スピーカー装置およびスピーカーシステム
【課題】少ない部品点数および簡単な製造工程によって加振型のスピーカー装置をイルミネーションとして機能させることができるとともに、音響に対して全く影響がないようにする。
【解決手段】ベース筐体20の下面22側に超磁歪アクチュエータ30を複数設け、下面22に円筒状の音響振動板10を取り付け、超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッドを音響振動板10の上端面11に当接させ、音響振動板10に振動を加えて、音響を発生させる。音響振動板10をアクリルなどの透光性または導光性の材料によって形成し、音響振動板10に蛍光塗料を含ませ、音響振動板10の内側に蛍光ランプ67を配置して、音響振動板10の下端面12を強く光らせる。
【解決手段】ベース筐体20の下面22側に超磁歪アクチュエータ30を複数設け、下面22に円筒状の音響振動板10を取り付け、超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッドを音響振動板10の上端面11に当接させ、音響振動板10に振動を加えて、音響を発生させる。音響振動板10をアクリルなどの透光性または導光性の材料によって形成し、音響振動板10に蛍光塗料を含ませ、音響振動板10の内側に蛍光ランプ67を配置して、音響振動板10の下端面12を強く光らせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクチュエータによって音響振動板に振動を加えて音響を発生させる加振型のスピーカー装置、および、この加振型のスピーカー装置を備えるスピーカーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカー装置として、ボイスコイルおよびコーンを有する通常のスピーカーユニットではなく、超磁歪アクチュエータなどのアクチュエータによってアクリルなどからなる音響振動板に振動を加えて音響を発生させるものが考えられ、実用化されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、円筒状の音響振動板を鉛直に支持し、音響振動板の下端側に磁歪アクチュエータを複数配置して、それぞれの磁歪アクチュエータの駆動ロッドを音響振動板の下端面に当接させ、音響振動板に軸方向の振動を加える装置が示されている。
【0004】
このスピーカー装置では、音響振動板の下端面は縦波で励起されるが、振動弾性波が音響振動板の軸方向に伝播することによって縦波と横波が混在した波となって、横波によって音響振動板の板面に垂直な方向、すなわち径方向に音波が放射される。
【0005】
そのため、このスピーカー装置では、音響振動板の軸方向のどの位置でも均一なレベルで音波が放射され、音響振動板の高さ(長さ)方向の全体に渡って均一な音像が形成される。
【0006】
さらに、このようなスピーカー装置を、単に音響装置とするだけではなく、LED(発光ダイオード)などの光源を設けることによってイルミネーションとすることが考えられ、実用化されている。
【0007】
具体的に、非特許文献1および非特許文献2には、図12に示すようなスピーカーシステムが示されている。
【0008】
このスピーカーシステムは、台座部91上にポール部95を4本設け、ポール部95上に円筒状の音響振動板110を支持し、音響振動板110の内部に照明用の部材を設けたものである。
【0009】
台座部91には、低域を受け持つウーファー部を構成する、例えば13cmコーン型のスピーカーユニットと、中域を受け持つミッドレンジ部を構成する、例えば7cmコーン型のスピーカーユニットとを設ける。
【0010】
ポール部95内には、それぞれ超磁歪アクチュエータを配置し、それぞれの超磁歪アクチュエータの駆動ロッドを音響振動板110の下端面に当接させて、高域を受け持つトゥイーター部100を構成する。
【0011】
音響振動板110は、有機ガラス管として形成して、その管内底部に光源部99を設け、管上端面にキャップ125を取り付け、管中心軸上において光源部99とキャップ125との間にワイヤー121を張る。
【0012】
光源部99としては、例えば、ブルー、アンバーおよびパープルのLEDを設け、リモートコマンダによって、発光色を選択し、変えることができるように構成する。
【0013】
選択された色のLEDから出射した光は、ワイヤー121に絡むように音響振動板110の管内を進み、破線9aおよび9bで示すように、光源部99の近傍部分およびキャップ125の近傍部分が光って見える。
【0014】
上に挙げた先行技術文献は、以下の通りである。
【特許文献1】特開2007−166027号公報
【非特許文献1】SONY AV/Hi−Fiオーディオホームページ スピーカーシステム“Sountina”NSA−PF1,[online],[平成20年10月22日検索],インターネット<URL:http://www.sonyjp/products/Consumer/AV-HiFi/sountina/feature03.html>
【非特許文献2】日経産業新聞2008年10月23日第7頁左上の「新技術・品質向上1位」の「サウンティーナNSA−PF1」紹介記事
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
図12に示して上述したスピーカーシステムは、音響を発生するだけでなく、イルミネーションとしても機能し、すこぶる好適である。
【0016】
しかし、このスピーカーシステムは、音響振動板110の管内底部に光源部99を設け、管上端面にキャップ125を取り付け、光源部99とキャップ125との間にワイヤー121を張るため、部品点数が多くなり、製造工程が繁雑となる。
【0017】
また、音響振動板110にキャップ125を取り付け、ワイヤー121を張ることによって、音響振動板110から発生する音響に影響を及ぼす可能性がある。
【0018】
そこで、この発明は、少ない部品点数および簡単な製造工程によって加振型のスピーカー装置をイルミネーションとして機能させることができるとともに、音響に対しては全く影響がないようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明のスピーカー装置は、
光を入射させる入射部およびその光を放射する放射部を有する、透光性または導光性の材料によって形成された音響振動板と、
この音響振動板に振動を加えて、当該音響振動板の側面から音響を発生させるアクチュエータと、
を備えるものである。
【0020】
このスピーカー装置では、内部の光源からの光、または外光によって、音響振動板自体が発光し、イルミネーションとして機能するとともに、音響に対しては全く影響がない。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、この発明によれば、少ない部品点数および簡単な製造工程によって加振型のスピーカー装置をイルミネーションとして機能させることができるとともに、それによって音響に対して影響を及ぼすことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[1.第1の実施形態:図1〜図8]
第1の実施形態として、音響振動板の一端面に振動を加えるとともに光を入射させ、音響振動板の他端面を点灯する場合を示す。
【0023】
(1−1.第1の実施形態の第1の例:図1〜図4)
第1の実施形態の第1の例として、音響振動板を円筒状として、その一端面に、音響振動板の軸方向の振動を加えるとともに、光を入射させる場合を示す。
【0024】
<1−1−1.全体構成:図1〜図3>
図1、図2および図3に、第1の実施形態の第1の例を示す。
【0025】
図1は、スピーカーシステムを上方から見た図であり、図2は、支持体としてのベース筐体につき、図1のラインA−Aの部分を断面にした側面図であり、図3は、図1のラインB−Bの位置での断面図である。
【0026】
音響振動板10は、アクリルや有機ガラスなどの透光性または導光性の材料によって、両端を開口とした円筒状に形成し、例えば、厚みを2mm、直径を10cm、長さ(高さ)を1mとする。
【0027】
ベース筐体20は、アルミニウムなどによって、音響振動板10の外径より大きい外径の、ある高さ(厚み)を有する円板状に形成する。
【0028】
音響振動板10は、一端側の端面を上端面11とし、他端側の端面を下端面12として、その軸方向を鉛直方向とし、その中心軸をベース筐体20の中心軸に合わせるように、ベース筐体20の上面21に取り付ける。
【0029】
具体的に、ベース筐体20の上面21の等角間隔の4箇所の位置において、それぞれ、L字アングル41の一端を、ベース筐体20との間にシリコンゴムからなるダンピング材42を介在させて、ネジ43によってベース筐体20に取り付ける。
【0030】
さらに、音響振動板10の内側および外側に、それぞれシリコンゴムからなるダンピング材44および45を介在させて、L字アングル41の他端を、ネジ46およびナット47によって音響振動板10の下端部に取り付ける。
【0031】
このようにダンピング材44,45および42を介して音響振動板10をベース筐体20に取り付けることによって、音響振動板10の振動がベース筐体20に伝播してベース筐体20側に音像が定位することを防止することができる。
【0032】
さらに、ベース筐体20には、L字アングル41の取り付け位置の間の、等角間隔の4箇所の位置に、それぞれ上面21から下面22までに渡って上下方向に貫通した穴である収納部23を形成する。
【0033】
このベース筐体20の、それぞれの収納部23内に、それぞれ超磁歪アクチュエータ30を、それぞれの駆動ロッド35を上に向けて下側から挿入する。
【0034】
さらに、それぞれの収納部23内の超磁歪アクチュエータ30の下側に、それぞれコイルスプリング(コイルバネ)24およびネジ25を挿入する。
【0035】
ネジ25は、駆動ロッド35の先端が音響振動板10の下端面12に当接し、かつコイルスプリング24が所定量圧縮される位置まで、収納部23内に挿入する。
【0036】
ベース筐体20の下面22には、等角間隔の3箇所の位置に、脚部27を形成する。
【0037】
以上の構成で、音声信号によって超磁歪アクチュエータ30を駆動すると、その音声信号に応じて超磁歪アクチュエータ30の後述の超磁歪素子が軸方向に伸縮し、駆動ロッド35が同じ方向に変位して、音響振動板10の下端面12に縦波の振動が加えられる。
【0038】
この縦波は、音響振動板10の板面に沿って上端面11まで伝播するが、その伝播の過程で縦波と横波が混在した波となって、横波によって音響振動板10の板面に垂直な方向、すなわち径方向に音波が放射される。
【0039】
さらに、この例では、図1および図3に示すように、ベース筐体20の中央部を開口部26として、この開口部26にスピーカーユニット50を取り付ける。
【0040】
スピーカーユニット50は、ボイスコイルおよびコーンを有するもので、例えば、スピーカー前面側を下方に向け、スピーカー背面側を上方に向けて、開口部26に取り付ける。スピーカーユニット50に対しては、音響振動板10がキャビネットとして機能する。
【0041】
この場合、音響振動板10および超磁歪アクチュエータ30を、可聴周波数帯域の高域を受け持つトゥイーターとして機能させ、スピーカーユニット50を、可聴周波数帯域の中低域を受け持つミッドレンジとして機能させる。
【0042】
さらに、この例では、以上の構成のスピーカーシステムにおいて、図1に示し、以下に詳細に示すように、それぞれの超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35の中心部に、光源としてLED61を設ける。
【0043】
LED61から出射した光は、音響振動板10の下端面12に入射し、音響振動板10内を軸方向に進んで、音響振動板10の上端面11に到達し、上端面11が強く光って見えるようになる。
【0044】
<1−1−2.加振部および光源部:図4>
図4に、超磁歪アクチュエータ30の一例を示す。この例は、超磁歪素子に予荷重が加えられる場合で、図4(A)は上面図、図4(B)は側断面図である。
【0045】
アクチュエータ本体として、棒状の超磁歪素子31の周囲にソレノイドコイル32が配置され、ソレノイドコイル32の周囲にマグネット33およびヨーク34が配置される。
【0046】
さらに、超磁歪素子31の一端に駆動ロッド35が連結され、超磁歪素子31の他端に固定盤36が取り付けられる。
【0047】
このアクチュエータ本体が、駆動ロッド35の先端部が外筐ケース39の外側に突出するように、例えばアルミニウムからなる外筐ケース39内に装填される。
【0048】
さらに、駆動ロッド35にはシリコンゴムなどからなるダンピング材37が装填されるとともに、固定盤36の背後にはネジ38が挿入されて、超磁歪素子31に予荷重が加えられる。
【0049】
以上の構成の超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35の中心部に溝35aを形成し、この溝35a内にLED61を、駆動ロッド35を音響振動板10の下端面12に当接させたときLED61が音響振動板10に当たらないように取り付ける。
【0050】
図1〜図3の例のスピーカーシステムでは、音響振動板10をベース筐体20に支持した状態で、以上の構成の超磁歪アクチュエータ30を収納部23内に挿入し、さらにコイルスプリング24を収納部23内に挿入した後、ネジ25を収納部23内に挿入する。
【0051】
この場合、制御磁界の変化に対して磁歪値が直線的に変化する磁界範囲が広く、かつその磁界範囲での制御磁界の変化に対する磁歪値の変化が大きい磁歪特性が得られるように、コイルスプリング24の圧縮による超磁歪素子31への荷重を調整する。
【0052】
<1−1−3.スピーカー駆動方法>
以上の構成のスピーカーシステムでは、音声信号によって超磁歪アクチュエータ30を駆動すると、その音声信号に応じて超磁歪素子31が軸方向に伸縮し、駆動ロッド35が同じ方向に変位して、音響振動板10の下端面12に縦波の振動が加えられる。
【0053】
この縦波は、音響振動板10の板面に沿って上端面11まで伝播するが、その伝播の過程で縦波と横波が混在した波となって、横波によって音響振動板10の板面に垂直な方向、すなわち径方向に音波が放射される。
【0054】
したがって、音響振動板10の板面全体に一様に音像が広がり、音響振動板10全体に渡って均一に音像が定位する。
【0055】
この場合、それぞれの超磁歪アクチュエータ30を、同一の音声信号で駆動することによって、無指向性を得ることができる。
【0056】
また、それぞれの超磁歪アクチュエータ30を、異なるチャンネルの音声信号、または同じ音声信号から得られたレベルや遅延時間または周波数特性が異なる音声信号で駆動することによって、より広がり感のある音場を得ることが可能となる。
【0057】
スピーカーユニット50を設ける場合には、音響振動板10および超磁歪アクチュエータ30を有する加振型のスピーカー装置と、ボイスコイルおよびコーンを有するスピーカーユニット50とを、上記のように駆動する。
【0058】
光源の駆動方法、すなわち図1〜図4の例ではLED61の駆動方法としては、以下のような方法を用いる。
【0059】
1つの方法としては、超磁歪アクチュエータ30の駆動のON/OFFとは無関係にLED61の駆動のON/OFFを選択することができ、LED61の駆動レベルも超磁歪アクチュエータ30を駆動する音声信号とは無関係に調整できるようにする。
【0060】
別の1つの方法としては、超磁歪アクチュエータ30の駆動と関連させてLED61を駆動し、音響振動板10を点灯させる。
【0061】
具体的に、音声信号によって超磁歪アクチュエータ30を駆動し、音響を発生させるときには、LED61も駆動され、音響振動板10が点灯されるようにする。
【0062】
この場合、例えば、音量調整によって音量を上げたときには、LED61の駆動レベルも上昇し、イルミネーションとしての照度も上がるように構成することができる。
【0063】
また、LED61の駆動信号を、超磁歪アクチュエータ30を駆動する音声信号そのもの、またはその音声信号に対して或る時間遅延したものとして、音声信号の変化による音響の変化に追従して照度も変化するように構成することもできる。
【0064】
(1−2.第1の実施形態の第2の例:図5)
図5に、第1の実施形態の第2の例を示す。
【0065】
図5(A)は、スピーカーシステムを上方から見た図であり、図5(B)は、音響振動板の振動板本体部を断面にした側面図であり、図5(C)は、図5(B)中の破線の円で示した部分を拡大した断面図である。
【0066】
この例では、音響振動板10を、内側面15および外側面16を有する円錐状の振動板本体部13と、この振動板本体部13の頂点部分に振動板本体部13と一体に形成した棒状部14とによって構成する。
【0067】
図5では省略したが、音響振動板10は、その棒状部14を上記のベース筐体20のような支持体に支持する。
【0068】
この場合、振動板本体部13の端面が音響振動板10の上端面11となり、棒状部14の端面が音響振動板10の下端面12となる。
【0069】
超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35の中心部に溝35aを形成し、溝35a内にLED61を配置する。この超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35を、音響振動板10の下端面12に当接させる。
【0070】
この例では、音声信号によって超磁歪アクチュエータ30を駆動すると、音響振動板10の下端面12に縦波の振動が加えられる。
【0071】
この縦波は、棒状部14を通じて振動板本体部13に伝播され、縦波と横波が混在した波となって、振動板本体部13の径方向に音波が放射される。
【0072】
一方、LED61から出射した光は、音響振動板10の下端面12に入射し、棒状部14内および振動板本体部13内を進んで、音響振動板10の上端面11に到達し、上端面11が強く光って見えるようになる。
【0073】
振動板本体部13の外側面16にキズや粗面を形成することによって、そのキズや粗面の部分からも発光させることができる。
【0074】
振動板本体部13と棒状部14とは、それぞれ透光性または導光性の材料によって別個に形成し、透光性または導光性の接着剤によって両者を一体に連結してもよい。
【0075】
(1−3.第1の実施形態の第3の例:図6)
図6に、第1の実施形態の第3の例を示す。
【0076】
図6(A)は、スピーカーシステムを上方から見た図であり、図6(B)は、音響振動板の振動板本体部を断面にした側面図であり、図6(C)は、図6(B)中の破線の円で示した部分を拡大した断面図である。
【0077】
この例では、図5の例と同様に、音響振動板10を振動板本体部13と棒状部14とによって形成するが、特に、その棒状部14を中心部にピアノ線17を有するものとして形成する。
【0078】
一例として、棒状部14は、ピアノ線17にアクリルの樹脂コーティングを行ったものとする。
【0079】
この例では、図5の例と比較して、棒状部14での縦波伝播のロスが少なくなり、結果として出力音圧レベルが高くなる。
【0080】
ピアノ線17に代えて、音響振動板10を形成するアクリルなどの透光性または導光性の材料より振動伝播効率の良い材料からなる他の線状部材を用いてもよい。
【0081】
(1−4.第1の実施形態の他の例:図7および図8)
<1−4−1.光源について:図7>
第1の実施形態のように音響振動板の一端面に振動を加えるとともに光を入射させる場合、光源は、アクチュエータの駆動ロッドの中心部ではなく、例えば駆動ロッドの周辺部に配置してもよい。
【0082】
図7に、その場合の一例を示す。図7(A)は、超磁歪アクチュエータを上方から見た図であり、図7(B)は、音響振動板の部分を断面にした側面図である。
【0083】
この例では、駆動ロッド35の周辺部において超磁歪アクチュエータ30の上面に4個のLED62,63,64および65を取り付け、LED62,63,64および65から出射した光を、それぞれ音響振動板10の下端面12に入射させる。
【0084】
図7に示した音響振動板10は、例えば、図1〜図3の例のような円筒状の音響振動板、または図5または図6に示したような振動板本体部と棒状部とからなるものである。
【0085】
LED62,63,64および65は、同一色を発光するものとし、または互いに異なる色を発光するものとする。
【0086】
LED62,63,64および65を、同一色を発光するものとする場合には、駆動するLEDの数を変えることによって、イルミネーションの照度を変えることができる。
【0087】
LED62,63,64および65を、互いに異なる色を発光するものとする場合には、駆動するLEDを変えることによって、イルミネーションの色を変えることができる。
【0088】
<1−4−2.アクチュエータについて:図8>
アクチュエータとしては、超磁歪アクチュエータなどの磁歪アクチュエータ以外に、積層圧電アクチュエータなどの圧電型アクチュエータや、静電アクチュエータなどを用いることもできる。
【0089】
図8に、積層圧電アクチュエータを用いる場合の一例を示す。図8(A)は上面図、図8(B)は側断面図である。
【0090】
積層圧電アクチュエータ70は、セラミック薄板積層体71の対向する側面に外部電極72および73を形成したものである。
【0091】
セラミック薄板積層体71は、圧電セラミック薄板を多数、間に内部電極74および75を交互に挟んで積層したものである。内部電極74は外部電極72に接続され、内部電極75は外部電極73に接続される。
【0092】
信号源76から得られる信号電圧Vsを外部電極72,73間に印加すると、分極によって個々の圧電セラミック薄板が厚さ方向に変位し、セラミック薄板積層体71は、それぞれの変位の総和分、積層方向に変位して振動する。
【0093】
このように、積層圧電アクチュエータは、磁歪アクチュエータとは異なり、磁界バイアスが必要ないため、アクチュエータを、よりシンプルに構成することができ、より小型化することができる。
【0094】
この例では、中心部に溝77aを形成した駆動ロッド77を用意して、その溝77a内にLED61を取り付け、その駆動ロッド77をセラミック薄板積層体71の変位方向の一面に取り付ける。
【0095】
この駆動ロッド77が取り付けられた積層圧電アクチュエータ70の駆動ロッド77を、上記の音響振動板の一端面に当接させる。
【0096】
これによって、上記のように音響振動板から音波を放射させることができるとともに、音響振動板の他端面を点灯させることができる。
【0097】
<1−4−3.その他について>
音響振動板は、図1〜図3の例のような円筒状に限らず、半円筒状や楕円筒状、または中心軸方向に垂直な断面が多角形となる角筒状でもよく、さらに筒状に限らず、例えば平板状でもよい。
【0098】
音響振動板を平板状とする場合も、例えば、図1〜図3の例のように円筒状とする場合と同様に、音響振動板の一端側をベース筐体のような支持体に支持すればよい。
【0099】
また、図5または図6の例のように音響振動板を振動板本体部と棒状部とからなるものとする場合、その振動板本体部は、図5または図6の例のような円錐状ではなく、角錐状や半球状などとすることができる。
【0100】
アクチュエータの支持構造としても、支持体に収納部として、貫通しない溝を形成して、その溝内にアクチュエータを挿入支持するようにしてもよい。
【0101】
スピーカーシステム全体を、図1〜図3の例や図5または図6の例に対して天地を逆にして、天吊型に構成し、天井から吊り下げるようにしてもよい。
【0102】
[2.第2の実施形態:図9および図10]
第2の実施形態として、アクチュエータの振動は音響振動板の一端面に加えるが、光源からの光は音響振動板の一側面に入射させ、音響振動板の他端面を点灯する場合を示す。
【0103】
図9に、第2の実施形態の一例を示す。この例は、スピーカーシステム全体を天井から吊り下げる場合である。
【0104】
具体的に、ベース筐体20は、図1〜図3の例のそれの天地を逆にしたもので、下面22側に超磁歪アクチュエータ30を複数設け、上面21側にスピーカーユニット50を設けて、吊り下げ用の線材29によって天井から吊り下げる。
【0105】
ベース筐体20の下面22には、L字アングルなどを含む取り付け部材によって、円筒状の音響振動板10を取り付け、超磁歪アクチュエータ30の図9では省略した駆動ロッドを、音響振動板10の上端面11に当接させる。
【0106】
音響振動板10は、アクリルなどの透光性または導光性の材料によって形成するとともに、後述のように蛍光塗料を含ませる。
【0107】
音響振動板10の内側において、ベース筐体20の下面22側には、光源として蛍光ランプ67を取り付ける。
【0108】
音響振動板10に含ませる蛍光塗料としては、例えば、BASF社のプラスチック用蛍光塗料LumogenF(登録商標)Dyesを用いることができる。
【0109】
このプラスチック用蛍光塗料は、音響振動板10の材料に、その質量の0.02%程度、含ませる。このプラスチック用蛍光塗料を含ませることによって、音響振動板10は全表面で集光し、エッジ(端面)で強い蛍光を発する。
【0110】
図10に、その様子を示す。図9に示したように蛍光ランプ67を配置すると、これからの光1は、音響振動板10の内側面15の各部から板内に入射し、内側面15および外側面16で反射しながら下端面12に到達して、下端面12が強く光る。
【0111】
LumogenF(登録商標)Dyesとしては、Orange240(商品名)、Yellow083(商品名)、Red305(商品名)などが存在する。
【0112】
例えば、Orange240(商品名)を含ませた場合には、音響振動板10全体がオレンジ色に見えるとともに、その下端面12がオレンジ色に強く光る。
【0113】
また、図9に示すように音響振動板10の外側面にキズを付けて文字5を描くと、文字5の部分が強く発光する。文字5の部分は、蛍光ランプ67を点灯しなくても、外部の蛍光灯や太陽光などによって発光する。
【0114】
LumogenF(登録商標)Dyesは、耐光性(蛍光残存率)にも優れ、Orange240(商品名)を含ませたアクリル板では、曝露前の蛍光強度を100とすると、一定の条件のもとで2000時間曝露した後の蛍光強度は85である。
【0115】
内部に蛍光ランプ67のような光源を持たないものとして構成し、外部の蛍光灯や太陽光などによって音響振動板10を点灯させてもよい。
【0116】
図9の例は天吊型に構成する場合であるが、図9の例に対して天地を逆にして、床上や台上に据え置く構成としてもよい。
【0117】
また、円筒状の音響振動板の外側面に光を入射させ、光源としてLEDや電球を用い、音響振動板を半円筒状や楕円筒状にするなど、光源の配置や種類、または音響振動板の形状などは、適宜変更することができる。
【0118】
[3.第3の実施形態:図11]
上述した第1の実施形態および第2の実施形態は、アクチュエータの振動を音響振動板の一端面に加える場合であるが、アクチュエータの振動を音響振動板の一側面に加えてもよい。第3の実施形態として、この場合を示す。
【0119】
図11に、第3の実施形態の一例を示す。この例は、音響振動板の一側面に振動を加えるとともに光を入射させ、音響振動板の端面を点灯する場合である。
【0120】
具体的に、音響振動板10は円形や正方形などの平板状として、その一側面18の中心部に超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35を、その変位方向が音響振動板10の板面に垂直となるように当接させ、音響振動板10を板面に垂直な方向に振動させる。
【0121】
この場合、音響振動板10の中心部では矢印3aで示すように振動の振幅が最大となり、加振点から離れた点では矢印3bで示すように振動の振幅が小さくなる。
【0122】
さらに、音響振動板10の一側面18側にLEDなどの光源69を配置し、光源69からの光を音響振動板10の一側面18に斜めに入射させる。
【0123】
音響振動板10は、アクリルなどの透光性または導光性の材料によって形成するとともに、上記のプラスチック用蛍光塗料のような蛍光塗料を含ませる。
【0124】
これによって、音響振動板10の一側面18に入射した光は、図10に示したように音響振動板10の板内を伝播し、音響振動板10の外周端面19が強く光る。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】第1の実施形態の第1の例のスピーカーシステムを上方から見た図である。
【図2】ベース筐体につき図1のラインA−Aの部分を断面にした側面図である。
【図3】図1のラインB−Bの位置での断面図である。
【図4】図1のスピーカーシステムの加振部および光源部の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態の第2の例を示す図である。
【図6】第1の実施形態の第3の例を示す図である。
【図7】光源部の他の例を示す図である。
【図8】積層圧電アクチュエータを用いる場合の一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態のスピーカーシステムの一例を示す図である。
【図10】図9のスピーカーシステムで光が音響振動板内を伝播する様子を示す図である。
【図11】第3の実施形態のスピーカーシステムの一例を示す図である。
【図12】非特許文献に示されたスピーカーシステムを示す図である。
【符号の説明】
【0126】
主要部については図中に記述したので、ここでは省略する。
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクチュエータによって音響振動板に振動を加えて音響を発生させる加振型のスピーカー装置、および、この加振型のスピーカー装置を備えるスピーカーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカー装置として、ボイスコイルおよびコーンを有する通常のスピーカーユニットではなく、超磁歪アクチュエータなどのアクチュエータによってアクリルなどからなる音響振動板に振動を加えて音響を発生させるものが考えられ、実用化されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、円筒状の音響振動板を鉛直に支持し、音響振動板の下端側に磁歪アクチュエータを複数配置して、それぞれの磁歪アクチュエータの駆動ロッドを音響振動板の下端面に当接させ、音響振動板に軸方向の振動を加える装置が示されている。
【0004】
このスピーカー装置では、音響振動板の下端面は縦波で励起されるが、振動弾性波が音響振動板の軸方向に伝播することによって縦波と横波が混在した波となって、横波によって音響振動板の板面に垂直な方向、すなわち径方向に音波が放射される。
【0005】
そのため、このスピーカー装置では、音響振動板の軸方向のどの位置でも均一なレベルで音波が放射され、音響振動板の高さ(長さ)方向の全体に渡って均一な音像が形成される。
【0006】
さらに、このようなスピーカー装置を、単に音響装置とするだけではなく、LED(発光ダイオード)などの光源を設けることによってイルミネーションとすることが考えられ、実用化されている。
【0007】
具体的に、非特許文献1および非特許文献2には、図12に示すようなスピーカーシステムが示されている。
【0008】
このスピーカーシステムは、台座部91上にポール部95を4本設け、ポール部95上に円筒状の音響振動板110を支持し、音響振動板110の内部に照明用の部材を設けたものである。
【0009】
台座部91には、低域を受け持つウーファー部を構成する、例えば13cmコーン型のスピーカーユニットと、中域を受け持つミッドレンジ部を構成する、例えば7cmコーン型のスピーカーユニットとを設ける。
【0010】
ポール部95内には、それぞれ超磁歪アクチュエータを配置し、それぞれの超磁歪アクチュエータの駆動ロッドを音響振動板110の下端面に当接させて、高域を受け持つトゥイーター部100を構成する。
【0011】
音響振動板110は、有機ガラス管として形成して、その管内底部に光源部99を設け、管上端面にキャップ125を取り付け、管中心軸上において光源部99とキャップ125との間にワイヤー121を張る。
【0012】
光源部99としては、例えば、ブルー、アンバーおよびパープルのLEDを設け、リモートコマンダによって、発光色を選択し、変えることができるように構成する。
【0013】
選択された色のLEDから出射した光は、ワイヤー121に絡むように音響振動板110の管内を進み、破線9aおよび9bで示すように、光源部99の近傍部分およびキャップ125の近傍部分が光って見える。
【0014】
上に挙げた先行技術文献は、以下の通りである。
【特許文献1】特開2007−166027号公報
【非特許文献1】SONY AV/Hi−Fiオーディオホームページ スピーカーシステム“Sountina”NSA−PF1,[online],[平成20年10月22日検索],インターネット<URL:http://www.sonyjp/products/Consumer/AV-HiFi/sountina/feature03.html>
【非特許文献2】日経産業新聞2008年10月23日第7頁左上の「新技術・品質向上1位」の「サウンティーナNSA−PF1」紹介記事
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
図12に示して上述したスピーカーシステムは、音響を発生するだけでなく、イルミネーションとしても機能し、すこぶる好適である。
【0016】
しかし、このスピーカーシステムは、音響振動板110の管内底部に光源部99を設け、管上端面にキャップ125を取り付け、光源部99とキャップ125との間にワイヤー121を張るため、部品点数が多くなり、製造工程が繁雑となる。
【0017】
また、音響振動板110にキャップ125を取り付け、ワイヤー121を張ることによって、音響振動板110から発生する音響に影響を及ぼす可能性がある。
【0018】
そこで、この発明は、少ない部品点数および簡単な製造工程によって加振型のスピーカー装置をイルミネーションとして機能させることができるとともに、音響に対しては全く影響がないようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明のスピーカー装置は、
光を入射させる入射部およびその光を放射する放射部を有する、透光性または導光性の材料によって形成された音響振動板と、
この音響振動板に振動を加えて、当該音響振動板の側面から音響を発生させるアクチュエータと、
を備えるものである。
【0020】
このスピーカー装置では、内部の光源からの光、または外光によって、音響振動板自体が発光し、イルミネーションとして機能するとともに、音響に対しては全く影響がない。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、この発明によれば、少ない部品点数および簡単な製造工程によって加振型のスピーカー装置をイルミネーションとして機能させることができるとともに、それによって音響に対して影響を及ぼすことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[1.第1の実施形態:図1〜図8]
第1の実施形態として、音響振動板の一端面に振動を加えるとともに光を入射させ、音響振動板の他端面を点灯する場合を示す。
【0023】
(1−1.第1の実施形態の第1の例:図1〜図4)
第1の実施形態の第1の例として、音響振動板を円筒状として、その一端面に、音響振動板の軸方向の振動を加えるとともに、光を入射させる場合を示す。
【0024】
<1−1−1.全体構成:図1〜図3>
図1、図2および図3に、第1の実施形態の第1の例を示す。
【0025】
図1は、スピーカーシステムを上方から見た図であり、図2は、支持体としてのベース筐体につき、図1のラインA−Aの部分を断面にした側面図であり、図3は、図1のラインB−Bの位置での断面図である。
【0026】
音響振動板10は、アクリルや有機ガラスなどの透光性または導光性の材料によって、両端を開口とした円筒状に形成し、例えば、厚みを2mm、直径を10cm、長さ(高さ)を1mとする。
【0027】
ベース筐体20は、アルミニウムなどによって、音響振動板10の外径より大きい外径の、ある高さ(厚み)を有する円板状に形成する。
【0028】
音響振動板10は、一端側の端面を上端面11とし、他端側の端面を下端面12として、その軸方向を鉛直方向とし、その中心軸をベース筐体20の中心軸に合わせるように、ベース筐体20の上面21に取り付ける。
【0029】
具体的に、ベース筐体20の上面21の等角間隔の4箇所の位置において、それぞれ、L字アングル41の一端を、ベース筐体20との間にシリコンゴムからなるダンピング材42を介在させて、ネジ43によってベース筐体20に取り付ける。
【0030】
さらに、音響振動板10の内側および外側に、それぞれシリコンゴムからなるダンピング材44および45を介在させて、L字アングル41の他端を、ネジ46およびナット47によって音響振動板10の下端部に取り付ける。
【0031】
このようにダンピング材44,45および42を介して音響振動板10をベース筐体20に取り付けることによって、音響振動板10の振動がベース筐体20に伝播してベース筐体20側に音像が定位することを防止することができる。
【0032】
さらに、ベース筐体20には、L字アングル41の取り付け位置の間の、等角間隔の4箇所の位置に、それぞれ上面21から下面22までに渡って上下方向に貫通した穴である収納部23を形成する。
【0033】
このベース筐体20の、それぞれの収納部23内に、それぞれ超磁歪アクチュエータ30を、それぞれの駆動ロッド35を上に向けて下側から挿入する。
【0034】
さらに、それぞれの収納部23内の超磁歪アクチュエータ30の下側に、それぞれコイルスプリング(コイルバネ)24およびネジ25を挿入する。
【0035】
ネジ25は、駆動ロッド35の先端が音響振動板10の下端面12に当接し、かつコイルスプリング24が所定量圧縮される位置まで、収納部23内に挿入する。
【0036】
ベース筐体20の下面22には、等角間隔の3箇所の位置に、脚部27を形成する。
【0037】
以上の構成で、音声信号によって超磁歪アクチュエータ30を駆動すると、その音声信号に応じて超磁歪アクチュエータ30の後述の超磁歪素子が軸方向に伸縮し、駆動ロッド35が同じ方向に変位して、音響振動板10の下端面12に縦波の振動が加えられる。
【0038】
この縦波は、音響振動板10の板面に沿って上端面11まで伝播するが、その伝播の過程で縦波と横波が混在した波となって、横波によって音響振動板10の板面に垂直な方向、すなわち径方向に音波が放射される。
【0039】
さらに、この例では、図1および図3に示すように、ベース筐体20の中央部を開口部26として、この開口部26にスピーカーユニット50を取り付ける。
【0040】
スピーカーユニット50は、ボイスコイルおよびコーンを有するもので、例えば、スピーカー前面側を下方に向け、スピーカー背面側を上方に向けて、開口部26に取り付ける。スピーカーユニット50に対しては、音響振動板10がキャビネットとして機能する。
【0041】
この場合、音響振動板10および超磁歪アクチュエータ30を、可聴周波数帯域の高域を受け持つトゥイーターとして機能させ、スピーカーユニット50を、可聴周波数帯域の中低域を受け持つミッドレンジとして機能させる。
【0042】
さらに、この例では、以上の構成のスピーカーシステムにおいて、図1に示し、以下に詳細に示すように、それぞれの超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35の中心部に、光源としてLED61を設ける。
【0043】
LED61から出射した光は、音響振動板10の下端面12に入射し、音響振動板10内を軸方向に進んで、音響振動板10の上端面11に到達し、上端面11が強く光って見えるようになる。
【0044】
<1−1−2.加振部および光源部:図4>
図4に、超磁歪アクチュエータ30の一例を示す。この例は、超磁歪素子に予荷重が加えられる場合で、図4(A)は上面図、図4(B)は側断面図である。
【0045】
アクチュエータ本体として、棒状の超磁歪素子31の周囲にソレノイドコイル32が配置され、ソレノイドコイル32の周囲にマグネット33およびヨーク34が配置される。
【0046】
さらに、超磁歪素子31の一端に駆動ロッド35が連結され、超磁歪素子31の他端に固定盤36が取り付けられる。
【0047】
このアクチュエータ本体が、駆動ロッド35の先端部が外筐ケース39の外側に突出するように、例えばアルミニウムからなる外筐ケース39内に装填される。
【0048】
さらに、駆動ロッド35にはシリコンゴムなどからなるダンピング材37が装填されるとともに、固定盤36の背後にはネジ38が挿入されて、超磁歪素子31に予荷重が加えられる。
【0049】
以上の構成の超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35の中心部に溝35aを形成し、この溝35a内にLED61を、駆動ロッド35を音響振動板10の下端面12に当接させたときLED61が音響振動板10に当たらないように取り付ける。
【0050】
図1〜図3の例のスピーカーシステムでは、音響振動板10をベース筐体20に支持した状態で、以上の構成の超磁歪アクチュエータ30を収納部23内に挿入し、さらにコイルスプリング24を収納部23内に挿入した後、ネジ25を収納部23内に挿入する。
【0051】
この場合、制御磁界の変化に対して磁歪値が直線的に変化する磁界範囲が広く、かつその磁界範囲での制御磁界の変化に対する磁歪値の変化が大きい磁歪特性が得られるように、コイルスプリング24の圧縮による超磁歪素子31への荷重を調整する。
【0052】
<1−1−3.スピーカー駆動方法>
以上の構成のスピーカーシステムでは、音声信号によって超磁歪アクチュエータ30を駆動すると、その音声信号に応じて超磁歪素子31が軸方向に伸縮し、駆動ロッド35が同じ方向に変位して、音響振動板10の下端面12に縦波の振動が加えられる。
【0053】
この縦波は、音響振動板10の板面に沿って上端面11まで伝播するが、その伝播の過程で縦波と横波が混在した波となって、横波によって音響振動板10の板面に垂直な方向、すなわち径方向に音波が放射される。
【0054】
したがって、音響振動板10の板面全体に一様に音像が広がり、音響振動板10全体に渡って均一に音像が定位する。
【0055】
この場合、それぞれの超磁歪アクチュエータ30を、同一の音声信号で駆動することによって、無指向性を得ることができる。
【0056】
また、それぞれの超磁歪アクチュエータ30を、異なるチャンネルの音声信号、または同じ音声信号から得られたレベルや遅延時間または周波数特性が異なる音声信号で駆動することによって、より広がり感のある音場を得ることが可能となる。
【0057】
スピーカーユニット50を設ける場合には、音響振動板10および超磁歪アクチュエータ30を有する加振型のスピーカー装置と、ボイスコイルおよびコーンを有するスピーカーユニット50とを、上記のように駆動する。
【0058】
光源の駆動方法、すなわち図1〜図4の例ではLED61の駆動方法としては、以下のような方法を用いる。
【0059】
1つの方法としては、超磁歪アクチュエータ30の駆動のON/OFFとは無関係にLED61の駆動のON/OFFを選択することができ、LED61の駆動レベルも超磁歪アクチュエータ30を駆動する音声信号とは無関係に調整できるようにする。
【0060】
別の1つの方法としては、超磁歪アクチュエータ30の駆動と関連させてLED61を駆動し、音響振動板10を点灯させる。
【0061】
具体的に、音声信号によって超磁歪アクチュエータ30を駆動し、音響を発生させるときには、LED61も駆動され、音響振動板10が点灯されるようにする。
【0062】
この場合、例えば、音量調整によって音量を上げたときには、LED61の駆動レベルも上昇し、イルミネーションとしての照度も上がるように構成することができる。
【0063】
また、LED61の駆動信号を、超磁歪アクチュエータ30を駆動する音声信号そのもの、またはその音声信号に対して或る時間遅延したものとして、音声信号の変化による音響の変化に追従して照度も変化するように構成することもできる。
【0064】
(1−2.第1の実施形態の第2の例:図5)
図5に、第1の実施形態の第2の例を示す。
【0065】
図5(A)は、スピーカーシステムを上方から見た図であり、図5(B)は、音響振動板の振動板本体部を断面にした側面図であり、図5(C)は、図5(B)中の破線の円で示した部分を拡大した断面図である。
【0066】
この例では、音響振動板10を、内側面15および外側面16を有する円錐状の振動板本体部13と、この振動板本体部13の頂点部分に振動板本体部13と一体に形成した棒状部14とによって構成する。
【0067】
図5では省略したが、音響振動板10は、その棒状部14を上記のベース筐体20のような支持体に支持する。
【0068】
この場合、振動板本体部13の端面が音響振動板10の上端面11となり、棒状部14の端面が音響振動板10の下端面12となる。
【0069】
超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35の中心部に溝35aを形成し、溝35a内にLED61を配置する。この超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35を、音響振動板10の下端面12に当接させる。
【0070】
この例では、音声信号によって超磁歪アクチュエータ30を駆動すると、音響振動板10の下端面12に縦波の振動が加えられる。
【0071】
この縦波は、棒状部14を通じて振動板本体部13に伝播され、縦波と横波が混在した波となって、振動板本体部13の径方向に音波が放射される。
【0072】
一方、LED61から出射した光は、音響振動板10の下端面12に入射し、棒状部14内および振動板本体部13内を進んで、音響振動板10の上端面11に到達し、上端面11が強く光って見えるようになる。
【0073】
振動板本体部13の外側面16にキズや粗面を形成することによって、そのキズや粗面の部分からも発光させることができる。
【0074】
振動板本体部13と棒状部14とは、それぞれ透光性または導光性の材料によって別個に形成し、透光性または導光性の接着剤によって両者を一体に連結してもよい。
【0075】
(1−3.第1の実施形態の第3の例:図6)
図6に、第1の実施形態の第3の例を示す。
【0076】
図6(A)は、スピーカーシステムを上方から見た図であり、図6(B)は、音響振動板の振動板本体部を断面にした側面図であり、図6(C)は、図6(B)中の破線の円で示した部分を拡大した断面図である。
【0077】
この例では、図5の例と同様に、音響振動板10を振動板本体部13と棒状部14とによって形成するが、特に、その棒状部14を中心部にピアノ線17を有するものとして形成する。
【0078】
一例として、棒状部14は、ピアノ線17にアクリルの樹脂コーティングを行ったものとする。
【0079】
この例では、図5の例と比較して、棒状部14での縦波伝播のロスが少なくなり、結果として出力音圧レベルが高くなる。
【0080】
ピアノ線17に代えて、音響振動板10を形成するアクリルなどの透光性または導光性の材料より振動伝播効率の良い材料からなる他の線状部材を用いてもよい。
【0081】
(1−4.第1の実施形態の他の例:図7および図8)
<1−4−1.光源について:図7>
第1の実施形態のように音響振動板の一端面に振動を加えるとともに光を入射させる場合、光源は、アクチュエータの駆動ロッドの中心部ではなく、例えば駆動ロッドの周辺部に配置してもよい。
【0082】
図7に、その場合の一例を示す。図7(A)は、超磁歪アクチュエータを上方から見た図であり、図7(B)は、音響振動板の部分を断面にした側面図である。
【0083】
この例では、駆動ロッド35の周辺部において超磁歪アクチュエータ30の上面に4個のLED62,63,64および65を取り付け、LED62,63,64および65から出射した光を、それぞれ音響振動板10の下端面12に入射させる。
【0084】
図7に示した音響振動板10は、例えば、図1〜図3の例のような円筒状の音響振動板、または図5または図6に示したような振動板本体部と棒状部とからなるものである。
【0085】
LED62,63,64および65は、同一色を発光するものとし、または互いに異なる色を発光するものとする。
【0086】
LED62,63,64および65を、同一色を発光するものとする場合には、駆動するLEDの数を変えることによって、イルミネーションの照度を変えることができる。
【0087】
LED62,63,64および65を、互いに異なる色を発光するものとする場合には、駆動するLEDを変えることによって、イルミネーションの色を変えることができる。
【0088】
<1−4−2.アクチュエータについて:図8>
アクチュエータとしては、超磁歪アクチュエータなどの磁歪アクチュエータ以外に、積層圧電アクチュエータなどの圧電型アクチュエータや、静電アクチュエータなどを用いることもできる。
【0089】
図8に、積層圧電アクチュエータを用いる場合の一例を示す。図8(A)は上面図、図8(B)は側断面図である。
【0090】
積層圧電アクチュエータ70は、セラミック薄板積層体71の対向する側面に外部電極72および73を形成したものである。
【0091】
セラミック薄板積層体71は、圧電セラミック薄板を多数、間に内部電極74および75を交互に挟んで積層したものである。内部電極74は外部電極72に接続され、内部電極75は外部電極73に接続される。
【0092】
信号源76から得られる信号電圧Vsを外部電極72,73間に印加すると、分極によって個々の圧電セラミック薄板が厚さ方向に変位し、セラミック薄板積層体71は、それぞれの変位の総和分、積層方向に変位して振動する。
【0093】
このように、積層圧電アクチュエータは、磁歪アクチュエータとは異なり、磁界バイアスが必要ないため、アクチュエータを、よりシンプルに構成することができ、より小型化することができる。
【0094】
この例では、中心部に溝77aを形成した駆動ロッド77を用意して、その溝77a内にLED61を取り付け、その駆動ロッド77をセラミック薄板積層体71の変位方向の一面に取り付ける。
【0095】
この駆動ロッド77が取り付けられた積層圧電アクチュエータ70の駆動ロッド77を、上記の音響振動板の一端面に当接させる。
【0096】
これによって、上記のように音響振動板から音波を放射させることができるとともに、音響振動板の他端面を点灯させることができる。
【0097】
<1−4−3.その他について>
音響振動板は、図1〜図3の例のような円筒状に限らず、半円筒状や楕円筒状、または中心軸方向に垂直な断面が多角形となる角筒状でもよく、さらに筒状に限らず、例えば平板状でもよい。
【0098】
音響振動板を平板状とする場合も、例えば、図1〜図3の例のように円筒状とする場合と同様に、音響振動板の一端側をベース筐体のような支持体に支持すればよい。
【0099】
また、図5または図6の例のように音響振動板を振動板本体部と棒状部とからなるものとする場合、その振動板本体部は、図5または図6の例のような円錐状ではなく、角錐状や半球状などとすることができる。
【0100】
アクチュエータの支持構造としても、支持体に収納部として、貫通しない溝を形成して、その溝内にアクチュエータを挿入支持するようにしてもよい。
【0101】
スピーカーシステム全体を、図1〜図3の例や図5または図6の例に対して天地を逆にして、天吊型に構成し、天井から吊り下げるようにしてもよい。
【0102】
[2.第2の実施形態:図9および図10]
第2の実施形態として、アクチュエータの振動は音響振動板の一端面に加えるが、光源からの光は音響振動板の一側面に入射させ、音響振動板の他端面を点灯する場合を示す。
【0103】
図9に、第2の実施形態の一例を示す。この例は、スピーカーシステム全体を天井から吊り下げる場合である。
【0104】
具体的に、ベース筐体20は、図1〜図3の例のそれの天地を逆にしたもので、下面22側に超磁歪アクチュエータ30を複数設け、上面21側にスピーカーユニット50を設けて、吊り下げ用の線材29によって天井から吊り下げる。
【0105】
ベース筐体20の下面22には、L字アングルなどを含む取り付け部材によって、円筒状の音響振動板10を取り付け、超磁歪アクチュエータ30の図9では省略した駆動ロッドを、音響振動板10の上端面11に当接させる。
【0106】
音響振動板10は、アクリルなどの透光性または導光性の材料によって形成するとともに、後述のように蛍光塗料を含ませる。
【0107】
音響振動板10の内側において、ベース筐体20の下面22側には、光源として蛍光ランプ67を取り付ける。
【0108】
音響振動板10に含ませる蛍光塗料としては、例えば、BASF社のプラスチック用蛍光塗料LumogenF(登録商標)Dyesを用いることができる。
【0109】
このプラスチック用蛍光塗料は、音響振動板10の材料に、その質量の0.02%程度、含ませる。このプラスチック用蛍光塗料を含ませることによって、音響振動板10は全表面で集光し、エッジ(端面)で強い蛍光を発する。
【0110】
図10に、その様子を示す。図9に示したように蛍光ランプ67を配置すると、これからの光1は、音響振動板10の内側面15の各部から板内に入射し、内側面15および外側面16で反射しながら下端面12に到達して、下端面12が強く光る。
【0111】
LumogenF(登録商標)Dyesとしては、Orange240(商品名)、Yellow083(商品名)、Red305(商品名)などが存在する。
【0112】
例えば、Orange240(商品名)を含ませた場合には、音響振動板10全体がオレンジ色に見えるとともに、その下端面12がオレンジ色に強く光る。
【0113】
また、図9に示すように音響振動板10の外側面にキズを付けて文字5を描くと、文字5の部分が強く発光する。文字5の部分は、蛍光ランプ67を点灯しなくても、外部の蛍光灯や太陽光などによって発光する。
【0114】
LumogenF(登録商標)Dyesは、耐光性(蛍光残存率)にも優れ、Orange240(商品名)を含ませたアクリル板では、曝露前の蛍光強度を100とすると、一定の条件のもとで2000時間曝露した後の蛍光強度は85である。
【0115】
内部に蛍光ランプ67のような光源を持たないものとして構成し、外部の蛍光灯や太陽光などによって音響振動板10を点灯させてもよい。
【0116】
図9の例は天吊型に構成する場合であるが、図9の例に対して天地を逆にして、床上や台上に据え置く構成としてもよい。
【0117】
また、円筒状の音響振動板の外側面に光を入射させ、光源としてLEDや電球を用い、音響振動板を半円筒状や楕円筒状にするなど、光源の配置や種類、または音響振動板の形状などは、適宜変更することができる。
【0118】
[3.第3の実施形態:図11]
上述した第1の実施形態および第2の実施形態は、アクチュエータの振動を音響振動板の一端面に加える場合であるが、アクチュエータの振動を音響振動板の一側面に加えてもよい。第3の実施形態として、この場合を示す。
【0119】
図11に、第3の実施形態の一例を示す。この例は、音響振動板の一側面に振動を加えるとともに光を入射させ、音響振動板の端面を点灯する場合である。
【0120】
具体的に、音響振動板10は円形や正方形などの平板状として、その一側面18の中心部に超磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35を、その変位方向が音響振動板10の板面に垂直となるように当接させ、音響振動板10を板面に垂直な方向に振動させる。
【0121】
この場合、音響振動板10の中心部では矢印3aで示すように振動の振幅が最大となり、加振点から離れた点では矢印3bで示すように振動の振幅が小さくなる。
【0122】
さらに、音響振動板10の一側面18側にLEDなどの光源69を配置し、光源69からの光を音響振動板10の一側面18に斜めに入射させる。
【0123】
音響振動板10は、アクリルなどの透光性または導光性の材料によって形成するとともに、上記のプラスチック用蛍光塗料のような蛍光塗料を含ませる。
【0124】
これによって、音響振動板10の一側面18に入射した光は、図10に示したように音響振動板10の板内を伝播し、音響振動板10の外周端面19が強く光る。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】第1の実施形態の第1の例のスピーカーシステムを上方から見た図である。
【図2】ベース筐体につき図1のラインA−Aの部分を断面にした側面図である。
【図3】図1のラインB−Bの位置での断面図である。
【図4】図1のスピーカーシステムの加振部および光源部の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態の第2の例を示す図である。
【図6】第1の実施形態の第3の例を示す図である。
【図7】光源部の他の例を示す図である。
【図8】積層圧電アクチュエータを用いる場合の一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態のスピーカーシステムの一例を示す図である。
【図10】図9のスピーカーシステムで光が音響振動板内を伝播する様子を示す図である。
【図11】第3の実施形態のスピーカーシステムの一例を示す図である。
【図12】非特許文献に示されたスピーカーシステムを示す図である。
【符号の説明】
【0126】
主要部については図中に記述したので、ここでは省略する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を入射させる入射部およびその光を放射する放射部を有する、透光性または導光性の材料によって形成された音響振動板と、
この音響振動板に振動を加えて、当該音響振動板の側面から音響を発生させるアクチュエータと、
を備えるスピーカー装置。
【請求項2】
請求項1のスピーカー装置において、
上記音響振動板は、一端側および他端側が開口とされた筒状のものであり、
上記アクチュエータは、上記音響振動板の一端面に当該音響振動板の軸方向の振動を加えるものであり、
上記音響振動板の上記一端面に光を入射させ、当該音響振動板の他端面を点灯する光源を備えるスピーカー装置。
【請求項3】
請求項1のスピーカー装置において、
上記音響振動板は、棒状部と、この棒状部と一体に形成または連結された振動板本体部とからなるものであり、
上記アクチュエータは、上記棒状部の端面に当該棒状部の軸方向の振動を加えて、上記振動板本体部の側面から音響を発生させるものであり、
上記棒状部の端面に光を入射させ、上記振動板本体部の端面を点灯する光源を備えるスピーカー装置。
【請求項4】
請求項3のスピーカー装置において、
上記振動板本体部は、円錐状であるスピーカー装置。
【請求項5】
請求項3のスピーカー装置において、
上記棒状部の中心部に、当該棒状部を形成する材料より振動伝播効率の良い材料からなる線状部材を有するスピーカー装置。
【請求項6】
請求項1のスピーカー装置において、
上記音響振動板は、蛍光塗料を含むものであるスピーカー装置。
【請求項7】
請求項1のスピーカー装置において、
上記アクチュエータは、超磁歪アクチュエータであるスピーカー装置。
【請求項8】
請求項1のスピーカー装置において、
上記アクチュエータは、積層圧電アクチュエータであるスピーカー装置。
【請求項9】
請求項1に記載のスピーカー装置と、
ボイスコイルおよびコーンを有するスピーカーユニットと、
を備えるスピーカーシステム。
【請求項1】
光を入射させる入射部およびその光を放射する放射部を有する、透光性または導光性の材料によって形成された音響振動板と、
この音響振動板に振動を加えて、当該音響振動板の側面から音響を発生させるアクチュエータと、
を備えるスピーカー装置。
【請求項2】
請求項1のスピーカー装置において、
上記音響振動板は、一端側および他端側が開口とされた筒状のものであり、
上記アクチュエータは、上記音響振動板の一端面に当該音響振動板の軸方向の振動を加えるものであり、
上記音響振動板の上記一端面に光を入射させ、当該音響振動板の他端面を点灯する光源を備えるスピーカー装置。
【請求項3】
請求項1のスピーカー装置において、
上記音響振動板は、棒状部と、この棒状部と一体に形成または連結された振動板本体部とからなるものであり、
上記アクチュエータは、上記棒状部の端面に当該棒状部の軸方向の振動を加えて、上記振動板本体部の側面から音響を発生させるものであり、
上記棒状部の端面に光を入射させ、上記振動板本体部の端面を点灯する光源を備えるスピーカー装置。
【請求項4】
請求項3のスピーカー装置において、
上記振動板本体部は、円錐状であるスピーカー装置。
【請求項5】
請求項3のスピーカー装置において、
上記棒状部の中心部に、当該棒状部を形成する材料より振動伝播効率の良い材料からなる線状部材を有するスピーカー装置。
【請求項6】
請求項1のスピーカー装置において、
上記音響振動板は、蛍光塗料を含むものであるスピーカー装置。
【請求項7】
請求項1のスピーカー装置において、
上記アクチュエータは、超磁歪アクチュエータであるスピーカー装置。
【請求項8】
請求項1のスピーカー装置において、
上記アクチュエータは、積層圧電アクチュエータであるスピーカー装置。
【請求項9】
請求項1に記載のスピーカー装置と、
ボイスコイルおよびコーンを有するスピーカーユニットと、
を備えるスピーカーシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−124322(P2010−124322A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297047(P2008−297047)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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