説明

スピーカ用磁気回路、およびスピーカ

【課題】平板形状のヨークを備えた比較的薄型の磁気回路を有する場合であっても、比較的高音圧の再生音を出力すること、ボイスコイルの配置領域で比較的高い磁束密度の磁気回路を提供すること、ボイスコイルの配置領域で比較的均一性が高い磁束密度分布の磁気回路を提供すること、比較的高音質な再生音のスピーカを提供すること。
【解決手段】スピーカ100は、平板形状の内磁石11と、内磁石11の一極側に配備される平板形状のプレート2と、外磁石12の他極側に配備されるとともに、プレート2より径が大きな略平板形状に形成されたヨーク3と、ヨーク3上に配備されるとともに、内径がプレート2の外径より大きいリング形状に形成された外磁石12とを有し、内磁石11、外磁石12、ヨーク3、プレート2が、略同心状に形成された磁気回路4を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカ用磁気回路、およびスピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオシステム等に備えられているスピーカは、アンプからの電気信号(電気エネルギ)を音響信号(音響エネルギ)に変換する電気変換器といえる。スピーカを動作原理により大別すると、動電型(ダイナミック型)、静電型、圧電型、放電型、電磁型などに分けられ、現在は音質の良さ等の諸条件を兼ね備えた高性能な動電型が主流を占めている。
【0003】
例えば、動電型スピーカとして、内磁型磁気回路を備えたスピーカ(例えば、特許文献1参照)、外磁型磁気回路を備えたスピーカなどが知られている。
【特許文献1】特開2005−102166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のスピーカでは、ヨークを断面U字形状に形成するという煩雑な製造工程を要する。また、このスピーカでは、磁気間隙に磁束を集中させるために、断面U字形状のヨークの端部を更に内側に向けて屈曲させる工程を要する。
【0005】
例えば平板形状のヨーク,平板形状のマグネット,および平板形状のプレートからなる簡単な構成の磁気回路の場合、ボイスコイルが配置されるプレート周辺領域の磁束密度が比較的小さく、スピーカ駆動時にボイスコイルに作用するローレンツ力が比較的小さい。このため磁気回路を採用したスピーカでは、音圧が比較的小さい場合がある。
また、磁気回路では、ボイスコイルの配置領域であるプレートの近傍領域における磁束密度分布の均一性が、ボイスコイルに作用するローレンツ力や音質に大きく影響する。
【0006】
このため磁気回路は、ボイスコイルの配置領域であるプレートの近傍領域で、比較的大きな磁束密度、かつ比較的高く均一性の高い磁束密度分布であることが望まれている。
【0007】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、平板形状のヨークを備えた比較的薄型の磁気回路を有する場合であっても、比較的高音圧の再生音を出力すること、ボイスコイルの配置領域で比較的高い磁束密度の磁気回路を提供すること、ボイスコイルの配置領域で比較的均一性が高い磁束密度分布の磁気回路を提供すること、比較的高音質な再生音のスピーカを提供すること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
本発明に係るスピーカ用磁気回路は、第1のマグネットと、前記第1のマグネットの一極側に配備されるプレートと、前記第1のマグネットの他極側に配備されるとともに、前記プレートより径が大きな略平板形状に形成されたヨークと、前記ヨーク上に配備されるとともに、内径が前記プレートの外径より大きいリング形状に形成された第2のマグネットとを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るスピーカは、第1のマグネットと、前記第1のマグネットの一極側に配備されるプレートと、前記第1のマグネットの他極側に配備されるとともに、前記プレートより径が大きな略平板形状に形成されたヨークとを備えた磁気回路と、前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、前記振動板を振動自在に支持するスピーカフレームとを有し、前記磁気回路は、前記ヨーク上に配備されるとともに、内径が前記プレートの外径より大きいリング形状に形成された第2のマグネットを備え、前記第1および第2のマグネット、ヨーク、およびプレートが同心状に形成されていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係るスピーカは、平板形状の第1のマグネットと、第1のマグネットの一極側に配備される平板形状のプレートと、第1のマグネットの他極側に配備されるとともに、プレートより径が大きな略平板形状に形成されたヨークとを備えたスピーカ用磁気回路と、スピーカ用磁気回路のプレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、ボイスコイルをプレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、振動板を振動自在に支持するスピーカフレームとを有し、スピーカ用磁気回路は、ヨーク上に配備されるとともに、内径がプレートの外径より大きいリング形状に形成された第2のマグネットを備え、第1および第2のマグネット、ヨーク、およびプレートが略同心状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る上記構成のスピーカは、磁気回路が平板形状の第1のマグネット、平板形状のプレート、平板形状ヨーク、および上記リング形状の第2のマグネットを備え、それらが略同心状に形成されているので、プレートの端部近傍に配置されたボイスコイルの配置位置で、比較的大きな磁束密度を得ることができる。また、上記構成のスピーカでは、ボイスコイル近傍で、比較的大きな磁束密度が得られるので、比較的高音圧の再生音を放射することができる。また、本発明に係るスピーカは、磁気回路が上記構成のリング形状の第2のマグネットを備えているので、ボイスコイル配置領域で比較的均一性が高い磁束密度分布となり、比較的高音質の再生音を放射することができる。
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るスピーカ、およびスピーカ用磁気回路を説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るスピーカ100を説明するための正面図である。図2は図1に示したスピーカ100のA−A線に沿った断面図である。図3は図2に示したボイスコイルボビン62付近の拡大図である。図4(A)は図1に示したスピーカ100のコーン状振動部63を説明するための図である。図4(B)は図4(A)に示した振動板6の断面図である。図5は図2に示したス磁気回路4のプレート付近の磁束密度の分布を説明するための図である。
【0014】
図1,2に示すように、本実施形態に係るスピーカ100は、磁石1、プレート2、ヨーク3、磁気回路4、スピーカフレーム(フレームともいう)5、振動板6、およびボイスコイル7を有する。また、本実施形態に係るスピーカ100は、例えば中高音用スピーカとして用いられる。
【0015】
本実施形態に係る磁石1は、内磁石(第1の磁石:メインマグネット)11、および外磁石(第2の磁石:サブマグネット)12を有する。内磁石11は本発明に係る第1のマグネットの一実施形態に相当し、外磁石12は本発明の第2のマグネットの一実施形態に相当する。内磁石11,外磁石12は、例えばネオジウム系、サマリウム・コバルト系、アルニコ系、フェライト系磁石等の永久磁石等により形成されている。また本実施形態に係るスピーカ用磁気回路4は、上記内磁石11,外磁石12,ヨーク3、およびプレート2を有する。
【0016】
[内磁石11]
本実施形態に係る内磁石11は、例えば平板形状に形成されており、内磁石11の一極側(上端部)には平板形状のプレート2が配備され、磁石11の他極側(下端部)には略平板形状のヨーク3が配備されている。
内磁石11は、例えば、外径LX11がプレート2の外径LX2と略同じ又は小さく形成されている。本実施形態に係る内磁石11は厚さLZ11が、外磁石12の厚さLZ12と略同じとなるように形成されている。この内磁石11の厚さLZ11は、内磁石11とヨーク3との接合面を基準とした距離(高さ)に相当する。
【0017】
[外磁石12]
外磁石12は、内径LX121がプレート2の外径LX2より大きく、外径LX122が、ヨーク3の外径LX3と略同径又は小さいリング形状に形成されている。外磁石12は厚さLZ12が、内磁石11の厚さLZ11と略同じ形状となるように形成されている。この外磁石12は、ヨーク3上に配備されている。外磁石12の内周側には、内磁石11およびプレート2が配置されている。
【0018】
内磁石11と外磁石12は、互いに逆方向に着磁されている。詳細には、本実施形態に係る内磁石11は、音響放射方向SD(内磁石11とヨーク3との接合面に対して垂直な方向)に沿って着磁されており、外磁石12は、その着磁方向に対して逆方向に着磁されている。
図5に示すように、本実施形態に係る磁気回路4では、例えば平板状のヨーク3,磁石11、およびプレート2のみからなる磁気回路と比べて、ボイスコイル7の配置領域であるプレートの端部の近傍領域で、比較的高い磁束密度となる。ボイスコイル7は、例えば図5に示すように、プレート2の端部から径方向外側に向かって、規定距離だけ離れた位置における、2点鎖線に沿って(z軸方向に沿って)配置される。
【0019】
また、本実施形態に係る外磁石12は、図2に示すように、高さ(厚み)LZ12がプレートの高さLZ2に対して略同一又は小さい形状に形成されている。外磁石12の高さLZ12は、この外磁石12とヨーク3との接合面を基準とした距離(高さ)に相当する。
外磁石12は、高さ(厚み)LZ12が内磁石11の高さLZ11と略同一または大きい形状に形成されている。後述するように、この外磁石12を採用した磁気回路4は、ボイスコイル7の配置領域内のプレート2付近で比較的大きな磁束密度となる。また、ボイスコイル7の振動方向における磁束密度の分布を、特にプレート2の下方から上方にかけて略同一(均一)にすることができる。
【0020】
また、外磁石12は、内磁石11のマグネットの近傍に配置されていることが好ましい。詳細には、外磁石12の内径を比較的小さく形成して、外磁石12を内磁石11近傍に配置することで、ボイスコイル7の配置領域内の磁束密度を比較的大きくすることができる。
また、外磁石12は、体積が内磁石11の体積よりも大きいことが好ましい。後述するように、ボイスコイル7の振動方向における磁束密度の分布を、特にプレート2の下方から上方にかけて略同一(均一)にすることができる。
また、外磁石12は、例えば内磁石11と略同じ大きさの磁力であることが好ましい。
外磁石12の形状や大きさ、配置位置などについては、磁気回路の特性やボイスコイル付近の磁束密度分布などの諸条件により、適宜設定することが好ましく、詳細については後述する。
【0021】
[プレート2]
プレート2は、平板形状に形成されており、内磁石11の外径LX11と略同じ又は大きい外径LX2に形成されている。また、プレート2は、例えば透磁率及び飽和磁束密度が比較的高い金属で形成されている。
【0022】
[ヨーク3]
ヨーク3は、内磁石11の他極側に配備されるとともに、外径LX3がプレート2の外径LX2より大きな平板形状に形成されている。本実施形態に係る平板形状のヨーク3は、プレート2の外径LX2の約2倍程度の外径LX3に形成されている。この内磁石11の径LX1、プレート2の径LX2、ヨーク3の径LX3は、内磁石11の厚さや磁力の大きさ、プレート2とヨーク3間の磁束密度の分布状態、振動板6の大きさや形状、ボイスコイル7の磁気特性や駆動特性等に基づいて適宜設定する。
ヨーク3は、例えば、透磁率及び飽和磁束密度が比較的高い金属で形成されている。
【0023】
また、上記スピーカ用磁気回路4は、内磁石11、外磁石12、プレート2、およびヨーク3が略同心状に形成されている。詳細には、円形状に形成された内磁石11、外磁石12、プレート2、およびヨーク3が、中心軸を基準として同心円状に配置されている。
また、本実施形態に係るヨーク3は、外周端部3aが外磁石12の外径LX122と略同一、又はより大きく延出された形状に形成されるとともに、当該外周端部3aにフレーム5(スピーカフレーム)が固定されている。
【0024】
[フレーム5]
フレーム5は、ヨーク3の端部と係合する内周側に形成された係合段部5aと、振動板6の端部と嵌合する外周側に形成された係合段部5bを有する。フレーム5は、例えば樹脂などの高分子材料、金属材料などにより構成されている。
本実施形態に係るスピーカ100は、平板形状のヨーク3の外径LX3が、外磁石12の外径LX122より大きく形成されており、外磁石12よりも径方向外側に延出されたヨーク3の外周端部3aにフレーム5が固定されている。
【0025】
[振動板6]
振動板6は、例えば外端部がフレーム5により直接またはエッジを介して支持されるとともに、ボイスコイル7をプレート2の端部近傍に振動自在に支持している。振動板6としては、例えばドーム形状、コーン形状、平板形状、ホーン形状など各種形状を採用することができる。
本実施形態に係る振動板6は、図1,2に示すように、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン(ボイスコイル支持部)62、コーン状振動部63、および外縁端部64を有する。本実施形態に係る振動板6では、各構成要素、詳細にはドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、および外縁端部64が一体成形されている。振動板6は、例えば金属材料、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の高分子材料、紙等の繊維材料により構成されている。金属材料としては、例えばアルミニウムやチタニウム、ジュラルミン、ベリリウム、マグネシウム合金等を採用することができる。高分子材料としては、例えばポリプロピレン樹脂や、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等を採用することができる。
【0026】
ドーム状振動部61は、振動部6の中央部に凸形状に形成されている。ドーム状振動部61は、例えば放射曲線形状、ドーム半球形状、円錐形状、多段曲線形状等、各種形状を採用することができる。本実施形態に係るドーム状振動部61は、図2に示すように放射曲線形状に形成されている。例えば、ドーム状振動部61は、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、外縁端部64によりプレート2上の規定位置に、z軸方向(駆動方向:音響放射方向)に沿って振動可能に支持されている。ここで図3に示すように、図に向かって左右方向がx軸方向に相当し、図に向かって上下方向がz軸方向に相当し、x軸方向,z軸方向に直交する方向がy軸方向に相当する。z軸方向は音響放射方向SDに相当する。
【0027】
ボイスコイルボビン62は、振動板6の中央部と外縁端部64の間に形成され、例えば図3に示すように、断面形状が略L字形状のボイスコイル支持部を形成している。ボイスコイルボビン62は、筒状部62aおよび屈曲部62bを有するものであれば、断面形状は略L字状のものに拘らない。例えば、筒状部62aの下端に連続する屈曲部62bが凹状の曲面を有するものであってもよい。
筒状部62aは、例えば図3に示すように、振動方向(z軸方向)に沿って形成されている。また、筒状部62aは、プレート2の端部2aと規定距離gx1だけ離れた規定位置に位置するように、ドーム状振動部61、コーン状振動部63、および外縁端部64により支持されている。屈曲部62bは、図3に示すように、筒状部62aの下側端部から外側に向かって屈曲するように形成されている。この屈曲部62bの長さL62は、ボイスコイル7の厚さL7と略同じ長さ又はそれ以上の長さに設定されている。本実施形態では長さL62は厚さL7の約2倍程度に設定されている。
【0028】
[ボイスコイル7]
ボイスコイル7は、例えば導電線により形成されており、ボイスコイルボビン62に巻回されている。また、ボイスコイル7には、例えば不図示の端子部に導電線等にて電気的に接続されており、その端子部から音声信号が入力されると、磁気回路4のプレート2近傍に配置されるボイスコイル7には音声信号のレベルに応じたローレンツ力(電磁気力)が生じる。
【0029】
例えば予め形成された円形状のボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部内に落とし込み、紫外線(UV)硬化剤などを注入してUV照射を行う等によりボイスコイル7の固定が行われる。ここでUV硬化剤として、2液UV硬化剤、嫌気性UV硬化剤等を使用することによってUVの未照射部の固定も可能になる。上述したように、屈曲部62bの長さL62をボイスコイル7の厚さL7と略同じ長さ又はそれ以上の長さに設定することで、簡単にボイスコイルボビン62にボイスコイル7を設けることができる。
【0030】
詳細には、図3に示すようにボイスコイル7は、筒状部62aの外周側面の領域R7に形成される。領域R7は、下端位置71から上端位置72までの範囲に設定されている。本実施形態に係る下端位置71は、プレート2の下端部2dから下側に向かって、距離tだけ離れた位置に相当する。上端位置72は、プレート2の上端部2aから上側に向かって距離0.5tだけ離れた位置に相当する。ここで距離tは、プレート2の厚みtに相当する距離である。
【0031】
上述したようにボイスコイル7を上記領域R7に形成することで、振動板6が最大限振幅した場合であっても、ボイスコイル7をプレート2とヨーク3間の略均一な磁束分布範囲内に配置することができる。そのため歪の少ない音響特性のスピーカ100を得ることができる。また、上述した実施形態に係るボイスコイル7では、いわゆるロングボイスコイル構造を採用したが、この形態に限られるものではない。ボイスコイル7として、例えばショートボイスコイル構造を採用してもよい。
【0032】
コーン状振動部63は、例えば図4に示すように、ボイスコイルボビン62の下側端部から、振動板6の外縁端部64にかけて形成されている。このコーン状振動部63は、断面の母線形状が略円錐形状(コーン形状)に形成されている。また例えばコーン状振動部63の形状は、断面の母線形状が円弧状に形成されたカーブドコーン形状、直線形状に形成されたフラットコーン形状、放物線状に形成されたパラボリックコーン形状等、各種形状を採用することができる。
【0033】
例えば、一般的なスピーカは、狭い磁気間隙の間にボイスコイルを配置すべく、幅狭の断面U字形状のボイスコイルボビンを形成する必要がある。この幅狭の断面U字形状のボイスコイルボビンは、形成することが困難である。一方、本実施形態に係るスピーカ100は、プレート2の端部とヨーク3の間の磁気間隙が、上記一般的なスピーカと比べて広く形成されており、プレート2の外周端部において開放された空間(以下、開口と呼称する)が形成されている。そのため、図4に示すように、ボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部の底部の幅を、開口側に向けて広く形成することができ、容易に形成可能である。
【0034】
詳細には、図4(A),4(B)に示すように、ボイスコイルボビン62上のボイスコイル形成領域R7の上端部62uと、その上端部62uを通る水平面(xy平面)とコーン状振動部63とが交差する位置63uとの間の距離Lxu1を開口側の幅とする。ボイスコイルボビン62上のボイスコイル形成領域R7の下端部62dと、その下端部62dを通る水平面(xy平面)とコーン状振動部63とが交差する位置63dとの間の距離Ld2を底部の幅とする。この開口側の幅Lxu1は、底部の幅Lxd2よりも幅広である。好ましくは、開口側の幅Lxu1は、ボイスコイル形成領域R7と略同程度の長さに形成されている。
上記構成の振動板6は、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部において、その凹部の底部から開口側(上側に向けて)にかけて幅広に形成されるので、例えば断面U字形状のボイスコイルボビンを備える振動板と比べて、簡単に形成することができる。
【0035】
外縁端部64は、図4(A),4(B)に示すように、フレーム5の係合段部5bと嵌合する嵌合部64aを有する。嵌合部64aは、裏面側に向けてz軸方向に沿って屈曲した筒形状の筒状部641と、内周側面641aと、その筒状部641の下側端部から外側に向かってx軸に沿って屈曲した形状の端部642とを有する。筒状部641の内周側面641aと、フレーム5の係合段部5bとが係合することで、磁気回路4やフレーム5に対する振動板6の位置決めが行われる。この際、フレーム5の係合段部5bの形状は、筒状部641の内周側面641aと対応する形状に形成されている。
【0036】
上記構成のスピーカ100は、次のようにして組み立てられる。まず、図1〜5に示すように、内磁石11の一極側にプレート2を配備し、磁石1の他極側に平板形状のヨーク3を配備し、ヨーク3上に外磁石12を配置する。このとき例えば円形状の内磁石11、外磁石12、プレート2、ヨーク3の中心軸が一致するように配備する。射出成形装置等の製造装置により、ヨーク3にフレーム5を一体成形する。プレス加工装置や射出成型装置等の製造装置により、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、および外縁端部64を備えた振動板6を一体成形する。
【0037】
次に、予め円形状に係止めされたボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部に配置し、接着剤等によりボイスコイル7をボイスコイルボビン62に固定する。また導電線をボイスコイルボビン62に巻回すことにより、ボイスコイル7を所定位置に形成してもよい。次に、筒状部641の内周側面641aと、フレーム5の係合段部5bとを嵌合させることで、磁気回路4やフレーム5に対する振動板6の位置決めを行う。位置決め後、振動板6とフレーム5とを接着剤等により固定して、スピーカ100を得る。
【0038】
上記構成のスピーカ100では、ボイスコイル7が、内磁石11、外磁石12、プレート2、およびヨーク3により構成される磁気的な空間(磁束が分布する空間)内の規定位置に、振動板6により支持されている。
そして、音声信号が不図示の入力端子からリード線(導電線)を介してボイスコイル7に入力されると、ボイスコイル7にはその音声信号に応じてローレンツ力が生じる。そのローレンツ力が、振動板6をz軸方向に沿って振動させる駆動力となる。ボイスコイル7が備えられたボイスコイルボビン62は、その駆動力により、z軸方向に沿って振動し、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、およびコーン状振動部63を振動させる。スピーカ100は、ドーム状振動部61、およびコーン状振動部63が振動することにより粗密波(音波)を放射するので、一般的なドーム型スピーカとコーン状スピーカの2つの特性を兼ね備えている。
【0039】
以上、説明したように、本発明の一実施形態に係るスピーカ100は、平板形状の内磁石11と、内磁石11の一極側に配備される平板形状のプレート2と、内磁石11の他極側に配備されるとともにプレート2より径が大きな略平板形状に形成されたヨーク3を備えた磁気回路4と、この磁気回路4のプレート2の端部近傍に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7をプレート2の端部近傍に振動自在に支持する振動板6と、振動板6を振動自在に支持するスピーカフレーム5とを有し、磁気回路4が、ヨーク3上に配備されるとともに、内径がプレート2の外径より大きいリング形状に形成された外磁石12を備え、内磁石11,外磁石12,ヨーク3,プレート2が、略同心状に形成されているので、ボイスコイル7の配置領域で比較的高い磁束密度となる。このためスピーカ100は、平板形状のヨークを備えた比較的薄型の磁気回路4を有する場合であっても、比較的高音圧の再生音を提供することができる。
【0040】
また、上記構成の磁気回路4は、ボイスコイル7の配置領域で比較的均一性が高い磁束密度分布となる。このためスピーカ100は、比較的高音質な再生音を提供することができる。
【0041】
また、本発明に係るスピーカ100では、従来のようにヨークを形成するために煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路4を得ることができる。
また、上記構成の磁気回路4は、プレート2の端部側に開放された空間(開口)が形成されているので、ボイルコイルから生じる熱(ジュール熱)がプレート2へ輻射熱として伝わることを抑止できること、振動板6の振動により空気の流動が生じることで、プレート2や内磁石11、外磁石12、ヨーク3等を冷却すること、内磁石11、外磁石12が冷却されることで高温減磁の発生を抑止すること、等が可能となる。
また、図示しないが、プレート2、内磁石11、外磁石12、ヨーク3に、例えば、熱伝導率が大きい銅やアルミニウム等からなる金属層を、その表面を覆うように形成しても構わない。金属層を形成することで、プレート2へボイスコイルからの熱が輻射熱として伝わっても、積極的に金属層を介して、例えばフレームへ熱を伝わらせることによって、磁気回路内の温度が高温になることを抑止することが可能になる。
【0042】
[シミュレーション]
図6〜図12は、本発明の一実施形態に係る磁気回路の磁束密度分布のシミュレーション結果を示す図である。
次に、本願発明者は、磁気回路の磁束密度分布を確認すべく、形状や大きさ等が異なる外磁石12を採用した磁気回路4について、コンピュータシミュレーションにより磁束密度分布を算出した。図6〜12において、縦軸は磁束密度(T)を示し、横軸は距離(mm)を示している。
【0043】
シミュレーションとしては、例えば磁気ベクトルポテンシャル(A)法により、磁気回路4の磁気回路の磁気ベクトルポテンシャルを算出し、その算出結果に基づいて磁束密度を算出した。
【0044】
シミュレーションに用いた磁気回路の一具体例は、ヨーク3の径が約25mm,厚みが約1.5mmであり、内磁石11の径が約12.5mm,厚みが約1.5mmであり、プレート2の径が約12.5mm,厚みが約1mmであり、外磁石12の内径が約18mm,外径が約24mm,高さが約2mmである。そして、高さ(厚み)、体積、内径、外径などが異なる外磁石12を採用した複数の磁気回路について、同様なシミュレーションを行った。
【0045】
磁束密度は、例えば図5に示すように、ボイスコイル7の配置領域である、プレート2の端部近傍における値を算出している。
図6〜12において、磁束密度の測定開始点(0mm)は、プレート2の端部から規定距離(0.2mm)外側に離れた位置で、かつプレート2の下端位置から1mmだけz軸方向の下側の位置に設定されており、その測定開始点からz軸方向上側に沿って磁束密度を算出している。つまり、距離1.0mmはプレート2の下端部と同じ高さであり、距離2.0mmはプレート2の上端部と同じ高さである。
【0046】
[外磁石12の体積の最適化]
図6は、内径が一定値で高さが異なる(体積が異なる)外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。
まず、外磁石12の内径と外径を一定値とし、高さをパラメータとして、サブマグネットの体積が異なるスピーカについて、磁束密度を測定した。詳細には、内径が18mm、外径が約24mmであり、高さが1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mmである複数の外磁石12を採用した磁気回路について、シミュレーションを行った。
【0047】
その結果、図6に示すように、外磁石12がない磁気回路と比べて、外磁石12を設けた本発明に係る磁気回路では、ボイスコイル7の配置領域である距離1.0mm〜2.0mm領域では、磁束密度の値が大きい。
また、外磁石12の体積が内磁石11の体積より大きい場合、詳細には外磁石12の高さが1.5mmより大きい場合には、ボイスコイル7の配置領域内の磁束密度が、プレート2の底面位置(1.0mmに相当)から上部位置(2.0mmに相当)にかけて、略同一(均一)となった。
【0048】
このように外磁石12の体積が内磁石11の体積に対して大きな磁気回路では、ボイスコイル7の配置領域における磁束密度が、特にプレートの底面部から前面部にかけて均一となる。このため磁気回路4は、外磁石12の体積が内磁石11の体積に対して大きいことが好ましい。
【0049】
また、図6に示すように、外磁石12の高さが2.5mm(内磁石11を基準として外磁石12の体積が約1.7倍)を境として、外磁石12がそれより高いと、磁束密度の分布の均一性が低下する。
このため、磁気回路4は、内磁石11と外磁石12の体積比が1〜1.7であることが好ましく、この体積比の場合、磁束密度の分布の均一性が比較的高い。
【0050】
[外磁石12の高さ依存性(体積比約1)]
図7は、内径(18mm)および体積(体積比約1.0)が一定値で高さおよび外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。図8は、内径(17mm)および体積(体積比約0.97)が一定値で高さおよび外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。外磁石12の高さは1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mmとした。
【0051】
図7,8に示すように、外磁石12がない磁気回路と比べて、外磁石12を設けた本発明に係る磁気回路では、いずれの場合でも、上記領域において磁束密度が高い値を示した。また、図7,8に示すように、外磁石12が、内磁石11の高さ(1.5mm)と同じ又は高く、プレート2の高さに対し略同一又はそれより小さいと、磁束密度分布の均一性が高いという特性がある。
【0052】
このため、磁気回路4は、外磁石12が、内磁石11の高さ(1.5mm)と同じ又は高いことが好ましい。また、磁気回路4は、外磁石12が、プレート2の高さに対し略同一又はそれより小さいことが好ましい。特に、外磁石12の高さ(厚み)が1.5〜2.0mmの場合、磁束密度分布の均一性が高い。
【0053】
[外磁石12の高さ依存性(体積比約1.7程度)]
図9は、内径(18mm)および体積(体積比約1.7)が一定値で高さおよび外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。図10は、内径(17mm)および体積(体積比約1.6)が一定値で高さおよび外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。外磁石12の高さは1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mmとした。
【0054】
図9,10に示すように、外磁石12がない磁気回路と比べて、外磁石12を設けた本発明に係る磁気回路では、いずれの場合でも、上記領域において磁束密度が高い値を示した。また、図9,10に示すように、外磁石12が、内磁石11の高さ(1.5mm)と同じ又は高く、プレート2の高さに対し略同一又はそれより小さいと、磁束密度分布の均一性が高いという特性がある。
【0055】
このため、磁気回路4は、外磁石12が、内磁石11の高さ(1.5mm)と同じ又は高いことが好ましい。また、磁気回路4は、外磁石12が、プレート2の高さに対し略同一又はそれより小さいことが好ましい。特に、外磁石12の高さ(厚み)が1.5〜2.0mmの場合、磁束密度分布の均一性が高い。
【0056】
また、上記シミュレーション結果により、外磁石12は、上記体積比の条件よりも、上記高さの条件の方が影響力が大きい。このため、外磁石12は、体積比の条件より、上記高さの条件を満たすことが好ましく、このとき磁束密度の分布が比較的高い均一性を有する。
【0057】
[外磁石12の内径依存性]
図11は、高さ(1.5mm)および体積(体積比約1.7)が一定値で、内径および外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。図12は、高さ(2.0mm)および体積(体積比約1.7)が一定値で、内径および外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。外磁石12の内径は、15mm、16mm、17mm、18mmとした。
【0058】
図11,12に示すように、外磁石12がない磁気回路と比べて、外磁石12を設けた本発明に係る磁気回路では、いずれの場合でも、上記領域において磁束密度が高い値を示した。
【0059】
また図11,12に示すように、外磁石12の内径が小さいほど、上記領域(ボイスコイル7の配置領域)において磁束密度が大きくなる。このため、外磁石12は、内磁石11の近傍に配置されていることが好ましく、詳細には、外磁石12の内径が小さいほど、その領域の磁束密度が大きくなるので好ましい。
また、図11,12に示すように、体積が異なる外磁石12に関し、同様の実験を行っても同じ傾向があることを確認した。つまり、外磁石12は、上記体積比の条件よりも、上記内径の条件の方が影響力が大きい。このため、外磁石12は、体積比の条件より、上記内径の条件を満たすことが好ましく、このとき磁束密度が比較的高くなる。
【0060】
上記シミュレーションの結果を考慮して磁気回路4の変形例を説明する。図13は、本発明に係る磁気回路の変形例を示す断面図である。
【0061】
図13(A)〜(D)に示すように、外磁石12の内径を一定値、外径と高さが異なる磁気回路を採用してもよい。
この条件では、外磁石12の体積を、内磁石11に対して大きくすることで、プレートの下端部付近から上端部付近にかけて、ボイスコイル7の配置領域の磁束密度を略均一にすることができる。
【0062】
また、図13(E)〜(H)に示すように、外磁石12の体積が一定値、内径が一定値、高さが異なる磁気回路を採用してもよい。
この条件では、外磁石12の高さを、プレートの高さに対し略同一もしくはそれよりも小さくすることで、ボイスコイル7の配置領域の磁束密度を大きくすることができる。
【0063】
また、図13(I)〜(K)に示すように、外磁石12の体積が一定値、高さが一定値、内径が異なる磁気回路を採用してもよい。
この条件では、磁石12の内径を小さくすることで、特に外磁石12を内磁石11に近づけることで、ボイスコイル7の配置領域の磁束密度を大きくすることができる
【0064】
[第2実施形態]
図14(A)は、本発明の第2実施形態に係るスピーカ100Bを説明するための断面図である。第1実施形態との相違点を説明する。
本実施形態に係るスピーカ100は、例えば比較的大きな径のコーン状振動部を備えた中高音用スピーカとして用いられる。
詳細には、スピーカ100Bは、図14(A)に示すように、ボイスコイルボビン62Bにボイスコイル7が巻回されており、ボイスコイルボビン62Bの上端部にコーン状振動部63Cの内周部が固定され、コーン状振動部63Cの外周部が、外周端部(エッジ64D)を介してフレーム5Bに振動自在に固定されている。また、ボイスコイルボビン62Bの上端部にはドーム形状のキャップ61Bが取り付けられている。
また、ダンパ9は、外周部がフレーム5Bの中央部に形成された平坦部51Bに固定され、内周部がボイスコイルボビン62Bに固定されている。
【0065】
以上、説明したように、比較的大きな径のコーン状振動部を有する場合であっても、本発明に係る磁気回路を採用することができるので、中高音用スピーカに本発明に係る磁気回路を用いることができる。
【0066】
[第3実施形態]
図14(B)は、本発明の第3実施形態に係るスピーカ100Cを説明するための断面図である。第1実施形態との相違点を説明する。
本実施形態に係るスピーカ100Cは、図14(B)に示すように、ヨーク3の径と、外磁石12の外径LX122が略同一である。また、フレーム5Cは、ヨーク3Cの端部3aに固定されている。
【0067】
上記構成のスピーカ100Cでは、上述したようにヨーク3の径と、外磁石12の外径LX122が略同一であるので、第1実施形態と比べて、より小型に形成することができる。
【0068】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。上述した実施形態を組み合わせて実施してもよい。
また、磁気回路4の形状は、円形状に限られるものではなく、矩形状、楕円形状、多角形状など、各種形状に形成されていてもよい。
また、スピーカの形状は、円形状に限られるものではなく、矩形状、楕円形状、多角形状など、各種形状に形成されていてもよい。
また、磁気回路4は、中心部に貫通孔が形成されていてもよい。
また、ボイスコイル7とプレート2の間に、磁性流体を設けてもよい。磁性流体を設けることにより、ボイスコイル7の熱(ジュール熱)を積極的にプレートへ伝えることで、ボイスコイル7の温度が高温になることを抑止することができる。
また、磁気回路4は、上記大きさに限られるものではなく、例えば、縦、横、高さ等の比率が上記条件を満たすように形成されていてもよいし、比較的高い磁束密度を得るために適宜変更してもよい。
【0069】
以上、説明したようにスピーカ100は、平板形状の内磁石11と、内磁石11の一極側に配備される平板形状のプレート2と、外磁石12の他極側に配備されるとともに、プレート2より径が大きな平板形状に形成されたヨーク3と、ヨーク3上に配備されるとともに、内径がプレート2の外径より大きいリング形状に形成された外磁石12とを有し、内磁石11、外磁石12、ヨーク3、プレート2が、略同心状に形成された磁気回路4を有するので、ボイスコイルの配置領域で比較的高い磁束密度となる。上記構成の磁気回路4を備えるスピーカ100は、比較的高音圧の再生音を提供することができる。
また、上記構成の磁気回路4は、ボイスコイルの配置領域で比較的均一性が高い磁束密度分布となる。上記構成の磁気回路4を備えるスピーカ100は、比較的高音質な再生音を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスピーカ100を説明するための正面図である。
【図2】図1に示したスピーカ100のA−A線に沿った断面図である。
【図3】図2に示したボイスコイルボビン62付近の拡大図である。
【図4】(A)は図1に示したスピーカ100のコーン状振動部63を説明するための図であり、(B)は(A)に示した振動板6の断面図である。
【図5】図2に示したス磁気回路4のプレート付近の磁束密度の分布を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る磁気回路の磁束密度分布のシミュレーション結果を示す図であり、内径が一定値で高さが異なる(体積が異なる)外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。
【図7】内径(18mm)および体積(体積比約1.0)が一定値で高さおよび外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。
【図8】内径(17mm)および体積(体積比0.97)が一定値で高さおよび外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。
【図9】内径(18mm)および体積(体積比約1.7)が一定値で高さおよび外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。
【図10】内径(17mm)および体積(体積比約1.6)が一定値で高さおよび外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。
【図11】高さ(1.5mm)および体積(体積比約1.7)が一定値で、内径および外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。
【図12】高さ(2.0mm)および体積(体積比約1.7)が一定値で、内径および外径が異なる外磁石を採用した磁気回路の磁束密度分布を説明するための図である。
【図13】本発明に係る磁気回路の変形例を示す断面図である。
【図14】(A)は本発明の第2実施形態に係るスピーカ100Bを説明するための断面図であり、(B)は本発明の第3実施形態に係るスピーカ100Cを説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 磁石
2 プレート
3 ヨーク
4 磁気回路
5 スピーカフレーム(フレーム)
6 振動板
7 ボイスコイル
11 内磁石(第1の磁石:メインマグネット)
12 外磁石(第2の磁石:サブマグネット)
61 ドーム状振動部
62 ボイスコイルボビン(ボイスコイル支持部)
63 コーン状振動部
64 外縁端部
100 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマグネットと、
前記第1のマグネットの一極側に配備されるプレートと、
前記第1のマグネットの他極側に配備されるとともに、前記プレートより径が大きな略平板形状に形成されたヨークと、
前記ヨーク上に配備されるとともに、内径が前記プレートの外径より大きいリング形状に形成された第2のマグネットとを有し、
前記第1および第2のマグネット、ヨーク、およびプレートが略同心状に形成されていることを特徴とする
スピーカ用磁気回路。
【請求項2】
前記第1および第2のマグネットは、互いに逆方向に着磁されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用磁気回路。
【請求項3】
前記第2のマグネットは、外径が前記ヨークと略同径に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピーカ用磁気回路。
【請求項4】
前記第2のマグネットは、高さが前記プレートの高さに対して略同一又は小さいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のスピーカ用磁気回路。
【請求項5】
前記第2のマグネットは、前記第1のマグネットの近傍に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のスピーカ用磁気回路。
【請求項6】
前記第2のマグネットは、体積が前記第1のマグネットの体積よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のスピーカ用磁気回路。
【請求項7】
前記第2のマグネットは、高さが前記第1のマグネットの高さよりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の磁気回路。
【請求項8】
前記磁気回路を支持するスピーカフレームを備え、
前記ヨークは、外周端部が前記第2のマグネットの外径より大きく延出された形状に形成されるとともに、当該延出された外周端部にスピーカフレームが固定されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の磁気回路。
【請求項9】
前記第2のマグネットは、第1のマグネットと略同じ大きさの磁力であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のスピーカ用磁気回路。
【請求項10】
前記第2のマグネットは、外径が前記プレートの外径の2倍程度であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のスピーカ用磁気回路。
【請求項11】
第1のマグネットと、前記第1のマグネットの一極側に配備されるプレートと、前記第1のマグネットの他極側に配備されるとともに、前記プレートより径が大きな略平板形状に形成されたヨークとを備えた磁気回路と、
前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、
前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、
前記振動板を振動自在に支持するスピーカフレームとを有し、
前記磁気回路は、前記ヨーク上に配備されるとともに、内径が前記プレートの外径より大きいリング形状に形成された第2のマグネットを備え、
前記第1および第2のマグネット、ヨーク、およびプレートが略同心状に形成されていることを特徴とする
スピーカ。
【請求項12】
前記第1および第2のマグネットは、互いに逆方向に着磁されていることを特徴とする請求項11に記載のスピーカ。
【請求項13】
前記第2のマグネットは、外径が前記ヨークと略同径に形成されていることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のスピーカ。
【請求項14】
前記ヨークは、外周端部が前記第2のマグネットの外径より大きく延出された形状に形成されるとともに、当該延出された外周端部にスピーカフレームが固定されていることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のスピーカ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−94626(P2009−94626A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261012(P2007−261012)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000221926)東北パイオニア株式会社 (474)
【Fターム(参考)】