説明

スライド回転ヒンジ、及び携帯機器

【課題】丈夫で見栄えが良いスライド回転ヒンジを実現する。
【解決手段】第1の筐体(1)と第2の筐体(2)とを重ねて閉じた状態から相対的にスライドさせて開放状態となるよう一方の筐体(2)に設けられたレール91と、他方の筐体(1)に設けられ、レール91に対し相対的にスライド自在で且つ回転可能に係合する支持部材5と、第1の筐体(1)と第2の筐体(2)とにスライド動作及び回転動作に応じて弾性力が与えられるよう設けられたバネ7と、を備える。具体的には、レール91に対し相対的にスライド自在で且つ回転可能に係合し、支持部材5に対しレール91の回転動作時に移動可能に組み付けられる可動部材6を備え、この可動部材6にバネ7が接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの筐体をスライド自在で且つ回転可能に組み付けるスライド回転ヒンジと、そのスライド回転ヒンジを備える携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
スライド式携帯端末において、二つの筐体をスライド自在で且つ回転可能とするスライド回転部を備えたものが特許文献1に開示されている。すなわち、特許文献1のスライド回転は、表面に上下方向に長い縦長の液晶ディスプレイを有する第1の筐体と、表面に操作部を有する第2の筐体と、第1の筐体を第2の筐体にスライド自在に支持する支持機構とを設けたスライド式携帯端末において、支持機構の第2の筐体側に第1及び第2ガイド軸を設け、第1の筐体側に、第1ガイド軸をガイドする第1ガイド孔と、第2ガイド軸をガイドする第2ガイド孔とを設けることで、第1の筐体を第2の筐体に対して表面から見て時計回りに回転自在に支持するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−193519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のスライド回転部は、第2の筐体側に設けた第1ガイド軸と第2ガイド軸を、第1の筐体側に設けた第1ガイド孔と第2ガイド孔に挿入してそれぞれガイドする構造であり、第1の筐体と第2の筐体とのガタ付きが多くて強度的にも弱く、また、ガイド孔が外部に見えてしまい見栄えが悪いものであった。
【0005】
本発明の課題は、丈夫で見栄えが良いスライド回転ヒンジを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、第1の筐体と第2の筐体とを重ねて閉じた状態から相対的にスライドさせて開放状態となるよう一方の筐体に設けられたレールと、他方の筐体に設けられ、前記レールに対し相対的にスライド自在で且つ回転可能に係合する支持部材と、前記第1の筐体と第2の筐体とに前記スライド動作及び回転動作に応じて弾性力が与えられるよう設けられたバネと、を備えるスライド回転ヒンジを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスライド回転ヒンジであって、前記レールに対し相対的にスライド自在で且つ回転可能に係合し、前記支持部材に対し前記レールの回転動作時に移動可能に組み付けられる可動部材を備え、この可動部材に前記バネが接続されることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のスライド回転ヒンジであって、前記支持部材及び可動部材は、前記レールが前記スライド動作時に係合する直線部によるスライド方向ガイド部と、このスライド方向ガイド部に連続し、前記レールが前記回転動作時に係合する、前記直線部とほぼ直角方向の湾曲部及び直線部による回転方向ガイド部と、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のスライド回転ヒンジであって、前記可動部材は、前記支持部材に対し互いに係合する複数の軸及び溝を介して移動可能に組み付けられることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジであって、前記バネはねじりバネであることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジであって、前記閉じた状態において、前記レールの前記回転動作を規制する回転規制部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジであって、前記開放した状態において、前記レールの前記回転動作を許容する回転許容部を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のスライド回転ヒンジであって、前記開放した状態、及び前記レールの前記回転動作時において、前記一方の筐体に対する前記バネの接続部を、前記支持部材の前記回転方向ガイド部の前記湾曲部の内側位置に規制するストッパーを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項3から8のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジであって、前記支持部材及び可動部材に、前記レール間の隙間を塞ぐ壁部を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジであって、前記支持部材に、配線を通す配線通し部を形成したことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジを備える携帯機器を特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、丈夫で見栄えが良いスライド回転ヒンジを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成を示す斜視図で、携帯電話のスライドクローズ状態を示した図(a)とスライドオープン状態を示した図(b)と回転した状態を示した図(c)である。
【図2】実施形態のスライド回転ヒンジの構成を示した分解斜視図である。
【図3】図2の支持部材及び可動部材を組み付けた状態を示した図である。
【図4】図3のレール部材を反対側から見た図である。
【図5】実施形態のスライド回転ヒンジの正面図で、スライドクローズ状態を示した図(a)とスライド途中を示した図(b)とスライドオープン状態を示した図(c)である。
【図6】図5(c)のスライドオープン状態から回転途中を示した図(a)と回転した状態を示した図(b)である。
【図7】図5(b)の矢印A部の拡大端面図である。
【図8】図6(b)の矢印B部の拡大端面図である。
【図9】図1(c)の回転した状態の背面図である。
【図10】図9の回転した状態の左右両側方から見た斜視図(a)(b)である。
【図11】支持部材を備える筐体側の配線の一例を示す正面図で、スライドクローズ状態を示した図(a)とスライドオープン状態を示した図(b)と回転した状態を示した図(c)である。
【図12】図1(a)のスライドクローズ状態の正面図である。
【図13】図12の矢印A−A線に沿って断面図である。
【図14】図12の矢印B−B線に沿って断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
図1は本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成として携帯電話を示したもので、図1(a)はスライドクローズ状態、図1(b)はスライドオープン状態、図1(c)は回転した状態を示しており、図中、1は第1の筐体、2は第2の筐体、3は操作部、4は表示部である。
【0020】
携帯電話は、第1の筐体1に対し第2の筐体2が、図1(a)の重ねて閉じた状態から縦方向にスライド自在に組み付けられるとともに、図1(b)の縦方向へのスライド状態で図1(c)のように回転可能に組み付けられている。なお、第1の筐体1の上面に操作部3が設けられて、第2の筐体2の上面に表示部4が設けられている。
【0021】
図2及び図3は第1の筐体1と第2の筐体2との間に設けられるスライド回転ヒンジの構成を示したもので、5は支持部材、6は可動部材、7はねじりバネ、8はストッパー、9はレール部材である。
【0022】
支持部材5は、第1の筐体1の上面で操作部3に対し上側に固定される略正方形の板金で、図示左辺部に沿った直線部によるスライド方向ガイド部51を有するとともに、図示上辺部に沿って連続する湾曲部及び直線部による回転方向ガイド部52を有している。これらスライド方向ガイド部51及び回転方向ガイド52は、支持部材5の上面から一段高い段差による壁部をもって形成されている。
【0023】
以上の支持部材5の図示右上隅部に可動部材6が固定具53の軸部で回転移動可能に組み付けられている。可動部材6は、支持部材5の上面に取り付けられる略扇形の板金で、図示右辺部に沿った直線部によるスライド方向ガイド部61を有するとともに、図示下辺部に沿って連続する湾曲部及び直線部による回転方向ガイド部62を有している。これらスライド方向ガイド部61及び回転方向ガイド62は、可動部材6の上面から一段高い段差による壁部を介して形成されている。
【0024】
以上の可動部材6には、支持部材5の図示右寄り及び左隅寄りに形成された、固定部53の軸部を中心とする円弧状溝54・55にそれぞれ係合する軸64・65が取り付けられている。
【0025】
ねじりバネ7は、一端部が可動部材6の上面の図示右下隅部に固定具71で接続されて、他端部がレール部材9に固定具72で接続される。
【0026】
ストッパー8は、略正方形で、支持部材5の上面の図示左隅寄りに組み付けて固定されている。なお、支持部材5の図示上辺部寄りで可動部材6とストッパー8との間には配線通し穴56が形成されている。
【0027】
レール部材9は、第2の筐体2の下面に固定される略長方形の板金で、その左右辺部に沿ってレール91が形成されている。この左右一対のレール91は、断面コ字状でその開放側が相対向していて、このレール91の内部にはPOM(ポリアセタール)による摺動部材92が嵌め込まれている。この摺動部材92の摺動溝に、前記支持部材5のスライド方向ガイド部51及び回転方向ガイド部52と、前記可動部材6のスライド方向ガイド部61及び回転方向ガイド62がそれぞれ係合可能となっている。
【0028】
以上のレール部材9の図示左側で若干下寄りにねじりバネ7の前記他端部が固定具72で接続されている。なお、レール部材9の中間部で固定部72の図示右側には配線通し穴96が形成されている。
【0029】
図4はレール部材9を反対側から見たもので、図示のように、レール部材9の一端部側には、一方のレール91の近傍に沿って平行する出っ張り部93が形成されている。この出っ張り部93は、スライドクローズ状態において、前記支持部材5に可動部材6を組み付ける固定具53に側方から当接して、レール部材9の回転を規制する。
【0030】
次に、図5はスライド回転ヒンジの動作を正面から見たものである。
先ず、スライドクローズ状態において、第2の筐体2の下面に固定されたレール部材9は、図5(a)に示すように、その左右一対のレール91の図示上端側が、第1の筐体1の上面に固定された支持部材5の図示左辺部に沿った直線部によるスライド方向ガイド部51に係合するとともに、その支持部材5上に組み付けられた可動部材6の図示右辺部に沿った直線部によるスライド方向ガイド部61に係合している。
【0031】
以上のスライドクローズ状態においては、第2の筐体2に固定のレール部材9の図示左側のレール91に、第1の筐体1に固定の支持部材5のスライド方向ガイド部51が係合し、且つ、レール部材9の一端部側で一方のレール91の近傍に沿って平行する出っ張り部93が、支持部材5に可動部材6を組み付ける固定具53に側方から当接することで、レール部材9、すなわち、第2の筐体2は回転動作ができない。従って、固定具53と出っ張り部93が回転規制部として機能する。
【0032】
また、このとき、ねじりバネ7は、固定具72を介してレール部材9に対し、矢印で示したように、図示下方に押し付けるように弾性力を発生させている。従って、スライドクローズ状態が保持される。
【0033】
そして、第1の筐体1と第2の筐体2を相対的にスライド操作するスライド途中では、レール部材9の出っ張り部93が固定具53から抜ける前に、図5(b)及び図7に示すように、レール部材9にねじりバネ7を組み付ける固定具72が、支持部材5のスライド方向ガイド部51の内壁に当たるので、引き続き第2の筐体2は回転動作ができない。従って、スライド方向ガイド部51の内壁と固定具72が回転規制部として機能する。
【0034】
また、スライド途中において、レール部材9にねじりバネ7を組み付ける固定具72もスライドすることで、図5(b)に矢印で示したように、ねじりバネ7の弾性力の方向も変化し、一定のスライド量を超えると、スライドオープンのアシスト力となる。
【0035】
さらに、スライドオープン状態では、図5(c)に示すように、支持部材5及び可動部材6のスライド方向ガイド部51・61に対しレール部材9のレール91の図示下端側が係合してスライドしきった位置に達する。
【0036】
このとき、回転動作を抑制する接触がなくなるので、レール部材9は、ねじりバネ7を組み付ける固定具72の軸部を中心に回転動作が可能になる。すなわち、固定具72は、支持部材5のスライド方向ガイド部51と回転方向ガイド部52により図示左側及び上側を囲まれ、ストッパー8により図示右側を囲まれているので、図示下方にスライドするか、その場で回転するしかできない。従って、スライド方向ガイド部51と回転方向ガイド部52と固定具72とストッパー8が回転許容部として機能する。
【0037】
次に、図6は回転動作を示したものである。
図6(a)は図5(c)のスライドオープン状態から回転途中を示したもので、第1の筐体1に対し第2の筐体2を回転操作する際は、ねじりバネ7の固定具72を中心にレール部材9が回転する。
【0038】
このとき、図示左側のレール91が支持部材5の回転方向ガイド部52の湾曲部に係合するとともに、図示右側のレール91が可動部材6の回転方向ガイド部62の湾曲部に係合し、同時に、図示右側のレール91に押されて可動部材6が支持部材5に対する固定具53の軸部を中心に、軸64・65が各々係合する円弧状溝54・55にそれぞれ沿って回転する。これにより、ねじりバネ7が圧縮されて、ねじりバネ7は元に戻ろうと外方向に力を発生させるので、レール部材9が押されて、それが回転アシスト力になる。
【0039】
そして、図6(b)は回転した状態を示したもので、レール部材91が90度回転したときに、その上下のレール91が、支持部材5の回転方向ガイド部52の直線部に係合するとともに、可動部材6の回転方向ガイド部62の直線部に係合し、同時に、図8に示すように、レール91の端面に支持部材5の回転方向ガイド部52の壁が当たって、回転が止まる。
【0040】
このとき、可動部材6は、その回転方向ガイド部62の直線部がレール91により押されなくなるので、ねじりバネ7の力により元の位置に戻る。
そして、回転後は、支持部材5の回転方向ガイド部52の直線部と可動部材6の回転方向ガイド部62の直線部とによって、レール部材9を保持するため、強度があって、ガタが少ない。
【0041】
このような動作を行うスライド回転ヒンジによって、携帯電話は、図1(a)に示したスライドクローズ状態から、図1(b)に示したスライドオープン状態を経て、図1(c)に示した90度回転した状態で止めて使用することができる。
【0042】
なお、図9は回転した状態を背面から見たもので、第2の筐体2の背面には、第1の筐体1の左右にレール部材9が見えるだけで、従来のようなガイド孔等が露出しないため、見栄えが良い。
【0043】
また、図10(a)及び(b)は回転した状態で背面を左右両側方から見たもので、第2の筐体2の背面のレール部材9と第1の筐体1との左右両側間には、支持部材5のスライド方向ガイド部51の壁部と、可動部材6のスライド方向ガイド部61の壁部が位置していて、内部構造が露出しないため、この点でも見栄えが良い。
【0044】
次に、図11は支持部材5を備える第1の筐体1側の配線10の一例を示すもので、図11(a)はレール91とともにスライドクローズ状態、図11(b)は同じくスライドオープン状態、図11(c)は同じく回転した状態を示している。
【0045】
図示のように、第1の筐体1の上面に固定された支持部材5の配線通し穴56から、同軸線による配線10が外部に導出されている。なお、この配線10は、ねじりバネ7を可動部材6に取り付ける固定具71より外側で、支持部材5の図示右寄りの円弧状溝54に係合する軸64より内側に配置されている。
【0046】
そして、図12から図14は第2の筐体2側も含めて配線10を示したもので、図示のように、前記配線10は、第2の筐体2の背面に固定されたレール部材9の配線通し穴96から外部に導出されている。
【0047】
このように、図11(a)に示したスライドクローズ状態から、図11(b)に示したスライドオープン状態、及び図11(c)に示した回転した状態まで配線10を良好に取り廻しすることができる。
【0048】
以上、実施形態のスライド回転式携帯電話によれば、そのスライド回転ヒンジとして、第2の筐体2に設けたレール91に対し相対的にスライド自在で且つ回転可能に係合する支持部材5を第1の筐体1に設けて、第1の筐体1と第2の筐体2とにスライド動作及び回転動作に応じてアシスト力を発生するねじりバネ7を設けたので、丈夫で見栄えが良いスライド回転ヒンジを提供できる。
【0049】
具体的には、支持部材5に対しレール91の回転動作時に移動可能に可動部材6を組み付け、この可動部材6にねじりバネ7を接続することで、スライド式でありながら第2の筐体2の良好な回転動作を実現できる。
【0050】
しかも、スライドアシストと回転アシストの両方を行うねじりバネ7が1本だけなので、スライド回転ヒンジを薄く構成できる。
【0051】
また、支持部材5及び可動部材6は、一対のレール91がスライド動作時に係合する直線部によるスライド方向ガイド部51・61と、このスライド方向ガイド部51・61に連続し、一対のレール91が回転動作時に係合する、前記直線部とほぼ直角方向の湾曲部及び直線部による回転方向ガイド部52・62と、を有しているので、スライド式でありながら第2の筐体2の良好な回転動作を実現でき、回転前及び回転後の第2の筐体2の保持がしっかりできる。
【0052】
しかも、スライド方向ガイド部51・61及び回転方向ガイド部52・62が支持部材5及び可動部材6の上面から一段高い段差による壁部をもって形成されているので、四方を壁で囲む形になり、内部構造が露出しなくて見栄えが良い。
【0053】
(変形例)
なお、以上の実施形態においては、携帯電話としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、PDA、ノートパソコン、ウェアラブルパソコン、電卓、電子辞書などで、スライド回転部を備えた機器全てに用いることができる。
また、実施形態ではねじりバネを用いたが、コイルバネを用いてもよい。
さらに、支持部材及び可動部材の形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
1 第1の筐体
2 第2の筐体
3 操作部
4 表示部
5 支持部材
51 スライド方向ガイド部
52 回転方向ガイド部
53 固定具
54 溝
55 溝
56 配線通し部
6 可動部材
61 スライド方向ガイド部
62 回転方向ガイド部
64 軸
65 軸
7 バネ
71 固定具
72 固定具
8 ストッパー
9 レール部材
91 レール
92 摺動部材
93 出っ張り部
96 配線通し部
10 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体とを重ねて閉じた状態から相対的にスライドさせて開放状態となるよう一方の筐体に設けられたレールと、
他方の筐体に設けられ、前記レールに対し相対的にスライド自在で且つ回転可能に係合する支持部材と、
前記第1の筐体と第2の筐体とに前記スライド動作及び回転動作に応じて弾性力が与えられるよう設けられたバネと、を備えることを特徴とするスライド回転ヒンジ。
【請求項2】
前記レールに対し相対的にスライド自在で且つ回転可能に係合し、前記支持部材に対し前記レールの回転動作時に移動可能に組み付けられる可動部材を備え、
この可動部材に前記バネが接続されることを特徴とする請求項1に記載のスライド回転ヒンジ。
【請求項3】
前記支持部材及び可動部材は、
前記レールが前記スライド動作時に係合する直線部によるスライド方向ガイド部と、
このスライド方向ガイド部に連続し、前記レールが前記回転動作時に係合する、前記直線部とほぼ直角方向の湾曲部及び直線部による回転方向ガイド部と、を有することを特徴とする請求項2に記載のスライド回転ヒンジ。
【請求項4】
前記可動部材は、前記支持部材に対し互いに係合する複数の軸及び溝を介して移動可能に組み付けられることを特徴とする請求項2または3に記載のスライド回転ヒンジ。
【請求項5】
前記バネはねじりバネであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジ。
【請求項6】
前記閉じた状態において、前記レールの前記回転動作を規制する回転規制部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジ。
【請求項7】
前記開放した状態において、前記レールの前記回転動作を許容する回転許容部を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジ。
【請求項8】
前記開放した状態、及び前記レールの前記回転動作時において、前記一方の筐体に対する前記バネの接続部を、前記支持部材の前記回転方向ガイド部の前記湾曲部の内側位置に規制するストッパーを備えることを特徴とする請求項7に記載のスライド回転ヒンジ。
【請求項9】
前記支持部材及び可動部材に、前記レール間の隙間を塞ぐ壁部を備えることを特徴とする請求項3から8のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジ。
【請求項10】
前記支持部材に、配線を通す配線通し部を形成したことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のスライド回転ヒンジを備えることを特徴とする携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−4232(P2011−4232A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146363(P2009−146363)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】