボン酸マグネシウムのような、ハロゲン化物以外のマグネシウム化合物から出発して、活性型ハロゲン化マグネシウムの形成を引き起こす。
【0048】
固体触媒成分中の活性型ハロゲン化マグネシウムは、触媒成分のX線スペクトルにおいて、非活性型ハロゲン化マグネシウム(表面積が3m2/g以下である)のスペクトルにおいて現れる最大回折強度がもはや存在しないが、その位置に非活性ジハロゲン化マグネシウムの最大回折強度の位置に対してシフトした最大強度を有するハロー(halo)が存在するという事実、または最大回折強度の半値幅が、非活性ハロゲン化マグネシウムのスペクトルの中にあらわれる最大回折強度のものよりも、少なくとも30%大きくなると言う事実により認識できる。最も活性な形は、固体触媒成分のX線スペクトルの中に上記のハローがあらわれるものである。
【0049】
ハロゲン化マグネシウム類の中では、塩化マグネシウムが好適である。最も活性な形の塩化マグネシウムの場合、固体触媒成分のX線スペクトルには、非活性塩化物のスペクトルで2.56Åの位置にあらわれる回折の代わりに、ハローを示す。
【0050】
共触媒として使用されるアルキルアルミニウム化合物は、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム類、および酸素もしくは窒素原子、またはSO4もしくはSO3基を介して互いに結合した2以上のアルミニウム原子を含有する直鎖もしくは環状アルキルアルミニウム化合物を包含する。
アルキルアルミニウム化合物は、一般にAl/Ti比率が1〜1000であるような量が使用される。
【0051】
外部供与体として使用可能な電子供与体化合物は、安息香酸アルキルのような芳香族酸エステルや、とりわけ少なくとも1個のSi−OR結合(式中、Rは炭化水素基である)を含有するシリコン化合物を含む。
シリコン化合物の例は、(tert−ブチル)2Si(OCH32、(シクロヘキシル)(メチル)Si(OCH32、(フェニル)2Si(OCH32および(シクロペンチル)2Si(OCH32である。上記の式を持つ1,3−ジエーテル類もまた有利に用いることができる。内部供与体がこれらのジエーテル類の1つであれば、外部供与体を省略することができる。
【0052】
特に、上記の触媒成分の多くの他の組み合わせでさえ、前述した特徴1)および2)を持つポリマーやポリマー組成物を得られるであろうが、内部供与体としてフタレートおよび外部供与体として(シクロペンチル)2Si(OCH32を有する触媒、または内部供与体として該1,3−ジエーテル類および外部供与体として(シクロペンチル)2Si(OCH32を含有する触媒を使用することで、ランダムコポリマーが好適に製造される。
【0053】
上記のように、重合法は1以上の工程で行うことができる。組成物(ii)の場合、少なくとも2段以上の連続した工程で行われ、ここで第一のプロピレン(コ)ポリマーと第二のプロピレンランダムコポリマーは分離した連続工程で製造され、それぞれの工程では、第一工程を除いて、先行する工程で形成されたと使用された触媒の存在下に操作される。明らかに、組成物(ii)が更なる(コ)ポリマーを含有する場合、それらを製造するために、更なる重合工程を付け加える必要が生じる。該重合工程は、別の反応器で行われるか、またはモノマー濃度と重合条件の勾配を発生させた1以上の反応器において行われる。触媒は、一般に第一段階でのみ添加されるが、その活性は後続の全ての段階においてもなお持続する。
【0054】
分子量の調節は、公知の調節剤、特に水素を使用して行われる。
該工程において、適切な濃度の分子量調節剤を添加することで、上記のMFR(2)の値が得られる。
【0055】
連続法であってもバッチ法であってもよい全重合方法は、次の既知の技術によって、液相で不活性希釈剤の存在下もしくは非存在下に、または気相で、または気−液混合技術により行われる。
二つの工程に関連する反応時間,圧力および温度は重要ではないが、温度が20〜100℃であれば最適である。圧力は、大気圧以上であり得る。
触媒は、少量のオレフィンと予め接触させることができる(予備重合)。
【0056】
少なくとも2個の相互に連結した重合区画のなかで行われる、気相中での触媒重合方法を用いることができる。該方法は、反応条件において触媒の存在下で、一種以上のモノマーを該重合区画の中に供給し、該重合区画からポリマー生成物を取り出すことを含む。該方法において、成長しているポリマー粒子が、早い流動条件の下で該重合区画のひとつ(上昇区画)を介して上方に流動し、該上昇区画を離れ、他の重合区画(下降区画)に入り、そこから粒子は重力の作用で下方に流動し、該下降区画を離れ再び上昇区画に入り、こうして上昇区画と下降区画の間でポリマーの循環が確立され、該方法は任意に:
−上昇区画に存在する気体混合物が下降区画に入ることを、全体的にまたは部分的に防ぐ手段が提供され、そして
−上昇区画に存在する気体混合物とは異なる組成を有する気体および/または液体混合物が、下降区画に導入される
ことを特徴とする。
そのような重合方法は、WO00/02929号に例示される。
【0057】
この方法の特に好適な実施形態によれば、上昇区画に存在する気体混合物とは異なる組成を有する該気体および/または液体混合物の下降区画へ導入が、後者の混合物の下降区画への侵入を防ぐには効果的である。
【0058】
本発明の繊維および不織布に使用されるプロピレンポリマー組成物(A)は、酸化防止剤、光安定剤、耐熱安定剤、静電防止剤、難燃剤、充填剤、造核剤、顔料、汚染防止剤、光増感剤のような当該技術において一般に用いられる添加剤を含有することもできる。
【0059】
上記のように、本発明の実施形態は不織布である。これは、一般に200g/m2より低い重量を有する。
【0060】
本発明の布地は、スパンボンド不織布を製造するための周知の方法で製造することができる。この方法を用いて、繊維は、直接、繊維ウェブを形成するために展開され、不織布を得るためにカレンダー加工される。
典型的なスパンボンド化工程においては、ポリマーは押出機中で、ポリマーまたはポリマー組成物の融点まで加熱され、次いで溶融したポリマーは、所望の径の多くの開口部を持つ紡糸口金を通して圧力下にポンピングされる。これにより、フィラメントを後の延伸工程にかけることなく溶融ポリマーのフィラメントが生成される。
【0061】
装置は、その紡糸ヘッドにダイを有する押出機、冷却塔、ベンチュリ管を使用する空気吸引集合装置を包含するという事実により特徴づけられる。引き取り速度を制御するためにエアー速度を用いるこの装置の下で、フィラメントは、通常、コンベヤベルトの上に集められ、ここでこれらは分配されてカレンダー内での熱接着のためのウェブを形成する。
【0062】
一般的なスパンボンド用機械を使用する場合、通常は以下のような加工条件を適用するのが好適である:
− 口金穴あたりの吐出量は0.1〜2g/分、好ましくは0.1〜1g/分の範囲;
− 紡糸口金面から供給される溶融ポリマーフィラメントは、一般に気流によって冷却され、冷却の結果として固化される;
− 紡糸温度は一般に200〜300℃、好ましくは220〜250℃である。
布地は、単層または多層の不織布により構成され得る。
【0063】
好ましい実施形態において、不織布は多層化され、少なくとも一層は該プロピレンポリマー組成物(A)から形成される繊維を含む。他の層はスパンボンド以外の紡糸工程によって得られてもよく、他のタイプのポリマーを含有してもよい。
【0064】
一般に、本発明による化学的に分解された組成物(A)を含む繊維でつくられるスパンボンド不織布は、機械方向(MD)に測定される靭性が少なくとも30Nであり、巾方向(CD)に測定されるものが少なくとも7.7Nであり、機械方向に測定される破断伸度が少なくとも38%であり、巾方向に測定されるものが少なくとも58%である。
【0065】
靭性、柔軟性および破断伸度が改良された本発明の不織布は、多くの用途において有用である。該不織布は、例えばカバーストックやオムツに加工される。
【実施例】
【0066】
以下の実施例は本発明を説明するために与えられるもので、制限するためではない。
明細書本文および実施例に示されたポリマー性材料および繊維に関するデータは、以下に報告する方法によって測定される。
MFR:ISO1133(230℃で2.16kg)による;
溶融および結晶化温度:20℃/分の温度変化のDSCによる;
エチレン含量:IR分光法による;
多分散性指標(PI):ポリマーの分子量分布の測定。
PI値を決定するため、レオメトリックス社(米国)により販売されるRMS−800型平行プレートレオメーターモデルを使用して、0.01rad/秒から100rad/秒まで増加する振動周波数で操作して、200℃の温度で、たとえば500Paの低い弾性率値における剛性分離(modulus separation)を決定する。剛性分離値から、以下の式を利用してPIが求めるこができる:
PI=54.6×(剛性分離)-1.76
ここで、剛性分離(MS)は以下のように定義される:
MS=(G’=500Paにおける周波数)/(G”=500Paにおける周波数)
(式中、G’は貯蔵弾性率、G”は低い弾性率(low modulus)である)。
【0067】
25℃におけるキシレン可溶画分と不溶画分:2.5gのポリマーを、135℃において、撹拌下250mlのキシレン中に溶解する。20分後、撹拌下のまま溶液を25℃に冷却し、次いで30分静置する。沈殿物をろ紙でろ過し、溶液を窒素気流下に蒸発させ、残渣を真空下、80℃で重量が一定になるまで乾燥させる。こうして、室温におけるポリマーの可溶画分と不溶画分の重量パーセントが計算される。
【0068】
キシレンによる昇温溶出分画:約1gの試料を200mLのo−キシレンに溶解し、0.1g/Lのイルガノックス(登録商標)1010(ペンタエリトリチル テトラキス 3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート)で安定化させる。溶解温度は125〜135℃の範囲の中である。得られた溶液をガラスビーズが充填されたカラム中に注ぎ、次いで16.5時間で25℃までゆっくり冷却する。
最初の画分を、室温においてo−キシレンで溶出して得る。第二の画分を、カラム温度を95℃まで上げた後に回収する。25〜95℃の間で溶解可能なポリマー画分は単独画分として回収される。温度を95から125℃まで直線的に昇温する間に、連続的な画分がo−キシレンで溶出される。200mLの溶液として回収されるそれぞれの画分を、温度1℃増分ごとに集める。ポリマー画分を次いで、アセトンにより沈澱させ、0.5μmのPTFEろ紙上でろ過し、真空下に70℃で乾燥して、秤量する。
【0069】
フィラメントの太さ:10cmの長さのロービングから、50本の繊維を無作為に選び、秤量する。mgで表す該50本の合計重量に2を乗じ、こうしてdtexでの太さを得る。
フィラメントの靭性と(破断)伸度:500mのロービングから、100mmの長さの切片を切り出す。この切片から試験に供される単繊維を無作為に選ぶ。試験に供されるそれぞれの単繊維は、インストロン ダイナモメーター(1122型)のクランプに固定され、クランプ間の初期間隔は20mmで、伸度が100%より低いものは20mm/分の牽引速度で、伸度が100%より高いものは50mm/分で、破断まで張力をかけられる。最終強度(破断時の荷重)と破断伸度が決定される。
靭性は以下の式から導き出される:
靭性=極限強さ(cN)×10/太さ(dtex)
【0070】
接着力:不織布試料を調製する場合、接着強度を長さ20cm、幅5cmの試験片について測定する。幅5cmの先端を、ダイナモメーターのクランプに固定し、100mm/分のクランプ速度で張力をかける(初期クランプ間距離は10cmである)。カレンダリング工程に関して機械方向(MD)と巾方向(CD)とにおいて測定された最大の力は、繊維の強度を表す。
【0071】
実施例1および2
気相重合装置を含む設備により、連続的条件の下でプロピレンとエチレンとを重合してポリマーを製造する。
用いた触媒は、欧州特許第728769号の実施例5と同様にして製造した触媒成分を含むが、MgCl2・2.1C25OHの代わりに微小球状MgCl2・1.7C25OHを使用する。
【0072】
触媒系と事前重合処理
触媒成分を重合反応器に導入する前に、上記の固体触媒成分を、12℃で24分間、トリエチルアルミニウム(TEAL)およびジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)と、TEALの固体触媒に対する重量比が5に等しく、TEALのDCPMSに対する重量比が4に等しくなるような量で接触させる。
次いで、該触媒系を、第一段重合反応器に導入する前に、20℃で5分間、液体プロピレン中の懸濁状態に保つことにより事前重合に付す。
【0073】
重合
重合作業を、連続法で、生成物を一つの反応器から直ちに次の反応器に移送する装置を備える一連の二つの反応器中で行う。この二つの反応器は、液相反応器である。ポリマー(I)を、第一の反応器中で調製し、ポリマー(II)を第二の反応器中で調製する。
水素を分子量調節剤として用いる。
気相(プロピレン,エチレンおよび水素)を、ガスクロマトグラフで連続的に分析する。
操作の最後に粉末が排出され、窒素気流下に乾燥される。
主な重合条件と、二つの反応器の中で製造されたポリマーに関するデータを、表1に報告する。
こうして得られるポリマー組成物を、約0.05重量%のルペロックス(商標)101(つまり2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキソ)ヘキサン)、0.05重量%のステアリン酸カルシウムおよびチバ(登録商標)スペシャリティーケミカルズによって市販される0.15重量%のイルガノックス(登録商標)B215(すなわち50重量%のペンタエリスリル−テトラキス[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、および50重量%のビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト])の存在下に、二軸押し出し機(L/D=35)中での押出/ぺレット化に付す。操作条件は次のとおりである:ヘッド温度250℃、溶融温度239℃および吐出量21kg/時間。
化学分解後のポリマー組成物の物性を、表1に報告する。
【0074】
比較例1および2(1cおよび2c)
表1に報告される特徴を持つスパンボンド加工用の市販の結晶性プロピレンホモポリマーを、実施例1および2で用いるのと同じ試薬および条件で化学分解に付す。分解されたホモポリマーの主な物性を表1に報告する。
【0075】
【表1】

【0076】
実施例3および4と比較例3(3c)
実施例1および2のポリマー組成物と比較例1のホモポリマーを、スクリューの長さ/径比が25で、スクリュー径が25mmで、圧縮比1:3であるレオナルド25紡糸パイロットラインを用いて、紡糸する。該ラインは、コスツルツィオーニ メカニッチェ レオナルド−スミラーゴ(VA)により販売される。
紡糸特性と、こうして製造されるフィラメントの物性を表2に報告する。
【0077】
【表2】

【0078】
比較例3のフィラメントに対して、本発明によるフィラメントは靭性が向上している。より高い引張り強度のフィラメントを製造する能力は、スパンボンド不織布の製造に有利に用いられる。
【0079】
実施例5と比較例4(4c)
実施例1のポリマー組成物と比較例1のホモポリマーを、スパンボンドラインで加工する。最大限のラインの能力で試行を実施する。
こうして製造された不織布は、15g/m2の重量を有する。
【0080】
実施例6
カレンダー温度を5℃下げる以外は、実施例5を繰り返す。
【0081】
実施例7
引き込みエアー圧力を増加させることにより、より厳しい条件の下でフィラメントを加工する以外は実施例6を繰り返す。
操作条件と、実施例5〜7および比較例4のなかで得られた不織布の物性を表3に報告する。
【0082】
【表3】

【0083】
上記のデータは、実施例3のフィラメントが良好な加工性、高い粘稠度を示し、全ての試験条件下で破断がない。こうして製造された本発明による不織布は、比較例の不織布に比べ、より高い柔軟性とより高い布地の靭性を示す。
【0084】
実施例8および比較例5(5c)
実施例2のポリマー組成物と比較例2のホモポリマーを、同じ条件でスパンボンドラインにおいて試験する。
押出機、紡糸およびカレンダリングの主な条件を、表4に報告する。
【0085】
実施例9
実施例2のポリマー組成物を、実施例8よりも高い延伸エアーとより低いカレンダー温度で、紡糸する。
【0086】
【表4】

【0087】
表4のデータは、本発明による不織布は、比較例の不織布に比べて、破断伸度が増加し、同じかより良好な靭性を示す。特に、実施例9の不織布は、実施例8の不織布よりも、MDおよびCDの両方において破断伸度の良好な値を維持しながら、MDおよびCDの両方において高い靭性を示す。
【0088】
実施例10
押し出し中に過酸化物を添加しない以外は、実施例1のようにしてポリマー組成物を製造して押し出す。
重合条件と、ポリマーの主な特性を表5に報告する。
【0089】
比較例6(6c)
表5に報告される特性を有するスパンボンド加工用の従来のプロピレンホモポリマーを、まさに実施例1のようにして化学的分解に付す。過酸化物および添加剤の量と種類は、実施例1と同様である。前駆体とぺレット化されたポリマーの主な物性を、表5に報告する。
【0090】
【表5】

【0091】
実施例11および比較例7(7c)
実施例10のポリマー組成物と比較例6のホモポリマーを、同じ条件でスパンボンドラインにおいて試験する。
標準のラインの能力で試行を実施する。
こうして製造された不織布は、35g/m2の重量である。
実施例11と比較例7で得られた不織布の操作条件と物性を、表6に報告する。
【0092】
【表6】

【0093】
実施例10のポリマー組成物は良好な加工性、高い粘稠度を示し、試験中には破断がない。このようにして製造された本発明による不織布は、比較例の不織布に比べて、より高い伸度と靭性を示す。
【0094】
実施例12
実施例1と同じ触媒系を使用して、ポリマー組成物を製造する。
触媒は、二つの互いに連結した筒型の反応器である下降区画1と上昇区画2を含む気相重合装置に送られる。気相−固相分離器からのリサイクル気体により、反応器1中で高速の流動状態が確立される。2個の反応器区間(leg)における気体組成を差別化するための方法は、「障壁」供給である。この流れは、下降区画のより大きな上部に供給されるプロピレンである。
【0095】
次いで、ポリマー組成物を、実施例1のようにして、0.030重量%のステアリン酸カルシウム、0.19重量%のイルガノックス(登録商標)B501Wおよび0.0730重量%の過酸化物(すなわち、アクゾ社の商標ルペロックス101)の存在下に押し出す。イルガノックス(登録商標)B501Wは、イルガフォス(登録商標)168とイルガノックス(登録商標)1425WLとを1:1の比率での組み合わせである。ここで、イルガフォス(登録商標)168は、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトであり、イルガノックス(登録商標)1425WLは、ポリエチレンワックスとカルシウムビス(((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)−エチルホスホネートとの1:1の比率での組み合わせで、全てチバ(登録商標)スペシャリティーケミカルズから販売される。
重合条件と、化学的分解前後のポリマー組成物の物性を、表7に報告する。
【0096】
【表7】

【0097】
実施例13
上記の実施例12で得られたポリマー組成物を、スクリューの長さ/直径比が25であり、スクリュー径が25mmであり、圧縮比が1:3であるレオナルド25紡糸パイロットラインで紡糸する。このラインは、コストゥルツィオニ メカニチェ レオナルド−スミラゴ(VA)によって販売される。
紡糸試験は以下の条件で行う:口金穴径が0.6mm、吐出量が0.6g/分×口金穴。2700m/分の引き取り速度で、37個の口金穴を有する紡糸口金で製造されたフィラメントについて、機械的値を測定する。紡糸は不具合がなく安定である。
【0098】
比較例7(7c)
ポリマーが、MFR値25g/10分、多分散性指標2.6、融点161℃およびキシレン可溶画分3.2g/mlであるプロピレンホモポリマーからなる市販の樹脂であることを除いて、実施例13を繰り返す。
表8にはこうして得られたフィラメントの物性を、該市販のホモポリマーから製造されたフィラメントの物性と比較して報告する。
【0099】
【表8】

【0100】
比較例7cの市販品に比較して、実施例13のフィラメントの高い靭性と良好な接着力は注目に値する。
収縮率(retraction)もより高い結果である。これらの特性は製造される不織布の品質を改良するであろう。
【0101】
実施例14
実施例1のポリマー組成物に類似のポリマー組成物を製造する以外は、実施例12を繰り返す。該ポリマーは、次いで実施例1のようにして押し出されぺレット化される。重合条件とポリマー組成物の物性を、表9に報告する。
【0102】
【表9】

【0103】
次いで、ポリマー組成物を実施例3のようにして紡糸する。こうして製造されたフィラメントの物性を、表10に報告する。
【0104】
【表10】

【0105】
実施例15
実施例14のポリマー組成物を、スパンボンドラインにおいて、実施例7と同じ条件で最大限のラインの能力で加工する。こうして得られた不織布は、重量15g/m2である。
スパンボンドラインの主な設定と、不織布の主な物性を表11にまとめる。
【0106】
【表11】

【0107】
実施例15で加工されたフィラメントは、良好な加工性、高い粘度を示し、破断を示さない。こうして製造された不織布は、高い柔軟性と高い靭性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
6〜150g/10分のMFR値(MFR(1))を有し、:
i)a)少なくとも0.8重量%のエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が4重量%より低く、キシレンによる昇温溶出分画(TREF)により25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いコポリマーまたはポリマー組成物;および
b)2.5%重量より多いエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が4より高いコポリマーまたはポリマー組成物
から選択される結晶性プロピレンランダムコポリマーまたは結晶性プロピレンポリマー組成物;および
ii)溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低い結晶性プロピレンポリマー組成物であって、該組成物が少なくとも0.64重量%のエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィン繰り返し単位を含有し、かつ重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマー、または1.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜10重量%のエチレンとのコポリマーであるが、但 しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関係す る(コ)ポリマーの重量に対して少なくとも0.8パーセント単位であるもの と、
IIb)プロピレンと、1.5〜18重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意に エチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIb)と の間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して少な くとも1.5パーセント単位であるものと、
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)の混合物と
から選択される結晶性ランダムコポリマー20〜80%
を含むもの
から選択されるプロピレンポリマー組成物(A)を含むスパンボンド不織布用の繊維。
【請求項2】
組成物(A)が、溶融温度155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が5重量%より低く、キシレンによる分画により25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いポリマー組成物(ii)であって;該組成物(ii)が、重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマーおよび/または1.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜5重量%のエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して、少なくとも0.8パーセント単位であるもの;および
IIb)プロピレンと、1.5〜12重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意にエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIb)との間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して、少なくとも1.5パーセント単位であるもの;および
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)との混合物
から選択される結晶性ランダムコポリマー20〜80%
を含むものである請求項1に記載の繊維。
【請求項3】
組成物(A)が、MFR(1)のMFR(2)に対する比が1.5〜60であるという条件の下で、0.5〜50g/10分のMFR値(MFR(2))を有する前駆体ポリマー(B)を化学的分解に付すことにより得ることができる請求項1または2に記載の繊維。
【請求項4】
ポリマー(I)とポリマー(IIa)の間のエチレン含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して少なくとも1%単位である請求項1〜3のいずれか1つに記載の繊維。
【請求項5】
6〜150g/10分のMFR(1)値を有し:
i)a)少なくとも0.8重量%のエチレンと任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が4重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いコポリマーまたはポリマー組成物;および
b)2.5より多く4.5重量%までのエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンを含有し、溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が4より高いコポリマーまたはポリマー組成物
から選択される、結晶性プロピレンランダムコポリマーまたは結晶性プロピレンポリマー組成物;ならびに
ii)溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低い結晶性プロピレンポリマー組成物であって、該組成物が少なくとも0.64重量%のエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィン繰り返し単位を含有し、かつ重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマー、または1.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%;および:
II)IIa)プロピレンと、0.8から10重量%のエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して、少なくとも0.8パーセント単位であるもの;
IIb)プロピレンと、1.5から18重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意にエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIb)との間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して少なくとも1.5パーセント単位であるもの;
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)の混合物
から選択される結晶性ランダムコポリマー20〜80%
を含むもの
から選択されるプロピレンポリマー組成物(A)が加工されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の繊維を製造するための溶融紡糸方法。
【請求項6】
6〜150g/10分のMFR値を有し、重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマー、および/または溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が4重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高い、1.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜10重量%のエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して、少なくとも0.8パーセント単位であるもの;および
IIb)プロピレンと、1.5〜18重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意にエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIb)との間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して、少なくとも1.5パーセント単位であるもの;および
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)との混合物
から選択される結晶性ランダムコポリマー20〜80%
を含み、
MFR(1)のMFR(2)に対する比が1.5〜60であるという条件の下で、0.5〜50g/10分のMFR(2)値を有する前駆体ポリマー(B)を化学的分解に付すことにより得ることができる
プロピレンポリマー組成物。
【請求項7】
a)少なくとも0.8重量%のエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が4重量%より低く、キシレンによる昇温溶出分画(TREF)により25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いコポリマーまたはポリマー組成物;および
b)2.5より多く4.5%重量までのエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低く、室温におけるキシレン可溶画分に対するキシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収される画分の含量が4より高いコポリマーまたはポリマー組成物
から選択され、
MFR(1)のMFR(2)に対する比が1.5〜60であるという条件の下で、0.5〜50g/10分のMFR(2)値を有する前駆体ポリマー組成物(B)を化学的分解に付すことにより得ることができる
結晶性プロピレンランダムコポリマーまたは結晶性プロピレンポリマー組成物。
【請求項8】
1)それぞれの段階において、先行する段階で形成されたポリマーと使用された触媒の存在下で操作し、分子量調節剤を0.5〜50g/10分の前駆体組成物(B)についてのMFR(2)値を得るような量で添加する、1段以上の連続する段階におけるモノマーの重合により、前記の前駆体組成物(B)を製造する段階;ならびに
2)段階(1)で得られる前駆体組成物(B)を、1.5〜60のMFR(1)のMFR(2)に対する比についての分解比率で分解処理に付す段階
を含む請求項6または7に記載のポリマー組成物の製造方法。
【請求項9】
請求項1に記載の繊維を含むスパンボンド不織布。

【公表番号】特表2006−500487(P2006−500487A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509668(P2005−509668)
【出願日】平成15年9月23日(2003.9.23)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010707
【国際公開番号】WO2004/029342
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(501468046)バセル ポリオレフィン イタリア エス.アール.エス. (33)
【住所又は居所原語表記】Via Pergolesi 25,20124 Milano,Italy
【Fターム(参考)】