説明

スピーカ

【課題】ヨークのスリットに遊挿された支持片によって支持されるボイスコイルの取付強度を高めたスピーカを安価に提供すること。
【解決手段】磁気回路2のヨーク9の外筒部9bに設けられた複数のスリット9cにリング状支持部材4の径方向内側へ突設された複数の支持片5を個別に遊挿し、これら各支持片5でボイスコイル3を支持しているスピーカにおいて、ボイスコイル3にその円筒状部分から湾曲しながら径方向外側へ突出する複数の湾曲凸部3aを設けると共に、各支持片5の先端部に湾曲凸部3aを挿入可能な形状の凹溝5aを設け、各湾曲凸部3aを対応する凹溝5aに挿入して接着固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内磁型の磁気回路を有するヨークの外筒部に複数のスリットが設けられ、このスリットに遊挿された支持片がボイスコイルを支持しているスピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、リング部材に径方向内側へ放射状に突出する複数の支持片を設け、これら支持片をヨークの外筒部に設けられた複数のスリットに個別に遊挿すると共に、各支持片によってボイスコイルの等間隔な複数箇所を径方向外側から支持し、リング部材の外周部に振動板とダンパの各内周部を接合した構造のスピーカが知られている(例えば、特許文献1参照)。このように構成されたスピーカは、コイルボビンに振動板とダンパの各内周部を接合する構造のものと比べると、スピーカの前後方向の寸法(奥行き寸法)を容易に低減することができるため、薄型化に好適なものとなっている。
【0003】
また、この種のスピーカの磁気回路には、ヨークのセンター部とマグネットとプレート(例えばボトムプレート)とが積層されており、ヨークの外筒部の内周面とプレートの内周面とが所定の磁気ギャップを存して対向している。そして、この磁気ギャップに、円筒状に成形されたボイスコイルが配置されているため、信号電流をボイスコイルに通電すると、公知の電磁駆動力が発生してボイスコイルがスピーカの前後方向に沿って振動する。その結果、ボイスコイルを支持している各支持片を介して振動板が振動し、信号電流に応じた音が生成されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭55−64500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した従来のスピーカでは、通常、円筒状にフォーミングされたボイスコイルの外周面に各支持片の先端面を接着固定することによって、これら支持片にボイスコイルを取り付けている。しかし、ボイスコイルを効率良く駆動させるという観点から、各支持片は幅狭で数も必要最小限であることが要望されるため、各支持片の先端面に接着しただけでは、ボイスコイルに所要の取付強度を確保することが困難であった。つまり、電磁駆動力によってボイスコイルが振動する際に、各支持片とボイスコイルとの接着箇所に応力が集中するため、取付強度がさほど大きくないボイスコイルの場合、大きな振幅で振動した場合などに支持片の先端面から剥離してしまう虞があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、ヨークのスリットに遊挿された支持片によって支持されるボイスコイルの取付強度を高めたスピーカを安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成する解決手段として、本発明は、ヨークの外筒部が磁気ギャップを包囲していると共に前記外筒部の複数箇所にスリットが設けられた内磁型の磁気回路と、前記磁気ギャップ内に配置された円筒状のボイスコイルと、複数の支持片が径方向内側へ放射状に突設されたリング状支持部材と、このリング状支持部材の外周部に接合された振動板およびダンパとを備え、複数の前記スリットに個別に遊挿された複数の前記支持片が前記ボイスコイルを支持しているスピーカにおいて、前記ボイスコイルにその円筒状部分から湾曲しながら径方向外側へ突出する複数の湾曲凸部を設けると共に、前記支持片の先端部に前記湾曲凸部を挿入可能な凹溝を設け、これら凹溝に前記湾曲凸部をそれぞれ挿入して接着固定するように構成した。
【0008】
このようにボイスコイルが径方向外側へ突出する湾曲凸部を複数箇所に有する円筒状に成形されていると、各支持片をボイスコイルの円筒状部分の径方向内側まで延ばさなくても、各支持片の先端部に設けた凹溝に湾曲凸部を挿入して、この湾曲凸部の外周面と内周面を凹溝の内壁に接着固定することができる。これにより、ボイスコイルの取付強度が大幅に高まるため、このボイスコイルが大きな振幅で振動しても、支持片との接着箇所が剥離するような事故には至らず、それゆえ信頼性が高くて寿命の長いスピーカが得られる。また、このスピーカは、磁気回路に特別な加工を施す必要がなく、組立作業が煩雑化する虞もないため、コストアップを回避することができる。
【0009】
また、上記の目的を達成する他の解決手段として、本発明は、ヨークの外筒部が磁気ギャップを包囲していると共に前記外筒部の複数箇所にスリットが設けられた内磁型の磁気回路と、前記磁気ギャップに配置された円筒状のボイスコイルと、複数の支持片が径方向内側へ放射状に突設されたリング状支持部材と、このリング状支持部材の外周部に接合された振動板およびダンパとを備え、複数の前記スリットに個別に遊挿された複数の前記支持片が前記ボイスコイルを支持しているスピーカにおいて、前記リング状支持部材が、第1のリング状部品と第2のリング状部品とを軸線方向に嵌め合わせて構成されていると共に、前記支持片が、前記第1のリング状部品の径方向内側に突設された第1の支持片と、前記第2のリング状部品の径方向内側に突設された第2の支持片とによって構成されており、且つ、前記第1の支持片と前記第2の支持片とで前記ボイスコイルを軸線方向に挟持しつつ、このボイスコイルの外周面を前記支持片に接着固定するように構成した。
【0010】
このように第1および第2のリング状部品を両者の軸線方向に嵌め合わせてリング状支持部材となすことにより、第1の支持片の先端部と第2の支持片の先端部とでボイスコイルを軸線方向に挟持するようにしてあると、ボイスコイルは通電時に第1および第2の支持片の先端部をスピーカの前後方向へ押し込みながら振動することになる。そのため、ボイスコイルが支持片(第1および第2の支持片)から外れる虞がなくなると共に、ボイスコイルの外周面と支持片との接着箇所に剪断応力が生じにくくなる。これにより、ボイスコイルの取付強度が大幅に高まるため、このボイスコイルが大きな振幅で振動しても、支持片との接着箇所が剥離するような事故には至らず、それゆえ信頼性が高くて寿命の長いスピーカが得られる。また、このスピーカは、リング状支持部材を構成する一対のリング状部品を必要とするものの、これら両リング状支持部品は軸線方向に嵌め合わせて一体化できるため、組立作業が煩雑化する虞はなく、且つ、磁気回路に特別な加工を施す必要もないため、コスト面で特に不利になることもない。
【0011】
この場合において、第1の支持片と第2の支持片の先端部がそれぞれ径方向内側へせり出すストッパ部として形成されており、これら一対のストッパ部でボイスコイルを軸線方向に挟持していると、第1および第2の支持片の形状を複雑化することなくボイスコイルを確実に挟持できるようになる。
【0012】
また、この場合において、第1のリング状部品と第2のリング状部品が同形状のリング状共通部品であり、このリング状共通部品の片面側の複数箇所に、連結突起と嵌合穴とが点対称な位置関係で同数ずつ設けてあると、一方のリング状共通部品の連結突起を他方のリング状共通部品の嵌合穴に嵌入させることによって、第1および第2のリング状部品を軸線方向に嵌め合わせてリング状支持部材となす作業が容易に行えると共に、部品の共通化によるコストダウンを実現できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のスピーカは、ボイスコイルの取付強度を大幅に高めることができ、大振幅時にもボイスコイルと支持片との接着箇所が剥離する虞がないため、スピーカの信頼性向上ならびに長寿命化が図れる。また、このスピーカは、磁気回路に特別な加工を施す必要がなく、組立作業が煩雑化する虞もないため、高コスト化を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態例に係るスピーカの断面図である。
【図2】図1に示すスピーカを前面側から見た外観斜視図である。
【図3】図1に示すスピーカを裏面側から見た外観斜視図である。
【図4】図1のスピーカに備えられる磁気回路ユニットの断面図である。
【図5】図4に示す磁気回路ユニットを前面側から見た斜視図である。
【図6】図4に示す磁気回路ユニットを裏面側から見た斜視図である。
【図7】図4の磁気回路ユニットに備えられるリング状支持部材とボイスコイルを示す斜視図である。
【図8】図7に示すリング状支持部材の斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態例に係るスピーカに備えられる磁気回路ユニットの断面図である。
【図10】図9の磁気回路ユニットに備えられるリング状支持部材とボイスコイルを示す斜視図である。
【図11】図8におけるリング状支持部材の一部を破断して示す斜視図である。
【図12】図11に対応する裏面側の斜視図である。
【図13】本発明の第3実施形態例に係るスピーカに備えられるリング状共通部品を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、図1〜図8は本発明の第1実施形態例を説明するためのものであり、図9〜図12は本発明の第2実施形態例を説明するためのものであり、図13は本発明の第3実施形態例を説明するためのものである。
【0016】
図1〜図3に示すように、本発明の第1実施形態例に係るスピーカ1は、内磁型の磁気回路2と、この磁気回路2の磁気ギャップG内に配置された円筒状のボイスコイル3と、このボイスコイル3を支持する支持片5が設けられたリング状支持部材4と、内周部に磁気回路2を搭載した外殻部材であるフレーム6と、内周部がリング状支持部材4の外周面に接合されて外周部がフレーム6に接合されているダンパ7と、同じく内周部がリング状支持部材4の外周面に接合されている振動板8とによって主に構成されており、振動板8の外周部は変形容易なエッジ部8aを介してフレーム6に接合されている。
【0017】
図4に示すように、磁気回路2は、円板状のセンター部9aの外周縁から外筒部9bを垂下させてなるヨーク9と、同図の上下方向(スピーカ1の前後方向)に着磁されたマグネット10と、センター部9aとの間にマグネット10を挟み込んでいる円板状のボトムプレート11とからなり、外筒部9bの内周面とボトムプレート11の外周面とが所定の磁気ギャップGを存して対向している。また、ヨーク9の外筒部9bの周方向に等間隔な3箇所にスリット9cが設けられており、各スリット9cにリング状支持部材4の支持片5が遊挿されている。この磁気回路2はマグネット10の着磁方向が図1の上下方向なので、磁気ギャップG内における磁界の向きが図1の左右方向(スピーカ1の径方向)になっている。
【0018】
図5〜図8に示すように、リング状支持部材4は半割形状の第1のリング状部品41と第2のリング状部品42とを軸線方向(スピーカ1の前後方向)に嵌め合わせて一体化して構成されており、これら第1および第2のリング状部品41,42はアルミダイキャストのように軽量で剛性の高い材料からなる。第1のリング状部品41は、円筒状のリング部41aと、このリング部41aの周方向に等間隔な3箇所から径方向内側へ突出する第1の支持片51とを有しており、各第1の支持片51の先端部には径方向内側へせり出すストッパ部51aが形成されている。また、第2のリング状部品42は、円筒状のリング部42aと、このリング部42aの周方向に等間隔な3箇所から径方向内側へ突出する第2の支持片52とを有しており、各第2の支持片52の先端部には径方向内側へせり出すストッパ部52aが形成されている。
【0019】
第1のリング状部品41と第2のリング状部品42は、軸線方向に重ねた第1および第2の支持片51,52の対向面どうしを凹凸嵌合することで一体化されてリング状支持部材4を構成しており、対応する第1の支持片51と第2の支持片52とによって支持片5が構成されている。そして、図4に示すように、第1および第2の支持片51,52の両ストッパ部51a,52aでボイスコイル3を軸線方向に挟持しつつ、このボイスコイル3の外周面を第1および第2の支持片51,52に接着固定することにより、ボイスコイル3が支持片5(第1および第2の支持片51,52)に取り付けられている。
【0020】
上記のごとく構成されたスピーカ1は、信号電流がボイスコイル3に通電されると、フレミングの左手の法則として公知の電磁駆動力が発生し、磁気ギャップG内のボイスコイル3が図1の上下方向(スピーカ1の前後方向)に沿って振動する。その結果、ボイスコイル3を支持している各支持片5とリング状支持部材4を介して振動板8が振動し、信号電流に応じた音が生成されるようになっている。
【0021】
このように第1実施形態例に係るスピーカ1では、第1および第2のリング状部品41,42を両者の軸線方向に嵌め合わせてリング状支持部材4となすことにより、第1および第2の支持片51,52の先端部のストッパ部51a,52aどうしを一定の間隔を存して対向させ、これら対をなすストッパ部51a,52aでボイスコイル3を軸線方向に挟持するようになっている。つまり、この第1実施形態例では、ボイスコイル3が通電時にストッパ部51a,52aを押し込みながらスピーカ1の前後方向へ振動することになるため、ボイスコイル3が前後方向へ外れる虞がなく、しかもボイスコイル3の外周面と支持片5(第1および第2の支持片51,52)との接着箇所に剪断応力が生じにくくなっている。したがって、ボイスコイル3の取付強度が大幅に高まっており、このボイスコイル3が大きな振幅で振動しても、支持片5との接着箇所が剥離するような事故には至らない。それゆえ、このスピーカ1は信頼性が高くて製品寿命の長いスピーカとなっている。また、このスピーカ21は、リング状支持部材4を構成するために第1および第2のリング状部品41,42を用意する必要があるものの、これら両リング状部品41,42は軸線方向に嵌め合わせて一体化できるため、組立作業が煩雑化する虞はなく、且つ、磁気回路2に特別な加工を施す必要もないため、コスト面で特に不利になることもない。
【0022】
なお、上記の第1実施形態例では、第1および第2のリング状部品41,42を嵌め合わせる際に、ストッパ部51a,52aの間隔を適宜調整することができるため、スピーカ21の前後方向に沿うボイスコイル3の高さ寸法の誤差を吸収しつつ、このボイスコイル3をストッパ部51a,52aによって確実に挟持することができる。
【0023】
次に、本発明の第2実施形態例について図9〜図12を参照しつつ説明する。なお、図9〜図12において、第1実施形態例の説明に用いた図1〜図8と対応する部分には同一符号を付してあるため、重複する説明は省略する。
【0024】
図9〜図12に示すように、第2実施形態例に係るスピーカ1は、リング状支持部材4の構成とボイスコイル3の取付構造が前述した第1実施形態例と異なっている。すなわち、この第2実施形態例では、ボイスコイル3の周方向に等間隔な3箇所に、円筒状部分から湾曲しながら径方向外側へ突出する山形形状の湾曲凸部3aが設けられており、また、リング状支持部材4がアルミダイキャストなどで形成された一体品となっており、このリング状支持部材4に、円筒状のリング部4aと、リング部4aの周方向に等間隔な3箇所から径方向内側へ突出する支持片5が設けられている。そして、各支持片5の先端部に山形形状の凹溝5aが設けられており、これら凹溝5aにボイスコイル3の湾曲凸部3aを挿入して接着固定することにより、ボイスコイル3が各支持片5に取り付けられている。なお、各支持片5の内周側の先端面をプロットした円の直径はボイスコイル3の円筒状部分の直径以下とならないように設定されているため、図9に示すように、各支持片5の先端面とボトムプレート11の外周面との間隔はボイスコイル3の円筒状部分とボトムプレート11の外周面との間隔よりも若干広くなっている。
【0025】
このように第2実施形態例に係るスピーカ1では、ボイスコイル3の複数箇所に径方向外側へ突出する湾曲凸部3aが設けてあり、これら湾曲凸部3aがリング状支持部材4の各支持片5の先端部に設けた凹溝5aに挿入されているため、各支持片5をボイスコイル3の円筒状部分の径方向内側まで延ばさなくても、各支持片5の凹溝5aの内壁に湾曲凸部3aの外周面と内周面を接着固定することができる。これにより、ボイスコイル3の取付強度が大幅に高まるため、このボイスコイル3が大きな振幅で振動しても、支持片5との接着箇所が剥離するような事故には至らない。それゆえ、このスピーカ1は、信頼性が高く製品寿命の長いスピーカとなっている。また、このスピーカ1は、磁気回路2に特別な加工を施す必要がなく、組立作業が煩雑化する虞もないため、コストアップを回避できる。
【0026】
次に、本発明の第3実施形態例について図13を参照しつつ説明する。前述した第1実施形態例では、リング状支持部材4を構成する第1のリング状部品41の形状と第2のリング状部品42の形状とが若干異なっているが、図13に示すように、同一形状のリング状共通部品43を2つ用いてリング状支持部材4を構成することも可能である。すなわち、リング状共通部品43はリング状支持部材4の半割体に相当し、2つのリング状共通部品43を周方向に90度ずらした位置関係で対向させて嵌め合わせることによって、4つの支持片5を径方向内側へ放射状に突設してなるリング状支持部材4を構成することができる。
【0027】
このリング状共通部品43は、リング部43aの周方向に等間隔な4箇所から径方向内側へ支持片53を突設しており、各支持片53の片面側の先端部に径方向内側へせり出すストッパ部53aが形成されている。また、各支持片53の他面側には連結突起43bと嵌合穴43cのいずれか一方が形成されており、これら連結突起43bと嵌合穴43cはリング部43aに沿う同心円上に交互に配設されている。つまり、連結突起43bと嵌合穴43cは同数でその位置関係は点対称である。
【0028】
そして、2つのリング状共通部品43を対向させ、一方のリング状共通部品43の連結突起43bを他方のリング状共通部品43の嵌合穴43cに嵌入させることによって、これら2つのリング状共通部品43を互いの軸線方向に嵌め合わせてリング状支持部材4となす作業が容易に行える。このようにリング状支持部材4の半割体に相当するリング状共通部品43を用いると、部品の共通化によるコストダウンが実現できる。
【0029】
なお、特に図示はしていないが、第1実施形態例の変形例として、図8に示した第1のリング状部品41と第2のリング状部品42のいずれか一方を平板なリング状部品として形成し、他方をスピーカ1の前後方向に沿う厚み寸法が大きなリング状部品として形成しておくことも可能である。この場合も、平板なリング状部品の支持片の先端部と、他方のリング状部品の支持片の先端部にせり出すストッパ部とによって、ボイスコイル3を軸線方向に確実に挟持することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 スピーカ
2 磁気回路
3 ボイスコイル
3a 湾曲凸部
4 リング状支持部材
4a リング部
5 支持片
5a 凹溝
6 フレーム
7 ダンパ
8 振動板
9 ヨーク
9b 外筒部
9c スリット
10 マグネット
11 ボトムプレート
41 第1のリング状部品
42 第2のリング状部品
43 リング状共通部品
51 第1の支持片
52 第2の支持片
51a,52a ストッパ部
G 磁気ギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨークの外筒部が磁気ギャップを包囲していると共に前記外筒部の複数箇所にスリットが設けられた内磁型の磁気回路と、前記磁気ギャップ内に配置された円筒状のボイスコイルと、複数の支持片が径方向内側へ放射状に突設されたリング状支持部材と、このリング状支持部材の外周部に接合された振動板およびダンパとを備え、複数の前記スリットに個別に遊挿された複数の前記支持片が前記ボイスコイルを支持しているスピーカにおいて、
前記ボイスコイルにその円筒状部分から湾曲しながら径方向外側へ突出する複数の湾曲凸部を設けると共に、前記支持片の先端部に前記湾曲凸部を挿入可能な凹溝を設け、これら凹溝に前記湾曲凸部をそれぞれ挿入して接着固定したことを特徴とするスピーカ。
【請求項2】
ヨークの外筒部が磁気ギャップを包囲していると共に前記外筒部の複数箇所にスリットが設けられた内磁型の磁気回路と、前記磁気ギャップに配置された円筒状のボイスコイルと、複数の支持片が径方向内側へ放射状に突設されたリング状支持部材と、このリング状支持部材の外周部に接合された振動板およびダンパとを備え、複数の前記スリットに個別に遊挿された複数の前記支持片が前記ボイスコイルを支持しているスピーカにおいて、
前記リング状支持部材が、第1のリング状部品と第2のリング状部品とを軸線方向に嵌め合わせて構成されていると共に、前記支持片が、前記第1のリング状部品の径方向内側に突設された第1の支持片と、前記第2のリング状部品の径方向内側に突設された第2の支持片とによって構成されており、且つ、前記第1の支持片と前記第2の支持片とで前記ボイスコイルを軸線方向に挟持しつつ、このボイスコイルの外周面を前記支持片に接着固定したことを特徴とするスピーカ。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記第1の支持片と前記第2の支持片の先端部がそれぞれ径方向内側へせり出すストッパ部として形成されており、これら一対のストッパ部で前記ボイスコイルを挟持していることを特徴とするスピーカ。
【請求項4】
請求項2または3の記載において、前記第1のリング状部品と前記第2のリング状部品が同形状のリング状共通部品であり、このリング状共通部品の片面側の複数箇所に、連結突起と嵌合穴とが点対称な位置関係で同数ずつ設けてあることを特徴とするスピーカ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−5172(P2013−5172A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133405(P2011−133405)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】