説明

スプレーガン

【課題】針弁と空気弁とを同軸で形成した同軸タイプにおいて、引金による空気弁の摺動動作を円滑化する。
【解決手段】空気弁手段は、弁収納孔内に取り付き、該弁収納孔を前後の空気室に区分する弁座と、針弁に外挿される基管部の長さ方向中間位置に前記弁座を開閉する弁部を設けた空気弁と、前記前の空気室の前端部を閉じるとともに前記基管部を挿通して前記空気弁を前後に案内する前のガイド孔を設けた前保持手段、及び前記後の空気室の後端部を閉じるとともに前記基管部を挿通して前記空気弁を前後に案内する後のガイド孔を設けた後保持手段を具える。前記前後のガイド孔は、それぞれ、前記基管部を、各ガイド孔の中心線に対して1°以上の振れ角度θで傾動可能な遊びを有して遊挿した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気弁と塗料弁である針弁とを同軸に形成したスプレーガンにおいて、引金による前記空気弁の摺動動作を円滑に行いうるスプレーガンに関する。
【背景技術】
【0002】
スプレーガンでは、図8に示すように、塗料吐出口a1を有する塗料流路aと、この塗料吐出口a1の周囲で開口し空気を吐出することにより前記塗料吐出口a1からの塗料を霧化して吹き付ける空気吐出口b1を有する空気流路bと、前記塗料流路aを開閉する塗料弁である針弁cと、前記空気流路bを開閉する空気弁dとが設けられている。そして、前記塗料吐出口a1からの塗料のタレ落ち等を防ぐために、前記針弁cに先駆けて空気弁dを作動させることが必要である。そのため従来においては、同図に示すように、針弁cと空気弁dとを別々に設け、引金eの牽引により、針弁cと空気弁dとが時間差を有して作動するように構成されている。
【0003】
これに対して近年、構造の簡易化、コストの低減などのために、図9に示すように、針弁cと空気弁dとを同軸で形成したものが提案されてる(例えば特許文献1参照)。この同軸タイプのものでは、空気弁dとして、針弁cに外挿される管状のものを使用するとともに、この管状の空気弁dを前後に摺動自在に案内するために、弁収納孔fの前端及び後端には、前記空気弁dを挿通させるガイド孔g1を有するキャップgが取り付けられている。
【0004】
【特許文献1】特開2008−23465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら前記引金eは、周知の如く、その上端部の枢着点pを中心として前後に傾動するように牽引される。従って、牽引の際、前記空気弁dには、その軸芯方向と交差する向きの分力が必然的に作用する。その結果、空気弁dとガイド孔g1との滑りが悪くなって空気弁dの摺動動作の円滑さが損なわれ、牽引が重くなる他、前記空気弁dが、湾曲して変形するなどの問題も発生する。なお、従来においては、空気弁dをキャップg、g間内において前方側部分d1と後方側部分d2とに分割し、滑りや湾曲に対する影響を減じていたが、充分満足のいくレベルには至っていない。
【0006】
そこで本発明は、空気弁を、少なくともキャップ間では分割させない長尺体として形成し、かつ空気弁を各キャップのガイド孔にを大きな遊びを有して遊挿させることを基本として、引金による空気弁の摺動動作を円滑化でき、引金の牽引操作性高め、かつ空気弁の湾曲変形を抑制しうるスプレーガンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、ガン本体に、針弁により開閉される塗料吐出口を有する塗料流路、前記塗料吐出口の周囲で開口し空気を吐出することにより前記塗料吐出口からの塗料を霧化して吹き付ける空気吐出口を有する空気流路、前記空気流路を開閉する空気弁手段、及び前記空気弁手段と前記針弁とを順次作動させる引金を具えたスプレーガンであって、
前記空気弁手段は、
前記ガン本体に形成される弁収納孔、
この弁収納孔内に取り付き、該弁収納孔を前後の空気室に区分する弁座、
前記針弁に前後に摺動自在に外挿される基管部と、この基管部の長さ方向中間位置に膨設されかつ前記弁座を開閉しうる弁部とを有する空気弁、
前記前の空気室の前端部を閉じるとともに前記基管部を挿通して前記空気弁を前後に案内する前のガイド孔を設けた前キャップを有する前保持手段、
及び前記後の空気室の後端部を閉じるとともに前記基管部を挿通して前記空気弁を前後に案内する後のガイド孔を設けた後キャップを有する後保持手段を具えるとともに、
前記前後のガイド孔は、それぞれ、前記基管部を、各ガイド孔の中心線に対して1°以上の振れ角度θで傾動可能な遊びを有して遊挿したことを特徴としている。
【0008】
又請求項2の発明では、前記前キャップ及び後キャップは、各前記ガイド孔に段差面部を介して連なりかつガイド孔よりも大径かつ同心の内周面部を有するシール収容凹部を具え、
かつ前記シール収容凹部内に、前記基管部の外周面に当接する半径方向内側の内の当接片部と、前記シール収容凹部の前記内周面部に当接する半径方向外側の外の当接片部と、前記段差面部に沿いかつ前記内外の当接片部間を継ぐ継ぎ片部とからなる断面コ字状をなす弾性シール部材が収容されるとともに、前記シール部材は、収容前の自由状態において、前記内外の当接片部が先端に向かってハ字状に開脚することを特徴としている。
【0009】
又請求項3の発明では、前記弁収納孔は、その前端部に、前記前キャップの外周面を受けて保持する保持面部を有するとともに、該保持面部の内径Diは、前記前キャップの外周面の外径Doよりも0.3mm以上大であることにより、前記前キャップは、前記保持面部に遊びを有して保持されることを特徴としている。
【0010】
又請求項4の発明では、前記針弁は、その後端部に前記空気弁の後端と当接する当接部を有し、
前記引金の初期の牽引により前記空気弁が後退して前記弁座を開放させるとともに、さらなる牽引により前記空気弁が針弁の前記当接部と当接し、該針弁が空気弁と一体に後退することにより塗料吐出口を開放することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は叙上の如く構成しているため、引金による空気弁の摺動動作を円滑化できる。従って、引金の牽引操作を軽く行いうるとともに、空気弁の湾曲変形を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明のスプレーガンの断面図である。
図1において、本実施形態のスプレーガン1は、ガン本体2に、針弁3により開閉される塗料吐出口4を有する塗料流路5、前記塗料吐出口4の周囲で開口する空気吐出口6を有する空気流路7、前記空気流路7を開閉する空気弁手段8、及び前記空気弁手段8と前記針弁3とを順次作動させる引金9を具える。そして、前記空気吐出口6から空気を吐出することにより、前記塗料吐出口4からの塗料を霧化して吹き付ける。
【0013】
前記ガン本体2は、前後にのびる胴部10の前端及び後端に、頭部11及び把手12をそれぞれ形成したピストル状をなし、又前記胴部10には、前記引金9を、その上端の枢着点P回りで前後に傾動可能に枢着している。
【0014】
又前記頭部11には、その前面で開口する塗料吐出口4から、前記頭部11の例えば下面(或いは側面)に設けられる塗料取り入れ口13までの間をのびる塗料流路5が形成される。本例では、前記塗料流路5は、前記塗料吐出口4から後方に向かって同心にのびる塗料主流路部5Aと、前記塗料取り入れ口13からのび前記塗料主流路部5Aに交わる塗料副流路部5Bとからなる。なお前記塗料主流路部5Aの後端は、閉止金具14によって閉止される。
【0015】
前記針弁3は、前記塗料主流路部5A内を通って該塗料主流路部5Aとは同心にのびる軸状体であり、該針弁3は、その前端部が前記塗料吐出口4と離接することにより前記塗料吐出口4を開閉しうる。又針弁3の後端側は、前記閉止金具14を貫通した後、前記把手12に設ける弁収納孔16内へとのびる。なお針弁3と閉止金具14とは例えばOリング等のシール材によって軸封される。
【0016】
又前記頭部11の前面には、前記塗料吐出口4の周囲を同心に取り囲む環状の空気吐出口6が配されるとともに、前記ガン本体2には、空気吐出口6から、本例では前記把手12の例えば下面に設けられる空気取り入れ口15までの間をのびる空気流路7が形成される。
【0017】
前記空気流路7は、前記空気取り入れ口15から、前記弁収納孔16に設けられる第1の接続口P1までの間をのびる空気流入流路7Aと、前記弁収納孔16に設けられかつ前記第1の接続口P1よりも前方に位置する第2の接続口P2から前記空気吐出口6までの間をのびる空気流出流路7Bとから形成される。
【0018】
そして、前記弁収納孔16には、前記空気流路7を開閉する空気弁手段8が収納される。なお前記弁収納孔16は、前記塗料主流路部5Aと同心をなし、本例では、図2に拡大して示すように、後方に向かって段階的に内径を増加させる段付き孔として形成される。具体的には、弁収納孔16は、前端側の小径部16Aと、この小径部16Aに第1の段差Saを介して連なりかつ前記小径部16Aよりも大径の中間径部16Bと、この中間径部16Bに第2の段差Sbを介して連なりかつ前記中間径部16Bよりも大径の大径部16Cとから構成される。
【0019】
前記空気弁手段8は、前記弁収納孔16内に取り付き、該弁収納孔16を、前記第2の接続口P2を有する前の空気室Hfと、前記第1の接続口P1を有する後の空気室Hrとに区分する弁座20、前記針弁3に外挿される空気弁21、前記前の空気室Hfの前端部を閉じる前保持手段22、及び前記後の空気室Hfの後端部を閉じる後保持手段23を含む。
【0020】
本例では、前記弁座20は、前記第2の段差Sbに係止される弁座金具20Aと、前記大径部16Cに螺着され前記弁座金具20Aを前記第2の段差Sbとの間で狭圧して固定する弁座固定リング20Bとから形成される。
【0021】
前記空気弁21は、前記針弁3に前後に摺動自在に外挿される基管部24と、この基管部24の長さ方向中間位置に膨設されかつ前記弁座20を開閉しうる弁部25とを有する。なお前記基管部24の前端には、前記引金9と係合し、引金操作によって空気弁21を前後移動させる係合部26を設けている。
【0022】
又前記前保持手段22は、前の空気室Hfの前端部を閉じるとともに前記基管部24を挿通して前記空気弁21を前後に案内する前のガイド孔27aを設けた前キャップ27を有する。この前キャップ27は、弁収納孔16の前記小径部16Aに遊挿される小径部27Aと、前記中間径部16Bに遊挿される大径部27Bとの間に、前記第1の段差Saに係止される段差Kを設けた段付き状のリング体からなる。
【0023】
この前キャップ27は、前記弁座金具20Aとの間に配されるコイルバネ状のバネ手段29によって前方に付勢されるとともに、前記段差Sa、K間にOリング28が配されることにより、前記弁収納孔16と前キャップ27との間のシールがなされる。
【0024】
又前キャップ27と基管部24との間は、前記前キャップ27に形成される後端開放のシール収容凹部30内に、プラスチック製、若しくはゴム製の弾性シール部材31を収納することによってシールされる。なお前キャップ27とバネ手段29との間には押え板32が介在し、この押え板32により、前記弾性シール部材31のシール収容凹部30からの抜け止めがなされる。
【0025】
次に、前記後保持手段23は、後の空気室Hrの後端部を閉じるとともに前記基管部24を挿通して前記空気弁21を前後に案内する後のガイド孔33aを設けた後キャップ33を有する。この後キャップ33は、弁収納孔16の前記大径部16Cに螺着されるネジキャップであり、前記後のガイド孔33aの前方側にはシール収容凹部35が、又後方側には塗料調節ネジ螺着凹部37がそれぞれ形成される。
【0026】
そして、前記弁部25と後キャップ33との間には、前記弁部25を前方に付勢するコイルバネ状のバネ手段38が介在し、常時は、弁部25を弁座20に押し付けて該弁座20を閉止できる。又前記空気弁21は、前記引金9の牽引操作により前記バネ手段38に打ち勝って後退でき、前記弁座20を開放させる。なお前記針弁3の後端部には、前記空気弁21の後端と当接する当接部3Aが設けられる。従って、引金9の初期の牽引においては、前記弁座20のみが開放し、さらなる牽引においては、空気弁21が当接部3Aと当接し前記針弁3が空気弁21と一体に後退することにより、前記塗料吐出口4を開放することができる。
【0027】
なお前記シール収容凹部35内には、プラスチック製、若しくはゴム製の弾性シール部材34が収納され、前記後キャップ33と基管部24との間がシールされる。又前記後キャップ33とバネ手段38との間には押え板39が介在し、この押え板39により、前記弾性シール部材34のシール収容凹部35からの抜け止めがなされる。
【0028】
又前記塗料調節ネジ螺着凹部37には、塗料調節ネジ40が螺着される。この塗料調節ネジ40の前端には、前記針弁3と同心な凹部40Aが凹設され、その底面と針弁3との間には、該針弁3を前方に付勢し、常時は前記塗料吐出口4を閉じるコイルバネ状のバネ手段42が配される。又塗料調節ネジ40は、その螺進退により、針弁3の後退距離を調整でき、塗料吐出口4からの塗料吐出量を調節しうる。
【0029】
次に、前記ガイド孔27a、33aでは、図3、4に示すように、それぞれ、前記基管部24を、各ガイド孔27a、33aの中心線iに対して1°以上の振れ角度θで傾動可能な大きな遊びを有して遊挿される。ここで、前記振れ角度θは、一方のガイド孔のみで基管部24を保持した時の基管部24の最大の振れ角度を意味し、図3に示すように、ガイド孔27aのみで基管部24を保持した時の基管部24の最大の振れ角度θ1max が1°以上であり、又図4に示すように、ガイド孔33aのみで基管部24を保持した時の基管部24の最大の振れ角度θ2max が1°以上であることを意味する。このような大きな振れ角度θは、前記ガイド孔27a、33aの内径と、基管部24の外径との差、及び前記ガイド孔27a、33aの軸芯方向の長さとを調節することで設定できる。なお前記振れ角度θの上限、即ち、前記振れ角度θ1max、θ2maxの上限は5°以下が好ましい。
【0030】
このように1°以上の振れ角度θで傾動しうる大きな遊びを有して、前記基管部24をガイド孔27a、33aによって案内している。従って、引金牽引時、前記空気弁21に軸芯方向と交差する向きの分力が作用した場合にも、空気弁21(基管部24)が傾動して、ガイド孔27a、33aとの滑りを良好に維持することができ、空気弁21の摺動の円滑さを高めうるとともに、前記空気弁21のガイド孔27a、33a間での湾曲変形を抑制することができる。
【0031】
しかし、このような大きな遊びを有する場合、上記利点を発揮しながら、前記基管部24とガイド孔27a、33aとの間をシールするために、下記のシール手段を採用することが必要である。具体的には、前記シール収容凹部30として、図5(A)に示すように、前記ガイド孔27aに段差面部30Aを介して連なりかつ前記ガイド孔27aよりも大径かつ同心な内周面部30Bを設けている。そしてこのシール収容凹部30内に、前記基管部24の外周面に当接する半径方向内側の内の当接片部31iと、前記シール収容凹部30の前記内周面部30Bに当接する半径方向外側の外の当接片部31oと、前記段差面部30Aに沿いかつ前記内外の当接片部30i、30o間を継ぐ継ぎ片部31mとからなる断面コ字状の弾性シール部材31を配している。
【0032】
又前記シール収容凹部35も同様であり、図5(B)に示すように、前記ガイド孔33aに段差面部35Aを介して連なりかつ前記ガイド孔33aよりも大径かつ同心な内周面部35Bを設けている。そしてこのシール収容凹部35内に、前記基管部24の外周面に当接する半径方向内側の内の当接片部34iと、前記シール収容凹部35の前記内周面部35Bに当接する半径方向外側の外の当接片部34oと、前記段差面部35Aに沿いかつ前記内外の当接片部34i、34o間を継ぐ継ぎ片部34mとからなる断面コ字状の弾性シール部材34を配している。
【0033】
前記弾性シール部材31、34は、収容前の自由状態において、図6に示すように、前記内の当接片部31i、34iと外の当接片部31o、34oとが、それぞれ先端に向かってハ字状に開脚するように傾斜している。このようにハ字状に開脚することにより、大きな遊びを有する場合にも、前記内の当接片部31i、34iが基管部24と圧接でき、かつ前記外の当接片部31o、34oが内周面部30B、35Bと圧接でき、確実なシールを行いうる。特に、前記圧接力が、前記内の当接片部31i、34i、及び外の当接片部31o、34oの曲げ弾性力によって得られるため、大きな変位に対しても比較的均一な圧接力を得ることが可能であり、シール効果を安定して発揮しうる。
【0034】
又本例では、空気弁21の摺動動作をより円滑とするために、図7に拡大して示すように、弁収納孔16の前端部に、前記前キャップ27を遊びを有して取り付けている。詳しくは、前キャップ27の外周面の外径Doと、この外周面を受けて保持する弁収納孔16の保持面部41の内径Diとの差(Di−Do)を0.3mm以上に設定している。具体的には、本例では、前キャップ27の前記小径部27Aにおける外径DoAと、この小径部27Aを受ける保持面部41である前記弁収納孔16の小径部16Aにおける内径DiAとの差(DiA−DoA)を0.3mm以上に設定するとともに、前キャップ27の前記大径部27Bにおける外径DoBと、この大径部27Bを受ける保持面部41である前記弁収納孔16の中間径部16Bにおける内径DiBとの差(DiB−DoB)を0.3mm以上に設定している。これにより、前キャップ27自体も弁収納孔16に対して傾動でき、空気弁21の摺動動作をより円滑化しうる。
【0035】
なお前記振れ角度θの上限は、特に規制されないが、大きすぎると前記弾性シール部材31、34によるシール効果が充分発揮されない傾向となる。そのために、前記振れ角度θの上限は5°以下さらには3°以下が好ましい。又同様に差(Di−Do)が大きすぎると前記Oリング28によるシール効果が充分発揮されない傾向となる。そのために前記差(Di−Do)の上限は、0.8mm以下が好ましい。
【0036】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のスプレーガンの一実施例を示す側部断面図である。
【図2】空気弁手段を拡大して示す側面図である。
【図3】前キャップのガイド孔における基管部の振れ角度を説明する断面図である。
【図4】後キャップのガイド孔における基管部の振れ角度を説明する断面図である。
【図5】(A)、(B)は、シール収容凹部に収納されるシール部材を拡大して示す断面図である。
【図6】シール部材の自由状態における断面図である。
【図7】前キャップの弁収納孔による保持状態を示す断面図である。
【図8】従来のスプレーガンを示す断面図である。
【図9】他の従来のスプレーガンにおける空気弁の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 スプレーガン
2 ガン本体
3 針弁
3A 当接部
4 塗料吐出口
5 塗料流路
6 空気吐出口
7 空気流路
8 空気弁手段
9 引金
16 弁収納孔
20 弁座
21 空気弁
22 前保持手段
23 後保持手段
24 基管部
25 弁部
27 前キャップ
27a 前のガイド孔
30、35 シール収容凹部
30A、35A 段差面部
31、34 シール部材
31i、34i 内の当接片部
31o、34o 外の当接片部
31m、34m 継ぎ片部
33 後キャップ
33a 後のガイド孔
41 保持面部
Hf 前の空気室
Hr 後の空気室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガン本体に、針弁により開閉される塗料吐出口を有する塗料流路、前記塗料吐出口の周囲で開口し空気を吐出することにより前記塗料吐出口からの塗料を霧化して吹き付ける空気吐出口を有する空気流路、前記空気流路を開閉する空気弁手段、及び前記空気弁手段と前記針弁とを順次作動させる引金を具えたスプレーガンであって、
前記空気弁手段は、
前記ガン本体に形成される弁収納孔、
この弁収納孔内に取り付き、該弁収納孔を前後の空気室に区分する弁座、
前記針弁に前後に摺動自在に外挿される基管部と、この基管部の長さ方向中間位置に膨設されかつ前記弁座を開閉しうる弁部とを有する空気弁、
前記前の空気室の前端部を閉じるとともに前記基管部を挿通して前記空気弁を前後に案内する前のガイド孔を設けた前キャップを有する前保持手段、
及び前記後の空気室の後端部を閉じるとともに前記基管部を挿通して前記空気弁を前後に案内する後のガイド孔を設けた後キャップを有する後保持手段を具えるとともに、
前記前後のガイド孔は、それぞれ、前記基管部を、各ガイド孔の中心線に対して1°以上の振れ角度θで傾動可能な遊びを有して遊挿したことを特徴とするスプレーガン。
【請求項2】
前記前キャップ及び後キャップは、各前記ガイド孔に段差面部を介して連なりかつガイド孔よりも大径かつ同心の内周面部を有するシール収容凹部を具え、
かつ前記シール収容凹部内に、前記基管部の外周面に当接する半径方向内側の内の当接片部と、前記シール収容凹部の前記内周面部に当接する半径方向外側の外の当接片部と、前記段差面部に沿いかつ前記内外の当接片部間を継ぐ継ぎ片部とからなる断面コ字状をなす弾性シール部材が収容されるとともに、前記シール部材は、収容前の自由状態において、前記内外の当接片部が先端に向かってハ字状に開脚することを特徴とする請求項1記載のスプレーガン。
【請求項3】
前記弁収納孔は、その前端部に、前記前キャップの外周面を受けて保持する保持面部を有するとともに、該保持面部の内径Diは、前記前キャップの外周面の外径Doよりも0.3mm以上大であることにより、前記前キャップは、前記保持面部に遊びを有して保持されることを特徴とする請求項1又は2記載のスプレーガン。
【請求項4】
前記針弁は、その後端部に前記空気弁の後端と当接する当接部を有し、
前記引金の初期の牽引により前記空気弁が後退して前記弁座を開放させるとともに、さらなる牽引により前記空気弁が針弁の前記当接部と当接し、該針弁が空気弁と一体に後退することにより塗料吐出口を開放することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスプレーガン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−5513(P2010−5513A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166242(P2008−166242)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000155230)株式会社明治機械製作所 (23)
【Fターム(参考)】