説明

スプレーガン

【課題】凹凸の被塗装面に、高品質の銀鏡面を形成する。
【解決手段】第1液aと第2液bとを同時に吹き付けて被塗装面に銀鏡面を形成するスプレーガン1であって、第1液aが通る第1の塗料流路P1に通じかつ針弁26aにより開閉される2つの第1の塗料ノズル口Jaと、第2液bが通る第2の塗料流路P2に通じかつ針弁26bにより開閉される2つの第2の塗料ノズル口Jbとからなるノズル口群JG、及びこのノズル口群JGを囲む円環状の空気ノズル口Kを具える。第1の塗料ノズル口Jaと第2の塗料ノズル口Jbとは、空気ノズル口Kと同心な円周線L上に等間隔を隔てて交互に配される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属塩含有溶液である第1液と、還元剤含有溶液である第2液とを同時に吹き付け、その銀鏡反応によって被塗装面に銀鏡面を形成するスプレーガンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスプレーガンとして、特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1のスプレーガンは、第1液を霧状に吐出する第1の吐出部と、第2液を霧状に吐出する第2の吐出部とを、ガン本体の前面に並設している。前記第1、第2の吐出部は、それぞれ、塗料ノズル口の周囲に環状の空気ノズル口を具え、各吐出部から、第1液の霧状体と第2液の霧状体とを互いに交差する向きに吹き付けている。
【0003】
従って、この霧状体の交差位置に、被塗装面を位置させることにより、被塗装面上で第1液と第2液とを均一に混合させることができ、光沢性に優れた高品質の銀鏡面を形成することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−38988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、被塗装物では、被塗装面が複雑な凹凸面で形成されている場合が多い。このとき、例えば凹部或いは凸部では、前記交差位置から外れてしまうため第1液と第2液との混合が不均一となり、銀鏡面の品質を部分的に損ねるという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、一つの環状の空気ノズル口の内側に、第1液用の2つの塗料ノズル口と、第2液用の2つの塗料ノズル口とを、該空気ノズル口と同心な円周線上に等間隔を隔てて交互に配することを基本として、第1液の霧化粒子と第2液の霧化粒子とが均一に分散された1つの霧状体として吐出することができ、被塗装面が複雑な凹凸面である場合にも高品質の銀鏡面を形成しうるスプレーガンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、金属塩含有溶液である第1液と還元剤含有溶液である第2液とを同時に吹き付け、その銀鏡反応によって被塗装面に銀鏡面を形成するスプレーガンであって、 前記第1液が通る第1の塗料流路に通じかつ第1の針弁によりそれぞれ開閉される2つの第1の塗料ノズル口と、第2液が通る第2の塗料流路に通じかつ第2の針弁によりそれぞれ開閉される2つの第2の塗料ノズル口とからなるノズル口群、
及びこのノズル口群を囲む円環状をなしかつ空気を吐出することにより第1の塗料ノズル口、第2の塗料ノズル口からの第1液、第2液を霧化して吹き付ける空気ノズル口を具えるとともに、
前記第1の塗料ノズル口と第2の塗料ノズル口とは、前記空気ノズル口と同心な円周線上に等間隔を隔てて交互に配されることを特徴としている。
【0008】
又請求項2の発明では、前記円周線の直径は、4.0〜8.0mmであることを特徴としている。
【0009】
又請求項3の発明では、前記第1の針弁と、第2の針弁とは、軸心が互いに平行であり、かつ各針弁の後端部は、引き金により前後動する一本の基軸に連結されることを特徴としている。
【0010】
又請求項4の発明では、前記各針弁の後端部と前記基軸との間に、各針弁を前方に付勢するバネ手段を介在させたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は叙上の如く、一つの環状の空気ノズル口の内側に、第1液用の2つの第1の塗料ノズル口と、第2液用の2つの第2の塗料ノズル口とを設けている。従って、前記空気ノズル口からの吐出空気によって、各塗料ノズル口からの第1液、第2液を粒子状に霧化できる。このとき、第1、第2の塗料ノズル口が、空気ノズル口と同心な円周線上で、等間隔を隔てて交互に配置しているため、第1液の霧化粒子と、第2液の霧化粒子とが均一に分散された1つの霧状体として吹き付けられる。
【0012】
なお霧状体中では、各霧化粒子が互いに独立した非接触状態を保つため銀鏡反応は発生しないが、この霧状体が被塗装面に当たったときには、各霧化粒子が液化して第1液、第2液が混ざり合い銀鏡反応を発生させる。このとき、第1液、第2液の霧化粒子が均一に分散しているため、被塗装面が複雑な凹凸面である場合にも、又スプレーガンと被塗装面との距離(即ち吹き付け距離)が変化する場合にも、第1液と第2液との均一な混合が確保され、高品質の銀鏡面を形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明のスプレーガンの断面図、図2はその前端の正面図である。
【0014】
図1、2において、本実施形態のスプレーガン1は、金属塩含有溶液である第1液aと、還元剤含有溶液である第2液bとを同時に吹き付け、その銀鏡反応によって被塗装面上に銀鏡膜を形成するスプレーガンであって、本例では、手動操作の所謂ハンドガンとして形成される場合を例示する。
【0015】
ここで、前記第1液aである金属塩含有溶液として、硝酸銀の水溶液にアンモニアと水酸化ナトリウム水溶液とを加えてなるアンモニア性硝酸銀溶液が一般に知られている。又第2液bである還元剤含有溶液として、グルコン酸ナトリウム、グルシトール、ブドウ糖、酒石酸、ホルムアルデヒド等の還元剤と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ成分とを含む水溶液が一般に知られている。
【0016】
又前記スプレーガン1は、本例では、ガン本体2の前端にヘッド部3を設けたピストル状をなす。このヘッド部3の前面3Sには、前記第1液aを吐出する2つの第1の塗料ノズル口Ja、Jaと、前記第2液bを吐出する2つの第2の塗料ノズル口Jb、Jbとからなるノズル口群JG、及びこのノズル口群JGを囲む円環状の空気ノズル口Kを形成している。
【0017】
前記第1の塗料ノズル口Ja、Jaは、第1液供給源Q1に接続される第1液取入口A1からのびる第1の塗料流路P1に導通し、かつ前記第2の塗料ノズル口Jb、Jbは、第2液供給源Q2に接続される第2取入口A2からのびる第2の塗料流路P2に導通している。又前記空気ノズル口Kは、空気供給源Q3に接続される空気取入口A3からのびる空気流路P3に導通している。
【0018】
又各前記流路P1〜P3には開閉弁V1〜V3が介在し、本例では、引き金4への引き操作によって、前記開閉弁V1〜V3が連動して作動し、各流路P1〜P3を開放しうる。
【0019】
次に、スプレーガン1を詳しく説明すると、前記ガン本体2は、図1の如く、把手5の上端に胴部6を配したピストル状をなし、この胴部6には前記引き金4の上端が枢着される。
【0020】
前記空気流路P3は、本例では、把手5の下端に設ける前記空気取入口A3から、前記把手5を前後に貫通形成される弁収納孔7にのびる流入孔8を含み、この流入孔8には、空気流量を調整しうる絞り弁9が介在する。前記弁収納孔7は、前記開閉弁V3を収納する孔部であって、弁座10を介して前後の空気室7F、7Rに区分される。後の空気室7Rには、前記流入孔8が導通するとともにその後端は端金具13によって閉止される。なお空気流路P3は、前記前の空気室7Fから前記胴部6を通ってヘッド部3までのびる導孔14を含む。
【0021】
前記開閉弁V3は、本例では、前記弁座10と、この弁座10を開閉する弁軸である基軸11とから構成される。この基軸11は、前記弁収納孔7前端の受け部12によって軸封かつ前後に摺動可能に保持されるとともに、前記端金具13との間に収容されるバネ手段15によって前方に付勢される。
【0022】
次に、前記ヘッド部3は、図2及び、図2のA−A線断面図である図3、図2のB−B線断面図である図4に示すように、第1の針弁26aにより開閉される2つの第1の塗料ノズル口Jaと、第2の針弁26bにより開閉される2つの第2の塗料ノズル口Jbとからなるノズル口群JG、及び空気流路P3に通じかつ前記ノズル口群JGを囲む円環状をなす空気ノズル口Kを、このヘッド部3の前面3Sで開口させている。このとき、前記第1の塗料ノズル口Jaと第2の塗料ノズル口Jbとは、前記円環状の空気ノズル口Kと同心な一つの円周線L上に、周方向に等間隔を隔てて交互に配される。
【0023】
従って、各塗料ノズル口Ja、Jbからの第1液a、第2液bは、前記空気ノズル口Kからの吐出空気によって均等かつ同時に霧化され、各第1液a、第2液bの霧化粒子が互いに均一に分散した1つの霧状体として、スプレーガン1から吹き付けられる。この霧状体中では、各霧化粒子は、互いに離間しているため銀鏡反応は発生しない。しかし、被塗装面に当たったときには、被塗装面上で霧化粒子が液状化して第1液、第2液が混ざり合い銀鏡反応を発生させる。このように、第1液、第2液の霧化粒子が均一に分散して吹き付けられるため、被塗装面が複雑な凹凸面である場合にも、又スプレーガンと被塗装面との距離(吹き付け距離)が変化する場合にも、第1液と第2液との均一な混合が確保され、高品質の銀鏡面を形成することが可能となる。
【0024】
このとき、前記円周線Lの直径は、4.0〜8.0mmの範囲が好ましい。直径が4.0mm以下の場合、塗料ノズル口Ja、Jb間が近接し過ぎて、針弁26a、26bの配置ができなくなるなどヘッド部3の形成を難しくする。又塗料ノズル口Ja、Jbから第1液a、第2液bが霧化する際に、先に接触して銀鏡反応を起こしてしまう恐れを招く。又直径が8.0mmを越えると、霧化が難しく、又霧化粒子の分散が不均一化する傾向を招く。このような観点から、前記円周線Lの直径の下限値を5.0mm以上、又上限値を6.5mm以上とするのがさらに好ましい。なお各塗料ノズル口Ja、Jbが、等間隔を隔てて交互に配されない場合、及び同一円周線L上に配されない場合にも、霧化粒子の分散が不均一化する。
【0025】
又本例では、前記ヘッド部3の前面3Sに、前記円周線Lの中心から各塗料ノズル口Ja、Jb間を通って円環状の空気ノズル口Kに至る十字状の凹溝27を形成したものを例示している。この凹溝27は、空気ノズル口Kからの吐出空気の一部が通ることにより、各塗料ノズル口Ja、Jbからの第1液a、第2液bの霧化を円滑化することができる。そのために、前記凹溝27の溝巾を1.0〜2.0mmの範囲、又溝深さを0.5〜3.0mmの範囲とするのが好ましい。
【0026】
次に、前記第1の塗料流路P1は、図2、3の如く、各前記第1の塗料ノズル口Jaから後方にのびる互いに平行なノズル孔28a、28aと、このノズル孔28a、28a間を継ぐ例えば2本の継ぎ孔29aと、前記第1液取入口A1から前記ノズル孔28aの一方までのびる側孔30aとから形成されるとともに、各前記ノズル孔28aには、前記第1の針弁26aが同芯に配される。
【0027】
又前記第2の塗料流路P2も同様に、図2、4の如く、各前記第2の塗料ノズル口Jbから後方にのびる互いに平行なノズル孔28b、28bと、このノズル孔28b、28b間を継ぐ例えば2本の継ぎ孔29bと、前記第2液取入口A2から前記ノズル孔28bの一方までのびる側孔30bとから形成されるとともに、各前記ノズル孔28bには、前記第2の針弁26bが同心に配される。
【0028】
ここで前記ノズル孔28a、28bの各前端部には、針弁26a、26bの前端部と当接することにより塗料流路P1、P2を閉じる弁座部31が配される。このように本例では、前記弁座部31と第1の針弁26aとにより第1の塗料流路P1の開閉弁V1を、又前記弁座部31と第2の針弁26bとにより第2の塗料流路P2の開閉弁V2を形成するとともに、前記弁座部31を、それぞれ塗料ノズル口Ja、Jbの近傍に設けている。そのため、吹き付け後に、弁座部31と塗料ノズル口Ja、Jbとの間で各液a、bが残留して、垂れ落ちしたり塗料ノズル口Ja、Jbの目詰まりが発生するのを防止できる。なお前記「近傍」とは、前記塗料ノズル口Ja、Jbからの距離が3mm以下の範囲を意味する。特に本例では、各開閉弁V1、V2の閉止状態において、各針弁26a、26bの先端が、塗料ノズル口Ja、Jbと面一、或いは前方に突出するように形成している。これにより、各液a、bの残留量をさらに低減している。
【0029】
なお各前記針弁26a、26bは、その軸心が互いに平行であり、かつ各針弁26a、26bの後端部Eは、引き金4により前後動する前記基軸11に、連結金具33を介して連結される。前記連結金具33は、各針弁26a、26bのピストン状の後端部Eを前後に摺動可能に保持する4つの摺動孔32を具える。又各摺動孔32内には、前記後端部Eを前方に付勢するバネ手段34が収容される。従って、通常時は、各前記針弁26a、26bは、それぞれ独立してバネ手段34によって弁座部31と圧接し、各塗料ノズル口Ja、Jbを確実に閉止しうる。又引き金4による前記基軸11の後方移動により、各前記針弁26a、26bの後端部Eは、前記摺動孔32の前端部32Eと係合し、互いに一体となって後退し、各塗料ノズル口Ja、Jbを開放できる。
【0030】
次に、前記ヘッド部3をより具体的に説明すると、該ヘッド部3は、例えばブロック状のヘッド本体35と、その前端側に順次配される塗料ノズル金具36、塗料ノズル金具押え37、空気キャップ38とを含んで構成される。
【0031】
前記ヘッド本体35は、図5に示すように、前記ガン本体2の胴部6前端にボルト等で固定されるブロック状の基体35Aを具えるとともに、その前面には、円筒状の取付筒部35Bが前方に突設される。前記取付筒部35Bの外周には、前記ノズル金具押え37を螺着する外ネジ部35Baが形成されるとともに、取付筒部35Bの前面には、前記塗料ノズル金具36の後端部を収容する収容凹部35Bbが凹設される。
【0032】
又前記ヘッド本体35には、前記ノズル孔28a、28bの後端側を構成する4本の孔部39、及びガン本体2の前記導孔14に通じて空気流路P3の一部を構成する1本の孔部40が形成される。各孔部39、40は、それぞれ前記収容凹部35Bbの底面と前記基体35Aの背面との間を前後に貫通する。なお前記孔部39の後端は、各針弁26a、26bを軸封するシールリングを有する封止金具42により閉止される。又前記ヘッド本体35には、さらに前述の第1液取入口A1、第2液取入口A2、継ぎ孔29a、29b、側孔30a、30bがそれぞれ形成される。
【0033】
又前記塗料ノズル金具36は、前面に前記塗料ノズル口Ja、Jbを開口させた段付き状の円筒胴部36Aの後端に、フランジ部36Bを周設している。このフランジ部36Bは、位置決めピン(図示しない)などを介して前記収容凹部35Bb内に同心に装着される。本例では、このフランジ部36Bが円盤状のパッキング43を介して装着される。このパッキング43の材質は例えばゴム等のシール性の良いものが使用される。又前記円筒胴部36Aは、本例では、テーパ状の段差部を介して前端側の小径部36fと後端側の大径部36rとに区分される。又前記塗料ノズル金具36には、前記塗料ノズル口Ja、Jbから後方にのび、前記ノズル孔28a、28bの前端側を構成する4本の孔部44が形成される。
【0034】
又前記塗料ノズル金具押え37は、ヘッド本体35の前記取付筒部35Bに螺着される内ネジ部37Aiを内周面に設けた筒部37Aの前端に、塗料ノズル金具36の前記円筒胴部36Aを挿通して保持する保持孔37Bhを有する前壁部37Bを具える。従って、塗料ノズル金具押え37は、前記前壁部37Bと収容凹部35Bbの底面との間で前記フランジ部36Bを狭持し、前記塗料ノズル金具36を前記収容凹部35Bbと同心に取り付けうる。又前壁部37Bには、複数の空気挿通孔37Baが穿設され、前記孔部40から流入し、かつ前記収容凹部35Bbの内周とフランジ部36Bの外周との間の間隙を通る圧縮空気を、前方に案内する。なお前記筒部37Aの外周面には、空気キャップ38螺着用の外ネジ部37Aoを具える。
【0035】
又前記空気キャップ38は、前記図3の如く、前記空気ノズル口Kを形成するキャップ本体45と、このキャップ本体45を塗料ノズル金具押え37に取り付けるナットリング46とから構成される。
【0036】
前記キャップ本体45は、円筒状胴部45Aの前端を前壁45Bで閉じたキャップ状をなし、かつ前壁45Bの中央には、塗料ノズル金具36の前記小径部36fの周囲を囲むことによりこの小径部36fとの間で前記環状の空気ノズル口Kを形成する口部47を穿設している。なおこの前壁45Bの前面は、前記塗料ノズル金具36の前面とは面一状に整一している。又前記円筒状胴部45Aの後端は、前記塗料ノズル金具押え37に当接し、従って、キャップ本体45と塗料ノズル金具36と塗料ノズル金具押え37との間の空所により、空気流路P3の一部をなし、前記空気挿通孔37Baと空気ノズル口Kとの間を継ぐ空気溜まり部Hを構成している。
【0037】
なお本例では、前記前壁45Bは、図1、2の如く、前記空気ノズル口Kを挟んだ半径方向両外側の対称位置に、前方側に突出する一対の角部45Baを具えるとともに、この角部45Baの先端には、前記空気溜まり部Hに通じるパターン空気口45Bbを内向きに形成している。このパターン空気口45Bbは、要求により排除しうる。又このキャップ本体45は、本例では、前記円筒状胴部45Aの後端が、前記塗料ノズル金具押え37に螺着されるナットリング46の前端と、塗料ノズル金具押え37との間で狭持されることにより固定される。
【0038】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明のスプレーガンの一実施例を示す断面図である。
【図2】その前端の正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】ヘッド部の主要部を分解して示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1 スプレーガン
4 引き金
11 基軸
26a 第1の針弁
26b 第2の針弁
34 バネ手段
a 第1液
b 第2液
E 針弁の後端
Ja 第1の塗料ノズル口
Jb 第2の塗料ノズル口
JG ノズル口群
K 空気ノズル口
L 円周線
P1 第1の塗料流路
P2 第2の塗料流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属塩含有溶液である第1液と還元剤含有溶液である第2液とを同時に吹き付け、その銀鏡反応によって被塗装面に銀鏡面を形成するスプレーガンであって、
前記第1液が通る第1の塗料流路に通じかつ第1の針弁によりそれぞれ開閉される2つの第1の塗料ノズル口と、第2液が通る第2の塗料流路に通じかつ第2の針弁によりそれぞれ開閉される2つの第2の塗料ノズル口とからなるノズル口群、
及びこのノズル口群を囲む円環状をなしかつ空気を吐出することにより第1の塗料ノズル口、第2の塗料ノズル口からの第1液、第2液を霧化して吹き付ける空気ノズル口を具えるとともに、
前記第1の塗料ノズル口と第2の塗料ノズル口とは、前記空気ノズル口と同心な円周線上に等間隔を隔てて交互に配されることを特徴とするスプレーガン。
【請求項2】
前記円周線の直径は、4.0〜8.0mmであることを特徴とする請求項1記載のスプレーガン。
【請求項3】
前記第1の針弁と、第2の針弁とは、軸心が互いに平行であり、かつ各針弁の後端部は、引き金により前後動する一本の基軸に連結されることを特徴とする請求項1又は2記載のスプレーガン。
【請求項4】
前記各針弁の後端部は、前記基軸との間に、各針弁を前方に付勢するバネ手段を介在させたことを特徴とする請求項3記載のスプレーガン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−23465(P2008−23465A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199747(P2006−199747)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000155230)株式会社明治機械製作所 (23)
【Fターム(参考)】