説明

スパークプラグの製造方法

【課題】スパークプラグの製造工程において、高電圧域における絶縁体の耐電圧性能を検査することのできる技術を提供する。
【解決手段】軸方向に延びる軸孔を有する絶縁体を有するスパークプラグの製造方法は、軸孔に配置される第1の電極と、絶縁体の外側に配置される第2の電極との間に電圧を印加することによって絶縁体の耐電圧性能を検査する工程を備える。検査工程において、印加される電圧の最大値をEとし、印加される電圧が前記最大値Eの20%の値に達してから最大値Eに達するまでの昇圧時間をTとした場合に、E/T≧1kV/nsの関係式を満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパークプラグの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、エンジンの高性能化に伴い、高電圧に耐えうるスパークプラグが求められている。スパークプラグが高電圧に耐えるには、主体金具と中心電極との間を絶縁する絶縁体の耐電圧性能が重要となる。従来、スパークプラグの絶縁体の耐電圧性能を検査する技術としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。この技術では、絶縁体の軸孔の内側と外側に電極を配置し、電極間に電圧を印加することによって、絶縁体の耐電圧性能を検査する。
【0003】
しかし、この技術では、絶縁体が高電圧に耐えうるかを検査するために、電極間に高電圧を印加すると、絶縁体の表面に沿って、あるいは大気中において絶縁破壊が生じる場合がある。絶縁破壊が生じると、絶縁体の表面や大気を通って電極間に電流が流れてしまうため、高電圧域における絶縁体の耐電圧性能を検査することができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4369963号公報
【特許文献2】特開2004−108817号公報
【特許文献3】特開2007−134132号公報
【特許文献4】特開2010−198809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、スパークプラグの製造工程において、高電圧域における絶縁体の耐電圧性能を検査することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
【0007】
[適用例1]
軸方向に延びる軸孔を有する絶縁体を有するスパークプラグの製造方法であって、
前記軸孔に配置される第1の電極と、前記絶縁体の外側に配置される第2の電極との間に電圧を印加することによって前記絶縁体の耐電圧性能を検査する工程を備え、
前記検査工程において、
前記印加される電圧の最大値をEとし、
前記印加される電圧が前記最大値Eの20%に達してから前記最大値Eに達するまでの昇圧時間をTとした場合に、
E/T≧1kV/nsの関係式を満たすことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、電極間に高電圧を印加した場合であっても、絶縁体の表面に沿ってあるいは大気中において絶縁破壊が生じてしまうことを抑制することができるため、絶縁体の表面や大気を通って電極間に電流が流れてしまうことを抑制することができる。したがって、スパークプラグの製造工程において、高電圧域における絶縁体の耐電圧性能を検査することができる。
【0008】
[適用例2]
適用例1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記昇圧時間Tは、40ns以下であることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、電極間に高電圧を印加した場合であっても、絶縁体の表面や大気を通って電極間に電流が流れてしまうことをさらに抑制することができる。
【0009】
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記印加される電圧が前記最大値Eの50%に達してから、前記最大値Eに達した後に前記最大値Eの50%に降下するまでの時間は、80ns以下であることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、電極間に高電圧を印加した場合であっても、絶縁体の表面や大気を通って電極間に電流が流れてしまうことをさらに抑制することができる。
【0010】
[適用例4]
適用例1から適用例3のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記電圧を繰り返して印加する工程を含むことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、検査の信頼性を向上させることができる。
【0011】
[適用例5]
適用例1から適用例4のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第1の電極に印加される電圧は、正極性であることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、電極間に高電圧を印加した場合であっても、電極間にある大気を通って電流が流れてしまうことをさらに抑制することができる。
【0012】
[適用例6]
適用例1から適用例5のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記第1の電極の先端近傍の雰囲気を大気圧以上にした状態で行なわれることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、第1の電極の先端近傍の雰囲気において絶縁破壊が生じてしまうことを抑制することができるので、第1の電極の先端近傍における大気を通って電極間に電流が流れてしまうことを抑制することができる。
【0013】
[適用例7]
適用例1から適用例6のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記絶縁体の後端近傍が絶縁性の保護部材で覆われた状態で行なわれることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、絶縁体の後端近傍の表面を通って電極間に電流が流れてしまうことを抑制することができる。
【0014】
[適用例8]
適用例1から適用例7のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記絶縁体の後端近傍の雰囲気を大気圧以上にした状態で行なわれることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、絶縁体の後端近傍の雰囲気において絶縁破壊が生じてしまうことを抑制することができるので、絶縁体の後端近傍における大気を通って電極間に電流が流れてしまうことを抑制することができる。
【0015】
[適用例9]
適用例1から適用例8のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記印加される電圧値が所定値を超えるか否かによって、前記絶縁体の耐電圧性能を検査する工程を含むことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
印加される電圧値は、絶縁体の耐電圧性能と関連がある。具体的には、絶縁体の耐電圧性能が高いほど、印加される電圧の測定値は大きくなる。したがって、この方法によれば、絶縁体の耐電圧性能を検査することができる。
【0016】
[適用例10]
適用例1から適用例8のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記絶縁体を介して流れる電流の電流値が所定値を超えるか否かによって、前記絶縁体の耐電圧性能を検査する工程を含むことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
絶縁体を介して流れる電流の電流値は、絶縁体の耐電圧性能と関連がある。具体的には、絶縁体の耐電圧性能が高いほど、測定される電流値は小さくなる。したがって、この方法によれば、絶縁体の耐電圧性能を検査することができる。
【0017】
[適用例11]
適用例1から適用例10のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記軸孔に前記第1の電極としての中心電極が挿入され、かつ、前記第2の電極としての筒状の主体金具の内部に前記絶縁体が挿入された状態で行なわれることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、軸孔に中心電極が挿入される際、および主体金具の内部に絶縁体が挿入される際に絶縁体に生じうる亀裂や割れを考慮した検査結果を得ることができる。
【0018】
[適用例12]
適用例11に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記絶縁体を前記主体金具の内部に固定する工程の後であり、前記主体金具の先端部に設けられた接地電極を湾曲させることにより前記接地電極を前記中心電極に対向させる工程の前に行なわれることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、絶縁体を主体金具の内部に固定する際に生じうる亀裂や割れを考慮した検査結果を得ることができるとともに、接地電極が中心電極から離れた状態で検査工程が行なわれるため、中心電極と接地電極との間の大気を通って電流が流れてしまうことを抑制することができる。
【0019】
[適用例13]
適用例1から適用例12のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、さらに、
前記検査工程において耐電圧性能が良好であると判定された前記絶縁体を用いてスパークプラグを完成させる工程を備えることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
この方法によれば、耐電圧性能が良好なスパークプラグを製造することができる。
【0020】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、スパークプラグの検査方法および検査装置等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の製造方法によって製造されるスパークプラグ100の一例を示す部分断面図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるスパークプラグの製造工程を示す工程図である。
【図3】絶縁碍子10の耐電圧性能の検査の様子を示す説明図である。
【図4】絶縁碍子10の耐電圧性能の検査の手順を示す工程図である。
【図5】中心電極20に印加される電圧と時間の経過との関係を示す説明図である。
【図6】第2実施形態における耐電圧性能の検査の様子を示す説明図である。
【図7】第3実施形態における耐電圧性能の検査の様子を示す説明図である。
【図8】第3実施形態における耐電圧性能の検査の手順を示す工程図である。
【図9】印加電圧の立ち上がり時の傾きとピーク電圧との関係をグラフ形式で示す説明図である。
【図10】昇圧時間Tとピーク電圧との関係をグラフ形式で示す説明図である。
【図11】印加時間Tcとピーク電圧との関係をグラフ形式で示す説明図である。
【図12】中心電極20の先端近傍の雰囲気を加圧した場合と加圧しなかった場合とを比較して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
A1.スパークプラグの全体構成:
A2.スパークプラグの製造方法:
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.実験例:
D1.印加電圧の立ち上がり時の傾きに関する実験例:
D2.昇圧時間Tに関する実験例:
D3.印加時間Tcに関する実験例:
D4.発火部の気圧に関する実験例:
E.変形例:
【0023】
A.第1実施形態:
A1.スパークプラグの全体構成:
図1は、本発明の製造方法によって製造されるスパークプラグ100の一例を示す部分断面図である。以下では、図1においてスパークプラグ100の軸線方向ODを図面における上下方向とし、下側をスパークプラグの先端側、上側を後端側として説明する。なお、図1では、軸線O(以下では、中心軸Oともいう。)の右側にスパークプラグ100の外観を示し、軸線Oの左側にスパークプラグ100の断面を示している。
【0024】
スパークプラグ100は、絶縁碍子10と、主体金具50と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40とを備えている。絶縁碍子10は、絶縁体として機能する部材であり、軸線方向ODに延びる軸孔12を有している。中心電極20は、軸線方向ODに延びた状態で軸孔12内に保持されている。主体金具50は、絶縁碍子10を取り囲むとともに、内部に固定している。端子金具40は、電力の供給を受けるための端子であり、絶縁碍子10の後端部に設けられている。この端子金具40は、中心電極20に電気的に接続されている。
【0025】
絶縁碍子10は、アルミナ等を焼成することにより形成された絶縁体である。絶縁碍子10は、軸線方向ODへ延びる軸孔12が中心軸に沿って形成された筒状の絶縁体である。絶縁碍子10には、軸線方向ODの略中央に外径が最も大きな鍔部19が形成されており、それより後端側には後端側胴部18が形成されている。後端側胴部18には、表面長さを長くして絶縁性を高めるための襞部11が形成されている。鍔部19より先端側には、後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成されている。先端側胴部17よりもさらに先端側には、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は、先端側ほど外径が小さくなっている。この脚長部13は、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド200に取り付けられた際には、内燃機関の燃焼室内に曝される。脚長部13と先端側胴部17との間には段部15が形成されている。
【0026】
中心電極20は、絶縁碍子10の先端側から後端側に向かって中心軸Oに沿って延びており、絶縁碍子10の先端側において露出している。中心電極20は、電極母材21の内部に芯材25を埋設した構造を有する棒状の電極である。電極母材21は、インコネル600またはインコネル601等(「インコネル」は商標名)のニッケルまたはニッケルを主成分とする合金から形成されている。芯材25は、電極母材21よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主体とする合金から形成されている。通常、中心電極20は、有底筒状に形成された電極母材21の内部に芯材25を詰め、底側から押出成形を行って引き延ばすことで作製される。軸孔12内において、中心電極20は、シール体4およびセラミック抵抗3を介して、絶縁碍子10の後端側に設けられた端子金具40に電気的に接続されている。
【0027】
主体金具50は、低炭素鋼材より形成された筒状の金具であり、絶縁碍子10を内部に保持している。絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位は、主体金具50によって取り囲まれている。
【0028】
主体金具50は、工具係合部51と、取付ネジ部52とを備えている。工具係合部51は、スパークプラグレンチ(図示せず)が嵌合する部位である。主体金具50の取付ネジ部52は、ネジ山が形成された部位であり、内燃機関の上部に設けられたエンジンヘッド200の取付ネジ孔201に螺合する。このように、主体金具50の取付ネジ部52をエンジンヘッド200の取付ネジ孔201に螺合させて締め付けることより、スパークプラグ100は、内燃機関のエンジンヘッド200に固定される。なお、本実施形態の取付ネジ部52のネジ径は、M14である。
【0029】
主体金具50の工具係合部51と取付ネジ部52との間には、径方向外側に膨出するフランジ状の鍔部54が形成されている。取付ネジ部52と鍔部54との間のネジ首59には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付けた際に、鍔部54の座面55と取付ネジ孔201の開口周縁部205との間で押し潰されて変形する。このガスケット5の変形により、スパークプラグ100とエンジンヘッド200間が封止され、取付ネジ孔201を介した燃焼ガスの漏出が抑制される。
【0030】
主体金具50の工具係合部51より後端側には、薄肉の加締部53が設けられている。また、鍔部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に、薄肉の座屈部58が設けられている。主体金具50の工具係合部51から加締部53にかけての内周面と、絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が挿入されている。さらに両リング部材6,7間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、主体金具50と絶縁碍子10とが固定される。主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は、主体金具50の内周面に形成された段部56と、絶縁碍子10の段部15との間に介在する環状の板パッキン8によって保持され、燃焼ガスの漏出が防止される。座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されており、タルク9の圧縮長さを確保して主体金具50内の気密性を高めている。
【0031】
主体金具50の先端部には、主体金具50の先端部から中心軸Oに向かって屈曲した接地電極30が接合されている。接地電極30は、インコネル600等(「インコネル」は商標名)の耐腐食性が高いニッケル合金で形成することが可能である。この接地電極30と主体金具50との接合は、溶接により行うことができる。接地電極30の先端部33は、中心電極20と対向している。
【0032】
スパークプラグ100の端子金具40には、高圧ケーブル(図示せず)がプラグキャップ(図示せず)を介して接続される。そして、この端子金具40とエンジンヘッド200との間に高電圧を印加することにより、接地電極30と中心電極20との間に火花放電が生じる。
【0033】
なお、中心電極20と接地電極30とのそれぞれには、高融点の貴金属を主成分として形成された円柱状の電極チップ90,95が取り付けられている。具体的には、中心電極20の先端側の面には、例えば、イリジウム(Ir)や、イリジウムを主成分として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)のうち、1種類あるいは2種類以上を添加したIr合金によって形成された電極チップ90が取り付けられる。また、接地電極30の先端部33の中心電極20と対向する面には、白金または白金を主成分とした電極チップ95が取り付けられる。
【0034】
A2.スパークプラグの製造方法:
図2は、本発明の一実施形態におけるスパークプラグの製造工程を示す工程図である。ステップS100では、絶縁碍子10を主体金具50に固定する。具体的には、中心電極20や端子金具40が軸孔12に挿入された状態の絶縁碍子10を、主体金具50の内部に挿入する。そして、治具(図示せず)によって主体金具50の加締部53を加締めることにより、絶縁碍子10を主体金具50に固定する。
【0035】
ステップS200では、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査する。耐電圧性能の検査の結果が良好であった場合には、次の製造工程に移行する。耐電圧性能の検査の結果が良好でなかった場合には、欠陥品として製造工程から除外する。この耐電圧性能の検査方法については、後に詳述する。ステップS300では、主体金具50の先端部に設けられた接地電極30を湾曲させることにより、接地電極30を中心電極20に対向させる。ステップS400では、主体金具50にガスケット5を嵌めて、スパークプラグ100を完成させる。
【0036】
図3は、絶縁碍子10の耐電圧性能の検査の様子を示す説明図である。スパークプラグ100の端子金具40には、パルス電源300が接続されており、主体金具50は接地されている。パルス電源300と端子金具40との間には、電圧計420が設けられている。パルス電源300は、充電器ユニット310と、パルス発生ユニット320とを備えており、短パルス状の高電圧(例えば、40kV)をスパークプラグ100に印加することができる。
【0037】
充電器ユニット310は、入力された商用電力を直流に変換し、パルス発生ユニット320内のコンデンサ322に充電する。パルス発生ユニット320は、コンデンサ322に充電されたエネルギーをIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)スイッチ324によってパルス状に変換し、昇圧トランス326によって昇圧するとともに、磁気圧縮回路328にてパルス圧縮された高電圧短パルスを出力する。
【0038】
本実施形態では、中心電極20と主体金具50との間に高電圧を瞬間的に印加し、印加される電圧値(すなわち、電圧計420によって測定される電圧値)が所定値を超えるか否かによって、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査する。具体的には、印加される電圧値が所定値を越えた場合には、絶縁碍子10の耐電圧性能は良好であると判定し、印加される電圧値が所定値を越えなかった場合には、絶縁碍子10の耐電圧性能は良好でないと判定する。この理由は、絶縁碍子10にひびや割れ等がある場合には、そのひびや割れ等を介して電流が流れてしまうため、印加される電圧値が低くなるためである。パルス電源300によって印加される電圧の波形の詳細については、後述する。
【0039】
また、本実施形態では、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査する際に、中心電極20の先端近傍の雰囲気は、大気圧以上に加圧された状態となっている。具体的には、スパークプラグ100は、密閉された容器410に取り付けられており、容器410の内部が加圧された状態となっている。このため、中心電極20の先端近傍の雰囲気は、絶縁破壊が生じにくい状態となっている。したがって、中心電極20の先端近傍における大気を通って中心電極20と主体金具50との間に電流が流れてしまうことを抑制することができるので、絶縁碍子10の耐電圧性能が検査できないといった事態を回避することができる。
【0040】
さらに、本実施形態では、絶縁碍子10の後端近傍は、絶縁性の筒状の保護部材450で覆われている。このため、絶縁碍子10の後端近傍の表面を通って中心電極20と主体金具50との間に電流が流れてしまうことを抑制することができる。なお、保護部材450は、本実施形態では、シリコンで形成されているが、空気よりも高い絶縁性を有する他の部材で形成することとしてもよい。
【0041】
図4は、絶縁碍子10の耐電圧性能の検査の手順を示す工程図である。ステップS210では、絶縁碍子10の後端近傍を保護部材450で覆う。ステップS212では、容器410の内部を加圧して、中心電極20の先端近傍の雰囲気を大気圧以上にする。ステップS214では、パルス電源300によって、スパークプラグ100の端子金具40に電圧を印加する。ステップS216では、印加された電圧を電圧計420によって測定し、測定された電圧の最大値Eが所定の閾値Eth(本実施形態では、30kV)を超えたか否かを判定する。最大値Eが閾値Ethを超えている場合(ステップS216:Yes)には、絶縁碍子10が所定の耐電圧性能を満たしていると判定し、次の工程に移行する。最大値Eが閾値Ethを超えていない場合(ステップS216:No)には、絶縁碍子10が所定の耐電圧性能を満たしていないと判定し、欠陥品として製造工程から除外する。
【0042】
図5は、中心電極20に印加される電圧と時間の経過との関係を示す説明図である。図5に示すように、パルス電源300は、中心電極20に対して高電圧を瞬間的に印加する。この図5に示した例では、中心電極20に印加される電圧の最大値Eが、閾値Ethを越えている場合を示している。
【0043】
ここで、中心電極20に印加される電圧の最大値をE[kV]とし、中心電極20に印加される電圧が最大値Eの20%の値に達してから最大値Eに達するまでの時間を昇圧時間T[ns]とした場合に、パルス電源300は、以下の式(1)を満たすように、電圧を印加する。
E/T≧1kV/ns …(1)
上記式(1)を満たすように、高電圧を急激に印加すれば、絶縁体の表面や大気を通って中心電極20と主体金具50との間に電流が流れてしまうことを抑制することができるため、スパークプラグの製造工程において、高電圧域における絶縁碍子10の耐電圧性能を検査することができる。この根拠については、後述する。
【0044】
また、パルス電源300は、昇圧時間Tが40ns以下となるように、電圧を印加する。このようにすれば、絶縁体の表面や大気を通って中心電極20と主体金具50との間に電流が流れてしまうことをさらに抑制することができる。この根拠については、後述する。
【0045】
さらに、中心電極20に印加される電圧が最大値Eの50%の値に達してから、最大値Eに達した後に最大値Eの50%の値に降下するまでの時間をTc[ns]とする。この場合に、パルス電源300は、時間Tcが80ns以下となるように、電圧を印加する。このようにすれば、絶縁体の表面や大気を通って中心電極20と主体金具50との間に電流が流れてしまうことをさらに抑制することができる。この根拠については、後述する。また、以下では、時間Tcを、電圧が印加されている時間とみなし、印加時間Tcとも呼ぶ。
【0046】
さらに、パルス電源300は、中心電極20に印加される電圧が正極性となるように、電圧を印加する。この理由について説明する。放電は、中心電極20の先端から主体金具50へ向けては発生しやすく、主体金具50から中心電極20へ向けては発生しにくい。したがって、中心電極20が正極性となるとなるように電圧を印加すれば、大気を通って中心電極20と主体金具50との間に電流が流れてしまうことをさらに抑制することができる。
【0047】
また、パルス電源300は、電圧を繰り返して印加する。本実施形態では、パルス電源300は、60Hzの周波数で、電圧を繰り返し印加する。そして、電圧の最大値Eが閾値Ethを超えたか否かを複数回にわたって判定すれば、耐電圧性能の検査の信頼性を向上させることができる。
【0048】
このように、本実施形態によれば、所定の条件を満たす電圧を印加するので、高電圧域における絶縁碍子10の耐電圧性能を検査することができる。なお、パルス電源300が印加する電圧は、例えば、昇圧トランス326の巻き数比や1次側の電圧を変更することによって調整することができる。
【0049】
また、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査する工程は、軸孔12に中心電極20が挿入され、かつ、主体金具50の内部に絶縁碍子10が挿入された状態で行なわれるので、軸孔12に中心電極20が挿入される際、および主体金具50の内部に絶縁碍子10が挿入される際に絶縁碍子10に生じうる亀裂や割れを考慮した検査結果を得ることができる。
【0050】
さらに、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査する工程は、絶縁碍子10を主体金具50の内部に固定する工程の後に行なわれるので、絶縁体を主体金具の内部に固定する際に生じうる亀裂や割れを考慮した検査結果を得ることができる。
【0051】
また、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査する工程は、主体金具50の先端部に設けられた接地電極30を湾曲させる工程の前に行なわれるので、接地電極30が中心電極20から離れた状態で検査工程が行なわれることになる。したがって、中心電極20と接地電極30との間の雰囲気における絶縁破壊の発生を抑制することができるので、中心電極20と接地電極30との間の大気を通って電流が流れてしまうことを抑制することができる。
【0052】
また、耐電圧性能が良好であると判定された絶縁碍子10を用いてスパークプラグを完成させるので、耐電圧性能が良好なスパークプラグを製造することができる。なお、上述した印加電圧の波形についての条件は、ひびや割れ等のない正常な絶縁碍子10に対して電圧を印加した場合に、満たされていればよい。
【0053】
B.第2実施形態:
図6は、第2実施形態における耐電圧性能の検査の様子を示す説明図である。図3に示した第1実施形態との違いは、絶縁碍子10の後端近傍の保護部材450が省略されている代わりに、絶縁碍子10の後端近傍の雰囲気も大気圧以上に加圧されているという点だけであり、他の構成は第1実施形態と同じである。
【0054】
このように、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査する工程において、絶縁碍子10の後端近傍の雰囲気を大気圧以上に加圧すれば、絶縁碍子10の後端近傍の雰囲気において絶縁破壊が生じてしまうことを抑制することができる。したがって、この第2実施形態においても、絶縁碍子10の後端近傍における大気を通って電極間に電流が流れてしまうことを抑制することができる。
【0055】
C.第3実施形態:
図7は、第3実施形態における耐電圧性能の検査の様子を示す説明図である。図3に示した第1実施形態との違いは、電圧計420の代わりに、電流計430が設けられているという点だけであり、他の構成は第1実施形態と同じである。この電流計430は、端子金具40、中心電極20、絶縁碍子10を介して主体金具50に流れる電流(いわゆる漏れ電流)を測定する。電流計430によって測定される電流値は、絶縁碍子10の耐電圧性能と関連がある。具体的には、絶縁碍子10の耐電圧性能が高いほど、測定される電流値は小さくなり、絶縁碍子10の耐電圧性能が低いほど、測定される電流値は大きくなる。
【0056】
図8は、第3実施形態における耐電圧性能の検査の手順を示す工程図である。図4に示した第1実施形態との違いは、ステップS216cにおいて、電圧値の代わりに電流値を用いて絶縁碍子10の耐電圧性能を検査している点だけであり、他の工程は第1実施形態と同じである。具体的には、ステップS216cでは、絶縁碍子10を介して流れる電流の電流値を電流計430によって測定し、測定された電流値が所定値を超えたか否かを判定する。
【0057】
電流値が所定値を超えていない場合(ステップS216c:No)には、絶縁碍子10が所定の耐電圧性能を満たしていると判定し、次の工程に移行する。電流値が所定値を超えている場合(ステップS216c:Yes)には、絶縁碍子10が所定の耐電圧性能を満たしていないと判定し、欠陥品として製造工程から除外する。
【0058】
このように、絶縁碍子10を介して流れる電流値を測定しても、第1実施形態と同様に、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査することが可能である。
【0059】
D.実験例:
D1.印加電圧の立ち上がり時の傾きに関する実験例:
中心電極20に印加する電圧を大きくしていくと、絶縁碍子10がひびや割れ等のない正常なものであったとしても、絶縁碍子10の表面に沿って、あるいは大気中において絶縁破壊が生じ、電流が流れて印加電圧が低下するといった現象が発生する。この低下する直前の電圧値を、以下ではピーク電圧と呼ぶ。したがって、ピーク電圧未満の電圧までしか、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査することができないといった問題があった。
【0060】
そこで、本願の発明者らは、大きな電圧を急激に印加すると、換言すれば、印加電圧の立ち上がり時の傾き(最大値E/昇圧時間T)を大きくすると、このピーク電圧が大きな値となること、すなわち、高電圧域まで絶縁碍子10の耐電圧性能を検査することが可能になることを見い出した。そこで、本実験例では、印加電圧の立ち上がり時の傾きと、ピーク電圧との関係を調べた。
【0061】
図9は、印加電圧の立ち上がり時の傾きとピーク電圧との関係をグラフ形式で示す説明図である。この図9には、中心電極20と接地電極30との間の距離G(図3参照)が、2.5mmのサンプルと、3.0mmのサンプルの実験結果が示されている。この図9によれば、印加電圧の立ち上がり時の傾きが大きくなるにしたがって、ピーク電圧が大きな値となることが理解できる。具体的には、印加電圧の立ち上がり時の傾きが1kV/ns以上になると、ピーク電圧が急激に大きな値となることが理解できる。したがって、印加電圧の立ち上がり時の傾きは、1kV/ns以上であることが好ましく、1.5kV/ns以上であることがさらに好ましく、2kV/ns以上であることが最も好ましい。
【0062】
D2.昇圧時間Tに関する実験例:
本願の発明者らは、さらに、昇圧時間Tを短くすると、ピーク電圧が大きな値となることを見い出した。そこで、本実験例では、昇圧時間Tとピーク電圧との関係を調べた。
【0063】
図10は、昇圧時間Tとピーク電圧との関係をグラフ形式で示す説明図である。この図10には、中心電極20と接地電極30との間の距離G(図3参照)が、2.5mmのサンプルと、3.0mmのサンプルの実験結果が示されている。この図10によれば、昇圧時間Tが短くなるにしたがって、ピーク電圧が大きな値となることが理解できる。具体的には、昇圧時間Tが40ns以下になると、ピーク電圧が急激に大きな値となることが理解できる。したがって、昇圧時間Tは、40ns以下であることが好ましく、30ns以下であることがさらに好ましく、18ns以下であることが最も好ましい。
【0064】
D3.印加時間Tcに関する実験例:
本願の発明者らは、さらに、印加時間Tcを短くすると、ピーク電圧が大きな値となることを見い出した。そこで、本実験例では、印加時間Tcとピーク電圧との関係を調べた。
【0065】
図11は、印加時間Tcとピーク電圧との関係をグラフ形式で示す説明図である。この図11には、中心電極20と接地電極30との間の距離G(図3参照)が、2.5mmのサンプルと、3.0mmのサンプルの実験結果が示されている。この図11によれば、印加時間Tcが短くなるにしたがって、ピーク電圧が大きな値となることが理解できる。具体的には、印加時間Tcが80ns以下になると、ピーク電圧が急激に大きな値となることが理解できる。したがって、印加時間Tcは、80ns以下であることが好ましく、60ns以下であることがさらに好ましく、20ns以下であることが最も好ましい。
【0066】
D4.発火部の気圧に関する実験例:
本実験例では、上記「D1.印加電圧の立ち上がり時の傾きに関する実験例」において、中心電極20の先端近傍の雰囲気を0.4MPaまで加圧した場合と、加圧しなかった場合とを比較した。
【0067】
図12は、中心電極20の先端近傍の雰囲気を加圧した場合と加圧しなかった場合とを比較して示す説明図である。この図12によれば、中心電極20の先端近傍の雰囲気を加圧した場合の方が、加圧しなかった場合に比べて、より顕著にピーク電圧が大きな値となっていることが理解できる。したがって、中心電極20の先端近傍の雰囲気は、加圧して大気圧以上とすることが好ましい。同様に、絶縁碍子10の後端近傍の雰囲気も大気圧以上にすれば、より顕著にピーク電圧を大きな値とすることができる。
【0068】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0069】
E1.変形例1:
上記実施形態では、中心電極20および主体金具50を電極として用いて絶縁碍子10の耐電圧性能を検査していたが、この代わりに、検査用の電極を、絶縁碍子10の軸孔12内と、絶縁碍子10の外側とに配置して、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査することとしてもよい。
【0070】
E2.変形例2:
上記第1実施形態では、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査する際に、絶縁碍子10の後端近傍に保護部材450を装着していたが、保護部材450を省略して絶縁碍子10の耐電圧性能を検査してもよい。また、中心電極20の先端近傍を加圧せずに、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査してもよい。また、中心電極20の先端に絶縁性の保護部材を被せて、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査してもよい。
【0071】
E3.変形例3:
上記実施形態では、絶縁碍子10の耐電圧性能を検査する際に、接地電極30が主体金具50に接合されていたが、絶縁碍子10の耐電圧性能の検査後に接地電極30を主体金具50に接合することとしてもよい。
【0072】
E4.変形例4:
上記実施形態では、取付ネジ部52のネジ径がM14のスパークプラグについて説明したが、本発明は、M12やM10等の他の大きさのネジ径を有するスパークプラグに対しても適用することができる。
【0073】
E5.変形例5:
上記実施形態では、パルス電源300のスイッチング素子として、IGBTスイッチ324が用いられていたが、この代わりに、サイラトロンなどの真空管スイッチやサイリスタ等が用いられていてもよい。
【符号の説明】
【0074】
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
6…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
11…襞部
12…軸孔
13…脚長部
15…段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…鍔部
20…中心電極
21…電極母材
25…芯材
30…接地電極
33…先端部
40…端子金具
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ネジ部
53…加締部
54…鍔部
55…座面
56…段部
58…座屈部
59…ネジ首
90…電極チップ
95…電極チップ
100…スパークプラグ
200…エンジンヘッド
201…取付ネジ孔
205…開口周縁部
300…パルス電源
310…充電器ユニット
320…パルス発生ユニット
322…コンデンサ
326…昇圧トランス
328…磁気圧縮回路
410…容器
420…電圧計
430…電流計
450…保護部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる軸孔を有する絶縁体を有するスパークプラグの製造方法であって、
前記軸孔に配置される第1の電極と、前記絶縁体の外側に配置される第2の電極との間に電圧を印加することによって前記絶縁体の耐電圧性能を検査する工程を備え、
前記検査工程において、
前記印加される電圧の最大値をEとし、
前記印加される電圧が前記最大値Eの20%の値に達してから前記最大値Eに達するまでの昇圧時間をTとした場合に、
E/T≧1kV/nsの関係式を満たすことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記昇圧時間Tは、40ns以下であることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記印加される電圧が前記最大値Eの50%の値に達してから、前記最大値Eに達した後に前記最大値Eの50%の値に降下するまでの時間は、80ns以下であることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記電圧を繰り返して印加する工程を含むことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第1の電極に印加される電圧は、正極性であることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記第1の電極の先端近傍の雰囲気を大気圧以上にした状態で行なわれることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記絶縁体の後端近傍が絶縁性の保護部材で覆われた状態で行なわれることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記絶縁体の後端近傍の雰囲気を大気圧以上にした状態で行なわれることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記印加される電圧値が所定値を超えるか否かによって、前記絶縁体の耐電圧性能を検査する工程を含むことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記絶縁体を介して流れる電流の電流値が所定値を超えるか否かによって、前記絶縁体の耐電圧性能を検査する工程を含むことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記軸孔に前記第1の電極としての中心電極が挿入され、かつ、前記第2の電極としての筒状の主体金具の内部に前記絶縁体が挿入された状態で行なわれることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記検査工程は、前記絶縁体を前記主体金具の内部に固定する工程の後であり、前記主体金具の先端部に設けられた接地電極を湾曲させることにより前記接地電極を前記中心電極に対向させる工程の前に行なわれることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、さらに、
前記検査工程において耐電圧性能が良好であると判定された前記絶縁体を用いてスパークプラグを完成させる工程を備えることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−89428(P2013−89428A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228398(P2011−228398)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【特許番号】特許第5134133号(P5134133)
【特許公報発行日】平成25年1月30日(2013.1.30)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】