スプール図作成支援方法及びスプール図作成支援装置
【課題】本発明は、スプールの正確な輸送寸法の評価が可能となり、スプールの輸送時や検査時の事故やスプールの損傷を未然に防止するスプール図作成支援方法を提供する。
【解決手段】プラント配管の3次元情報と現地で据え付ける配管の溶接点の情報を入力し、溶接点にて切断する配管を構成するスプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて配管を構成する複数のスプールを作成し、作成したスプールが接地すると仮定した平面について各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面でスプールが接地した場合のスプールの安定性を判定し、接地されるスプールが安定と判断されたスプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成して構成する。
【解決手段】プラント配管の3次元情報と現地で据え付ける配管の溶接点の情報を入力し、溶接点にて切断する配管を構成するスプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて配管を構成する複数のスプールを作成し、作成したスプールが接地すると仮定した平面について各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面でスプールが接地した場合のスプールの安定性を判定し、接地されるスプールが安定と判断されたスプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成して構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力、化学、原子力などのプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援方法およびスプール図作成支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術の背景技術として、公知例の特開2006−27833号公報の6頁、18〜22行には、「機材納入者6は、発電設備メーカ8より予め付与されたアクセス権により輸送管理システム2にアクセスできる。そして、船舶選定に必要な荷姿(Packing-Style)、積荷重量および寸法、積荷の数量、品名、積出港、搬入地等の情報をインターネット11を経由して発電設備メーカ8に連絡することができる。」と記載されている。
【0003】
また、公知例の特開2007−220027号公報の6頁、9〜15行には、「次に、図7は、施工物の輸送時または搬入時の配置状態情報を格納する、施工物輸送配置データのデータ格納形式を示す図である。図7において、施工物部品IDには、施工物部品の識別IDを格納し、配置列には、輸送時または搬入時における施工物部品の配置属性データを格納する。配置属性データの格納形式は、施工物配置データの配置列データに準じる。この輸送時施工物配置データは、3D−CADを利用した、ユーザの入力によって作成される。」と記載されている。
【0004】
また、公知文献である”動的計画法による配管の最適溶接位置決定法”には、「配管はエルボやT継ぎ手、素材管を組立溶接して作られる。搬送可能な大きさに分割されたスプールと呼ぶ部分配管を工場溶接で製作し、現地で配管全体を組み立て現地溶接している。ここで考慮した条件は工場溶接および現地溶接の単価、輸送限界で制限されたスプールの大きさ、配管中で溶接できない溶接禁止領域や、溶接しなければならない溶接必要領域、素材管の長さの制約である。溶接費用が最少となる関数を以下に示す。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−27833号公報
【特許文献2】特開2007−220027号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】松本ほか、“動的計画法による配管の最適溶接位置決定法”, Journal of the Operations Research Society Japan,Vol.41,No.3, September 1998.
【非特許文献2】Joseph O’Rourke、”Computational Geometry in C”, Cambridge University Press,1994.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した特開2006−27833号公報、特開2007−220027号公報、及び公知文献“動的計画法による配管の最適溶接位置決定法”に示した従来技術では、いずれも前記公知文献に記載されているスプールと呼ばれる搬送可能な大きさに分割された部分配管の荷姿を想定して入力することが前提となっている。
【0008】
しかしながら、スプールの荷姿を決めるためには、輸送コンテナの形状の制約のみならず、輸送時の安定性や、接地可能な加工面であるかどうかも合わせて考慮しなければならないが、前記した各公知例の技術ではスプールの正確な輸送寸法を評価することが難しく、スプールの輸送時や検査時の事故やスプールの損傷を未然に防止するのが困難であるという課題があった。
【0009】
本発明の目的は、輸送時におけるスプールの安定な置き方を知ることによって、スプールの正確な輸送寸法を評価することが可能となり、スプールの輸送時や検査時の事故やスプールの損傷を未然に防止することを可能にしたスプール図作成支援方法及びスプール図作成支援を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のスプール図作成支援方法は、プラント配管の3次元情報と現地で据え付ける配管の溶接点の情報を入力し、溶接点にて切断する配管を構成するスプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、これら作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を判定し、接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成する、ことを特徴とする。
【0011】
また本発明のスプール図作成支援方法は、プラント配管の3次元情報と現地で据え付ける配管の現地溶接点の情報を入力し、溶接点にて切断した配管を構成するスプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として前記各接地面の候補についてスプールを接地した場合のスプールの安定性を評価し、スプールが安定と評価された接地面の候補の接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、及びスプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成する、ことを特徴とする。
【0012】
また本発明のスプール図作成支援方法は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補とし、スプールを接地した場合のスプールの安定性について、各接地面の候補でスプールを接地した場合のスプールの安定性を、各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価し、接地されるスプールが安定と評価された接地面について接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成する、ことを特徴とする。
【0013】
また本発明のスプール図作成支援方法は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ生成し、スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を接地面の候補とし、スプールを接地した場合のスプールの安定性について、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形がスプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して安定な接地面の候補を絞りこみ、この絞り込んだ安定な接地面の候補についてスプールを外包する最少直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこみ、この絞り込まれた接地面のそれぞれについて接地面候補を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図の候補を作成する、ことを特徴とする。
【0014】
また本発明のスプール図作成支援方法は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ生成し、スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を接地面の候補とし、 スプールを接地した場合のスプールの安定性について、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形がスプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって安定性を判定することにより評価し、接地されるスプールが安定と評価されたそれぞれの接地面の候補について接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこみ、この絞り込まれた接地面の接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明のスプール図作成支援装置は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、前記スプール設定手段によって作成したスプールが接地すると仮定した平面を作成するスプール接地面設定支援手段と、前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を判定するスプール安定性判定手段と、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0016】
また本発明のスプール図作成支援装置は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補についてスプールを接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段と、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたそれぞれの接地面の候補における接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0017】
また本発明のスプール図作成支援装置は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補について、各接地面の候補でスプールを接地した場合のスプールの安定性を、各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価するスプール安定性判定手段と、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0018】
また本発明のスプール図作成支援装置は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補について、各接地面の候補でスプールを接地する場合のスプールの安定性を、スプールが接地すると仮定した各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価するスプール安定性判定手段と、前記スプール安定性判定手段によって安定と評価されたそれぞれの安定な接地面を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0019】
また本発明のスプール図作成支援装置は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段と、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたぞれぞれの接地面におけるスプールを外包する最少直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこむスプール輸送条件判定手段と、前記スプール輸送条件判定手段によって絞り込まれた接地面候補の接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、輸送時におけるスプールの安定な置き方を知ることによって、スプールの正確な輸送寸法を評価することが可能となり、スプールの輸送時や検査時の事故やスプールの損傷を未然に防止することを可能にしたスプール図作成支援方法及びスプール図作成支援装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1本実施例であるスプール図作成支援装置を示す概略構成図。
【図2】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置の配管3Dデータ格納装置に格納された配管3Dデータの一例。
【図3】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置における全体制御GUIの一例図。
【図4】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール3Dデータ設定GUIの一例図。
【図5】ス図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるプール3Dデータ表示の一例図。
【図6】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置における溶接線設定GUIの一例図。
【図7】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール設定GUIの一例図。
【図8】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール表示の一例図。
【図9】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置における溶接線削除用GUIの一例図。
【図10】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地不可部設定GUIの一例図。
【図11】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地面候補生成処理フロー図。
【図12】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地面候補生成処理の説明図。
【図13】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地面安定性判定処理の説明図。
【図14】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地面安定性判定処理フロー図。
【図15】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール荷姿の一例図。
【図16】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地面選択GUIの一例図。
【図17】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール3面図生成GUIの一例図。
【図18】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール3面図生成の一例図。
【図19】本発明の第2本実施例であるスプール図作成支援装置を示す概略構成図。
【図20】図19に記載した第2実施例のスプール図作成支援装置における全体制御GUIの一例図。
【図21】図19に記載した第2実施例のスプール図作成支援装置における輸送制約GUIの一例図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施例であるプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援方法およびスプール図作成支援装置について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明の第1実施例であるプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援方法およびスプール図作成支援装置について図1乃至図18を用いて以下に説明する。
【0024】
図1に示した第1実施例のプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援装置について、プラントに使用される配管を搬送可能な大きさに分割した部分配管のスプールの安定な設置面かどうかの判定と、それらの確認支援手段を有するスプール図作成支援装置の例を説明する。
【0025】
即ち、図1は、本発明の第1実施例であるスプール図作成支援装置を示したものであり、本実施例のスプール図作成支援装置は、対象となるプラントを構成するスプールに関する各種データを格納する3つの格納装置である、配管3Dデータ格納装置101、スプール荷姿データ格納装置102、及びスプール3面図データ格納装置103とを備えている。
【0026】
そして前記スプール図作成支援装置では、これらの3つの格納装置に格納された各種データに基づいて、スプール図作成支援処理を実現するスプール図作成処理装置104を備えており、更に前記スプール図作成処理装置104への入力をおこなうキーボード105B及びマウス105Aなどからなる入力装置105と、前記スプール図作成処理装置104で演算処理したデータ等を表示するCRTなどの表示装置106を備えている。
【0027】
図1に示したスプール図作成支援装置では、説明のためデータ格納装置として、プラントに使用される配管の中心線、配管の口径と配管の肉厚を、搬送可能な大きさに分割した部分配管であるスプールの単位に分割し、据付ける現地で溶接することになる溶接線のデータからなる配管の3Dデータを格納する配管3Dデータ格納装置101と、スプールの荷姿を格納するスプール荷姿格納装置102、及びスプール3面図データ格納装置103の3つに分けて記載しているが、例えばこれらの配管3Dデータ格納装置101、スプール荷姿データ格納装置102、及びスプール3面図データ格納装置103を、同じ格納装置のハードデスク上の異なる領域にそれぞれ格納するように構成しても良い。
【0028】
本実施例のスプール図作成支援装置のスプール図作成処理装置104は、配管3Dデータ格納装置101に格納されたデータが読み込む手段を持つ。前記配管3Dデータ格納装置101に格納された配管3Dデータは、一般の3DCADで作成したものを前提としている。
【0029】
本実施例のスプール図作成支援装置のスプール図作成処理装置104は、配管の中心線、外径、内径等の入力を支援する配管3Dデータ入力支援手段104Aと、前記配管3Dデータ入力支援手段104Aから入力したプラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて配管を構成するスプールを作成するため、配管を構成する複数のスプールを設定するスプール設定手段104Bを備えている。
【0030】
前記スプール図作成処理装置104は、前記スプール設定手段104Bで作成したスプールが接地される接地面のうち、スプールの設置が不可能な接地面を設定するスプール接地不可面設定手段104Cと、前記スプール設定手段104Bで作成したスプールが接地される接地面のうち、スプールの設置が可能な接地面を設定するスプール接地設定支援手段104Dと、前記スプール接地設定支援手段104Dで設定された各接地面の候補についてスプールを接地した場合のスプールの安定性を評価する接地面に設置するスプールの安定性を評価するスプール安定性評価手段104Eを備えている。
【0031】
前記スプール図作成処理装置104は、前記スプール安定性評価手段104Eでスプールが安定であると評価された接地面について、該接地面に設置したスプールの荷姿を確認するスプール荷姿確認手段104Fを備えている。
【0032】
また前記スプール図作成処理装置104は、前記スプール安定性評価手段104Eでスプールが安定であると評価された接地面について、接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段104Gと、このスプール3面図生成手段104Gで作成したスプールの3面図を表示装置106に表示させるスプール3面図表示手段104Hをそれぞれ備えている。
【0033】
図2は図1の前記配管3Dデータ格納装置101に格納された配管3Dデータのデータ構成の一例を示すものである。図2に示した例では、配管の口径、配管の肉厚と、配管の中心線の点列データと、によって配管の3次元情報を定義している。
【0034】
図2に示した例では、配管が複数、一つのファイルに定義される場合を考え、新たな配管の定義が開始される行には行の先頭に0を記載し、さらに、配管の口径、配管の肉厚、配管名称を、”,”で区切って、1行目に記載している。
【0035】
図2の例の2行目以降は、配管の3次元点列のx,y,z座標データを、1行に1点づつ、”,”で区切って記載する。
【0036】
あらかじめ、スプールを分割する溶接線が決められている場合もある。このような場合には、配管3Dデータと共に、スプール分割データもあらかじめ設定されている。
【0037】
前記スプール分割データの例を図3に示す。図3に示したスプール分割データの例では、配管3Dデータと同様に、同じ配管のスプールデータの1行目には、0と、配管の口径、配管の肉厚、配管名称を、”,”で区切って記載する。2行目以降には、スプール番号と、スプールの中心点の3次元座標が、”,”で区切って、記載される。
【0038】
先頭のスプール番号が違えば、同じ配管名称でも、異なったスプールと見なす。また、スプールが接地できない点、例えば配管の加工上の問題で接地すると配管の接地断面が損傷する可能性があるあるので接地できない点がある場合には、行の最後にさらに、”,”で区切って、”#”を記載する。
【0039】
配管の直線部分全体が接地できない場合には、配管の各中心線上の隣接する2つの折れ点について、例えば”*”、を記載し、”*”のついた2つの点を断面とする配管の円筒部分の範囲は接地不可とする。
【0040】
図3は、本実施例におけるスプール図作成支援装置を起動したときに、始めに、表示装置106に表示される入力画面の例である。図3に示した入力画面例では、配管3Dデータ設定、スプール接地付加部分設定、スプール安定接地面候補作成、スプール荷姿確認、スプール3面図生成/確認、をそれぞれ実行する各ボタンを持ち、上記した設定、作成、確認の手段ごとにユーザが前記ボタンを押してこれらの設定、作成、確認の各手段を起動する。
【0041】
ユーザが最初に、図3の最上部の配管3Dデータ設定を実行するボタンを押すことにより、図1のスプール図作成処理装置104に備えられた配管3Dデータ支援手段104Aが起動して、図4に示すサブウインドウが表示される。
【0042】
図4は表示装置106に表示された配管3D情報が記載されたファイルと、スプール3D情報が記載されたファイルをそれぞれ選択するサブウインドウを示す例であり、前記図4に示されたファイルをユーザが指定して選択することで、この選択された配管3Dデータとスプール3Dデータが読み込まれる。
【0043】
そうすると、図5に示されるような配管の中心線と配管外径の線を含んだ配管の3D情報が3DCADによって表示装置106に表示される。
【0044】
図5に示されたこの表示画面を使って、スプールを設定するために、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール設定手段104Bによってスプール3Dデータを生成・編集する。
【0045】
スプール設定手段104Bによってスプール3Dデータを生成・編集する編集方法の例として、例えば、図5に示した配管3D表示画面中の中心線上の溶接線を引きたい位置にマウスを置いて右クリックすると、選定した位置での溶接線位置でのスプール断面を示す切断線が(図5に示した点線の楕円)表示される。
【0046】
そして、前記溶接線がマウスを右クリックして選定した位置でよければ、例えば、図6に示すサブウインドウにて設定ボタンを押すと、スプールの溶接線位置が設定される。
【0047】
スプール設定手段104Bでは、この溶接線と、もとのスプールの端点で区切った範囲を自動的にスプールとして認識する。
【0048】
スプール番号は、例えば、配管3Dの(XYZ)座標が辞書式順序でもっとも大きい値となるものから順に自動的に番号をつけ、スプール3D情報のファイルに上書きする。
【0049】
前記スプール設定手段104Bでこのように設定された配管のスプールの確認方法は、たとえば以下のように実施できる。
【0050】
表示されている配管3DのCAD画面中の配管中心線の適当な位置をマウスで左クリックすると、例えば、図7に示すような配管名称と、スプール番号設定・確認のためのサブウインドウが表示される。
【0051】
同時に、例えば、図8に太線で示すように、配管中のクリックした中心線を含む配管スプールの範囲を強調表示することにより、設定されたスプールの番号、範囲を確認できる。また、図7のサブウインドウからもスプール番号を変更できる。
【0052】
さらに、スプールの溶接線の位置が不適切と考えられる場合には、スプール中心線上の溶接点をマウスでピックすると、例えば、図9に示したようなサブウインドウで、溶接線を削除します、にOKと答えれば、それによって溶接線が除去されると共に、スプールの範囲も変更することにより、この溶接線を除去できる。
【0053】
また、再度、溶接線を引き直す場合は、先に説明した方法と同様に新たに溶接線を引き直す。
【0054】
スプールが接地して安定な設置面の候補を探す場合には、施工上、接地できない部分の指定をあらかじめ指定する必要がある。その場合には、例えば、図8に示すように、スプールが指定されている状態で、図3のスプール接地付加部分設定に対応するボタンを押すことにより、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール接地不可面設定手段104Cを起動する。
【0055】
スプール接地不可面設定手段104Cでは、一例として図10に示したようなGUI画面上で、マウスで接地不可能な範囲の始点及び終点と、スプールの中心線を指定することで設定し、これらの始点から終点までの範囲を接地不可能な範囲として指定する。
【0056】
そしてスプールの端の断面が接地不可能な場合には、例えば、スプールの中心線の端の点を始点、且つ終点として定義することにより、スプールの端の断面を接地不可能として定義できる。
【0057】
次に、図3に示したGUIによって、スプール安定接地面候補生成を実行するボタンを押すと、スプール接地面設定支援手段104Dを起動して、設定したスプールにおける安定な接地面の候補が生成される。
【0058】
図11は、上記スプールにおける安定な接地面の候補の生成を行うアルゴリズムの1例を示したもので、スプールの中心線からなる3次元の折れ線を包含する最少の多面体である外包多面体を生成し、その外包多面体の各面を接地面の候補とするものである。
【0059】
図12には、スプールに対する外包多面体の例を示す。太い線がスプール中心線で、点線およびスプール中心線のなす6つの3角形からなる面に外方される多面体が、スプール中心線を包含する外包多面体である。このような外包多面体は、例えば、非特許文献2のP101以下に記載されている方法によって、作成することができる。
【0060】
この、外包他面体の各面が、スプールの接地面の候補となる。ただし、スプール接地不可面設定手段によって設定された部分を含む設置面は候補から除外する。
【0061】
図12に示した例のように、スプールの中心線の一部とスプールの端点が接地不可面として定義されていたとすると、本実施例のスプール図作成支援装置では、接地面不可範囲を含む面(1)と面(3)は接地面候補から除外する。
【0062】
また、接地不可切断面を含む面(4)と面(5)については、例えば切断面を保護する等によって、接地が必ずしも不可でないので除外せず、後に述べる、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール荷姿確認手段104Fによって、人によって確認し、必要とあれば除外する。
【0063】
接地不可面が点でない場合も、同様の保護材などを利用して接地できる場合には同様に除外を行わず、前記スプール荷姿確認手段104Fによって人が見て除外するようにする。
【0064】
このように絞りこまれたスプールの接地面の各候補に対して、スプールの安定性を評価する方法としては、スプール安定性判定手段104Eを起動して、例えば、図13に示すように、接地面候補に接地するスプールの部分の作る外包多角形が、スプールの重心の3D位置から接地面へ投影した投影点PCを含んでいるかどうかで判断する。その他に、接地面からの重心が低い順に安定とするような方法も考えられる。
【0065】
図14は、図13に示した方法によって、与えられた接地面でのスプールの安定性を判定するアルゴリズムの例を記したものである。この図14に示した例では、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール接地面設定支援手段104Dによって、接地面の候補のリストが平面を表す3点の座標のリストとして与えられることを前提としている。平面の式のリストを与えることも考えられる。
【0066】
図14に示した例では、更に、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール安定性判定手段104Eを起動して、接地面の与えられた前記3点に対して、平面の式をまず生成し、その式によって、図2のフォーマットによって入力されたスプール上の点が接地平面にあるかどうかを判定し、接地平面にある点について、接地平面上で最少の包含凸多角形Aを生成する。
【0067】
所与の点に対して最少の包含凸多角形を生成する詳細なアルゴリズムは、例えば、非特許文献2のP63以下に記載されている。
【0068】
一方、スプールの3D情報から管の単位長さあたりの重量が一定と仮定すると、重心の3D座標は容易に求めることができる。この座標点をC点(Xc,Yc,Zc)とするとき、接地面候補に対する投影点PCは、例えば、接地面候補の平面の式をaX+bY+cZ = 1とすると、(Xc−ka, Yc−kb,Zc−kc)、ただしk=a2+ b2+ c2として、容易に求めることができる。
【0069】
最後に点PCが最少の包含凸多角形Aに包含されているかどうかは、例えば、非特許文献2のP1以下により容易に求めることができる。この判定結果により点PCが包含凸多角形Aに包含されていれば、安定な接地面と判定する。
【0070】
接地面の安定性に関しては、この他に、重心と、接地面までの距離で評価することも考えられる。接地面の候補のうち、安定な接地面のみを、接地面の候補として残す。絞り込まれた接地面の候補は、その接地面をXY平面として回転したスプールの3Dデータとしてスプール荷姿データ格納装置に格納される。
【0071】
接地面の候補が絞りこまれると、次に、図1のスプール図作成処理装置104に備えられた前記スプール荷姿確認手段104Fを起動して、スプール荷姿データ格納装置102に格納されたデータを読み取って、安定な接地面の候補によってスプールがどのような荷姿となるかを確認できる。
【0072】
本実施例のスプール図作成支援装置では、前記スプール荷姿確認手段104Fによって3DCAD上で荷姿を確認する方法について述べるが、後に述べるスプール3面図をこの段階で生成し、スプール3面図によって荷姿を確認することも考えられる。
【0073】
図15は、前記スプール荷姿確認手段104Fによって、3DCAD上で、接地面候補における荷姿をユーザが確認する画面の例である。図15に示した本例では接地面に置かれるスプール部分は太く表示され、また、接地が禁止されている部分は、白抜きの2線で示されている。さらに接地に注意を要すると指定されているスプールの端点は×印で区別がつけられている。
【0074】
接地時の安定を確認するために、スプールの重心位置と、接地面への投影点及び、接地するスプールの最少包含多角形が鎖線で表示され、重心の投影点が最少包含多角形の中に含まれる事を確認することができる。また、スプールを置く直方体の縦横高さがW、L、Hの値として接地面を基準として表示される。
【0075】
図16は、図15と同様の接地面候補の確認画面であり、図16では接地面候補の荷姿の全体構成の例を示したものであって、接地面候補での3D表示のサムネイルが左画面にならび、ユーザがその一つを選択すると、右側の画面に図15のように大きく表示され確認することができる。
【0076】
選択中のサムネイルに対応する接地面をスプールを接地する接地面として決定した場合には左下の接地面決定のボタンを押すことにより、接地面登録することができる。登録した接地面をもとに、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール3面図生成手段104Gを起動することによってスプール3面図が作成される。
【0077】
なお、図15に示した表示画面では一般的な3DCADと同様に、スプールを360度回転してスプールの状態を確認することができる。回転させた場合も、接地面がわかるように例えば包含する直方体の接地面は、図15にイメージ的に示したように半透明に塗って表示する。
【0078】
スプール3面図は、図15に示した直方体の底面、側面、前面の3つの面にスプールを投影することにより容易に生成できる。底面はきまっているが、側面、前面をどのように定義するかについては、たとえば、底面のうち、長さが長い方辺に対して垂直な2つの面を側面の候補とし、短い方の2つの面を前面の候補とする。
【0079】
2つの側面候補と前面候補のうちどちらを3面図に用いるかは、たとえば、デフォルトでは、もとの3DCAD座標の原点までの距離が近い面を2つの側面候補のうちの側面として選び、前面候補としても同様にして選択することが考えられる。
【0080】
または、図17に示したGUIの例のように、選択された接地面の3D図を表示し、投影面を(3面のみとは限らない)ユーザがGUIから選択して、選択した面に対する投影図を生成する。
【0081】
図17に示したGUIでは、投影図を生成するデフォルトの投影面が太枠で表示されている。この例では、左前、底面、前側面が設定されている。ユーザは、すでに黒枠となっているところをクリックすると黒枠が細い線に戻り描画設定からはずされ、また、黒枠になっていない部分、例えば、図17の奥側面の部分をクリックすると憶測面の部分が黒枠になり、投影図が生成されるように設定される。これにより場合によっては、6つの面、全てを投影面として設定して、6つの投影図も描画できる。
【0082】
図18は、図1に示したスプール図作成処理装置104に備えられたスプール3面図作成手段104Gによって生成した3面図を、当該スプール図作成処理装置104に備えられたスプール3面図表示手段104Hによって表示した例を示したもので、通常の3面図に示されている寸法線の他に包含する直方体の縦横高さの寸法、各3面に投影された重心の点が×印で、表示され、その位置も寸法線で示されている。
【0083】
さらに底面のスプールの接地点に対する包含多角形の線が点線で示され、これと底面に重心を投影した点と比較して、この接地面での置き方が安定であることを確認できる。
【0084】
これら重心などの付加的な情報は、図面CADデータの他のデータと同じレイヤに出力することもできるが、図面CADによっては複数レイヤで情報を類別して重ねて表示している場合もあり、これらの付加的な情報を、このような別のレイヤに出力することも容易に実現できる。
【0085】
これによって、付加的情報の表示・非表示を、図18の左側のボタン“設置情報表示ON/OFF”ボタンを操作して、スプール3面図表示手段104Hによって制御することも簡単にできる。
【0086】
また、図18の左側の印刷ボタンを押すことで、これら表示した図面を印刷することや、保存ボタンで市販のCAD図面ファイルのフォーマットで保存して、スプール3面図データ格納装置103に、後で市販のCAD上で編集することも、容易に実現できる。
【0087】
また、投影する方向を変えたければ、図18の左側の3DCAD表示ボタンを押して元に戻り、再度、図17のGUI画面によって投影面を設定することができる。
【0088】
本実施例の本実施例のスプール図作成支援装置によれば、輸送時におけるスプールの安定な置き方を知ることによって、スプールの正確な輸送寸法を評価することが可能となり、スプールの輸送時や検査時の事故やスプールの損傷を未然に防止することを可能にしたスプール図作成支援方法及びスプール図作成支援が実現できる。
【実施例2】
【0089】
次に本発明の第2実施例であるプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援方法およびスプール図作成支援装置について図19を用いて説明する。
【0090】
図19に示した第2実施例のプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援装置は、図1に示した第2実施例のプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援装置と基本的な構成は同じであるので、両者に共通した説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
【0091】
第2実施例のスプール図作成支援装置においては、一つ一つのスプールの接地面を順次決めるのを支援するだけでなく、配管の現地溶接線を一括して半自動で設定することができるスプール図作成支援装置の例を説明する。
【0092】
本実施例のスプール図作成支援装置において、スプール図作成支援装置のシステムを起動すると、図20に示す全体制御GUIが表示される。ここで、図20に示された輸送制約データ設定を実行するボタンを押すと、図19のスプール図作成支援装置のスプール図作成処理装置200に備えられた輸送制約入力支援手段200Aが起動する。
【0093】
輸送制約入力支援手段200Aはスプール輸送時の輸送制約の入力を支援する手段で、例えば、表示装置106に表示した図21に示す画面で、輸送コンテナの高さHと長さL、幅Wを設定するとともに、重量の制限を入力する。
【0094】
その際、評価対象の配管の長さあたりの重量も合わせて設定する。この例では高さ1.2m、長さ3.0m、幅2.0m、に輸送制約が設定され、重量が1500kgに設定されている。これらの設定された輸送制約は輸送制約データ格納装置201に格納される。
【0095】
このような制約をもとに、スプール図作成処理装置200に配管3Dデータ入力支援手段104A、スプール設定手段104Bが備えられているまでは、図1に示した第1実施例におけるスプール図作成処理装置104の場合と同じであり、これらと同様の動作をする。
【0096】
次に、本実施例のスプール図作成処理装置200に備えられたスプール設定手段104Bから配管接地不可面設定手段104Cに行く前に、図19に示したスプール図作成処理装置200に備えられたスプール重量制約判定手段200Bによって、スプールの外径、肉厚、長さ、および輸送制約データ格納装置に格納されたスプールの比重を用いて、スプールの重量を計算し、輸送制約データ格納装置に格納された重量の制約と比較し、もし、重量の制約が満足されなければ、スプール設定手段104Bに戻って現地溶接線を引きなおす作業を支援する。
【0097】
もし、前記スプール重量制約判定手段200Bによって重量の制約が満足されれば、前記した第1実施例の場合と同様に、スプール接地不可面設定手段104Cによって接地不可能面を設定し、スプール接地面設定支援手段104Dにより接地面の候補を生成し、スプール安定性判定手段104Eによってその中から安定な接地面の候補のみに絞り込むところまでは前記した第1実施例のスプール図作成処理装置104と同様の手段となる。
【0098】
次に、図19に示したスプール図作成支援装置のスプール図作成処理装置200に備えられたスプール輸送条件判定手段200Cでは、スプールの接地面を底面とした高さH、長さL、幅Wが、輸送制約データ格納装置201に格納された輸送制約高さH、長さL、幅Wより小さいかを判定する。
【0099】
その際、LとWは入れ替えることによって制約を全て満たすのならOKとする。もし輸送制約を満足しない場合には、その接地面候補は除外する。スプール荷姿確認手段104F以下のスプール3画面生成手段104G、及びスプール3画面表示手段104Hは、前記第1実施例のスプール図作成処理装置104と同様の手段であり、スプール図の作成を支援するものである。これによって、輸送制約を満たすスプールの3面図を生成することができる。
【0100】
本実施例によれば、輸送時におけるスプールの安定な置き方を知ることによって、スプールの正確な輸送寸法を評価することが可能となり、スプールの輸送時や検査時の事故やスプールの損傷を未然に防止することを可能にしたスプール図作成支援方法及びスプール図作成支援が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、火力、化学、原子力などのプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援方法およびスプール図作成支援装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
101:配管3Dデータ格納装置、102:スプール荷姿データ格納装置、103:スプール3面図格納装置、104:スプール図作成支援装置、104A:配管3Dデータ入力支援手段、104B:スプール設定手段、104C:スプール接地不可面設定手段、104D:スプール接地設定支援手段、104E:スプール安定性評価手段、104F:スプール荷姿確認手段、104G:スプール3面図生成手段、104H:スプール3面図表示手段、105:入力装置、105A:マウス、105B:キーボード、106:表示装置、200:スプール図作成支援装置、200C:スプール輸送条件判定手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力、化学、原子力などのプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援方法およびスプール図作成支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術の背景技術として、公知例の特開2006−27833号公報の6頁、18〜22行には、「機材納入者6は、発電設備メーカ8より予め付与されたアクセス権により輸送管理システム2にアクセスできる。そして、船舶選定に必要な荷姿(Packing-Style)、積荷重量および寸法、積荷の数量、品名、積出港、搬入地等の情報をインターネット11を経由して発電設備メーカ8に連絡することができる。」と記載されている。
【0003】
また、公知例の特開2007−220027号公報の6頁、9〜15行には、「次に、図7は、施工物の輸送時または搬入時の配置状態情報を格納する、施工物輸送配置データのデータ格納形式を示す図である。図7において、施工物部品IDには、施工物部品の識別IDを格納し、配置列には、輸送時または搬入時における施工物部品の配置属性データを格納する。配置属性データの格納形式は、施工物配置データの配置列データに準じる。この輸送時施工物配置データは、3D−CADを利用した、ユーザの入力によって作成される。」と記載されている。
【0004】
また、公知文献である”動的計画法による配管の最適溶接位置決定法”には、「配管はエルボやT継ぎ手、素材管を組立溶接して作られる。搬送可能な大きさに分割されたスプールと呼ぶ部分配管を工場溶接で製作し、現地で配管全体を組み立て現地溶接している。ここで考慮した条件は工場溶接および現地溶接の単価、輸送限界で制限されたスプールの大きさ、配管中で溶接できない溶接禁止領域や、溶接しなければならない溶接必要領域、素材管の長さの制約である。溶接費用が最少となる関数を以下に示す。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−27833号公報
【特許文献2】特開2007−220027号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】松本ほか、“動的計画法による配管の最適溶接位置決定法”, Journal of the Operations Research Society Japan,Vol.41,No.3, September 1998.
【非特許文献2】Joseph O’Rourke、”Computational Geometry in C”, Cambridge University Press,1994.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した特開2006−27833号公報、特開2007−220027号公報、及び公知文献“動的計画法による配管の最適溶接位置決定法”に示した従来技術では、いずれも前記公知文献に記載されているスプールと呼ばれる搬送可能な大きさに分割された部分配管の荷姿を想定して入力することが前提となっている。
【0008】
しかしながら、スプールの荷姿を決めるためには、輸送コンテナの形状の制約のみならず、輸送時の安定性や、接地可能な加工面であるかどうかも合わせて考慮しなければならないが、前記した各公知例の技術ではスプールの正確な輸送寸法を評価することが難しく、スプールの輸送時や検査時の事故やスプールの損傷を未然に防止するのが困難であるという課題があった。
【0009】
本発明の目的は、輸送時におけるスプールの安定な置き方を知ることによって、スプールの正確な輸送寸法を評価することが可能となり、スプールの輸送時や検査時の事故やスプールの損傷を未然に防止することを可能にしたスプール図作成支援方法及びスプール図作成支援を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のスプール図作成支援方法は、プラント配管の3次元情報と現地で据え付ける配管の溶接点の情報を入力し、溶接点にて切断する配管を構成するスプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、これら作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を判定し、接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成する、ことを特徴とする。
【0011】
また本発明のスプール図作成支援方法は、プラント配管の3次元情報と現地で据え付ける配管の現地溶接点の情報を入力し、溶接点にて切断した配管を構成するスプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として前記各接地面の候補についてスプールを接地した場合のスプールの安定性を評価し、スプールが安定と評価された接地面の候補の接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、及びスプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成する、ことを特徴とする。
【0012】
また本発明のスプール図作成支援方法は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補とし、スプールを接地した場合のスプールの安定性について、各接地面の候補でスプールを接地した場合のスプールの安定性を、各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価し、接地されるスプールが安定と評価された接地面について接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成する、ことを特徴とする。
【0013】
また本発明のスプール図作成支援方法は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ生成し、スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を接地面の候補とし、スプールを接地した場合のスプールの安定性について、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形がスプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して安定な接地面の候補を絞りこみ、この絞り込んだ安定な接地面の候補についてスプールを外包する最少直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこみ、この絞り込まれた接地面のそれぞれについて接地面候補を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図の候補を作成する、ことを特徴とする。
【0014】
また本発明のスプール図作成支援方法は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ生成し、スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を接地面の候補とし、 スプールを接地した場合のスプールの安定性について、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形がスプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって安定性を判定することにより評価し、接地されるスプールが安定と評価されたそれぞれの接地面の候補について接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこみ、この絞り込まれた接地面の接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明のスプール図作成支援装置は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、前記スプール設定手段によって作成したスプールが接地すると仮定した平面を作成するスプール接地面設定支援手段と、前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を判定するスプール安定性判定手段と、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0016】
また本発明のスプール図作成支援装置は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補についてスプールを接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段と、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたそれぞれの接地面の候補における接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0017】
また本発明のスプール図作成支援装置は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補について、各接地面の候補でスプールを接地した場合のスプールの安定性を、各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価するスプール安定性判定手段と、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0018】
また本発明のスプール図作成支援装置は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補について、各接地面の候補でスプールを接地する場合のスプールの安定性を、スプールが接地すると仮定した各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価するスプール安定性判定手段と、前記スプール安定性判定手段によって安定と評価されたそれぞれの安定な接地面を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0019】
また本発明のスプール図作成支援装置は、プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段と、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたぞれぞれの接地面におけるスプールを外包する最少直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこむスプール輸送条件判定手段と、前記スプール輸送条件判定手段によって絞り込まれた接地面候補の接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、輸送時におけるスプールの安定な置き方を知ることによって、スプールの正確な輸送寸法を評価することが可能となり、スプールの輸送時や検査時の事故やスプールの損傷を未然に防止することを可能にしたスプール図作成支援方法及びスプール図作成支援装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1本実施例であるスプール図作成支援装置を示す概略構成図。
【図2】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置の配管3Dデータ格納装置に格納された配管3Dデータの一例。
【図3】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置における全体制御GUIの一例図。
【図4】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール3Dデータ設定GUIの一例図。
【図5】ス図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるプール3Dデータ表示の一例図。
【図6】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置における溶接線設定GUIの一例図。
【図7】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール設定GUIの一例図。
【図8】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール表示の一例図。
【図9】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置における溶接線削除用GUIの一例図。
【図10】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地不可部設定GUIの一例図。
【図11】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地面候補生成処理フロー図。
【図12】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地面候補生成処理の説明図。
【図13】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地面安定性判定処理の説明図。
【図14】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地面安定性判定処理フロー図。
【図15】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール荷姿の一例図。
【図16】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール接地面選択GUIの一例図。
【図17】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール3面図生成GUIの一例図。
【図18】図1に記載した第1実施例のスプール図作成支援装置におけるスプール3面図生成の一例図。
【図19】本発明の第2本実施例であるスプール図作成支援装置を示す概略構成図。
【図20】図19に記載した第2実施例のスプール図作成支援装置における全体制御GUIの一例図。
【図21】図19に記載した第2実施例のスプール図作成支援装置における輸送制約GUIの一例図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施例であるプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援方法およびスプール図作成支援装置について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明の第1実施例であるプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援方法およびスプール図作成支援装置について図1乃至図18を用いて以下に説明する。
【0024】
図1に示した第1実施例のプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援装置について、プラントに使用される配管を搬送可能な大きさに分割した部分配管のスプールの安定な設置面かどうかの判定と、それらの確認支援手段を有するスプール図作成支援装置の例を説明する。
【0025】
即ち、図1は、本発明の第1実施例であるスプール図作成支援装置を示したものであり、本実施例のスプール図作成支援装置は、対象となるプラントを構成するスプールに関する各種データを格納する3つの格納装置である、配管3Dデータ格納装置101、スプール荷姿データ格納装置102、及びスプール3面図データ格納装置103とを備えている。
【0026】
そして前記スプール図作成支援装置では、これらの3つの格納装置に格納された各種データに基づいて、スプール図作成支援処理を実現するスプール図作成処理装置104を備えており、更に前記スプール図作成処理装置104への入力をおこなうキーボード105B及びマウス105Aなどからなる入力装置105と、前記スプール図作成処理装置104で演算処理したデータ等を表示するCRTなどの表示装置106を備えている。
【0027】
図1に示したスプール図作成支援装置では、説明のためデータ格納装置として、プラントに使用される配管の中心線、配管の口径と配管の肉厚を、搬送可能な大きさに分割した部分配管であるスプールの単位に分割し、据付ける現地で溶接することになる溶接線のデータからなる配管の3Dデータを格納する配管3Dデータ格納装置101と、スプールの荷姿を格納するスプール荷姿格納装置102、及びスプール3面図データ格納装置103の3つに分けて記載しているが、例えばこれらの配管3Dデータ格納装置101、スプール荷姿データ格納装置102、及びスプール3面図データ格納装置103を、同じ格納装置のハードデスク上の異なる領域にそれぞれ格納するように構成しても良い。
【0028】
本実施例のスプール図作成支援装置のスプール図作成処理装置104は、配管3Dデータ格納装置101に格納されたデータが読み込む手段を持つ。前記配管3Dデータ格納装置101に格納された配管3Dデータは、一般の3DCADで作成したものを前提としている。
【0029】
本実施例のスプール図作成支援装置のスプール図作成処理装置104は、配管の中心線、外径、内径等の入力を支援する配管3Dデータ入力支援手段104Aと、前記配管3Dデータ入力支援手段104Aから入力したプラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて配管を構成するスプールを作成するため、配管を構成する複数のスプールを設定するスプール設定手段104Bを備えている。
【0030】
前記スプール図作成処理装置104は、前記スプール設定手段104Bで作成したスプールが接地される接地面のうち、スプールの設置が不可能な接地面を設定するスプール接地不可面設定手段104Cと、前記スプール設定手段104Bで作成したスプールが接地される接地面のうち、スプールの設置が可能な接地面を設定するスプール接地設定支援手段104Dと、前記スプール接地設定支援手段104Dで設定された各接地面の候補についてスプールを接地した場合のスプールの安定性を評価する接地面に設置するスプールの安定性を評価するスプール安定性評価手段104Eを備えている。
【0031】
前記スプール図作成処理装置104は、前記スプール安定性評価手段104Eでスプールが安定であると評価された接地面について、該接地面に設置したスプールの荷姿を確認するスプール荷姿確認手段104Fを備えている。
【0032】
また前記スプール図作成処理装置104は、前記スプール安定性評価手段104Eでスプールが安定であると評価された接地面について、接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段104Gと、このスプール3面図生成手段104Gで作成したスプールの3面図を表示装置106に表示させるスプール3面図表示手段104Hをそれぞれ備えている。
【0033】
図2は図1の前記配管3Dデータ格納装置101に格納された配管3Dデータのデータ構成の一例を示すものである。図2に示した例では、配管の口径、配管の肉厚と、配管の中心線の点列データと、によって配管の3次元情報を定義している。
【0034】
図2に示した例では、配管が複数、一つのファイルに定義される場合を考え、新たな配管の定義が開始される行には行の先頭に0を記載し、さらに、配管の口径、配管の肉厚、配管名称を、”,”で区切って、1行目に記載している。
【0035】
図2の例の2行目以降は、配管の3次元点列のx,y,z座標データを、1行に1点づつ、”,”で区切って記載する。
【0036】
あらかじめ、スプールを分割する溶接線が決められている場合もある。このような場合には、配管3Dデータと共に、スプール分割データもあらかじめ設定されている。
【0037】
前記スプール分割データの例を図3に示す。図3に示したスプール分割データの例では、配管3Dデータと同様に、同じ配管のスプールデータの1行目には、0と、配管の口径、配管の肉厚、配管名称を、”,”で区切って記載する。2行目以降には、スプール番号と、スプールの中心点の3次元座標が、”,”で区切って、記載される。
【0038】
先頭のスプール番号が違えば、同じ配管名称でも、異なったスプールと見なす。また、スプールが接地できない点、例えば配管の加工上の問題で接地すると配管の接地断面が損傷する可能性があるあるので接地できない点がある場合には、行の最後にさらに、”,”で区切って、”#”を記載する。
【0039】
配管の直線部分全体が接地できない場合には、配管の各中心線上の隣接する2つの折れ点について、例えば”*”、を記載し、”*”のついた2つの点を断面とする配管の円筒部分の範囲は接地不可とする。
【0040】
図3は、本実施例におけるスプール図作成支援装置を起動したときに、始めに、表示装置106に表示される入力画面の例である。図3に示した入力画面例では、配管3Dデータ設定、スプール接地付加部分設定、スプール安定接地面候補作成、スプール荷姿確認、スプール3面図生成/確認、をそれぞれ実行する各ボタンを持ち、上記した設定、作成、確認の手段ごとにユーザが前記ボタンを押してこれらの設定、作成、確認の各手段を起動する。
【0041】
ユーザが最初に、図3の最上部の配管3Dデータ設定を実行するボタンを押すことにより、図1のスプール図作成処理装置104に備えられた配管3Dデータ支援手段104Aが起動して、図4に示すサブウインドウが表示される。
【0042】
図4は表示装置106に表示された配管3D情報が記載されたファイルと、スプール3D情報が記載されたファイルをそれぞれ選択するサブウインドウを示す例であり、前記図4に示されたファイルをユーザが指定して選択することで、この選択された配管3Dデータとスプール3Dデータが読み込まれる。
【0043】
そうすると、図5に示されるような配管の中心線と配管外径の線を含んだ配管の3D情報が3DCADによって表示装置106に表示される。
【0044】
図5に示されたこの表示画面を使って、スプールを設定するために、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール設定手段104Bによってスプール3Dデータを生成・編集する。
【0045】
スプール設定手段104Bによってスプール3Dデータを生成・編集する編集方法の例として、例えば、図5に示した配管3D表示画面中の中心線上の溶接線を引きたい位置にマウスを置いて右クリックすると、選定した位置での溶接線位置でのスプール断面を示す切断線が(図5に示した点線の楕円)表示される。
【0046】
そして、前記溶接線がマウスを右クリックして選定した位置でよければ、例えば、図6に示すサブウインドウにて設定ボタンを押すと、スプールの溶接線位置が設定される。
【0047】
スプール設定手段104Bでは、この溶接線と、もとのスプールの端点で区切った範囲を自動的にスプールとして認識する。
【0048】
スプール番号は、例えば、配管3Dの(XYZ)座標が辞書式順序でもっとも大きい値となるものから順に自動的に番号をつけ、スプール3D情報のファイルに上書きする。
【0049】
前記スプール設定手段104Bでこのように設定された配管のスプールの確認方法は、たとえば以下のように実施できる。
【0050】
表示されている配管3DのCAD画面中の配管中心線の適当な位置をマウスで左クリックすると、例えば、図7に示すような配管名称と、スプール番号設定・確認のためのサブウインドウが表示される。
【0051】
同時に、例えば、図8に太線で示すように、配管中のクリックした中心線を含む配管スプールの範囲を強調表示することにより、設定されたスプールの番号、範囲を確認できる。また、図7のサブウインドウからもスプール番号を変更できる。
【0052】
さらに、スプールの溶接線の位置が不適切と考えられる場合には、スプール中心線上の溶接点をマウスでピックすると、例えば、図9に示したようなサブウインドウで、溶接線を削除します、にOKと答えれば、それによって溶接線が除去されると共に、スプールの範囲も変更することにより、この溶接線を除去できる。
【0053】
また、再度、溶接線を引き直す場合は、先に説明した方法と同様に新たに溶接線を引き直す。
【0054】
スプールが接地して安定な設置面の候補を探す場合には、施工上、接地できない部分の指定をあらかじめ指定する必要がある。その場合には、例えば、図8に示すように、スプールが指定されている状態で、図3のスプール接地付加部分設定に対応するボタンを押すことにより、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール接地不可面設定手段104Cを起動する。
【0055】
スプール接地不可面設定手段104Cでは、一例として図10に示したようなGUI画面上で、マウスで接地不可能な範囲の始点及び終点と、スプールの中心線を指定することで設定し、これらの始点から終点までの範囲を接地不可能な範囲として指定する。
【0056】
そしてスプールの端の断面が接地不可能な場合には、例えば、スプールの中心線の端の点を始点、且つ終点として定義することにより、スプールの端の断面を接地不可能として定義できる。
【0057】
次に、図3に示したGUIによって、スプール安定接地面候補生成を実行するボタンを押すと、スプール接地面設定支援手段104Dを起動して、設定したスプールにおける安定な接地面の候補が生成される。
【0058】
図11は、上記スプールにおける安定な接地面の候補の生成を行うアルゴリズムの1例を示したもので、スプールの中心線からなる3次元の折れ線を包含する最少の多面体である外包多面体を生成し、その外包多面体の各面を接地面の候補とするものである。
【0059】
図12には、スプールに対する外包多面体の例を示す。太い線がスプール中心線で、点線およびスプール中心線のなす6つの3角形からなる面に外方される多面体が、スプール中心線を包含する外包多面体である。このような外包多面体は、例えば、非特許文献2のP101以下に記載されている方法によって、作成することができる。
【0060】
この、外包他面体の各面が、スプールの接地面の候補となる。ただし、スプール接地不可面設定手段によって設定された部分を含む設置面は候補から除外する。
【0061】
図12に示した例のように、スプールの中心線の一部とスプールの端点が接地不可面として定義されていたとすると、本実施例のスプール図作成支援装置では、接地面不可範囲を含む面(1)と面(3)は接地面候補から除外する。
【0062】
また、接地不可切断面を含む面(4)と面(5)については、例えば切断面を保護する等によって、接地が必ずしも不可でないので除外せず、後に述べる、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール荷姿確認手段104Fによって、人によって確認し、必要とあれば除外する。
【0063】
接地不可面が点でない場合も、同様の保護材などを利用して接地できる場合には同様に除外を行わず、前記スプール荷姿確認手段104Fによって人が見て除外するようにする。
【0064】
このように絞りこまれたスプールの接地面の各候補に対して、スプールの安定性を評価する方法としては、スプール安定性判定手段104Eを起動して、例えば、図13に示すように、接地面候補に接地するスプールの部分の作る外包多角形が、スプールの重心の3D位置から接地面へ投影した投影点PCを含んでいるかどうかで判断する。その他に、接地面からの重心が低い順に安定とするような方法も考えられる。
【0065】
図14は、図13に示した方法によって、与えられた接地面でのスプールの安定性を判定するアルゴリズムの例を記したものである。この図14に示した例では、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール接地面設定支援手段104Dによって、接地面の候補のリストが平面を表す3点の座標のリストとして与えられることを前提としている。平面の式のリストを与えることも考えられる。
【0066】
図14に示した例では、更に、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール安定性判定手段104Eを起動して、接地面の与えられた前記3点に対して、平面の式をまず生成し、その式によって、図2のフォーマットによって入力されたスプール上の点が接地平面にあるかどうかを判定し、接地平面にある点について、接地平面上で最少の包含凸多角形Aを生成する。
【0067】
所与の点に対して最少の包含凸多角形を生成する詳細なアルゴリズムは、例えば、非特許文献2のP63以下に記載されている。
【0068】
一方、スプールの3D情報から管の単位長さあたりの重量が一定と仮定すると、重心の3D座標は容易に求めることができる。この座標点をC点(Xc,Yc,Zc)とするとき、接地面候補に対する投影点PCは、例えば、接地面候補の平面の式をaX+bY+cZ = 1とすると、(Xc−ka, Yc−kb,Zc−kc)、ただしk=a2+ b2+ c2として、容易に求めることができる。
【0069】
最後に点PCが最少の包含凸多角形Aに包含されているかどうかは、例えば、非特許文献2のP1以下により容易に求めることができる。この判定結果により点PCが包含凸多角形Aに包含されていれば、安定な接地面と判定する。
【0070】
接地面の安定性に関しては、この他に、重心と、接地面までの距離で評価することも考えられる。接地面の候補のうち、安定な接地面のみを、接地面の候補として残す。絞り込まれた接地面の候補は、その接地面をXY平面として回転したスプールの3Dデータとしてスプール荷姿データ格納装置に格納される。
【0071】
接地面の候補が絞りこまれると、次に、図1のスプール図作成処理装置104に備えられた前記スプール荷姿確認手段104Fを起動して、スプール荷姿データ格納装置102に格納されたデータを読み取って、安定な接地面の候補によってスプールがどのような荷姿となるかを確認できる。
【0072】
本実施例のスプール図作成支援装置では、前記スプール荷姿確認手段104Fによって3DCAD上で荷姿を確認する方法について述べるが、後に述べるスプール3面図をこの段階で生成し、スプール3面図によって荷姿を確認することも考えられる。
【0073】
図15は、前記スプール荷姿確認手段104Fによって、3DCAD上で、接地面候補における荷姿をユーザが確認する画面の例である。図15に示した本例では接地面に置かれるスプール部分は太く表示され、また、接地が禁止されている部分は、白抜きの2線で示されている。さらに接地に注意を要すると指定されているスプールの端点は×印で区別がつけられている。
【0074】
接地時の安定を確認するために、スプールの重心位置と、接地面への投影点及び、接地するスプールの最少包含多角形が鎖線で表示され、重心の投影点が最少包含多角形の中に含まれる事を確認することができる。また、スプールを置く直方体の縦横高さがW、L、Hの値として接地面を基準として表示される。
【0075】
図16は、図15と同様の接地面候補の確認画面であり、図16では接地面候補の荷姿の全体構成の例を示したものであって、接地面候補での3D表示のサムネイルが左画面にならび、ユーザがその一つを選択すると、右側の画面に図15のように大きく表示され確認することができる。
【0076】
選択中のサムネイルに対応する接地面をスプールを接地する接地面として決定した場合には左下の接地面決定のボタンを押すことにより、接地面登録することができる。登録した接地面をもとに、図1のスプール図作成処理装置104に備えられたスプール3面図生成手段104Gを起動することによってスプール3面図が作成される。
【0077】
なお、図15に示した表示画面では一般的な3DCADと同様に、スプールを360度回転してスプールの状態を確認することができる。回転させた場合も、接地面がわかるように例えば包含する直方体の接地面は、図15にイメージ的に示したように半透明に塗って表示する。
【0078】
スプール3面図は、図15に示した直方体の底面、側面、前面の3つの面にスプールを投影することにより容易に生成できる。底面はきまっているが、側面、前面をどのように定義するかについては、たとえば、底面のうち、長さが長い方辺に対して垂直な2つの面を側面の候補とし、短い方の2つの面を前面の候補とする。
【0079】
2つの側面候補と前面候補のうちどちらを3面図に用いるかは、たとえば、デフォルトでは、もとの3DCAD座標の原点までの距離が近い面を2つの側面候補のうちの側面として選び、前面候補としても同様にして選択することが考えられる。
【0080】
または、図17に示したGUIの例のように、選択された接地面の3D図を表示し、投影面を(3面のみとは限らない)ユーザがGUIから選択して、選択した面に対する投影図を生成する。
【0081】
図17に示したGUIでは、投影図を生成するデフォルトの投影面が太枠で表示されている。この例では、左前、底面、前側面が設定されている。ユーザは、すでに黒枠となっているところをクリックすると黒枠が細い線に戻り描画設定からはずされ、また、黒枠になっていない部分、例えば、図17の奥側面の部分をクリックすると憶測面の部分が黒枠になり、投影図が生成されるように設定される。これにより場合によっては、6つの面、全てを投影面として設定して、6つの投影図も描画できる。
【0082】
図18は、図1に示したスプール図作成処理装置104に備えられたスプール3面図作成手段104Gによって生成した3面図を、当該スプール図作成処理装置104に備えられたスプール3面図表示手段104Hによって表示した例を示したもので、通常の3面図に示されている寸法線の他に包含する直方体の縦横高さの寸法、各3面に投影された重心の点が×印で、表示され、その位置も寸法線で示されている。
【0083】
さらに底面のスプールの接地点に対する包含多角形の線が点線で示され、これと底面に重心を投影した点と比較して、この接地面での置き方が安定であることを確認できる。
【0084】
これら重心などの付加的な情報は、図面CADデータの他のデータと同じレイヤに出力することもできるが、図面CADによっては複数レイヤで情報を類別して重ねて表示している場合もあり、これらの付加的な情報を、このような別のレイヤに出力することも容易に実現できる。
【0085】
これによって、付加的情報の表示・非表示を、図18の左側のボタン“設置情報表示ON/OFF”ボタンを操作して、スプール3面図表示手段104Hによって制御することも簡単にできる。
【0086】
また、図18の左側の印刷ボタンを押すことで、これら表示した図面を印刷することや、保存ボタンで市販のCAD図面ファイルのフォーマットで保存して、スプール3面図データ格納装置103に、後で市販のCAD上で編集することも、容易に実現できる。
【0087】
また、投影する方向を変えたければ、図18の左側の3DCAD表示ボタンを押して元に戻り、再度、図17のGUI画面によって投影面を設定することができる。
【0088】
本実施例の本実施例のスプール図作成支援装置によれば、輸送時におけるスプールの安定な置き方を知ることによって、スプールの正確な輸送寸法を評価することが可能となり、スプールの輸送時や検査時の事故やスプールの損傷を未然に防止することを可能にしたスプール図作成支援方法及びスプール図作成支援が実現できる。
【実施例2】
【0089】
次に本発明の第2実施例であるプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援方法およびスプール図作成支援装置について図19を用いて説明する。
【0090】
図19に示した第2実施例のプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援装置は、図1に示した第2実施例のプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援装置と基本的な構成は同じであるので、両者に共通した説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
【0091】
第2実施例のスプール図作成支援装置においては、一つ一つのスプールの接地面を順次決めるのを支援するだけでなく、配管の現地溶接線を一括して半自動で設定することができるスプール図作成支援装置の例を説明する。
【0092】
本実施例のスプール図作成支援装置において、スプール図作成支援装置のシステムを起動すると、図20に示す全体制御GUIが表示される。ここで、図20に示された輸送制約データ設定を実行するボタンを押すと、図19のスプール図作成支援装置のスプール図作成処理装置200に備えられた輸送制約入力支援手段200Aが起動する。
【0093】
輸送制約入力支援手段200Aはスプール輸送時の輸送制約の入力を支援する手段で、例えば、表示装置106に表示した図21に示す画面で、輸送コンテナの高さHと長さL、幅Wを設定するとともに、重量の制限を入力する。
【0094】
その際、評価対象の配管の長さあたりの重量も合わせて設定する。この例では高さ1.2m、長さ3.0m、幅2.0m、に輸送制約が設定され、重量が1500kgに設定されている。これらの設定された輸送制約は輸送制約データ格納装置201に格納される。
【0095】
このような制約をもとに、スプール図作成処理装置200に配管3Dデータ入力支援手段104A、スプール設定手段104Bが備えられているまでは、図1に示した第1実施例におけるスプール図作成処理装置104の場合と同じであり、これらと同様の動作をする。
【0096】
次に、本実施例のスプール図作成処理装置200に備えられたスプール設定手段104Bから配管接地不可面設定手段104Cに行く前に、図19に示したスプール図作成処理装置200に備えられたスプール重量制約判定手段200Bによって、スプールの外径、肉厚、長さ、および輸送制約データ格納装置に格納されたスプールの比重を用いて、スプールの重量を計算し、輸送制約データ格納装置に格納された重量の制約と比較し、もし、重量の制約が満足されなければ、スプール設定手段104Bに戻って現地溶接線を引きなおす作業を支援する。
【0097】
もし、前記スプール重量制約判定手段200Bによって重量の制約が満足されれば、前記した第1実施例の場合と同様に、スプール接地不可面設定手段104Cによって接地不可能面を設定し、スプール接地面設定支援手段104Dにより接地面の候補を生成し、スプール安定性判定手段104Eによってその中から安定な接地面の候補のみに絞り込むところまでは前記した第1実施例のスプール図作成処理装置104と同様の手段となる。
【0098】
次に、図19に示したスプール図作成支援装置のスプール図作成処理装置200に備えられたスプール輸送条件判定手段200Cでは、スプールの接地面を底面とした高さH、長さL、幅Wが、輸送制約データ格納装置201に格納された輸送制約高さH、長さL、幅Wより小さいかを判定する。
【0099】
その際、LとWは入れ替えることによって制約を全て満たすのならOKとする。もし輸送制約を満足しない場合には、その接地面候補は除外する。スプール荷姿確認手段104F以下のスプール3画面生成手段104G、及びスプール3画面表示手段104Hは、前記第1実施例のスプール図作成処理装置104と同様の手段であり、スプール図の作成を支援するものである。これによって、輸送制約を満たすスプールの3面図を生成することができる。
【0100】
本実施例によれば、輸送時におけるスプールの安定な置き方を知ることによって、スプールの正確な輸送寸法を評価することが可能となり、スプールの輸送時や検査時の事故やスプールの損傷を未然に防止することを可能にしたスプール図作成支援方法及びスプール図作成支援が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、火力、化学、原子力などのプラントにおける配管の輸送時の形状に関するスプール図作成支援方法およびスプール図作成支援装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
101:配管3Dデータ格納装置、102:スプール荷姿データ格納装置、103:スプール3面図格納装置、104:スプール図作成支援装置、104A:配管3Dデータ入力支援手段、104B:スプール設定手段、104C:スプール接地不可面設定手段、104D:スプール接地設定支援手段、104E:スプール安定性評価手段、104F:スプール荷姿確認手段、104G:スプール3面図生成手段、104H:スプール3面図表示手段、105:入力装置、105A:マウス、105B:キーボード、106:表示装置、200:スプール図作成支援装置、200C:スプール輸送条件判定手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラント配管の3次元情報と現地で据え付ける配管の溶接点の情報を入力し、溶接点にて切断する配管を構成するスプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、
プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、
これら作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を判定し、
接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項2】
請求項1に記載のスプール図作成支援方法において、
接地されるスプールの安定性を判定した後に、安定と判断された複数の接地面の候補を提示し、
これらの提示された安定な接地面の候補の中から選択された安定な接地面について前記スプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項3】
プラント配管の3次元情報と現地で据え付ける配管の現地溶接点の情報を入力し、溶接点にて切断した配管を構成するスプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、
プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、
スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として前記各接地面の候補についてスプールを接地した場合のスプールの安定性を評価し、
スプールが安定と評価された接地面の候補の接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、及びスプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項4】
請求項3に記載のスプール図作成支援方法において、
スプールを接地した場合のスプールの安定性の評価は、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価する、ことを特徴とするとするスプール図作成支援方法。
【請求項5】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、
プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、
スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補とし、
スプールを接地した場合のスプールの安定性について、各接地面の候補でスプールを接地した場合のスプールの安定性を、各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価し、
接地されるスプールが安定と評価された接地面について接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項6】
請求項5に記載のスプール図作成支援方法において、
スプールを接地した場合のスプールの安定性について、各接地面の候補にてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項7】
請求項1に記載のスプール図作成支援方法において、
前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図の作成は、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項8】
請求項5に記載のスプール図作成支援方法において、
前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図の作成は、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項9】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、
プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ生成し、
スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を接地面の候補とし、
スプールを接地した場合のスプールの安定性について、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形がスプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して安定な接地面の候補を絞りこみ、
この絞り込んだ安定な接地面の候補についてスプールを外包する最少直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこみ、
この絞り込まれた接地面のそれぞれについて接地面候補を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図の候補を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項10】
請求項5に記載のスプール図作成支援方法において、
スプールを接地した場合のスプールの安定性について、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を評価し、
接地されるスプールが安定と評価されたぞれぞれの接地面について接地面を底面とするスプールを外包する最小の直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこみ、
この絞り込まれた接地面候補の接地面を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項11】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、
プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ生成し、
スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を接地面の候補とし、 スプールを接地した場合のスプールの安定性について、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形がスプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって安定性を判定することにより評価し、
接地されるスプールが安定と評価されたそれぞれの接地面の候補について接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこみ、
この絞り込まれた接地面の接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項12】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、
前記スプール設定手段によって作成したスプールが接地すると仮定した平面を作成するスプール接地面設定支援手段と、
前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を判定するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項13】
請求項12に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、接地すると仮定した平面において配管が接地する点列を包含する外包多角形が、配管スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって安定性を判定することにより安定な接地面の候補を複数提示するスプール荷姿確認手段を備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項14】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、
前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、
前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補についてスプールを接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたそれぞれの接地面の候補における接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項15】
請求項14に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段を備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項16】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、
前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、
前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補について、各接地面の候補でスプールを接地した場合のスプールの安定性を、各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項17】
請求項16に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置に設置した前記スプール安定性判定手段は、スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を接地面の候補とし、各接地面の候補にてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって安定性を判定することにより評価することを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項18】
請求項12に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置に設置した前記スプール安定性判定手段は、前記スプール図作成支援処理装置に設置した前記スプール3面図生成手段は、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成することを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項19】
請求項14に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置に設置した前記スプール3面図生成手段は、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたそれぞれの接地面の安定な接地面を1投影面としスプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成することを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項20】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、
前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、
前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補について、各接地面の候補でスプールを接地する場合のスプールの安定性を、スプールが接地すると仮定した各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって安定と評価されたそれぞれの安定な接地面を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項21】
請求項14に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたぞれぞれの接地面について接地面を底面とするスプールを外包する最少直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこむスプール輸送条件判定手段と、
前記スプール輸送条件判定手段によって絞り込まれた接地面候補の接地面を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項22】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、
前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、
前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたぞれぞれの接地面におけるスプールを外包する最少直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこむスプール輸送条件判定手段と、
前記スプール輸送条件判定手段によって絞り込まれた接地面候補の接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項1】
プラント配管の3次元情報と現地で据え付ける配管の溶接点の情報を入力し、溶接点にて切断する配管を構成するスプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、
プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、
これら作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を判定し、
接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項2】
請求項1に記載のスプール図作成支援方法において、
接地されるスプールの安定性を判定した後に、安定と判断された複数の接地面の候補を提示し、
これらの提示された安定な接地面の候補の中から選択された安定な接地面について前記スプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項3】
プラント配管の3次元情報と現地で据え付ける配管の現地溶接点の情報を入力し、溶接点にて切断した配管を構成するスプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、
プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、
スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として前記各接地面の候補についてスプールを接地した場合のスプールの安定性を評価し、
スプールが安定と評価された接地面の候補の接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、及びスプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項4】
請求項3に記載のスプール図作成支援方法において、
スプールを接地した場合のスプールの安定性の評価は、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価する、ことを特徴とするとするスプール図作成支援方法。
【請求項5】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、
プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成し、
スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補とし、
スプールを接地した場合のスプールの安定性について、各接地面の候補でスプールを接地した場合のスプールの安定性を、各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価し、
接地されるスプールが安定と評価された接地面について接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項6】
請求項5に記載のスプール図作成支援方法において、
スプールを接地した場合のスプールの安定性について、各接地面の候補にてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項7】
請求項1に記載のスプール図作成支援方法において、
前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図の作成は、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項8】
請求項5に記載のスプール図作成支援方法において、
前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図の作成は、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項9】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、
プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ生成し、
スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を接地面の候補とし、
スプールを接地した場合のスプールの安定性について、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形がスプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して安定な接地面の候補を絞りこみ、
この絞り込んだ安定な接地面の候補についてスプールを外包する最少直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこみ、
この絞り込まれた接地面のそれぞれについて接地面候補を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図の候補を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項10】
請求項5に記載のスプール図作成支援方法において、
スプールを接地した場合のスプールの安定性について、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を評価し、
接地されるスプールが安定と評価されたぞれぞれの接地面について接地面を底面とするスプールを外包する最小の直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこみ、
この絞り込まれた接地面候補の接地面を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項11】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力とし、現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援方法において、
プラント配管の3次元情報、及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ生成し、
スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を接地面の候補とし、 スプールを接地した場合のスプールの安定性について、接地すると仮定した平面についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形がスプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって安定性を判定することにより評価し、
接地されるスプールが安定と評価されたそれぞれの接地面の候補について接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこみ、
この絞り込まれた接地面の接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成する、ことを特徴とするスプール図作成支援方法。
【請求項12】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、
前記スプール設定手段によって作成したスプールが接地すると仮定した平面を作成するスプール接地面設定支援手段と、
前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を判定するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項13】
請求項12に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、接地すると仮定した平面において配管が接地する点列を包含する外包多角形が、配管スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって安定性を判定することにより安定な接地面の候補を複数提示するスプール荷姿確認手段を備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項14】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、
前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、
前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補についてスプールを接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたそれぞれの接地面の候補における接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項15】
請求項14に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段を備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項16】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、
前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、
前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補について、各接地面の候補でスプールを接地した場合のスプールの安定性を、各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とするスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項17】
請求項16に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置に設置した前記スプール安定性判定手段は、スプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を接地面の候補とし、各接地面の候補にてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって安定性を判定することにより評価することを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項18】
請求項12に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置に設置した前記スプール安定性判定手段は、前記スプール図作成支援処理装置に設置した前記スプール3面図生成手段は、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と判断された前記スプールの安定な接地面を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成することを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項19】
請求項14に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置に設置した前記スプール3面図生成手段は、前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたそれぞれの接地面の安定な接地面を1投影面としスプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成することを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項20】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、
前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、
前記スプール接地面設定支援手段によって作成した前記各接地面の候補について、各接地面の候補でスプールを接地する場合のスプールの安定性を、スプールが接地すると仮定した各接地面の候補についてスプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かでその安定性を判定して評価するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって安定と評価されたそれぞれの安定な接地面を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項21】
請求項14に記載のスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたぞれぞれの接地面について接地面を底面とするスプールを外包する最少直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこむスプール輸送条件判定手段と、
前記スプール輸送条件判定手段によって絞り込まれた接地面候補の接地面を1投影面とし、スプールの重心の投影点を有するスプールの3面図を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【請求項22】
プラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報を入力する入力装置と、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報と配管の現地溶接点の情報に基づいて現地溶接点にて切断した配管スプールの図面を作成するスプール図作成支援処理装置を備えたスプール図作成支援装置において、
前記スプール図作成支援処理装置は、前記入力装置から入力されたプラント配管の3次元情報及び現地で据え付ける配管を構成する複数のスプールの溶接点の情報に基づいて前記配管を構成する複数のスプールをそれぞれ作成するスプール設定手段と、
前記スプール設定手段によってスプールの中心線から作成した最小の包含凸多面体の各面を前記スプールが接地される接地面の候補として作成するスプール接地面設定支援手段と、
前記スプール接地面設定支援手段で作成したスプールが接地すると仮定した平面について前記各スプールが接地する点列を包含する外包多角形が、スプールの重心点を該接地平面に投影した点を包含するか否かによって当該接地面で前記スプールが接地した場合のスプールの安定性を評価するスプール安定性判定手段と、
前記スプール安定性判定手段によって接地されるスプールが安定と評価されたぞれぞれの接地面におけるスプールを外包する最少直方体の高さ、長さ、幅を算出して輸送制約を満足する接地面候補に絞りこむスプール輸送条件判定手段と、
前記スプール輸送条件判定手段によって絞り込まれた接地面候補の接地面を底面とするスプールを包含する最小の直方体と該接地面を底面の平面として3D座標を等長変換したスプールの3Dデータ、および、スプールの重心と重心を該接地面に投影した点を作成するスプール3面図生成手段をそれぞれ備えていることを特徴とするスプール図作成支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−242984(P2012−242984A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111046(P2011−111046)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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