スペースユニットの取り付け方法及びスペースユニットの取り付け構造
【課題】 凹凸部分や他の配管類が配されるなどして、平坦な面の壁ではない場合でも、配管類をそのままにしてスペースユニットを組み立てることが正確で容易でしかも早く行うことができるスペースユニットの取り付け方法及び取り付け構造を提供すること。
【解決手段】 台所の壁に対してコ字状のスペーサを、高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように一方辺を壁に接して取り付けた後、
スペースユニットの側面板を、前記高さ方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けると共に、スペースユニットの天板を、前記幅方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付け、更にスペースユニットの正面板については、その側縁部と上縁部を前記高さ方向と幅方向に並べたコ字状スペーサの他方辺に取り付けてスペースユニットを組み立てた。
【解決手段】 台所の壁に対してコ字状のスペーサを、高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように一方辺を壁に接して取り付けた後、
スペースユニットの側面板を、前記高さ方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けると共に、スペースユニットの天板を、前記幅方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付け、更にスペースユニットの正面板については、その側縁部と上縁部を前記高さ方向と幅方向に並べたコ字状スペーサの他方辺に取り付けてスペースユニットを組み立てた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所等に新しいキッチンユニットを取り付けるため等に好適なスペースユニットの取り付け方法及びスペースユニットの取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一戸建て住宅やマンション等の建築物において、リフォーム、すなわち建物の一部分を新しく作り変えることは、日々頻繁に行われている。例えば、壁に棚や収納家具を新たに取り付ける場合から特定の部屋全体をリフォームする場合等様々なリフォームがある。その中でも特に、台所は、水道管、ガス管や排水管等が配されているために、大変な手間と時間がかかるリフォームといえる。台所のリフォームでは、元の台所のガス管や排水管等の管類を、新しく導入するキッチンユニットの管類と合わせなければならない作業が生じるが、そのために壁を壊したり、ガス配管の工事、水道配管の工事等が必要になるからである。
【0003】
そこで、元の台所の壁にあるガス管や排水管等の管類をそのままにして、その位置にスペースユニットを取り付けてから、新しいキッチンユニットを取り付けるものが既に開示されている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−189951号公報
【特許文献2】特開2006−6703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記文献1や2に記載された従来のスペースユニットは所定の大きさに定まったものであり、これではリフォームする場所において、柔軟に対応することはできない。すなわち、配管類が配された壁が何もない平坦面で構成されていれば、上記スペースユニットをそのまま入れることもできるが、実際には、凹凸部分や他の配管類が配されるなどして、平坦な面の壁ではなく、上記ユニットをそのまま配することができない場合がほとんどである。特に、一戸建て住宅の場合、既に他の配管類があったり、更に以前一度リフォームが行われた場所であれば、一層平坦な面とはなっていないことが多い。
また、スペースユニットを取り付けたる場所としては、部屋の場所や大きさに応じて取付け方や大きさの調整(使用する板の切断)等種々の要因があるが、これらに対応して正確で容易に早く組み立てる必要がある。
さらに、スペースユニットに棚を付け加えたい場合が生じるが、棚が構成部品として増えることにより、スペースユニットの組み立てに時間がかかったり、スペースユニットの長さに影響を与えたり、スペースユニットの形が崩れる等の問題を生じることがあった。
【0006】
そこで本発明の目的は、凹凸部分や他の配管類が配されるなどして、平坦な面の壁ではない場合でも、配管類をそのままにしてスペースユニットを組み立てることが正確で容易でしかも早く行うことができるスペースユニットの取り付け方法及び取り付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスペースユニットの取り付け方法と取り付け構造は、壁や柱や床上に、天板、側面板、正面板等のスペースユニットを取り付けるスペースユニットの取り付け方法において、壁や柱や床上に断面がコ字状又はL字状のスペーサを取り付けてから、このコ字状又はL字状のスペーサを基準にして、天板、側面板、正面板等のスペースユニットを取り付けることを特徴とする。
【0008】
もう少し具体的に説明すると、台所に壁付型のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法、或いは、壁付型キッチンから対面式キッチンにリフォームする際、元のキッチンユニットを除去して露出した配管類を覆い隠すためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法において、
台所の壁に対して、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成る断面がコ字状のスペーサを、高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように一方辺を壁に接して取り付けた後、
スペースユニットの側面板を、前記高さ方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けると共に、スペースユニットの天板を、前記幅方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付け、更にスペースユニットの正面板については、その側縁部と上縁部を前記高さ方向と幅方向に並べたコ字状スペーサの他方辺に取り付けてスペースユニットを組み立てることを特徴とする(段落番号[0028]〜[0037]、図1〜11の記載を参照)。
【0009】
また、上記スペーサについては、台所の壁に取り付ける一方辺が他方辺よりも長く形成されているスペーサを使用することもでき、スペースユニットの側面板と天板と正面板、及びスペーサの材質を木製に合わせることもできる(段落番号[0030]の記載を参照)。
【0010】
一方、本発明によれば、台所の壁に対して、直角を成す二辺を有する断面がL字状のスペーサを、高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、かつ、一辺が外側にくるようにもう一辺を壁に接して取り付けた後、
スペースユニットの側面板を、前記高さ方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けると共に、スペースユニットの天板を、前記幅方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付け、更にスペースユニットの正面板については、その側縁部と上縁部を前記高さ方向と幅方向に並べたL字状スペーサの一辺の端面に取り付けてスペースユニットを組み立てることもできる(段落番号[0030]、図22の記載を参照)。
【0011】
また、上記スペースユニットの取り付け構造についても注釈を加えると、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成り、かつ、台所の壁に対して高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、中央連結部分が外側にくるように一方辺を壁に接して取り付けられる断面コ字状のスペーサと;
前記高さ方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられる側面板、および前記幅方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられる天板、および前記高さ方向と幅方向に並べたコ字状スペーサの他方辺に側縁部と上縁部が取り付けられる正面板から成るスペースユニットとから構成し、
前記コ字状スペーサの配置を基準にスペースユニットを台所の壁に取り付けた構造を特徴とする(段落番号[0028]〜[0037]、図1〜11の記載を参照)。
【0012】
他方、本発明によれば、直角を成す二辺を有し、かつ、台所の壁に対して高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、一辺が外側にくるようにもう一辺を壁に接して取り付けられる断面L字状のスペーサと;
前記高さ方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けられる側面板、および前記幅方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けられる天板、および前記高さ方向と幅方向に並べたL字状スペーサの一辺の端面に側縁部と上縁部が取り付けられる正面板から成るスペースユニットとから構成し、
前記L字状スペーサの配置を基準にスペースユニットが台所の壁に取り付けた構造にも特徴がある(段落番号[0030]、図22の記載を参照)。
【0013】
本発明によれば、断面がコ字状又はL字状のスペーサを壁や柱等の所定箇所に取り付ける。スペーサを取り付ける姿勢は、縦でも横でも斜めでもよい。予期し得ない突起物があるときは、これを避けた位置に断面がコ字状又はL字状のスペーサを配する。そして、断面がコ字状又はL字状のスペーサを基準位置として、これに沿わせるように正面板、天板や側面板を順次取り付ければ、誰もが正確に容易に早くスペースユニットを取り付けることができる。
【0014】
本発明のスペースユニットの取り付け方法と取り付け構造は、水道管、ガス管や排水管等の管類が配設された壁を使用して新たなキッチンユニットを取り付けるに際して、元の水道管、ガス管や排水管等の配管類と新たなキッチンユニットの配管類と連結させるとともに、壁に断面がコ字状又はL字状のスペーサを取り付け、この断面がコ字状又はL字状のスペーサを基準にして、正面板、天板、側面板等のスペースユニットを取り付け、このスペースユニットに対して新しいキッチンユニットを取り付けることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、断面がコ字状又はL字状のスペーサを使用して、元の配管を避けるように取り付けたり、元の配管を挟むようにして所定箇所に取り付ける。スペーサの取り付ける姿勢は、縦でも横でも斜めでもよい。そして、断面がコ字状又はL字状のスペーサを基準位置として、これに沿わせるように正面板、天板や側面板を順次取り付けて行けばよい。したがって、予期し得ない突起物があっても、これを避けた位置に断面がコ字状又はL字状のスペーサを配したり、元の配管を挟むことで、元の配管を保持したり保護することもでき、誰もが正確に容易に早くスペースユニットを取り付けることができる。
【0016】
新たなキッチンユニットを取り付けるに際して、元の水道管、ガス管や排水管等の配管類と新たなキッチンユニットの配管類とを床下を介して連結させるとともに、新しいキッチンユニットを取り付ける所定の位置に断面がコ字状又はL字状のスペーサを配して、これを基準にして、正面板、天板、側面板等のスペースユニットを取り付け、このスペースユニットに対して新しいキッチンユニットを取り付けることを特徴とする。また、本発明のスペースユニットの取り付け方法と取り付け構造は、水道管、ガス管や排水管等の管類が配設された壁を使用して新たなキッチンユニットを取り付けるに際して、元の水道管、ガス管や排水管等の配管類と新たなキッチンユニットの配管類とを床下を介して連結させるとともに、元の水道管、ガス管や排水管等の配管類が配された壁に断面がコ字状又はL字状のスペーサを取り付け、この断面がコ字状又はL字状のスペーサを基準にして、正面板、天板、側面板等の第1のスペースユニットを取り付け、新しいキッチンユニットを取り付ける所定の位置にも断面がコ字状又はL字状のスペーサを配して、これを基準にして、正面板、天板、側面板等の第2のスペースユニットを取り付け、第2のスペースユニットに対して新しいキッチンユニットを取り付けることを特徴とする。
【0017】
もう少し具体的に説明すると、台所に対面式のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するための第2のスペースユニットを、台所の壁等に取り付ける方法において、
台所の壁等に対して、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成る断面がコ字状のスペーサを、高さ方向に複数並べた状態で、かつ、中央連結部分が壁に接するように取り付け、更にこれらのスペーサの一方辺に、スペースユニットの二枚ある正面板の内の一枚を取り付ける一方、
正面板の反対側の側縁部にも、コ字状のスペーサを高さ方向に並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように取着して、これらのスペーサの中央連結部分に接するようにスペースユニットの側面板を取り付け、
更に前記正面板の上縁部に対しても、コ字状のスペーサを中央連結部分が上側にくるように取着して、これらのスペーサの中央連結部分と接するようにスペースユニットの天板を取り付け、
そして、前記正面板の側縁部および上縁部に取着したコ字状スペーサの他方辺に、スペースユニットのもう一枚の正面板を取り付けてスペースユニットを組み立てることを特徴とする(段落番号[0038]〜[0043]、図12〜19の記載を参照)。
【0018】
また、上記スペースユニットの取り付け構造についてもう少し具体的に説明すると、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成り、かつ、高さ方向に複数並べた状態で、中央連結部分が壁に接するように取り付けられる断面コ字状のスペーサと;これらのスペーサの一方辺に取り付けられるスペースユニットの正面板と;この正面板の反対側の側縁部に、高さ方向に並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように取着されるコ字状のスペーサと;これらのスペーサの中央連結部分に接するように取り付けられるスペースユニットの側面板と;前記正面板の上縁部に対して、中央連結部分が上側にくるように取着されるコ字状のスペーサと;これらのスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられるスペースユニットの天板と;前記正面板の側縁部および上縁部に取着されたスペーサの他方辺に取り付けられるもう一枚の正面板とから構成し、
前記コ字状スペーサの配置を基準にスペースユニットを台所の壁に取り付けた構造に特徴がある(段落番号[0038]〜[0043]、図12〜19の記載を参照)。
【0019】
本発明によれば、上記配管類を床下を介して所定位置でスペースユニットを組み立てるか、又は、台所の壁に第1のスペースユニットを取り付け、上記配管類を床下を介して所定位置で第2のスペースユニットを組み立ててから、新しいキッチンユニット側の配管類を覆い隠し、第2のスペースユニットに対して新しいキッチンユニットに連結させることで、上記配管類を露出させることなく、壁付型キッチン(クローズドキッチン)から対面式キッチン(オープンキッチン、アイランドキッチン)に正確に早くリフォームできる。
【0020】
本発明のスペースユニットの取り付け構造は、前記スペースユニットに中間天板を介して棚を付け加えることができるもので、この棚は、前記天板の下方に位置する中間天板にガイド溝が形成されるとともに、中間天板のガイド溝に沿って移動する棚台を備え、この棚台をガイド溝に沿って移動させることでその長さを調節してから、中間天板、天板や正面板の長さを調節することを特徴とする。
【0021】
もう少し具体的に説明すると、スペースユニットに、上面にガイド溝が形成された中間天板を使用して、この中間天板を幅方向に並べたスペーサ上に取り付ける一方、
前記中間天板の上側には、ガイド溝に沿って移動する複数の棚台を載置し、更にこれらの棚台の上側にもう一枚、天板を取り付けてスペースユニットを構成した点を特徴とする(段落番号[0041]、図17〜19の記載を参照)。
【0022】
本発明によれば、前記スペースユニットに棚を付け加えるに際して、棚の長さを調節。することができる。なお、中間天板、天板や正面板の長さを調節、つまり切断しても良く、中間天板、天板や正面板の長さを調節してから、これに合わせるように棚の長さを調節
しても良い。
【0023】
本発明のスペースユニットの取り付け構造は、前記コ字状のスペーサは、コ字状の側面に四角形状のスペーサを嵌め込んで各板の裏面と接するように取り付けたり、壁、柱や床と接するように取付けることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、前記コ字状のスペーサは、コ字状の側面に四角形状のスペーサを嵌め込むことで、コ字状のスペーサの強度を高めるとともに、各板との接触面を増やすことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、断面がコ字状又はL字状のスペーサと、天板、側面板、正面板等のスペースユニットをセットして現場に持ち込んで、断面がコ字状又はL字状のスペーサを基準位置として正面板、天板や側面板を順次取り付けて行けばよいので、取り付ける対象の壁や柱に予期し得ない突起物があっても、これを避けた位置に断面がコ字状又はL字状のスペーサを配することにより、誰もが正確で、容易に、しかも早くスペースユニットを取り付けることが可能になる。また、台所の壁に配された配管類を床下に通すとともに、所定位置に第2のスペースユニットを断面がコ字状又はL字状のスペーサを使用して組み立て、これに新しいキッチンユニットに連結させることで、上記配管類を露出させずに、壁付型キッチン(クローズドキッチン)から対面式キッチン(オープンキッチン)に容易にリフォームできる。特に、断面がコ字状のスペーサは、ガス管や連結管等の配管類を挟み込むことで、配管類を保護しながら、その姿勢の安定性を確保するとともに、正面板、天板や側面板をこのスペーサの各面を使用して、これを基準にして、正確で、容易に、しかも早く組み立てることに大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、上から見た古い台所の配置を模式的に示す背面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、古い台所を除去した状態の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、連結管を取り付けた状態の図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板を取り付けた状態の図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、側面板を取り付けた状態の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、正面板を取り付けた状態の図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、新しいキッチンユニットを取り付けた状態の図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、上から見た古い台所の配置を模式的に示す背面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、古い台所を除去した状態の斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、連結管を取り付けた状態の図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板、側面板、正面板を取り付けた状態の図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、上から見た新しいキッチンユニットの配置を模式的に示す背面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板を取り付けた状態の図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、棚を取り付けた状態の図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板を取り付けた状態の図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、上から見た新しいキッチンユニットの配置を模式的に示す図である。
【図17】上記第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板を取り付けた状態の図である。
【図18】上記第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、棚を取り付けた状態の図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板を取り付けた状態の図である。
【図20】本発明の断面がコ字状又はL字状のスペーサの例を説明する図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその正面図であり、(c)はその側面図であり、(d)はその平面図である。
【図21】本発明の断面がコ字状又はL字状のスペーサの例を説明する図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその正面図であり、(c)はその側面図であり、(d)はその平面図である。
【図22】本発明の断面がコ字状又はL字状のスペーサの例を説明する図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその正面図であり、(c)はその側面図であり、(d)はその平面図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態に使用する棚の棚台を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して詳細に述べる。
【0028】
(第1の実施形態)
本実施の形態は、一戸建て住宅の壁付型キッチン(クローズドキッチン)のリフォームに際して本発明を適用したものであり、図1は、上から見た台所の配置を模式的に示す背面図である。また、図2は、矢印Va方向から台所を見た斜視図である。本実施の形態では、断面がコ字状又はL字状のスペーサP1,P2と、天板St1、側面板Sr、正面板Ss1等のスペースユニットをセットして現場に持ち込んで行うものである(図6)。
まず、元の台所ユニットKnを除去すると(図2)、元のガス配管Gm、水道配管Wmや排水管Hm等の配管類は、台所の壁Dに埋め込まれていることが多い。通常、新たなキッチンユニットSnを取り付けるに際しては、この新たなキッチンユニットSnとの配管類Gm,Wm,Hmの接続のために、台所の壁Dに埋め込まれているガス配管Gmや水道配管Hm等も新たに取り付け直す必要がある。しかし、これでは水道業者やガス事業、更には大工の手も必要になり、作業が大掛かりとなる。そこで、新たなキッチンユニットSnを取り付けるに際して(図7参照)、元の配管類Gm,Wm,Hmが配されている箇所に、スペースユニットSs,St,Srを取り付けてから新しいキッチンユニットSnを取り付ける。
【0029】
元のガス配管Gm等の配管類Gm,Wm,Hmには、連結管Rを取り付ける(図3)。連結管Rは、ゴム製やステンレス製のもので、その一方側を元のガス配管Gmや水道配管Hmに取り付ける。連結管Rは、連結相手の配管類の種類に応じて使い分けると良い。連結管Rの他方側は、キッチンユニットSnのガス管Gmや水道管Wmと連結させるが、ここでは、まず連結管Rの一方側のみ元の水道管Wm、ガス配管Gmや排水管Hmに連結管Rを取り付ける。ガス配管Gm等においては、連結管Rを必ずしも使用しなくとも良いものもある。なお、食器洗い洗浄機器を新たに取り付ける場合は、その配管も同時に行うと良い。また、電源コンセント等を新しいキッチンユニットSnに取り付ける場合は、これを引き伸ばした状態にしたり、連結が必要な場合は、接続コードを使用して接続する。本実施の形態では、水道管として、吸水管W1と給湯管W2との2本が配されているものを例に説明している(図2)。
【0030】
次に、台所の壁Dに、断面がコ字状やL字状のスペーサを取り付ける(図4)。断面がコ字状又はL字状のスペーサとしては、コ字状のスペーサP1A(図20)、コ字状の側面に四角形状のスペーサPdを嵌め込んでコ字状部分が補強されたコ字状のスペーサP1B(図21)、コ字状のスペーサに予めねじ穴加工が施されたコ字状のスペーサP1C(図22(a))、一体加工されたL字状のスペーサP2(図22(b))、コ字状の長さを等しくしたコ字状のスペーサP3(図22(c))等が考えられる。本実施の形態のスペーサは、いずれも木製であり、これは天板St、側面板Srと正面板Ssが木製であることに対応させている。断面がコ字状又はL字状のスペーサP1(A〜C),P2,P3は、いずれも木製板を組み合わせて直角部分(90度)がだせるように組み合わせられている。したがって、2組以上のコ字状又はL字状のスペーサP1(A〜C),P2,P3を各々組み合わせて使用したり、コ字状のスペーサP1(P1A,P1B,P1C)とL字状のスペーサP2とを組み合わせて使用しても良い。なお、コ字状又はL字状のスペーサP1(A〜C),P2,P3は、金属製や樹脂製のものとして使用することも可能である。図20に示すコ字状のスペーサP1Aは、対向する一方辺Paが他方辺Pbよりも長く形成されている。長い方の辺Paを壁Dや床Faや各板の背面等に向けて使用することで、取り付け姿勢が安定すると共に、視覚確認の状態を良好にして取り付ける工夫である。また、長い方の辺Paに壁D等への取り付けのためのネジ孔を形成し、短い方の辺Pbに配管類の移動を防止するためのネジ孔を形成して使用することもできる。また、一方辺Paと他方辺Pbには、ネジを通すネジ孔n1,n2が形成されている。いずれも壁D等への取り付けとして使用できるが、一方辺Paのネジ孔n1は、壁Dへの取り付けとして使用し、他方辺Pbのネジ孔n2は、挟み込む配管類の固定のために使用しても良い。なお、コ字状のスペーサP3は、図21に示すように、一方辺Paと他方辺Pbとが同じ長さのものを使用することも可能である。また、コ字状又はL字状のスペーサP1(A〜C),P2,P3は、斜めに取り付けても良い。ネジ孔n2にネジを通して壁Dに容易に取り付けることができる。そして、ネジを介してコ字状又はL字状のスペーサP1(A〜C),P2,P3を適宜回転させれば、水平姿勢や垂直姿勢等を得ることができる。
【0031】
コ字状のスペーサP1A,P1B,P1Cは、例えば、天板Stの取り付けに際しては、コ字状の中央連結部分Peを上にして天板Stの裏面と接するように取り付けたり(図5の右上の符号P1Aを参照)、又、側面板Srの取り付けに際しては、コ字状の中央連結部分Peを横にして側面板Srの裏面と接するように取り付けたり(図6の右下の符号P1Aを参照)、又、コ字状の中央連結部分Peを下にして台所等の壁に取り付けたり(図6の左下の符号P1Cを参照)、又、対向する一方辺Paと他方辺Pbを台所の壁D1か又は正面板Ssの裏面と接するように取り付けることができる。また、対向する一方辺Paと他方辺Pbとの間に四角形状のスペーサPdを嵌め込んで面一な面を更に形成して(図21(c))、側面板Srの裏面等や、又、壁Dや床(面)Fa等と接するように取り付けることもできる。そして、上記四角形状のスペーサPdに壁D等への取り付けのためのネジ孔を形成したり、配管類の移動を防止するためのネジ孔を形成して使用することもできる。このような多様な使用が可能であり、これにより、天板Stや側面板Sr等を垂直姿勢を維持して取り付けることができるとともに、いずれの姿勢も容易にかつ正確に取り付けることができる。
【0032】
本実施の形態では、正面板Ss、天板St、左右の側面板Srのスペースユニットを取り付けるので、天板Ssの取り付けに際しては、コ字状のスペーサP1Aのコ字状の中央連結部分Peを上にして天板Ssの裏面と接するように取り付けたり、又、側面板Srの取り付けに際しては、コ字状の中央連結部分Peを横にして側面板Srの裏面と接するように取り付ける。ここで、一方の側面板Srの側の下方のスペーサP1Cは、その中央の連結部分Peを下、つまり床面Faと接触するようにしているが、この状態で床Faとねじやビスで固定したり、接着剤で固定する方法もある。なお、本実施の形態では、図4と図5に示すように、側方の壁K側には、側面板Srはないが、この側方の壁K側に側面板Srを取り付けても問題ない。
【0033】
L字状のスペーサP2の場合は、その短辺側の一辺Pmを上にして天板Ssを水平に取り付けたり、その短辺側の一辺Pmを横にして側面を取り付けたり、又、その長辺側の一辺Pnを上にして天板Ssを水平に取り付けたり、その長辺側の一辺Pmを横にして側面板Srを取り付けたりする。
【0034】
台所の壁Dには、上記配管類Gm,Wm,Hmがいくつか張り巡らさせることになるが、断面がコ字状又はL字状のスペーサP1,P2,P3を使用して、配管類Gm,Wm,Hmをコ字状部分で挟んだ状態で固定することができ、配管類Gm,Wm,Hmの安定性を図りながら取り付けられる(図5の符号Py参照)。また、コ字状のスペーサP1の中央連結部分PeやL字状のスペーサP2の一方の辺に対して上記配管類Gm,Wm,Hmを押し当てるようにして、上記配管類の位置ずれが生じないようにすることもできる(図5の符号Pz参照)。そして、正面板Ssや天板Stや側面板Srを取り付ける。このような取り付けに対してコ字状のスペーサP1は柔軟に対応して取り付けることができる。そして、天板Ssと左右の側面板Srを取り付けてから、正面板Ssを取り付ける。正面板Ssの取り付けに際しては、コ字状のスペーサP1の他辺を正面板Ssの裏面と接触させて接着剤やネジ等を使用して、容易に正面板Ssを取り付けることができる。正面板Ssを取り付けると、排水管Hmを除き、新しいキッチンユニットSnの上方側の上記配管類Gm,Wmを見えなくすることができる。
【0035】
上記正面板等のスペースユニットSs,St,Srを取り付けた後は、このスペースユニットSs,St,Srに対して新しいキッチンユニットSnを取り付ける(図7)。この際、新しいキッチンユニットSnの配管類(ガス管や排水管等)と上記連結管Rの他方と連結させた状態する。このように取り付けると、台所の壁Dが凹凸部分や他の配管類が配されるなどして、平坦な面の面壁ではない場合でも、配管類Gm,Wm,HmをそのままにしてスペーサスユニットSs,St,Srを早く容易にしかも正確に組み立てることができる。
【0036】
(第2の実施形態)
本実施の形態は、壁付型キッチン(クローズドキッチン)から対面式キッチン(オープンキッチン)へのリフォームに際して本発明を適用したものであり、図8は、上から見た台所の配置を模式的に示す図である。また、図9は、矢印Va方向から台所を見た斜視図である。元の台所ユニットKnを除去して(図9)、露出した元の水道管Wm、排水管Hm,ガス管Gm等の配管類Wm,Hm,Gmには、連結管Rを取り付ける(図10)。連結管Rの他方側は、床下Fbを介して新しいキッチンユニットSnの水道管Wn、排水管Hn,ガス管Gnと連結させる(図10)。なお、新しいキッチンユニットSnがガスを使用しない場合には、元のガス配管Gmを閉栓すれば足りる。
【0037】
次に、台所の壁Dに、断面がコ字状のスペーサP1A,P1Bを取り付け(図10)、天板St1、側面板Sr1、正面板Ss1を取り付け、床下Fbの床板を元に戻して、配管類Wm,Hm,Gm等を完全に見えなくする(図11)。第1の壁D1である台所の壁(窓M側の壁)D1に向かって取り付けられていた元の台所ユニットKnを除去し、露出した元の水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmは、第1のスペースユニットである天板St1、側面板Sr1、正面板Ss1により覆う。つまり、断面がコ字状のスペーサP1A,P1Bの厚さ分で元の水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmを第1のスペースユニットSt1,Sr1,Ss1で覆われ、すっきりとした外観となる(図11)。
【0038】
図12は、上から見た新しいキッチンユニットSnの配置を模式的に示す図である。また、図13は、矢印Va方向から台所を見た斜視図である。水道管Wnや排水管Hn等の配管類(或いは連結管R)は、床下に配設されている(床下の水道管Wnや排水管Hnと、床上の水道管Wmや排水管Hm等の配管類は符号を異ならせてある)。本実施の形態では、第1の壁D1と居間との間には、第2の壁D2が立設しており、第2の壁D2を利用して第2のスペースユニットSt2,Sr2,Ss2を組み立てる。すなわち、第2のスペースユニットSt2,Sr2,Ss2の左右の側面板Sr2は、一枚のみ第2の壁D2とは反対側に使用して、第2の壁D2側は断面がコ字状のスペーサP1A,P1Bを当接させるようにする。第2のスペースユニットSt2,Sr2,Ss2を組み立てる場合には、断面がコ字状のスペーサP1Cを床と当接させ、これを基準に左右のうちの一方の側面板Sr2を取り付ける。また、第2の壁D2に対しては、断面がコ字状のスペーサP1Cを第2の壁D2に接触させるようにする。そして、正面板Ss2,Ss2を取り付ける。ここで、第2の壁D2の代用としては、柱や、食器棚ユニットや換気扇が組み込まれたユニット等を使用できる。なお、第2の壁D2やこれらの代用を使用せずに、第2のスペースユニットのみを所定位置に組み立て、この第2のスペースユニットを基準に新しいキッチンユニットSnを取り付けることもできる。
【0039】
本実施の形態では、第2のスペースユニットは、1枚の天板St2と、一枚の側面板Sr2と、2枚の正面板Ss2,Ss3を使用する。そして、上記スペーサP1A,P1B,P1Cを介して、連結管Rにより連結される新しいキッチンユニットSnの水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmを覆い隠す(図14)。すなわち、新しいキッチンユニットSn側の正面板Ss2に沿うようにして立ち上げ、この正面板Ss2と隣り合わせになる新しいキッチンユニットSnと連結させる(図15)。上記正面板Ss2を使用せずに、上記水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmを新しいキッチンユニットSnの背面に沿うようにして立ち上げることも可能である。
【0040】
ここで、新たなキッチンユニットを取り付ける場所、つまりリフォームする場所は、台所や台所から連続するリビングや居間とは限らず、これら以外の場所になることがある。特に近年流行の対面式のキッチンユニットにおいては、もともと台所等ではなかった箇所にも新たなキッチンユニットが取り付けられる場合がある。また、上記第2の壁D2が存在しないような場所でも新たなキッチンユニットが取り付けられる場合がある。このような場合において、床下に通された水道管Wnや排水管Hn等の配管類(或いは連結管R)を所定箇所まで連結環Rにより連結して引き出す。引き出したところで、上記スペーサP1A,P1B,P1Cは、連結管Rにより連結される新しいキッチンユニットSnの水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmを覆い隠す(図13)。すなわち、新しいキッチンユニットSn側の正面板Ss2に沿うようにして立ち上げ、この正面板Ss2と隣り合わせになる新しいキッチンユニットSnと連結させる。なお、上記正面板Ss2を使用せずに、上記水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmを新しいキッチンユニットSnに沿うようにして立ち上げることも可能である。大、中、小のものを用意しておけば、上記第2のスペースユニットの奥行き(正面板と正面板の間の間隔)を簡単に変えつつ、その所定の大きさのスペーサP1A,P1B,P1Cを基準にして、これに沿わせるように正面板Ss2,Ss3、天板St2や側面板Sr2を順次取り付ければ、誰もが正確に容易にそして早く第2のスペースユニットを取り付けることができる。
【0041】
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、上記第2の実施の形態の第2のスペースユニットSt2,Sr2,Ss2に対して棚Tを加えたものである。図16は、新しいキッチンユニット(対面式)Snを所定位置に備え付けるに際して、第2のスペースユニットの正面板Ss2と側面板Sr2等を組み立てて、管類を取り付けた状態の図である。図18と図19は、棚を加えた第2のスペースユニットの取り付け方を説明する図である。
棚Tは、左右一組の棚台T1,T1と、第2の天板(中間天板)St22と奥板Taとにより構成されている(図23、図17)。また、必要に応じて調整用背板Tbを使用する。左右一組の棚台T1,T1は、奥板Taを有する断面コ字状のもので、奥板Taの先端部Ta1が突出して、第2の天板(中間天板)St22に形成されたガイド溝Stwに沿って移動する構成である。中間天板St22には、左右一組の棚台T1,T1が、それぞれ棚台T1から下方向に突出した奥板Taを介してガイド溝Stwに移動自在に取り付けられ、左右一組の棚台T1,T1の間には、調整用背板Tbが同じくガイド溝Stwに取り付けられている(図16)。調整用背板Tbは、第2のスペースユニットの天板St3の長さに合わせて、現場で適宜調整用背板Tbの長さを加工する。左右一組の棚台T1とT1を合わせた長さが、天板St3の長さに対応していれば、調整用背板Tbは、なくしてもよい。このようにして、棚Tの長さを決定してから、これに合わせて2枚の正面板Ss2,Ss3や第1と第2の天板St22,St3の長さを決定して、短くなる場合はこれらを切断する。したがって、台所や居間の部分をリフォームする際に、これらの部屋の実情に合わせて第2のスペースユニットSt22,Ss2,Ss3等の大きさを調節することができる。そして、天板St3を取り付ければ、第2のスペースユニットとなる(図19)。なお、上述した第1の実施の形態にも、上記棚Tを加え、この棚Tの長さを調節するとともに、これに合わせて天板St1や正面板Ss1の長さを調節することもできるものである。
【0042】
ここで、コ字状のスペーサP1(A〜C)は柔軟に対応して種々の取り付け方があるが、一方の側面板Sr22の側の下方のスペーサP1Cは、その中央の連結部分Peを下、つまり床面Faと接触するようにしたり、第2の壁D2に対して接触するコ字状のスペーサP1Aは、その中央の連結部分を横、つまり第2の壁D2と接触するように取り付けることが可能である。中央の連結部分Peを床面Faや第2の壁D2とねじやビスで固定したり、接着剤で固定することが行い易くなるからである。そして、上記天板St1や正面板Ss1の長さ調節の際の仮位置固定に際しても、その役割を十分に果たす歯こととなる。
【0043】
以上、本実施の形態では一戸建て住宅の台所のリフォームについて説明したが、マンションの台所等にも適用可能なものである。また、台所のリフォームに際して新しいキッチンユニットSnを取り付ける例で説明したが、壁や柱等にスペースユニットSs,St,Sr(正面板Ss、側面板Sr、天板Stのうちのいずれか一つの取り付けでも良い。)を取り付けるリフォームにも適用可能である。また、壁や柱等がない箇所に単にスペースユニットSs,St,Sr(正面板Ss、側面板Sr、天板Stのうちのいずれか一つの取り付けでも良い。)を取り付けるリフォームにも適用可能である。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0044】
D 台所の壁(第1の壁)
Kn 古い台所ユニット(キッチンユニット)
Sn 新しい台所ユニット(キッチンユニット)
St 天板(スペースユニット)
Sr 側面板(スペースユニット)
Ss 正面板(スペースユニット)
St1 天板(第1のスペースユニット)
Sr1 側面板(第1のスペースユニット)
Ss1 正面板(第1のスペースユニット)
St2,St3,St22,St23 天板(第2のスペースユニット)
St22 第2の天板(中間天板)
Sr2,Sr22 側面板(第2のスペースユニット)
Ss2,Ss3,Ss22,Ss23 正面板(第2のスペースユニット)
P1,P1A,P1B,P1C コ字状のスペーサ
P2 L字状のスペーサ
Pa コ字状のスペーサの一方辺
Pb コ字状のスペーサの他方辺
Pe コ字状のスペーサのコ字状の中央連結部分
Pn L字状のスペーサの短辺側の一辺
Pn L字状のスペーサの長辺側の一辺
R 連結管
Gm,Wm,Hm 配管類
Wm 水道管
Gm ガス管
Hm 排水管
T 棚
T1 棚台
Ta 奥板
Ta1 奥板の先端
Stw ガイド溝、
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所等に新しいキッチンユニットを取り付けるため等に好適なスペースユニットの取り付け方法及びスペースユニットの取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一戸建て住宅やマンション等の建築物において、リフォーム、すなわち建物の一部分を新しく作り変えることは、日々頻繁に行われている。例えば、壁に棚や収納家具を新たに取り付ける場合から特定の部屋全体をリフォームする場合等様々なリフォームがある。その中でも特に、台所は、水道管、ガス管や排水管等が配されているために、大変な手間と時間がかかるリフォームといえる。台所のリフォームでは、元の台所のガス管や排水管等の管類を、新しく導入するキッチンユニットの管類と合わせなければならない作業が生じるが、そのために壁を壊したり、ガス配管の工事、水道配管の工事等が必要になるからである。
【0003】
そこで、元の台所の壁にあるガス管や排水管等の管類をそのままにして、その位置にスペースユニットを取り付けてから、新しいキッチンユニットを取り付けるものが既に開示されている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−189951号公報
【特許文献2】特開2006−6703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記文献1や2に記載された従来のスペースユニットは所定の大きさに定まったものであり、これではリフォームする場所において、柔軟に対応することはできない。すなわち、配管類が配された壁が何もない平坦面で構成されていれば、上記スペースユニットをそのまま入れることもできるが、実際には、凹凸部分や他の配管類が配されるなどして、平坦な面の壁ではなく、上記ユニットをそのまま配することができない場合がほとんどである。特に、一戸建て住宅の場合、既に他の配管類があったり、更に以前一度リフォームが行われた場所であれば、一層平坦な面とはなっていないことが多い。
また、スペースユニットを取り付けたる場所としては、部屋の場所や大きさに応じて取付け方や大きさの調整(使用する板の切断)等種々の要因があるが、これらに対応して正確で容易に早く組み立てる必要がある。
さらに、スペースユニットに棚を付け加えたい場合が生じるが、棚が構成部品として増えることにより、スペースユニットの組み立てに時間がかかったり、スペースユニットの長さに影響を与えたり、スペースユニットの形が崩れる等の問題を生じることがあった。
【0006】
そこで本発明の目的は、凹凸部分や他の配管類が配されるなどして、平坦な面の壁ではない場合でも、配管類をそのままにしてスペースユニットを組み立てることが正確で容易でしかも早く行うことができるスペースユニットの取り付け方法及び取り付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスペースユニットの取り付け方法と取り付け構造は、壁や柱や床上に、天板、側面板、正面板等のスペースユニットを取り付けるスペースユニットの取り付け方法において、壁や柱や床上に断面がコ字状又はL字状のスペーサを取り付けてから、このコ字状又はL字状のスペーサを基準にして、天板、側面板、正面板等のスペースユニットを取り付けることを特徴とする。
【0008】
もう少し具体的に説明すると、台所に壁付型のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法、或いは、壁付型キッチンから対面式キッチンにリフォームする際、元のキッチンユニットを除去して露出した配管類を覆い隠すためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法において、
台所の壁に対して、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成る断面がコ字状のスペーサを、高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように一方辺を壁に接して取り付けた後、
スペースユニットの側面板を、前記高さ方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けると共に、スペースユニットの天板を、前記幅方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付け、更にスペースユニットの正面板については、その側縁部と上縁部を前記高さ方向と幅方向に並べたコ字状スペーサの他方辺に取り付けてスペースユニットを組み立てることを特徴とする(段落番号[0028]〜[0037]、図1〜11の記載を参照)。
【0009】
また、上記スペーサについては、台所の壁に取り付ける一方辺が他方辺よりも長く形成されているスペーサを使用することもでき、スペースユニットの側面板と天板と正面板、及びスペーサの材質を木製に合わせることもできる(段落番号[0030]の記載を参照)。
【0010】
一方、本発明によれば、台所の壁に対して、直角を成す二辺を有する断面がL字状のスペーサを、高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、かつ、一辺が外側にくるようにもう一辺を壁に接して取り付けた後、
スペースユニットの側面板を、前記高さ方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けると共に、スペースユニットの天板を、前記幅方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付け、更にスペースユニットの正面板については、その側縁部と上縁部を前記高さ方向と幅方向に並べたL字状スペーサの一辺の端面に取り付けてスペースユニットを組み立てることもできる(段落番号[0030]、図22の記載を参照)。
【0011】
また、上記スペースユニットの取り付け構造についても注釈を加えると、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成り、かつ、台所の壁に対して高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、中央連結部分が外側にくるように一方辺を壁に接して取り付けられる断面コ字状のスペーサと;
前記高さ方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられる側面板、および前記幅方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられる天板、および前記高さ方向と幅方向に並べたコ字状スペーサの他方辺に側縁部と上縁部が取り付けられる正面板から成るスペースユニットとから構成し、
前記コ字状スペーサの配置を基準にスペースユニットを台所の壁に取り付けた構造を特徴とする(段落番号[0028]〜[0037]、図1〜11の記載を参照)。
【0012】
他方、本発明によれば、直角を成す二辺を有し、かつ、台所の壁に対して高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、一辺が外側にくるようにもう一辺を壁に接して取り付けられる断面L字状のスペーサと;
前記高さ方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けられる側面板、および前記幅方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けられる天板、および前記高さ方向と幅方向に並べたL字状スペーサの一辺の端面に側縁部と上縁部が取り付けられる正面板から成るスペースユニットとから構成し、
前記L字状スペーサの配置を基準にスペースユニットが台所の壁に取り付けた構造にも特徴がある(段落番号[0030]、図22の記載を参照)。
【0013】
本発明によれば、断面がコ字状又はL字状のスペーサを壁や柱等の所定箇所に取り付ける。スペーサを取り付ける姿勢は、縦でも横でも斜めでもよい。予期し得ない突起物があるときは、これを避けた位置に断面がコ字状又はL字状のスペーサを配する。そして、断面がコ字状又はL字状のスペーサを基準位置として、これに沿わせるように正面板、天板や側面板を順次取り付ければ、誰もが正確に容易に早くスペースユニットを取り付けることができる。
【0014】
本発明のスペースユニットの取り付け方法と取り付け構造は、水道管、ガス管や排水管等の管類が配設された壁を使用して新たなキッチンユニットを取り付けるに際して、元の水道管、ガス管や排水管等の配管類と新たなキッチンユニットの配管類と連結させるとともに、壁に断面がコ字状又はL字状のスペーサを取り付け、この断面がコ字状又はL字状のスペーサを基準にして、正面板、天板、側面板等のスペースユニットを取り付け、このスペースユニットに対して新しいキッチンユニットを取り付けることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、断面がコ字状又はL字状のスペーサを使用して、元の配管を避けるように取り付けたり、元の配管を挟むようにして所定箇所に取り付ける。スペーサの取り付ける姿勢は、縦でも横でも斜めでもよい。そして、断面がコ字状又はL字状のスペーサを基準位置として、これに沿わせるように正面板、天板や側面板を順次取り付けて行けばよい。したがって、予期し得ない突起物があっても、これを避けた位置に断面がコ字状又はL字状のスペーサを配したり、元の配管を挟むことで、元の配管を保持したり保護することもでき、誰もが正確に容易に早くスペースユニットを取り付けることができる。
【0016】
新たなキッチンユニットを取り付けるに際して、元の水道管、ガス管や排水管等の配管類と新たなキッチンユニットの配管類とを床下を介して連結させるとともに、新しいキッチンユニットを取り付ける所定の位置に断面がコ字状又はL字状のスペーサを配して、これを基準にして、正面板、天板、側面板等のスペースユニットを取り付け、このスペースユニットに対して新しいキッチンユニットを取り付けることを特徴とする。また、本発明のスペースユニットの取り付け方法と取り付け構造は、水道管、ガス管や排水管等の管類が配設された壁を使用して新たなキッチンユニットを取り付けるに際して、元の水道管、ガス管や排水管等の配管類と新たなキッチンユニットの配管類とを床下を介して連結させるとともに、元の水道管、ガス管や排水管等の配管類が配された壁に断面がコ字状又はL字状のスペーサを取り付け、この断面がコ字状又はL字状のスペーサを基準にして、正面板、天板、側面板等の第1のスペースユニットを取り付け、新しいキッチンユニットを取り付ける所定の位置にも断面がコ字状又はL字状のスペーサを配して、これを基準にして、正面板、天板、側面板等の第2のスペースユニットを取り付け、第2のスペースユニットに対して新しいキッチンユニットを取り付けることを特徴とする。
【0017】
もう少し具体的に説明すると、台所に対面式のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するための第2のスペースユニットを、台所の壁等に取り付ける方法において、
台所の壁等に対して、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成る断面がコ字状のスペーサを、高さ方向に複数並べた状態で、かつ、中央連結部分が壁に接するように取り付け、更にこれらのスペーサの一方辺に、スペースユニットの二枚ある正面板の内の一枚を取り付ける一方、
正面板の反対側の側縁部にも、コ字状のスペーサを高さ方向に並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように取着して、これらのスペーサの中央連結部分に接するようにスペースユニットの側面板を取り付け、
更に前記正面板の上縁部に対しても、コ字状のスペーサを中央連結部分が上側にくるように取着して、これらのスペーサの中央連結部分と接するようにスペースユニットの天板を取り付け、
そして、前記正面板の側縁部および上縁部に取着したコ字状スペーサの他方辺に、スペースユニットのもう一枚の正面板を取り付けてスペースユニットを組み立てることを特徴とする(段落番号[0038]〜[0043]、図12〜19の記載を参照)。
【0018】
また、上記スペースユニットの取り付け構造についてもう少し具体的に説明すると、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成り、かつ、高さ方向に複数並べた状態で、中央連結部分が壁に接するように取り付けられる断面コ字状のスペーサと;これらのスペーサの一方辺に取り付けられるスペースユニットの正面板と;この正面板の反対側の側縁部に、高さ方向に並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように取着されるコ字状のスペーサと;これらのスペーサの中央連結部分に接するように取り付けられるスペースユニットの側面板と;前記正面板の上縁部に対して、中央連結部分が上側にくるように取着されるコ字状のスペーサと;これらのスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられるスペースユニットの天板と;前記正面板の側縁部および上縁部に取着されたスペーサの他方辺に取り付けられるもう一枚の正面板とから構成し、
前記コ字状スペーサの配置を基準にスペースユニットを台所の壁に取り付けた構造に特徴がある(段落番号[0038]〜[0043]、図12〜19の記載を参照)。
【0019】
本発明によれば、上記配管類を床下を介して所定位置でスペースユニットを組み立てるか、又は、台所の壁に第1のスペースユニットを取り付け、上記配管類を床下を介して所定位置で第2のスペースユニットを組み立ててから、新しいキッチンユニット側の配管類を覆い隠し、第2のスペースユニットに対して新しいキッチンユニットに連結させることで、上記配管類を露出させることなく、壁付型キッチン(クローズドキッチン)から対面式キッチン(オープンキッチン、アイランドキッチン)に正確に早くリフォームできる。
【0020】
本発明のスペースユニットの取り付け構造は、前記スペースユニットに中間天板を介して棚を付け加えることができるもので、この棚は、前記天板の下方に位置する中間天板にガイド溝が形成されるとともに、中間天板のガイド溝に沿って移動する棚台を備え、この棚台をガイド溝に沿って移動させることでその長さを調節してから、中間天板、天板や正面板の長さを調節することを特徴とする。
【0021】
もう少し具体的に説明すると、スペースユニットに、上面にガイド溝が形成された中間天板を使用して、この中間天板を幅方向に並べたスペーサ上に取り付ける一方、
前記中間天板の上側には、ガイド溝に沿って移動する複数の棚台を載置し、更にこれらの棚台の上側にもう一枚、天板を取り付けてスペースユニットを構成した点を特徴とする(段落番号[0041]、図17〜19の記載を参照)。
【0022】
本発明によれば、前記スペースユニットに棚を付け加えるに際して、棚の長さを調節。することができる。なお、中間天板、天板や正面板の長さを調節、つまり切断しても良く、中間天板、天板や正面板の長さを調節してから、これに合わせるように棚の長さを調節
しても良い。
【0023】
本発明のスペースユニットの取り付け構造は、前記コ字状のスペーサは、コ字状の側面に四角形状のスペーサを嵌め込んで各板の裏面と接するように取り付けたり、壁、柱や床と接するように取付けることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、前記コ字状のスペーサは、コ字状の側面に四角形状のスペーサを嵌め込むことで、コ字状のスペーサの強度を高めるとともに、各板との接触面を増やすことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、断面がコ字状又はL字状のスペーサと、天板、側面板、正面板等のスペースユニットをセットして現場に持ち込んで、断面がコ字状又はL字状のスペーサを基準位置として正面板、天板や側面板を順次取り付けて行けばよいので、取り付ける対象の壁や柱に予期し得ない突起物があっても、これを避けた位置に断面がコ字状又はL字状のスペーサを配することにより、誰もが正確で、容易に、しかも早くスペースユニットを取り付けることが可能になる。また、台所の壁に配された配管類を床下に通すとともに、所定位置に第2のスペースユニットを断面がコ字状又はL字状のスペーサを使用して組み立て、これに新しいキッチンユニットに連結させることで、上記配管類を露出させずに、壁付型キッチン(クローズドキッチン)から対面式キッチン(オープンキッチン)に容易にリフォームできる。特に、断面がコ字状のスペーサは、ガス管や連結管等の配管類を挟み込むことで、配管類を保護しながら、その姿勢の安定性を確保するとともに、正面板、天板や側面板をこのスペーサの各面を使用して、これを基準にして、正確で、容易に、しかも早く組み立てることに大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、上から見た古い台所の配置を模式的に示す背面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、古い台所を除去した状態の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、連結管を取り付けた状態の図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板を取り付けた状態の図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、側面板を取り付けた状態の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、正面板を取り付けた状態の図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、新しいキッチンユニットを取り付けた状態の図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、上から見た古い台所の配置を模式的に示す背面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、古い台所を除去した状態の斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、連結管を取り付けた状態の図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板、側面板、正面板を取り付けた状態の図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、上から見た新しいキッチンユニットの配置を模式的に示す背面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板を取り付けた状態の図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、棚を取り付けた状態の図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板を取り付けた状態の図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、上から見た新しいキッチンユニットの配置を模式的に示す図である。
【図17】上記第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板を取り付けた状態の図である。
【図18】上記第2の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、棚を取り付けた状態の図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態のスペースユニットの取り付け方法を説明する図であり、天板を取り付けた状態の図である。
【図20】本発明の断面がコ字状又はL字状のスペーサの例を説明する図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその正面図であり、(c)はその側面図であり、(d)はその平面図である。
【図21】本発明の断面がコ字状又はL字状のスペーサの例を説明する図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその正面図であり、(c)はその側面図であり、(d)はその平面図である。
【図22】本発明の断面がコ字状又はL字状のスペーサの例を説明する図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその正面図であり、(c)はその側面図であり、(d)はその平面図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態に使用する棚の棚台を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して詳細に述べる。
【0028】
(第1の実施形態)
本実施の形態は、一戸建て住宅の壁付型キッチン(クローズドキッチン)のリフォームに際して本発明を適用したものであり、図1は、上から見た台所の配置を模式的に示す背面図である。また、図2は、矢印Va方向から台所を見た斜視図である。本実施の形態では、断面がコ字状又はL字状のスペーサP1,P2と、天板St1、側面板Sr、正面板Ss1等のスペースユニットをセットして現場に持ち込んで行うものである(図6)。
まず、元の台所ユニットKnを除去すると(図2)、元のガス配管Gm、水道配管Wmや排水管Hm等の配管類は、台所の壁Dに埋め込まれていることが多い。通常、新たなキッチンユニットSnを取り付けるに際しては、この新たなキッチンユニットSnとの配管類Gm,Wm,Hmの接続のために、台所の壁Dに埋め込まれているガス配管Gmや水道配管Hm等も新たに取り付け直す必要がある。しかし、これでは水道業者やガス事業、更には大工の手も必要になり、作業が大掛かりとなる。そこで、新たなキッチンユニットSnを取り付けるに際して(図7参照)、元の配管類Gm,Wm,Hmが配されている箇所に、スペースユニットSs,St,Srを取り付けてから新しいキッチンユニットSnを取り付ける。
【0029】
元のガス配管Gm等の配管類Gm,Wm,Hmには、連結管Rを取り付ける(図3)。連結管Rは、ゴム製やステンレス製のもので、その一方側を元のガス配管Gmや水道配管Hmに取り付ける。連結管Rは、連結相手の配管類の種類に応じて使い分けると良い。連結管Rの他方側は、キッチンユニットSnのガス管Gmや水道管Wmと連結させるが、ここでは、まず連結管Rの一方側のみ元の水道管Wm、ガス配管Gmや排水管Hmに連結管Rを取り付ける。ガス配管Gm等においては、連結管Rを必ずしも使用しなくとも良いものもある。なお、食器洗い洗浄機器を新たに取り付ける場合は、その配管も同時に行うと良い。また、電源コンセント等を新しいキッチンユニットSnに取り付ける場合は、これを引き伸ばした状態にしたり、連結が必要な場合は、接続コードを使用して接続する。本実施の形態では、水道管として、吸水管W1と給湯管W2との2本が配されているものを例に説明している(図2)。
【0030】
次に、台所の壁Dに、断面がコ字状やL字状のスペーサを取り付ける(図4)。断面がコ字状又はL字状のスペーサとしては、コ字状のスペーサP1A(図20)、コ字状の側面に四角形状のスペーサPdを嵌め込んでコ字状部分が補強されたコ字状のスペーサP1B(図21)、コ字状のスペーサに予めねじ穴加工が施されたコ字状のスペーサP1C(図22(a))、一体加工されたL字状のスペーサP2(図22(b))、コ字状の長さを等しくしたコ字状のスペーサP3(図22(c))等が考えられる。本実施の形態のスペーサは、いずれも木製であり、これは天板St、側面板Srと正面板Ssが木製であることに対応させている。断面がコ字状又はL字状のスペーサP1(A〜C),P2,P3は、いずれも木製板を組み合わせて直角部分(90度)がだせるように組み合わせられている。したがって、2組以上のコ字状又はL字状のスペーサP1(A〜C),P2,P3を各々組み合わせて使用したり、コ字状のスペーサP1(P1A,P1B,P1C)とL字状のスペーサP2とを組み合わせて使用しても良い。なお、コ字状又はL字状のスペーサP1(A〜C),P2,P3は、金属製や樹脂製のものとして使用することも可能である。図20に示すコ字状のスペーサP1Aは、対向する一方辺Paが他方辺Pbよりも長く形成されている。長い方の辺Paを壁Dや床Faや各板の背面等に向けて使用することで、取り付け姿勢が安定すると共に、視覚確認の状態を良好にして取り付ける工夫である。また、長い方の辺Paに壁D等への取り付けのためのネジ孔を形成し、短い方の辺Pbに配管類の移動を防止するためのネジ孔を形成して使用することもできる。また、一方辺Paと他方辺Pbには、ネジを通すネジ孔n1,n2が形成されている。いずれも壁D等への取り付けとして使用できるが、一方辺Paのネジ孔n1は、壁Dへの取り付けとして使用し、他方辺Pbのネジ孔n2は、挟み込む配管類の固定のために使用しても良い。なお、コ字状のスペーサP3は、図21に示すように、一方辺Paと他方辺Pbとが同じ長さのものを使用することも可能である。また、コ字状又はL字状のスペーサP1(A〜C),P2,P3は、斜めに取り付けても良い。ネジ孔n2にネジを通して壁Dに容易に取り付けることができる。そして、ネジを介してコ字状又はL字状のスペーサP1(A〜C),P2,P3を適宜回転させれば、水平姿勢や垂直姿勢等を得ることができる。
【0031】
コ字状のスペーサP1A,P1B,P1Cは、例えば、天板Stの取り付けに際しては、コ字状の中央連結部分Peを上にして天板Stの裏面と接するように取り付けたり(図5の右上の符号P1Aを参照)、又、側面板Srの取り付けに際しては、コ字状の中央連結部分Peを横にして側面板Srの裏面と接するように取り付けたり(図6の右下の符号P1Aを参照)、又、コ字状の中央連結部分Peを下にして台所等の壁に取り付けたり(図6の左下の符号P1Cを参照)、又、対向する一方辺Paと他方辺Pbを台所の壁D1か又は正面板Ssの裏面と接するように取り付けることができる。また、対向する一方辺Paと他方辺Pbとの間に四角形状のスペーサPdを嵌め込んで面一な面を更に形成して(図21(c))、側面板Srの裏面等や、又、壁Dや床(面)Fa等と接するように取り付けることもできる。そして、上記四角形状のスペーサPdに壁D等への取り付けのためのネジ孔を形成したり、配管類の移動を防止するためのネジ孔を形成して使用することもできる。このような多様な使用が可能であり、これにより、天板Stや側面板Sr等を垂直姿勢を維持して取り付けることができるとともに、いずれの姿勢も容易にかつ正確に取り付けることができる。
【0032】
本実施の形態では、正面板Ss、天板St、左右の側面板Srのスペースユニットを取り付けるので、天板Ssの取り付けに際しては、コ字状のスペーサP1Aのコ字状の中央連結部分Peを上にして天板Ssの裏面と接するように取り付けたり、又、側面板Srの取り付けに際しては、コ字状の中央連結部分Peを横にして側面板Srの裏面と接するように取り付ける。ここで、一方の側面板Srの側の下方のスペーサP1Cは、その中央の連結部分Peを下、つまり床面Faと接触するようにしているが、この状態で床Faとねじやビスで固定したり、接着剤で固定する方法もある。なお、本実施の形態では、図4と図5に示すように、側方の壁K側には、側面板Srはないが、この側方の壁K側に側面板Srを取り付けても問題ない。
【0033】
L字状のスペーサP2の場合は、その短辺側の一辺Pmを上にして天板Ssを水平に取り付けたり、その短辺側の一辺Pmを横にして側面を取り付けたり、又、その長辺側の一辺Pnを上にして天板Ssを水平に取り付けたり、その長辺側の一辺Pmを横にして側面板Srを取り付けたりする。
【0034】
台所の壁Dには、上記配管類Gm,Wm,Hmがいくつか張り巡らさせることになるが、断面がコ字状又はL字状のスペーサP1,P2,P3を使用して、配管類Gm,Wm,Hmをコ字状部分で挟んだ状態で固定することができ、配管類Gm,Wm,Hmの安定性を図りながら取り付けられる(図5の符号Py参照)。また、コ字状のスペーサP1の中央連結部分PeやL字状のスペーサP2の一方の辺に対して上記配管類Gm,Wm,Hmを押し当てるようにして、上記配管類の位置ずれが生じないようにすることもできる(図5の符号Pz参照)。そして、正面板Ssや天板Stや側面板Srを取り付ける。このような取り付けに対してコ字状のスペーサP1は柔軟に対応して取り付けることができる。そして、天板Ssと左右の側面板Srを取り付けてから、正面板Ssを取り付ける。正面板Ssの取り付けに際しては、コ字状のスペーサP1の他辺を正面板Ssの裏面と接触させて接着剤やネジ等を使用して、容易に正面板Ssを取り付けることができる。正面板Ssを取り付けると、排水管Hmを除き、新しいキッチンユニットSnの上方側の上記配管類Gm,Wmを見えなくすることができる。
【0035】
上記正面板等のスペースユニットSs,St,Srを取り付けた後は、このスペースユニットSs,St,Srに対して新しいキッチンユニットSnを取り付ける(図7)。この際、新しいキッチンユニットSnの配管類(ガス管や排水管等)と上記連結管Rの他方と連結させた状態する。このように取り付けると、台所の壁Dが凹凸部分や他の配管類が配されるなどして、平坦な面の面壁ではない場合でも、配管類Gm,Wm,HmをそのままにしてスペーサスユニットSs,St,Srを早く容易にしかも正確に組み立てることができる。
【0036】
(第2の実施形態)
本実施の形態は、壁付型キッチン(クローズドキッチン)から対面式キッチン(オープンキッチン)へのリフォームに際して本発明を適用したものであり、図8は、上から見た台所の配置を模式的に示す図である。また、図9は、矢印Va方向から台所を見た斜視図である。元の台所ユニットKnを除去して(図9)、露出した元の水道管Wm、排水管Hm,ガス管Gm等の配管類Wm,Hm,Gmには、連結管Rを取り付ける(図10)。連結管Rの他方側は、床下Fbを介して新しいキッチンユニットSnの水道管Wn、排水管Hn,ガス管Gnと連結させる(図10)。なお、新しいキッチンユニットSnがガスを使用しない場合には、元のガス配管Gmを閉栓すれば足りる。
【0037】
次に、台所の壁Dに、断面がコ字状のスペーサP1A,P1Bを取り付け(図10)、天板St1、側面板Sr1、正面板Ss1を取り付け、床下Fbの床板を元に戻して、配管類Wm,Hm,Gm等を完全に見えなくする(図11)。第1の壁D1である台所の壁(窓M側の壁)D1に向かって取り付けられていた元の台所ユニットKnを除去し、露出した元の水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmは、第1のスペースユニットである天板St1、側面板Sr1、正面板Ss1により覆う。つまり、断面がコ字状のスペーサP1A,P1Bの厚さ分で元の水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmを第1のスペースユニットSt1,Sr1,Ss1で覆われ、すっきりとした外観となる(図11)。
【0038】
図12は、上から見た新しいキッチンユニットSnの配置を模式的に示す図である。また、図13は、矢印Va方向から台所を見た斜視図である。水道管Wnや排水管Hn等の配管類(或いは連結管R)は、床下に配設されている(床下の水道管Wnや排水管Hnと、床上の水道管Wmや排水管Hm等の配管類は符号を異ならせてある)。本実施の形態では、第1の壁D1と居間との間には、第2の壁D2が立設しており、第2の壁D2を利用して第2のスペースユニットSt2,Sr2,Ss2を組み立てる。すなわち、第2のスペースユニットSt2,Sr2,Ss2の左右の側面板Sr2は、一枚のみ第2の壁D2とは反対側に使用して、第2の壁D2側は断面がコ字状のスペーサP1A,P1Bを当接させるようにする。第2のスペースユニットSt2,Sr2,Ss2を組み立てる場合には、断面がコ字状のスペーサP1Cを床と当接させ、これを基準に左右のうちの一方の側面板Sr2を取り付ける。また、第2の壁D2に対しては、断面がコ字状のスペーサP1Cを第2の壁D2に接触させるようにする。そして、正面板Ss2,Ss2を取り付ける。ここで、第2の壁D2の代用としては、柱や、食器棚ユニットや換気扇が組み込まれたユニット等を使用できる。なお、第2の壁D2やこれらの代用を使用せずに、第2のスペースユニットのみを所定位置に組み立て、この第2のスペースユニットを基準に新しいキッチンユニットSnを取り付けることもできる。
【0039】
本実施の形態では、第2のスペースユニットは、1枚の天板St2と、一枚の側面板Sr2と、2枚の正面板Ss2,Ss3を使用する。そして、上記スペーサP1A,P1B,P1Cを介して、連結管Rにより連結される新しいキッチンユニットSnの水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmを覆い隠す(図14)。すなわち、新しいキッチンユニットSn側の正面板Ss2に沿うようにして立ち上げ、この正面板Ss2と隣り合わせになる新しいキッチンユニットSnと連結させる(図15)。上記正面板Ss2を使用せずに、上記水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmを新しいキッチンユニットSnの背面に沿うようにして立ち上げることも可能である。
【0040】
ここで、新たなキッチンユニットを取り付ける場所、つまりリフォームする場所は、台所や台所から連続するリビングや居間とは限らず、これら以外の場所になることがある。特に近年流行の対面式のキッチンユニットにおいては、もともと台所等ではなかった箇所にも新たなキッチンユニットが取り付けられる場合がある。また、上記第2の壁D2が存在しないような場所でも新たなキッチンユニットが取り付けられる場合がある。このような場合において、床下に通された水道管Wnや排水管Hn等の配管類(或いは連結管R)を所定箇所まで連結環Rにより連結して引き出す。引き出したところで、上記スペーサP1A,P1B,P1Cは、連結管Rにより連結される新しいキッチンユニットSnの水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmを覆い隠す(図13)。すなわち、新しいキッチンユニットSn側の正面板Ss2に沿うようにして立ち上げ、この正面板Ss2と隣り合わせになる新しいキッチンユニットSnと連結させる。なお、上記正面板Ss2を使用せずに、上記水道管Wm、排水管Hm、ガス管Gmを新しいキッチンユニットSnに沿うようにして立ち上げることも可能である。大、中、小のものを用意しておけば、上記第2のスペースユニットの奥行き(正面板と正面板の間の間隔)を簡単に変えつつ、その所定の大きさのスペーサP1A,P1B,P1Cを基準にして、これに沿わせるように正面板Ss2,Ss3、天板St2や側面板Sr2を順次取り付ければ、誰もが正確に容易にそして早く第2のスペースユニットを取り付けることができる。
【0041】
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、上記第2の実施の形態の第2のスペースユニットSt2,Sr2,Ss2に対して棚Tを加えたものである。図16は、新しいキッチンユニット(対面式)Snを所定位置に備え付けるに際して、第2のスペースユニットの正面板Ss2と側面板Sr2等を組み立てて、管類を取り付けた状態の図である。図18と図19は、棚を加えた第2のスペースユニットの取り付け方を説明する図である。
棚Tは、左右一組の棚台T1,T1と、第2の天板(中間天板)St22と奥板Taとにより構成されている(図23、図17)。また、必要に応じて調整用背板Tbを使用する。左右一組の棚台T1,T1は、奥板Taを有する断面コ字状のもので、奥板Taの先端部Ta1が突出して、第2の天板(中間天板)St22に形成されたガイド溝Stwに沿って移動する構成である。中間天板St22には、左右一組の棚台T1,T1が、それぞれ棚台T1から下方向に突出した奥板Taを介してガイド溝Stwに移動自在に取り付けられ、左右一組の棚台T1,T1の間には、調整用背板Tbが同じくガイド溝Stwに取り付けられている(図16)。調整用背板Tbは、第2のスペースユニットの天板St3の長さに合わせて、現場で適宜調整用背板Tbの長さを加工する。左右一組の棚台T1とT1を合わせた長さが、天板St3の長さに対応していれば、調整用背板Tbは、なくしてもよい。このようにして、棚Tの長さを決定してから、これに合わせて2枚の正面板Ss2,Ss3や第1と第2の天板St22,St3の長さを決定して、短くなる場合はこれらを切断する。したがって、台所や居間の部分をリフォームする際に、これらの部屋の実情に合わせて第2のスペースユニットSt22,Ss2,Ss3等の大きさを調節することができる。そして、天板St3を取り付ければ、第2のスペースユニットとなる(図19)。なお、上述した第1の実施の形態にも、上記棚Tを加え、この棚Tの長さを調節するとともに、これに合わせて天板St1や正面板Ss1の長さを調節することもできるものである。
【0042】
ここで、コ字状のスペーサP1(A〜C)は柔軟に対応して種々の取り付け方があるが、一方の側面板Sr22の側の下方のスペーサP1Cは、その中央の連結部分Peを下、つまり床面Faと接触するようにしたり、第2の壁D2に対して接触するコ字状のスペーサP1Aは、その中央の連結部分を横、つまり第2の壁D2と接触するように取り付けることが可能である。中央の連結部分Peを床面Faや第2の壁D2とねじやビスで固定したり、接着剤で固定することが行い易くなるからである。そして、上記天板St1や正面板Ss1の長さ調節の際の仮位置固定に際しても、その役割を十分に果たす歯こととなる。
【0043】
以上、本実施の形態では一戸建て住宅の台所のリフォームについて説明したが、マンションの台所等にも適用可能なものである。また、台所のリフォームに際して新しいキッチンユニットSnを取り付ける例で説明したが、壁や柱等にスペースユニットSs,St,Sr(正面板Ss、側面板Sr、天板Stのうちのいずれか一つの取り付けでも良い。)を取り付けるリフォームにも適用可能である。また、壁や柱等がない箇所に単にスペースユニットSs,St,Sr(正面板Ss、側面板Sr、天板Stのうちのいずれか一つの取り付けでも良い。)を取り付けるリフォームにも適用可能である。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0044】
D 台所の壁(第1の壁)
Kn 古い台所ユニット(キッチンユニット)
Sn 新しい台所ユニット(キッチンユニット)
St 天板(スペースユニット)
Sr 側面板(スペースユニット)
Ss 正面板(スペースユニット)
St1 天板(第1のスペースユニット)
Sr1 側面板(第1のスペースユニット)
Ss1 正面板(第1のスペースユニット)
St2,St3,St22,St23 天板(第2のスペースユニット)
St22 第2の天板(中間天板)
Sr2,Sr22 側面板(第2のスペースユニット)
Ss2,Ss3,Ss22,Ss23 正面板(第2のスペースユニット)
P1,P1A,P1B,P1C コ字状のスペーサ
P2 L字状のスペーサ
Pa コ字状のスペーサの一方辺
Pb コ字状のスペーサの他方辺
Pe コ字状のスペーサのコ字状の中央連結部分
Pn L字状のスペーサの短辺側の一辺
Pn L字状のスペーサの長辺側の一辺
R 連結管
Gm,Wm,Hm 配管類
Wm 水道管
Gm ガス管
Hm 排水管
T 棚
T1 棚台
Ta 奥板
Ta1 奥板の先端
Stw ガイド溝、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台所に壁付型のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法、或いは、壁付型キッチンから対面式キッチンにリフォームする際、元のキッチンユニットを除去して露出した配管類を覆い隠すためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法において、
台所の壁に対して、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成る断面がコ字状のスペーサを、高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように一方辺を壁に接して取り付けた後、
スペースユニットの側面板を、前記高さ方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けると共に、スペースユニットの天板を、前記幅方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付け、更にスペースユニットの正面板については、その側縁部と上縁部を前記高さ方向と幅方向に並べたコ字状スペーサの他方辺に取り付けてスペースユニットを組み立てることを特徴とするスペースユニットの取り付け方法。
【請求項2】
台所の壁に取り付ける一方辺が他方辺よりも長く形成されているスペーサを使用することを特徴とする請求項1記載のスペースユニットの取り付け方法。
【請求項3】
スペースユニットの側面板と天板と正面板、及びスペーサの材質を木製に合わせることを特徴とする請求項1または2に記載のスペースユニットの取り付け方法。
【請求項4】
台所に壁付型のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法、或いは、壁付型キッチンから対面式キッチンにリフォームする際、元のキッチンユニットを除去して露出した配管類を覆い隠すためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法において、
台所の壁に対して、直角を成す二辺を有する断面がL字状のスペーサを、高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、かつ、一辺が外側にくるようにもう一辺を壁に接して取り付けた後、
スペースユニットの側面板を、前記高さ方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けると共に、スペースユニットの天板を、前記幅方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付け、更にスペースユニットの正面板については、その側縁部と上縁部を前記高さ方向と幅方向に並べたL字状スペーサの一辺の端面に取り付けてスペースユニットを組み立てることを特徴とするスペースユニットの取り付け方法。
【請求項5】
台所に対面式のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するためのスペースユニットを台所の壁や柱等に取り付ける方法において、
台所の壁等に対して、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成る断面がコ字状のスペーサを、高さ方向に複数並べた状態で、かつ、中央連結部分が壁等に接するように取り付け、更にこれらのスペーサの一方辺に、スペースユニットの二枚ある正面板の内の一枚を取り付ける一方、
正面板の反対側の側縁部にも、コ字状のスペーサを高さ方向に並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように取着して、これらのスペーサの中央連結部分に接するようにスペースユニットの側面板を取り付け、
更に前記正面板の上縁部に対しても、コ字状のスペーサを中央連結部分が上側にくるように取着して、これらのスペーサの中央連結部分と接するようにスペースユニットの天板を取り付け、
そして、前記正面板の側縁部および上縁部に取着したコ字状スペーサの他方辺に、スペースユニットのもう一枚の正面板を取り付けてスペースユニットを組み立てることを特徴とするスペースユニットの取り付け方法。
【請求項6】
台所に壁付型のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するために台所の壁に取り付けられるスペースユニットの取り付け構造、或いは、壁付型キッチンから対面式キッチンにリフォームする際、元のキッチンユニットを除去して露出した配管類を覆い隠すために台所の壁に取り付けられるスペースユニットの取り付け構造であって、
対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成り、かつ、台所の壁に対して高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、中央連結部分が外側にくるように一方辺を壁に接して取り付けられる断面コ字状のスペーサと;
前記高さ方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられる側面板、および前記幅方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられる天板、および前記高さ方向と幅方向に並べたコ字状スペーサの他方辺に側縁部と上縁部が取り付けられる正面板から成るスペースユニットとを含んで成り、
前記コ字状スペーサの配置を基準にスペースユニットが台所の壁に取り付けられていることを特徴とするスペースユニットの取り付け構造。
【請求項7】
台所に壁付型のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するために台所の壁に取り付けられるスペースユニットの取り付け構造、或いは、壁付型キッチンから対面式キッチンにリフォームする際、元のキッチンユニットを除去して露出した配管類を覆い隠すために台所の壁に取り付けられるスペースユニットの取り付け構造であって、
直角を成す二辺を有し、かつ、台所の壁に対して高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、一辺が外側にくるようにもう一辺を壁に接して取り付けられる断面L字状のスペーサと;
前記高さ方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けられる側面板、および前記幅方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けられる天板、および前記高さ方向と幅方向に並べたL字状スペーサの一辺の端面に側縁部と上縁部が取り付けられる正面板から成るスペースユニットとを含んで成り、
前記L字状スペーサの配置を基準にスペースユニットが台所の壁に取り付けられていることを特徴とするスペースユニットの取り付け構造。
【請求項8】
台所に対面式のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するために台所の壁や柱等に取り付けられるスペースユニットの取り付け構造であって、
対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成り、かつ、高さ方向に複数並べた状態で、中央連結部分が壁に接するように取り付けられる断面コ字状のスペーサと;これらのスペーサの一方辺に取り付けられるスペースユニットの正面板と;この正面板の反対側の側縁部に、高さ方向に並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように取着されるコ字状のスペーサと;これらのスペーサの中央連結部分に接するように取り付けられるスペースユニットの側面板と;前記正面板の上縁部に対して、中央連結部分が上側にくるように取着されるコ字状のスペーサと;これらのスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられるスペースユニットの天板と;前記正面板の側縁部および上縁部に取着されたスペーサの他方辺に取り付けられるもう一枚の正面板とを含んで構成され、
前記コ字状スペーサの配置を基準にスペースユニットが台所の壁に取り付けられていることを特徴とするスペースユニットの取り付け構造。
【請求項9】
スペースユニットに、上面にガイド溝が形成された中間天板を使用して、この中間天板を幅方向に並べたスペーサ上に取り付ける一方、
前記中間天板の上側には、ガイド溝に沿って移動する複数の棚台を載置し、更にこれらの棚台の上側にもう一枚、天板を取り付けてスペースユニットを構成したことを特徴とする請求項6〜8の何れか一つに記載のスペースユニットの取り付け構造。
【請求項1】
台所に壁付型のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法、或いは、壁付型キッチンから対面式キッチンにリフォームする際、元のキッチンユニットを除去して露出した配管類を覆い隠すためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法において、
台所の壁に対して、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成る断面がコ字状のスペーサを、高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように一方辺を壁に接して取り付けた後、
スペースユニットの側面板を、前記高さ方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けると共に、スペースユニットの天板を、前記幅方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付け、更にスペースユニットの正面板については、その側縁部と上縁部を前記高さ方向と幅方向に並べたコ字状スペーサの他方辺に取り付けてスペースユニットを組み立てることを特徴とするスペースユニットの取り付け方法。
【請求項2】
台所の壁に取り付ける一方辺が他方辺よりも長く形成されているスペーサを使用することを特徴とする請求項1記載のスペースユニットの取り付け方法。
【請求項3】
スペースユニットの側面板と天板と正面板、及びスペーサの材質を木製に合わせることを特徴とする請求項1または2に記載のスペースユニットの取り付け方法。
【請求項4】
台所に壁付型のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法、或いは、壁付型キッチンから対面式キッチンにリフォームする際、元のキッチンユニットを除去して露出した配管類を覆い隠すためのスペースユニットを台所の壁に取り付ける方法において、
台所の壁に対して、直角を成す二辺を有する断面がL字状のスペーサを、高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、かつ、一辺が外側にくるようにもう一辺を壁に接して取り付けた後、
スペースユニットの側面板を、前記高さ方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けると共に、スペースユニットの天板を、前記幅方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付け、更にスペースユニットの正面板については、その側縁部と上縁部を前記高さ方向と幅方向に並べたL字状スペーサの一辺の端面に取り付けてスペースユニットを組み立てることを特徴とするスペースユニットの取り付け方法。
【請求項5】
台所に対面式のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するためのスペースユニットを台所の壁や柱等に取り付ける方法において、
台所の壁等に対して、対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成る断面がコ字状のスペーサを、高さ方向に複数並べた状態で、かつ、中央連結部分が壁等に接するように取り付け、更にこれらのスペーサの一方辺に、スペースユニットの二枚ある正面板の内の一枚を取り付ける一方、
正面板の反対側の側縁部にも、コ字状のスペーサを高さ方向に並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように取着して、これらのスペーサの中央連結部分に接するようにスペースユニットの側面板を取り付け、
更に前記正面板の上縁部に対しても、コ字状のスペーサを中央連結部分が上側にくるように取着して、これらのスペーサの中央連結部分と接するようにスペースユニットの天板を取り付け、
そして、前記正面板の側縁部および上縁部に取着したコ字状スペーサの他方辺に、スペースユニットのもう一枚の正面板を取り付けてスペースユニットを組み立てることを特徴とするスペースユニットの取り付け方法。
【請求項6】
台所に壁付型のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するために台所の壁に取り付けられるスペースユニットの取り付け構造、或いは、壁付型キッチンから対面式キッチンにリフォームする際、元のキッチンユニットを除去して露出した配管類を覆い隠すために台所の壁に取り付けられるスペースユニットの取り付け構造であって、
対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成り、かつ、台所の壁に対して高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、中央連結部分が外側にくるように一方辺を壁に接して取り付けられる断面コ字状のスペーサと;
前記高さ方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられる側面板、および前記幅方向に並べたスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられる天板、および前記高さ方向と幅方向に並べたコ字状スペーサの他方辺に側縁部と上縁部が取り付けられる正面板から成るスペースユニットとを含んで成り、
前記コ字状スペーサの配置を基準にスペースユニットが台所の壁に取り付けられていることを特徴とするスペースユニットの取り付け構造。
【請求項7】
台所に壁付型のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するために台所の壁に取り付けられるスペースユニットの取り付け構造、或いは、壁付型キッチンから対面式キッチンにリフォームする際、元のキッチンユニットを除去して露出した配管類を覆い隠すために台所の壁に取り付けられるスペースユニットの取り付け構造であって、
直角を成す二辺を有し、かつ、台所の壁に対して高さ方向と幅方向に複数並べた状態で、一辺が外側にくるようにもう一辺を壁に接して取り付けられる断面L字状のスペーサと;
前記高さ方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けられる側面板、および前記幅方向に並べたスペーサの一辺と接するように取り付けられる天板、および前記高さ方向と幅方向に並べたL字状スペーサの一辺の端面に側縁部と上縁部が取り付けられる正面板から成るスペースユニットとを含んで成り、
前記L字状スペーサの配置を基準にスペースユニットが台所の壁に取り付けられていることを特徴とするスペースユニットの取り付け構造。
【請求項8】
台所に対面式のキッチンユニットを取り付ける際、キッチンユニットの背面側に配管スペースを形成するために台所の壁や柱等に取り付けられるスペースユニットの取り付け構造であって、
対向する一方辺と他方辺、及びこれらを連結する中央連結部分から成り、かつ、高さ方向に複数並べた状態で、中央連結部分が壁に接するように取り付けられる断面コ字状のスペーサと;これらのスペーサの一方辺に取り付けられるスペースユニットの正面板と;この正面板の反対側の側縁部に、高さ方向に並べた状態で、かつ、中央連結部分が外側にくるように取着されるコ字状のスペーサと;これらのスペーサの中央連結部分に接するように取り付けられるスペースユニットの側面板と;前記正面板の上縁部に対して、中央連結部分が上側にくるように取着されるコ字状のスペーサと;これらのスペーサの中央連結部分と接するように取り付けられるスペースユニットの天板と;前記正面板の側縁部および上縁部に取着されたスペーサの他方辺に取り付けられるもう一枚の正面板とを含んで構成され、
前記コ字状スペーサの配置を基準にスペースユニットが台所の壁に取り付けられていることを特徴とするスペースユニットの取り付け構造。
【請求項9】
スペースユニットに、上面にガイド溝が形成された中間天板を使用して、この中間天板を幅方向に並べたスペーサ上に取り付ける一方、
前記中間天板の上側には、ガイド溝に沿って移動する複数の棚台を載置し、更にこれらの棚台の上側にもう一枚、天板を取り付けてスペースユニットを構成したことを特徴とする請求項6〜8の何れか一つに記載のスペースユニットの取り付け構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−157707(P2012−157707A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92695(P2012−92695)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2007−230895(P2007−230895)の分割
【原出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(510031590)株式会社サンキューハウスシステム (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2007−230895(P2007−230895)の分割
【原出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(510031590)株式会社サンキューハウスシステム (6)
【Fターム(参考)】
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