説明

スマートカードアプリケーション選択

【課題】マルチアプリケーションスマートカード上で作動する次のアプリケーションを選択するための方法及び/又は機構に関係している。
【解決手段】マルチアプリケーションスマートカードは持続的な記憶装置を有する。本記憶装置は、スマートカードを端末に挿入する次回にどのアプリケーションを実行するべきかを表示する情報及び/又はデータを記憶する。持続的な記憶装置は、同じアプリケーション、ユーザ選択の異なるアプリケーション、アプリケーション選択のアプリケーションのいずれを表示してもよい。代替として持続的な記憶装置は、事前定義されたリスト上にある次のアプリケーションを、次回実行されるべきアプリケーションとして表示してもよい。アプリケーション選択端末により、ユーザはユーザ選択アプリケーションを手動で選択できる。端末は、事前定義された特別の信号をスマートカードに送ることで、スマートカードとの通信を開始してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は1997年9月17日に提出された米国仮特許出願番号第60/059,382号の利点を請求するものである。
本発明はスマートカードに関するもので、とりわけマルチアプリケーションスマートカードにおけるスマートカードアプリケーション選択に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートカードは、電子ゲームカード、銀行カード、身分証明バッジを始めとする様々な分野で広く応用されている。スマートカードは通常、サイズをほぼクレジットカードとする不正改造防止用のプラスチック又は金属のケースに収められ、埋込型の集積回路装置を一つ以上有している。例えば電子カジノ、現金自動預払機、身分証明システム等の端末は、一つ以上のスマートカードインタフェースを使いスマートカードを当該端末に接続させるものとして知られている。
【0003】
従来の端末は、スマートカードアプリケーションを支援する組込型の通信プロトコルを有する。本プロトコルの場合、端末からリセット信号を受信したスマートカードはAnswer To Reset(ATR)を提供し、直ちに自分自身を証明する必要がある。各スマートカードアプリケーションは、異なるATRを有してもよく、また異なるプロトコルを有してもよい。従って、認識可能なATRを端末が受信しない場合、即ち端末がアプリケーションを支援しない場合、端末は直ちにスマートカードを拒否してもよい。
【0004】
単一アプリケーションのスマートカードの場合、カードは単純にATRを提供し、端末はカードを受理又は拒否する。図1で、各従来端末10、12、14、16は、それぞれのスマートカード11、13、15、17からの或る予測されたATRsと互換性がありかつそれら或る予測されたATRsを認識するだけである。しかしマルチアプリケーションスマートカードの登場と共に、カードを正しく挿入しても誤ったATRを端末に提供する可能性があり、理由としてはカード上の各アプリケーションが、ATR及び/又は通信プロトコルを異にしていてもよいからである。スマートカードは、ATR提供以前に端末の性質を知る機会を持ってないから、どのATRが要求されているかを知らない。
【0005】
一解決策では選択機構を持たせ、本選択機構により端末は実行されるべき特定アプリケーションを選択する「選択」コマンドをマルチアプリケーションスマートカードに送る。選択が一旦なされると別の選択コマンドが受信されるまでは、スマートカードに出入りする情報及び/又はデータは、前記選択されたアプリケーションヘ送られる。本機構を使ったカードには特殊なATRを備えさせ、当該ATRが機構を支援する端末で認識されねばならない。
【0006】
上手く作動するにせよ選択機構は2つの欠点がある。第一、既存の端末の殆どは本選択機構を支援しないので関係するATRを認識しないことになろう。従って、本機構を実行するカードは、アプリケーション選択を支援するよう設計された新たな端末だけとしか互換性がないので、莫大な数の既存端末には使えない。第二、端末と端末装置の設計者及び/又はソフトウェアプログラマは、時間、労力、資源を費やし、本選択機構を製品に組み込まなければならない。既存の端末と端末装置仕様を単純に使う方が彼等にはずっと簡単であろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、マルチアプリケーションスマートカード上で作動する次のアプリケーションを選択するための方法及び/又は機構に関係している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一般に、一態様からすれば、本発明は、実行されるべき現在のアプリケーションを表示する持続的な記憶装置から成るマルチアプリケーションスマートカードに関係する。スマートカードは持続的な記憶装置が表示したアプリケーションを実行し、持続的な記憶装置を修正し実行されるべき現在のアプリケーションを表示する。実施例によっては、スマートカードは各従来アプリケーションを実行する間にアプリケーション選択のアプリケーションを実行してもよい。アプリケーション選択のアプリケーションは、次にどのアプリケーションを実行するかをユーザに選択できるようにする。スマートカードは又、事前定義されたアプリケーションリストに基づいて次のアプリケーションを選択してもよい。次のアプリケーションは現在のアプリケーションと同じであってもよい。スマートカードは特別の信号を使って、アプリケーション選択のアプリケーションを起動させてもよい。
【0009】
一般に、別の態様からすれば、本発明は、実行されるべき現在のアプリケーションを表示する手段と、表示されたアプリケーションを実行する手段と、実行されるべき次のアプリケーションを表示する手段を修正する手段とから成るマルチアプリケーションスマートカードに関係する。ある実施例の修正手段は、アプリケーション選択のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示する手段を、修正する。別の実施例の修正手段は、事前定義されたリスト上の次のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示する手段を、修正する。修正手段は又、現在のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示する手段を、修正してもよく、又はユーザ選択アプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示する手段を、修正してもよい。事前定義された信号をスマートカード端末から受信した時、実行手段はアプリケーション選択のアプリケーションを実行させてもよく、このアプリケーションによりユーザはどのアプリケーションを次に実行させるかを選択できるようになる。
【0010】
一般的に、一態様からすれば、本発明は、スマートカード上で実行されるべき次のアプリケーションを指定する持続的な記憶装置を有するマルチアプリケーションスマートカードと、スマートカード上で実行されるべきアプリケーションをどれにするかユーザに選択可能にするアプリケーション端末とから成るスマートカードシステムに関係する。実施例によっては、スマートカードが持続的な記憶装置を修正し、アプリケーション選択のアプリケーションを次に実行されるべきアプリケーションとして指定する。他の実施例では、端末が持続的な記憶装置を修正し、ユーザ選択のアプリケーションを次に実行されるべきアプリケーションとして指定する。
【0011】
本発明では少なくとも以下の利点、マルチアプリケーションスマートカード上の複数アプリケーションの内の一つを選択する際の柔軟性と容易さ、従来のスマートカード端末に組み入れられた既存のベースとの互換性の維持を挙げることができる。このように過去との互換性により、革新的な新たなアプリケーションを同一カード上で展開できる一方、マルチアプリケーションスマートカードを従来の単一アプリケーション端末で使うことが容易になる。他の利点は以下の記述と請求項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の記述と図を通じて、同じ要素には同一の参照番号を用いる。
図2に見るように、マルチアプリケーションスマートカード20は、従来端末10、12、14、16が支援する少なくとも4つの従来アプリケーションを有しており、これを利用可能なATRsで表示する。スマートカード20上の持続的な記憶装置22は、名前、番地、又は、スマートカード20を端末10、12、14、16に挿入した際に4つのアプリケーションの内のどれを実行するべきかを表示する他の情報を記憶する。持続的記憶装置22は、EEPROM、フラッシュメモリ、スマートカードに電力が供給されてない時データを保持する他の任意のメモリのいずれであってもよい。以上の記述から、スマートカード20を端末に挿入した時に誤ったアプリケーションを実行するのを防ぐため、持続的な記憶装置22中に記憶された値を所望のアプリケーションの値に変更又は変化させる機構又はスキームを備えねばならないことが理解されよう。
【0013】
図3Aに見るように、ユーザがスマートカード20を従来又は正規の端末に挿入すると、マルチアプリケーションスマートカードの作動が開始する(ST30)。データ処理がスマートカード20と端末との間で実行され(ST31)、データ処理の終了時点でユーザはスマートカード20を端末から抜き取る(ST32)。スマートカード20上には複数のアプリケーションが存在するので、正しいアプリケーションが実行されたか否かについてユーザは判定せねばならない(ST33)。正しいアプリケーションが実行された場合、ユーザは単純にそこで終わるか又は他の自分の業務に向かう。誤ったアプリケーションが実行された場合、ユーザはスマートカード20を端末に挿入し直してもよい(ST30)。
【0014】
本発明の鍵は、ユーザがデータ処理を実行させる毎に(ST31)、スマートカード20のアプリケーションリスト中の異なるアプリケーションを実行させることである。従って、以下に詳述するある種の連続プロセスを通し、スマートカード20を繰り返し挿入することで正しいアプリケーションを最終的に実行させることができる。
【0015】
図3Bに見るように、スマートカード20が事前定義された信号例えばリセット信号を端末から受信すると(ST31a)、ユーザによるデータ処理が始まる(ST30)。事前定義された信号を受信すると、スマートカード20は持続的な記憶装置22を読み、実行させるべき現在のアプリケーションを決める(ST31b)。次にスマートカード20は持続的な記憶装置22を修正し、事前定義されたアプリケーションリスト上で次に待機するアプリケーションの値を記憶する(ST31c)。多くの実施例の場合、事前定義されたアプリケーションリストはスマートカード上にアプリケーションをインストール又は削除した時に一般に作成及び/又は修正され、利用可能なアプリケーションをリストで追跡するようになっていることに注目されたい。持続的な記憶装置22に記憶された本アプリケーションは、スマートカード20を端末に挿入した次回に実行されるアプリケーションとなる。次にスマートカード20が現アプリケーションを実行すると(ST31d)、アプリケーションはATRを端末に送る(ST31e)。次に端末は、ATRが端末に認識又は受理可能なものであるか否かを決める(ST31f)。認識又は受理可能であれば、次にスマートカード20と端末はデータを交換するか(ST31g)又はデータ処理を実行し、その後データ処理が終了する(ST31h)。認識又は受理可能でなければ、データ処理を直ちに終了させる(ST31h)。
【0016】
本実施例の利点は、スマートカード20上の任意のアプリケーションを実行できアプリケーションを選択する特別な端末を必要としないことである。しかし、カード上に多くのアプリケーションがある場合、スマートカード20を繰り返し出し入れするプロセスは煩雑である。更に、認識されないATRを提供するカードを繰り返し挿入する事に対し、一部の端末は逆に応答するかも知れない。
【0017】
別の実施例で図4のスマートカード20は、持続的な記憶装置42と、特別な「アプリケーションを選択する」アプリケーション用に利用可能な第5のATRを有しており、このATRは特別なアプリケーション選択端末44でのみ支援される。一部実施例ではアプリケーション選択端末44として、持ち運びが容易な小型可搬端末であるシュラムバーガポケットドックを利用している。しかし、アプリケーション選択用のアプリケーションを支援する他の端末を使えることは明らかであり、そうした例として他の可搬端末、スマートカード読み取り装置を装備した可搬又はデスクトップのコンピュータ、又は本アプリケーションを支援する他の端末を挙げることができる。
【0018】
端末44に挿入されたスマートカード40は、アプリケーション選択用のアプリケーションを端末44に提供する。端末44がATRを受理又は認知した後、スマートカード40はアプリケーション選択用のアプリケーションを実行させ、これによりユーザは端末44経由し手動で、次に実行されるべきアプリケーションを選択できる。端末44は引き続き、持続的な記憶装置42を修正し、次回の挿入時に実行されるべきアプリケーションとして、選択されたアプリケーションを表示する。
【0019】
図5Aの一実施例の場合、スマートカード40の作動は、アプリケーション選択端末44にカードを挿入することで始まる(ST50)。次にユーザは、実行されるべき所望アプリケーションを選択し(ST51)、スマートカード40を除く(ST51)。次にユーザはスマートカードを、所望の従来又は正規の端末に挿入する(ST53)。ユーザは、所望のデータ処理を実行し(ST54)、その後スマートカード40を除く(ST55)。
【0020】
本発明の鍵は、アプリケーション選択用のアプリケーションが実行されるべきデフォルトアプリケーションとなっている点である。他の任意のアプリケーションを実行するため、ユーザはまずスマートカード40をアプリケーション選択端末に挿入せねばならない。これにより、ユーザは所望アプリケーションを選択できる。ユーザは次に、正しいアプリケーションを実行すると確信される所望の正規端末にスマートカード40を挿入してもよい。
【0021】
図5Bでは、スマートカード40が事前定義された信号を端末44から受信すると(ST51a)、ユーザのアプリケーション選択が始まる(ST51)。次にスマートカード40は持続的な記憶装置42を読み取り、アプリケーション選択用のアプリケーションを次に実行するべき事を知る(ST51b)。次にスマートカード40はアプリケーション選択用のアプリケーションを実行し(ST51c)、アプリケーションはATRを端末44に送信する(ST51d)。端末44は、スマートカード40上で利用できるアプリケーション(ST51e)をポーリングするか、調べるか、又は決定する。次に端末44は、ユーザに選択するように促し(ST51f)、ユーザは選択をする(ST51g)。ある好適実施例の場合、端末44は持続的な記憶装置42を修正し、ユーザ選択のアプリケーションを実行されるべきアプリケーションとして表示する(ST51h)。実施例によっては、端末44はユーザ選択のアプリケーションの値をスマートカード40へ代わりに送ってもよく、スマートカードは持続的な記憶装置42を相応に修正する。その後、データ処理は終了する(ST51i)。
【0022】
図5Cの本実施例では、図3A、3Bのスマートカード20の場合と同じ方法でデータ処理を実行する(ST54)が、持続的な記憶装置42に記憶された値を事前定義リストによって決めないと言う点のみ異なる(図3BのST51c参照)。代わりに本実施例の場合、スマートカード40は常に持続的な記憶装置42を修正し、アプリケーション選択のアプリケーションを次に実行されるべきアプリケーションとして表示する(ST54c)。
【0023】
本実施例では、正規端末、カードを抜いたばかりの同一の正規端末の場合でさへ、カードを再度使うためには、端末44へスマートカード40を再挿入して所望のアプリケーションを再度選択することが必要であり、その理由はアプリケーション選択のアプリケーションが次に実行されるべきアプリケーションとして指定されているからである。従って本実施例は、既存の正規端末をグレードアップしたり交換する必要なしにユーザが所望アプリケーションを選択できるという利点を有する一方で、端末を利用可能とするためにユーザが選択するということが正に必要となる。
【0024】
図6Aに示す別の実施例で、ユーザはスマートカード40をアプリケーション選択端末44か正規端末のどちらかにいつでも挿入してよい(ST60)。一旦挿入されるとスマートカード40は、従来端末には普通使われてない特別の信号(以下に記述)を頼りに、端末がアプリケーション選択端末44であるか否かを決定する(ST61)。端末がアプリケーション選択端末44である場合、ユーザは実行されるべきアプリケーションを選択してもよい(ST62)。端末がアプリケーション選択端末44でない場合、ユーザは正規のデータ処理を実行させてもよい(ST63)。その後ユーザはスマートカード40を除く。スマートカードを再度使う準備が整ったら、ユーザはスマートカードを単純にどちらかの端末に再挿入すればよく、スマートカードは適切なアプリケーションを実行させる。
【0025】
図6Bでスマートカード40は、例えば事前定義された信号を端末から受信する(ST61a)ことにより、端末がアプリケーション選択端末44であるか否かを決定する(ST61)。次にスマートカードは事前定義された時間だけ待機して、第二の事前定義信号が受信されたか否かを見極める(ST61b)。ある好適実施例の場合、スマートカード40はマイクロ制御装置及び/又はカウンタを使って、2つのリセット信号間の経過時間を測定する。第二リセット信号が、例えば最初の信号の後0.5−1.5msecの間に起きた場合、スマートカードは端末がアプリケーション選択端末44であると判定する。第二リセットが他の間隔時間で起きたとすると、スマートカードは端末を正規端末と見なす。
【0026】
図6Cで端末がアプリケーション選択端末44である場合、持続的な記憶装置42がどのアプリケーションを実行されるべきアプリケーションとして指定しているかとは無関係に、スマートカードは自動的にアプリケーション選択用のアプリケーションを実行させる(ST62a)。アプリケーションはATRを端末44に送ると(ST62b)、選択プロセスが図示のように進行し、最終的結果として、端末44は持続的な記憶装置42を修正し、ユーザ選択のアプリケーションを次に実行されるべきアプリケーションとして表示する(ST62f)。
【0027】
図6Dで端末が正規端末である場合、次にスマートカード40は持続的な記憶装置42を読み取りどのアプリケーションを実行すべきかを決定する(ST63a)。一好適実施例の場合、次にスマートカード40は同一アプリケーションを次に実行すべきアプリケーションとしてセットする(ST63b)。これは持続的な記憶装置42を修正し適当な値を記憶させるか、又は現在の値を変えないで単純に持続的な記憶装置42に残すかで可能である。一部実施例の場合、スマートカード40は事前定義されたリストに従って実行すべき次のアプリケーションをセットしてもよい。次にスマートカード40が現在のアプリケーションを実行させると(ST63c)、本アプリケーションはATRを端末に送る(ST63d)。スマートカード40と端末はデータを交換するか(ST63e)、さもなければデータ処理が実行され、データ処理が終了する(ST63f)。
【0028】
本実施例の代表的なシナリオの場合、ユーザは異なるアプリケーションを選ぶ用意ができるまでは、スマートカードを何回も所望の端末で使うことになる。その次に彼は特別な信号送付能力を有する特別なアプリケーション選択端末にスマートカードを挿入する。例えば特別な信号を認識するマイクロ制御装置を装備させたスマートカード40は、特別信号を受信及び認識した際、持続的な記憶装置が指定したアプリケーションをバイパスし、アプリケーション選択用のアプリケーションを実行する。
【0029】
本実施例は、アプリケーション選択端末への挿入を必要とせず、スマートカード上に指定された同じアプリケーションを繰り返し実行できるという利点を有する。しかし、別のアプリケーションを選択するために特別の信号を支援できるアプリケーション選択端末と専用スマートカードの両者が必要となる。
【0030】
好適実施例の詳しい実行を、付録に掲げたスマートカードJava(登録商標)プログラムで示す。プログラムは選択アプリケーションと4つのデモ用アプリケーションを含んでいる。本プログラムは、Java(登録商標)カードインタフェースに従ったカード、例えばシュラムバーガサイバーフレックス(Schlumberger CyberFlexTM)カード、中で作動するように意図され、アプリケーション選択用のアプリケーションはシュラムバーガポケットドック(Schlumberger PocketDockTM)と互換性を有するように設計される。
【0031】
図7のマルチアプリケーションスマートカード70は、記憶装置74とメモリ装置76に接続されたマイクロ制御装置72を含んでいる。マイクロ制御装置72はスマートカードソフトウェアとプログラムを実行し、端末の指示を実行し、スマートカード70内外へのデータの流れを全体的に管理する。実施例によっては、マイクロ制御装置72がマイクロプロセッサ、プログラマブルアレイロジック(PAL)、特定アプリケーション用の集積回路(ASIC)、及び/又は他の集積回路装置を有している。記憶装置74は、読込専用メモリ(ROM)を有していてもよく、スマートカードの作動に必要なプログラムとATRsを始めとしたプログラムとデータを記憶する。メモリ装置76はランダムアクセスメモリを有していてもよく、マイクロ制御装置72がプログラム実行中に使うプログラムとデータを一時的に記憶する。新たな又は更新されたプログラムとデータを、時に応じスマートカード70中にダウンロード又はプログラム化して、スマートカード70をアップグレードしてもよい。スマートカード70は又、自分に接続された通信装置78を有しており、本装置によりマイクロ制御装置72は外部装置とデータを交換できる。更に、スマートカード70は、名前、番地、又は、次回スマートカード70が端末に挿入された際にどのアプリケーションを実行するべきかの指示情報を記憶する持続的な記憶装置を有している。マイクロ制御装置72は上記実施例に従って持続的な記憶装置を修正し、次回に実行されるべきアプリケーションを指定する。
【0032】
別々のブロックで表現されているが、マイクロ制御装置72、記憶装置74、メモリ装置76、通信装置78、メモリエリア80は、単一のIC装置に組合せてもよく、或いは数がより少ない又は多い独立したIC装置としてもよい。
【0033】
図8のアプリケーション選択用端末82は、マイクロ制御装置86に接続されたスマートカードインタフェース84を有する。インタフェース84により、スマートカード80を端末82に接続することができ、スマートカード70と端末82の間での通信が容易になる。ある好適実施例の場合、インタフェース84はスマートカード70に電力を供給する電源、例えばバッテリ(図示せず)及び/又はスマートカード用の読取器又は読取・書込器を有している。実施例によっては、インタフェース84はスマートカード70を物理的に取り込む。しかし他の実施例の場合、インタフェース84は誘導性、容量性、又は光学的な結合器を使ってもよく、又は無線周波数信号を使ってスマートカード70を端末82に接続してもよい。マイクロ制御装置86は、1つ以上のPAL、ASIC、又は他のIC装置を使ってもよく、端末プログラムを実行させスマートカード70へ出入するデータの流れを全体的に管理する。記憶装置88は、ハードドライブを有していてもよく、マイクロ制御装置86に接続され、端末82を作動させるのに必要な基本的なプログラムとデータを記憶している。メモリ装置90は端末82の作動中、マイクロ制御装置86で使われるプログラムとデータを一時的に記憶する。更に端末82は手動選択装置92を有しており、本装置はキーパッド、キーボード、ユーザが手動で選択入力できる他の手動選択装置のいずれでもよい。手動選択装置92により、ユーザはスマートカード70を端末に挿入した次回に自分が実行させたいアプリケーションを選択することができる。
【0034】
スマートカード70の場合のように、マイクロ制御装置86、記憶装置88、端末82のメモリ装置90を単一のIC装置に組合せてもよく、或いは数がより少ない又は多い独立したIC装置としてもよい。
【0035】
スマートカード70と端末82の作動は、図5A−5Cと図6A−6Dの実施例の作動と酷似しているのでここでは述べない。
【0036】
上述の実施例は単なる例示的であること、又他の装置を本発明当時の同業者ならば本発明の範囲を逸脱することなく考案できることを理解するべきである。例えば、特別な信号を第1及び第2信号、追加信号、及び/又は他の信号機構例えばステータスライン又は通信ラインを仮定又は取り付けるとして述べたが、従来型及び/又は非従来型の他の信号装置を使ってアプリケーション選択用のアプリケーションを起動することができる。本発明のスマートカードはマイクロ制御装置及び/又は関連装置について述べているが、「カード」又は如何なる特定様式の体裁に限定されるものではない。こうした装置は例えば標準的クレジットカード様式で埋め込まれてもよく、指輪、腕時計、自動車用部品、又は種々の形式体裁として埋め込まれても本発明の範囲を逸脱しない。
【0037】











【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】シングルアプリケーションスマートカードと端末を図示する。
【図2】マルチアプリケーションスマートカードと端末を図示する。
【図3A】図3Aの流れ図は、次に実行されるべきアプリケーションを事前定義されたリストに従って決定させる場合のスマートカードの作動を示す。
【図3B】図3Bの流れ図は、次に実行されるべきアプリケーションを事前定義されたリストに従って決定させる場合のスマートカードの作動を示す。
【図4】アプリケーション選択アプリケーションとアプリケーション選択端末を有するマルチアプリケーションスマートカードを図示する。
【図5A】アプリケーション選択アプリケーションを互いのアプリケーション間で実行させる場合のスマートカードの操作を示す。
【図5B】アプリケーション選択アプリケーションを互いのアプリケーション間で実行させる場合のスマートカードの操作を示す。
【図5C】アプリケーション選択アプリケーションを互いのアプリケーション間で実行させる場合のスマートカードの操作を示す。
【図6A】特別信号の検出時にアプリケーション選択を実行するスマートカードの場合の作動を示す。
【図6B】特別信号の検出時にアプリケーション選択を実行するスマートカードの場合の作動を示す。
【図6C】特別信号の検出時にアプリケーション選択を実行するスマートカードの場合の作動を示す。
【図6D】特別信号の検出時にアプリケーション選択を実行するスマートカードの場合の作動を示す。
【図7】本発明のマルチアプリケーションスマートカードを図示する。
【図8】本発明のアプリケーション選択端末を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートカードを端末に挿入する段階と、実行されるべきアプリケーションを決定するためにスマートカード中の持続的な記憶装置を読み取る段階と、アプリケーションを実行する段階と、実行されるべき次のアプリケーションを表示するために持続的な記憶装置を修正する段階と、スマートカードを端末から除く段階とから成ることを特徴とするマルチアプリケーションスマートカード作動方法。
【請求項2】
前記修正する段階が、アプリケーション選択のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示するために、持続的な記憶装置を修正する段階を含むことを特徴とする、上記請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記修正する段階が、現在のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示するために、持続的な記憶装置を修正する段階を含むことを特徴とする、上記請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記修正する段階が、ユーザ選択されたアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示するために、持続的な記憶装置を修正する段階を含むことを特徴とする、上記請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記修正する段階が、事前定義されたリスト上の次のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示するために、持続的な記憶装置を修正する段階を更に含むことを特徴とする、上記請求項1に記載の方法。
【請求項6】
端末からの事前定義された信号を受信時に、アプリケーション選択のアプリケーションを実行する段階を更に含むことを特徴とする、上記請求項1に記載の方法。
【請求項7】
スマートカード上で利用可能なアプリケーションを決定する段階を更に含むことを特徴とする、上記請求項1に記載の方法。
【請求項8】
事前定義された信号をスマートカードに送る段階を更に含むことを特徴とする、上記請求項1に記載の方法。
【請求項9】
スマートカードを端末に挿入する段階と、アプリケーションを選択する段階と、次回カード挿入時に前記選択アプリケーションを実行させるためにスマートカードを構成する段階と、スマートカードを端末から除く段階とから成ることを特徴とするマルチアプリケーションスマートカード中で実行されるべきアプリケーションを選択する方法。
【請求項10】
前記端末がアプリケーション選択端末であることを特徴とする、上記請求項9に記載の方法。
【請求項11】
事前定義された信号をスマートカードに送る段階を更に含むことを特徴とする、上記請求項9に記載の方法。
【請求項12】
スマートカード上で実行されるべき利用可能なアプリケーションを決定する段階を更に含むことを特徴とする、上記請求項9に記載の方法。
【請求項13】
複数のアプリケーションを実行できるスマートカードであって、実行されるべき現在のアプリケーションを表示する持続的な記憶装置と、持続的な記憶装置が表示するアプリケーションを実行しかつ実行されるべき次のアプリケーションを表示するために持続的な記憶装置を修正するマイクロ制御装置とから成ることを特徴とする複数のアプリケーションを実行できるスマートカード。
【請求項14】
マイクロ制御装置が、アプリケーション選択のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示するために、持続的な記憶装置を修正することを特徴とする、上記請求項13に記載のスマートカード。
【請求項15】
マイクロ制御装置が、事前定義されたリスト上の次のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示するために、持続的な記憶装置を修正することを特徴とする、上記請求項13に記載のスマートカード。
【請求項16】
マイクロ制御装置が、現在のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示するために、持続的な記憶装置を修正することを特徴とする、上記請求項13に記載のスマートカード。
【請求項17】
マイクロ制御装置が、ユーザ選択されたアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示するために、持続的な記憶装置を修正することを特徴とする、上記請求項13に記載のスマートカード。
【請求項18】
マイクロ制御装置が、スマートカード端末から1つ以上の事前定義された信号を受信した時、アプリケーション選択のアプリケーションを実行することを特徴とする、上記請求項13に記載のスマートカード。
【請求項19】
事前定義された信号が、第1リセット信号と、その後の事前定義された時間後に続く第2リセット信号を含むことを特徴とする、上記請求項18に記載のスマートカード。
【請求項20】
複数のアプリケーションを実行できるスマートカードであって、実行されるべき現在のアプリケーションを表示する手段と、表示されたアプリケーションを実行する手段と、実行されるべき次のアプリケーションを表示するための手段を修正する手段とから成ることを特徴とするスマートカード。
【請求項21】
前記修正する手段が、アプリケーション選択のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示する表示手段を、修正することを特徴とする、上記請求項20に記載のスマートカード。
【請求項22】
前記修正する手段が、事前定義されたリスト上の次のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示する表示手段を、修正することを特徴とする、上記請求項20に記載のスマートカード。
【請求項23】
前記修正する手段が、現在のアプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示する表示手段を、修正することを特徴とする、上記請求項20に記載のスマートカード。
【請求項24】
前記修正する手段が、ユーザ選択アプリケーションを実行されるべき次のアプリケーションとして表示する表示手段を、修正することを特徴とする、上記請求項20に記載のスマートカード。
【請求項25】
前記実行手段が、スマートカード端末から事前定義された信号受信時に、アプリケーション選択のアプリケーションを実行することを特徴とする、上記請求項20に記載のスマートカード。
【請求項26】
事前定義された信号が、第1リセットと、その後の事前定義された時間後に続く第2リセットを含むことを特徴とする、上記請求項25に記載のスマートカード。
【請求項27】
マルチアプリケーションスマートカードを端末に接続するスマートカードインタフェースと、マルチアプリケーションスマートカード上で実行されるべき次のアプリケーションとして利用可能なアプリケーションを手動で選択するための手動選択装置とから成ることを特徴とするスマートカードアプリケーション選択端末。
【請求項28】
どのアプリケーションが、マルチアプリケーションスマートカード上で実行されるべく利用できるかを決定するマイクロ制御装置を更に含むことを特徴とする、上記請求項27に記載の端末。
【請求項29】
マイクロ制御装置が事前定義された信号をマルチアプリケーションスマートカードに送ることにより、スマートカードとの通信を開始することを特徴とする、上記請求項27に記載の端末。
【請求項30】
マイクロ制御装置が、実行されるべき次のアプリケーションとして選択されたアプリケーションを、スマートカードに通信することを特徴とする、上記請求項27に記載の端末。
【請求項31】
マルチアプリケーションスマートカードとインタフェースする手段と、マルチアプリケーションスマートカード上で実行されるべき次のアプリケーションとして利用可能なアプリケーションを手動で選択する手段から成ることを特徴とするスマートカードアプリケーション選択端末。
【請求項32】
事前定義された信号をスマートカードに送ることで、スマートカードとの通信を開始する手段を更に含むことを特徴とする、上記請求項31に記載の端末。
【請求項33】
どのアプリケーションが実行されるべき次のアプリケーションとして選択されたをスマートカードに通信する手段を更に含むことを特徴とする、上記請求項31に記載の端末。
【請求項34】
マルチアプリケーションスマートカード上で実行されるべき利用可能なアプリケーションを決定する手段を更に含むことを特徴とする、上記請求項31に記載の端末。
【請求項35】
スマートカード上で実行されるべき次のアプリケーションを指定する持続的な記憶装置を有するマルチアプリケーションスマートカードと、スマートカード上で次に実行されるべきアプリケーションをユーザに選べるようにするアプリケーション選択端末とから成ることを特徴とするスマートカードシステム。
【請求項36】
スマートカードが持続的な記憶装置を修正し、アプリケーション選択アプリケーションを次に実行されるべきアプリケーションとして指定することを特徴とする、上記請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
端末が持続的な記憶装置を修正し、ユーザ選択アプリケーションを次に実行されるべきアプリケーションとして指定することを特徴とする、上記請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
スマートカードが、任意の形式体裁で差し支えないことを特徴とする、上記請求項13に記載のスマートカード。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−59386(P2009−59386A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−306826(P2008−306826)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【分割の表示】特願平11−518753の分割
【原出願日】平成10年9月18日(1998.9.18)
【出願人】(504239847)アクサルト ソシエテ アノニム (17)
【Fターム(参考)】